仮想マシン管理ガイド

Red Hat Virtualization 4.4

Red Hat Virtualization での仮想マシンの管理

Red Hat Virtualization Documentation Team

Red Hat Customer Content Services

概要

本書では、Red Hat Virtualization における仮想マシンのインストール、設定、および管理について説明します。

第1章 はじめに

仮想マシンは、コンピューターのソフトウェア実装です。Red Hat Virtualization 環境を使用すると、仮想デスクトップおよび仮想サーバーを作成できます。

仮想マシンは、コンピューティングタスクとワークロードを統合します。従来のコンピューティング環境では、ワークロードは通常、個別に管理およびアップグレードされたサーバーで実行されます。仮想マシンは、同じコンピューティングタスクおよびワークロードの実行に必要なハードウェアと管理の量を減らします。

1.1. 対象者

Red Hat Virtualization の仮想マシンタスクの多くは、VM ポータルおよび管理ポータルの両方で実行できます。ただし、ユーザーインターフェイスはポータルごとに異なり、一部の管理タスクでは管理ポータルへのアクセスが必要です。管理ポータルでのみ実行できるタスクは、本ガイドでそのように説明されます。使用するポータルと、各ポータルで実行可能なタスクは、パーミッションのレベルにより決まります。仮想マシンのパーミッションについては、仮想マシンおよびパーミッション で説明されています。

VM ポータルのユーザーインターフェイスについては、VM ポータルの概要 で説明されています。

管理ポータルのユーザーインターフェイスについては、管理ガイド で説明されています。

Red Hat Virtualization REST API での仮想マシンの作成と管理については、REST API Guide に記載されています。

1.2. サポート対象の仮想マシンオペレーティングシステム

サポート対象のオペレーティングシステムの一覧は、Certified Guest Operating Systems in Red Hat OpenStack Platform, Red Hat Virtualization and OpenShift Virtualization を参照してください。

オペレーティングシステムのカスタマイズの詳細は、osinfo を使用したオペレーティングシステムの設定 を参照してください。

1.3. 仮想マシンのパフォーマンスパラメーター

Red Hat Virtualization 仮想マシンがサポートできるパラメーターの詳細は、Red Hat Enterprise Linux technology capabilities and limits および Virtualization limits for Red Hat Virtualization を参照してください。

1.4. クライアントマシンへのサポートコンポーネントのインストール

1.4.1. コンソールコンポーネントのインストール

コンソールは、仮想マシンの起動画面、シャットダウン画面、およびデスクトップの表示、そして物理マシンと同様の方法でその仮想マシンとの対話を可能にするグラフィカルウィンドウです。Red Hat Virtualization では、仮想マシンのコンソールを開くために使用するデフォルトのアプリケーションは、リモートビューアーで、使用する前にクライアントのマシンにインストールする必要があります。

1.4.1.1. Red Hat Enterprise Linux でのリモートビューアーのインストール

リモートビューアーアプリケーションは、仮想マシンに接続するためのグラフィカルコンソールをユーザーに提供します。インストールが完了すると、仮想マシンで SPICE セッションを開こうとすると自動的に呼び出されます。または、スタンドアロンアプリケーションとして使用することもできます。リモートビューアーは、ベースの Red Hat Enterprise Linux Workstation リポジトリーおよび Red Hat Enterprise Linux Server リポジトリーで提供される virt-viewer パッケージに含まれています。

手順

  1. virt-viewer パッケージをインストールします。

    # dnf install virt-viewer
  2. ブラウザーを再起動して、変更を適用します。

SPICE プロトコルまたは VNC プロトコルを使用して、仮想マシンに接続できるようになりました。

1.4.1.2. Windows でのリモートビューアーのインストール

リモートビューアーアプリケーションは、仮想マシンに接続するためのグラフィカルコンソールをユーザーに提供します。インストールが完了すると、仮想マシンで SPICE セッションを開こうとすると自動的に呼び出されます。または、スタンドアロンアプリケーションとして使用することもできます。

Windows でのリモートビューアーのインストール

  1. Web ブラウザーを開き、システムのアーキテクチャーに従って、以下のインストーラーのいずれかをダウンロードします。

    • 32 ビット Windows の virt-viewer:

      https://your-manager-fqdn/ovirt-engine/services/files/spice/virt-viewer-x86.msi
    • 64 ビット Windows の virt-viewer:

      https://your-manager-fqdn/ovirt-engine/services/files/spice/virt-viewer-x64.msi
  2. ファイルを保存したフォルダーを開きます。
  3. ファイルをダブルクリックします。
  4. セキュリティー警告が表示された場合は、Run をクリックします。
  5. User Account Control が表示されたら Yes をクリックします。

リモートビューアーがインストールされると、スタートメニューの すべてのプログラム > VirtViewer フォルダーにある Remote Viewer からアクセスできます。

1.4.1.3. Windows への usbdk のインストール

usbdk は、Windows オペレーティングシステムの USB デバイスに対して remote-viewer 専用のアクセスを可能にするドライバーです。usbdk をインストールするには、管理者権限が必要です。以前サポートされていた USB Clerk オプションは非推奨となり、今後はサポートされないことに注意してください。

Windows への usbdk のインストール

  1. Web ブラウザーを開き、システムのアーキテクチャーに従って、以下のインストーラーのいずれかをダウンロードします。

    • 32 ビット Windows の usbdk:

      https://[your manager’s address]/ovirt-engine/services/files/spice/usbdk-x86.msi
    • 64 ビット Windows の usbdk:

      https://[your manager’s address]/ovirt-engine/services/files/spice/usbdk-x64.msi
  2. ファイルを保存したフォルダーを開きます。
  3. ファイルをダブルクリックします。
  4. セキュリティー警告が表示された場合は、Run をクリックします。
  5. User Account Control が表示されたら Yes をクリックします。

第2章 Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンのインストール

Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンをインストールするには、以下の主要な手順を実行します。

  1. 仮想マシンを作成します。ストレージ用の仮想ディスクと、仮想マシンをネットワークに接続するためのネットワークインターフェイスを追加する必要があります。
  2. 仮想マシンを起動 して、オペレーティングシステムをインストールします。手順については、お使いのオペレーティングシステムのドキュメントを参照してください。

  3. お使いのオペレーティングシステムに 必要なリポジトリーを有効にします
  4. 仮想マシンの追加機能用に ゲストエージェントおよびドライバーをインストールします

2.1. 仮想マシンの作成

新規仮想マシンの作成時に、その設定を指定します。チップセットや BIOS タイプなど、これらの設定の一部は後で編集できます。詳細は、管理ガイドUEFI および Q35 チップセット を参照してください。前提条件

注記

この仮想マシンを使用する前に、以下を行う必要があります。

  • オペレーティングシステムのインストール

  • コンテンツ配信ネットワークへの登録

手順

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. New をクリックします。これにより、New Virtual Machine ウィンドウが開きます。
  3. ドロップダウンリストから Operating System を選択します。

    注記

    Red Hat Enterprise Linux CoreOS をオペレーティングシステムとして選択している場合は、Advanced Options Initial Run タブで Ignition を設定し、初期化方法を設定することをお勧めします。Ignition の設定 を参照してください。

  4. 仮想マシンの Name を入力します。
  5. 仮想マシンにストレージを追加します。Instance ImagesAttach または Create をクリックして仮想ディスクを選択または作成します。

    • Attach をクリックして、既存の仮想ディスクを選択します。

      または

    • Create をクリックし、新規仮想ディスクの Size(GB) および Alias を入力します。他のすべてのフィールドのデフォルト設定を受け入れるか、必要に応じて変更できます。すべてのディスクタイプのフィールドの詳細は、New Virtual Disk および Edit Virtual Disk ウィンドウの設定に関する説明 を参照してください。
  6. 仮想マシンをネットワークに接続します。General タブの一番下の nic1 ドロップダウンリストから、vNIC プロファイルを選択して、ネットワークインターフェイスを追加します。
  7. System タブで仮想マシンの Memory Size を指定します。
  8. Boot Options タブで、仮想マシンが起動するために使用する First Device を選択します。
  9. 他のすべてのフィールドのデフォルト設定を受け入れるか、必要に応じて変更できます。New Virtual Machine ウィンドウのすべてのフィールドの詳細は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine Windows ウィンドウの設定に関する説明 を参照してください。
  10. OK をクリックします。

新規の仮想マシンが作成され、ステータスが Down の仮想マシン一覧に表示されます。

Ignition の設定

Ignition は、初期設定時にディスクを操作するために Red Hat Enterprise Linux CoreOS によって使用されるユーティリティーです。ディスクのパーティション設定、パーティションのフォーマット、ファイルの記述、ユーザー設定など、一般的なディスクタスクを完了します。初回起動時に、Ignition はインストールメディアまたは指定する場所からその設定を読み取り、設定をマシンに適用します。

重要

Ignition が初期化メソッドとして設定されると、これを元に戻したり、再設定したりすることはできません。

  1. Add Virtual Machine または Edit Virtual Machine 画面で、Show Advanced Options をクリックします。
  2. Initial Run タブで Ignition 2.3.0 オプションを選択し、VM Hostname を入力します。
  3. Authorization オプションを展開し、ハッシュ化 (SHA-512) パスワードを入力し、再度パスワードを入力して確認します。
  4. 認可に SSH キーを使用している場合は、指定のスペースに SSH キーを入力します。
  5. また、カスタム Ignition スクリプトを Ignition Script フィールドに JSON 形式で入力することもできます。このスクリプトは、起動時に仮想マシンで実行されます。このフィールドに入力されるスクリプトは、Manager によって生成されるカスタム JSON セクションであり、カスタム Ignition 命令を使用できるようにします。

    注記

    使用している Red Hat Enterprise Linux CoreOS イメージに 2.3.0 以外の Ignition バージョンが含まれる場合、Ignition Script フィールドでスクリプトを使用して、Red Hat Enterprise Linux CoreOS イメージに含まれる Ignition バージョンを適用する必要があります。

    Ignition スクリプトを使用する場合、スクリプト命令が優先され、UI で設定した Ignition オプションで競合するものがあれば、上書きします。

2.2. 仮想マシンの起動

2.2.1. 仮想マシンの起動

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、ステータスが Down の仮想マシンを選択します。
  2. Run をクリックします。

仮想マシンの ステータスUp に変更され、オペレーティングシステムのインストールが開始されます。仮想マシンが自動的に表示されない場合は、仮想マシンのコンソールを開きます。

注記

仮想マシンは、CPU が過負荷状態のホストでは起動しません。デフォルトでは、ホストの CPU に 5 分間 80% 以上の負荷がかかった場合に過負荷と判断されますが、この値はスケジューリングポリシーを使って変更できます。詳細は、管理ガイドスケジュールポリシー を参照してください。

トラブルシューティング

シナリオ: 仮想マシンが以下のエラーメッセージを表示して起動に失敗します。

Boot failed: not a bootable disk - No Bootable device

この問題に対して考えられる解決策:

  • ブートシーケンスで ハードディスク が選択されており、仮想マシンの起動元となるディスクが Bootable に設定されていることを確認してください。
  • テンプレートに基づいて、クローンされた仮想マシン を作成します。
  • OS およびアプリケーションバイナリーを含む RHV が管理するローカルブートディスクで新規の仮想マシンを作成します。
  • ネットワーク (PXE) 起動オプションから起動して、OS をインストールします。

シナリオ: IBM POWER9 の仮想マシンは、以下のエラーメッセージで起動に失敗します。

qemu-kvm: Requested count cache flush assist capability level not supported by kvm, try appending -machine cap-ccf-assist=off

デフォルトのリスクレベルの保護により、仮想マシンが IBM POWER9 で起動できなくなる可能性があります。この問題を解決するには、以下を実行します。

  1. BMC で /var/lib/obmc/cfam_overrides を作成または編集します。
  2. ファームウェアリスクレベルを 0 に設定します。

    # Control speculative execution mode
    0 0x283a 0x00000000  # bits 28:31 are used for init level -- in this case 0 Kernel and User protection (safest, default)
    0 0x283F 0x20000000  # Indicate override register is valid
  3. ホストシステムを再起動して、変更を適用します。
注記

リスクレベルを上書きすると、仮想マシンの実行時に予期しない動作が発生する可能性があります。

2.2.2. 仮想マシンのコンソール表示

リモートビューアーを使用して仮想マシンに接続します。

注記

他のユーザーが仮想マシンに接続できるようにするには、コンソールの使用が終了したら、必ず仮想マシンをシャットダウンして再起動してください。または、管理者は 厳密なユーザーチェックを無効 にして、次のユーザーに切り替える場合に再起動の必要性をなくすことができます。詳細は、仮想マシンの Console の設定に関する説明 を参照してください。

手順

  1. リモートビューアーがまだインストールされていない場合は、インストールします。コンソールコンポーネントのインストール を参照してください。
  2. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  3. Console をクリックします。デフォルトでは、ブラウザーで console.vv という名前のファイルをダウンロードするように、プロンプトが表示されます。クリックしてファイルを開くと、仮想マシンのコンソールウィンドウが開きます。これらのファイルを自動的に開くようにブラウザーを設定して、Console をクリックするだけでコンソールが開くようにすることができます。
注記

console.vv は 120 秒後に期限切れになります。ファイルがダウンロードされてからファイルを開くまでに 120 秒以上経過した場合は、もう一度Consoleをクリックします。

2.2.3. 仮想マシンのシリアルコンソール表示

管理ポータルまたは VM ポータルからコンソールを開く代わりに、コマンドラインから仮想マシンのシリアルコンソールにアクセスできます。シリアルコンソールは、SSH とキーのペアを使用して VirtIO チャネルを介してエミュレートされます。Manager は接続のプロキシーとして機能し、仮想マシンの配置に関する情報を提供して、認証キーを保存します。各ユーザーの公開鍵は、管理ポータルまたは VM ポータルから追加できます。適切なパーミッションを持つ仮想マシンのみのシリアルコンソールにアクセスできます。

重要

仮想マシンのシリアルコンソールにアクセスするには、ユーザーは、その仮想マシンに対する UserVmManagerSuperUser、または UserInstanceManager パーミッションを持っている必要があります。これらのパーミッションはユーザーごとに明示的に定義する必要があります。これらのパーミッションを Everyone に割り当てるだけでは不十分です。

シリアルコンソールには、Manager の TCP ポート 2222 を使用してアクセスします。このポートは、新規インストールの engine-setup の実行時に開かれます。ポートを変更するには、ovirt-vmconsole/README.md を参照してください。

シリアルコンソールを許可するには、以下のファイアウォールルールを設定する必要があります。

シリアルコンソールは、ovirt-vmconsole パッケージと Manager 上の ovirt-vmconsole-proxy、および ovirt-vmconsole パッケージとホストの ovirt-vmconsole-host パッケージに依存します。

これらのパッケージは、新規インストールにデフォルトでインストールされます。既存のインストールにパッケージをインストールするには、ホストを再インストール します。

仮想マシンのシリアルコンソールの有効化

  1. シリアルコンソールにアクセスしている仮想マシンで、以下の行を /etc/default/grub に追加します。

    GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="console=tty0 console=ttyS0,115200n8"
    GRUB_TERMINAL="console serial"
    GRUB_SERIAL_COMMAND="serial --speed=115200 --unit=0 --word=8 --parity=no --stop=1"
    注記

    GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT は、この設定をデフォルトのメニューエントリーのみに適用します。GRUB_CMDLINE_LINUX を使用して、すべてのメニューエントリーに設定を適用します。

    これらの行がすでに /etc/default/grub にある場合は、それらを更新します。複製はしないでください。

  2. /boot/grub2/grub.cfg を再ビルドします。

    • BIOS ベースのマシン:

      # grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
    • UEFI ベースのマシン:

      # grub2-mkconfig -o /boot/efi/EFI/redhat/grub.cfg

      詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者ガイドシリアルコンソールでの GRUB 2 を参照してください。

  3. 仮想マシンのシリアルコンソールにアクセスするクライアントマシンで、SSH キーペアを生成します。Manager は、RSA 鍵などの標準の SSH 鍵タイプをサポートします。

    # ssh-keygen -t rsa -b 2048 -f .ssh/serialconsolekey

    このコマンドにより、公開鍵と秘密鍵が生成されます。

  4. 管理ポータルで AdministrationAccount Settings をクリックするか、ヘッダーバーのユーザーアイコンをクリックして Account Settings をクリックして Account Settings 画面を開きます。

    または、

    仮想マシンポータルで、ヘッダーバーの Settings アイコンをクリックして、Account Settings 画面を開きます。

  5. User's Public Key のテキストフィールド(管理ポータル)または SSH Key フィールド(仮想マシンポータル) に、シリアルコンソールへのアクセスに使用されるクライアントマシンの公開鍵を貼り付けます。
  6. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  7. Edit をクリックします。
  8. Edit Virtual Machine ウィンドウの Console タブで、Enable VirtIO serial console チェックボックスを選択します。

仮想マシンのシリアルコンソールへの接続

クライアントマシンで、仮想マシンのシリアルコンソールに接続します。

  • 1 台の仮想マシンが利用可能な場合、このコマンドはユーザーをその仮想マシンに接続します。

    # ssh -t -p 2222 ovirt-vmconsole@Manager_FQDN -i .ssh/serialconsolekey
    Red Hat Enterprise Linux Server release 6.7 (Santiago)
    Kernel 2.6.32-573.3.1.el6.x86_64 on an x86_64
    USER login:
  • 複数の仮想マシンが利用可能な場合、このコマンドは利用可能な仮想マシンとその ID を一覧表示します。

    # ssh -t -p 2222 ovirt-vmconsole@Manager_FQDN -i .ssh/serialconsolekey list
    1. vm1 [vmid1]
    2. vm2 [vmid2]
    3. vm3 [vmid3]
    > 2
    Red Hat Enterprise Linux Server release 6.7 (Santiago)
    Kernel 2.6.32-573.3.1.el6.x86_64 on an x86_64
    USER login:

    接続するマシンの数を入力し、Enter を押します。

  • または、固有の識別子または名前を使用して仮想マシンに直接接続します。

    # ssh -t -p 2222 ovirt-vmconsole@Manager_FQDN connect --vm-id vmid1
    # ssh -t -p 2222 ovirt-vmconsole@Manager_FQDN connect --vm-name vm1

仮想マシンのシリアルコンソールからの切断

任意のキーを押してから ~ . を押し、シリアルコンソールセッションを閉じます。

シリアルコンソールセッションが異常な形で切断されると、TCP のタイムアウトが発生します。タイムアウト期間が終了するまで、仮想マシンのシリアルコンソールに再接続することはできません。

2.2.4. 仮想マシンへの自動接続

ログインすると、実行中の単一の仮想マシンに自動的に接続できます。これは、VM ポータルで設定できます。

手順

  1. Virtual Machines ページで、仮想マシンの名前をクリックし、詳細ビューに移動します。
  2. Console の横にある鉛筆アイコンをクリックして、Connect automaticallyON に設定します。

次回 VM ポータルにログインする際に、実行中の仮想マシンが 1 台しかない場合は、そのマシンに自動的に接続します。

2.3. 必要なリポジトリーの有効化

Red Hat が署名したパッケージをインストールするには、ターゲットシステムをコンテンツ配信ネットワークに登録する必要があります。次に、サブスクリプションプールからエンタイトルメントを使用し、必要なリポジトリーを有効にします。

Subscription Manager を使用した必要なリポジトリーの有効化

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。

    # subscription-manager register
  2. 関連するサブスクリプションプールを見つけ、プール ID を書き留めます。

    # subscription-manager list --available
  3. プール ID を使用して、必要なサブスクリプションをアタッチします。

    # subscription-manager attach --pool=pool_id
  4. 複数のリポジトリーを持つサブスクリプションプールにシステムがアタッチされている場合は、メインリポジトリーのみがデフォルトで有効になっています。その他は利用できますが、無効になっています。追加のリポジトリーを有効にします。

    # subscription-manager repos --enable=repository
  5. 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。

    # dnf upgrade --nobest
    注記

    バージョン 8 よりも前のバージョンの Red Hat Enterprise Linux の場合は、dnf upgrade の代わりに yum update コマンドを使用します。

    # yum update

    Cannot perform yum update on my RHV manager (ansible conflict) も参照してください。

2.4. ゲストエージェントおよびドライバーのインストール

2.4.1. Red Hat Virtualization ゲストエージェント、ツール、およびドライバー

Red Hat Virtualization ゲストエージェント、ツール、およびドライバーは、仮想マシンに追加の機能を提供します。たとえば、VM ポータルおよび管理ポータルから仮想マシンを正常にシャットダウンまたは再起動するなどの機能を提供します。ツールおよびエージェントは、以下を含む仮想マシンの情報も提供します。

  • リソースの使用状況
  • IP アドレス

ゲストエージェント、ツール、およびドライバーは、仮想マシンにアタッチすることのできる ISO ファイルとして配布されます。この ISO ファイルは、Manager マシンからインストールおよびアップグレードが可能な RPM ファイルとしてパッケージ化されています。

そのマシンでこの機能を有効にするには、ゲストエージェントおよびドライバーを仮想マシンにインストールする必要があります。

表2.1 Red Hat Virtualization ゲストドライバー

ドライバー説明対象

virtio-net

準仮想化ネットワークドライバーは、rtl などのエミュレートされたデバイスでパフォーマンスを強化します。

サーバーとデスクトップ

virtio-block

準仮想化 HDD ドライバーは、仮想マシンとハイパーバイザー間の調整と通信を最適化することで、IDE などのエミュレートされたデバイスよりも I/O パフォーマンスを向上させます。ドライバーは、ホストが使用する virtio-device のソフトウェア実装を補完して、ハードウェアデバイスの役割を果たします。

サーバーとデスクトップ

virtio-scsi

準仮想化 iSCSI HDD ドライバーは、virtio-block デバイスと同様の機能を提供します。これには、いくつかの追加機能があります。特に、このドライバーは数百ものデバイスの追加をサポートし、標準の SCSI デバイス命名スキームを使用してデバイスに名前を付けます。

サーバーとデスクトップ

virtio-serial

Virtio-serial は、複数のシリアルポートをサポートします。改善されたパフォーマンスは、ネットワークの複雑化を回避する仮想マシンとホスト間の高速通信に使用されます。この高速通信は、ゲストエージェント、および仮想マシンとホスト間のクリップボードのコピーアンドペーストやログ記録などの他の機能に必要です。

サーバーとデスクトップ

virtio-balloon

Virtio-balloon は、仮想マシンが実際にアクセスするメモリー量を制御するために使用されます。これにより、メモリーのオーバーコミットメントが改善されます。

サーバーとデスクトップ

qxl

準仮想化ディスプレイドライバーは、ホストの CPU 使用率を削減し、ほとんどのワークロードでネットワーク帯域幅を削減することでパフォーマンスを向上させます。

サーバーとデスクトップ

表2.2 Red Hat Virtualization ゲストエージェントおよびツール

ゲストエージェント/ツール説明対象

qemu-guest-agent

Red Hat Enterprise Linux 8 仮想マシンで ovirt-guest-agent-common の代わりに使用されます。これはデフォルトでインストールされ、有効になっています。

サーバーとデスクトップ

spice-agent

SPICE エージェントは複数のモニターをサポートしており、クライアントマウスモードをサポートし、QEMU エミュレーションよりも優れたユーザーエクスペリエンスと改善された応答性を提供します。カーソルキャプチャーは client-mouse-mode では必要ありません。SPICE エージェントは、色深度、壁紙の無効化、フォントスムージング、アニメーションなどの表示レベルを下げることにより、広域ネットワークで使用する場合の帯域幅の使用量を減らします。SPICE エージェントは、クリップボードのサポートを有効にし、クライアントと仮想マシン間のテキストとイメージの両方のカットアンドペースト操作、およびクライアント側の設定に応じた自動ゲスト表示設定を可能にします。Windows ベースの仮想マシンでは、SPICE エージェントは vdservice および vdagent で設定されます。

サーバーとデスクトップ

2.4.2. Red Hat Enterprise Linux へのゲストエージェントおよびドライバーのインストール

Red Hat Virtualization ゲストエージェントとドライバーは、Red Hat Virtualization Agent リポジトリーによって提供されます。

注記

Red Hat Enterprise Linux 8 仮想マシンは、ovirt-guest-agent サービスの代わりに、デフォルトでインストールされ、有効になっている qemu-guest-agent サービスを使用します。RHEL 8 にゲストエージェントを手動でインストールする必要がある場合は、以下の手順に従います。

手順

  1. Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンにログインします。
  2. Red Hat Virtualization Agent リポジトリーを有効にします。

    • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合

      # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhv-4-agent-rpms
    • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合

      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rh-common-rpms
    • Red Hat Enterprise Linux 8 の場合

      # subscription-manager repos --enable=rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms
  3. ゲストエージェントと依存関係をインストールします。

    • Red Hat Enterprise Linux 6 または 7 の場合は、ovirt ゲストエージェントをインストールします。

      # yum install ovirt-guest-agent-common
    • Red Hat Enterprise Linux 8 および 9 の場合は、qemu ゲストエージェントをインストールします。

      # yum install qemu-guest-agent
  4. ovirt-guest-agent サービスを開始して有効にします。

    • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合

      # service ovirt-guest-agent start
      # chkconfig ovirt-guest-agent on
    • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合

      # systemctl start ovirt-guest-agent
      # systemctl enable ovirt-guest-agent
  5. qemu-guest-agent サービスを開始して有効にします。

    • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合

      # service qemu-ga start
      # chkconfig qemu-ga on
    • Red Hat Enterprise Linux 7、8 または 9 の場合

      # systemctl start qemu-guest-agent
      # systemctl enable qemu-guest-agent

ゲストエージェントは、使用状況情報を Red Hat Virtualization Manager に渡すようになりました。/etc/ovirt-guest-agent.conf ファイルで oVirt ゲストエージェントを設定できます。

第3章 Windows 仮想マシンのインストール

Windows 仮想マシンをインストールするには、以下の主要な手順を実行します。

  1. オペレーティングシステムをインストールする空の仮想マシンを作成します。
  2. ストレージ用の仮想ディスクを追加します。
  3. 仮想マシンをネットワークに接続するためのネットワークインターフェイスを追加します。
  4. オペレーティングシステムのインストール時に、VirtIO 用に最適化されたデバイスドライバーをインストールできるように、Windows ゲストツール CD を仮想マシンにアタッチします。
  5. 仮想マシンに Windows オペレーティングシステムをインストールします。手順については、お使いのオペレーティングシステムのドキュメントを参照してください。
  6. インストール時に、追加の仮想マシン機能用のゲストエージェントとドライバーをインストールします。

これらの手順をすべて完了したら、新しい仮想マシンが機能し、タスクを実行する準備が整います。

3.1. 仮想マシンの作成

新規仮想マシンの作成時に、その設定を指定します。チップセットや BIOS タイプなど、これらの設定の一部は後で編集できます。詳細は、管理ガイドUEFI および Q35 チップセット を参照してください。前提条件

注記

この仮想マシンを使用する前に、以下を行う必要があります。

  • オペレーティングシステムのインストール
  • VirtIO 用に最適化されたディスクおよびネットワークドライバーのインストール

手順

  1. engine-config ツールを使用して、デフォルトの仮想マシンの名前の長さを変更できます。Manager マシンで以下のコマンドを実行します。

    # engine-config --set MaxVmNameLength=integer
  2. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  3. New をクリックします。これにより、New Virtual Machine ウィンドウが開きます。
  4. ドロップダウンリストから Operating System を選択します。
  5. 仮想マシンの Name を入力します。
  6. 仮想マシンにストレージを追加します。Instance ImagesAttach または Create をクリックして仮想ディスクを選択または作成します。

    • Attach をクリックして、既存の仮想ディスクを選択します。

      または

    • Create をクリックし、新規仮想ディスクの Size(GB) および Alias を入力します。他のすべてのフィールドのデフォルト設定を受け入れるか、必要に応じて変更できます。すべてのディスクタイプのフィールドの詳細は、New Virtual Disk および Edit Virtual Disk ウィンドウの設定に関する説明 を参照してください。
  7. 仮想マシンをネットワークに接続します。General タブの一番下の nic1 ドロップダウンリストから、vNIC プロファイルを選択して、ネットワークインターフェイスを追加します。
  8. System タブで仮想マシンの Memory Size を指定します。
  9. Boot Options タブで、仮想マシンが起動するために使用する First Device を選択します。
  10. 他のすべてのフィールドのデフォルト設定を受け入れるか、必要に応じて変更できます。New Virtual Machine ウィンドウのすべてのフィールドの詳細は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine Windows ウィンドウの設定に関する説明 を参照してください。
  11. OK をクリックします。

新規の仮想マシンが作成され、ステータスが Down の仮想マシン一覧に表示されます。

3.2. Run Once を使用した仮想マシンの起動

3.2.1. VirtIO 用に最適化されたハードウェアへの Windows のインストール

virtio-win_version.iso ファイルを仮想マシンにアタッチして、Windows のインストール時に VirtIO 用に最適化されたディスクおよびネットワークデバイスドライバーをインストールします。これらのドライバーは、エミュレートされたデバイスドライバーよりもパフォーマンスが向上します。

Run once オプションを使用して、New Virtual Machine ウィンドウで定義された Boot Options とは異なる 1 度限りのブートで、virtio-win_version.iso ファイルをアタッチします。

前提条件

以下の項目が仮想マシンに追加されている。

  • Red Hat VirtIO ネットワークインターフェイス
  • VirtIO インターフェイスを使用するディスク

virtio-win_version.iso をデータストレージドメインにアップロードできます。

注記

Red Hat は、管理ポータルまたは REST API を使用して、データドメインに ISO イメージをアップロードすることを推奨します。詳細は、管理ガイドデータストレージドメインへのイメージのアップロード を参照してください。

必要な場合は、virtio-win ISO ファイルを Manager でホストされる ISO ストレージドメインにアップロードできます。ISO ストレージドメインタイプは非推奨になりました。詳細は、管理ガイドISO ドメインへのイメージのアップロード を参照してください。

手順

Windows のインストール時に virtio-win ドライバーをインストールするには、以下の手順を実行します。

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. RunRun Once をクリックします。
  3. Boot Options メニューを展開します。
  4. Attach CD チェックボックスを選択し、ドロップダウンリストから Windows ISO を選択します。
  5. Attach Windows guest tools CD チェックボックスを選択します。
  6. CD-ROMBoot Sequence フィールドの一番上に移動します。
  7. 必要に応じて、他の Run Once オプションを設定します。詳細は Run once ウィンドウの設定に関する説明 を参照してください。
  8. OK をクリックします。仮想マシンのステータスが Up に変更され、オペレーティングシステムのインストールが開始されます。

    Windows のインストール時に自動的にコンソールが開かない場合は、仮想マシンのコンソールを開きます。

  9. Windows をインストールするドライブを選択するように求められたら、ドライバーのロード をクリックして OK をクリックします。
  10. インストールするドライバーの選択 で、Windows のバージョンに適したドライバーを選択します。たとえば、Windows Server 2019 の場合には、Red Hat VirtIO SCSI コントローラー (E:\ amd64 \ 2k19 \ viostor.inf)を選択します。
  11. 次へをクリックします。

残りのインストールは通常通りに行われます。

3.2.2. 仮想マシンのコンソール表示

リモートビューアーを使用して仮想マシンに接続します。

注記

他のユーザーが仮想マシンに接続できるようにするには、コンソールの使用が終了したら、必ず仮想マシンをシャットダウンして再起動してください。または、管理者は 厳密なユーザーチェックを無効 にして、次のユーザーに切り替える場合に再起動の必要性をなくすことができます。詳細は、仮想マシンの Console の設定に関する説明 を参照してください。

手順

  1. リモートビューアーがまだインストールされていない場合は、インストールします。コンソールコンポーネントのインストール を参照してください。
  2. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  3. Console をクリックします。デフォルトでは、ブラウザーで console.vv という名前のファイルをダウンロードするように、プロンプトが表示されます。クリックしてファイルを開くと、仮想マシンのコンソールウィンドウが開きます。これらのファイルを自動的に開くようにブラウザーを設定して、Console をクリックするだけでコンソールが開くようにすることができます。
注記

console.vv は 120 秒後に期限切れになります。ファイルがダウンロードされてからファイルを開くまでに 120 秒以上経過した場合は、もう一度Consoleをクリックします。

3.3. ゲストエージェントおよびドライバーのインストール

3.3.1. Red Hat Virtualization ゲストエージェント、ツール、およびドライバー

Red Hat Virtualization ゲストエージェント、ツール、およびドライバーは、仮想マシンに追加の機能を提供します。たとえば、VM ポータルおよび管理ポータルから仮想マシンを正常にシャットダウンまたは再起動するなどの機能を提供します。ツールおよびエージェントは、以下を含む仮想マシンの情報も提供します。

  • リソースの使用状況
  • IP アドレス

ゲストエージェント、ツール、およびドライバーは、仮想マシンにアタッチすることのできる ISO ファイルとして配布されます。この ISO ファイルは、Manager マシンからインストールおよびアップグレードが可能な RPM ファイルとしてパッケージ化されています。

そのマシンでこの機能を有効にするには、ゲストエージェントおよびドライバーを仮想マシンにインストールする必要があります。

表3.1 Red Hat Virtualization ゲストドライバー

ドライバー説明対象

virtio-net

準仮想化ネットワークドライバーは、rtl などのエミュレートされたデバイスでパフォーマンスを強化します。

サーバーとデスクトップ

virtio-block

準仮想化 HDD ドライバーは、仮想マシンとハイパーバイザー間の調整と通信を最適化することで、IDE などのエミュレートされたデバイスよりも I/O パフォーマンスを向上させます。ドライバーは、ホストが使用する virtio-device のソフトウェア実装を補完して、ハードウェアデバイスの役割を果たします。

サーバーとデスクトップ

virtio-scsi

準仮想化 iSCSI HDD ドライバーは、virtio-block デバイスと同様の機能を提供します。これには、いくつかの追加機能があります。特に、このドライバーは数百ものデバイスの追加をサポートし、標準の SCSI デバイス命名スキームを使用してデバイスに名前を付けます。

サーバーとデスクトップ

virtio-serial

Virtio-serial は、複数のシリアルポートをサポートします。改善されたパフォーマンスは、ネットワークの複雑化を回避する仮想マシンとホスト間の高速通信に使用されます。この高速通信は、ゲストエージェント、および仮想マシンとホスト間のクリップボードのコピーアンドペーストやログ記録などの他の機能に必要です。

サーバーとデスクトップ

virtio-balloon

Virtio-balloon は、仮想マシンが実際にアクセスするメモリー量を制御するために使用されます。これにより、メモリーのオーバーコミットメントが改善されます。

サーバーとデスクトップ

qxl

準仮想化ディスプレイドライバーは、ホストの CPU 使用率を削減し、ほとんどのワークロードでネットワーク帯域幅を削減することでパフォーマンスを向上させます。

サーバーとデスクトップ

表3.2 Red Hat Virtualization ゲストエージェントおよびツール

ゲストエージェント/ツール説明対象

qemu-guest-agent

Red Hat Enterprise Linux 8 仮想マシンで ovirt-guest-agent-common の代わりに使用されます。これはデフォルトでインストールされ、有効になっています。

サーバーとデスクトップ

spice-agent

SPICE エージェントは複数のモニターをサポートしており、クライアントマウスモードをサポートし、QEMU エミュレーションよりも優れたユーザーエクスペリエンスと改善された応答性を提供します。カーソルキャプチャーは client-mouse-mode では必要ありません。SPICE エージェントは、色深度、壁紙の無効化、フォントスムージング、アニメーションなどの表示レベルを下げることにより、広域ネットワークで使用する場合の帯域幅の使用量を減らします。SPICE エージェントは、クリップボードのサポートを有効にし、クライアントと仮想マシン間のテキストとイメージの両方のカットアンドペースト操作、およびクライアント側の設定に応じた自動ゲスト表示設定を可能にします。Windows ベースの仮想マシンでは、SPICE エージェントは vdservice および vdagent で設定されます。

サーバーとデスクトップ

3.3.2. Windows へのゲストエージェント、ツール、およびドライバーのインストール

手順

Windows 仮想マシンにゲストエージェント、ツール、およびドライバーをインストールするには、以下の手順を実行します。

  1. Manager マシンで virtio-win パッケージをインストールします。

    # dnf install virtio-win*

    パッケージをインストールすると、ISO ファイルは Manager マシンの / usr/share/virtio-win/virtio- win_version.iso に配置されます。

  2. virtio-win_version.iso をデータストレージドメインにアップロードします。詳細は、管理ガイドデータストレージドメインへのイメージのアップロード を参照してください。
  3. 仮想マシンが実行されている場合は、管理ポータルまたは VM ポータルで、CD の変更 ボタンを使用して、virtio-win_version.iso ファイルを各仮想マシンにアタッチします。仮想マシンの電源がオフになっている場合は、Run Once ボタンをクリックして、ISO を CD としてアタッチします。
  4. 仮想マシンにログインします。
  5. virtio-win_version.iso ファイルを含む CD ドライブを選択します。GUI またはコマンドラインのいずれかを使用して、インストールを完了できます。
  6. インストーラーを実行します。

    GUI を使用してインストールするには、以下の手順を実行します。
    1. virtio-win-guest-tools.exe をダブルクリックします。
    2. Welcome 画面で Next をクリックします。
    3. インストールウィザードのプロンプトに従います。
    4. インストールが完了したら、Yes, I want to restart my computer now を選択し、Finish をクリックして変更を適用します。
    コマンドラインでサイレントインストールするには、以下の手順を実行します。
    1. Administrator 権限でコマンドプロンプトを開きます。
    2. msiexec コマンドを入力します。

      D:\ msiexec /i "PATH_TO_MSI" /qn [/l*v "PATH_TO_LOG"][/norestart] ADDLOCAL=ALL

      ADDLOCAL の他の可能な値を以下に示します。

      たとえば、virtio-win-gt-x64.msiD:\ ドライブにあるときにログを保存せずにインストールを実行し、すぐに仮想マシンを再起動するには、次のコマンドを入力します。

      D:\ msiexec /i "virtio-win-gt-x64.msi" /qn ADDLOCAL=ALL

インストールが完了すると、ゲストエージェントとドライバーは使用状況情報を Red Hat Virtualization Manager に渡し、USB デバイスやその他の機能にアクセスできるようにします。

3.3.3. virtio-win コマンドラインインストールをカスタマイズするための ADDLOCAL の値

コマンドラインを使用して virtio-win-gt-x64.msi または virtio-win-gt-x32.msi をインストールする場合には、任意のドライバー 1 つ、または任意のドライバーの組み合わせをインストールできます。

特定のエージェントをインストールすることもできますが、各エージェントに対応するドライバーもインストールする必要があります。

msiexec コマンドの ADDLOCAL パラメーターを使用すると、インストールするドライバーまたはエージェントを指定できます。ADDLOCAL=ALL は、すべてのドライバーおよびエージェントをインストールします。その他の値は、以下の表に一覧表示されています。

表3.3 ドライバーをインストールするための ADDLOCAL で使用可能な値

ADDLOCAL の値ドライバー名説明

FE_network_driver

virtio-net

準仮想化ネットワークドライバーは、rtl などのエミュレートされたデバイスでパフォーマンスを強化します。

FE_balloon_driver

virtio-balloon

仮想マシンが実際にアクセスするメモリー容量を制御します。これにより、メモリーのオーバーコミットメントが改善されます。

FE_pvpanic_driver

pvpanic

QEMU pvpanic デバイスドライバー

FE_qemufwcfg_driver

qemufwcfg

QEMU FWCfg デバイスドライバー

FE_qemupciserial_driver

qemupciserial

QEMU PCI シリアルデバイスドライバー

FE_spice_driver

Spice Driver

準仮想化ディスプレイドライバーは、ホストの CPU 使用率を削減し、ほとんどのワークロードでネットワーク帯域幅を削減することでパフォーマンスを向上させます。

FE_vioinput_driver

vioinput

VirtIO 入力ドライバー

FE_viorng_driver

viorng

VirtIO RNG デバイスドライバー

FE_vioscsi_driver

vioscsi

VirtIO SCSI パススルーコントローラー

FE_vioserial_driver

vioserial

VirtIO Serial デバイスドライバー

FE_viostor_driver

viostor

VirtIO Block ドライバー

表3.4 エージェントおよび必要な対応するドライバーをインストールするための ADDLOCAL で使用可能な値

エージェント説明対応するドライバーADDLOCAL の値

SPICE エージェント

複数のモニターのサポート (クライアントマウスモードのサポート)、帯域幅の使用量の低減、クライアントと仮想マシン間のクリップボードサポートの有効化、ユーザーエクスペリエンスと応答性の向上を行います。

vioserial および SPICE ドライバー

FE_spice_Agent,FE_vioserial_driver,FE_spice_driver

次のコマンドは、VirtIO SCSI パススルーコントローラー、VirtIO シリアルデバイスドライバー、および VirtIO ブロックドライバーのみをインストールします。

D:\ msiexec /i "virtio-win-gt-x64.msi" /qn ADDLOCAL=`FE_vioscsi_driver,FE_vioserial_driver,FE_viostor_driver

以下のコマンドは、Spice エージェントとその必要な対応するドライバーのみをインストールします。

D:\ msiexec /i "virtio-win-gt-x64.msi" /qn ADDLOCAL = FE_spice_Agent,FE_vioserial_driver,FE_spice_driver

Microsoft Developer の Web サイト:

第4章 追加の設定

4.1. osinfo を使用したオペレーティングシステムの設定

Red Hat Virtualization は、仮想マシンのオペレーティングシステム設定を/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/00-defaults.propertiesに保存します。このファイルには、os.other.devices.display.protocols.value = spice/qxl,vnc/vga,vnc/qxl などのデフォルト値が含まれています。

これらの値を変更するシナリオの数は限られています。

  • サポート対象のゲストオペレーティングシステムの一覧に表示されないオペレーティングシステムを追加
  • 製品キーの追加 (例: os.windows_10x64.productKey.value =)
  • Windows 仮想マシンの sysprep パスの設定 (例: os.windows_10x64.sysprepPath.value = ${ENGINE_USR}/conf/sysprep/sysprep.w10x64)
重要

実際の 00-defaults.properties ファイルは編集しないでください。Manager をアップグレードまたは復元すると、変更が上書きされます。

オペレーティングシステムまたは Manager から直接提供される値 (最大メモリーサイズなど) は、変更しないでください。

オペレーティングシステムの設定を変更するには、/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/ にオーバーライドファイルを作成します。ファイル名は、/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/00-defaults.properties の後にファイルが表示されるように 00 よりも大きな値で始めて、拡張子 (.properties) で終了する必要があります。

たとえば、10-productkeys.properties はデフォルトのファイル 00-defaults.properties をオーバーライドします。ファイル一覧の最後のファイルは、前のファイルよりも優先されます。

Windows Server 2016 の仮想マシンの場合、各 RHV ホストで、options kvm ignore_msrs=1 の行を追加して /etc/modprobe.d/kvm.conf 設定ファイルを変更します。

4.2. 仮想マシンのシングルサインオンの設定

パスワード委譲とも呼ばれるシングルサインオンを設定すると、VM ポータルへのログインに使用する資格情報を使用して仮想マシンに自動的にログインできます。シングルサインオンは、Red Hat Enterprise Linux と Windows の両方の仮想マシンで使用できます。

注記

シングルサインオンは、Red Hat Enterprise Linux 8.0 を実行している仮想マシンではサポートされていません。

重要

VM ポータルへのシングルサインオンが有効になっている場合に、仮想マシンへのシングルサインオンはできません。VM ポータルへのシングルサインオンが有効になっている場合には、VM ポータルはパスワードを受け入れる必要がないので、パスワードを委任して仮想マシンにサインインすることはできません。

4.2.1. IPA (IdM) を使用した Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンのシングルサインオンの設定

GNOME および KDE グラフィカルデスクトップ環境と IPA (IdM) サーバーを使用して Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンのシングルサインオンを設定するには、仮想マシンに ovirt-guest-agent パッケージをインストールし、ウィンドウマネージャーに関連付けられたパッケージをインストールする必要があります。

重要

次の手順は、IPA 設定が機能しており、IPA ドメインがすでにマネージャーに参加していることを前提としています。また、マネージャー、仮想マシン、および IPA (IdM) がホストされているシステムのクロックが NTP を使用して同期されていることを確認する必要があります。

注記

Single Sign-On with IPA (IdM) は、Red Hat Enterprise Linux バージョン 7 以前を実行している仮想マシンでは非推奨になり、Red Hat Enterprise Linux 8 または Windows オペレーティングシステムを実行している仮想マシンではサポートされていません。

Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンのシングルサインオンの設定

  1. Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンにログインします。
  2. リポジトリーを有効にします。

    • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合:

      # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhv-4-agent-rpms
    • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合:

      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rh-common-rpms
  3. ゲストエージェント、シングルサインオン、および IPA パッケージをダウンロードしてインストールします。

    # yum install ovirt-guest-agent-common ovirt-guest-agent-pam-module ovirt-guest-agent-gdm-plugin ipa-client
  4. 以下のコマンドを実行して、プロンプトに従って ipa-client を設定し、仮想マシンをドメインに参加させます。

    # ipa-client-install --permit --mkhomedir
    注記

    DNS 難読化を使用する環境では、このコマンドは以下のようになります。

    # ipa-client-install --domain=FQDN --server=FQDN
  5. Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降の場合:

    # authconfig --enablenis --update
    注記

    Red Hat Enterprise Linux 7.2 には、新しいバージョンの System Security Services Daemon (SSSD) があり、Red Hat Virtualization ゲストエージェントのシングルサインオン実装と互換性のない設定が導入されています。このコマンドは、シングルサインオンが機能することを確認します。

  6. IPA ユーザーの詳細を取得します。

    # getent passwd ipa-user
  7. IPA ユーザーの UID および GID を記録します。

    ipa-user:*:936600010:936600001::/home/ipa-user:/bin/sh
  8. IPA ユーザーのホームディレクトリーを作成します。

    # mkdir /home/ipa-user
  9. ディレクトリーの所有権を IPA ユーザーに割り当てます。

    # chown 936600010:936600001 /home/ipa-user

シングルサインオンを使用するように設定されたユーザーのユーザー名とパスワードを使用して VM ポータルにログインし、仮想マシンのコンソールに接続します。自動的にログインされます。

4.2.2. Windows 仮想マシンのシングルサインオンの設定

Windows 仮想マシンのシングルサインオンを設定するには、Windows ゲストエージェントをゲスト仮想マシンにインストールする必要があります。virtio-win ISO イメージは、このエージェントを提供します。virtio-win_version.iso イメージがストレージドメインで利用できない場合は、システム管理者にお問い合わせください。

手順

  1. Windows 仮想マシンを選択します。マシンの電源が入っていることを確認します。
  2. 仮想マシンで、CD ドライブを見つけて CD を開きます。
  3. virtio-win-guest-tools を起動します。
  4. Option をクリックします。
  5. Install oVirt Guest Agent を選択します。
  6. OK をクリックします。
  7. Install をクリックします。
  8. インストールが完了すると、マシンを再起動して変更を適用するように求められます。

シングルサインオンを使用するように設定されたユーザーのユーザー名とパスワードを使用して VM ポータルにログインし、仮想マシンのコンソールに接続します。自動的にログインされます。

4.2.3. 仮想マシンのシングルサインオンの無効化

以下の手順では、仮想マシンのシングルサインオンを無効にする方法を説明します。

仮想マシンのシングルサインオンの無効化

  1. 仮想マシンを選択し、Edit をクリックします。
  2. Console タブをクリックします。
  3. Disable Single Sign On チェックボックスを選択します。
  4. OK をクリックします。

4.3. USB デバイスの設定

SPICE プロトコルに接続している仮想マシンは、USB デバイスに直接接続するように設定できます。

USB デバイスは、仮想マシンがアクティブで、フォーカスが設定され、VM ポータルから実行されている場合にのみ、リダイレクトされます。USB リダイレクトは、デバイスがプラグインされるたびに手動で有効にしたり、Console Options ウィンドウでアクティブな仮想マシンに自動的にリダイレクトしたりするように設定することができます。

重要

クライアントマシンとゲストマシンの違いに注意してください。クライアントは、ゲストにアクセスするためのハードウェアです。ゲストは、VM ポータルまたは管理ポータルからアクセスする仮想デスクトップまたは仮想サーバーです。

USB リダイレクトが 有効化された モードでは、Linux および Windows 仮想マシンの KVM/SPICE USB リダイレクトが許可されます。仮想 (ゲスト) マシンには、ネイティブ USB 用のゲストがインストールされたエージェントやドライバーは必要ありません。Red Hat Enterprise Linux クライアントでは、USB リダイレクトに必要なすべてのパッケージは virt-viewer パッケージで提供されます。Windows クライアントで usbdk パッケージもインストールする必要があります。有効な USB モードは、以下のクライアントおよびゲストでサポートされています。

注記

64 ビットアーキテクチャーの PC を使用している場合は、64 ビットバージョンの Internet Explorer を使用して 64 ビットバージョンの USB ドライバーをインストールする必要があります。32 ビットバージョンを 64 ビットアーキテクチャーにインストールした場合には、USB リダイレクトは機能しません。最初に正しい USB タイプをインストールしている場合には、32 ビットブラウザーと 64 ビットブラウザーの両方から USB リダイレクトにアクセスできます。

4.3.1. Windows クライアントでの USB デバイスの使用

USB デバイスをゲストにリダイレクトするには、usbdk ドライバーを Windows クライアントにインストールする必要があります。usbdk のバージョンがクライアントマシンのアーキテクチャーと一致していることを確認してください。たとえば、64 ビットバージョンの usbdk は、64 ビットの Windows マシンにインストールする必要があります。

注記

USB リダイレクトは、VM ポータルから仮想マシンを開く場合に限りサポートされます。

手順

  1. usbdk ドライバーがインストールされたら、ComputeVirtual Machines をクリックして、SPICE プロトコルを使用するように設定された仮想マシンを選択します。
  2. Console タブをクリックします。
  3. USB enabled チェックボックスを選択し、OK をクリックします。
  4. ConsoleConsole Options をクリックします。
  5. Enable USB Auto-Share チェックボックスを選択し、OK をクリックします。
  6. VM ポータルから仮想マシンを起動し、Console をクリックしてその仮想マシンに接続します。
  7. USB デバイスをクライアントマシンに接続して、これがゲストマシンに自動的に表示されるようにします。

4.3.2. Red Hat Enterprise Linux クライアントでの USB デバイスの使用

usbredir パッケージを使用すると、Red Hat Enterprise Linux クライアントから仮想マシンへの USB リダイレクトが可能になります。usbredirvirt-viewer パッケージの依存関係で、そのパッケージとともに自動的にインストールされます。

注記

USB リダイレクトは、VM ポータルから仮想マシンを開く場合に限りサポートされます。

手順

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. SPICE プロトコルを使用するように設定された仮想マシンを選択し、Edit をクリックします。これにより、Edit Virtual Machine ウィンドウが開きます。
  3. Console タブをクリックします。
  4. USB enabled チェックボックスを選択し、OK をクリックします。
  5. ConsoleConsole Options をクリックします。
  6. Enable USB Auto-Share チェックボックスを選択し、OK をクリックします。
  7. VM ポータルから仮想マシンを起動し、Console をクリックしてその仮想マシンに接続します。
  8. USB デバイスをクライアントマシンに接続して、これがゲストマシンに自動的に表示されるようにします。

4.4. 複数のモニターの設定

4.4.1. Red Hat Enterprise Linux 仮想マシン用の複数のディスプレイの設定

SPICE プロトコルを使用して仮想マシンに接続する際に、単一の Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンに対して最大 4 つのディスプレイを設定できます。

  1. 仮想マシンで SPICE セッションを開始します。
  2. SPICE クライアントウィンドウの一番上にある View ドロップダウンメニューを開きます。
  3. Display メニューを開きます。
  4. ディスプレイの名前をクリックして、そのディスプレイを有効または無効にします。
注記

デフォルトでは、Display 1 は、仮想マシンでの SPICE セッションの開始時に有効な唯一のディスプレイです。他のディスプレイが有効になっていない場合は、このディスプレイを無効にするとセッションが閉じます。

4.4.2. Windows 仮想マシンの複数ディスプレイの設定

SPICE プロトコルを使用して仮想マシンに接続する際に、単一の Windows 仮想マシンに対して最大 4 つのディスプレイを設定できます。

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. 仮想マシンの電源がオフの状態で、Edit をクリックします。
  3. Console タブをクリックします。
  4. Monitor ドロップダウンリストからディスプレイの数を選択します。

    注記

    この設定は、仮想マシンに対して有効にできるディスプレイの最大数を制御します。仮想マシンの実行中に、この最大数までディスプレイを追加で有効にすることができます。

  5. OK をクリックします。
  6. 仮想マシンで SPICE セッションを開始します。
  7. SPICE クライアントウィンドウの一番上にある View ドロップダウンメニューを開きます。
  8. Display メニューを開きます。
  9. ディスプレイの名前をクリックして、そのディスプレイを有効または無効にします。

    注記

    デフォルトでは、Display 1 は、仮想マシンでの SPICE セッションの開始時に有効な唯一のディスプレイです。他のディスプレイが有効になっていない場合は、このディスプレイを無効にするとセッションが閉じます。

4.5. コンソールオプションの設定

4.5.1. コンソールオプション

接続プロトコルは、仮想マシンにグラフィカルコンソールを提供し、ユーザーが物理マシンと同じように仮想マシンを操作できるようにするために使用される基盤となるテクノロジーです。Red Hat Virtualization は現在、以下の接続プロトコルをサポートしています。

SPICE

独立したコンピューティング環境のためのシンプルなプロトコル (SPICE) は、Linux 仮想マシンと Windows 仮想マシンの両方で推奨される接続プロトコルです。SPICE を使用して仮想マシンのコンソールを開くには、リモートビューアーを使用します。

VNC

Virtual Network Computing(VNC) を使用して、Linux 仮想マシンと Windows 仮想マシンの両方に対してコンソールを開くことができます。VNC を使用して仮想マシンのコンソールを開くには、リモートビューアーまたは VNC クライアントを使用します。

RDP

Remote Desktop Protocol (RDP) は、Windows 仮想マシンのコンソールを開く場合にのみ使用でき、リモートデスクトップがインストールされている Windows マシンから仮想マシンにアクセスする場合にのみ利用できます。RDP を使用して Windows 仮想マシンに接続する前に、仮想マシンでリモート共有をセットアップし、リモートデスクトップ接続を許可するようにファイアウォールを設定する必要があります。

注記

SPICE は、Windows8 または Windows8.1 を実行している仮想マシンではサポートされていません。これらのオペレーティングシステムのいずれかを実行している仮想マシンが SPICE プロトコルを使用するように設定されている場合には、必要な SPICE ドライバーがないことを検出し、VGA 互換モードで実行されます。

4.5.2. コンソールオプションへのアクセス

管理ポータルで、仮想マシンのグラフィカルコンソールを開くための複数のオプションを設定できます。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、実行中の仮想マシンを選択します。
  2. ConsoleConsole Options をクリックします。
注記

管理ポータルの 仮想マシンの編集 ウィンドウの コンソール タブで、接続プロトコルとビデオタイプを設定できます。VNC 接続プロトコルを使用する場合のキーボードレイアウトなど、各接続プロトコルに固有の追加オプションを設定できます。詳細は、仮想マシンの Console の設定に関する説明 を参照してください。

4.5.3. SPICE コンソールオプション

SPICE 接続プロトコルを選択すると、Console Options ウィンドウで以下のオプションを使用できます。

SPICE オプション

  • Map control-alt-del shortcut to ctrl+alt+end: このチェックボックスを選択して、Ctrl+ Alt+ Del キーの組み合わせを仮想マシン内の Ctrl+ Alt+ End にマップします。
  • Enable USB Auto-Share: このチェックボックスをオンにすると、USB デバイスが仮想マシンに自動的にリダイレクトされます。このオプションが選択されていない場合には、USB デバイスはゲスト仮想マシンではなくクライアントマシンに接続します。ゲストマシンで USB デバイスを使用するには、SPICE クライアントメニューで USB デバイスを手動で有効にします。
  • Open in Full Screen: 仮想マシンに接続したときに仮想マシンコンソールが自動的に全画面表示で開くようにするには、このチェックボックスをオンにします。Shift+ F11 を押して、全画面モードのオンとオフを切り替えます。
  • Enable SPICE Proxy: このチェックボックスを選択して、SPICE プロキシーを有効にします。

4.5.4. VNC コンソールオプション

VNC 接続プロトコルを選択すると、Console Options ウィンドウで以下のオプションを使用できます。

コンソールの呼び出し

  • ネイティブクライアント: 仮想マシンのコンソールに接続すると、ファイルダウンロードダイアログに、リモートビューアー経由で仮想マシンのコンソールを開くファイルが提供されます。
  • noVNC: 仮想マシンのコンソールに接続すると、コンソールとして機能するブラウザータブが開きます。

VNC オプション

  • control-alt-delete ショートカットの ctrl+alt+end へのマッピング: このチェックボックスを選択して、Ctrl+ Alt+ Del キーの組み合わせを仮想マシン内の Ctrl+ Alt+ End にマップします。

4.5.5. RDP コンソールオプション

RDP 接続プロトコルを選択すると、Console Options ウィンドウで以下のオプションを使用できます。

コンソールの呼び出し

  • Auto: Manager は、コンソールを呼び出す方法を自動的に選択します。
  • ネイティブクライアント: 仮想マシンのコンソールに接続すると、ファイルダウンロードダイアログにリモートデスクトップ経由で仮想マシンのコンソールを開くファイルが提供されます。

RDP オプション

  • ローカルドライブの使用: このチェックボックスを選択すると、クライアントマシンのドライブにゲスト仮想マシンからアクセスできるようになります。

4.5.6. リモートビューアーオプション

4.5.6.1. リモートビューアーオプション

ネイティブクライアント コンソールの呼び出しオプションを指定すると、リモートビューアーを使用して仮想マシンに接続します。リモートビューアーウィンドウには、接続されている仮想マシンと対話するためのオプションが数多くあります。

表4.1 リモートビューアーオプション

オプションホットキー

File

  • Screenshot: アクティブなウィンドウのスクリーンキャプチャーを取得し、指定した場所に保存します。
  • USB device selection: 仮想マシンで USB リダイレクトが有効になっている場合は、このメニューから、クライアントマシンに接続されている USB デバイスにアクセスできます。
  • Quit: コンソールを閉じます。このオプションのホットキーは Shift + Ctrl + Q です。

View

  • Full screen: 全画面モードをオンまたはオフにします。全画面モードを有効にすると、仮想マシンが拡張されて画面全体に表示されます。無効にすると、仮想マシンはウィンドウとして表示されます。全画面を有効または無効にするホットキーは SHIFT + F11 です。
  • Zoom: コンソールウィンドウをズームインおよびズームアウトします。Ctrl + + でズームイン、Ctrl + - でズームアウト、Ctrl + 0 で画面は元のサイズに戻ります。
  • Automatically resize: 選択すると、ゲスト解像度がコンソールウィンドウのサイズに応じて自動的に調節されます。
  • Displays: ユーザーがゲスト仮想マシンのディスプレイを有効または無効にできるようにします。

Send key

  • Ctrl+ Alt+ Del: Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンでは、仮想マシンを一時停止、シャットダウン、または再起動するためのオプションを含むダイアログが表示されます。Windows 仮想マシンでは、タスクマネージャーまたは Windows セキュリティーダイアログが表示されます。
  • Ctrl+ Alt+ Backspace: Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンでは、X サーバーを再起動します。Windows 仮想マシンでは、何も起こりません。
  • Ctrl + Alt + F1
  • Ctrl + Alt + F2
  • Ctrl + Alt + F3
  • Ctrl + Alt + F4
  • Ctrl + Alt + F5
  • Ctrl + Alt + F6
  • Ctrl + Alt + F7
  • Ctrl + Alt + F8
  • Ctrl + Alt + F9
  • Ctrl + Alt + F10
  • Ctrl + Alt + F11
  • Ctrl + Alt + F12
  • Printscreen: Printscreen のキーボードオプションを仮想マシンに渡します。

Help

About エントリーは、お使いの仮想マシンビューアーのバージョン詳細を表示します。

仮想マシンからのカーソルのリリース

SHIFT + F12

4.5.6.2. リモートビューアーホットキー

全画面モードとウィンドウモードの両方で、仮想マシンのホットキーにアクセスできます。全画面モードを使用している場合は、マウスポインターを画面上部の中央に移動すると、ホットキーのボタンを含むメニューを表示できます。ウィンドウモードを使用している場合は、仮想マシンウィンドウのタイトルバーにある キーの送信 メニューからホットキーにアクセスできます。

注記

vdagent がクライアントマシンで実行されていない場合には、マウスが仮想マシン内で使用され、仮想マシンが全画面表示になっていないと、マウスが仮想マシンウィンドウにキャプチャーされる可能性があります。マウスをアンロックするには、Shift + F12 を押します。

4.5.6.3. リモートビューアーに対する console.vv ファイルの手動での関連付け

ネイティブクライアントコンソールオプションを使用して仮想マシンのコンソールを開こうとする際に、console.vv ファイルのダウンロードを求められ、リモートビューアーがすでにインストールされている場合は、console.vv ファイルをリモートビューアーに手動で関連付けることで、リモートビューアーは、これらのファイルを自動的に使用してコンソールを開くことができます。

リモートビューアーに対する console.vv ファイルの手動での関連付け

  1. 仮想マシンを起動します。
  2. Console Options ウィンドウを開きます。

    • 管理ポータルで、ConsoleConsole Options をクリックします。
    • VM ポータルで仮想マシン名をクリックし、Console の横にある鉛筆アイコンをクリックします。
  3. コンソール呼び出しメソッドを Native client に変更し、OK をクリックします。
  4. 仮想マシンのコンソールを開くことを試みます。続いて、console.vv ファイルを開くか保存するかというプロンプトが表示されたら、Save をクリックします。
  5. ファイルを保存したローカルマシンの場所をクリックします。
  6. console.vvファイルをダブルクリックし、プロンプトが表示されたら、Select a program from a list of installed programs を選びます。
  7. Open with ウィンドウで、Always use the selected program to open this kind of file を選択して、Browse ボタンをクリックします。
  8. C:\Users_[user name]_\AppData\Local\virt-viewer\bin ディレクトリーをクリックし、remote-viewer.exeを選択します。
  9. Open をクリックしてから OK をクリックします。

ネイティブクライアントのコンソール呼び出しオプションを使用して仮想マシンに対してコンソールを開くと、リモートビューアーは、Red Hat Virtualization Manager が提供する console.vv ファイルを自動的に使用して、アプリケーションの選択を求めるプロンプトを表示せずに、その仮想マシンに対してコンソールを開きます。

4.6. Watchdog の設定

4.6.1. 仮想マシンへの Watchdog カードの追加

仮想マシンに watchdog カードを追加して、オペレーティングシステムの応答を監視できます。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. High Availability タブをクリックします。
  4. Watchdog Model ドロップダウンリストから、使用する Watchdog モデルを選択します。
  5. Watchdog Action ドロップダウンリストから、アクションを選択します。これは、Watchdog がトリガーされる際に仮想マシンが実行するアクションです。
  6. OK をクリックします。

4.6.2. Watchdog のインストール

仮想マシンにアタッチされている watchdog カードをアクティブにするには、その仮想マシンに watchdog パッケージをインストールして、watchdog サービスを開始する必要があります。

Watchdog のインストール

  1. Watchdog カードがアタッチされている仮想マシンにログインします。
  2. watchdog パッケージおよび依存関係をインストールします。

    # yum install watchdog
  3. /etc/watchdog.conf ファイルを編集し、以下の行のコメントを解除します。

    watchdog-device = /dev/watchdog
  4. 変更を保存します。
  5. watchdog サービスを起動し、このサービスが起動時に起動されるようにします。

    • Red Hat Enterprise Linux 6:

      # service watchdog start
      # chkconfig watchdog on
    • Red Hat Enterprise Linux 7:

      # systemctl start watchdog.service
      # systemctl enable watchdog.service

4.6.3. Watchdog 機能の確認

Watchdog カードが仮想マシンにアタッチされ、watchdog サービスがアクティブであることを確認します。

警告

この手順は、Watchdog の機能をテストするためにのみ提供されます。実稼働マシンでは実行しないでください。

Watchdog 機能の確認

  1. Watchdog カードがアタッチされている仮想マシンにログインします。
  2. Watchdog カードが仮想マシンによって識別されていることを確認します。

    # lspci | grep watchdog -i
  3. 以下のコマンドのいずれかを実行して、Watchdog がアクティブであることを確認します。

    • カーネルパニックをトリガーします。

      # echo c > /proc/sysrq-trigger
    • watchdog サービスを終了します。

      # kill -9 pgrep watchdog

Watchdog タイマーをリセットできなくなったため、Watchdog カウンターは短時間でゼロに達します。Watchdog カウンターがゼロに達すると、その仮想マシンの Watchdog Action ドロップダウンメニューに指定されたアクションが実行されます。

4.6.4. watchdog.conf の Watchdog のパラメーター

以下は、/etc/watchdog.conf ファイルで利用可能な watchdog サービスを設定するオプションの一覧です。オプションを設定するには、そのオプションのコメントを解除し、変更を保存した後に watchdog サービスを再起動する必要があります。

注記

watchdog サービスの設定および watchdog コマンドの使用に関するオプションの詳細は、watchdog の man ページを参照してください。

表4.2 watchdog.conf の変数

変数名デフォルト値備考

ping

該当なし

Watchdog が、そのアドレスにアクセスできるかどうかを確認するために ping を試行する IP アドレス。ping 行を追加して、複数の IP アドレスを指定できます。

interface

該当なし

Watchdog が、ネットワークトラフィックの存在を確認するために監視するネットワークインターフェイス。interface 行を追加して、複数のネットワークインターフェイスを指定できます。

file

/var/log/messages

Watchdog が変更を監視するローカルシステム上のファイル。file 行を追加することで、複数のファイルを指定できます。

change

1407

Watchdog がファイルへの変更をチェックするまでの Watchdog 間隔の数。change 行は、各 file 行の直後の行で指定する必要があり、その change 行のすぐ上の file 行に適用されます。

max-load-1

24

仮想マシンが 1 分間で持続できる最大平均負荷。この平均を超過すると、Watchdog がトリガーされます。値が 0 の場合は、この機能は無効になります。

max-load-5

18

仮想マシンが 5 分間で維持できる最大平均負荷。この平均を超過すると、Watchdog がトリガーされます。値が 0 の場合は、この機能は無効になります。デフォルトでは、この変数の値は max-load-1 の約 4 分の 3 の値に設定されています。

max-load-15

12

仮想マシンが 15 分間で持続できる最大平均負荷。この平均を超過すると、Watchdog がトリガーされます。値が 0 の場合は、この機能は無効になります。デフォルトでは、この変数の値は max-load-1 の約半分の値に設定されます。

min-memory

1

仮想マシンで空き状態を維持する必要がある仮想メモリーの最小量。この値はページ単位で測定されます。値が 0 の場合は、この機能は無効になります。

repair-binary

/usr/sbin/repair

Watchdog がトリガーされたときに実行される、ローカルシステム上のバイナリーファイルのパスとファイル名。指定したファイルにより、Watchdog カウンターをリセットできないという Watchdog の問題が解決された場合には、Watchdog アクションはトリガーされません。

test-binary

該当なし

Watchdog が、各間隔で実行を試みるローカルシステム上のバイナリーファイルのパスとファイル名。テストバイナリーを使用すると、ユーザー定義のテストを実行するためのファイルを指定できます。

test-timeout

該当なし

ユーザー定義のテストを実行できる制限時間 (秒単位)。0 の値を使用すると、ユーザー定義のテストを無制限に続行できます。

temperature-device

該当なし

watchdog サービスが実行されているマシンの温度をチェックするデバイスへのパスおよびデバイスの名前。

max-temperature

120

watchdog サービスが実行されているマシンの最大許容温度。この温度に達すると、マシンは停止します。ユニット変換は考慮されないため、使用されている Watchdog カードに一致する値を指定する必要があります。

admin

root

メール通知を送信するメールアドレス。

interval

10

Watchdog デバイスの更新の間隔 (秒単位)。Watchdog デバイスは、少なくとも 1 分に 1 回の更新を想定し、1 分間に更新がない場合は、Watchdog がトリガーされます。この 1 分間の期間は Watchdog デバイスのドライバーにハードコーディングされており、設定することはできません。

logtick

1

watchdog サービスに対して詳細なロギングが有効になっている場合、watchdog サービスは、ログメッセージをローカルシステムに定期的に書き込みます。logtick 値は、メッセージが書き込まれるまでの Watchdog 間隔の数を表します。

リアルタイム

yes

Watchdog がメモリー内でロックされているかどうかを指定します。yes の値は、メモリー内の Watchdog をロックし、メモリーからスワップアウトされないようにします。一方、no の値は、Watchdog をメモリーからスワップアウトすることができます。Watchdog がメモリーからスワップアウトされ、Watchdog カウンターがゼロに到達する前にスワップインされない場合、Watchdog がトリガーされます。

priority

1

realtime の値が yes に設定されている場合のスケジュールの優先度。

pidfile

/var/run/syslogd.pid

対応するプロセスがまだアクティブであるかどうかを確認するために、Watchdog が監視する PID ファイルのパスとファイル名。対応するプロセスがアクティブではない場合、Watchdog がトリガーされます。

4.7. 仮想 NUMA の設定

管理ポータルで、仮想マシンで仮想 NUMA ノードを設定し、1 つ以上のホスト上の物理 NUMA ノードに固定することができます。ホストのデフォルトポリシーは、ホスト上の使用可能なリソースで仮想マシンをスケジュールして実行することです。そのため、単一のホストソケット内に収まらない大規模な仮想マシンをサポートするリソースは、複数の NUMA ノードに分散される可能性があります。時間の経過とともに、これらのリソースが移動し、パフォーマンスが低下して予測できなくなる可能性があります。この結果を回避し、パフォーマンスを向上させるように、仮想 NUMA ノードを設定および固定します。

仮想 NUMA を設定するには、NUMA 対応ホストが必要です。ホストで NUMA が有効になっているかどうかを確認するには、ホストにログインして numactl --hardware を実行します。このコマンドの出力には、2 つ以上の NUMA ノードが表示されるはずです。Hosts タブからホストを選択し、NUMA Support をクリックすることで、管理ポータルでホストの NUMA トポロジーを表示することもできます。このボタンは、選択したホストに少なくとも 2 つの NUMA ノードがある場合にのみ利用できます。

注記

NUMA ピニング を定義する場合は、デフォルトの移行モードは Allow manual migration only です。

仮想 NUMA の設定

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. Show Advanced Options をクリックします。
  4. Host タブをクリックします。
  5. Specific Host(s) ラジオボタンを選択し、一覧からホストを選択します。選択したホストには、少なくとも 2 つの NUMA ノードが必要です。
  6. NUMA Pinning をクリックします。
  7. NUMA Topology ウィンドウで、右側のボックスから仮想 NUMA ノードをクリックしてドラッグし、必要に応じて左側の NUMA ノードをホストし、OK をクリックします。
  8. 各 NUMA ノードの Tune Mode ドロップダウンリストから、StrictPreferred、または Interleave を選択します。選択したモードが Preferred の場合、NUMA ノード数1 に設定する必要があります。
  9. Resource Allocation タブの CPU Allocation 設定の下にある CPU ピニングポリシードロップダウンリストから Resize and Pin NUMA を選択して、NUMA ピニングポリシーを自動的に設定することもできます。

    • None - CPU ピニングなしで実行します。
    • Manual - 特定の物理 CPU および特定のホスト上で、手動で指定された仮想 CPU を実行します。仮想マシンがホストに固定されている場合にのみ使用できます。
    • Resize and Pin NUMA の固定 - ホストに従って仮想マシンの仮想 CPU と NUMA トポロジーのサイズを変更し、それらをホストリソースに固定します。
    • Dedicated - 仮想 CPU をホスト物理 CPU に排他的に固定します。クラスター互換性レベル 4.7 以降で使用できます。仮想マシンで NUMA が有効になっている場合は、すべてのノードの固定を解除する必要があります。
    • Isolate Threads - 仮想 CPU をホスト物理 CPU に排他的に固定します。各仮想 CPU は物理コアを取得します。クラスター互換性レベル 4.7 以降で使用できます。仮想マシンで NUMA が有効になっている場合は、すべてのノードの固定を解除する必要があります。
  10. OK をクリックします。
注記

仮想 NUMA ノードをホスト NUMA ノードに固定しない場合には、ホストデバイスが 1 台以上あり、これらすべてのデバイスが単一の NUMA ノードからのものであれば、ホストデバイスのメモリーマップド I/O (MMIO) が含まれる NUMA ノードがシステムのデフォルト設定になります。

4.8. 仮想マシンの Satellite エラータ表示の設定

管理ポータルでは、使用可能なエラータを表示するように仮想マシンを設定できます。利用可能なエラータを表示するには、Red Hat Satellite サーバーに仮想マシンを関連付ける必要があります。

Red Hat Virtualization 4.4 は、Red Hat Satellite 6.6 でのエラータの表示をサポートします。

前提条件

  • Satellite サーバーは、外部プロバイダーとして追加する。
  • エラータを表示する Manager と仮想マシンはすべて、それぞれの FQDN によって Satellite サーバーに登録されている。これにより、外部コンテンツのホスト ID を Red Hat Virtualization で管理する必要がなくなります。

    重要

    IP アドレスを使用して追加された仮想マシンは、エラータを報告できません。

  • 仮想マシンを実行するホストも、Satellite からエラータ情報を受け取るように設定しておく。
  • 仮想マシンには ovirt-guest-agent パッケージがインストールされている。このパッケージを使用することで、仮想マシンはそのホスト名を Red Hat Virtualization Manager に報告でき、Red Hat Satellite サーバーは仮想マシンをコンテンツホストとして識別して該当するエラータを報告できます。
  • 仮想マシンは、コンテンツホストとして Red Hat Satellite サーバーに登録しておく。
  • Red Hat Satellite のリモート実行を使用して、ホスト上のパッケージを管理する。
注記

Katello エージェントは非推奨で、今後の Satellite のバージョンで削除されます。プロセスを移行し、リモート実行機能を使用してクライアントをリモートで更新してください。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. Foreman/Satellite タブをクリックします。
  4. Provider ドロップダウンリストから必要な Satellite サーバーを選択します。
  5. OK をクリックします。

関連情報

4.9. ヘッドレス仮想マシンの設定

グラフィカルコンソールを介してマシンにアクセスする必要がない場合は、ヘッドレス仮想マシンを設定できます。このヘッドレスマシンは、グラフィカルデバイスとビデオデバイスなしで実行されます。これは、ホストのリソースに限りがある場合や、リアルタイム仮想マシンなどの仮想マシンの使用要件に準拠する場合に役立ちます。

ヘッドレス仮想マシンは、シリアルコンソール、SSH、またはコマンドラインアクセスなどのサービスを介して管理できます。ヘッドレスモードは、仮想マシンとマシンプールの作成または編集時、およびテンプレートの編集時に、コンソール タブから適用されます。また、インスタンスタイプの作成時または編集時にも利用できます。

新しいヘッドレス仮想マシンを作成する場合は、Run Once ウィンドウを使用して、最初の実行でのみグラフィカルコンソールを介して仮想マシンにアクセスできます。詳細は Run once ウィンドウの設定に関する説明 を参照してください。

前提条件

  • 既存の仮想マシンを編集していて、Red Hat Virtualization ゲストエージェントがインストールされていない場合は、Headless Mode を選択する前にマシンの IP をメモしておく。
  • 仮想マシンをヘッドレスモードで実行する前に、このマシンの GRUB 設定をコンソールモードに設定する必要があります。そうしないと、ゲストオペレーティングシステムのブートプロセスが停止します。コンソールモードを設定するには、GRUB メニュー設定ファイルで splashimage フラグをコメントアウトします。

     #splashimage=(hd0,0)/grub/splash.xpm.gz serial --unit=0 --speed=9600 --parity=no --stop=1 terminal --timeout=2 serial
注記

Headless Mode オプションの選択時に仮想マシンが実行されている場合は、仮想マシンを再起動します。

ヘッドレス仮想マシンの設定

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. Console タブをクリックします。
  4. Headless Mode を選択します。Graphical Console セクションのその他のすべてのフィールドは、無効になっています。
  5. 必要に応じて、Enable VirtIO serial console を選択して、シリアルコンソールを使用した仮想マシンとの通信を有効にします。これは強く推奨されます。
  6. 仮想マシンが実行されている場合はこれを再起動します。仮想マシンの再起動 を参照してください。

4.10. ハイパフォーマンス仮想マシン、テンプレート、およびプールの設定

仮想マシンをハイパフォーマンスに設定して、ベアメタルに可能な限り近いパフォーマンスメトリックで実行できます。ハイパフォーマンスの最適化を選択すると、仮想マシンは、最大限の効率が得られるように、自動設定および、推奨の手動設定を使用して指定されます。

ハイパフォーマンスオプションには、管理ポータルでのみ利用できます。Edit または New 仮想マシン、テンプレート、またはプールウィンドウの Optimized for ドロップダウンリストから High Performance を選択します。このオプションは、VM ポータルでは利用できません。

ハイパフォーマンスのオプションは、Red Hat Virtualization 4.2 以降でサポートされます。これは、以前のバージョンでは利用できません。

仮想マシン

実行中の仮想マシンの最適化モードをハイパフォーマンスに変更した場合には、設定の変更内容によっては仮想マシンを再起動する必要があります。

新規または既存の仮想マシンの最適化モードをハイパフォーマンスに変更するには、最初にクラスターと固定されたホスト設定を手動で変更する必要がある場合があります。

パフォーマンスを向上させると、柔軟性の低下といったトレードオフがあるため、ハイパフォーマンス仮想マシンには特定の制限があります。

  • 推奨の設定に従って、CPU スレッド、I/O スレッド、エミュレータースレッド、または NUMA ノードにピニングが設定されている場合に、クラスターホストのサブセットのみをハイパフォーマンス仮想マシンに割り当てることができます。
  • 多くのデバイスは自動的に無効になり、仮想マシンのユーザービリティーが制限されます。

テンプレートおよびプール

ハイパフォーマンスのテンプレートとプールは、仮想マシンと同じ方法で作成および編集されます。ハイパフォーマンステンプレートまたはプールを使用して新しい仮想マシンを作成する場合に、これらの仮想マシンはこのプロパティーと設定を継承します。ただし、特定の設定は継承されず、手動で設定する必要があります。

  • CPU ピニング
  • 仮想 NUMA および NUMA ピニングトポロジー
  • I/O およびエミュレータースレッドピニングトポロジー
  • パススルーホスト CPU

4.10.1. ハイパフォーマンス仮想マシン、テンプレート、またはプールの作成

ハイパフォーマンス仮想マシン、テンプレート、またはプールを作成するには、以下を実行します。

  1. New または Edit ウィンドウで、Optimized for ドロップダウンメニューから High Performance を選択します。

    このオプションを選択すると、この仮想マシンに対して特定の設定変更が自動的に実行されます。これは、さまざまなタブをクリックして表示できます。元の設定に戻すか、上書きすることができます。(詳細は、ハイパフォーマンスの自動設定 を参照してください。) 設定を変更すると、最新の値が保存されます。

  2. OK をクリックします。

    手動設定を行っていない場合は、推奨の手動設定の説明が含まれる、High Performance Virtual Machine/Pool Settings 画面が表示されます。

    一部の手動設定を行った場合は、High Performance Virtual Machine/Pool Settings 画面に、設定がまだの内容が表示されます。

    推奨されるすべての手動設定を行った場合には、High Performance Virtual Machine/Pool Settings 画面は表示されません。

  3. High Performance Virtual Machine/Pool Settings 画面が表示された場合は、Cancel をクリックして New または Edit ウィンドウに戻り、手動設定を実行します。詳細は、推奨される手動設定 を参照してください。

    または、OK をクリックして、推奨事項を無視します。その結果、パフォーマンスのレベルが低下する可能性があります。

  4. OK をクリックします。

    最適化の種類は、仮想マシン、プール、またはテンプレートの詳細ビューの General タブで確認できます。

注記

特定の設定は、ハイパフォーマンス設定をオーバーライドできます。たとえば、Optimized for ドロップダウンメニューから High Performance を選択して手動設定を実行する前に仮想マシンのインスタンスタイプを選択した場合には、ハイパフォーマンス設定には、インスタンスタイプの設定の影響はありません。ただし、ハイパフォーマンスの設定後にインスタンスタイプを選択する場合は、さまざまなタブで最終設定を確認して、ハイパフォーマンス設定がインスタンスタイプによって上書きされていないことを確認する必要があります。

通常、最後に保存された設定が優先されます。

注記

インスタンスタイプのサポートは非推奨となり、今後のリリースで廃止される予定です。

4.10.1.1. ハイパフォーマンスの自動設定

以下の表は、自動設定の概要を示しています。Enabled (Y/N) 列には、有効または無効になった設定が表示されます。Applies to 列には、関連するリソースが表示されます。

  • VM - 仮想マシン
  • T - テンプレート
  • P: プール
  • C - クラスター

表4.3 ハイパフォーマンスの自動設定

設定有効 (Y/N)適用先

Headless Mode (Console タブ)

Y

VM, T, P

USB Enabled (Console タブ)

N

VM, T, P

Smartcard Enabled (Console タブ)

N

VM, T, P

Soundcard Enabled (Console タブ)

N

VM, T, P

Enable VirtIO serial console (Console タブ)

Y

VM, T, P

Allow manual migration only (Host タブ)

Y

VM, T, P

Pass-Through Host CPU (Host タブ)

Y

VM, T, P

Highly Available [1] (High Availability タブ)

N

VM, T, P

No-Watchdog (High Availability タブ)

N

VM, T, P

Memory Balloon Device (Resource Allocation タブ)

N

VM, T, P

I/O Threads Enabled [2] (Resource Allocation タブ)

Y

VM, T, P

Paravirtualized Random Number Generator PCI (virtio-rng) device (Random Generator タブ)

Y

VM, T, P

I/O およびエミュレータースレッドピニングトポロジー

Y

VM, T

CPU cache layer 3

Y

VM, T, P

  1. Highly Available は自動的に有効化されていません。手動で選択した場合は、ピニングされたホストに対してのみ、高可用性を有効にする必要があります。
  2. I/O スレッドの数 = 1

4.10.1.2. I/O およびエミュレータースレッドピニングトポロジー (自動設定)

I/O およびエミュレータースレッドピニングトポロジーは、Red Hat Virtualization 4.2 の新しい設定オプションです。仮想マシンに対して I/O スレッド、NUMA ノード、および NUMA ピニングを有効にして設定する必要があります。そうしないと、エンジンログに警告が表示されます。

トポロジーのピニング

  • 各 NUMA ノードの最初の 2 つの CPU はピニングされます。
  • すべての vCPU がホストの 1 つの NUMA ノードに適合する場合は、以下を実行します。

    • 最初の 2 つの vCPU は、自動的に予約/ピニングされます。
    • 残りの vCPU は、手動の vCPU ピンニングに使用できます
  • 仮想マシンが複数の NUMA ノードにまたがる場合は、以下を実行します。

    • 最も多くのピンを持つ NUMA ノードの最初の 2 つの CPU が予約/ピニングされています。
    • 残りのピニングされた NUMA ノードは、vCPU ピニング専用です。

プールは、I/O およびエミュレータースレッドピニングをサポートしていません。

警告

ホスト CPU が vCPU と I/O およびエミュレータースレッドの両方にピニングされている場合、ログに警告が表示され、この状況を回避するために CPU ピニングトポロジーの変更を検討するように求められます。

4.10.1.3. ハイパフォーマンスアイコン

以下のアイコンは、ComputeVirtual Machines 画面でハイパフォーマンスの仮想マシンの状態を示しています。

表4.4 ハイパフォーマンスアイコン

Icon説明

hp vm

ハイパフォーマンス仮想マシン

hp vm next run

Next Run 設定を使用したハイパフォーマンス仮想マシン

stateless hp vm

ステートレスなハイパフォーマンス仮想マシン

stateless hp vm next run

Next Run 設定を使用したステートレスなハイパフォーマンス仮想マシン

vm hp pool

ハイパフォーマンスプールの仮想マシン

vm hp pool next run

Next Run 設定を使用したハイパフォーマンスプールの仮想マシン

4.11. タイムゾーンの設定

Red Hat Virtualization は、仮想マシンのタイムゾーン設定を /etc/ovirt-engine/conf/00-timezone.properties に保存します。このファイルには、Etc/GMT = GreenwichStandardTime などのデフォルトのタイムゾーン値が含まれています。これは、Windows および Windows 以外のタイムゾーンで有効なマッピングを備えています。

重要

実際の 00-timezone.properties ファイルは編集しないでください。Manager をアップグレードまたは復元すると、変更が上書きされます。

オペレーティングシステムまたはマネージャーから直接取得される値は変更しないでください。

手順

  1. /etc/ovirt-engine/conf/ にオーバーライドファイルを作成します。ファイル名は 00 よりも大きな値で始まる必要があります。これにより、ファイルは /etc/ovirt-engine/conf/00-timezone.properties の後に表示され、拡張子 (.properties) で終了します。

    たとえば、10-timezone.properties は、デフォルトファイルの 00-timezone.properties を上書きします。ファイル一覧の最後のファイルは、前のファイルよりも優先されます。

  2. そのファイルに新しいタイムゾーンを追加します。各キーが タイムゾーンデータベース の有効な一般タイムゾーンであり、値が有効な Windows タイムゾーンであることを確認してください。

    全般
    Windows 以外のオペレーティングシステムタイプに使用されるタイムゾーンは、Etc/GMTAsia/Jerusalem などの標準のタイムゾーン形式に従う必要があります。
    Windows
    Windows で特にサポートされているタイムゾーン (グリニッジ標準時イスラエル標準時 など)。
  3. rhvm サービスを再起動します。

    # systemctl restart ovirt-engine

第5章 仮想マシンの編集

5.1. 仮想マシンのプロパティーの編集

ストレージ、オペレーティングシステム、またはネットワークパラメーターを変更すると、仮想マシンに悪影響を与える可能性があります。変更を加える前に、正しい情報があることを確認してください。仮想マシンは実行中に編集でき、変更によっては (以下の手順にリストされています) はすぐに適用されます。他のすべての変更を適用するには、仮想マシンをシャットダウンして再起動する必要があります。

注記

外部仮想マシン (接頭辞 external でマーク) は、Red Hat Virtualization で編集できません。

仮想マシンの編集

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 編集する仮想マシンを選択します。
  3. Edit をクリックします。
  4. 必要に応じて設定を変更します。

    以下の設定への変更は、すぐに適用されます。

    • Name
    • 説明
    • Comment
    • Optimized for (デスクトップ/サーバー/ハイパフォーマンス)
    • Delete Protection
    • Network Interfaces
    • Memory Size (このフィールドを編集して、仮想メモリーをホットプラグします。仮想メモリーのホットプラグ を参照してください。)
    • Virtual Sockets (このフィールドを編集して CPU をホットプラグします。CPU ホットプラグ を参照してください。)
    • Highly Available
    • Priority for Run/Migration queue
    • Disable strict user checking
    • Icon
  5. OK をクリックします。
  6. Next Start Configuration ポップアップウィンドウが表示されたら、OK をクリックします。

変更によってはすぐに適用されます。他のすべての変更は、仮想マシンをシャットダウンして再起動したときに適用されます。それまでは、保留中の変更アイコン ( pendingchanges ) が、仮想マシンの再起動のリマインダーとして表示されます。

5.2. ネットワークインターフェイス

5.2.1. 新しいネットワークインターフェイスの追加

複数のネットワークインターフェイスを仮想マシンに追加できます。これにより、仮想マシンを複数の論理ネットワークに配置できます。

注記

ホストの物理インターフェイスに接続されていない論理ネットワークを定義して、ホストから分離された仮想マシンのオーバーレイネットワークを作成できます。たとえば、仮想マシンがホストに作成されたブリッジを介して仮想マシン間で通信する DMZ 環境を作成できます。

オーバーレイネットワークは OVN を使用し、外部ネットワークプロバイダーとしてインストールする必要があります。詳細は、管理ガイド を参照してください。

手順

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Network Interfaces タブをクリックします。
  4. New をクリックします。
  5. ネットワークインターフェイスの Name を入力します。
  6. ドロップダウンリストから Profile とネットワークインターフェイスの Type を選択します。ProfileType ドロップダウンリストは、クラスターで使用可能なプロファイルとネットワークタイプ、および仮想マシンで使用可能なネットワークインターフェイスカードに従って入力されます。
  7. Custom MAC address チェックボックスをオンにし、必要に応じてネットワークインターフェイスカードの MAC アドレスを入力します。
  8. OK をクリックします。

新しいネットワークインターフェイスは、仮想マシンの詳細ビューの Network Interfaces タブに一覧表示されます。ネットワークインターフェイスカードが仮想マシンで定義され、ネットワークに接続されている場合は、Link State はデフォルトで Up に設定されます。

New Network Interface ウィンドウのフィールドの詳細は、仮想マシンネットワークインターフェイスのダイアログエントリー を参照してください。

5.2.2. ネットワークインターフェイスの編集

ネットワーク設定を変更するには、ネットワークインターフェイスを編集する必要があります。この手順は、実行中の仮想マシンで実行できますが、一部のアクションは、実行中ではない仮想マシンでのみ実行できます。

ネットワークインターフェイスの編集

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Network Interfaces タブをクリックし、編集するネットワークインターフェイスを選択します。
  4. Edit をクリックします。
  5. 必要に応じて設定を変更します。名前プロファイルタイプ、およびカスタム MAC アドレス を指定できます。ネットワークインターフェイスの追加 を参照してください。
  6. OK をクリックします。

5.2.3. ネットワークインターフェイスのホットプラグ

ネットワークインターフェイスは、ホットプラグできます。ホットプラグとは、仮想マシンの実行中にデバイスを有効または無効にすることを意味します。

注記

ゲストオペレーティングシステムは、ホットプラグネットワークインターフェイスをサポートしている必要があります。

ホットプラグネットワークインターフェイス

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Network Interfaces タブをクリックし、ホットプラグするネットワークインターフェイスを選択します。
  4. Edit をクリックします。
  5. Card StatusPlugged に設定してネットワークインターフェイスを有効にするか、カードステータスを Unplugged に設定してネットワークインターフェイスを無効にします。
  6. OK をクリックします。

5.2.4. ネットワークインターフェイスの削除

ネットワークインターフェイスの削除

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Network Interfaces タブをクリックし、削除するネットワークインターフェイスを選択します。
  4. Remove をクリックします。
  5. OK をクリックします。

5.2.5. 仮想マシンを NIC を無視するように設定

特定の NIC を無視するように仮想マシンで ovirt-guest-agent を設定できます。これにより、特定のソフトウェアによって作成されたネットワークインターフェイスに関連付けられた IP アドレスがレポートに表示されなくなります。無視するネットワークインターフェイスの名前と番号を指定する必要があります (例: eth0docker0)。

手順

  1. 仮想マシンの /etc/ovirt-guest-agent.conf 設定ファイルに、無視する NIC をスペースで区切って次の行を挿入します。

    ignored_nics = first_NIC_to_ignore second_NIC_to_ignore
  2. エージェントを起動します。

    # systemctl start ovirt-guest-agent
注記

一部の仮想マシンオペレーティングシステムは、インストール中にゲストエージェントを自動的に起動します。

仮想マシンのオペレーティングシステムがゲストエージェントを自動的に起動する場合、または多くの仮想マシンで拒否リストを設定する必要がある場合は、設定された仮想マシンを、仮想マシンの追加作成用のテンプレートとして使用します。詳細は 既存の仮想マシンからのテンプレートの作成 を参照してください。

5.3. 仮想ディスク

5.3.1. 新しい仮想ディスクの追加

仮想マシンに複数の仮想ディスクを追加できます。

イメージ はデフォルトのタイプのディスクです。ダイレクト LUN ディスクを追加することもできます。イメージ ディスクの作成は、Manager がすべて管理します。ダイレクト LUN ディスクには、外部で準備された、既存のターゲットが必要です。既存のディスクは、仮想マシンに接続されたフローティングディスクまたは共有可能ディスクのいずれかです。

仮想マシンへのディスクの追加

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Disks タブをクリックします。
  4. New をクリックします。
  5. 適切なラジオボタンを使用して、イメージダイレクト LUN を切り替えます。
  6. 新しいディスクのSize (GB)Alias、および Description を入力します。
  7. ドロップダウンリストとチェックボックスを使用して、ディスクを設定します。すべてのディスクタイプのフィールドの詳細は、仮想ディスクの追加のダイアログエントリー を参照してください。
  8. OK をクリックします。

しばらくすると、新しいディスクが詳細ビューに表示されます。

5.3.2. 既存のディスクの仮想マシンへの接続

フローティングディスクは、仮想マシンに関連付けられていないディスクです。

フローティングディスクを使用すると、仮想マシンのセットアップに必要な時間を最小限に抑えることができます。フローティングディスクを仮想マシンのストレージとして指定すると、仮想マシンの作成時にディスクの事前割り当てを待つ必要がなくなります。

フローティングディスクは、単一の仮想マシンに接続することも、ディスクが共有可能な場合は複数の仮想マシンに接続することもできます。共有ディスクを使用する仮想マシンごとに、さまざまなディスクインターフェイスタイプを使用できます。

フローティングディスクが仮想マシンにアタッチされると、仮想マシンはそのディスクにアクセスできます。

手順

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Disks タブをクリックします。
  4. アタッチ をクリックします。
  5. 使用可能なディスクのリストから 1 つ以上の仮想ディスクを選択し、インターフェイスドロップダウンから必要なインターフェイスを選択します。
  6. OK をクリックします。
注記

仮想マシンに仮想ディスクをアタッチしたり、仮想マシンから仮想ディスクをデタッチしたりしても、クォータリソースは消費されません。

5.3.3. 仮想ディスクの使用可能なサイズの拡張

仮想ディスクが仮想マシンにアタッチされているときに、仮想ディスクの使用可能なサイズを拡張できます。仮想ディスクのサイズを変更しても、その仮想ディスクの基になるパーティションまたはファイルシステムのサイズは変更されません。fdisk ユーティリティーを使用して、必要に応じてパーティションとファイルシステムのサイズを変更します。詳細は、fdisk を使用してパーティションのサイズを変更する方法 を参照してください。

仮想ディスクの利用可能なサイズの拡張

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Disks タブをクリックし、編集するディスクを選択します。
  4. Edit をクリックします。
  5. Extend size by(GB) フィールドに値を入力します。
  6. OK をクリックします。

ターゲットディスクのステータスが短時間 ロック され、その間にドライブのサイズが変更されます。ドライブのサイズ変更が完了すると、ドライブのステータスは OK になります。

5.3.4. 仮想ディスクのホットプラグ

仮想ディスクは、ホットプラグできます。ホットプラグとは、仮想マシンの実行中にデバイスを有効または無効にすることを意味します。

注記

ゲストオペレーティングシステムは、仮想ディスクのホットプラグをサポートしている必要があります。

仮想ディスクのホットプラグ

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. ディスク タブをクリックし、ホットプラグする仮想ディスクを選択します。
  4. More Actions ( moreactions ) をクリックしてから、Activate をクリックしてディスクを有効にするか、Deactivate をクリックしてディスクを無効にします。
  5. OK をクリックします。

5.3.5. 仮想マシンからの仮想ディスクの削除

仮想マシンから仮想ディスクの削除

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. ディスク タブをクリックし、削除する仮想ディスクを選択します。
  4. More Actions ( moreactions ) をクリックしてから、Deactivate をクリックします。
  5. OK をクリックします。
  6. Remove をクリックします。
  7. 必要に応じて、Remove Permanently のチェックボックスをチェックを入れて、環境から仮想ディスクを完全に削除します。このオプションを選択しない場合には (たとえば、ディスクが共有ディスクであるため)、仮想ディスクは StorageDisks に残ります。
  8. OK をクリックします。

ディスクが iSCSI などのブロックストレージとして作成され、ディスクの作成時に Wipe After Delete チェックボックスがオンになっている場合には、ホスト上のログファイルを表示して、ディスクを完全に削除した後にデータが消去されたことを確認できます。管理ガイド削除後に仮想ディスクをワイプするための設定 を参照してください。

ディスクが iSCSI などのブロックストレージとして作成され、ディスクが削除される前にストレージドメインで Discard After Delete チェックボックスがオンになっている場合には、削除時に blkdiscard コマンドが論理ボリュームで呼び出され、ブロックが開放されたことが下層のストレージに通知されます。管理ガイドストレージドメインの削除後の破棄の設定 を参照してください。破棄を有効にする のチェックボックスがオンになっている仮想ディスクが少なくとも 1 台の仮想マシンにアタッチされている場合に、仮想ディスクが削除されると、論理ボリュームでも blkdiscard が呼び出されます。

5.3.6. インポートされたストレージドメインからのディスクイメージのインポート

インポートされたストレージドメインからフローティング仮想ディスクをインポートできます。

この手順では、管理ポータルにアクセスする必要があります。

注記

Manager にインポートできるのは QEMU 互換ディスクのみです。

ディスクイメージのインポート

  1. StorageDomains をクリックします。
  2. インポートされたストレージドメインをクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Disk Import をクリックします。
  4. 1 つ以上のディスクイメージを選択し、Import をクリックします。これにより、Disk Import ウィンドウが開きます。
  5. 各ディスクに適切な Disk Profile を選択します。
  6. OK をクリックして、選択したディスクをインポートします。

5.3.7. インポートされたストレージドメインからの未登録のディスクイメージのインポート

ストレージドメインからフローティング仮想ディスクをインポートできます。Red Hat Virtualization 環境の外部で作成されたフローティングディスクは、Manager には登録されません。ストレージドメインをスキャンして、インポートする未登録のフローティングディスクを特定します。

この手順では、管理ポータルにアクセスする必要があります。

注記

Manager にインポートできるのは QEMU 互換ディスクのみです。

ディスクイメージのインポート

  1. StorageDomains をクリックします。
  2. More Actions ( moreactions ) をクリックしてから、Manager が未登録のディスクを特定できるように、Scan Disks をクリックします。
  3. 未登録のディスク名を選択し、Disk Import をクリックします。
  4. 1 つ以上のディスクイメージを選択し、Import をクリックします。これにより、Disk Import ウィンドウが開きます。
  5. 各ディスクに適切な Disk Profile を選択します。
  6. OK をクリックして、選択したディスクをインポートします。

5.4. 仮想メモリー

5.4.1. 仮想メモリーのホットプラグ

仮想メモリーは、ホットプラグできます。ホットプラグとは、仮想マシンの実行中にデバイスを有効または無効にすることを意味します。メモリーがホットプラグされるたびに、仮想マシンの詳細ビューの Vm Devices タブに、新しいメモリーデバイスとして (空きスロット最大 16 個) 表示されます。仮想マシンが再起動されると、これらのデバイスは仮想マシンのメモリーを減らすことなく Vm デバイス タブから消去され、より多くのメモリーデバイスをホットプラグできるようになります。ホットプラグに障害が発生した場合 (たとえば、使用可能なスロットがなくなった場合)、仮想マシンの再起動時にメモリーの増加が適用されます。

重要

この機能は現在、セルフホストエンジンマネージャー仮想マシンではサポートされていません。

注記

現在ホットプラグしているメモリーを後でホットアンプラグする必要がある場合は、仮想メモリーのホットアンプラグ を参照してください。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、実行中の仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. System タブをクリックします。
  4. 必要な合計量を入力して、Memory Size を増やします。メモリーは 256MB の倍数で追加できます。デフォルトでは、仮想マシンで許容できる最大メモリーは、指定されたメモリーサイズの 4 倍に設定されています。値はユーザーインターフェイスで変更されますが、最大値はホットプラグされないので、保留中の変更アイコンが表示されます ( pendingchanges )。これを回避するには、最大メモリーを元の値に戻してください。
  5. OK をクリックします。

    maxMemorySizeMbminAllocatedMem などの一部の値は、仮想マシンが再起動されるまで変更されないため、このアクションで、Pending Virtual Machine changes ウィンドウが開きます。ただし、ホットプラグアクションは、すぐに適用できる Memory Size 値の変更によってトリガーされます。

  6. OK をクリックします。

仮想マシンの 定義済みメモリー は、詳細ビューの General タブで更新されます。詳細ビューの Vm デバイス タブで、新しく追加されたメモリーデバイスを確認できます。

5.4.2. 仮想メモリーのホットアンプラグ

仮想メモリーをホットアンプラグできます。ホットアンプラグは、仮想マシンの実行中にデバイスを無効にします。

前提条件

  • ホットプラグで追加されたメモリーのみがホットプラグを解除できるようにする。
  • 仮想マシンのオペレーティングシステムが、メモリーのホットアンプラグをサポートしている。
  • 仮想マシンでメモリーバルーンデバイスを有効にしないようにする。この機能はデフォルトで無効にする。
  • ホットプラグされたメモリーのすべてのブロックは、仮想マシンのデバイス管理ルールで online_movable に設定する。最新バージョンの Red Hat Enterprise Linux または CoreOS を実行している仮想マシンではこのルールがデフォルトで設定されている。デバイス管理ルールについては、仮想マシンのオペレーティングシステムのドキュメントを参照してください。
  • ホットプラグされたメモリーを後でホットアンプラグできるようにするには、次のように仮想マシンのカーネルコマンドラインに movable_node オプションを追加して仮想マシンを再起動する。

    # grubby --update-kernel=ALL --args="movable_node"

詳細は、RHEL 8 ドキュメント カーネルの管理、監視、および更新カーネルコマンドラインパラメーターの設定 を参照してください。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、実行中の仮想マシンを選択します。
  2. Vm Devices タブをクリックします。
  3. Hot Unplug 列で、削除するメモリーデバイスの横にある Hot Unplug をクリックします。
  4. Memory Hot Unplug ウィンドウで OK をクリックします。

    仮想マシンの 物理メモリー保証 値は、必要に応じて自動的に 1 つ減らした数字が割り当てられます。

5.5. vCPU のホットプラグ

vCPU をホットプラグできます。ホットプラグとは、仮想マシンの実行中にデバイスを有効または無効にすることを意味します。

重要

vCPU のホットアンプラグは、vCPU が以前にホットプラグされていた場合にのみサポートされます。仮想マシンの vCPU は、最初に作成した vCPU の数よりも少ない場合にはホットアンプラグすることはできません。

次の前提条件が適用されます。

  • 仮想マシンの Operating System は、New Virtual Machineまたは Edit Virtual Machine ウィンドウで明示的に設定する。
  • 仮想マシンのオペレーティングシステムが CPU ホットプラグをサポートしている。サポートの詳細は、以下の表を参照してください。
  • Windows 仮想マシンには、ゲストエージェントがインストールされている必要があります。Windows でのゲストエージェントおよびドライバの更新 を参照してください。

vCPU のホットプラグ

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、実行中の仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. System タブをクリックします。
  4. 必要に応じて、Virtual Socketsの値を変更します。
  5. OK をクリックします。

表5.1 vCPU ホットプラグのオペレーティングシステムサポートマトリックス

オペレーティングシステムバージョンアーキテクチャーホットプラグサポートホットアンプラグのサポート

Red Hat Enterprise Linux Atomic Host 7

 

x86

対応

対応

Red Hat Enterprise Linux 6.3+

 

x86

対応

対応

Red Hat Enterprise Linux 7.0+

 

x86

対応

対応

Red Hat Enterprise Linux 7.3+

 

PPC64

対応

対応

Red Hat Enterprise Linux 8.0+

 

x86

対応

対応

Microsoft Windows Server 2012 R2

すべて

x64

対応

非対応

Microsoft Windows Server 2016

標準、データセンター

x64

対応

非対応

Microsoft Windows Server 2019

標準、データセンター

x64

対応

非対応

Microsoft Windows 8.x

すべて

x86

対応

非対応

Microsoft Windows 8.x

すべて

x64

対応

非対応

Microsoft Windows 10

すべて

x86

対応

非対応

Microsoft Windows 10

すべて

x64

対応

非対応

5.6. 仮想マシンの複数のホストへのピニング

仮想マシンは複数のホストにピニングできます。マルチホストピニングを使用すると、クラスター内の全ホストや、特定のホストではなく、クラスター内の特定のホストのサブセットで実行できるようになります。指定されたすべてのホストが使用できない場合でも、仮想マシンはクラスター内の他のホストで実行できません。マルチホストピニングを使用して、同じ物理ハードウェア設定のホストだけに仮想マシンを限定できます。

ホストに障害が発生した場合に、高可用性仮想マシンは、仮想マシンがピニングされている他のホストの 1 つで自動的に再起動されます。

仮想マシンの複数のホストへのピニング

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. Host タブをクリックします。
  4. Start Running OnSpecific Host(s) ラジオボタンを選択し、リストから 2 つ以上のホストを選択します。
  5. High Availability タブをクリックします。
  6. High Availability チェックボックスをオンにします。
  7. Priorityドロップダウンリストから LowMedium、または High を選択します。移行がトリガーされると、キューが作成されて優先度の高い仮想マシンが最初に移行されます。クラスターのリソースが不足している場合は、優先度の高い仮想マシンのみが移行されます。
  8. OK をクリックします。

5.7. ホストにピニングされた仮想マシンの表示

仮想マシンがオフラインの場合でも、ホストにピニングされている仮想マシンを表示できます。Pinned to Host を使用して、影響を受ける仮想マシンと、ホストが再びアクティブになった後に手動で再起動する必要がある仮想マシンを確認します。

ホストにピニングされた仮想マシンの表示

  1. ComputeHosts をクリックします。
  2. ホスト名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Virtual Machines タブをクリックします。
  4. Pinned to Host をクリックします。

5.8. 仮想マシンの CD の変更

仮想マシンのクラスターのデータドメインにアップロードされた ISO イメージを使用して、仮想マシンの実行中に仮想マシンにアクセスできる CD を変更できます。詳細は、管理ガイドデータストレージドメインへのイメージのアップロード を参照してください。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、実行中の仮想マシンを選択します。
  2. More Actions ( moreactions ) をクリックしてから、Change CD をクリックします。
  3. ドロップダウンリストからオプションを選択します。

    • リストから ISO ファイルを選択して、仮想マシンに現在アクセス可能な CD を取り出し、その ISO ファイルを CD としてマウントします。リストから手順を実行して、仮想マシンに現在アクセス可能な CD を取り出します。
  4. OK をクリックします。

5.9. スマートカード認証

スマートカードは外部のハードウェアセキュリティー機能で、クレジットカードで最もよく見られますが、多くの企業で認証トークンとしても使用されています。Red Hat Virtualization 仮想マシンの保護には、スマートカードを使用できます。

スマートカードの有効化

  1. スマートカードハードウェアがクライアントマシンに接続され、製造元の指示に従ってインストールされていることを確認します。
  2. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  3. Edit をクリックします。
  4. Console タブをクリックし、Smartcard enabled チェックボックスをオンにします。
  5. OK をクリックします。
  6. Console ボタンをクリックして、実行中の仮想マシンに接続します。スマートカード認証がクライアントハードウェアから仮想マシンに渡されるようになりました。
重要

スマートカードハードウェアが正しくインストールされていない場合には、スマートカード機能を有効にすると、仮想マシンが正しく読み込まれなくなります。

スマートカードの無効化

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. コンソール タブをクリックし、スマートカードを有効にする チェックボックスをオフにします。
  4. OK をクリックします。

スマートカード共有用のクライアントシステムの設定

  • スマートカードは、証明書へのアクセスに特定のライブラリーが必要になる場合があります。これらのライブラリーは、NSS ライブラリーに表示される必要があります。この NSS ライブラリーは、spice-gtk を使用してゲストにスマートカードを渡します。NSS では、ライブラリーに PKCS#11 インターフェイスが含まれる必要があります。
  • モジュールアーキテクチャーが spice-gtk/remote-viewer アーキテクチャーと一致していることを確認してください。たとえば、使用可能な 32b PKCS#11 ライブラリーしかない場合には、スマートカードを機能させるには、virt-viewer の 32b ビルドをインストールする必要があります。

スマートカードをサポートするための RHEL クライアントの設定

Red Hat Enterprise Linux では、スマートカードをサポートします。Smart card support グループをインストールします。スマートカードサポートグループが Red Hat Enterprise Linux システムにインストールされている場合には、スマートカードが有効になると、スマートカードはゲストにリダイレクトされます。

  1. Smart card support グループをインストールするには、次のコマンドを実行します。

    # dnf groupinstall "Smart card support"

他のスマートカードミドルウェアを使用した RHEL クライアントの設定

Red Hat Enterprise Linux は、システム全体のレジストリーである p11-kit の pkcs11 モジュールを提供するので、すべてのアプリケーションからアクセスできます。

  1. サードパーティーの PKCS#11 ライブラリーを p11-kit データベースに登録するには、root として次のコマンドを実行します。

    # echo "module: /path/to/library.so" > /etc/pkcs11/modules/my.module
  2. このライブラリーを介してスマートカードが p11-kit に表示されていることを確認するには、次のコマンドを実行します。

    $ p11-kit list-modules

Windows クライアントの設定

Red Hat では、Windows クライアントに対する PKCS#11 はサポートしません。PKCS#11 サポートを提供するライブラリーは、サードパーティーから入手する必要があります。

  1. このようなライブラリーを取得したら、次のコマンドを昇格特権のあるユーザーとして実行して、ライブラリーを登録します。

    modutil -dbdir %PROGRAMDATA%\pki\nssdb -add "module name" -libfile C:_\Path\to\module_.dll

第6章 管理タスク

6.1. 仮想マシンのシャットダウン

シャットダウン または 電源オフ を使用して、仮想マシンをオフにすることができます。シャットダウン は、仮想マシンを正常にシャットダウンします。電源オフ は強制シャットダウンを実行します。通常は、強制シャットダウンよりも、正常なシャットダウンを推奨しています。

注記

仮想マシンの横に感嘆符が表示されている場合は、スナップショットの削除プロセスに失敗しており、シャットダウン後にマシンを再起動できない場合があります。仮想マシンをシャットダウンする前に、スナップショットを再度削除し、感嘆符が消えていることを確認してください。詳細は、スナップショットの削除 を参照してください。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、実行中の仮想マシンを選択します。
  2. Shutdown をクリックするか、仮想マシンを右クリックして、ポップアップメニューから Shutdownを選択します。
  3. 必要に応じて、管理ポータルで、Shut down Virtual Machine(s) 確認ウィンドウに仮想マシンをシャットダウンする Reason を入力します。これにより、ログに表示されるシャットダウンの説明と、仮想マシンの電源が再びオンになります。

    注記

    仮想マシンのシャットダウンのReasonフィールドは、クラスター設定で有効になっている場合にのみ表示されます。詳細は、管理ガイドNew Cluster および Edit Cluster ウィンドウの設定およびコントロールに関する説明 を参照してください。

  4. Shut down Virtual Machine(s) 確認ウィンドウで OK をクリックします。

仮想マシンを正常にシャットダウンすると、仮想マシンの StatusDown に変わります。仮想マシンが正常にシャットダウンしない場合は、Shutdown の横にある下矢印をクリックしてから Power Off をクリックして強制シャットダウンを実行するか、仮想マシンを右クリックしてポップアップメニューから Power Off を選択します。

6.2. 仮想マシンの一時停止

仮想マシンの一時停止は、仮想マシンを Hibernate モードに切り替える操作と同じです。

仮想マシンの一時停止

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、実行中の仮想マシンを選択します。
  2. Suspend をクリックするか、仮想マシンを右クリックして、ポップアップメニューから Suspend を選択します。

仮想マシンの StatusSuspended に変わります。

6.3. 仮想マシンの再起動またはリセット

仮想マシンは、再起動またはリセットの 2 種の方法で再起動できます。

更新や設定の変更後など、仮想マシンを再起動する必要がある状況が何度か発生する可能性があります。再起動すると、ゲストオペレーティングシステムの再起動中は、仮想マシンのコンソールは開いたままになります。

ゲストオペレーティングシステムを読み込めない、または応答しなくなった場合は、仮想マシンをリセットする必要があります。リセットすると、ゲストオペレーティングシステムの再起動中は、仮想マシンのコンソールは開いたままになります。

注記

リセット操作は、管理ポータルからのみ実行できます。

仮想マシンの再起動

仮想マシンを再起動するには以下を実行します。

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、実行中の仮想マシンを選択します。
  2. 再起動 をクリックするか、仮想マシンを右クリックして、ポップアップメニューから 再起動 を選択します。
  3. Reboot Virtual Machine(s) 確認ウィンドウで OK をクリックします。

仮想マシンのリセット

仮想マシンをリセットするには以下を実行します。

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、実行中の仮想マシンを選択します。
  2. 再起動 の横にある下矢印をクリックしてから リセット をクリックするか、仮想マシンを右クリックしてポップアップメニューから リセット を選択します。
  3. Reset Virtual Machine(s) 確認ウィンドウで OK をクリックします。

再起動およびリセットの操作中、仮想マシンのステータスReboot In Progress に変わってから Up に戻ります。

6.4. 仮想マシンの削除

重要

仮想マシンの実行中は、削除 ボタンが無効になります。仮想マシンの削除前に、仮想マシンをシャットダウンする必要があります。

仮想マシンの削除

  1. ComputeVirtual Machines をクリックして、削除する仮想マシンを選択します。
  2. Remove をクリックします。
  3. 必要に応じて、ディスクの削除チェックボックスをオンにして、仮想マシンに接続されている仮想ディスクを仮想マシンと一緒に削除します。ディスクの削除チェックボックスをオフにすると、仮想ディスクはフローティングディスクとして環境に残ります。
  4. OK をクリックします。

6.5. 仮想マシンのクローン作成

最初にテンプレートやスナップショットを作成しなくても、仮想マシンのクローンを作成できます。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックして、クローンする仮想マシンを選択します。
  2. More Actions ( moreactions ) をクリックしてから、Clone VM をクリックします。
  3. 新しい仮想マシンの クローン名 を入力します。
  4. OK をクリックします。

6.6. 仮想マシンのゲストエージェントとドライバーの更新

Red Hat Virtualization ゲストエージェント、ツール、およびドライバーは、仮想マシンに追加の機能を提供します。たとえば、VM ポータルおよび管理ポータルから仮想マシンを正常にシャットダウンまたは再起動するなどの機能を提供します。ツールおよびエージェントは、以下を含む仮想マシンの情報も提供します。

  • リソースの使用状況
  • IP アドレス
  • インストールされているアプリケーション

ゲストツールは、仮想マシンにアタッチできる ISO ファイルとして配布されます。この ISO ファイルは、Manager マシンからインストールおよび更新が可能な RPM ファイルとしてパッケージ化されています。

6.6.1. Red Hat Enterprise Linux へのゲストエージェントおよびドライバーの更新

Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンのゲストエージェントとドライバーを更新して、最新バージョンを使用します。

Red Hat Enterprise Linux へのゲストエージェントおよびドライバーの更新

  1. Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンにログインします。
  2. ovirt-guest-agent-common パッケージを更新します。

    # yum update ovirt-guest-agent-common
  3. サービスを再起動します。

    • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合

      # service ovirt-guest-agent restart
    • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合

      # systemctl restart ovirt-guest-agent.service

6.6.2. Windows Update での Windows ドライバーの更新

Windows 仮想マシンのドライバーを更新する必要がある場合の最も簡単な方法は Windows Update を使用することです。

手順

  1. 仮想マシンにログインします。
  2. 更新プログラムを入手できるように、Windows Update が有効になっていることを確認してください。
  3. Windows Update で、Red Hat, Inc からの更新を確認してください。
  4. 自動インストールされなかった更新を手動でインストールします。

関連情報

6.6.3. コマンドプロンプトを使用した Windows ゲストエージェントとドライバーの更新

Windows Update にアクセスして Windows ドライバーを更新できない場合、または oVirt ゲストエージェントを更新する必要がある場合は、仮想マシンのコマンドプロンプトを使用して virtio-win パッケージから更新できます。この手順では、ドライバーを削除して再インストールする必要があります。これにより、ネットワークが中断する可能性があります。この手順では、ドライバーを再インストールした後に、設定を復元します。

手順

  1. ドライバーを更新する場合は、Windows 仮想マシンで、netkvm ドライバーをアンインストールする前に、netsh ユーティリティーを使用して TCP 設定を保存します。

    C:\WINDOWS\system32>netsh dump > filename.txt
  2. Manager マシンで、virtio-win パッケージを最新バージョンに更新します。

    # dnf upgrade -y virtio-win

    virtio-win_version.iso ファイルは、Manager マシンの /usr/share/virtio-win/ にあります。

  3. ISO ファイルをデータドメインにアップロードします。詳細は、管理ガイドデータストレージドメインへのイメージのアップロード を参照してください。
  4. 管理ポータルまたは VM ポータルで、仮想マシンが実行されている場合は Change CD ドロップダウンリストを使用して、virtio-win_version.iso ファイルを各仮想マシンにアタッチします。仮想マシンの電源がオフになっている場合は、 Run Once ボタンをクリックして、ISO を CD としてアタッチします。
  5. 仮想マシンにログインします。
  6. virtio-win _version.iso ファイルを含む CD ドライブ (この例では D:\) を選択します。
  7. ゲストエージェントまたはドライバーを再インストールします。

    • ゲストエージェントのみを再インストールするには、qemu-ga-x86_64.msi を使用します。

      C:\WINDOWS\system32>msiexec.exe /i D:\guest-agent\qemu-ga-x86_64.msi /passive /norestart
    • ドライバーを再インストールするには、virtio-win-gt-x64.msi を使用します。

      C:\WINDOWS\system32>msiexec.exe /i D:\virtio-win-gt-x64.msi /passive /norestart
  8. ドライバーを更新する場合は、netsh を使用して保存した設定を復元します。

    C:\WINDOWS\system32>netsh -f filename.txt

6.7. 仮想マシンの Red Hat Satellite エラータの表示

Red Hat Virtualization 仮想マシンが Red Hat Satellite サーバーからエラータ情報を受信するように設定した後に、各仮想マシンのエラータを表示できます。

利用可能なエラータを表示するように仮想マシンを設定する方法は、Satellite エラータの設定 を参照してください。

Red Hat Satellite エラータの表示

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Errataをクリックします。

6.8. 仮想マシンとパーミッション

6.8.1. 仮想マシンのシステムパーミッションの管理

システム管理者は SuperUser として、管理ポータルをあらゆる面から管理します。他のユーザーに特定の管理ロールを割り当てることができます。このような制限付き管理者ロールは、特定のリソースに限定して管理者権限をユーザーに付与する際に役立ちます。たとえば、DataCenterAdmin ロールは、割り当てられたデータセンターに対する権利者権限のみ (そのデータセンターのストレージを除く) を持ち、ClusterAdmin は割り当てられたクラスターに対する管理者権限のみを持ちます。

UserVmManager は、データセンター内の仮想マシンのシステム管理のロールです。このロールは、特定の仮想マシン、データセンター、または仮想化環境全体に適用できます。これは、異なるユーザーが特定の仮想リソースを管理できるようにするのに役立ちます。

ユーザーの仮想マシンの管理者ロールは、以下のアクションを許可します。

  • 仮想マシンの作成、編集、および削除。
  • 仮想マシンの実行、一時停止、シャットダウン、および停止。
注記

ロールやパーミッションは、既存のユーザーにのみ割り当てることができます。

仮想化環境での仮想マシンのリソースだけを考慮するエンドユーザーが多いので、Red Hat Virtualization は、ユーザーが仮想マシンを詳細に管理できるようにユーザーロールを複数提供しますが、データセンター内の他のリソースは管理できません。

6.8.2. 仮想マシン管理者ロールの概要

以下の表は、仮想マシン管理に適用される管理者ロールおよび権限について説明しています。

表6.1 Red Hat Virtualization システム管理者ロール

ロール権限注記

DataCenterAdmin

データセンター管理者

特定のデータセンターの下にある、ストレージを除くすべてのオブジェクトの管理権限を持ちます。

ClusterAdmin

クラスター管理者

特定のクラスター下にある全オブジェクトの管理権限を持ちます。

NetworkAdmin

ネットワーク管理者

特定の論理ネットワークの全操作に対して、管理者権限があります。仮想マシンにアタッチされたネットワークを設定して管理できます。仮想マシンのネットワークにポートミラーリングを設定するには、ネットワークに NetworkAdmin ロールを、仮想マシンに UserVmManager ロールを適用します。

6.8.3. 仮想マシンのユーザーロールの説明

次の表は、仮想マシンユーザーに適用可能なユーザーのロールと権限を示しています。これらのロールは、仮想マシンの管理およびアクセス用の VM ポータルにアクセスできますが、管理ポータルのパーミッションはありません。

表6.2 Red Hat Virtualization システムのユーザーロール

ロール権限注記

UserRole

仮想マシンおよびプールへのアクセスと使用が可能。

VM ポータルにログインして、仮想マシンとプールを使用できます。

PowerUserRole

仮想マシンおよびテンプレートの作成と管理が可能。

Configure ウィンドウで、このロールを環境全体のユーザー、または特定のデータセンターやクラスターのユーザーに適用します。たとえば、PowerUserRole がデータセンターレベルに適用されると、PowerUser はデータセンターで仮想マシンおよびテンプレートを作成できます。PowerUserRole は、VmCreatorDiskCreator、およびTemplateCreatorのロールを割り当てることと同じです。

UserVmManager

仮想マシンのシステム管理者。

仮想マシンの管理、スナップショットの作成と使用が可能。VM ポータルで仮想マシンを作成したユーザーには、そのマシンの UserVmManager ロールが自動的に割り当てられます。

UserTemplateBasedVm

テンプレートのみを使用できる限定的な権限。

テンプレートを使用して仮想マシンを作成するための権限のレベル。

VmCreator

VM ポータルで仮想マシンを作成できる。

このロールは特定の仮想マシンには適用されません。Configure ウィンドウで環境全体のユーザーにこのロールを適用します。このロールをクラスターに適用する場合、データセンター全体または特定のストレージドメインに DiskCreator ロールを適用する必要もあります。

VnicProfileUser

仮想マシンの論理ネットワークおよびネットワークインターフェイスユーザー。

論理ネットワークの作成時にAllow all users to use this Network オプションが選択されている場合に、VnicProfileUser パーミッションが論理ネットワークのすべてのユーザーに割り当てられます。その後、ユーザーは仮想マシンネットワークインターフェイスを論理ネットワークにアタッチしたり、論理ネットワークからデタッチしたりできます。

6.8.4. ユーザーへの仮想マシンの割り当て

自分以外のユーザー向けに仮想マシンを作成する場合は、ユーザーが仮想マシンを使用する前に、ユーザーにロールを割り当てる必要があります。権限は既存のユーザーにのみ割り当てることができる点に注意してください。ユーザーアカウントの作成の詳細は、管理ガイドユーザーとロール を参照してください。

VM ポータルは、User、PowerUser、および UserVmManager の 3 つのデフォルトのロールをサポートしています。ただし、カスタマイズされたロールは、管理ポータルを介して設定できます。デフォルトのロールを以下に説明します。

  • User は仮想マシンに接続して使用できます。このロールは、日常のタスクを実行するデスクトップエンドユーザーに適しています。
  • PowerUserは、仮想マシンを作成し、仮想リソースを閲覧できます。このロールは、従業員に仮想リソースを割り当てる必要のある管理者またはマネージャーに適しています。
  • UserVmManagerは、仮想マシンの編集と削除、ユーザー権限の割り当て、スナップショットの使用、およびテンプレートの使用を行うことができます。仮想環境の設定を変更する必要がある場合に適しています。

仮想マシンを作成すると、UserVmManager 権限が自動的に継承されます。これにより、仮想マシンに変更を加えて、管理するユーザー、または Identity Management (IdM) または RHDS グループに属するユーザーにパーミッションを割り当てることができます。詳細は、管理ガイド を参照してください。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Permissions タブをクリックします。
  4. Add をクリックします。
  5. Search テキストボックスに名前、ユーザー名、またはその一部を入力し、Go をクリックします。一致する候補の一覧が結果リストに表示されます。
  6. 権限を割り当てるユーザーのチェックボックスを選択します。
  7. Role to Assign ドロップダウンリストから UserRole を選択します。
  8. OK をクリックします。

この仮想マシンへのアクセスを許可されているユーザーのリストに、ユーザーの名前とロールが表示されます。

注記

ユーザーに仮想マシン 1 台だけのパーミッションが割り当てられている場合は、仮想マシンにシングルサインオン (SSO) を設定できます。シングルサインオンを有効にすると、ユーザーが VM ポータルにログインし、SPICE コンソールなどを介して仮想マシンに接続すると、ユーザーは仮想マシンに自動的にログインされるので、もう一度ユーザー名とパスワードを入力する必要はありません。シングルサインオンは、仮想マシンごとに有効または無効にできます。仮想マシンのシングルサインオンを有効または無効にする方法は、仮想マシンのシングルサインオンの設定 を参照してください。

6.8.5. ユーザーからの仮想マシンへのアクセスの削除

ユーザーからの仮想マシンへのアクセスの削除

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Permissionsをクリックします。
  4. Remove をクリックします。選択した権限削除の確定を求める警告メッセージが表示されます。
  5. 続行するには、OK をクリックします。中止するには、Cancel をクリックします。

6.9. スナップショット

6.9.1. 仮想マシンのスナップショットの作成

スナップショットは、特定の時点で利用可能なすべてのディスクにある仮想マシンのオペレーティングシステムおよびアプリケーションのビューです。変更を加えると意図しない結果をもたらす可能性があるのでその前に仮想マシンのスナップショットを作成してください。スナップショットを使用して、仮想マシンを以前の状態に復元することができます。

仮想マシンのスナップショットの作成

VM ポータルでは、以下を行います。

  1. 仮想マシンを開きます。
  2. Snapshots パネルで +Create Snapshot をクリックします。

    すべてのアタッチされたディスクを含むスナップショットがパネルに追加されます。

管理ポータルでは、以下を行います。

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. スナップショット タブをクリックし、作成 をクリックします。
  4. スナップショットの説明を入力します。
  5. チェックボックスを使用して Disks to include を選択します。

    注記

    ディスクが選択されていない場合に、ディスクなしの仮想マシンの部分的なスナップショットが作成されます。このスナップショットをプレビューして、仮想マシンの設定を表示できます。部分的なスナップショットをコミットすると、ディスクのない仮想マシンになることに注意してください。

  6. Save Memory を選択して、実行中の仮想マシンのメモリーをスナップショットに追加します。
  7. OK をクリックします。

選択したディスク上の仮想マシンのオペレーティングシステムとアプリケーションは、プレビューまたは復元できるスナップショットに保存されます。スナップショットは、ステータスが Locked で作成され、Ok に変わります。スナップショットをクリックすると、その詳細が Snapshots タブの GeneralDisksNetwork Interfaces、および Installed Applications ドロップダウンビューに表示されます。

6.9.2. スナップショットを使用した仮想マシンの復元

スナップショットを使用して、仮想マシンを以前の状態に復元できます。

スナップショットを使用した仮想マシンの復元

VM ポータルでは、以下を行います。

  1. 仮想マシンをシャットダウンします。
  2. Snapshots パネルで、復元するスナップショット の Restore Snapshot アイコンをクリックします。

    スナップショットがロードされます。

管理ポータルでは、以下を行います。

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. 仮想マシンをシャットダウンします。
  4. Snapshot タブをクリックして、使用可能なスナップショットを一覧表示します。
  5. 上部ペインで復元するスナップショットを選択します。スナップショットの詳細が下のペインに表示されます。
  6. Preview drop-down menu ボタンをクリックして Custom を選択します。
  7. チェックボックスを使用して、復元する VM ConfigurationMemory、およびディスクを選択し、OK をクリックします。これにより、複数のスナップショットの設定とディスクを使用して、カスタマイズされたスナップショットを作成して復元できます。

    スナップショットのステータスが Preview Mode に変わります。仮想マシンのステータスは一時的に Image Locked に変わり、Down に戻ります。

  8. 仮想マシンを起動して、スナップショットのディスクイメージを使用して実行されます。
  9. Commit をクリックして、仮想マシンをスナップショットの状態に完全に復元します。後続のスナップショットはすべて消去されます。

    または、Undo ボタンをクリックしてスナップショットを非アクティブ化し、仮想マシンを以前の状態に戻します。

6.9.3. スナップショットからの仮想マシンの作成

スナップショットを使用して、別の仮想マシンを作成できます。

スナップショットからの仮想マシンの作成

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Snapshot タブをクリックして、使用可能なスナップショットを一覧表示します。
  4. 表示されたリストからスナップショットを選択し、Clone をクリックします。
  5. 仮想マシンの Name をクリックします。
  6. OK をクリックします。

しばらくすると、複製された仮想マシンがナビゲーションペインの Virtual Machine タブに表示され、ステータスは Image Locked になります。Red Hat Virtualization が仮想マシンの作成を完了するまで、仮想マシンはこの状態のままになります。20GB のハードドライブが事前割当されている仮想マシンの作成には、約 15 分かかります。スパースに割り当てられた仮想ディスクは、事前に割り当てられた仮想ディスクよりも作成時間が短くなります。

仮想マシンの使用準備ができると、ComputeVirtual Machines でそのステータスが Image Locked から Down に変わります。

6.9.4. スナップショットの削除

仮想マシンのスナップショットを削除して、Red Hat Virtualization 環境から完全に削除できます。

スナップショットの削除

VM ポータルでは、以下を行います。

  1. 仮想マシンを開きます。
  2. Snapshots パネルで、削除するスナップショットの Delete Snapshot アイコンをクリックします。

管理ポータルでは、以下を行います。

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Snapshots タブをクリックして、その仮想マシンのスナップショットを一覧表示します。
  4. 削除するスナップショットを選択します。
  5. Delete をクリックします。
  6. OK をクリックします。
注記

削除に失敗した場合は、根本的な問題 (たとえば、ホストの障害、ストレージデバイスへのアクセス不能、または一時的なネットワークの問題) を修正して、再試行してください。

6.10. ホストデバイス

6.10.1. 仮想マシンへのホストデバイスの追加

パフォーマンス向上に、ホストデバイスを仮想マシンにアタッチできます。

ホストデバイスは、次のような特定のホストマシンにアタッチされた物理デバイスです。

  • SCSI テープドライブ、ディスク、およびチェンジャー
  • PCI NIC、GPU、および HBA
  • USB マウス、カメラ、ディスク

ホストデバイスを仮想マシンに追加するには、仮想マシンの ホストデバイスプロパティーを使用します。まず、クラスターホストの 1 つとデバイスタイプを選択します。次に、そのホスト上のホストデバイスを 1 つまたは複数選択してアタッチします。

重要

Pinned Host の設定を変更すると、現在のホストデバイスが削除されます。これらの変更を保存すると、仮想マシンの Host 設定で、Start Running OnSpecific Host(s) に設定され、Pinned Host 設定を使用して以前に選択したホストが指定されます。

1 つ以上のホストデバイスのアタッチが完了したら、仮想マシンを実行して変更を適用します。仮想マシンは、ホストデバイスがアタッチされているホストで起動します。

仮想マシンが指定されたホストで起動できない場合、またはホストデバイスにアクセスできない場合に、仮想マシンは起動操作をキャンセルして原因に関する情報を含むエラーメッセージを生成します。

前提条件

  • ホストの状態が Up である。
  • ホストがデバイスを直接割り当てるように設定されている。

手順

  1. 管理ポータルで ComputeVirtual Machines をクリックします。
  2. 仮想マシンをシャットダウンします。
  3. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  4. Host Devices タブをクリックします。
  5. Add Device をクリックします。これにより、Add Host Devices ペインが開きます。
  6. Pinned Host を使用して、仮想マシンが実行されているホストを選択します。
  7. Capability を使用して、pciscsinvdimm、または usb_device デバイスを一覧表示します。

    注記

    nvdimm オプションは、テクニカルプレビュー機能です。詳細は、nvdimm ホストデバイス を参照してください。

  8. Available Host Devices を使用してデバイスを選択します。
  9. 下矢印をクリックして、 Host Devices to be attached に移動します。
  10. OKをクリックしてこれらのデバイスを仮想マシンに接続し、ウィンドウを閉じます。
  11. オプション:SCSI ホストデバイスをアタッチする場合は、最適なドライバーを設定します。

    1. Edit ボタンをクリックします。これにより、Edit Virtual Machine ペインが開きます。
    2. Custom Properties タブをクリックします。
    3. Please select a key をクリックし、ドロップダウンリストの下部から scsi_hostdev を選択します。
    4. ほとんどの場合、scsi-hd を選択します。それ以外のテープまたは CD チェンジャーデバイスの場合は、scsi_genericオプションを選択します。詳細は、仮想マシンの Custom Properties の設定に関する説明 を参照してください。
    5. OK ボタンをクリックします。
  12. 仮想マシンを実行します。
  13. 仮想マシンの実行が開始されたら、Operation Canceled というエラーメッセージに注意してください。

トラブルシューティング

ホストデバイスを仮想マシンに追加できない場合、または仮想マシンがアタッチ先のホストデバイスで実行を開始できない場合に、Operation Canceled というエラーメッセージが生成されます。以下に例を示します。

Operation Canceled
Error while executing action:

<vm name>:
* Cannot run VM. There is no host that satisfies current scheduling constraints. See below for details:
* The host <first_hostname> did not satisfy internal filter HostDevice because it does not support host device passthrough.
* The host <second_hostname> did not satisfy internal filter HostDevice because the host does not provide requested host devices.

仮想マシンからホストデバイスを削除するか、エラーメッセージに記載されている問題を修正することで、エラーを修正できます。以下に例を示します。

  • ホストでデバイスのパススルーの設定を行い、仮想マシンを再起動し、The host <hostname> did not satisfy internal filter HostDevice because it does not support host device passthrough のメッセージに対応します。
  • ホストデバイスをホストに追加して、The host <hostname> did not satisfy internal filter HostDevice because the host does not provide requested host devices メッセージに対応します。
  • ホストデバイスを追加する前に仮想マシンをシャットダウンして、Cannot add Host devices because the VM is in Up status メッセージに対応します
  • ホストの状態が Up であることを確認します。

6.10.2. 仮想マシンからのホストデバイスの削除

別のホストからデバイスを追加するために仮想マシンに直接アタッチされているすべてのホストデバイスを削除する場合は、代わりに目的のホストからデバイスを追加できるので、仮想マシンに既にアタッチされているすべてのデバイスが自動的に削除されます。

手順

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシンを選択して、詳細ビューに移動します。
  3. ホストデバイス タブをクリックして、仮想マシンにアタッチされているホストデバイスを一覧表示します。
  4. 仮想マシンからデタッチするホストデバイスを選択するか、Ctrl を押しながら複数のデバイスを選択して、Remove device をクリックします。これにより、ホストデバイスの削除 ウィンドウが開きます。
  5. OK をクリックして、これらのデバイスを確認し、仮想マシンからデタッチします。

6.10.3. 仮想マシンの別のホストへのピニング

仮想マシンの詳細ビューの Host Devices タブを使用して、仮想マシンを特定のホストにピニングできます。

仮想マシンにホストデバイスが接続されている場合に、仮想マシンを別のホストにピニングすると、仮想マシンからホストデバイスが自動的に削除されます。

仮想マシンのホストへのピニング

  1. 仮想マシン名をクリックし、Host Devices タブをクリックします。
  2. Pin to another host をクリックします。これにより、Pin VM to Host ウィンドウが開きます。
  3. Host ドロップダウンメニューを使用して、ホストを選択します。
  4. OK をクリックして、仮想マシンを選択したホストにピニングします。

6.10.4. NVDIMM ホストデバイス

注記

NVDIMM デバイスは、テクノロジープレビュー機能のみでの提供です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat の実稼働環境のサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされず、機能的に完全ではないことがあるため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックをご提供いただくことを目的としています。詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

エミュレートされた NVDIMM デバイスを仮想マシンに追加できます。他の場所では、このタイプのメモリーは仮想 NVDIMMまたはvNVDIMMとも呼ばれます。

仮想マシンにアタッチできるエミュレートされた NVDIMM は、仮想マシンが実行されているホストマシン上にある実際の NVDIMM でサポートされています。したがって、NVDIMM を仮想マシンにアタッチするときは、仮想マシンを特定のホストにピニングすることもできます。

ホストデバイスの物理 NVDIMM の設定に影響を与えることなく、仮想マシンでエミュレートされた NVDIMM デバイスのモード、パーティショニング、およびその他のプロパティーを再設定できます。

エミュレートされた NVDIMM を仮想マシンに追加するには、ホストデバイスの仮想マシンへの追加 を参照してください。

制限

  • NVDIMM デバイスが仮想マシンに存在する場合に、メモリースナップショットは無効になります。NVDIMM コンテンツのスナップショットを作成する方法はありません。また、対応する NVDIMM データがないと、メモリースナップショットは正しく機能しません。
  • RHV では、仮想マシンに渡される各 NVDIMM デバイスには、固定サイズが 128KB として、自動的に割り当てられたラベル領域があります。IBM POWER ハードウェア。128 KB は、QEMU で許可されている最小ラベルサイズです。
  • デフォルトでは、仮想マシンは NVDIMM デバイス全体を使用します。仮想マシンから NVDIMM のサイズを設定することはできません。サイズを設定するには、ホスト上の NVDIMM デバイスをパーティションに分割し、そのパーティションを仮想マシンに追加します。
  • 仮想マシン上の NVDIMM デバイスのサイズは、libvirt と QEMU の調整およびサイズ調整に準拠するために、ホスト上のサイズよりもわずかに小さい場合があります。メモリーホットプラグを機能させるには、正確なサイズ設定も必要です。
  • libvirt と QEMU は、サイズとラベルの配置を調整します。これらの内部配置が変更されると、データが失われる可能性があります。
  • NVDIMM ホットプラグは、このプラットフォームではサポートされていません。
  • NVDIMM デバイスを備えた仮想マシンは、ホストに固定されているため、移行できません。
  • 現在、SELinux が原因で devdax モードの NVDIMM デバイスにアクセスできません。そのため、ホストに障害が発生した場合にデータの永続性を保証できません。BZ1855336 を参照してください。
重要

IBM POWER ハードウェアでの NVDIMM の使用は避けてください。現在、この組み合わせは、さらなる作業が完了するまで安定しない見込みです。

6.11. アフィニティーグループ

6.11.1. アフィニティーグループ

アフィニティーグループ を作成して、選択した仮想マシンが相互に、および指定されたホストに対してどこで実行されているかを判断するのに役立てることができます。この機能は、ライセンス要件、高可用性ワークロード、障害復旧などのワークロードシナリオの管理に役立ちます。

VM アフィニティールール

アフィニティーグループ の作成時は、グループに属する仮想マシンを選択します。これらの仮想マシンが相互に関連して実行できる場所 を定義するには、VM Affinity Rule を有効にします。Positive アフィニティールールは、1 つのホストで仮想マシンを一緒に実行しようとします。Negative のアフィニティールールは、別のホストで仮想マシンを実行しようとします。ルールを実行できない場合に、結果は加重またはフィルターモジュールが有効になっているかどうかにより異なります。

ホストのアフィニティールール

オプションで、アフィニティーグループにホストを追加できます。グループ内のホストに関連してグループ内の仮想マシンを実行できる場所 を定義するには、Host Affinity Rule を有効にします。Positive アフィニティールールは、アフィニティーグループ内のホストで仮想マシンを実行しようとします。Negative のアフィニティールールは、アフィニティーグループにないホストで仮想マシンを実行しようとします。ルールを実行できない場合に、結果は加重またはフィルターモジュールが有効になっているかどうかにより異なります。

デフォルトの加重モジュール

デフォルトでは、両方のルールがクラスターのスケジューリングポリシーの 加重モジュール を適用します。加重モジュールを使用すると、スケジューラーはルールを実行しようとしますが、ルールを実行できない場合でも、アフィニティーグループ内の仮想マシンを実行できます。

たとえば、正の VM アフィニティールール と加重モジュールが有効になっている場合には、スケジューラーは単一のホストでアフィニティーグループのすべての仮想マシンを 実行しよう とします。ただし、単一のホストにこれに十分なリソースがない場合には、スケジューラーは複数のホストで仮想マシンを実行します。

このモジュールを機能させるには、スケジューリングポリシーの 加重モジュール セクションに VmAffinityGroups および VmToHostsAffinityGroups キーワードを追加する必要があります。

強制オプションとフィルターモジュール

どちらのルールにも、クラスターのスケジューリングポリシーで filter module を適用する Enforcing オプションがあります。フィルターモジュールは加重モジュールを上書きします。フィルターモジュールを有効にすると、スケジューラーはルールに対応する 必要 があります。ルールを満たすことができない場合には、フィルターモジュールにより、アフィニティーグループ内の仮想マシンを実行できなくなります。

たとえば、正の Host Affinity Rule および Enforcing が有効にされている場合 (フィルターモジュールが要求)、スケジューラーはアフィニティーグループの仮想マシンがアフィニティーグループの一部であるホストで実行されることを 要求します。ただし、それらのホストがダウンしている場合、スケジューラーは仮想マシンをまったく実行しません。

このモジュールが機能するには、スケジューリングポリシーの filter module セクションに VmAffinityGroups および VmToHostsAffinityGroups キーワードを追加する必要があります。

これらのルールとオプションを相互に利用する方法については、アフィニティーグループの例 を参照してください。

警告
  • アフィニティーラベルが機能するには、スケジューリングポリシーの filter module セクションに Label が含まれている必要があります。
  • アフィニティーグループとアフィニティーラベルが相互に競合する場合、影響を受ける仮想マシンは実行されません。競合の回避、トラブルシューティング、および解決の方法は、アフィニティーグループのトラブルシューティング を参照してください。
重要

各ルールは、クラスターのスケジューリングポリシーの重みおよびフィルターモジュールの影響を受けます。

  • VM Affinity Rule ルールが機能するには、スケジューリングポリシーの Weight module および Filter module セクションに VmAffinityGroups キーワードがなければなりません。
  • Host Affinity Rule が機能するには、スケジューリングポリシーの Weight module および Filter module セクションに VmToHostsAffinityGroups キーワードがなければなりません。

詳細は、管理ガイドスケジューリングポリシー を参照してください。

注記
  • アフィニティーグループはクラスター内の仮想マシンに適用されます。仮想マシンをあるクラスターから別のクラスターに移動すると、その仮想マシンは元のクラスターのアフィニティーグループから削除されます。
  • アフィニティーグループルールを有効にするのに、仮想マシンを再起動する必要はありません。

6.11.2. アフィニティーグループの作成

管理ポータルで新しいアフィニティーグループを作成できます。

アフィニティーグループの作成

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Affinity Groups タブをクリックします。
  4. New をクリックします。
  5. アフィニティーグループの NameDescription を入力します。
  6. VM Affinity Rule ドロップダウンから、Positiveを選択して正のアフィニティーを適用するか、Negative を選択して負のアフィニティーを適用します。アフィニティールールを無効にするには、Disable を選択します。
  7. Enforcing チェックボックスを選択してハード強制を適用するか、このチェックボックスの選択を解除してソフト強制を適用します。
  8. ドロップダウンリストを使用して、アフィニティーグループに追加する仮想マシンを選択します。+ ボタンと- ボタンを使用して、仮想マシンを追加または削除します。
  9. OK をクリックします。

6.11.3. アフィニティーグループの編集

アフィニティーグループの編集

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Affinity Groups タブをクリックします。
  4. Edit をクリックします。
  5. VM Affinity Rule ドロップダウンおよび Enforcing チェックボックスを希望する値に変更し、+ ボタンおよび - ボタンを使用して、アフィニティーグループに仮想マシンを追加または削除します。
  6. OK をクリックします。

6.11.4. アフィニティーグループの削除

アフィニティーグループの削除

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. 仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Affinity Groups タブをクリックします。
  4. Remove をクリックします。
  5. OK をクリックします。

アフィニティーグループのメンバーであった仮想マシンに適用されるそのアフィニティーポリシーは適用されなくなります。

6.11.5. アフィニティーグループの例

以下の例では、本章で説明しているアフィニティーグループのさまざまな機能を使用して、さまざまなシナリオでアフィニティールールを適用する方法を説明します。

例6.1 高可用性

Dalia は、スタートアップ企業の DevOps エンジニアです。高可用性を確保するために、特定のシステムの 2 つの仮想マシンをクラスター内の任意の異なるホスト上で実行する必要があります。

Dalia は、high availability という名前のアフィニティーグループを作成し、以下を行います。

  • 2 つの仮想マシン VM01 および VM02 をアフィニティーグループに追加します。
  • VM AffinityNegative に設定して、仮想マシンが別のホストで実行されるようにします。
  • Enforcing の選択を解除 (無効) したままにし、障害発生時に利用可能なホストが 1 つしかない場合に、両方の仮想マシンが実行を継続できるようにします。
  • Hosts 一覧を空のままにし、仮想マシンがクラスター内の任意のホストで実行されるようにします。

例6.2 パフォーマンス

Sohni は、2 つの仮想マシンを使用して、毎日ソフトウェアを何回もビルドしてテストするソフトウェア開発者です。これら 2 つの仮想マシン間には、大量のネットワークトラフィックが発生します。同じホストでマシンを実行すると、ビルドおよびテストプロセスでのネットワークトラフィックとネットワークレイテンシーの影響の両方が減ります。ハイスペックのホスト (高速の CPU、SSD、大量のメモリー) を使用すると、このプロセスがさらに加速します。

Sohni は、build and test という名前のアフィニティーグループを作成し、以下を行います。

  • VM01 および VM02 (ビルドおよびテスト用仮想マシン) をアフィニティーグループに追加します。
  • ハイスペックのホスト、host03host04、および host05 をアフィニティーグループに追加します。
  • 仮想マシンを同じホストで実行してネットワークトラフィックとレイテンシーの影響を削減するように、VM affinityPositive に設定します。
  • Host affinityPositive に設定して、仮想マシンがハイスペックのホストで実行されプロセスを加速できるようにします。
  • 両方のルールで Enforcing の選択を解除 (無効) したままにし、ハイスペックなホストが利用できない場合に仮想マシンを実行できるようにします。

例6.3 ライセンス

ソフトウェアアセットマネージャーである Bandile は、会社が 3D イメージングソフトウェアベンダーに対する厳しいライセンス要件に準拠するのを支援します。これらの要件では、ライセンスサーバー用の仮想マシン (VM-LS) と、イメージングワークステーション (VM-WS#) を、同じホストで実行する必要があります。さらに、物理 CPU ベースのライセンスモデルでは、ワークステーションを GPU 搭載の 2 つのホストhost-gpu-primary または host-gpu-backup のいずれかで実行する必要があります。

これらの要件を満たすために、Bandile は 3D seismic imaging というアフィニティーグループを作成し、以下を行います。

  • 前述の仮想マシンおよびホストをアフィニティーグループに追加します。
  • VM affinityPositive に設定し、Enforcing を選択して、ライセンスサーバーとワークステーションが、複数のホストではなく必ずどちらかのホストで共に実行されるようにします。
  • Host affinityPositive に設定し、Enforcing を選択して、仮想マシンがクラスター内の他のホストではなく必ず GPU 搭載のいずれかのホストで実行されるようにします。

6.11.6. アフィニティーグループのトラブルシューティング

アフィニティーグループの問題を防ぐ方法

  • アフィニティーグループを使用する際のシナリオを計画し、予想される結果を文書化します。
  • 各種の条件下で結果を確認し、テストします。
  • 変更管理のベストプラクティスに従います。
  • Enforcing オプションは、必要な場合にのみ使用してください。

仮想マシンが実行されていないという問題を確認した場合

アフィニティーラベルとアフィニティーグループ間に競合の可能性がある場合

  • アフィニティーラベルとアフィニティーグループが相互に競合する場合、共通項の仮想マシンのセットが実行されません。
  • 競合の可能性を判断する:

    • クラスターのスケジューリングポリシーのフィルターモジュールセクションを調べます。これらには、Label キーワードと VmAffinityGroups または VmToHostsAffinityGroups キーワードの両方が含まれている必要があります。そうでない場合は、競合は 起こりません。(重みモジュールセクションに VmAffinityGroupsVmToHostsAffinityGroups が存在しても、フィルターモジュールセクションの Label がそれらをオーバーライドするため、重要ではありません。)
    • アフィニティーグループを検査します。Enforcing が有効になっているルールが含まれている必要があります。そうでない場合は、競合は 起こりません
  • 競合の可能性がある場合は、関与する可能性のある仮想マシンのセットを特定します。

    • アフィニティーラベルとグループを検査します。Enforcing オプションを有効なアフィニティーラベル アフィニティーグループ両方のメンバーである仮想マシンの一覧を作成します。
    • この共通項のセット内の各ホストおよび仮想マシンについて、競合が発生する可能性のある条件を分析します。
  • 実際の実行されていない仮想マシンが分析での仮想マシンとマッチするかどうかを判断します。
  • アフィニティーグループとアフィニティーラベルを再構築して、意図しない競合を回避します。
  • さまざまな条件下で、変更によって想定された結果が生成されることを確認します。
  • アフィニティーグループとアフィニティーラベルの重複がある場合は、アフィニティーグループとしてこれらを 1 カ所で簡単に確認することができます。アフィニティーラベルを同等のアフィニティーグループに変換することを検討してください。つまり、ホストのアフィニティールール には、Positive を選択し、Enforcing を有効にします。

6.12. Affinity Labels

6.12.1. アフィニティーラベルについて

管理ポータルで アフィニティーラベル を作成および変更できます。

アフィニティーラベルアフィニティーグループ と一緒に使用され、仮想マシンとホスト間のあらゆる種類のアフィニティー (ハード、ソフト、ポジティブ、ネガティブ) を設定します。アフィニティーの硬度と極性の詳細は、アフィニティーグループ のセクションを参照してください。

警告

アフィニティーラベルはアフィニティーグループのサブセットで、それらと競合する可能性があります。競合が発生した場合、仮想マシンは起動しません。

6.12.2. アフィニティーラベルの作成

アフィニティーラベルは、仮想マシン、ホスト、またはクラスターの詳細ビューから作成できます。この手順では、クラスターの詳細ビューを使用します。

アフィニティーラベルの作成

  1. ComputeClusters をクリックし、適切なクラスターを選択します。
  2. クラスターの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Affinity Labels タブをクリックします。
  4. New をクリックします。
  5. アフィニティーラベルの Name を入力します。
  6. ドロップダウンリストを使用して、ラベルに関連付けられる仮想マシンおよびホストを選択します。+ ボタンを使用して、仮想マシンおよびホストを追加します。
  7. OK をクリックします。

6.12.3. アフィニティーラベルの編集

アフィニティーラベルは、仮想マシン、ホスト、またはクラスターの詳細ビューから編集できます。この手順では、クラスターの詳細ビューを使用します。

アフィニティーラベルの編集

  1. ComputeClusters をクリックし、適切なクラスターを選択します。
  2. クラスターの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Affinity Labels タブをクリックします。
  4. 編集するラベルを選択します。
  5. Edit をクリックします。
  6. + および - ボタンを使用して、仮想マシンおよびホストをアフィニティーラベルに追加またはアフィニティーラベルから削除します。
  7. OK をクリックします。

6.12.4. アフィニティーラベルの削除

アフィニティーラベル は、各エンティティーから削除された後にのみ、クラスターの詳細ビューから削除できます。

アフィニティーラベルの削除

  1. ComputeClusters をクリックし、適切なクラスターを選択します。
  2. クラスターの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Affinity Labels タブをクリックします。
  4. 削除するラベルを選択します。
  5. Edit をクリックします。
  6. - ボタンを使用して、ラベルからすべての仮想マシンおよびホストを削除します。
  7. OK をクリックします。
  8. Delete をクリックします。
  9. OK をクリックします。

6.13. 仮想マシンとテンプレートのエクスポートおよびインポート

注記

エクスポートストレージドメインは非推奨になりました。ストレージデータドメインはデータセンターからデタッチし、同じ環境または別の環境にある別のデータセンターにインポートすることができます。仮想マシン、フローティング仮想ディスク、およびテンプレートは、インポートされたストレージドメインからアタッチされたデータセンターにアップロードできます。ストレージドメインのインポートに関する詳細は、Red Hat Virtualization 管理ガイド既存のストレージドメインのインポート セクションを参照してください。

同じまたは異なる Red Hat Virtualization 環境のデータセンターから、仮想マシンとテンプレートをエクスポートしたり、インポートしたりできます。ストレージドメイン、データドメイン、または Red Hat Virtualization ホストを使用して、仮想マシンをエクスポートまたはインポートできます。

仮想マシンまたはテンプレートをエクスポートまたはインポートする場合、その仮想マシンまたはテンプレートの名前や説明、リソースの割り当て、ならびに高可用性設定などの基本情報を含むプロパティーは保持されます。

仮想マシンおよびテンプレートのパーミッションおよびユーザーロールは OVF ファイルに含まれるため、ストレージドメインがあるデータセンターから分離され、別のデータセンターにアタッチされた場合、元のパーミッションとユーザーロールで仮想マシンとテンプレートをインポートできます。パーミッションを正常に登録するには、登録プロセスの前に、仮想マシンまたはテンプレートのパーミッションに関連するユーザーおよびロールがデータセンターに存在する必要があります。

また、V2V 機能を使用して、RHEL 5 Xen や VMware などの他の仮想化プロバイダーから仮想マシンをインポートしたり、Windows 仮想マシンをインポートしたりできます。V2V は仮想マシンを変換し、Red Hat Virtualization がホストできるようにします。V2V のインストールおよび使用についての詳細は、Converting Virtual Machines from Other Hypervisors to KVM with virt-v2v を参照してください。

重要

仮想マシンはインポート前にシャットダウンする必要があります。

6.13.1. エクスポートドメインへの仮想マシンのエクスポート

別のデータセンターに仮想マシンをインポートできるように、エクスポートドメインに仮想マシンをエクスポートします。開始する前に、エクスポートする仮想マシンが含まれるデータセンターにストレージドメインがアタッチされている必要があります。

エクスポートドメインへの仮想マシンのエクスポート

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. More Actions ( moreactions ) をクリックしてから、Export to Export Domain をクリックします。
  3. 必要に応じて、Export Virtual Machine ウィンドウで以下のチェックボックスを選択します。

    • Force Override: エクスポートドメイン上の仮想マシンの既存イメージを上書きします。
    • Collapse Snapshots: ディスクごとにエクスポートボリュームを 1 つ作成します。このオプションは、スナップショットの復元ポイントを削除し、テンプレートベースの仮想マシンにテンプレートを追加し、仮想マシンがテンプレート上に持つ依存関係を削除します。テンプレートに依存する仮想マシンについては、このオプションを選択して、仮想マシンと共にテンプレートをエクスポートするか、または移行先データセンターにテンプレートが存在するようにします。

      注記

      ComputeTemplates をクリックし、New VMをクリックしてテンプレートから仮想マシンを作成する場合には、Resource Allocation タブの Storage Allocationセクションにストレージの割り当てオプションが 2 つ表示されます。

      • Clone が選択されている場合、仮想マシンはテンプレートに依存しません。テンプレートは、宛先データセンターに存在する必要はありません。
      • Thin が選択されている場合、仮想マシンはテンプレートに依存するため、テンプレートは移行先のデータセンターに存在するか、または仮想マシンと共にエクスポートする必要があります。あるいは、Collapse Snapshots チェックボックスを選択して、テンプレートディスクと仮想ディスクを 1 つのディスクに折りたたみます。

      どのオプションが選択されているかを確認するには、仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューの General タブをクリックします。

  4. OK をクリックします。

仮想マシンのエクスポートが開始されます。仮想マシンは、エクスポート中に Image Locked ステータスで ComputeVirtual Machines に表示されます。仮想マシンのハードディスクイメージのサイズや、ストレージハードウェアによっては、これには最大 1 時間かかる場合があります。Events タブをクリックし、進捗を表示します。完了したら、仮想マシンがエクスポートドメインにエクスポートされ、エクスポートドメインの詳細ビューの VM Import タブに表示されます。

6.13.2. データドメインへの仮想マシンのエクスポート

仮想マシンをデータドメインにエクスポートして、仮想マシンのクローンをバックアップとして保存できます。

テンプレートに依存する仮想マシンをエクスポートする場合、ターゲットストレージドメインにはこのテンプレートが含まれている必要があります。

注記

テンプレートから仮想マシンを作成する場合、以下の 2 つのストレージ割り当てオプションのいずれかを選択できます。

  • Clone: 仮想マシンはテンプレートに依存しません。テンプレートは、宛先ストレージドメインに存在する必要はありません。
  • Thin: 仮想マシンはテンプレートに依存するため、テンプレートは移行先のストレージドメインに存在する必要があります。

どのオプションが選択されているかを確認するには、仮想マシンの名前をクリックして、詳細ビューの General タブをクリックします。

前提条件

  • データドメインがデータセンターにアタッチされている。
  • 仮想マシンの電源がオフになっている。

    手順

    1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
    2. Export をクリックします。
    3. エクスポートされた仮想マシンの名前を指定します。
    4. Storage domain ポップアップメニューから、ターゲットストレージドメインを選択します。
    5. (オプション) Collapse snapshots をチェックして、スナップショットなしで仮想マシンをエクスポートします。
    6. OK をクリックします。

Manager は、すべてのディスクを含む仮想マシンをターゲットドメインにクローンします。

注記

あるタイプのデータドメインから、別のタイプのデータドメインにディスクを移動すると、それに応じてディスクフォーマットが変更されます。たとえば、ディスクが NFS データドメインにあり、スパースフォーマットの場合、ディスクを iSCSI ドメインに移動すると、そのフォーマットが事前割り当て済みに変更されます。エクスポートドメインは NFS であるため、これはエクスポートドメインを使用する場合とは異なります。

エクスポート中、仮想マシンは Image Locked のステータスで表示されます。仮想マシンのハードディスクイメージのサイズや、ストレージハードウェアによっては、これには最大 1 時間かかる場合があります。Events タブをクリックし、進捗を表示します。完了したら、仮想マシンはデータドメインにエクスポートされ、仮想マシンの一覧に表示されます。

関連情報

6.13.3. エクスポートドメインからの仮想マシンのインポート

エクスポートドメインに仮想マシンがあります。仮想マシンを新しいデータセンターにインポートする前に、エクスポートドメインを移行先データセンターにアタッチする必要があります。

宛先データセンターへの仮想マシンのインポート

  1. StorageDomains をクリックし、エクスポートドメインを選択します。エクスポートドメインのステータスは Active である必要があります。
  2. エクスポートドメイン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. VM Import タブをクリックして、インポートする利用可能な仮想マシンを一覧表示します。
  4. インポートする 1 つ以上の仮想マシンを選択し、Import をクリックします。
  5. Target Cluster を選択します。
  6. Collapse Snapshots チェックボックスを選択して、スナップショットの復元ポイントを削除し、テンプレートベースの仮想マシンにテンプレートを追加します。
  7. インポートする仮想マシンをクリックし、Disks サブタブをクリックします。このタブから、Allocation Policy および Storage Domain ドロップダウンリストを使用して、仮想マシンが使用するディスクがシンプロビジョニングされるかまたは事前割り当てされるかどうかを選択できます。また、ディスクが保存されるストレージドメインを選択することもできます。どのインポートするディスクが、その仮想マシンのブートディスクとして機能するかを示すアイコンも表示されます。
  8. OK をクリックして、仮想マシンをインポートします。

    仮想マシンが仮想化環境に存在する場合、Import Virtual Machine Conflict ウィンドウが開きます。

    以下のラジオボタンのいずれかを選択します。

    • Don't import
    • Import as clonedNew Name フィールドに仮想マシンの一意の名前を入力します。
  9. オプションで Apply to all チェックボックスを選択して、同じ接尾辞を持つ重複した仮想マシンをすべてインポートしてから、接尾辞を Suffix to add to the cloned VMs フィールドに入力します。
  10. OK をクリックします。
重要

単一のインポート操作中には、同じアーキテクチャーを共有する仮想マシンのみをインポートできます。インポートする仮想マシンのいずれかが、インポートするその他の仮想マシンのアーキテクチャーと異なる場合、警告が表示され、同じアーキテクチャーを持つ仮想マシンのみがインポートされるように、選択内容を変更するように求められます。

6.13.4. データドメインからの仮想マシンのインポート

仮想マシンをデータストレージドメインから 1 つ以上のクラスターにインポートできます。

前提条件

  • インポートされたデータストレージドメインから仮想マシンをインポートする場合は、インポートされたストレージドメインをデータセンターにアタッチしておく。

手順

  1. StorageDomains をクリックします。
  2. インポートされたストレージドメインの名前をクリックします。詳細ビューが開きます。
  3. VM Import タブをクリックします。
  4. インポートする 1 つ以上の仮想マシンを選択します。
  5. Import をクリックします。
  6. Import Virtual Machine(s) ウィンドウの仮想マシンごとに、Cluster 一覧で正しいターゲットクラスターが選択されていることを確認します。
  7. 外部仮想マシンの vNIC プロファイルを、ターゲットクラスターに存在するプロファイルにマッピングします。

    1. vNic Profiles Mapping をクリックします。
    2. Target vNic Profile ドロップダウンリストから、使用する vNIC プロファイルを選択します。
    3. Import Virtual Machine(s) ウィンドウで複数のターゲットクラスターを選択した場合、Target Cluster のドロップダウンリストで各ターゲットクラスターを選択し、マッピングが正しいことを確認します。
    4. OK をクリックします。
  8. MAC アドレスの競合が検出されると、仮想マシンの名前の横に感嘆符が表示されます。アイコンにマウスをかざして、発生したエラーのタイプを表示するツールチップを表示します。

    Reassign Bad MACs チェックボックスを選択して、新しい MAC アドレスを問題のあるすべての仮想マシンに再割り当てします。または、仮想マシンごとに Reassign のチェックボックスを選択できます。

    注記

    割り当てることができるアドレスがない場合、インポート操作は失敗します。ただし、クラスターの MAC アドレスプール範囲外の MAC アドレスの場合は、新しい MAC アドレスを再割り当てせずに仮想マシンをインポートできます。

  9. OK をクリックします。

インポートされた仮想マシンは、VM Import タブの下の一覧に表示されなくなります。

6.13.5. VMware プロバイダーからの仮想マシンのインポート

仮想マシンを VMware vCenter プロバイダーから Red Hat Virtualization 環境にインポートします。各インポート操作時に Import Virtual Machine(s) ウィンドウにその詳細を入力して VMware プロバイダーからインポートすることや、VMware プロバイダーを外部プロバイダーとして追加し、インポート操作時に事前設定されたプロバイダーを選択することができます。外部プロバイダーを追加するには、仮想マシンプロバイダーとしての VMware インスタンスの追加 を参照してください。

Red Hat Virtualization は、V2V を使用して VMware 仮想マシンをインポートします。OVA ファイルの場合、Red Hat Virtualization がサポートする唯一のディスク形式は VMDK です。

注記

ppc64le アーキテクチャーでは virt-v2v パッケージが利用できず、これらのホストはプロキシーホストとして使用できません。

注記

インポートが失敗した場合は、/var/log/vdsm/import/ にある関連するログファイルと、プロキシーホストの /var/log/vdsm/vdsm.log で詳細を確認してください。

前提条件

  • virt-v2v パッケージは、少なくとも 1 つのホスト (この手順ではプロキシーホストと呼ばれる) にインストールする必要があります。Red Hat Virtualization Host では、virt-v2v パッケージがデフォルトで利用でき、Red Hat Virtualization 環境に追加されると、Red Hat Enterprise Linux ホストに VDSM の依存関係としてインストールされます。
  • Red Hat Enterprise Linux ホストが、Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降を使用している。
  • 少なくとも 1 つのデータと 1 つの ISO ストレージドメインが、データセンターに接続されている。

    注記

    共有ストレージ (NFS、iSCSI、FCP など) のみに移行できます。ローカルストレージはサポートされません。

    ISO ストレージドメインは非推奨となりましたが、移行に必要です。

  • Windows 仮想マシン用の virtio-win_version.iso イメージファイルが、ISO ストレージドメインにアップロードされている。このイメージには、Windows 仮想マシンの移行に必要なゲストツールが含まれます。
  • 仮想マシンをインポートする前にシャットダウンする。インポートプロセス中に VMware を介して仮想マシンを起動すると、データが破損する可能性があります。
  • インポート操作に含めることができるのは、同じアーキテクチャーを共有する仮想マシンのみである。インポートする仮想マシンのアーキテクチャーが異なる場合には、警告が表示され、アーキテクチャーが同じ仮想マシンだけが含まれるような選択項目に変更するように求められます。

手順

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. More Actions ( moreactions ) をクリックし、Import を選択します。これにより、Import Virtual Machine(s) ウィンドウが開きます。
  3. Source 一覧から VMware を選択します。
  4. VMware プロバイダーを外部プロバイダーとして設定している場合は、External Provider 一覧から VMware プロバイダーを選択します。プロバイダー認証情報が正しいことを確認します。外部プロバイダーの設定時に移行先データセンターまたはプロキシーホストを指定しなかった場合は、それらのオプションをここで選択します。
  5. VMware プロバイダーを設定していないか、または新規の VMware プロバイダーからインポートする場合は、以下の詳細を指定します。

    1. 仮想マシンが利用できる Data Center リストから選択します。
    2. vCenter フィールドに VMware vCenter インスタンスの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名を入力します。
    3. ESXi フィールドに仮想マシンをインポートするホストの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名を入力します。
    4. Data Center フィールドに、指定した ESXi ホストが存在するデータセンターおよびクラスターの名前を入力します。
    5. ESXi ホストと Manager との間で SSL 証明書を交換した場合は、Verify server's SSL certificate を選択したままにして、ESXi ホストの証明書を確認します。そうでない場合は、オプションをクリアします。
    6. VMware vCenter インスタンスの Username および Password を入力します。ユーザーは、仮想マシンが置かれている VMware データセンターおよび ESXi ホストにアクセスできる必要があります。
    7. 仮想マシンのインポート操作中に Proxy Host として機能するように virt-v2v がインストールされている、指定のデータセンター内のホストを選択します。このホストは、VMware vCenter 外部プロバイダーのネットワークに接続できる必要もあります。
  6. Load をクリックして、インポートできる VMware プロバイダー上の仮想マシンを一覧表示します。
  7. Virtual Machines on Source 一覧から仮想マシンを 1 つ以上選択し、矢印を使用してこれを Virtual Machines to Import 一覧に移動します。Next をクリックします。

    注記

    仮想マシンのネットワークデバイスがドライバータイプ e1000 または rtl8139 を使用する場合、仮想マシンは Red Hat Virtualization へのインポート後に同じドライバータイプを使用します。

    必要な場合は、インポート後にドライバータイプを VirtIO に手動で変更できます。仮想マシンのインポート後にドライバーのタイプを変更するには、ネットワークインターフェイスの編集 を参照してください。ネットワークデバイスが e1000 または rtl8139 以外のドライバータイプを使用する場合、ドライバータイプはインポート時に VirtIO に自動的に変更されます。Attach VirtIO-drivers オプションを使用すると、VirtIO ドライバーをインポートされる仮想マシンファイルに挿入することができます。これにより、ドライバーが VirtIO に変更された場合に、オペレーティングシステムによってデバイスが適切に検出されます。

  8. 仮想マシンが存在する Cluster を選択します。
  9. 仮想マシンの CPU Profile を選択します。
  10. Collapse Snapshots チェックボックスを選択して、スナップショットの復元ポイントを削除し、テンプレートベースの仮想マシンにテンプレートを追加します。
  11. Clone チェックボックスを選択して、仮想マシン名と MAC アドレスを変更し、すべてのディスクのクローンを作成し、すべてのスナップショットを削除します。仮想マシンが名前の横に警告記号と共に表示される場合や、VM in System 列にチェックマークがある場合は、仮想マシンのクローンを作成し、その名前を変更する必要があります。
  12. インポートする各仮想マシンをクリックし、Disks サブタブをクリックし ます。Allocation Policy および Storage Domain リストを使用して、仮想マシンが使用するディスクがシンプロビジョニングされるかまたは事前割り当てされるかどうかを選択します。また、ディスクが保存されるストレージドメインを選択します。どのインポートするディスクが、その仮想マシンのブートディスクとして機能するかを示すアイコンも表示されます。
  13. Clone チェックボックスを選択した場合は、General サブタブで仮想マシンの名前を変更します。
  14. OK をクリックして、仮想マシンをインポートします。

仮想マシンの CPU タイプは、インポート先のクラスターの CPU タイプと同じである必要があります。管理ポータルでクラスターの CPU Type を表示するには、以下を実行します。

  1. ComputeClusters をクリックします。
  2. クラスターを選択します。
  3. Edit をクリックします。
  4. General タブをクリックします。

仮想マシンの CPU タイプが異なる場合は、インポートされた仮想マシンの CPU タイプを設定します。

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシンを選択します。
  3. Edit をクリックします。
  4. System タブをクリックします。
  5. Advanced Parameters 矢印をクリックします。
  6. Custom CPU Type を指定して、OK をクリックします。

6.13.6. 仮想マシンのホストへのエクスポート

仮想マシンを、Red Hat Virtualization データセンター内のホストの特定のパスまたはマウントされた NFS 共有ストレージにエクスポートすることができます。エクスポートにより、Open Virtual Appliance (OVA) パッケージが作成されます。

仮想マシンのホストへのエクスポート

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. More Actions ( moreactions ) をクリックしてから、Export to OVA をクリックします。
  3. Host のドロップダウンリストからホストを選択します。
  4. 末尾のスラッシュを含め、エクスポートディレクトリーへの絶対パスを Directory フィールドに入力します。例: /images2/ova/
  5. 必要に応じて、 Name フィールドのファイルのデフォルト名を変更します。
  6. OK をクリックします。

エクスポートのステータスは Events タブで表示できます。

6.13.7. ホストからの仮想マシンのインポート

Open Virtual Appliance (OVA) ファイルを Red Hat Virtualization 環境にインポートします。データセンター内の任意の Red Hat Virtualization Host からファイルをインポートできます。

重要

現在、Red Hat Virtualization および VMware によって作成された OVA のみがインポートできます。KVM および Xen はサポートされません。

インポートプロセスでは virt-v2v を使用します。virt-v2v と互換性のあるオペレーティングシステムを実行している仮想マシンのみが正常にインポートできます。互換性のあるオペレーティングシステムの最新の一覧については、Converting virtual machines from other hypervisors to KVM with virt-v2v in RHEL 7 and RHEL 8 を参照してください。

OVA ファイルのインポート

  1. OVA ファイルを、クラスター内のホストの /var/tmp などのファイルシステムの場所にコピーします。

    注記

    /root ディレクトリーまたはサブディレクトリーでない限り、場所にはローカルディレクトリーまたはリモートの NFS マウントを指定できます。十分な容量があることを確認してください。

  2. qemu ユーザー (UID 36) および kvm グループ (GID 36) が OVA ファイルに読み取り/書き込みアクセスできるように、パーミッションを設定します。

    # chown 36:36 path_to_OVA_file/file.OVA
  3. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  4. More Actions ( moreactions ) をクリックし、Import を選択します。これにより、Import Virtual Machine(s) ウィンドウが開きます。

    1. Source 一覧から Virtual Appliance (OVA) を選択します。
    2. Host リストからホストを選択します。
    3. Path フィールドで、OVA ファイルの絶対パスを指定します。
    4. Load をクリックして、インポートされる仮想マシンを一覧表示します。
    5. Virtual Machines on Sourceのリストから仮想マシンを選択し、矢印を使用してこれを Virtual Machines to Import のリストに移動します。
  5. Next をクリックします。

    1. 仮想マシンの Storage Domain を選択します。
    2. 仮想マシンが存在する Target Cluster を選択します。
    3. 仮想マシンの CPU Profile を選択します。
    4. 仮想マシンの Allocation Policy を選択します。
    5. オプションで、Attach VirtIO-Drivers チェックボックスを選択し、一覧で適切なイメージを選択して VirtIO ドライバーを追加します。
    6. 仮想マシンの Allocation Policy を選択します。
    7. 仮想マシンを選択し、General タブで Operating System を選択します。
    8. Network Interfaces タブで、Network Name および Profile Name を選択します。
    9. Disks タブをクリックして、仮想マシンの AliasVirtual Size、および Actual Size を表示します。
  6. OK をクリックして、仮想マシンをインポートします。

6.13.8. RHEL 5 Xen ホストからの仮想マシンのインポート

仮想マシンを Red Hat Enterprise Linux 5 上の Xen から Red Hat Virtualization 環境にインポートします。Red Hat Virtualization は、V2V を使用して QCOW2 または raw 仮想マシンディスク形式をインポートします。

virt-v2v パッケージを、少なくとも 1 つのホスト (この手順ではプロキシーホストと呼ばれる) にインストールしておく。Red Hat Virtualization Host (RHVH) では、virt-v2v パッケージがデフォルトで利用でき、Red Hat Virtualization 環境に追加されると、Red Hat Enterprise Linux ホストに VDSM の依存関係としてインストールされます。Red Hat Enterprise Linux ホストが、Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降を使用している。

警告

RHEL 5 Xen ホストから Windows 仮想マシンをインポートし、VirtIO デバイスを使用する場合は、仮想マシンをインポートする前に VirtIO ドライバーをインストールします。ドライバーがインストールされていない場合、インポート後に仮想マシンが起動しないことがあります。

VirtIO ドライバーは、virtio-win_version.iso または RHV-toolsSetup_version.iso からインストールできます。詳細は、Windows でのゲストエージェントおよびドライバの更新 を参照してください。

VirtIO ドライバーを使用していない場合は、最初に起動する前に仮想マシンの設定を確認し、VirtIO デバイスが使用されていないことを確認します。

注記

ppc64le アーキテクチャーでは virt-v2v パッケージが利用できず、これらのホストはプロキシーホストとして使用できません。

重要

インポート操作に含めることができるのは、同じアーキテクチャーを共有する仮想マシンのみである。インポートする仮想マシンのアーキテクチャーが異なる場合には、警告が表示され、アーキテクチャーが同じ仮想マシンだけが含まれるような選択項目に変更するように求められます。

注記

インポートが失敗した場合は、/var/log/vdsm/import/ にある関連するログファイルと、プロキシーホストの /var/log/vdsm/vdsm.log で詳細を確認してください。

手順

RHEL 5 Xen から仮想マシンをインポートするには、以下の手順に従います。

  1. 仮想マシンをシャットダウンします。インポートプロセス中に Xen を介して仮想マシンを起動すると、データが破損する可能性があります。
  2. プロキシーホストと RHEL 5 ホスト間の公開鍵認証を有効にします。

    1. プロキシーホストにログインし、vdsm ユーザーの SSH キーを生成します。

      # sudo -u vdsm ssh-keygen
    2. vdsm ユーザーの公開鍵を RHEL 5 Xen ホストにコピーします。

      # sudo -u vdsm ssh-copy-id root@xenhost.example.com
    3. RHEL 5 Xen ホストにログインして、ログインが正常に機能していることを確認します。

      # sudo -u vdsm ssh root@xenhost.example.com
  3. 管理ポータルにログインします。
  4. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  5. More Actions ( moreactions ) をクリックし、Import を選択します。これにより、Import Virtual Machine(s) ウィンドウが開きます。
  6. プロキシーホストが含まれる Data Center を選択します。
  7. Source ドロップダウンリストから XEN (via RHEL) を選択します。
  8. 必要に応じて、ドロップダウンリストから RHEL 5 Xen の External Provider を選択します。URI には、正しい URI が事前に入力されます。詳細は、管理ガイド仮想マシンプロバイダーとしての RHEL5Xen ホストの追加 を参照してください。
  9. RHEL 5 Xen ホストの URI を入力します。必要な形式は事前に入力されています。<hostname> を RHEL 5 Xen ホストのホスト名に置き換えます。
  10. Proxy Host ドロップダウンリストからプロキシーホストを選択します。
  11. Load をクリックして、インポートできる RHEL 5 Xen ホスト上の仮想マシンを一覧表示します。
  12. Virtual Machines on Source 一覧から仮想マシンを 1 つ以上選択し、矢印を使用してこれを Virtual Machines to Import 一覧に移動します。

    注記

    現在の制限により、ブロックデバイスを持つ Xen 仮想マシンは Virtual Machines on Source のリストに表示されません。それらは手動でインポートする必要があります。Xen ホストからのブロックベースの仮想マシンのインポート を参照してください。

  13. Next をクリックします。
  14. 仮想マシンが存在する Cluster を選択します。
  15. 仮想マシンの CPU Profile を選択します。
  16. Allocation Policy および Storage Domain リストを使用して、仮想マシンが使用するディスクがシンプロビジョニングされるかまたは事前割り当てされるかどうかを選択します。また、ディスクが保存されるストレージドメインを選択します。

    注記

    ターゲットストレージドメインはファイルベースのドメインである必要があります。現在の制限により、ブロックベースのドメインを指定すると、V2V 操作が失敗します。

  17. 仮想マシンの名前の横に警告記号が表示される場合や、VM in System 列にチェックマークがある場合は、Cloneチェックボックスを選択して仮想マシンのクローンを作成します。

    注記

    仮想マシンのクローンを作成すると、名前および MAC アドレスが変更され、すべてのディスクのクローンが作成され、すべてのスナップショットが削除されます。

  18. OK をクリックして、仮想マシンをインポートします。

仮想マシンの CPU タイプは、インポート先のクラスターの CPU タイプと同じである必要があります。管理ポータルでクラスターの CPU Type を表示するには、以下を実行します。

  1. ComputeClusters をクリックします。
  2. クラスターを選択します。
  3. Edit をクリックします。
  4. General タブをクリックします。

仮想マシンの CPU タイプが異なる場合は、インポートされた仮想マシンの CPU タイプを設定します。

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシンを選択します。
  3. Edit をクリックします。
  4. System タブをクリックします。
  5. Advanced Parameters 矢印をクリックします。
  6. Custom CPU Type を指定して、OK をクリックします。

RHEL 5 Xen ホストからのブロックベースの仮想マシンのインポート

  1. プロキシーホストと RHEL 5 ホスト間の公開鍵認証を有効にします。

    1. プロキシーホストにログインし、vdsm ユーザーの SSH キーを生成します。

      # sudo -u vdsm ssh-keygen
    2. vdsm ユーザーの公開鍵を RHEL 5 Xen ホストにコピーします。

      # sudo -u vdsm ssh-copy-id root@xenhost.example.com
    3. RHEL 5 Xen ホストにログインして、ログインが正常に機能していることを確認します。

      # sudo -u vdsm ssh root@xenhost.example.com
  2. エクスポートドメインをアタッチします。詳細は、管理ガイドデータセンターへの既存のエクスポートドメインの接続 を参照してください。
  3. プロキシーホストで、RHEL 5 Xen ホストから仮想マシンをコピーします。

    # virt-v2v-copy-to-local -ic xen+ssh://root@xenhost.example.com vmname
  4. 仮想マシンを libvirt XML に変換し、ファイルをエクスポートドメインに移動します。

    # virt-v2v -i libvirtxml vmname.xml -o rhev -of raw -os storage.example.com:/exportdomain
  5. 管理ポータルで StorageDomains をクリックし、エクスポートドメインの名前をクリックし、詳細ビューの VM Import タブをクリックして、仮想マシンがエクスポートドメインにあることを確認します。
  6. 仮想マシンを移行先のデータドメインにインポートします。詳細は、エクスポートドメインからの仮想マシンのインポート を参照してください。

6.13.9. KVM ホストからの仮想マシンのインポート

仮想マシンを KVM から Red Hat Virtualization 環境にインポートします。Red Hat Virtualization は、インポート前に KVM 仮想マシンを正しい形式に変換します。KVM ホストと移行先のデータセンター内にある 1 つ以上のホスト (このホストは、以下の手順ではプロキシーホストと呼ばれます) との間で公開鍵認証を有効にする必要があります。

警告

仮想マシンをインポートする前にシャットダウンする。インポートプロセス中に KVM を介して仮想マシンを起動すると、データが破損する可能性があります。

重要

インポート操作に含めることができるのは、同じアーキテクチャーを共有する仮想マシンのみである。インポートする仮想マシンのアーキテクチャーが異なる場合には、警告が表示され、アーキテクチャーが同じ仮想マシンだけが含まれるような選択項目に変更するように求められます。

注記

インポートが失敗した場合は、/var/log/vdsm/import/ にある関連するログファイルと、プロキシーホストの /var/log/vdsm/vdsm.log で詳細を確認してください。

KVM からの仮想マシンのインポート

  1. プロキシーホストと KVM ホスト間の公開鍵認証を有効にします。

    1. プロキシーホストにログインし、vdsm ユーザーの SSH キーを生成します。

      # sudo -u vdsm ssh-keygen
    2. vdsm ユーザーの公開鍵を KVM ホストにコピーします。プロキシーホストの known_hosts ファイルも更新され、KVM ホストのホストキーが追加されます。

      # sudo -u vdsm ssh-copy-id root@kvmhost.example.com
    3. KVM ホストにログインして、ログインが正常に機能していることを確認します。

      # sudo -u vdsm ssh root@kvmhost.example.com
  2. 管理ポータルにログインします。
  3. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  4. More Actions ( moreactions ) をクリックし、Import を選択します。これにより、Import Virtual Machine(s) ウィンドウが開きます。
  5. プロキシーホストが含まれる Data Center を選択します。
  6. Source ドロップダウンリストから KVM (via Libvirt) を選択します。
  7. 必要に応じて、ドロップダウンリストから KVM プロバイダーの External Provider を選択します。URI には、正しい URI が事前に入力されます。詳細は、管理ガイド仮想マシンプロバイダーとしての KVM ホストの追加 を参照してください。
  8. KVM ホストの URI を以下の形式で入力します。

    qemu+ssh://root@kvmhost.example.com/system
  9. Requires Authentication チェックボックスを選択したままにします。
  10. Username フィールドに root と入力します。
  11. KVM ホストの root ユーザーの Password を入力します。
  12. ドロップダウンリストから Proxy Host を選択します。
  13. Load をクリックして、インポートできる KVM ホスト上の仮想マシンを一覧表示します。
  14. Virtual Machines on Source 一覧から仮想マシンを 1 つ以上選択し、矢印を使用してこれを Virtual Machines to Import 一覧に移動します。
  15. Next をクリックします。
  16. 仮想マシンが存在する Cluster を選択します。
  17. 仮想マシンの CPU Profile を選択します。
  18. オプションで Collapse Snapshots チェックボックスを選択して、スナップショットの復元ポイントを削除し、テンプレートベースの仮想マシンにテンプレートを追加します。
  19. 必要に応じて、Clone チェックボックスを選択して、仮想マシン名と MAC アドレスを変更し、すべてのディスクのクローンを作成し、すべてのスナップショットを削除します。仮想マシンが名前の横に警告記号と共に表示される場合や、VM in System 列にチェックマークがある場合は、仮想マシンのクローンを作成し、その名前を変更する必要があります。
  20. インポートする各仮想マシンをクリックし、Disks サブタブをクリックし ます。Allocation Policy および Storage Domain リストを使用して、仮想マシンが使用するディスクがシンプロビジョニングされるかまたは事前割り当てされるかどうかを選択します。また、ディスクが保存されるストレージドメインを選択します。どのインポートするディスクが、その仮想マシンのブートディスクとして機能するかを示すアイコンも表示されます。詳細は、テクニカルリファレンス仮想ディスクストレージ割り当てポリシー を参照してください。
  21. Clone チェックボックスを選択した場合は、General タブで仮想マシンの名前を変更します。
  22. OK をクリックして、仮想マシンをインポートします。

仮想マシンの CPU タイプは、インポート先のクラスターの CPU タイプと同じである必要があります。管理ポータルでクラスターの CPU Type を表示するには、以下を実行します。

  1. ComputeClusters をクリックします。
  2. クラスターを選択します。
  3. Edit をクリックします。
  4. General タブをクリックします。

仮想マシンの CPU タイプが異なる場合は、インポートされた仮想マシンの CPU タイプを設定します。

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. 仮想マシンを選択します。
  3. Edit をクリックします。
  4. System タブをクリックします。
  5. Advanced Parameters 矢印をクリックします。
  6. Custom CPU Type を指定して、OK をクリックします。

6.13.10. Red Hat KVM ゲストイメージのインポート

Red Hat が提供する KVM 仮想マシンイメージをインポートできます。このイメージは、Red Hat Enterprise Linux の事前設定されたインスタンスがインストールされた仮想マシンのスナップショットです。

cloud-init ツールを使用してこのイメージを設定し、これを使用して新規仮想マシンをプロビジョニングすることができます。これにより、オペレーティングシステムをインストールして設定する必要がなくなり、使用可能な仮想マシンを提供できます。

手順

  1. Product Software タブの Download Red Hat Enterprise Linux リストから、最新の KVM 仮想マシンイメージをダウンロードします。
  2. Manager または REST API を使用して、仮想マシンイメージをアップロードします。詳細は、管理ガイドデータストレージドメインへのイメージのアップロード を参照してください。
  3. 新しい仮想マシンを作成して、アップロードしたディスクイメージをこれに割り当てます。Linux 仮想マシンの作成 を参照してください。
  4. オプションで、cloud-init を使用して仮想マシンを設定します。詳細は、Cloud-Init を使用した仮想マシンの設定の自動化 を参照してください。
  5. オプションで、仮想マシンからテンプレートを作成します。このテンプレートから新しい仮想マシンを生成できます。テンプレートの作成とテンプレートからの仮想マシンの生成については、テンプレート を参照してください。

6.14. ホスト間での仮想マシンの移行

ライブマイグレーションでは、サービスを中断することなく、実行中の仮想マシンを物理ホスト間で移動できます。仮想マシンの電源がオンのままとなり、仮想マシンが新しい物理ホストに移動している間、ユーザーアプリケーションは実行を継続します。バックグラウンドで、仮想マシンの RAM が移行元ホストから移行先ホストにコピーされます。ストレージおよびネットワーク接続は変更されません。

注記

仮想 GPU を使用している仮想マシンは、別のホストに移行することはできません。

6.14.1. ライブマイグレーションの前提条件

注記

これは、Red Hat Virtualization で SR-IOV を準備およびセットアップする方法を示す一連のトピックの 1 つです。詳細は、SR-IOV のセットアップと設定 を参照してください。

ライブマイグレーションを使用して仮想マシンをシームレスに移行し、多くの一般的なメンテナンスタスクをサポートすることができます。事前に、Red Hat Virtualization 環境を、ライブマイグレーションを適切にサポートするように正しく設定する必要があります。

仮想マシンのライブマイグレーションを正常に実行するには、少なくとも以下の前提条件を満たす必要があります。

  • 移行元ホストと移行先のホストが同じクラスターのメンバーであり、それらの間で CPU の互換性が確保されている。
注記

通常、異なるクラスター間で仮想マシンのライブマイグレーションを行うことは推奨されません。

  • 移行元ホストと移行先のホストのステータスが Up である。
  • 移行元ホストと移行先のホストが、同じ仮想ネットワークおよび VLAN にアクセスできる。
  • 移行元および移行先のホストが、仮想マシンが存在するデータストレージドメインにアクセスできる。
  • 移行先ホストに、仮想マシンの要件をサポートするのに十分な CPU 容量がある。
  • 移行先ホストには、仮想マシンの要件をサポートするのに十分な未使用 RAM がある。
  • 移行する仮想マシンには cache!=none カスタムプロパティーが設定されていない。

ライブマイグレーションは管理ネットワークを使用して行われ、ホスト間で大量のデータを転送します。同時移行では、管理ネットワークが飽和する可能性があります。最適なパフォーマンスを得るには、管理、ストレージ、表示、および仮想マシンデータ用に個別の論理ネットワークを作成し、ネットワーク飽和をのリスクを最小限に抑えます。

6.14.2. 移行中のネットワーク停止を減らすための SR-IOV 対応 vNIC が設定された仮想マシンの設定

SR-IOV 対応ホスト NIC の仮想機能 (VF) に直接接続された仮想 NIC が設定された仮想マシンでは、ライブマイグレーション中のネットワーク停止を減らすようにさらに設定することができます。

  1. 移行先のホストに利用可能な VF があることを確認します。
  2. パススルー vNIC のプロファイルで Passthrough および Migratable オプションを設定します。管理ガイドvNIC プロファイルでのパススルーの有効化 を参照してください。
  3. 仮想マシンのネットワークインターフェイスのホットプラグを有効にします。
  4. 移行中の仮想マシンのネットワーク接続を維持するために、仮想マシンにパススルー vNIC に加えてバックアップの VirtIO vNIC があることを確認します。
  5. ボンディングを設定する前に、VirtIO vNIC の No Network Filter オプションを設定します。管理ガイドVM Interface Profile ウィンドウの設定に関する説明 を参照してください。
  6. プライマリーインターフェイスとしてのパススルー vNIC と共に、両方の vNIC をスレーブとして仮想マシンの active-backup ボンディングの下に追加します。

    ボンディングおよび vNIC プロファイルは、以下のいずれかの方法で設定できます。

    • ボンディングは fail_over_mac=active で設定されず、VF vNIC がプライマリー スレーブ に設定します (推奨)。

      VirtIO vNIC プロファイルの MAC スプーフィングフィルターを無効にして、VF vNIC MAC アドレスを使用するため、VirtIO vNIC を通過するトラフィックがドロップされないようにします。

    • ボンディングを fail_over_mac=active に設定します。

      このフェイルオーバーポリシーにより、ボンディングの MAC アドレスは常にアクティブなスレーブの MAC アドレスになります。フェイルオーバー時に、仮想マシンの MAC アドレスが変更され、トラフィックが若干中断されます。

6.14.3. ダウンタイムを最小限に抑えるための SR-IOV 対応 vNIC が設定された仮想マシンの設定

SR-IOV 対応 vNIC が設定された仮想マシンを設定して移行時のダウンタイムを最小限に抑えるには、以下の手順に従います。

注記

以下の手順は、テクノロジープレビューとしてのみ提供されます。詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

  1. SR-IOV 対応 vNICS で vNIC プロファイルを作成します。vNIC プロファイルの作成 および SR-IOV のセットアップと設定 を参照してください。
  2. 管理ポータルで ネットワークVNIC プロファイルをクリックして、vNIC プロファイルを選択し、Editをクリックして、ドロップダウンリストから Failover vNIC profile を選択します。
  3. OK をクリックすると、プロファイルの設定が保存されます。
  4. 仮想マシンに作成したフェイルオーバー vNIC プロファイルを持つネットワークインターフェイスをホットプラグするか、このネットワークインターフェイスがプラグインされた仮想マシンを起動します。

    注記

    仮想マシンには、コントローラーインターフェイスと 2 つのセカンダリーインターフェイスという 3 つのネットワークインターフェイスがあります。移行を成功させるには、コントローラーインターフェイスがアクティブで接続されている必要があります。

  5. この設定で仮想マシンを自動デプロイメントするには、以下の udev ルールを使用します。

      UBSYSTEM=="net",
      ACTION=="add|change",
      ENV{ID_NET_DRIVER}!="net_failover",
      ENV{NM_UNMANAGED}="1",
      RUN+="/bin/sh -c '/sbin/ip link set up $INTERFACE'"

    この udev ルールは、NetworkManager でインターフェイスを管理するシステムでのみ機能します。このルールにより、コントローラーインターフェイスのみがアクティベートされます。

6.14.4. ライブマイグレーションの最適化

仮想マシンのライブマイグレーションは、リソースを大量に消費する操作です。ライブマイグレーションを最適化するには、環境内のすべての仮想マシンにグローバルに、クラスター内の全仮想マシンに、または個々の仮想マシンに対して、以下の 2 つのオプションを設定できます。

注記

Auto Converge migrations および Enable migration compression オプションは、クラスターレベル 4.2 以前で利用できます。

クラスターレベル 4.3 以降では、すべてのビルトイン移行ポリシーについて自動収束がデフォルトで有効にされており、移行圧縮は移行ポリシー Suspend workload if needed に対してのみデフォルトで有効になっています。これらのパラメーターは、新しい移行ポリシーの追加時または MigrationPolicies 設定値を変更して変更できます。

Auto Converge migrations オプションを使用すると、仮想マシンのライブマイグレーション中に自動収束が使用されるかどうかを設定できます。負荷が大きく、サイズの大きい仮想マシンでは、ライブマイグレーションで得られる転送速度よりも早くメモリーがダーティーになり、移行が収束できなくなります。QEMU の自動調整機能を使用すると、仮想マシン移行の収束を強制的に実行できます。QEMU は、収束の欠如を自動的に検出し、仮想マシン上の vCPU のスロットルダウンをトリガーします。

Enable migration compression オプションでは、仮想マシンのライブマイグレーション中に移行圧縮を使用するかどうかを設定できます。この機能は、Xor Binary Zero Run-Length-Encoding を使用して、メモリー書き込みを必要とするワークロードまたはスパースメモリー更新パターンを使用するアプリケーションに対して、仮想マシンのダウンタイムと合計移行時間を短縮します。

デフォルトでは、両方のオプションはグローバルで無効になっています。

手順

  1. グローバルレベルで自動収束を有効にします。

    # engine-config -s DefaultAutoConvergence=True
    1. グローバルレベルで移行圧縮を有効にします。

      # engine-config -s DefaultMigrationCompression=True
    2. ovirt-engine サービスを再起動して変更を適用します。

      # systemctl restart ovirt-engine.service
  2. クラスターの最適化設定を行います。

    1. ComputeClusters をクリックし、クラスターを選択します。
    2. Edit をクリックします。
    3. Migration Policy タブをクリックします。
    4. Auto Converge migrations リストから、Inherit from global settingAuto Converge、または Don't Auto Converge を選択します。
    5. Enable migration compression リストから、Inherit from global settingCompress、または Don't Compress を選択します。
    6. OK をクリックします。
  3. 仮想マシンレベルで最適化設定を行います。

    1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
    2. Edit をクリックします。
    3. Host タブをクリックします。
    4. Auto Converge migrations リストから、Inherit from cluster settingAuto Converge、または Don't Auto Converge を選択します。
    5. Enable migration compression リストから、Inherit from cluster settingCompress、または Don't Compress を選択します。
    6. OK をクリックします。

6.14.5. ゲストエージェントフック

フックとは、キーイベントの発生時に仮想マシン内でアクティビティーをトリガーするスクリプトです。

  • 移行前
  • 移行後
  • ハイバネート前
  • ハイバネート後

フック設定のベースディレクトリーは、Linux システムでは /etc/ovirt-guest-agent/hooks.d です。

各イベントには、対応するサブディレクトリー (before_migration および after_migrationbefore_hibernation および after_hibernation) があります。そのディレクトリー内のすべてのファイルまたはシンボリックリンクが実行されます。

Linux システムでは、実行ユーザーは ovirtagent です。スクリプトが root パーミッションを必要とする場合は、フックスクリプトの作成者により昇格を実行する必要があります。

6.14.6. 仮想マシンの自動移行

ホストがメンテナンスモードに移行すると、Red Hat Virtualization Manager は、ホストで実行しているすべての仮想マシンのライブマイグレーションを自動的に開始します。クラスター全体に負荷を分散するために、各仮想マシンの移行先ホストは、仮想マシンが移行される際に評価されます。

バージョン 4.3 から、手動または自動移行モードで定義されたすべての仮想マシンは、ホストがメンテナンスモードになると、移行されます。ただし、高パフォーマンスやピニングされた仮想マシンの場合には、ターゲットホストのパフォーマンスが現在のホストよりも低い可能性があるため、Maintenance Host ウィンドウが表示され、アクションの確認を求められます。

Manager は、負荷分散レベルまたは省電力レベルをスケジューリングポリシーに整合させるために、仮想マシンのライブマイグレーションを自動的に開始します。環境のニーズに最も適したスケジューリングポリシーを指定します。必要に応じて、特定の仮想マシンの自動または手動のライブマイグレーションを無効にすることもできます。

仮想マシンが高パフォーマンス用に設定されている場合や、(パススルーホスト CPU、CPU ピニング、または NUMA ピニングを設定して) 仮想マシンがピニングされている場合には、移行モードは Allow manual migration only に設定されます。ただし、必要に応じて、これを Allow Manual and Automatic モードに変更できます。デフォルトの移行設定を変更するときは、仮想マシンがハイパフォーマンスまたはピニングをサポートしていないホストに移行しないように、特別な注意を払う必要があります。

6.14.7. 仮想マシンの自動移行の防止

Red Hat Virtualization Manager では、仮想マシンの自動移行を無効にできます。また、仮想マシンを特定のホストでのみ実行するように設定して、仮想マシンの手動による移行を無効にすることもできます。

自動移行を無効にして、仮想マシンを特定のホストで実行するように要求できることは、Red Hat High Availability や Cluster Suite などのアプリケーションの高可用性製品を使用している場合に役立ちます。

仮想マシンの自動移行の防止

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. Host タブをクリックします。
  4. Start Running On セクションで、Any Host in Cluster または複数のホストを選択できる Specific Host(s) を選択します。

    警告

    特定のホストに仮想マシンを明示的に割り当て、移行を無効にすることは、Red Hat Virtualization の高可用性と相互に排他的です。

    重要

    仮想マシンに直接アタッチされるホストデバイスがあり、別のホストが指定されると、以前のホストからのホストデバイスは仮想マシンから自動的に削除されます。

  5. Migration Options ドロップダウンリストから、Allow manual migration only または Do not allow migration を選択します。
  6. OK をクリックします。

6.14.8. 仮想マシンの手動移行

実行中の仮想マシンは、指定したホストクラスター内の任意のホストにライブマイグレーションが可能です。仮想マシンのライブマイグレーションでは、サービスが中断されることはありません。仮想マシンを別のホストに移行することは、特定のホストの負荷が高すぎる場合に特に便利です。ライブマイグレーションの前提条件は、ライブマイグレーションの前提条件 を参照してください。

ハイパフォーマンス仮想マシンや パススルーホスト CPUCPU ピニング、またはNUMA ピニング で定義された仮想マシンの場合、デフォルトの移行モードは Manual です。Select Host Automatically を選択し、仮想マシンが最適なパフォーマンスを提供するホストに移行できるようにします。

注記

ホストをメンテナンスモードに移行すると、そのホストで実行されている仮想マシンは自動的に同じクラスター内の他のホストに移行します。これらの仮想マシンを手動で移行する必要はありません。

注記

通常、異なるクラスター間で仮想マシンのライブマイグレーションを行うことは推奨されません。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、実行中の仮想マシンを選択します。
  2. Migrate をクリックします。
  3. ラジオボタンを使用して、 Select Host AutomaticallySelect Destination Host(ドロップダウンリストを使用してホストを指定する) かどうかを選択します。

    注記

    Select Host Automatically オプションを選択すると、システムはスケジューリングポリシーに設定された負荷分散および電源管理ルールに基づいて、仮想マシンを移行するホストを決定します。

  4. OK をクリックします。

移行中、Migration 進捗バーに進捗が表示されます。移行が完了すると、Host 列が更新され、仮想マシンが移行されたホストが表示されます。

6.14.9. 移行の優先順位の設定

Red Hat Virtualization Manager は、特定のホストからの仮想マシンの移行の同時リクエストをキューに入れます。負荷分散プロセスは 1 分ごとに実行されます。移行イベントにすでに関与しているホストは、移行イベントが完了するまで移行サイクルに含まれません。キューに移行リクエストがあり、それに対応するホストがクラスターで利用可能である場合、クラスターの負荷分散ポリシーに基づいて移行イベントがトリガーされます。

各仮想マシンの優先度を設定して、たとえば、ミッションクリティカルな仮想マシンを他の仮想マシンより先に移行するように設定するなど、移行キューの順序に影響を与えることができます。移行は優先順位に従って順序付けられます。優先度がもっとも高い仮想マシンが最初に移行されます。

移行の優先順位の設定

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. High Availability タブを選択します。
  4. Priorityドロップダウンリストから LowMedium、または High を選択します。
  5. OK をクリックします。

6.14.10. 実行中の仮想マシン移行のキャンセル

仮想マシンの移行には、予想よりも長い時間がかかります。環境に変更を加える前に、すべての仮想マシンが実行中であることを確認してください。

手順

  1. 移行中の仮想マシンを選択します。これは、ComputeVirtual MachinesMigrating from のステータスで表示されます。
  2. More Actions ( moreactions ) をクリックしてから、Cancel Migration をクリックします。

仮想マシンのステータスが Migrating from から Up に戻ります。

6.14.11. 高可用性仮想サーバーの自動移行時のイベントおよびログ通知

高可用性機能により仮想サーバーが自動的に移行される場合、以下の例のように、トラブルシューティングを容易にするために自動移行の詳細が Events タブとエンジンログに記載されます。

例6.4 管理ポータルのイベントタブの通知

Highly Available Virtual_Machine_Name failed.It will be restarted automatically.

Virtual_Machine_Name was restarted on Host Host_Name

例6.5 Manager engine.log の通知

このログは、Red Hat Virtualization Manager の /var/log/ovirt-engine/engine.log にあります。

Failed to start Highly Available VM.Attempting to restart.VM Name: Virtual_Machine_Name, VM Id:_Virtual_Machine_ID_Number_

6.15. 仮想マシンの高可用性による稼働時間の向上

6.15.1. 高可用性とは

重要なワークロードを実行する仮想マシンには、高可用性の使用が推奨されます。高可用性の仮想マシンは、以下のシナリオの場合など、プロセスが中断されると、元のホストまたはクラスター内の別のホストのいずれかで自動的に再起動されます。

  • ハードウェアの故障によりホストが稼働しなくなった。
  • ホストが、スケジュールされたダウンタイムとしてメンテナンスモードに移行した。
  • 外部のストレージリソースとの通信が失われたため、ホストが利用できなくなった。

以下のシナリオの場合など、適切にシャットダウンした場合には、高可用性の仮想マシンは再起動されません。

  • 仮想マシンがゲスト内からシャットダウンされた。
  • 仮想マシンが Manager からシャットダウンされた。
  • まずメンテナンスモードに移行することなく、管理者がホストをシャットダウンした。

ストレージドメイン V4 以降では、仮想マシンには、ストレージの特別なボリュームのリースを取得する追加機能があり、元のホストの電源がオフになった場合でも別のホストで仮想マシンを起動できます。この機能により、仮想マシンが 2 つの異なるホストで起動する (仮想マシンのディスクが破損する可能性がある) のを防ぐこともできます。

高可用性により、仮想マシンはユーザーの介入を必要とせずに数秒以内に再起動されるため、サービスの中断は最小限に抑えられます。高可用性は、現在のリソース使用率が低いホストでゲストを再起動するか、設定した負荷分散または省電力ポリシーに基づいてゲストを再起動して、リソースのバランスを維持します。これにより、常に仮想マシンを再起動するのに十分な容量が確保されます。

高可用性およびストレージ I/O エラー

ストレージ I/O エラーが発生すると、仮想マシンは一時停止されます。ストレージドメインとの接続が再確立された後に、ホストがどのように高可用性の仮想マシンを処理するかを定義できます。再開する、強制的にシャットダウンする、または一時停止を維持する、のいずれかです。これらのオプションの詳細は、仮想マシンの高可用性設定 を参照してください。

6.15.2. 高可用性に関する考慮事項

高可用性ホストには、電源管理デバイスとフェンシングパラメーターが必要です。さらに、ホストが機能しなくなった場合に、仮想マシンの高可用性を確保するには、クラスター内の別の利用可能なホストで起動する必要があります。高可用性仮想マシンの移行を有効にするための条件は以下のとおりです。

  • 高可用性仮想マシンを実行しているホストには電源管理を設定する。
  • 高可用性仮想マシンを実行しているホストは、他の利用可能なホストを持つクラスターに含まれる。
  • 移行先ホストが実行中である。
  • 移行元および移行先のホストが、仮想マシンが存在するデータドメインにアクセスできる。
  • 移行元ホストと移行先のホストが、同じ仮想ネットワークおよび VLAN にアクセスできる。
  • 移行先ホストに、仮想マシンの要件を満たすのに十分な未使用の CPU がある。
  • 移行先ホストに、仮想マシンの要件を満たすのに十分な未使用の RAM がある。

6.15.3. 高可用性仮想マシンの設定

高可用性は、仮想マシンごとに個別に設定する必要があります。

手順

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. High Availability タブをクリックします。
  4. Highly Available チェックボックスを選択して、仮想マシンの高可用性を有効にします。
  5. Target Storage Domain for VM Lease ドロップダウンリストから、仮想マシンのリースを保持するストレージドメインを選択するか、No VM Lease を選択して機能を無効にします。仮想マシンのリースに関する詳細は、高可用性とは を参照してください。

    重要

    この機能は、V4 以降のストレージドメインでのみ利用できます。

  6. Resume Behavior ドロップダウンリストから AUTO_RESUMELEAVE_PAUSED、または KILL を選択します。仮想マシンのリースを定義している場合、KILL が利用可能な唯一のオプションになります。詳細は、仮想マシンの High Availability 設定に関する説明 を参照してください。
  7. Priorityドロップダウンリストから LowMedium、または High を選択します。移行がトリガーされると、キューが作成されて優先度の高い仮想マシンが最初に移行されます。クラスターのリソースが不足している場合は、優先度の高い仮想マシンのみが移行されます。
  8. OK をクリックします。

6.16. その他の仮想マシンタスク

6.16.1. SAP モニタリングの有効化

管理ポータルで仮想マシンの SAP モニタリングを有効にします。

仮想マシンでの SAP モニタリングの有効化

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. Custom Properties タブをクリックします。
  4. ドロップダウンリストから sap_agent を選択します。セカンダリードロップダウンメニューが True に設定されていることを確認します。

    以前のプロパティーが設定されている場合は、正符号を選択して新しいプロパティールールを追加し、sap_agent を選択します。

  5. OK をクリックします。

6.16.2. SPICE を使用する Red Hat Enterprise Linux 5.4 以降の仮想マシンの設定

SPICE は仮想環境向けに設計されたリモートディスプレイプロトコルで、仮想化デスクトップまたはサーバーを表示できます。SPICE は、高品質のユーザーエクスペリエンスを提供し、CPU の消費を低く保ち、高品質なビデオストリーミングをサポートします。

Linux マシンで SPICE を使用すると、仮想マシンのコンソールでのマウスカーソルの動きが大幅に改善されます。SPICE を使用するには、X-Windows システムに追加の QXL ドライバーが必要です。QXL ドライバーは、Red Hat Enterprise Linux 5.4 以降と共に提供されます。それ以前のバージョンには対応していません。Red Hat Enterprise Linux を実行している仮想マシンに SPICE をインストールすると、グラフィカルユーザーインターフェイスのパフォーマンスが大幅に改善されます。

注記

通常、これはユーザーがグラフィカルユーザーインターフェイスを使用する必要がある仮想マシンに最も有用です。仮想サーバーを作成するシステム管理者は、サーバーでのグラフィカルユーザーインターフェイスの使用が最小限であれば、SPICE を設定しないことを好む場合があります。

6.16.2.1. QXL ドライバーのインストールおよび設定

Red Hat Enterprise Linux 5.4 以降を実行する仮想マシンに QXL ドライバーを手動でインストールする必要があります。QXL ドライバーがデフォルトでインストールされるため、Red Hat Enterprise Linux 6 または Red Hat Enterprise Linux 7 を実行する仮想マシンではこの作業は不要です。

QXL ドライバーのインストール

  1. Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンにログインします。
  2. QXL ドライバーをインストールします。

    # yum install xorg-x11-drv-qxl

グラフィカルインターフェイスまたはコマンドラインのいずれかを使用して QXL ドライバーを設定できます。以下のいずれか一方の手順を実行します。

GNOME での QXL ドライバーの設定

  1. System をクリックします。
  2. Administration をクリックします。
  3. Display をクリックします。
  4. Hardware タブをクリックします。
  5. Video Cards Configure をクリックします。
  6. qxl を選択し、OK をクリックします。
  7. 仮想マシンからログアウトし、ログインし直して X-Windows を再起動します。

コマンドラインでの QXL ドライバーの設定

  1. /etc/X11/xorg.conf をバックアップします。

    # cp /etc/X11/xorg.conf /etc/X11/xorg.conf.$$.backup
  2. /etc/X11/xorg.conf の Device セクションに以下の変更を加えます。

    Section 	"Device"
    Identifier	"Videocard0"
    Driver		"qxl"
    Endsection

6.16.2.2. SPICE を使用するための仮想マシンのタブレットおよびマウスの設定

/etc/X11/xorg.conf ファイルを編集し、仮想マシンのタブレットデバイスの SPICE を有効にします。

SPICE を使用するための仮想マシンのタブレットおよびマウスの設定

  1. ゲストでタブレットデバイスが利用可能であることを確認します。

    # /sbin/lsusb -v | grep 'QEMU USB Tablet'
    If there is no output from the command, do not continue configuring the tablet.
  2. /etc/X11/xorg.conf をバックアップします。

    # cp /etc/X11/xorg.conf /etc/X11/xorg.conf.$$.backup
  3. /etc/X11/xorg.conf に以下の変更を加えます。

    Section "ServerLayout"
    Identifier     "single head configuration"
    Screen      0  "Screen0" 0 0
    InputDevice    "Keyboard0" "CoreKeyboard"
    InputDevice    "Tablet" "SendCoreEvents"
    InputDevice    "Mouse" "CorePointer"
    EndSection
    
    Section "InputDevice"
    Identifier  "Mouse"
    Driver      "void"
    #Option      "Device" "/dev/input/mice"
    #Option      "Emulate3Buttons" "yes"
    EndSection
    
    Section "InputDevice"
    Identifier  "Tablet"
    Driver      "evdev"
    Option      "Device" "/dev/input/event2"
    Option "CorePointer" "true"
    EndSection
  4. 仮想マシンからログアウトし、ログインし直して X-Windows を再起動します。

6.16.3. KVM 仮想マシンの時刻管理

仮想化には、仮想マシンの時刻の維持に関してさまざまな課題があります。一部の CPU には一定のタイムスタンプカウンターがないため、TSC (タイムスタンプカウンター) をクロックソースとして使用する仮想マシンでは、タイミングの問題が発生することがあります。正確な時刻管理なしで実行される仮想マシンは、実際の時刻よりも早く、または遅く実行されるため、ネットワーク化されたアプリケーションに深刻な影響を与える可能性があります。

KVM は、準仮想化クロックを仮想マシンに提供することで、この問題を回避します。KVM pvclock は、これに対応する KVM ゲストに対して安定したタイミングソースを提供します。

現在、準仮想化クロックを完全にサポートしているのは、Red Hat Enterprise Linux 5.4 以降の仮想マシンのみです。

仮想マシンには、不正確なクロックとカウンターによりさまざまな問題が生じる可能性があります。

  • クロックが実際の時刻と同期できなくなり、セッションが無効になり、ネットワークに影響が及ぶ可能性があります。
  • クロックが遅い仮想マシンには移行の問題が発生する可能性があります。

これらの問題は、他の仮想化プラットフォームに存在しており、タイミングは常にテストする必要があります。

重要

Network Time Protocol (NTP) デーモンがホストおよび仮想マシンで実行されている必要があります。ntpd サービスを有効にし、デフォルトの起動シーケンスに追加します。

  • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合
# service ntpd start
# chkconfig ntpd on
  • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合
# systemctl start ntpd.service
# systemctl enable ntpd.service

ntpd サービスを使用すると、すべてのケースでクロックスキューの影響を最小限に抑えられるはずです。

使用しようとしている NTP サーバーは稼働しており、ホストと仮想マシンからアクセスできる必要があります。

CPU に一定のタイムスタンプカウンターがあるかどうかの判断

constant_tsc フラグが存在する場合、CPU には一定のタイムスタンプカウンターがあります。CPU に constant_tsc フラグがあるかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

$ cat /proc/cpuinfo | grep constant_tsc

いずれかの出力が得られると、CPU には constant_tsc ビットがあります。出力が表示されない場合は、以下の手順に従ってください。

Constant タイムスタンプカウンターを使用しないホストの設定

一定のタイムスタンプカウンターのないシステムには、追加の設定が必要です。電源管理機能は正確な時間管理を妨げるため、仮想マシンが KVM で時間を正確に保持するには、無効にする必要があります。

重要

この手順は、AMD リビジョン F の CPU のみを対象としています。

CPU に constant_tsc ビットがない場合は、省電力機能 (BZ#513138) をすべて無効にしてください。各システムには、時間を維持するために使用するいくつかのタイマーがあります。TSC はホストで安定していません。これは、cpufreqの変更、ディープ C ステート、またはより高速な TSC を使用したホストへの移行が原因である場合があります。ディープ C のスリープ状態は、TSC を停止する可能性があります。カーネルがディープ C 状態を使用するのを防ぐには、ホストの grub.conf ファイルのカーネル起動オプションに “processor.max_cstate=1” を追加します。

term Red Hat Enterprise Linux Server (2.6.18-159.el5)
        root (hd0,0)
	kernel /vmlinuz-2.6.18-159.el5 ro root=/dev/VolGroup00/LogVol00 rhgb quiet processor.max_cstate=1

/etc/sysconfig/cpuspeed 設定ファイルを編集し、cpufreq を無効にし (constant_tsc のないホストでのみ必要)、MIN_SPEED 変数および MAX_SPEED 変数を利用可能な最大周期に変更します。有効な上限は、/sys/devices/system/cpu/cpu/cpufreq/scaling_available_frequencies ファイルにあります。

engine-config ツールを使用した、ホストが同期から外れてドリフトした時のアラートの受信

engine-config ツールを使用して、ホストが同期から外れてドリフトした時にアラートを設定できます。

ホストの時刻ドリフトに関連するパラメーターは EnableHostTimeDriftHostTimeDriftInSec の 2 つです。デフォルト値が false の EnableHostTimeDrift を有効にすると、ホストの時刻ドリフトに関するアラート通知を受け取ることができます。HostTimeDriftInSec パラメーターを使用して、アラートの送信が開始されるまでの最大許容ドリフトを設定します。

アラートはホストごとに 1 時間ごとに 1 回送信されます。

Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンでの準仮想化クロックの使用

特定の Red Hat Enterprise Linux 仮想マシンでは、追加のカーネルパラメーターが必要です。このパラメーターは、仮想マシンの /boot/grub/grub.conf ファイルの /kernel 行の末尾に追加することで設定できます。

注記

ktune パッケージを使用して、カーネルパラメーターを設定するプロセスを自動化できます。

ktune パッケージは、インタラクティブな Bourne シェルスクリプト fix_clock_drift.sh を提供します。このスクリプトをスーパーユーザーとして実行すると、さまざまなシステムパラメーターを検査し、スクリプトを実行している仮想マシンが負荷時にクロックドリフトの影響を受けやすいかどうかを判断します。受けやすいと判断された場合は、/boot/grub/ ディレクトリーに新しい grub.conf.kvm ファイルを作成します。このファイルには、追加のカーネルパラメーターを含むカーネルブート行が含まれます。これにより、カーネルは KVM 仮想マシンの大きなクロックドリフトに対応したり、ドリフトの発生を防いだりできます。スーパーユーザーとして fix_clock_drift.sh を実行し、スクリプトが grub.conf.kvm ファイルを作成したら、システム管理者は仮想マシンの現在の grub.conf ファイルを手動でバックアップし、新しい grub.conf.kvm ファイルを手動で検査し、それが追加のブート行パラメーター以外は grub.conf と同じであることを確認し、最後に grub.conf.kvm ファイルの名前を grub.conf に変更し、仮想マシンを再起動する必要があります。

以下の表は、Red Hat Enterprise Linux のバージョンと、一定のタイムスタンプカウンターを持たないシステム上の仮想マシンに必要なパラメーターの一覧です。

Red Hat Enterprise Linux追加の仮想マシンカーネルパラメーター

5.4 AMD64/Intel 64(準仮想化クロックあり)

追加のパラメーターは必要ありません

5.4 AMD64/Intel 64(準仮想化クロックなし)

notsc lpj=n

5.4 x86(準仮想化クロックあり)

追加のパラメーターは必要ありません

5.4 x86(準仮想化クロックなし)

clocksource=acpi_pm lpj=n

5.3 AMD64/Intel 64

notsc

5.3 x86

clocksource=acpi_pm

4.8 AMD64/Intel 64

notsc

4.8 x86

clock=pmtmr

3.9 AMD64/Intel 64

追加のパラメーターは必要ありません

3.9 x86

追加のパラメーターは必要ありません

6.16.4. Trusted Platform Module デバイスの追加

Trusted Platform Module (TPM) デバイスは、暗号鍵、乱数、およびハッシュの生成、またはソフトウェア設定をセキュアに検証するのに使用できるデータの格納などの暗号化操作を実行するように設計されたセキュアな暗号化プロセッサーを提供します。TPM デバイスは、ディスクの暗号化に一般的に使用されます。

QEMU および libvirt は、エミュレートされた TPM 2.0 デバイスのサポートを実装します。これは、Red Hat Virtualization が TPM デバイスを仮想マシンに追加するために使用するものです。

エミュレートされた TPM デバイスが仮想マシンに追加されると、ゲスト OS で通常の TPM 2.0 デバイスとして使用できます。

重要

仮想マシンの TPM データが保存されていて、TPM デバイスが仮想マシンで無効になっていると、TPM データは完全に削除されます。

TPM デバイスの有効化

  1. Add Virtual Machine または Edit Virtual Machine 画面で、Show Advanced Options をクリックします。
  2. Resource Allocation タブで TPM Device Enabled チェックボックスを選択します。

制限

以下の制限が適用されます。

  • TPM デバイスは、UEFI ファームウェアが搭載されている x86_64 マシンと、pSeries ファームウェアがインストールされた PowerPC マシンでのみ使用できます。
  • TPM デバイスを持つ仮想マシンには、メモリーを持つスナップショットを含めることはできません。
  • Manager は TPM データを定期的に取得および保存しますが、Manager が常に最新バージョンの TPM データを持つ保証はありません。

    注記

    このプロセスは 120 秒以上かかる可能性があり、実行中の仮想マシンのスナップショットを作成する、クローンを作成する、または移行するには、プロセスが完了するのを待つ必要があります。

  • TPM デバイスは、RHEL 7 以降または Windows 8.1 以降を実行中の仮想マシンでのみ有効にできます。
  • TPM データを持つ仮想マシンおよびテンプレートはエクスポートまたはインポートできません。

第7章 テンプレート

7.1. テンプレートについて

テンプレートは仮想マシンのコピーで、これを使用して後続の、同様の仮想マシンの繰り返しの作成を単純化できます。テンプレートには、ソフトウェア、ハードウェアの設定、およびテンプレートのベースとなる仮想マシンにインストールされているソフトウェアがキャプチャーされています。テンプレートのベースとなる仮想マシンは、ソース仮想マシンと呼ばれます。

仮想マシンに基づいてテンプレートを作成すると、仮想マシンのディスクの読み取り専用コピーが作成されます。この読み取り専用ディスクが、新規テンプレートおよびテンプレートをベースに作成されるすべての仮想マシンのベースイメージになります。そのため、テンプレートに基づいて作成された仮想マシンが環境に存在する間は、そのテンプレートは削除できません。

テンプレートをベースに作成された仮想マシンは、元の仮想マシンと同じ NIC タイプとドライバーを使用しますが、別の一意の MAC アドレスが割り当てられます。

仮想マシンは、ComputeTemplates や、ComputeVirtual Machines から直接作成することができます。ComputeTemplates で、必要なテンプレートを選択し、New VM をクリックします。新規仮想マシンの設定および制御の選択に関する詳細は、仮想マシン Geneal 設定に関する説明 を参照してください。

7.2. テンプレートとしてのデプロイメントの準備段階での仮想マシンのシーリング

本セクションでは、Linux および Windows 仮想マシンをシールする手順を説明します。シーリングとは、仮想マシンに基づいてテンプレートを作成する前に、仮想マシンからすべてのシステム固有の詳細を削除するプロセスです。同じテンプレートに基づいて作成された複数の仮想マシンに同じ詳細が引き継がれないように、シーリングが必要です。また、予測可能な vNIC の順序などの他の機能が動作することを保証する必要もあります。

7.2.1. テンプレートとしてのデプロイメントするための Linux 仮想マシンのシーリング

テンプレート作成プロセス中に Linux 仮想マシンをシールするには、New Template ウィンドウの Seal Template チェックボックスを選択します。詳細は 既存の仮想マシンからのテンプレートの作成 を参照してください。

注記

RHV 4.4 では、テンプレート用に RHEL 8 仮想マシンをシールするには、そのクラスターレベルは 4.4 で、クラスター内のすべてのホストは RHEL 8 をベースとする必要があります。RHEL 7 ホストで実行できるようにクラスターレベルを 4.3 に設定している場合、RHEL 8 仮想マシンをシールすることはできません。

7.2.2. テンプレートとしてのデプロイメントするための Windows 仮想マシンのシーリング

Windows 仮想マシン用に作成されたテンプレートは、仮想マシンのデプロイ用に使用する前に一般化 (シール) する必要があります。これにより、マシン固有の設定がテンプレートで再現されなくなります。

使用前に Windows テンプレートをシールするのに、Sysprep を使用します。Sysprep は、完全な無人インストール用の応答ファイルを生成します。さまざまな Windows オペレーティングシステムのデフォルト値は、/usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ ディレクトリーにあります。これらのファイルは、Sysprep のテンプレートとして機能します。これらのファイルのフィールドは、必要に応じてコピー、貼り付け、および変更できます。この定義は、Edit Virtual Machine ウィンドウの Initial Run フィールドに入力された値を上書きします。

Sysprep ファイルを編集して、Sysprep ファイルが割り当てられているテンプレートから作成される Windows 仮想マシンのさまざまな側面に影響を与えることができます。これには、Windows のプロビジョニング、必要なドメインメンバーシップの設定、ホスト名の設定、およびセキュリティーポリシーの設定が含まれます。

置換文字列を使用して、/usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ ディレクトリーのデフォルトファイルで提供される値を置換できます。たとえば、"<Domain><![CDATA[$JoinDomain$"]></Domain>" を使用して、参加するドメインを指定できます。

7.2.2.1. Windows 仮想マシンをシールするための前提条件

重要

Sysprep の実行中に仮想マシンを再起動しないでください。

Sysprep を起動する前に、以下の設定が定義されていることを確認してください。

  • Windows 仮想マシンのパラメーターが正しく定義されている。
  • 定義されていない場合は、ComputeVirtual MachinesEdit をクリックし、Operating System および Cluster フィールドに必要な情報を入力します。
  • 正しいプロダクトキーが Manager のオーバーライドファイルで定義されている。

オーバーライドファイルは /etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/ の下に作成し、/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/00-defaults.properties の後に配置されるファイル名にし、.properties で終わる必要があります。(例:/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/10-productkeys.properties)。最後のファイルが優先され、それより前の他のファイルはすべて上書きされます。

定義されていない場合は、Windows オペレーティングシステムのデフォルト値を /etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/00-defaults.properties からオーバーライドファイルにコピーし、productKey.value フィールドおよび sysprepPath.value フィールドに必要な値を入力します。

例7.1 Windows 7 のデフォルト設定値

# Windows7(11, OsType.Windows, false),false
os.windows_7.id.value = 11
os.windows_7.name.value = Windows 7
os.windows_7.derivedFrom.value = windows_xp
os.windows_7.sysprepPath.value = ${ENGINE_USR}/conf/sysprep/sysprep.w7
os.windows_7.productKey.value =
os.windows_7.devices.audio.value = ich6
os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.3 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO
os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.4 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO
os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.5 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO
os.windows_7.isTimezoneTypeInteger.value = false

7.2.2.2. テンプレートとしてデプロイするための Windows 7、Windows 2008、または Windows 2012 仮想マシンのシーリング

仮想マシンのデプロイ用に使用するテンプレートを作成する前に、Windows 7、Windows 2008、または Windows 2012 仮想マシンをシールします。

手順

  1. Windows 仮想マシンで、C:\Windows\System32\sysprep\sysprep.exe から Sysprep を起動します。
  2. Sysprep に次の情報を入力します。

    • System Cleanup Action セクションで、Enter System Out-of-Box-Experience (OOBE) を選択します。
    • コンピューターのシステム ID 番号 (SID) を変更する必要がある場合は、Generalize チェックボックスを選択します。
    • Shutdown Options セクションで Shutdown を選択します。
  3. OK をクリックして、シーリングプロセスを完了します。完了すると、仮想マシンは自動的にシャットダウンされます。

Windows 7、Windows 2008、または Windows 2012 仮想マシンがシーリングされ、仮想マシンのデプロイに使用するテンプレートを作成する準備ができました。

7.3. テンプレートの作成

追加の仮想マシンを作成するためのブループリントとして使用する既存の仮想マシンからテンプレートを作成します。

注記

RHV 4.4 では、テンプレート用に RHEL 8 仮想マシンをシールするには、そのクラスターレベルは 4.4 で、クラスター内のすべてのホストは RHEL 8 をベースとする必要があります。RHEL 7 ホストで実行できるようにクラスターレベルを 4.3 に設定している場合、RHEL 8 仮想マシンをシールすることはできません。

テンプレートの作成時に、ディスクのフォーマットを raw または QCOW2 に指定します。

  • QCOW2 ディスクはシンプロビジョニングされます。
  • ファイルストレージ上の raw ディスクはシンプロビジョニングされます。
  • ブロックストレージ上の raw ディスクは、事前に割り当てられます。

テンプレートの作成

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、ソース仮想マシンを選択します。
  2. 仮想マシンの電源がオフで、ステータスが Down であることを確認します。
  3. More Actions ( moreactions ) をクリックしてから、Make Template をクリックします。New Template ウィンドウのすべてのフィールドの詳細は、New Template および Edit Template ウィンドウの設定に関する説明 を参照してください。
  4. テンプレートの NameDescription、および Comment を入力します。
  5. Cluster ドロップダウンリストから、テンプレートを関連付けるクラスターを選択します。デフォルトでは、これはソース仮想マシンのクラスターと同じです。
  6. 必要に応じて、CPU Profile ドロップダウンリストから、テンプレートの CPU プロファイルを選択します。
  7. 必要に応じて、Create as a Template Sub-Version チェックボックスを選択し、Root Template を選択し、Sub-Version Name を入力して、既存のテンプレートのサブテンプレートとして新規テンプレートを作成します。
  8. Disks Allocation セクションで、Alias テキストフィールドにディスクのエイリアスを入力します。Format ドロップダウンでディスク形式を、Target ドロップダウンからディスクを保存するストレージドメインを、Disk Profileドロップダウンでディスクプロファイルを選択します。デフォルトでは、これはソース仮想マシンの設定と同じです。
  9. Allow all users to access this Template チェックボックスを選択して、テンプレートをパブリックにします。
  10. Copy VM permissions チェックボックスを選択して、ソース仮想マシンのパーミッションをテンプレートにコピーします。
  11. Seal Template チェックボックスを選択し (Linux のみ)、テンプレートをシールします。

    注記

    virt-sysprep コマンドを使用するシーリングにより、仮想マシンに基づいてテンプレートを作成する前に、仮想マシンからすべてのシステム固有の詳細が削除されます。これにより、同じテンプレートを使用して作成される後続の仮想マシンに元の仮想マシンの詳細が引き継がれるのを防ぎます。また、予測可能な vNIC の順序などの他の機能が動作することも保証されます。詳細は、virt-sysprep 操作 を参照してください。

  12. OK をクリックします。

テンプレートの作成中、仮想マシンのステータスは Image Locked と表示されます。テンプレートの作成プロセスには、仮想ディスクのサイズやストレージハードウェアの機能によって最大 1 時間かかる場合があります。完了すると、テンプレートが Templates タブに追加されます。テンプレートに基づいて新しい仮想マシンを作成できるようになりました。

注記

テンプレートが作成されると、テンプレートの作成後に既存の仮想マシンとそのテンプレートの両方が使用できるように、仮想マシンがコピーされます。

7.4. テンプレートの編集

テンプレートを作成したら、そのプロパティーを編集できます。テンプレートは仮想マシンのコピーであるため、テンプレートの編集時に利用可能なオプションは Edit Virtual Machine ウィンドウのオプションと同じです。

手順

  1. ComputeTemplates をクリックし、テンプレートを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. 必要なプロパティーを変更します。Show Advanced Options をクリックし、必要に応じてテンプレートの設定を編集します。Edit Template ウィンドウに表示される設定は、Edit Virtual Machine ウィンドウの設定と同じですが、関連するフィールドのみが表示されます。詳細は、Explanation of Settings in the New Virtual Machine and Edit Virtual Machine Windows を参照してください。
  4. OK をクリックします。

7.5. テンプレートの削除

テンプレートを使用してシンプロビジョニングストレージの割り当てオプションを使用して仮想マシンを作成している場合、仮想マシンの実行を継続するには、テンプレートを削除することはできません。ただし、クローン作成された仮想マシンはクローン元のテンプレートに依存しておらず、テンプレートを削除できます。

テンプレートの削除

  1. ComputeTemplates をクリックし、テンプレートを選択します。
  2. Remove をクリックします。
  3. OK をクリックします。

7.6. テンプレートのエクスポート

7.6.1. エクスポートドメインへのテンプレートの移行

注記

エクスポートストレージドメインは非推奨になりました。ストレージデータドメインはデータセンターからデタッチし、同じ環境または別の環境にある別のデータセンターにインポートすることができます。仮想マシン、フローティング仮想ディスク、およびテンプレートは、インポートされたストレージドメインからアタッチされたデータセンターにアップロードできます。ストレージドメインのインポートに関する詳細は、Red Hat Virtualization 管理ガイド既存のストレージドメインのインポート セクションを参照してください。

テンプレートをエクスポートドメインにエクスポートして、同じ Red Hat Virtualization 環境または別の環境のデータドメインに移動します。この手順では、管理ポータルにアクセスする必要があります。

個別テンプレートのエクスポートドメインのエクスポート

  1. ComputeTemplates をクリックし、テンプレートを選択します。
  2. Export をクリックします。
  3. Force Override チェックボックスを選択して、エクスポートドメインのテンプレートの以前のバージョンを置き換えます。
  4. OK をクリックしてテンプレートのエクスポートを開始します。仮想ディスクのサイズやストレージハードウェアによっては、最大 1 時間かかる場合があります。

インポートプロセスを開始する前に、移行するすべてのテンプレートがエクスポートドメインに含まれるまで、これらのステップを繰り返します。

  1. StorageDomains をクリックし、エクスポートドメインを選択します。
  2. ドメイン名をクリックして、詳細ビューを表示します。
  3. Template Import タブをクリックして、エクスポートドメインにエクスポートされたテンプレートをすべて表示します。

7.6.2. テンプレートの仮想ハードディスクのコピー

シンプロビジョニングストレージの割り当てオプションを選択してテンプレートから作成された仮想マシンを移行する場合は、テンプレートのディスクを仮想ディスクと同じストレージドメインにコピーする必要があります。この手順では、管理ポータルにアクセスする必要があります。

仮想ハードディスクのコピー

  1. StorageDisks をクリックします。
  2. コピーするテンプレートディスクを選択します。
  3. Copy をクリックします。
  4. ドロップダウンリストから Target データドメインを選択します。
  5. OK をクリックします。

テンプレートの仮想ハードディスクのコピーが、同一または異なるストレージドメイン上に作成されました。仮想ハードディスクを移動するための準備としてテンプレートディスクをコピーしていた場合には、これで仮想ハードディスクを移動できます。

7.7. テンプレートのインポート

7.7.1. データセンターへのテンプレートのインポート

注記

エクスポートストレージドメインは非推奨になりました。ストレージデータドメインはデータセンターからデタッチし、同じ環境または別の環境にある別のデータセンターにインポートすることができます。仮想マシン、フローティング仮想ディスク、およびテンプレートは、インポートされたストレージドメインからアタッチされたデータセンターにアップロードできます。ストレージドメインのインポートに関する詳細は、Red Hat Virtualization 管理ガイド既存のストレージドメインのインポート セクションを参照してください。

新たに割り当てられたエクスポートドメインからテンプレートをインポートします。この手順では、管理ポータルにアクセスする必要があります。

データセンターへのテンプレートのインポート

  1. StorageDomains をクリックし、新たにアタッチされたエクスポートドメインを選択します。
  2. ドメイン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Template Import をクリックして、テンプレートを選択します。
  4. Import をクリックします。
  5. ドロップダウンリストを使用して Target Cluster および CPU Profile を選択します。
  6. テンプレートを選択してその詳細を表示し、Disks タブをクリックして、テンプレートをインポートする Storage Domain を選択します。
  7. OK をクリックします。
  8. Import Template Conflict ウィンドウが表示されたら、テンプレートの New Name を入力するか、Apply to all チェックボックスを選択して、Suffix to add to the cloned Templatesを入力します。OK をクリックします。
  9. Close をクリックします。

テンプレートは、移動先のデータセンターにインポートされます。これには、ストレージハードウェアによっては最大 1 時間かかる場合があります。インポートの進捗は Events タブで確認できます。

インポートプロセスが完了すると、テンプレートは ComputeTemplates に表示されます。テンプレートにより、新しい仮想マシンを作成することや、そのテンプレートに基づく既存のインポートされた仮想マシンを実行することができます。

7.7.2. OpenStack Image サービスからのテンプレートとしての仮想ディスクのインポート

OpenStack Image サービスが外部プロバイダーとして Manager に追加されている場合には、その OpenStack Image サービスが管理する仮想ディスクを Red Hat Virtualization Manager にインポートすることができます。この手順では、管理ポータルにアクセスする必要があります。

  1. StorageDomains をクリックして、OpenStack イメージサービスドメインを選択します。
  2. ストレージドメイン名をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Images タブをクリックして、インポートするイメージを選択します。
  4. Import をクリックします。

    注記

    Glance ストレージドメインからイメージをインポートする場合は、テンプレート名を指定するオプションがあります。OpenStack Glance は非推奨になりました。この機能は今後のリリースで削除されます。

  5. 仮想ディスクのインポート先となる Data Center を選択します。
  6. Domain Name ドロップダウンリストから、仮想ディスクを保存するストレージドメインを選択します。
  7. オプションで、仮想ディスクに適用する Quota を選択します。
  8. Import as Template チェックボックスを選択します。
  9. 仮想ディスクをテンプレートとして使用する Cluster を選択します。
  10. OK をクリックします。

イメージはテンプレートとしてインポートされ、Templates タブに表示されます。テンプレートに基づいて仮想マシンを作成できるようになりました。

7.8. テンプレートおよびパーミッション

7.8.1. テンプレートのシステムパーミッションの管理

システム管理者は SuperUser として、管理ポータルをあらゆる面から管理します。他のユーザーに特定の管理ロールを割り当てることができます。このような制限付き管理者ロールは、特定のリソースに限定して管理者権限をユーザーに付与する際に役立ちます。たとえば、DataCenterAdmin ロールは、割り当てられたデータセンターに対する権利者権限のみ (そのデータセンターのストレージを除く) を持ち、ClusterAdmin は割り当てられたクラスターに対する管理者権限のみを持ちます。

テンプレート管理者は、データセンター内のテンプレートのシステム管理ロールです。このロールは、特定の仮想マシン、データセンター、または仮想化環境全体に適用できます。これは、異なるユーザーが特定の仮想リソースを管理できるようにするのに役立ちます。

テンプレート管理者ロールには、以下のアクションが許可されます。

  • 関連付けられたテンプレートを作成、編集、エクスポート、および削除する。
  • テンプレートをインポートおよびエクスポートする。
注記

ロールやパーミッションは、既存のユーザーにのみ割り当てることができます。

7.8.2. テンプレート管理者ロールの説明

以下の表は、テンプレート管理に適用される管理者ロールおよび権限について説明しています。

表7.1 Red Hat Virtualization システム管理者ロール

ロール権限注記

TemplateAdmin

テンプレートに関するすべての操作を実行できます。

テンプレートのストレージドメインとネットワークの詳細を作成、削除、および設定する権限、ならびにドメイン間でテンプレートを移動する権限があります。

NetworkAdmin

ネットワーク管理者

テンプレートにアタッチされたネットワークを設定して管理できます。

7.8.3. リソースへの管理者ロールまたはユーザーロールの割り当て

管理者またはユーザーロールをリソースに割り当て、ユーザーがそのリソースにアクセスしたり、管理したりできるようにします。

手順

  1. リソースタブ、ツリーモード、または検索機能を使用してリソースを検索し、結果一覧で選択します。
  2. リソースの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Permissions タブをクリックして、割り当てられたユーザー、ユーザーのロール、および選択したリソースの継承されたパーミッションを一覧表示します。
  4. Add をクリックします。
  5. Search テキストボックスに既存ユーザーの名前またはユーザー名を入力し、Go をクリックします。表示された候補の中からユーザーを選択します。
  6. Role to Assign ドロップダウンリストからロールを選択します。
  7. OK をクリックします。

ユーザーにロールを割り当てました。そのリソースで有効にしたそのロールの継承されたパーミッションが、ユーザーに付与されました。

7.8.4. リソースからの管理者またはユーザーロールの削除

管理者またはユーザーのロールをリソースから削除すると、ユーザーはそのリソースのロールに関連付けられ継承されたパーミッションを失います。

リソースからのロールの削除

  1. リソースタブ、ツリーモード、または検索機能を使用してリソースを検索し、結果一覧で選択します。
  2. リソースの名前をクリックして、詳細ビューに移動します。
  3. Permissions タブをクリックして、割り当てられたユーザー、ユーザーのロール、および選択したリソースの継承されたパーミッションを一覧表示します。
  4. リソースから削除するユーザーを選択します。
  5. Remove をクリックします。Remove Permission 画面が開き、パーミッションの削除を確認します。
  6. OK をクリックします。

ユーザーのロールおよび関連付けられたパーミッションをリソースから削除しました。

7.9. Cloud-Init を使用した仮想マシンの設定の自動化

Cloud-Init は、ホスト名、ネットワークインターフェイス、認可キーの設定など、仮想マシンの初期設定を自動化するツールです。これは、ネットワーク上での競合を回避するためにテンプレートに基づいてデプロイされた仮想マシンをプロビジョニングする場合に使用できます。

このツールを使用するには、まず cloud-init パッケージを仮想マシンにインストールする必要があります。インストールが完了すると、起動プロセス中に Cloud-Init サービスが開始し、設定の指示を検索します。次に、Run Once ウィンドウのオプションを使用して、これらの指示を 1 回だけ指定するか、または New Virtual MachineEdit Virtual Machine、および Edit Template ウィンドウのオプションを使用して、仮想マシンの起動ごとにこれらの指示を指定できます。

注記

あるいは、AnsiblePythonJava、または Ruby を使用して Cloud-Init を設定できます。

7.9.1. Cloud-Init ユースケースのシナリオ

Cloud-Init を使用して、さまざまなシナリオでの仮想マシンの設定を自動化することができます。以下に、一般的なシナリオをいくつか示します。

  • テンプレートに基づいて作成された仮想マシン

    Run Once ウィンドウの Initial Run セクションの Cloud-Init オプションを使用して、テンプレートに基づいて作成された仮想マシンを初期化できます。これにより、仮想マシンの初回起動時に仮想マシンをカスタマイズできます。

  • 仮想マシンテンプレート

    Edit Template ウィンドウの Initial Run タブの Use Cloud-Init/Sysprep オプションを使用して、そのテンプレートに基づいて作成された仮想マシンをカスタマイズするオプションを指定できます。

  • 仮想マシンプール

    New Pool ウィンドウの Initial Run タブの Use Cloud-Init/Sysprep オプションを使用して、その仮想マシンプールから取得する仮想マシンをカスタマイズするオプションを指定できます。これにより、その仮想マシンプールから仮想マシンを取得するたびに適用される標準設定のセットを指定できます。仮想マシンのベースとなるテンプレートに指定されたオプションを継承もしくは上書きするか、または仮想マシンプール自体のオプションを指定することができます。

7.9.2. Cloud-Init のインストール

この手順では、仮想マシンに Cloud-Init をインストールする方法を説明します。Cloud-Init をインストールしたら、この仮想マシンに基づいてテンプレートを作成できます。このテンプレートに基づいて作成された仮想マシンは、起動時のホスト名、タイムゾーン、root パスワード、認証キー、ネットワークインターフェイス、DNS サービスの設定など、Cloud-Init 機能を活用できます。

Cloud-Init のインストール

  1. 仮想マシンにログインします。
  2. リポジトリーを有効にします。

    • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合:

      # subscription-manager repos \
          --enable=rhel-6-server-rpms \
          --enable=rhel-6-server-rh-common-rpms
    • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合:

      # subscription-manager repos \
          --enable=rhel-7-server-rpms \
          --enable=rhel-7-server-rh-common-rpms
    • Red Hat Enterprise Linux 8 の場合は、通常、Cloud-Init をインストールするのにリポジトリーを有効にする必要はありません。Cloud-Init パッケージは AppStream リポジトリー rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms の一部で、Red Hat Enterprise Linux 8 ではデフォルトで有効になっています。
  3. cloud-init パッケージおよび依存関係をインストールします。

    # dnf install cloud-init
    注記

    バージョン 8 よりも前のバージョンの Red Hat Enterprise Linux の場合は、dnf install cloud-init の代わりに yum install cloud-init コマンドを使用します。

7.9.3. Cloud-Init を使用したテンプレートの準備

cloud-init パッケージが Linux 仮想マシンにインストールされている限り、仮想マシンを使用して cloud-init が有効なテンプレートを作成できます。以下の手順で説明されているように、テンプレートに追加する標準設定のセットを指定します。あるいは、Cloud-Init 設定のステップを省略し、このテンプレートに基づいて仮想マシンを作成する際に設定します。

注記

以下の手順では、テンプレートを準備する際に Cloud-Init を使用する方法の概要を説明しますが、同じ設定は New Virtual MachineEdit Template、および Run Once ウィンドウでも利用可能です。

Cloud-Init を使用したテンプレートの準備

  1. ComputeTemplates をクリックし、テンプレートを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. Show Advanced Options をクリックします。
  4. Initial Run タブをクリックし、Use Cloud-Init/Sysprep チェックボックスを選択します。
  5. VM Hostname テキストフィールドにホスト名を入力します。
  6. Configure Time Zone チェックボックスを選択し、Time Zone ドロップダウンリストからタイムゾーンを選択します。
  7. Authentication セクションを展開します。

    • Use already configured password チェックボックスを選択して既存の認証情報を使用するか、そのチェックボックスの選択を解除して、Password および Verify Password のテキストフィールドに root パスワードを入力し、新しい root パスワードを指定します。
    • SSH Authorized Keys テキストエリアに、仮想マシンの認可ホストファイルに追加する SSH キーを入力します。
    • Regenerate SSH Keys チェックボックスを選択して、仮想マシンの SSH キーを再生成します。
  8. Networks セクションを展開します。

    • DNS Servers テキストフィールドに DNS サーバーを入力します。
    • DNS Search Domains テキストフィールドに DNS 検索ドメインを入力します。
    • In-guest Network Interface チェックボックスを選択し、+ Add new および - Remove selected ボタンを使用して、仮想マシンにネットワークインターフェイスを追加または削除します。

      重要

      適切なネットワークインターフェイス名と番号を指定する必要があります (例:eth0eno3enp0s)。そうしないと、仮想マシンのインターフェイス接続は起動しますが、cloud-init ネットワーク設定が定義されません。

  9. Custom Script セクションを展開し、Custom Scriptテキストエリアにカスタムスクリプトを入力します。
  10. OK をクリックします。

このテンプレートを使用して新規仮想マシンをプロビジョニングできるようになりました。

7.9.4. Cloud-Init を使用した仮想マシンの初期化

Cloud-Init を使用して、Linux 仮想マシンの初期設定を自動化します。Cloud-Init フィールドを使用して、仮想マシンのホスト名、タイムゾーン、root パスワード、認証キー、ネットワークインターフェイス、および DNS サービスを設定できます。起動時に実行するカスタムスクリプトを YAML 形式で指定することもできます。カスタムスクリプトにより、Cloud-Init がサポートしているが、Cloud-Init フィールドでは利用できない追加の Cloud-Init 設定が可能です。カスタムスクリプトの例の詳細は、クラウド設定の例 を参照してください。

Cloud-Init を使用した仮想マシンの初期化

この手順では、Cloud-Init の設定セットで仮想マシンを起動します。仮想マシンのベースとなるテンプレートに該当する設定が含まれている場合は、設定を確認し、必要に応じて変更を行い、OK をクリックして仮想マシンを起動します。

  1. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  2. Run ドロップダウンボタンをクリックして、Run Once を選択します。
  3. Initial Run セクションを展開し、Cloud-Init チェックボックスを選択します。
  4. VM Hostname テキストフィールドにホスト名を入力します。
  5. Configure Time Zone チェックボックスを選択し、Time Zone ドロップダウンメニューからタイムゾーンを選択します。
  6. Use already configured password チェックボックスを選択して既存の認証情報を使用するか、そのチェックボックスの選択を解除して、Password および Verify Password のテキストフィールドに root パスワードを入力し、新しい root パスワードを指定します。
  7. SSH Authorized Keys テキストエリアに、仮想マシンの認可ホストファイルに追加する SSH キーを入力します。
  8. Regenerate SSH Keys チェックボックスを選択して、仮想マシンの SSH キーを再生成します。
  9. DNS Servers テキストフィールドに DNS サーバーを入力します。
  10. DNS Search Domains テキストフィールドに DNS 検索ドメインを入力します。
  11. Network チェックボックスを選択し、+ ボタンおよび - ボタンを使用して、仮想マシンにネットワークインターフェイスを追加または削除します。

    重要

    適切なネットワークインターフェイス名と番号を指定する必要があります (例:eth0eno3enp0s)。そうしないと、仮想マシンのインターフェイス接続は起動しますが、そこにcloud-init ネットワーク設定が定義されません。

  12. Custom Scriptテキストエリアにカスタムスクリプトを入力します。スクリプトで指定した値が適切であることを確認します。そうしないと、アクションは失敗します。
  13. OK をクリックします。
注記

仮想マシンに Cloud-Init がインストールされているかどうかを確認するには、仮想マシンを選択し、Applications サブタブをクリックします。ゲストエージェントがインストールされている場合にのみ表示されます。

7.10. Sysprep を使用した仮想マシンの設定の自動化

sysprep は、ホスト名、ネットワークインターフェイス、認証キーの設定、ユーザーの設定、Active Directory への接続など、Windows 仮想マシンの設定を自動化するのに使用するツールです。Sysprep は、すべての Windows バージョンにインストールされます。

Red Hat Virtualization は、仮想化技術を利用して、1 つのテンプレートに基づいて仮想ワークステーションをデプロイすることで、Sysprep を強化します。Red Hat Virtualization は、各仮想ワークステーション用にカスタマイズした自動応答ファイルを作成します。

Sysprep は、完全な無人インストール用の応答ファイルを生成します。さまざまな Windows オペレーティングシステムのデフォルト値は、/usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ ディレクトリーにあります。カスタム Sysprep ファイルを作成し、/etc/ovirt-engine /osinfo.conf.d/ ディレクトリーの osinfo ファイルから参照することもできます。これらのファイルは、Sysprep のテンプレートとして機能します。これらのファイルのフィールドは、必要に応じてコピーおよび編集できます。この定義は、Edit Virtual Machine ウィンドウの Initial Run フィールドに入力された値を上書きします。

Windows 仮想マシンのプールを作成する際にカスタムの sysprep ファイルを作成し、さまざまなオペレーティングシステムおよびドメインに対応できます。詳細は、管理ガイド仮想マシンプールの作成 を参照してください。

オーバーライドファイルは /etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/ の下に作成し、/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/00-defaults.properties の後に配置されるファイル名にし、.properties で終わる必要があります。(例:/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/10-productkeys.properties)。最後のファイルが優先され、それより前の他のファイルはすべて上書きされます。

Windows オペレーティングシステムのデフォルト値を /etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/00-defaults.properties からオーバーライドファイルにコピーし、productKey.value フィールドおよび sysprepPath.value フィールドに値を入力します。

例7.2 Windows 7 のデフォルト設定値

# Windows7(11, OsType.Windows, false),false
os.windows_7.id.value = 11
os.windows_7.name.value = Windows 7
os.windows_7.derivedFrom.value = windows_xp
os.windows_7.sysprepPath.value = ${ENGINE_USR}/conf/sysprep/sysprep.w7
os.windows_7.productKey.value =
os.windows_7.devices.audio.value = ich6
os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.3 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO
os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.4 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO
os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.5 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO
os.windows_7.isTimezoneTypeInteger.value = false

7.10.1. テンプレートでの Sysprep の設定

この手順を使用して、テンプレートに追加する標準の Sysprep 設定を指定できます。あるいは、このテンプレートに基づいて仮想マシンを作成する際に Sysprep 設定を設定することもできます。

置換文字列を使用して、/usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ ディレクトリーのデフォルトファイルで提供される値を置換できます。たとえば、"<Domain><![CDATA[$JoinDomain$"]></Domain>" を使用して、参加するドメインを指定できます。

重要

Sysprep の実行中に仮想マシンを再起動しないでください。

前提条件

  • Windows 仮想マシンのパラメーターが正しく定義されている。

    定義されていない場合は、ComputeVirtual Machines をクリックし、Editをクリックし、Operating System および Cluster フィールドに必要な情報を入力します。

  • 正しいプロダクトキーが Manager のオーバーライドファイルで定義されている。

Sysprep を使用したテンプレートの準備

  1. 必要なパッチおよびソフトウェアで Windows 仮想マシンをビルドします。
  2. Windows 仮想マシンをシールします。テンプレートとしてのデプロイメントの準備段階での仮想マシンのシーリング を参照してください。
  3. Windows 仮想マシンに基づいてテンプレートを作成します。既存の仮想マシンからのテンプレートの作成 を参照してください。
  4. 追加の変更が必要な場合は、テキストエディターで Sysprep ファイルを更新します。

このテンプレートを使用して新規仮想マシンをプロビジョニングできるようになりました。

7.10.2. Sysprep を使用した仮想マシンの初期化

Sysprep を使用して、Windows 仮想マシンの初期設定を自動化します。Sysprep フィールドを使用して、仮想マシンのホスト名、タイムゾーン、root パスワード、認証キー、ネットワークインターフェイス、および DNS サービスを設定できます。

Sysprep を使用した仮想マシンの初期化

この手順では、Sysprep の設定セットで仮想マシンを起動します。仮想マシンのベースとなるテンプレートに該当する設定が含まれている場合は、設定を確認し、必要に応じて変更を加えます。

  1. 必要な Windows 仮想マシンのテンプレートに基づいて、新しい Windows 仮想マシンを作成します。テンプレートに基づく仮想マシンの作成 を参照してください。
  2. ComputeVirtual Machines をクリックし、仮想マシンを選択します。
  3. Run ドロップダウンボタンをクリックして、Run Once を選択します。
  4. Boot Options セクションを展開し、Attach Floppy チェックボックスを選択し、[sysprep] オプションを選択します。
  5. Attach CD チェックボックスを選択し、ドロップダウンリストから必要な Windows ISO を選択します。
  6. CD-ROMBoot Sequence フィールドの一番上に移動します。
  7. 必要に応じて、さらに Run Once オプションを設定します。詳細は Run once ウィンドウの設定に関する説明 を参照してください。
  8. OK をクリックします。

7.11. テンプレートに基づく仮想マシンの作成

テンプレートから仮想マシンを作成し、仮想マシンをオペレーティングシステム、ネットワークインターフェイス、アプリケーション、他のリソースで事前設定できるようにします。

注記

テンプレートから作成される仮想マシンはそのテンプレートによって異なります。したがって、テンプレートから仮想マシンを作成した場合には、Manager からそのテンプレートを削除することはできません。ただし、テンプレートから仮想マシンのクローンを作成し、そのテンプレートへの依存を削除できます。

注記

仮想マシンの BIOS タイプがテンプレートの BIOS タイプと異なる場合に、Manager は仮想マシンのデバイスを変更する場合があり、オペレーティングシステムが起動しない可能性があります。たとえば、テンプレートが IDE ディスクおよび i440fx チップセットを使用する場合、BIOS タイプを Q35 チップセットに変更すると、IDE ディスクが自動的に SATA ディスクに変更されます。したがって、チップセットと BIOS タイプを、テンプレートのチップセットと BIOS タイプと一致するように設定します。

テンプレートに基づく仮想マシンの作成

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. New をクリックします。
  3. 仮想マシンを実行する Cluster を選択します。
  4. Template リストからテンプレートを選択します。
  5. NameDescription、および任意の Comments を入力し、残りのフィールドでテンプレートから継承されたデフォルト値を受け入れます。必要に応じて変更できます。
  6. Resource Allocation タブをクリックします。
  7. Storage Allocation エリアで Thin または Clone ラジオボタンを選択します。Thin を選択した場合、ディスク形式は QCOW2 になります。Clone を選択した場合、ディスク形式には QCOW2 または Raw のいずれかを選択します。
  8. Target ドロップダウンリストを使用して、仮想マシンの仮想ディスクが保存されるストレージドメインを選択します。
  9. OK をクリックします。

仮想マシンは Virtual Machines タブに表示されます。

7.12. テンプレートに基づくクローンされた仮想マシンの作成

クローンされた仮想マシンはテンプレートに基づいており、テンプレートの設定を継承します。クローンされた仮想マシンは、作成後はベースとなったテンプレートに依存しません。つまり、他に依存関係が存在しない場合にテンプレートを削除できます。

注記

テンプレートから仮想マシンのクローンを作成する場合、その仮想マシンのベースとなったテンプレートの名前が、その仮想マシンの Edit Virtual Machine ウィンドウの General タブに表示されます。このテンプレート名を変更すると、General タブのテンプレート名も更新されます。ただし、Manager からテンプレートを削除すると、そのテンプレートの元の名前が表示されます。

テンプレートに基づく仮想マシンのクローン作成

  1. ComputeVirtual Machinesをクリックします。
  2. New をクリックします。
  3. 仮想マシンを実行する Cluster を選択します。
  4. Based on Template ドロップダウンメニューからテンプレートを選択します。
  5. NameDescription、および任意の Comments を入力します。残りのフィールドでは、テンプレートから継承されるデフォルト値を使用するか、必要に応じて変更できます。
  6. Resource Allocation タブをクリックします。
  7. Storage Allocation エリアで Clone ラジオボタンを選択します。
  8. Format ドロップダウンリストからディスク形式を選択します。この設定は、クローン作成操作の速度と、新規仮想マシンに必要な初期ディスク領域の量に影響します。

    • QCOW2 (デフォルト)

      • 高速なクローン作成操作
      • 最適化されたストレージ容量の使用
      • 必要に応じてしかディスク領域が割り当てられない
    • Raw

      • 遅いクローン作成操作
      • 最適化された仮想マシンの読み取り/書き込み操作
      • テンプレートで要求されるすべてのディスク領域が、クローン作成操作時に割り当てられる
  9. Target ドロップダウンメニューを使用して、仮想マシンの仮想ディスクを保存するストレージドメインを選択します。
  10. OK をクリックします。
注記

仮想マシンのクローン作成には時間がかかる場合があります。テンプレートのディスクの新しいコピーを作成する必要があります。この間、仮想マシンのステータスは初め Image Locked で、続いて Down になります。

仮想マシンが作成され、Virtual Machines タブに表示されます。これで、ユーザーを割り当て、クローン作成操作の完了時に使用を開始できるようになりました。

付録A 参照: 管理ポータルおよび仮想マシンポータルの設定ウィンドウ

A.1. New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの設定に関する説明

A.1.1. 仮想マシンの General の設定に関する説明

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの General タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

表A.1 仮想マシン: General 設定

フィールド名説明電源の入れ直しは必要か ?

クラスター

仮想マシンが割り当てられているホストクラスターの名前。仮想マシンは、ポリシールールに従って、そのクラスター内の任意の物理マシンでホストされます。

必要。クロスクラスター移行は、緊急時にのみ使用します。クラスターの移動には、仮想マシンを停止する必要があります。

Template

仮想マシンのベースとなるテンプレート。このフィールドはデフォルトで Blank に設定されています。これにより、オペレーティングシステムがインストールされていない仮想マシンを作成できます。テンプレートは Name | Sub-version name (Sub-version number) と表示されます。新しいバージョンにはそれぞれ、バージョンの相対順序を示す数字が括弧内に表示され、数値が大きいほど新しいバージョンを指します。

テンプレートバージョンチェーンのルートテンプレートの場合は、バージョン名が base version として表示されます。

仮想マシンがステートレスである場合、latest バージョンのテンプレートを選択するオプションがあります。このオプションでは、このテンプレートの新しいバージョンが作成されるたびに、再起動時に仮想マシンが最新のテンプレートに基づいて自動的に再作成されます。

該当なし。この設定は、新規の仮想マシンのプロビジョニング専用です。

Operating System

オペレーティングシステム。有効な値には、Red Hat Enterprise Linux および Windows のさまざまなバリアントが含まれます。

必要。仮想ハードウェアを変更する可能性があります。

Instance Type

仮想マシンのハードウェア設定のベースとなり得るインスタンスタイプ。このフィールドはデフォルトで Custom に設定されています。これは、仮想マシンがインスタンスタイプに接続されていないことを意味します。このドロップダウンメニューから利用可能なその他のオプションは、LargeMediumSmallTinyXLarge、および管理者が作成したカスタムインスタンスタイプです。

横にチェーンのリンクアイコンがあるその他の設定は、選択したインスタンスタイプにより事前に入力されます。これらの値のいずれかが変更されると、仮想マシンはインスタンスタイプから切り離され、チェーンが切れたよう見えます。ただし、変更した設定が元の値に戻されると、仮想マシンはインスタンスタイプに再度アタッチされ、チェーンアイコンのリンクが再度つながります。

注記: インスタンスタイプのサポートは非推奨となり、今後のリリースで削除される予定です。

必要。

Optimized for

仮想マシンが最適化されるシステムのタイプ。ServerDesktop、および High Performance の 3 つのオプションがあります。デフォルトでは、このフィールドは Server に設定されます。サーバーとして機能するために最適化された仮想マシンには、サウンドカードがなく、クローンされたディスクイメージを使用し、ステートレスではありません。デスクトップマシンとして機能するように最適化された仮想マシンにはサウンドカードがあり、イメージ (シンプロビジョニング) を使用し、ステートレスです。ハイパフォーマンス向けに最適化された仮想マシンには、多くの設定変更があります。高パフォーマンスの仮想マシンテンプレートおよびプールの設定 を参照してください。

必要。

Name

仮想マシンの名前。名前はデータセンター内で一意の名前でなければならず、スペースを含めることはできません。また、A - Z または 0 - 9 から少なくとも 1 文字を含める必要があります。仮想マシン名の最大長は 255 文字です。名前は環境内の異なるデータセンターで再利用できます。

必要。

VM ID

仮想マシン ID。仮想マシンの作成者は、その仮想マシンのカスタム ID を設定できます。カスタム ID には、00000000-0000-0000-0000-00000000 形式の数字のみを含める必要があります。

作成時に ID を指定しないと、UUID が自動的に割り当てられます。カスタム ID と自動生成される ID の両方の場合、仮想マシンの作成後に変更はできません。

必要。

Description

新しい仮想マシンに関する分かりやすい説明。

不要。

Comment

仮想マシンに関するプレーンテキストの人間が判読できるコメントを追加するフィールド。

不要。

Affinity Labels

選択した アフィニティーラベル を追加または削除します。

不要。

Stateless

仮想マシンをステートレスモードで実行するには、このチェックボックスを選択します。このモードは、主にデスクトップの仮想マシンに使用されます。ステートレスデスクトップまたはサーバーを実行すると、仮想マシンのハードディスクイメージに新しいデータおよび変更されたデータが保存される新しい COW レイヤーが作成されます。ステートレス仮想マシンをシャットダウンすると、すべてのデータおよび設定変更が含まれる新しい COW レイヤーが削除され、仮想マシンが元の状態に戻ります。ステートレス仮想マシンは、短期間だけ使用する必要があるマシンを作成する場合や、派遣社員が使用するマシンを作成する場合に便利です。

該当なし。

Start in Pause Mode

仮想マシンを必ず一時停止モードで起動するには、このチェックボックスを選択します。このオプションは、SPICE 接続の確立に時間がかかる仮想マシンに適しています (例: リモートの場所にある仮想マシン)。

該当なし。

Delete Protection

仮想マシンを削除できないようにするには、このチェックボックスを選択します。このチェックボックスが選択されていない場合に限り、仮想マシンを削除することができます。

不要。

Sealed

作成する仮想マシンをシールするには、このチェックボックスを選択します。このオプションにより、テンプレートからプロビジョニングされる仮想マシンから仮想マシン固有の設定が削除されます。シールプロセスの詳細には、テンプレートとしてデプロイするための Windows 仮想マシンのシール を参照してください。

不要。

Instance Images

フローティングディスクを仮想マシンに割り当てるには、Attach をクリックし、新規仮想ディスクを追加するには、Create をクリックします。追加の仮想ディスクを追加または削除するには、プラスボタンとマイナスボタンを使用します。

すでにアタッチまたは作成された仮想ディスクの設定を変更するには、Edit をクリックします。

不要。

Instantiate VM network interfaces by picking a vNIC profile.

仮想マシンにネットワークインターフェイスを追加するには、nic1 ドロップダウンリストから vNIC プロファイルを選択します。追加のネットワークインターフェイスを追加または削除するには、プラスボタンとマイナスボタンを使用します。

不要。

A.1.2. 仮想マシンの System の設定に関する説明

CPU の考慮事項

  • CPU 負荷が高くないワークロードの場合、ホスト内のコア数よりも大きいプロセッサーコアの合計数で仮想マシンを実行できます (単一仮想マシンのプロセッサーコア数は、ホストのコア数を超えることができません)。以下の利点があります。

    • より多くの仮想マシンを実行することができます。これにより、ハードウェアの要件が減少します。
    • 仮想コア数がホストコア数とホストスレッド数の間にある場合など、それ以外の場合は不可能な CPU トポロジーで仮想マシンを設定できます。
  • 最適なパフォーマンス、特に CPU 集約型のワークロードの場合、ホストと同じトポロジーを仮想マシンで使用し、ホストと仮想マシンが同じキャッシュの使用を想定するようにします。ホストのハイパースレッディングが有効な場合、QEMU がホストのハイパースレッドをコアとして扱うため、仮想マシンは複数のスレッドを持つ単一のコアで実行されていることを認識しません。ホストコアのハイパースレッドに実際に対応する仮想コアは、仮想マシンのパフォーマンスに影響する可能性があります。これは、同じホストコアのハイパースレッドと単一のキャッシュを共有する可能性がありますが、仮想マシンは別のコアとして扱います。

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの System タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

表A.2 仮想マシン: System 設定

フィールド名説明電源の入れ直しは必要か ?

Memory Size

仮想マシンに割り当てるメモリー容量メモリーを割り当てる際には、仮想マシンで実行することが意図されているアプリケーションの処理とストレージのニーズを考慮してください。

OS がホットプラグをサポートする場合は不要。それ以外の場合は必要。

Maximum Memory

仮想マシンに割り当てることができるメモリーの最大量。ゲストの最大メモリーは、選択したゲストのアーキテクチャーおよびクラスターの互換性レベルによっても制限されます。

OS がホットプラグをサポートする場合は不要。それ以外の場合は必要。

Total Virtual CPUs

仮想マシンに割り当てられる処理能力 (CPU コア数)。高パフォーマンスの場合は、物理ホストに存在するよりも多くのコアを仮想マシンに割り当てないでください。

OS がホットプラグをサポートする場合は不要。それ以外の場合は必要。

Virtual Sockets

仮想マシンの CPU ソケット数。物理ホストに存在するよりも多くのソケットを仮想マシンに割り当てないでください。

OS がホットプラグをサポートする場合は不要。それ以外の場合は必要。

Cores per Virtual Socket

各仮想ソケットに割り当てられるコア数。

OS がホットプラグをサポートする場合は不要。それ以外の場合は必要。

Threads per Core

各コアに割り当てられるスレッドの数。値を増やすと、同時マルチスレッド (SMT) が可能になります。IBM POWER8 は、コアごとに最大 8 つのスレッドをサポートします。x86 および x86_64 (Intel および AMD) CPU タイプの場合に、ホストトポロジーを同じように複製する場合を除き推奨値は 1 です。複製する場合には、CPU ピニングを使用して実現できます。詳細は、CPU のピニング を参照してください。

OS がホットプラグをサポートする場合は不要。それ以外の場合は必要。

チップセット/ファームウェアのタイプ

チップセットとファームウェアのタイプを指定します。デフォルトはクラスターのデフォルトのチップセットおよびファームウェアタイプです。オプションは以下のとおりです。

  • I440FX Chipset with BIOS Legacy BIOS
  • Q35 Chipset with BIOS BIOS without UEFI (互換性バージョン 4.4 のクラスターのデフォルト)
  • Q35 Chipset with UEFI BIOS with UEFI (互換バージョン 4.7 のクラスターのデフォルト)
  • Q35 Chipset with UEFI SecureBoot ブートローダーのデジタル署名を認証する Secure Boot を搭載した UEFI

詳細は、管理ガイドUEFI および Q35 チップセット を参照してください。

必要。

Custom Emulated Machine

このオプションを使用すると、マシンタイプを指定できます。変更すると、仮想マシンはこのマシンタイプをサポートするホストでのみ実行されます。デフォルトはクラスターのデフォルトのマシンタイプです。

必要。

Custom CPU Type

このオプション使用すると、CPU タイプを指定できます。変更すると、仮想マシンはこの CPU タイプをサポートするホストでのみ実行されます。デフォルトはクラスターのデフォルトの CPU タイプです。

必要。

Hardware Clock Time Offset

このオプションは、ゲストのハードウェアクロックのタイムゾーンオフセットを設定します。Windows の場合、これはゲストに設定されたタイムゾーンに対応している必要があります。ほとんどのデフォルトの Linux インストールでは、ハードウェアクロックが GMT+00:00 に設定されている必要があります。

必要。

Custom Compatibility Version

互換バージョンは、クラスターがサポートする機能だけでなく、一部のプロパティーの値とエミュレートされたマシンタイプも決定します。デフォルトでは、デフォルトがクラスターから継承されるため、仮想マシンはクラスターと同じ互換性モードで実行するよう設定されます。場合によっては、デフォルトの互換性モードを変更する必要があります。たとえば、クラスターが新しい互換バージョンに更新され、仮想マシンが再起動されていない場合などです。これらの仮想マシンでは、クラスターよりも古いカスタム互換性モードを使用するように設定できます。詳細は、管理ガイドクラスターの互換性バージョンの変更 を参照してください。

必要。

Serial Number Policy

シリアル番号を仮想マシンに割り当てるシステムレベルおよびクラスターレベルのポリシーを上書きします。この仮想マシンに固有のポリシーを適用します。

  • System Default: システム全体のデフォルトを使用します。このデフォルトは、エンジン設定ツールを使用して Manager データベースで設定され、DeltSerialNumberPolicy および DeltCustomSerialNumber キー名を使用します。DefaultSerialNumberPolicy のデフォルト値は Host ID を使用します。詳細は、管理ガイドスケジュールポリシー を参照してください。
  • Host ID: この仮想マシンのシリアル番号を、ホストの UUID に設定します。
  • VM ID: この仮想マシンの UUID にそれぞれの仮想マシンのシリアル番号を設定します。
  • Custom serial number: この仮想マシンのシリアル番号を、以下の Custom Serial Number パラメーターで指定した値に設定します。

必要。

Custom Serial Number

この仮想マシンに適用するカスタムのシリアル番号を指定します。

必要。

A.1.3. 仮想マシンの Initial Run の設定に関する説明

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの Initial Run タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。この表の設定は、Use Cloud-Init/Sysprep チェックボックスが選択されている場合にのみ表示され、特定のオプションは、以下のように General タブの Operating System 一覧で Linux ベースまたは Windows ベースのオプションが選択されている場合にのみ表示されます。

注記

この表には、電源の入れ直しが必要かどうかに関する情報は含まれません。設定が仮想マシンの 初回 実行に適用されるためです。これらの設定を行う際、仮想マシンは実行されていません。

表A.3 仮想マシン: Initial Run 設定

フィールド名オペレーティングシステム説明

Use Cloud-Init/Sysprep

Linux、Windows

このチェックボックスは、仮想マシンを初期化するのに Cloud-Init または Sysprep を使用するかどうかを切り替えます。

VM Hostname

Linux、Windows

仮想マシンのホスト名。

Domain

Windows

仮想マシンが属する Active Directory ドメイン。

Organization Name

Windows

仮想マシンが属する組織の名前。このオプションは、Windows を実行しているマシンの初回開始時に表示される組織名を設定するテキストフィールドに対応します。

Active Directory OU

Windows

仮想マシンが属する Active Directory ドメインの組織単位。

Configure Time Zone

Linux、Windows

仮想マシンのタイムゾーン。このチェックボックスを選択し、Time Zone リストからタイムゾーンを選択します。

Admin Password

Windows

仮想マシンの管理ユーザーパスワード。開示の矢印をクリックして、このオプションの設定を表示します。

  • Use already configured password: このチェックボックスは、初期管理ユーザーパスワードを指定した後に自動的に選択されます。Admin Password および Verify Admin Password フィールドを有効にして新しいパスワードを指定するには、このチェックボックスの選択を解除する必要があります。
  • Admin Password: 仮想マシンの管理ユーザーパスワード。このテキストフィールドおよび Verify Admin Password テキストフィールドにパスワードを入力し、パスワードを確認します。

Authentication

Linux

仮想マシンの認証情報。開示の矢印をクリックして、このオプションの設定を表示します。

  • Use already configured password: このチェックボックスは、初期 root パスワードを指定した後に自動的に選択されます。Password および Verify Password フィールドを有効にして新しいパスワードを指定するには、このチェックボックスの選択を解除する必要があります。
  • Password: 仮想マシンの root パスワード。このテキストフィールドおよび Verify Password テキストフィールドにパスワードを入力し、パスワードを確認します。
  • SSH Authorized Keys: 仮想マシンの認証キーファイルに追加される SSH キー。各 SSH キーを新しい行に入力して、複数の SSH キーを指定できます。
  • Regenerate SSH Keys: 仮想マシンの SSH キーを再生成します。

Custom Locale

Windows

仮想マシンのカスタムロケールオプション。ロケールは、en-US などの形式である必要があります。開示の矢印をクリックして、このオプションの設定を表示します。

  • Input Locale: ユーザー入力用のロケール。
  • UI Language: ボタンやメニューなどのユーザーインターフェイス要素に使用される言語。
  • System Locale: システム全体のロケール。
  • User Locale: ユーザーのロケール。

Networks

Linux

仮想マシンのネットワーク関連の設定。開示の矢印をクリックして、このオプションの設定を表示します。

  • DNS Servers: 仮想マシンが使用する DNS サーバー。
  • DNS Search Domains: 仮想マシンが使用する DNS 検索ドメイン。
  • Network: 仮想マシンのネットワークインターフェイスを設定します。仮想マシンにネットワークインターフェイスを追加または削除するには、このチェックボックスを選択し、+ または - をクリックします。+ をクリックすると、DHCP を使用するかを指定し、IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイを設定し、ネットワークインターフェイスが起動時に起動するかどうかを指定できる一連のフィールドが表示されます。

Custom Script

Linux

起動時に仮想マシンで実行されるカスタムスクリプト。このフィールドに入力されるスクリプトは、Manager が生成したものに追加されるカスタム YAML セクションで、ユーザーおよびファイルの作成、yum リポジトリーの設定、コマンドの実行などのタスクを自動化できます。このフィールドに指定できるスクリプトの形式に関する詳細は、Custom Script のドキュメントを参照してください。

Sysprep

Windows

カスタムの Sysprep 定義。定義は、完全な無人インストールの応答ファイルの形式である必要があります。Red Hat Virtualization Manager がインストールされているマシンの /usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ ディレクトリーのデフォルトの応答ファイルをコピーして貼り付け、必要に応じてフィールドを変更できます。詳細は、ジョブテンプレート を参照してください。

Ignition 2.3.0

Red Hat Enterprise Linux CoreOS

Red Hat Enterprise Linux CoreOS が Operating System として選択されている場合、このチェックボックスでは、仮想マシンの初期化に使用するか Ignition を使用するどうかを切り替えます。

A.1.4. 仮想マシンの Console の設定に関する説明

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの Console タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

表A.4 仮想マシン: Console 設定

フィールド名説明電源の入れ直しは必要か ?

Graphical Console Section

設定のグループ。

必要。

Headless Mode

仮想マシン用のグラフィカルコンソールが必要ない場合は、このチェックボックスを選択します。

選択されている場合には、Graphical Console セクションの他のすべてのフィールドは、無効になっています。VM ポータルでは、仮想マシンの詳細ビューの Console アイコンも無効になります。

重要

ヘッドレスモードの使用に関する詳細および前提条件については、ヘッドレスマシンの設定 を参照してください。

必要。

Video Type

グラフィックデバイスを定義します。QXL がデフォルトで両方の、グラフィックプロトコルをサポートします。VGA は VNC プロトコルのみをサポートします。

必要。

Graphics protocol

使用する表示プロトコルを定義します。SPICE がデフォルトのプロトコルです。VNC は代替のオプションです。両方のプロトコルを許可するには、SPICE + VNC を選択します。

必要。

VNC Keyboard Layout

仮想マシンのキーボードレイアウトを定義します。このオプションは、VNC プロトコルを使用する場合にのみ使用できます。

必要。

USB enabled

SPICE USB リダイレクトを定義します。このチェックボックスはデフォルトで選択されていません。このオプションは、SPICE プロトコルを使用する仮想マシンでのみ利用できます。

  • 無効 (チェックボックスの選択を解除): osinfo-defaults.properties 設定ファイルの devices.usb.controller 値に従って、USB コントローラーデバイスが追加されます。すべての x86 および x86_64 オペレーティングシステムのデフォルトは piix3-uhci です。ppc64 システムの場合、デフォルトは nec-xhci です。
  • 有効 (チェックボックスを選択): Linux および Windows 仮想マシンのネイティブ KVM/SPICE USB リダイレクトを有効にします。仮想マシンは、ネイティブ USB 用にゲスト内エージェントまたはドライバーを必要としません。

必要。

Console Disconnect Action

コンソール切断時の動作を定義します。この設定は SPICE および VNC コンソール接続にのみ意味を持ちます。この設定は、仮想マシンの実行中に変更できますが、新しいコンソール接続が確立されるまで反映されません。以下のいずれかを選択します。

  • No action: アクションは実行されません。
  • Lock screen: これがデフォルトのオプションです。すべての Linux マシンと Windows デスクトップでは、現在アクティブなユーザーセッションがロックされます。Windows サーバーの場合は、デスクトップと現在アクティブなユーザーがロックされます。
  • Logout user: すべての Linux マシンと Windows デスクトップでは、現在アクティブなユーザーセッションがログアウトされます。Windows サーバーの場合は、デスクトップと現在アクティブなユーザーがログアウトされます。
  • Shutdown virtual machine: 正常な仮想マシンのシャットダウンを開始します。
  • Reboot virtual machine: 正常な仮想マシンの再起動を開始します。

不要。

Monitors

仮想マシンのモニター数。このオプションは、SPICE ディスプレイプロトコルを使用する仮想デスクトップでのみ利用できます。12、または 4 を選択できます。WDDMDoD ドライバーを使用する Windows システムでは、複数のモニターはサポートされません。

必要。

Smartcard Enabled

スマートカードは外部のハードウェアセキュリティー機能で、クレジットカードで最もよく見られますが、多くの企業で認証トークンとしても使用されています。Red Hat Virtualization 仮想マシンの保護には、スマートカードを使用できます。チェックボックスを選択または選択解除して、個々の仮想マシンのスマートカード認証をアクティブまたは非アクティブにします。

必要。

Single Sign On method

シングルサインオンを有効にすると、ゲストエージェントを使用して仮想マシンポータルから仮想マシンに接続する際に、ユーザーはゲストオペレーティングシステムにサインインできます。

  • Disable Single Sign On: ゲストエージェントが仮想マシンへのサインインを試みないようにする場合は、このオプションを選択します。
  • Use Guest Agent: シングルサインオンを有効にして、ゲストエージェントが仮想マシンにサインインできるようにします。

Use Guest Agent を選択した場合は不要。それ以外の場合は必要。

Disable strict user checking

このオプションを使用するには、Advanced Parameters の矢印をクリックして、チェックボックスを選択します。このオプションを選択すると、別のユーザーが接続したときに仮想マシンを再起動する必要はありません。

デフォルトでは、厳密なチェックが有効になっています。これにより、ユーザー 1 つだけが仮想マシンのコンソールに接続できるようになります。他のユーザーは、再起動するまで、同じ仮想マシンのコンソールを開くことはできません。例外は、SuperUser がいつでも接続でき、既存の接続を置き換えることができることです。SuperUser が接続すると、仮想マシンの再起動まで通常のユーザーは再度接続できません。

以前のユーザーのセッションを新しいユーザーに公開する可能性があるため、厳密なチェックを無効にする場合には注意してください。

不要。

Soundcard Enabled

すべての仮想マシンのユースケースには、サウンドカードデバイスは必要ありません。自分用の場合は、ここでサウンドカードを有効にします。

必要。

Enable SPICE file transfer

ユーザーが、外部ホストから仮想マシンの SPICE コンソールに、ファイルをドラッグアンドドロップできるかどうかを定義します。このオプションは、SPICE プロトコルを使用する仮想マシンでのみ利用できます。このチェックボックスはデフォルトで選択されています。

不要。

Enable SPICE clipboard copy and paste

ユーザーが、外部ホストから仮想マシンの SPICE コンソールにコンテンツをコピーして貼り付けることができるかどうかを定義します。このオプションは、SPICE プロトコルを使用する仮想マシンでのみ利用できます。このチェックボックスはデフォルトで選択されています。

不要。

シリアルコンソールセクション

設定のグループ。

 

Enable VirtIO serial console

VirtIO シリアルコンソールは、SSH とキーペアを使用して VirtIO チャネルを介してエミュレートされ、管理ポータルまたは仮想マシンポータルからコンソールを開く代わりに、クライアントマシンのコマンドラインから仮想マシンのシリアルコンソールに直接アクセスできます。Manager は接続のプロキシーとして機能するため、シリアルコンソールには Manager への直接アクセスが必要です。Manager は、仮想マシンの配置に関する情報を提供し、認証キーを保存します。チェックボックスを選択して、仮想マシンで VirtIO コンソールを有効にします。ファイアウォールルールが必要です。仮想マシンのシリアルコンソール表示 を参照してください。

必要。

A.1.5. 仮想マシンホストの設定に関する説明

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの Host タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

表A.5 仮想マシン: Host 設定

フィールド名サブ要素説明電源の入れ直しは必要か ?

Start Running On

 

仮想マシンを実行する優先ホストを定義します。以下のいずれかを選択します。

  • Any Host in Cluster - 仮想マシンは、クラスター内の利用可能な任意のホストで起動し、実行できます。
  • Specific Host(s) - 仮想マシンはクラスター内の特定のホストで実行を開始します。ただし、Manager または管理者は、仮想マシンの移行および高可用性設定に応じて、仮想マシンをクラスター内の別のホストに移行することができます。利用可能なホスト一覧から、特定のホストまたはホストのグループを選択します。

不要。仮想マシンは、実行中にそのホストに移行できます。

CPU options

Pass-Through Host CPU

選択すると、仮想マシンがホストの CPU フラグを使用できるようになります。これを選択すると、Migration OptionsAllow manual migration only に設定されます。

必要

 

Migrate only to hosts with the same TSC frequency

選択した場合、仮想マシンは同じ TSC 周波数のホストにしか移行できません。このオプションは、ハイパフォーマンス仮想マシンにのみ有効です。

必要

Migration Options

Migration mode

仮想マシンの実行および移行オプションを定義します。このオプションを使用しない場合、仮想マシンはそのクラスターのポリシーに従って実行または移行されます。

  • Allow manual and automatic migration - 環境のステータスに応じて自動的に、または管理者により手動で、仮想マシンをホストから別のホストに移行することができます。
  • Allow manual migration only - 仮想マシンは、管理者が手動で移行する場合にのみ、ホストから別のホストに移行できます。
  • Do not allow migration: 仮想マシンを自動または手動いずれでも移行することはできません。

不要

 

Migration policy

移行収束ポリシーを定義します。チェックボックスをオフのままにすると、ホストがポリシーを決定します。

  • Cluster default (Minimal downtime) - vdsm.conf のオーバーライドは引き続き適用されます。ゲストエージェントフックメカニズムが無効になっています。
  • Minimal downtime - 一般的な状況において、仮想マシンを移行できます。仮想マシンで重大なダウンタイムは発生しません。移行は、長時間 (QEMU の反復により最大 500 ミリ秒) が経過しても仮想マシンの移行が収束されない場合に中止されます。ゲストエージェントフックメカニズムは有効化されています。
  • Post-copy migration - コピー後の移行を使用すると、ソースホスト上にある、移行予定の仮想マシンの vCPU を一時停止し、最小限のメモリーページのみを転送します。次に、移行先ホストにある仮想マシンの vCPU をアクティブにし、移行先で仮想マシンが動作中に残りのメモリーページを転送します。

    post-copy ポリシーでは、まず pre-copy を実行して収束するか検証します。長時間経過しても仮想マシンの移行が収束しない場合、post-copy に切り替わります。

    これにより、移行先の仮想マシンのダウンタイムが大幅に短縮されるとともに、移行元の仮想マシンのメモリーページがどれだけ急激に変化しても、確実に移行が完了されます。標準的な pre-copy の移行では対応できない、連続使用率の高い仮想マシンの移行に最適です。

    このポリシーの欠点として、post-copy フェーズではメモリーの不足部分がホスト間で転送されるため、仮想マシンが大幅に遅くなる可能性があります。

    警告

    post-copy プロセスの完了前にネットワーク接続が切断されると、Manager は一時停止し、実行中の仮想マシンを強制終了します。仮想マシンの可用性が重要である場合や、移行ネットワークが不安定な場合は、post-copy migration を使用しないでください。

  • Suspend workload if needed - 仮想マシンが負荷の高いワークロードを実行している場合も含め、ほとんどの状況で仮想マシンを移行できます。そのため、仮想マシンで他の設定よりも大きなダウンタイムが生じる場合があります。ワークロードが極端な場合、移行が中止される可能性があります。ゲストエージェントフックメカニズムは有効化されています。

不要

 

Enable migration encryption

移行中に仮想マシンを暗号化できるようにします。

  • Cluster default
  • Encrypt
  • Don't encrypt

不要

 

Parallel Migrations

使用する並列移行接続の有無と数を指定できます。

  • Cluster default: 並列移行接続は、クラスターのデフォルトによって決定されます。
  • Disabled: 仮想マシンは、単一の非並列接続を使用して移行されます。
  • Auto: 並列接続の数は自動的に決定されます。この設定により、並列接続が自動的に無効になる可能性があります。
  • Auto Parallel: 並列接続の数は自動的に決定されます。
  • Custom: 並列接続の優先数を指定できます。実際の数はそれより少ない場合があります。
 
 

Number of VM Migration Connections

この設定は、Custom が選択されている場合にのみ利用できます。カスタム並列移行の推奨数は 2 から 255 です。

 

Configure NUMA

NUMA Node Count

仮想マシンに割り当てることができるホストで利用可能な仮想 NUMA ノードの数。

不要

 

NUMA Pinning

NUMA Topology ウィンドウを開きます。このウィンドウには、ホストの合計 CPU、メモリー、NUMA ノード、および仮想マシンの仮想 NUMA ノードが表示されます。右側のボックスから左側の NUMA ノードに各 vNUMA をクリックアンドドラッグすることで、仮想 NUMA ノードを手動でホストの NUMA ノードに固定することができます。

メモリー割り当てに Tune Mode を設定することもできます。

Strict - メモリーをターゲットノードに割り当ることができない場合は、メモリーの割り当てに失敗します。

Preferred - メモリーは、1 つの優先ノードから割り当てられます。十分なメモリーが利用できない場合は、他のノードからメモリーを割り当てることができます。

Interleave - メモリーはラウンドロビンアルゴリズムで全ノードに割り当てられます。

NUMA ピニングを定義する場合に、Migration OptionsAllow manual migration only に設定されます。

必要

A.1.6. 仮想マシンの High Availability の設定に関する説明

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの High Availability タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

表A.6 仮想マシン: High Availability 設定

フィールド名説明電源の入れ直しは必要か ?

Highly Available

仮想マシンを高可用性にする場合には、このチェックボックスを選択します。たとえば、ホストのメンテナンスの場合には、自動的に別のホストへの全仮想マシンのライブマイグレーションが行われます。ホストがクラッシュし、応答しない状態になった場合、高可用性の仮想マシンのみが別のホストで再起動します。ホストがシステム管理者により手動でシャットダウンされた場合、別のホストへの仮想マシンのライブマイグレーションは自動的に行われません。

Hosts タブの Migration Options 設定が Do not allow migration である場合、このオプションは Server または Desktop として定義された仮想マシンでは利用できないことに注意してください。高可用性の仮想マシンであれば、Manager が必要に応じて仮想マシンを他の利用可能なホストに移行できる必要があります。

ただし、High Performance として定義された仮想マシンでは、Migration Options の設定にかかわらず、高可用性を定義できます。

必要。

Target Storage Domain for VM Lease

仮想マシンのリースを保持するストレージドメインを選択するか、No VM Lease を選択して機能を無効にします。ストレージドメインを選択すると、特殊なボリュームに仮想マシンのリースが保持され、元のホストが電源を失った場合や応答しなくなった場合に、仮想マシンを別のホストで起動することができます。

この機能は、ストレージドメイン V4 以降でのみ利用できます。

注記

リースを定義すると、利用可能な Resume Behavior は KILL だけになります。

必要。

Resume Behavior

ストレージとの接続が再確立された後の、ストレージ I/O エラーのために一時停止した仮想マシンの必要な動作を定義します。仮想マシンが高可用性ではない場合でも、必要な再開動作を定義できます。

以下のオプションを設定できます。

  • AUTO_RESUME - 仮想マシンはユーザーの介入なしに自動的に再開されます。これは、高可用性ではなく、一時停止状態になった後にユーザーの介入を必要としない仮想マシンに推奨されます。
  • LEAVE_PAUSED: 仮想マシンは、手動で再開または再起動されるまで、一時停止モードのままでいます。
  • KILL - I/O エラーが 80 秒以内に解消されると、仮想マシンは自動的に再開されます。ただし、80 秒以上経過すると、仮想マシンは強制的にシャットダウンされます。これは、高可用性の仮想マシンに推奨されます。Manager は、ストレージ I/O エラーが発生していない別のホストで仮想マシンを再起動できます。

    仮想マシンのリースを使用する場合、使用できる唯一のオプションは KILL です。

不要。

Priority for Run/Migration queue

別のホストに移行または再起動する仮想マシンの優先度を設定します。

不要。

Watchdog

ユーザーが Watchdog カードを仮想マシンにアタッチできるようにします。Watchdog は、障害を自動的に検出して復旧するために使用されるタイマーです。設定すると、Watchdog タイマーは、システムの動作中に継続的にゼロまでカウントダウンし、ゼロに到達しないように、システムによって定期的に再起動されます。タイマーがゼロに達すると、システムがタイマーをリセットできず、エラーが発生していることを示します。その後、障害に対応するために是正措置が実行されます。この機能は、高可用性を要求するサーバーに特に便利です。

Watchdog Model: 仮想マシンに割り当てる Watchdog カードのモデル。現在サポートされているモデルは i6300esb のみです。

Watchdog Action: Watchdog タイマーがゼロに達した場合に実行するアクション。以下のアクションを使用できます。

  • none: アクションは実行されません。ただし、Watchdog イベントは監査ログに記録されます。
  • reset: 仮想マシンがリセットされ、Manager にリセットアクションが通知されます。
  • poweroff: 仮想マシンが直ちにシャットダウンされます。
  • dump: ダンプが実行され、仮想マシンが一時停止されます。ゲストのメモリーは libvirt によりダンプされるため、kdump や pvpanic は必要ありません。ダンプファイルは、ホストの /etc/libvirt/qemu.conf ファイルの auto_dump_path により設定されるディレクトリーに作成されます。
  • pause: 仮想マシンは一時停止され、ユーザーが再開できます。

必要。

A.1.7. 仮想マシンのリソース割り当て設定に関する説明

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの Resource Allocation タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

表A.7 仮想マシン: Resource Allocation 設定

フィールド名サブ要素説明電源の入れ直しは必要か ?

CPU Allocation

CPU Profile

仮想マシンに割り当てられた CPU プロファイル。CPU プロファイルは、仮想マシンが、実行しているホストでアクセスできる最大処理機能を定義します。これは、そのホストで利用可能な処理能力の合計に対する割合で表現されます。CPU プロファイルは、データセンター用に作成された QoS (Quality of Service) エントリーに基づいてクラスターに対して定義されます。

不要。

 

CPU Shares

他の仮想マシンと比較して仮想マシンが要求できる CPU リソースのレベルをユーザーが設定できるようにします。

  • Low - 512
  • Medium - 1024
  • High - 2048
  • Custom: ユーザーが定義した CPU 共有のカスタムレベル。

いいえ

 

CPU Pinning Policy

  • None - CPU ピニングなしで実行します。
  • Manual - 特定の物理 CPU および特定のホスト上で、手動で指定された仮想 CPU を実行します。仮想マシンがホストに固定されている場合にのみ使用できます。
  • Resize and Pin NUMA の固定 - ホストに従って仮想マシンの仮想 CPU と NUMA トポロジーのサイズを変更し、それらをホストリソースに固定します。
  • Dedicated - 仮想 CPU をホスト物理 CPU に排他的に固定します。クラスター互換性レベル 4.7 以降で使用できます。仮想マシンで NUMA が有効になっている場合は、すべてのノードの固定を解除する必要があります。
  • Isolate Threads - 仮想 CPU をホスト物理 CPU に排他的に固定します。各仮想 CPU は物理コアを取得します。クラスター互換性レベル 4.7 以降で使用できます。仮想マシンで NUMA が有効になっている場合は、すべてのノードの固定を解除する必要があります。

いいえ

 

CPU Pinning topology

仮想マシンの仮想 CPU (vCPU) を、特定ホストの特定の物理 CPU (pCPU) で実行できるようにします。CPU ピニングの構文は v#p[_v#p] です。次に例を示します。

  • 0#0 - vCPU 0 を pCPU 0 に固定します。
  • 0#0_1#3 - vCPU 0 を pCPU 0 に固定し、vCPU 1 を pCPU 3 に固定します。
  • 1#1-4,^2 - vCPU 1 を、pCPU 2 を除く 1 から 4 の範囲の pCPU のいずれかに固定します。

CPU Pinning PolicyResize and Pin NUMA ピニングを選択すると、CPU Pinning Topology が自動的に設定されます。

仮想マシンをホストに固定するには、Host タブで以下も選択する必要があります。

  • Start Running On: Specific
  • Pass-Through Host CPU

CPU ピニングが設定されていて、Start Running On: Specific を変更した場合には、OK をクリックすると CPU pinning topology will be lost ウィンドウが表示されます。

定義すると、Hosts タブの Migration OptionsAllow manual migration only に設定されます。

必要。

Memory Allocation

Physical Memory Guaranteed

この仮想マシンに対して保証される物理メモリーの量。0 からこの仮想マシンに定義されたメモリーの間の任意の数でなければなりません。

設定を下げた場合は必要。それ以外の場合は不要。

 

Memory Balloon Device Enabled

この仮想マシンのメモリーバルーンデバイスを有効にします。クラスターでメモリーのオーバーコミットを許可するには、この設定を有効にします。アプリケーションが、瞬時に大量のメモリーを割り当てつつ、定義したメモリーと同じ値に保証メモリーを設定する場合には、この設定を有効にします。バルーン設定は、メモリーをゆっくり消費する場合、メモリーを時々開放する場合または、仮想デスクトップのように長期間休眠状態のままの場合のアプリケーションに使用します。詳細は、管理ガイド説明されている最適化設定 を参照してください。

必要。

Trusted Platform Module

TPM Device Enabled

エミュレートされた Trusted Platform Module (TPM) デバイスの追加を有効にします。エミュレートされた Trusted Platform Module デバイスを仮想マシンに追加するには、このチェックボックスを選択します。TPM デバイスは、UEFI ファームウェアが搭載されている x86_64 マシンと、pSeries ファームウェアがインストールされた PowerPC マシンでのみ使用できます。詳細は、トラステッドプラットフォームモジュールデバイスの追加 を参照してください。

必要。

IO Threads

IO Threads Enabled

IO スレッドを有効にします。仮想マシンの他の機能とは別のスレッドにディスクをピニングして、VirtIO インターフェイスを備えたディスクの速度を向上させるには、このチェックボックスを選択します。ディスクのパフォーマンスが向上すると、仮想マシンの全体的なパフォーマンスが向上します。VirtIO インターフェイスのあるディスクは、ラウンドロビンアルゴリズムを使用して IO スレッドに固定されます。

必要。

Queues

Multi Queues Enabled

複数のキューを有効にします。このチェックボックスはデフォルトで選択されています。利用可能な vCPU の数に応じて、vNIC ごとに最大 4 つのキューを作成します。

以下のようにカスタムプロパティーを作成して、vNIC ごとに異なる数のキューを定義できます。

engine-config -s "CustomDeviceProperties={type=interface;prop={other-nic-properties;queues=[1-9][0-9]*}}"

ここでは、other-nic-properties は、既存の NIC カスタムプロパティーのリストをセミコロンで区切っています。

必要。

 

VirtIO-SCSI Enabled

ユーザーが仮想マシンで VirtIO-SCSI の使用を有効または無効にできるようにします。

該当なし。

 

VirtIO-SCSI Multi Queues Enabled

VirtIO-SCSI Multi Queues Enabled オプションは、VirtIO-SCSI Enabled が選択されている場合にのみ利用できます。VirtIO-SCSI ドライバーで複数のキューを有効にするには、このチェックボックスを選択します。仮想マシン内の複数のスレッドが仮想ディスクにアクセスする場合に、この設定により、I/O スループットを向上させることができます。コントローラーに接続されているディスクの数と利用可能な vCPU の数に応じて、VirtIO-SCSI コントローラーごとに最大 4 つのキューを作成します。

該当なし。

Storage Allocation

 

Storage Allocation オプションは、仮想マシンがテンプレートから作成される場合にのみ利用できます。

該当なし。

 

Thin

ストレージ容量の最適な使用を可能にします。ディスク領域は、必要な場合にのみ割り当てられます。このオプションを選択すると、ディスクの形式は QCOW2 とマークされ、これを変更することはできません。

該当なし。

 

Clone

ゲストの読み取り/書き込み操作の速度に最適化されます。テンプレートで要求されるディスク領域はすべて、クローン作成操作時に割り当てられます。設定可能なディスク形式は QCOW2 または Raw です。

該当なし。

Disk Allocation

 

Disk Allocation オプションは、テンプレートから仮想マシンを作成する場合にのみ利用できます。

該当なし。

 

Alias

仮想ディスクのエイリアス。デフォルトでは、エイリアスはテンプレートと同じ値に設定されます。

該当なし。

 

Virtual Size

テンプレートをベースとする仮想マシンが使用できるディスク容量の合計。この値は編集できませんが、参考としてのみ提示されています。

該当なし。

 

Format

仮想ディスクの形式。利用可能なオプションは、QCOW2 および Raw です。Storage AllocationThin の場合、ディスク形式は QCOW2 になります。Storage Allocation が Clone の場合、QCOW2 または Raw を選択します。

該当なし。

 

Target

仮想ディスクが保存されるストレージドメイン。デフォルトでは、ストレージドメインはテンプレートと同じ値に設定されます。

該当なし。

 

Disk Profile

仮想ディスクに割り当てるディスクプロファイル。ディスクプロファイルは、データセンターで定義されたストレージプロファイルに基づいて作成されます。詳細は、ディスクプロファイルの作成 を参照してください。

該当なし。

A.1.8. 仮想マシンの Boot Options の設定に関する説明

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの Boot Options タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

表A.8 仮想マシン: Boot Options 設定

フィールド名説明電源の入れ直しは必要か ?

First Device

新しい仮想マシンをインストールした後に、新しい仮想マシンの電源を入れる前に Boot モードに切り換える必要があります。仮想マシンが起動を試みる必要がある最初のデバイスを選択します。

  • Hard Disk
  • CD-ROM
  • Network (PXE)

必要。

Second Device

最初のデバイスが利用できない場合に仮想マシンの起動に使用する 2 番目のデバイスを選択します。前項のオプションで選択した最初のデバイスは、オプションには表示されません。

必要。

Attach CD

起動デバイスとして CD-ROM を選択した場合は、このチェックボックスを選択し、ドロップダウンメニューから CD-ROM イメージを選択します。イメージは ISO ドメインで利用可能でなければなりません。

必要。

Enable menu to select boot device

起動デバイスを選択するためのメニューを有効にします。仮想マシンが起動し、コンソールに接続した後、仮想マシンが起動を開始する前に、起動デバイスを選択できるメニューが表示されます。必要なインストールメディアを選択できるようにするには、最初の起動前にこのオプションを有効にする必要があります。

必要。

A.1.9. 仮想マシンの Random Generator の設定に関する説明

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの Random Generator タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

表A.9 仮想マシン: Random Generator 設定

フィールド名説明電源の入れ直しは必要か ?

Random Generator enabled

このチェックボックスを選択すると、準仮想化乱数ジェネレーター PCI デバイス (virtio-rng) が有効になります。このデバイスを使用すると、より高度な乱数を生成するために、ホストから仮想マシンにエントロピーを渡すことができます。このチェックボックスは、ホストに RNG デバイスが存在し、ホストのクラスターで有効にされている場合にのみ選択できる点に注意してください。

必要。

Period duration (ms)

RNG の full cycle または full period の期間をミリ秒単位で指定します。省略すると、libvirt のデフォルトである 1000 ミリ秒 (1 秒) が使用されます。このフィールドが入力されている場合は、Bytes per period にも入力する必要があります。

必要。

Bytes per period

期間ごとに使用できるバイト数を指定します。

必要。

Device source:

乱数ジェネレーターのソース。これは、ホストのクラスターでサポートされているソースに応じて自動的に選択されます。

  • /dev/urandom source: Linux が提供する乱数ジェネレーター。
  • /dev/hwrng source: 外部のハードウェアジェネレーター。

必要。

A.1.10. 仮想マシンの Custom Properties の設定に関する説明

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの Custom Properties タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

表A.10 仮想マシンの Custom Properties の設定

フィールド名説明推奨事項および制限電源の入れ直しは必要か ?

sndbuf

ソケットで仮想マシンの送信データを送信するバッファーのサイズを入力します。デフォルト値は 0 です。

-

必要

hugepages

Huge Page のサイズ (KB) を入力します。

  • Huge Page サイズは、ピニングされたホストでサポートされる最大サイズに設定します。
  • X86_64 の推奨サイズは 1 GB です。
  • 仮想マシンの Huge Page サイズは、ピニングされたホストの Huge Page サイズと同じである必要があります。
  • 仮想マシンのメモリーサイズは、ピニングされたホストの空き Huge Page に選択したサイズに収まる必要があります。NUMA ノードサイズは、Huge Page の選択したサイズの倍数である必要があります。

必要

vhost

仮想マシンに接続されている仮想ネットワークインターフェイスカードのカーネルベースの virtio ネットワークドライバーである vhost-net を無効にします。vhost を無効にするには、このプロパティーの形式は LogicalNetworkName: false です。

これにより、LogicalNetworkName に接続されている仮想 NIC の vhost-net 設定なしで仮想マシンを明示的に起動します。

vhost-net は virtio-net よりも優れたパフォーマンスを提供します。存在する場合は、デフォルトですべての仮想マシン NIC で有効になっています。このプロパティーを無効にすると、パフォーマンスの問題の分離および診断、または vhost-net エラーのデバッグが容易になります。たとえば、vhost が存在しない仮想マシンが移行に失敗した場合などです。

必要

sap_agent

仮想マシンで SAP モニタリングを有効にします。true または false に設定します。

-

viodiskcache

virtio ディスクのキャッシュモード。writethrough の場合、データをキャッシュとキャッシュに並行して書き込み、writeback の場合は、キャッシュからディスクに変更をコピーせず、noneの場合はキャッシュを無効にします。

移行中ストレージ、ネットワーク、またはホストに障害が発生した場合にデータの整合性を確保するために、仮想マシンのクラスターリングまたはアプリケーションレベルのクラスターリングも有効にしない限り、viodiskcache が有効になっている仮想マシンを移行しないでください。

必要

scsi_hostdev

必要に応じて、SCSI ホストデバイスを仮想マシンに追加する場合は、最適な SCSI ホストデバイスドライバーを指定できます。詳細は、仮想マシンへのホストデバイスの追加 を参照してください。

  • scsi_generic: (デフォルト) ゲストオペレーティングシステムが、ホストにアタッチされている OS サポートの SCSI ホストデバイスにアクセスできるようにします。テープまたは CD チェンジャーなどの RAW アクセスを必要とする SCSI メディアチェンジャーには、このドライバーを使用します。
  • scsi_block: scsi_generic と類似しますが、速度と信頼性が向上しています。SCSI ディスクデバイスに使用します。ベースとなるデバイスのトリムまたは破棄が望ましく、それがハードディスクである場合は、このドライバーを使用します。
  • scsi_hd: オーバーヘッドが低いパフォーマンスを提供します。多数のデバイスに対応します。標準の SCSI デバイスの命名スキームを使用します。aio-native と使用することができます。このドライバーは、ハイパフォーマンスの SSD に使用します。
  • virtio_blk_pci: SCSI オーバーヘッドなしで最高のパフォーマンスを提供します。シリアル番号によるデバイスの識別に対応します。

不明な場合は、scsi_hd を試してください。

必要

警告

sndbuf カスタムプロパティーの値を増やすと、ホストと応答しない仮想マシン間で通信に失敗するケースが増加します。

A.1.11. 仮想マシンの Icon の設定に関する説明

カスタムアイコンを仮想マシンおよびテンプレートに追加できます。カスタムアイコンは、VM ポータルで仮想マシンを区別するのに役立ちます。以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの Icon タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

注記

この表には、電源の入れ直しが必要かどうかに関する情報は含まれません。これらの設定が、仮想マシンの設定ではなく 管理ポータルでの外観 に適用されるためです。

表A.11 仮想マシン: Icon 設定

ボタン名説明

Upload

仮想マシンのアイコンとして使用するカスタムイメージを選択するには、このボタンをクリックします。以下の制限が適用されます。

  • サポートされる形式: jpg、png、gif
  • 最大サイズ: 24 KB
  • 最大寸法: 150px 幅, 120px 高さ

電源の入れ直しは必要か ?

Default の使用

A.1.12. 仮想マシンの Foreman/Satellite 設定の説明

以下の表は、New Virtual Machine および Edit Virtual Machine ウィンドウの Foreman/Satellite タブで利用可能なオプションの詳細を示しています。

表A.12 仮想マシン:Foreman/Satellite の設定

フィールド名説明電源の入れ直しは必要か ?

Provider

仮想マシンが Red Hat Enterprise Linux を実行し、システムが Satellite サーバーと連携するように設定されている場合には、一覧から Satellite の名前を選択します。これにより、Satellite のコンテンツ管理機能を使用して、この仮想マシンに関連するエラータを表示できます。詳細は、Satellite エラータの設定 を参照してください。

必要。

A.2. Run once ウィンドウの設定に関する説明

Run Once ウィンドウは、仮想マシンの 1 回限りの起動オプションを定義します。永続的な起動オプションについては、New Virtual Machine ウィンドウの Boot Options タブを使用します。Run Once ウィンドウには、設定可能な複数のセクションが含まれます。

独立したRollback this configuration during reboots チェックボックスは、(Manager による、またはゲスト内からの) 再起動をウォーム (ソフト) またはコールド (ハード) にするかどうかを指定します。通常の (Run Onceではない) 設定で仮想マシンを再起動するコールドリブートを設定するには、このチェックボックスを選択します。仮想マシンの Run Once 設定を維持するウォームリブートを設定するには、このチェックボックスの選択を解除します。

Boot Options セクションでは、仮想マシンのブートシーケンス、実行オプション、およびオペレーティングシステムおよび必要なドライバーをインストールするためのソースイメージを定義します。

注記

以下の表には、電源の入れ直しが必要かどうかに関する情報は含まれません。これらの 1 回限りの起動オプション は仮想マシンを再起動した場合にのみ適用されるためです。

表A.13 起動オプションセクション

フィールド名説明

Attach CD

ISO イメージを仮想マシンにアタッチします。仮想マシンのオペレーティングシステムおよびアプリケーションをインストールするには、このオプションを使用します。CD イメージは ISO ドメインに存在する必要があります。

Attach Windows guest tools CD

virtio-win ISO イメージを使用して、セカンダリー仮想 CD-ROM を仮想マシンにアタッチします。Windows ドライバーをインストールするには、このオプションを使用します。イメージのインストールについての詳細は、管理ガイドVirtIO イメージファイルのストレージドメインへのアップロード を参照してください。

Enable menu to select boot device

起動デバイスを選択するためのメニューを有効にします。仮想マシンが起動し、コンソールに接続した後、仮想マシンが起動を開始する前に、起動デバイスを選択できるメニューが表示されます。必要なインストールメディアを選択できるようにするには、最初の起動前にこのオプションを有効にする必要があります。

Start in Pause Mode

仮想マシンを起動してから一時停止し、コンソールへの接続を有効にします。リモートにある仮想マシンに適しています。

Predefined Boot Sequence

仮想マシンを開始する時に起動デバイスを使用する順序を決定します。Hard DiskCD-ROM、または Network (PXE) を選択し、Up および Down を使用して一覧内でオプションを上下に移動します。

Run Stateless

シャットダウン時にデータおよび仮想マシンへの設定変更をすべて削除します。このオプションは、仮想ディスクが仮想マシンにアタッチされている場合にのみ利用できます。

Linux Boot Options セクションには、BIOS ブートローダー経由ではなく、Linux カーネルを直接起動するためのフィールドが含まれます。

表A.14 Linux 起動オプションセクション

フィールド名説明

kernel path

仮想マシンを起動するためのカーネルイメージへの完全修飾パス。カーネルイメージは、ISO ドメイン (iso://path-to-image 形式のパス名) またはホストのローカルストレージドメイン (/data/images形式のパス名) のいずれかに保存する必要があります。

initrd path

前のステップで指定したカーネルで使用する ramdisk イメージへの完全修飾パス。ramdisk イメージは、ISO ドメイン (iso://path-to-image 形式のパス名) またはホストのローカルストレージドメイン (/data/images形式のパス名) に保存する必要があります。

kernel parameters

起動時に定義されたカーネルで使用するカーネルコマンドラインパラメーター文字列。

Initial Run セクションを使用して、仮想マシンの初期化に Cloud-Init または Sysprep のどちらを使用するかを指定します。Linux ベースの仮想マシンの場合は、Initial Run タブで Use Cloud-Init チェックボックスを選択して利用可能なオプションを確認する必要があります。Windows ベースの仮想マシンの場合は、Boot Options タブで Attach Floppy チェックボックスを選択し、一覧からフロッピーを選択して、[sysprep] フロッピーをアタッチする必要があります。

Initial Run セクションで利用可能なオプションは、仮想マシンのベースになっているオペレーティングシステムによって異なります。

表A.15 Initial Run セクション (Linux ベースの仮想マシン)

フィールド名説明

VM Hostname

仮想マシンのホスト名。

Configure Time Zone

仮想マシンのタイムゾーン。このチェックボックスを選択し、Time Zone リストからタイムゾーンを選択します。

Authentication

仮想マシンの認証情報。開示の矢印をクリックして、このオプションの設定を表示します。

AuthenticationUser Name

仮想マシンに新規ユーザーアカウントを作成します。このフィールドを入力しない場合、デフォルトのユーザーは root になります。

AuthenticationUse already configured password

このチェックボックスは、初期 root パスワードを指定した後に自動的に選択されます。Password および Verify Password フィールドを有効にして新しいパスワードを指定するには、このチェックボックスの選択を解除する必要があります。

AuthenticationPassword

仮想マシンの root パスワード。このテキストフィールドおよび Verify Password テキストフィールドにパスワードを入力し、パスワードを確認します。

AuthenticationSSH Authorized Keys

仮想マシンの認証キーファイルに追加される SSH キー。

AuthenticationRegenerate SSH Keys

仮想マシンの SSH キーを再生成します。

Networks

仮想マシンのネットワーク関連の設定。開示の矢印をクリックして、このオプションの設定を表示します。

NetworksDNS Servers

仮想マシンが使用する DNS サーバー。

NetworksDNS Search Domains

仮想マシンが使用する DNS 検索ドメイン。

NetworksNetwork

仮想マシンのネットワークインターフェイスを設定します。仮想マシンにネットワークインターフェイスを追加または削除するには、このチェックボックスを選択し、+ または - をクリックします。+ をクリックすると、DHCP を使用するかを指定し、IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイを設定し、ネットワークインターフェイスが起動時に起動するかどうかを指定できる一連のフィールドが表示されます。

Custom Script

起動時に仮想マシンで実行されるカスタムスクリプト。このフィールドに入力されるスクリプトは、Manager が生成したものに追加されるカスタム YAML セクションで、ユーザーおよびファイルの作成、yum リポジトリーの設定、コマンドの実行などのタスクを自動化できます。このフィールドに指定できるスクリプトの形式に関する詳細は、Custom Script のドキュメントを参照してください。

表A.16 Initial Run セクション (Windows ベースの仮想マシン)

フィールド名説明

VM Hostname

仮想マシンのホスト名。

Domain

仮想マシンが属する Active Directory ドメイン。

Organization Name

仮想マシンが属する組織の名前。このオプションは、Windows を実行しているマシンの初回開始時に表示される組織名を設定するテキストフィールドに対応します。

Active Directory OU

仮想マシンが属する Active Directory ドメインの組織単位。識別名を指定する必要があります。(例: CN=Users,DC=lab,DC=local)。

Configure Time Zone

仮想マシンのタイムゾーン。このチェックボックスを選択し、Time Zone リストからタイムゾーンを選択します。

Admin Password

仮想マシンの管理ユーザーパスワード。開示の矢印をクリックして、このオプションの設定を表示します。

Admin PasswordUse already configured password

このチェックボックスは、初期管理ユーザーパスワードを指定した後に自動的に選択されます。Admin Password および Verify Admin Password フィールドを有効にして新しいパスワードを指定するには、このチェックボックスの選択を解除する必要があります。

Admin PasswordAdmin Password

仮想マシンの管理ユーザーパスワード。このテキストフィールドおよび Verify Admin Password テキストフィールドにパスワードを入力し、パスワードを確認します。

Custom Locale

ロケールは、en-US などの形式である必要があります。開示の矢印をクリックして、このオプションの設定を表示します。

Custom LocaleInput Locale

ユーザー入力用のロケール。

Custom LocaleUI Language

ボタンやメニューなどのユーザーインターフェイス要素に使用される言語。

Custom LocaleSystem Locale

システム全体のロケール。

Custom LocaleUser Locale

ユーザーのロケール。

Sysprep

カスタムの Sysprep 定義。定義は、完全な無人インストールの応答ファイルの形式である必要があります。Red Hat Virtualization Manager がインストールされているマシンの /usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ ディレクトリーのデフォルトの応答ファイルをコピーして貼り付け、必要に応じてフィールドを変更できます。この定義は、Initial Run フィールドに入力したすべての値を上書きします。詳細は、ジョブテンプレート を参照してください。

Domain

仮想マシンが属する Active Directory ドメイン。空白のままにすると、以前の Domain フィールドの値が使用されます。

Alternate Credentials

このチェックボックスを選択すると、User NamePassword を代替認証情報として設定できます。

System セクションでは、サポートされるマシンタイプまたは CPU タイプを定義できます。

表A.17 System セクション

フィールド名説明

Custom Emulated Machine

このオプションを使用すると、マシンタイプを指定できます。変更すると、仮想マシンはこのマシンタイプをサポートするホストでのみ実行されます。デフォルトはクラスターのデフォルトのマシンタイプです。

Custom CPU Type

このオプション使用すると、CPU タイプを指定できます。変更すると、仮想マシンはこの CPU タイプをサポートするホストでのみ実行されます。デフォルトはクラスターのデフォルトの CPU タイプです。

Host セクションは、仮想マシンのホストを定義するために使用されます。

表A.18 Host セクション

フィールド名説明

Any host in cluster

仮想マシンを利用可能な任意のホストに割り当てます。

Specific Host(s)

仮想マシンのユーザー定義ホストを指定します。

Console セクションは、仮想マシンに接続するためのプロトコルを定義します。

表A.19 Console セクション

フィールド名説明

Headless Mode

マシンの初回実行時にグラフィカルコンソールが必要ない場合は、このオプションを選択します。詳細は、ヘッドレスマシンの設定 を参照してください。

VNC

VNC を使用して仮想マシンに接続するには、VNC クライアントが必要です。必要に応じて、ドロップダウンリストから VNC Keyboard Layout を指定します。

SPICE

Linux および Windows 仮想マシン用に推奨されるプロトコル。QXLDOD ドライバーでの SPICE プロトコルの使用は、Windows 10 および Windows Server 2016 以降の仮想マシンでサポートされています。

Enable SPICE file transfer

外部ホストから仮想マシンの SPICE コンソールに、ファイルをドラッグアンドドロップできるかどうかを決定します。このオプションは、SPICE プロトコルを使用する仮想マシンでのみ利用できます。このチェックボックスはデフォルトで選択されています。

Enable SPICE clipboard copy and paste

外部ホストから仮想マシンの SPICE コンソールにコンテンツをコピーして貼り付けることができるかどうかを定義します。このオプションは、SPICE プロトコルを使用する仮想マシンでのみ利用できます。このチェックボックスはデフォルトで選択されています。

Custom Properties セクションには、仮想マシンを実行するための追加の VDSM オプションが含まれます。詳細は、新しい仮想マシンのカスタムプロパティー を参照してください。

A.3. New Network Interface および Edit Network Interface ウィンドウの設定に関する説明

これらの設定は、仮想マシンのネットワークインターフェイスの追加または編集時に適用されます。仮想マシンに複数のネットワークインターフェイスが割り当てられている場合は、仮想マシンを複数の論理ネットワークに配置することができます。

表A.20 ネットワークインターフェイスの設定

フィールド名説明電源の入れ直しは必要か ?

Name

ネットワークインターフェイスの名前。このテキストフィールドには 21 文字の制限があり、大文字、小文字、数字、ハイフン、およびアンダースコアの組み合わせが含まれる一意の名前である必要があります。

不要。

Profile

vNIC プロファイルおよびネットワークインターフェイスが配置されている論理ネットワーク。デフォルトでは、すべてのネットワークインターフェイスが ovirtmgmt 管理ネットワークに配置されます。

不要。

Type

ネットワークインターフェイスが仮想マシンに提示する仮想インターフェイス。

  • rtl8139 および e1000 デバイスドライバーは、ほとんどのオペレーティングシステムに含まれています。
  • VirtIO はより高速ですが、VirtIO ドライバーが必要になります。Red Hat Enterprise Linux 5 以降には VirtIO ドライバーが含まれています。Windows には VirtIO ドライバーは含まれていませんが、ゲストツール ISO または仮想フロッピーディスクからインストールできます。
  • PCI Passthrough を使用すると、SR-IOV 対応 NIC の仮想機能 (VF) に vNIC を直接接続できるようになります。次に、vNIC はソフトウェアによるネットワーク仮想化をバイパスして、VF に直接接続してデバイスを割り当てます。選択した vNIC プロファイルでは Passthrough も有効にする必要があります。

必要。

Custom MAC address

カスタムの MAC アドレスを設定するには、このオプションを選択します。Red Hat Virtualization Manager は、ネットワークインターフェイスを特定するために環境で固有の MAC アドレスを自動的に生成します。同じネットワークで同じ MAC アドレスを持つ 2 つのデバイスをオンラインにすると、ネットワークの競合が発生します。

必要。

Link State

ネットワークインターフェイスが論理ネットワークに接続されているかどうかを示します。

  • Up: ネットワークインターフェイスはスロットにあります。

    • Card StatusPlugged の場合、ネットワークインターフェイスがネットワークケーブルに接続され、アクティブであることを意味します。
    • Card StatusUnplugged の場合、ネットワークインターフェイスは自動的にネットワークに接続され、結線されるとアクティブになります。
  • Down: ネットワークインターフェイスはスロットにありますが、どのネットワークにも接続されていません。この状態では仮想マシンは実行できません。

不要。

Card Status

ネットワークインターフェイスが仮想マシンで定義されているかどうかを示します。

  • Plugged: ネットワークインターフェイスが仮想マシンで定義されています。

    • Link StateUp の場合、ネットワークインターフェイスがネットワークケーブルに接続され、アクティブであることを意味します。
    • Link StateDown の場合、ネットワークインターフェイスはネットワークケーブルに接続されていません。
  • Unplugged: ネットワークインターフェイスは Manager でのみ定義され、仮想マシンに関連付けられていません。

    • Link StateUp の場合、ネットワークインターフェイスが結線されると、自動的にネットワークに接続され、アクティブになります。
    • Link StateDown の場合、ネットワークインターフェイスは仮想マシンで定義されるまでどのネットワークにも接続されません。

不要。

A.4. New Virtual Disk および Edit Virtual Disk ウィンドウの設定に関する説明

注記

以下の表には、電源の入れ直しが必要かどうかに関する情報は含まれません。その情報が以下のシナリオに該当しないためです。

表A.21 New Virtual Disk および Edit Virtual Disk の設定: Image

フィールド名説明

Size(GB)

新しい仮想ディスクのサイズ (GB 単位)。

Alias

仮想ディスクの名前。最大で 40 文字に制限されています。

Description

仮想ディスクの説明。推奨フィールドですが、必須ではありません。

Interface

ディスクが仮想マシンに提示する仮想インターフェイス。VirtIO はより高速ですが、ドライバーが必要です。Red Hat Enterprise Linux 5 以降にはこれらのドライバーが含まれています。これらのドライバーは Windows には含まれていませんが、virtio-win ISO イメージからインストールできます。IDE および SATA デバイスは特別なドライバーを必要としません。

インターフェイスタイプは、ディスクが接続されているすべての仮想マシンを停止した後に更新できます。

Data Center

仮想ディスクが利用できるデータセンター。

Storage Domain

仮想ディスクが保存されるストレージドメイン。ドロップダウンリストには、特定のデータセンターで使用可能なすべてのストレージドメインが表示され、ストレージドメインで使用可能な合計容量と現在使用可能な容量も表示されます。

Allocation Policy

新しい仮想ディスクのプロビジョニングポリシー。

  • Preallocated は、仮想ディスクの作成時に、ディスクのサイズ全体をストレージドメインに割り当てます。事前に割り当てられたディスクの仮想サイズと実際のサイズは同じです。事前に割り当てられた仮想ディスクは、シンプロビジョニングされた仮想ディスクよりも作成に時間がかかりますが、読み取りと書き込みのパフォーマンスは向上します。サーバーやその他の I/O を多用する仮想マシンには、事前に割り当てられた仮想ディスクをお勧めします。仮想マシンが 4 秒ごとに 1GB を超える書き込みを実行できる場合は、可能であれば事前に割り当てられたディスクを使用してください。
  • Thin Provision は、仮想ディスクの作成時に 1 GB を割り当て、ディスクを拡張できるサイズの最大制限を設定します。ディスクの仮想サイズが上限です。ディスクの実際のサイズは、これまでに割り当てられたスペースです。シンプロビジョニングされたディスクは、事前に割り当てられたディスクよりも短時間で作成でき、ストレージのオーバーコミットが可能です。デスクトップには、シンプロビジョニングされた仮想ディスクが推奨されます。

Disk Profile

仮想ディスクに割り当てられたディスクプロファイル。ディスクプロファイルは、ストレージドメイン内の仮想ディスクのスループットの最大量と入出力操作の最大レベルを定義します。ディスクプロファイルは、データセンター用に作成されたストレージの Quality of Service エントリーに基づき、ストレージドメインレベルで定義されます。

Activate Disk(s)

作成後すぐに仮想ディスクをアクティブ化します。このオプションは、フローティングディスクの作成時には利用できません。

Wipe After Delete

仮想ディスクが削除されたときに機密資料を削除するための強化されたセキュリティーを有効にできます。

Bootable

仮想ディスクで起動可能のフラグを有効にします。

Shareable

一度に複数の仮想マシンに仮想ディスクを接続します。

Read-Only

ディスクを読み取り専用として設定できます。同じディスクを読み取り専用として 1 つの仮想マシンに接続したり、別の仮想マシンに再書き込み可能として接続したりできます。このオプションは、フローティングディスクの作成時には利用できません。

Enable Discard

仮想マシンが稼働しているときに、シンプロビジョニングされたディスクを縮小できます。ブロックストレージの場合、基盤となるストレージデバイスは破棄呼び出しをサポートする必要があり、基盤となるストレージが discard_zeroes_data プロパティーをサポートしない限り、このオプションを Wipe After Delete で使用することはできません。ファイルストレージの場合、基盤となるファイルシステムおよびブロックデバイスは破棄呼び出しをサポートする必要があります。すべての要件が満たされている場合、ゲスト仮想マシンから発行された SCSI UNMAP コマンドは、QEMU によって基盤となるストレージに渡され、未使用のスペースが解放されます。

Direct LUN 設定は、Targets > LUNs または LUNs > Targets のいずれかに表示できます。Targets > LUNs は、検出されたホストに従って使用可能な LUN をソートしますが、LUNs > Targets は LUN の単一のリストを表示します。

表A.22 New Virtual Disk および Edit Virtual Disk の設定: Direct LUN

フィールド名説明

Alias

仮想ディスクの名前。最大で 40 文字に制限されています。

Description

仮想ディスクの説明。推奨フィールドですが、必須ではありません。デフォルトでは、LUN ID の最後の 4 文字がフィールドに挿入されます。

デフォルトの動作は、engine-config コマンドを使用して PopulateDirectLUNDiskDescriptionWithLUNId 設定キーを適切な値に設定することで設定できます。完全な LUN ID を使用する場合は設定キーを -1 に設定し、この機能を無視する場合は 0 に設定します。正の整数は、説明に LUN ID の対応する文字数を入力します。

Interface

ディスクが仮想マシンに提示する仮想インターフェイス。VirtIO はより高速ですが、ドライバーが必要です。Red Hat Enterprise Linux 5 以降にはこれらのドライバーが含まれています。これらのドライバーは Windows には含まれていませんが、virtio-win ISO イメージからインストールできます。IDE および SATA デバイスは特別なドライバーを必要としません。

インターフェイスタイプは、ディスクが接続されているすべての仮想マシンを停止した後に更新できます。

Data Center

仮想ディスクが利用できるデータセンター。

Host

LUN がマウントされるホスト。データセンター内の任意のホストを選択できます。

Storage Type

追加する外部 LUN のタイプ。iSCSI または Fibre Channel を選択できます。

Discover Targets

iSCSI 外部 LUN を使用しており、Targets > LUNs が選択されている場合、このセクションを展開できます。

Address - ターゲットサーバーのホスト名または IP アドレス。

Port - ターゲットサーバーへの接続を試みるためのポート。デフォルトポートは 3260 です。

User Authentication - iSCSI サーバーにはユーザー認証が必要です。iSCSI 外部 LUN を使用している場合は、User Authentication フィールドが表示されます。

CHAP user name - LUN にログインする権限を持つユーザーのユーザー名。このフィールドには、User Authentication チェックボックスがオンになっている場合にアクセスできます。

CHAP password - LUN にログインする権限を持つユーザーのパスワード。このフィールドには、User Authentication チェックボックスがオンになっている場合にアクセスできます。

Activate Disk(s)

作成後すぐに仮想ディスクをアクティブ化します。このオプションは、フローティングディスクの作成時には利用できません。

Bootable

仮想ディスクで起動可能フラグを有効にすることができます。

Shareable

一度に複数の仮想マシンに仮想ディスクを接続できます。

Read-Only

ディスクを読み取り専用として設定できます。同じディスクを読み取り専用として 1 つの仮想マシンに接続したり、別の仮想マシンに再書き込み可能として接続したりできます。このオプションは、フローティングディスクの作成時には利用できません。

Enable Discard

仮想マシンが稼働しているときに、シンプロビジョニングされたディスクを縮小できます。このオプションを有効にすると、ゲスト仮想マシンから発行された SCSI UNMAP コマンドは、QEMU によって基盤となるストレージに渡され、未使用のスペースが解放されます。

Enable SCSI Pass-Through

InterfaceVirtIO-SCSI に設定されている場合に使用できます。このチェックボックスをオンにすると、物理 SCSI デバイスを仮想ディスクにパススルーできます。SCSI パススルーが有効になっている VirtIO-SCSI インターフェイスには、SCSI 廃棄のサポートが自動的に含まれています。このチェックボックスが選択されている場合、Read Only はサポートされません。

このチェックボックスが選択されていない場合、仮想ディスクはエミュレートされた SCSI デバイスを使用します。Read Only は、エミュレートされた VirtIO-SCSI ディスクでサポートされています。

Allow Privileged SCSI I/O

Enable SCSI Pass-Through チェックボックスがオンになっている場合に使用できます。このチェックボックスをオンにすると、フィルタリングされていない SCSI Generic I/O (SG_IO) アクセスが有効になり、ディスク上で特権的な SG_IO コマンドが許可されます。これは永続的な予約に必要です。

Using SCSI Reservation

Enable SCSI Pass-Through および Allow Privileged SCSI I/O チェックボックスがオンになっている場合に使用できます。このチェックボックスをオンにすると、このディスクを使用する仮想マシンの移行が無効になり、SCSI 予約を使用する仮想マシンがディスクにアクセスできなくなるのを防ぐことができます。

Discover Targets セクションのフィールドに入力し、Discover をクリックしてターゲットサーバーを検出します。次に、Login All ボタンをクリックして、ターゲットサーバーで使用可能な LUN を一覧表示し、各 LUN の横にあるラジオボタンを使用して、追加する LUN を選択します。

LUN を仮想マシンのハードディスクイメージとして直接使用すると、仮想マシンとそのデータの間の抽象化レイヤーが削除されます。

ダイレクト LUN を仮想マシンのハードディスクイメージとして使用する場合は、次の考慮事項を考慮する必要があります。

  • ダイレクト LUN ハードディスクイメージのライブストレージ移行はサポートされていません。
  • ダイレクト LUN ディスクは、仮想マシンのエクスポートには含まれません。
  • ダイレクト LUN ディスクは、仮想マシンのスナップショットには含まれていません。
重要

ジャーナルファイルシステムをマウントするには、読み取り/書き込みアクセスが必要です。Read Only オプションの使用は、そのようなファイルシステム (EXT3EXT4XFS など) を含む仮想ディスクには適していません。

A.5. New Template ウィンドウの設定に関する説明

以下の表は、New Template ウィンドウの設定の詳細を示しています。

注記

以下の表には、電源の入れ直しが必要かどうかに関する情報は含まれません。その情報が以下のシナリオに該当しないためです。

  1. New Template の設定

フィールド

説明/アクション

Name

テンプレートの名前。これは、管理ポータルの Templates タブにテンプレートが一覧表示される際の名前であり、REST API によりアクセスされる名前です。このテキストフィールドには 40 文字の制限があり、大文字、小文字、数字、ハイフン、およびアンダースコアの組み合わせが含まれ、データセンター内で一意の名前である必要があります。名前は環境内の異なるデータセンターで再利用できます。

Description

テンプレートの説明。推奨フィールドですが、必須ではありません。

Comment

テンプレートに関するプレーンテキストの人間が読めるコメントを追加するためのフィールド。

クラスター

テンプレートが関連付けられるクラスター。これは、デフォルトでは元の仮想マシンと同じです。データセンター内の任意のクラスターを選択できます。

CPU Profile

テンプレートに割り当てられた CPU プロファイル。CPU プロファイルは、仮想マシンが、実行しているホストでアクセスできる最大処理機能を定義します。これは、そのホストで利用可能な処理能力の合計に対する割合で表現されます。CPU プロファイルは、データセンター用に作成された QoS (Quality of Service) エントリーに基づいてクラスターに対して定義されます。

Create as a Template Sub-Version

テンプレートが既存のテンプレートの新しいバージョンとして作成されるかどうかを指定します。このオプションを設定するための設定にアクセスするには、このチェックボックスを選択します。

  • Root Template: サブテンプレートが追加されるテンプレート。
  • Sub-Version Name: テンプレートの名前。これは、テンプレートに基づいて新規の仮想マシンを作成するためにテンプレートにアクセスする際の名前です。仮想マシンがステートレスの場合、サブバージョンの一覧には最新のサブバージョンの名前ではなく latest のオプションが含まれます。このオプションにより、仮想マシンの再起動時に最新テンプレートのサブバージョンが自動的に適用されます。サブバージョンは、ステートレス仮想マシンのプールを使用する際に特に便利です。

Disks Allocation

Alias - テンプレートが使用する仮想ディスクのエイリアス。デフォルトでは、エイリアスはソース仮想マシンと同じ値に設定されます。

Virtual Size - テンプレートをベースとする仮想マシンが使用できるディスク容量の合計。この値は編集できませんが、参考としてのみ提示されています。この値は、ディスクの作成時または編集時に指定したサイズ (GB 単位) に対応します。

Format - テンプレートが使用する仮想ディスクの形式。設定可能なオプションは QCOW2 および Raw です。デフォルトでは、形式は Raw に設定されます。

Target - テンプレートが使用する仮想ディスクが保存されるストレージドメイン。デフォルトでは、ストレージドメインはソース仮想マシンと同じ値に設定されます。クラスター内の任意のストレージドメインを選択できます。

Disk Profile - テンプレートが使用する仮想ディスクに割り当てるディスクプロファイル。ディスクプロファイルは、データセンターで定義されたストレージプロファイルに基づいて作成されます。詳細は、ディスクプロファイルの作成 を参照してください。

Allow all users to access this Template

テンプレートを公開するか非公開にするかを指定します。パブリックテンプレートはすべてのユーザーがアクセスできますが、プライベートテンプレートは TemplateAdmin または SuperUser ロールを持つユーザーのみがアクセスできます。

Copy VM permissions

ソース仮想マシンに設定されている明示的なパーミッションをテンプレートにコピーします。

Seal Template (Linux のみ)

テンプレートをシールするかどうかを指定します。シーリングは、SSH キー、UDEV ルール、MAC アドレス、システム ID、ホスト名などのマシン固有の設定をすべてファイルシステムから消去する操作です。この設定により、このテンプレートに基づく仮想マシンがソース仮想マシンの設定を継承するのを防ぎます。

付録B virt-sysprep の操作

virt-sysprep コマンドは、システム固有の情報を削除します。

* のマークが付いた操作のみが、テンプレートのシーリングプロセス中に実行されます。

# virt-sysprep --list-operations
abrt-data * Remove the crash data generated by ABRT
bash-history * Remove the bash history in the guest
blkid-tab * Remove blkid tab in the guest
ca-certificates   Remove CA certificates in the guest
crash-data * Remove the crash data generated by kexec-tools
cron-spool * Remove user at-jobs and cron-jobs
customize * Customize the guest
dhcp-client-state * Remove DHCP client leases
dhcp-server-state * Remove DHCP server leases
dovecot-data * Remove Dovecot (mail server) data
firewall-rules   Remove the firewall rules
flag-reconfiguration   Flag the system for reconfiguration
fs-uuids   Change filesystem UUIDs
kerberos-data   Remove Kerberos data in the guest
logfiles * Remove many log files from the guest
lvm-uuids * Change LVM2 PV and VG UUIDs
machine-id * Remove the local machine ID
mail-spool * Remove email from the local mail spool directory
net-hostname * Remove HOSTNAME in network interface configuration
net-hwaddr * Remove HWADDR (hard-coded MAC address) configuration
pacct-log * Remove the process accounting log files
package-manager-cache * Remove package manager cache
pam-data * Remove the PAM data in the guest
puppet-data-log * Remove the data and log files of puppet
rh-subscription-manager * Remove the RH subscription manager files
rhn-systemid * Remove the RHN system ID
rpm-db * Remove host-specific RPM database files
samba-db-log * Remove the database and log files of Samba
script * Run arbitrary scripts against the guest
smolt-uuid * Remove the Smolt hardware UUID
ssh-hostkeys * Remove the SSH host keys in the guest
ssh-userdir * Remove ".ssh" directories in the guest
sssd-db-log * Remove the database and log files of sssd
tmp-files * Remove temporary files
udev-persistent-net * Remove udev persistent net rules
user-account   Remove the user accounts in the guest
utmp * Remove the utmp file
yum-uuid * Remove the yum UUID