7.9. Sysprep を使用した仮想マシンの設定の自動化
sysprep
は、ホスト名、ネットワークインターフェイス、認証キーの設定、ユーザーの設定、Active Directory への接続など、Windows 仮想マシンの設定を自動化するのに使用するツールです。Sysprep
は、すべての Windows バージョンにインストールされます。
Red Hat Virtualization は、仮想化技術を利用して、1 つのテンプレートに基づいて仮想ワークステーションをデプロイすることで、Sysprep
を強化します。Red Hat Virtualization は、各仮想ワークステーション用にカスタマイズした自動回答ファイルを作成します。
Sysprep
は、完全な無人インストール用の応答ファイルを生成します。さまざまな Windows オペレーティングシステムのデフォルト値は、/usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ ディレクトリーにあります。カスタム Sysprep
ファイルを作成し、/etc/ovirt-engine /osinfo.conf.d/ディレクトリーのosinfo ファイルから参照することもできます。これらのファイルは、Sysprep
のテンプレートとして機能します。これらのファイルのフィールドは、必要に応じてコピーおよび編集できます。この定義は、Edit Virtual Machine ウィンドウの Initial Run フィールドに入力された値を上書きします。
Windows 仮想マシンのプールを作成する際にカスタムの sysprep
ファイルを作成し、さまざまなオペレーティングシステムおよびドメインに対応できます。詳細は、Administration Guideの Creating a Virtual Machine Pool を参照してください。
オーバーライドファイルは /etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/ の下に作成し、/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/00-defaults.properties の後に配置されるファイル名にし、.properties で終わる必要があります。(例:/etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/10-productkeys.properties)。最後のファイルが優先され、それより前の他のファイルはすべて上書きされます。
Windows オペレーティングシステムのデフォルト値を /etc/ovirt-engine/osinfo.conf.d/00-defaults.properties からオーバーライドファイルにコピーし、productKey.value
フィールドおよび sysprepPath.value
フィールドに値を入力します。
例7.2 Windows 7 のデフォルト設定値
# Windows7(11, OsType.Windows, false),false os.windows_7.id.value = 11 os.windows_7.name.value = Windows 7 os.windows_7.derivedFrom.value = windows_xp os.windows_7.sysprepPath.value = ${ENGINE_USR}/conf/sysprep/sysprep.w7 os.windows_7.productKey.value = os.windows_7.devices.audio.value = ich6 os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.3 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.4 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO os.windows_7.devices.diskInterfaces.value.3.5 = IDE, VirtIO_SCSI, VirtIO os.windows_7.isTimezoneTypeInteger.value = false
7.9.1. テンプレートでの Sysprep の設定
この手順を使用して、テンプレートに追加する標準の Sysprep
設定を指定できます。あるいは、このテンプレートに基づいて仮想マシンを作成する際に Sysprep
設定を設定することもできます。
置換文字列を使用して、/usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ ディレクトリーのデフォルトファイルで提供される値を置換できます。たとえば、"<Domain><![CDATA[$JoinDomain$]]></Domain>"を使用して、参加するドメインを指定できます。
Sysprep
の実行中に仮想マシンを再起動しないでください。
前提条件
Windows 仮想マシンのパラメーターが正しく定義されている。
定義されていない場合は、Compute → Virtual Machines をクリックし、Editをクリックし、Operating System および Cluster フィールドに必要な情報を入力します。
- 正しいプロダクトキーが Manager のオーバーライドファイルで定義されている。
Sysprep
を使用したテンプレートの準備
- 必要なパッチおよびソフトウェアで Windows 仮想マシンをビルドします。
- Windows 仮想マシンをシールします。「テンプレートとしてのデプロイメントの準備段階での仮想マシンのシーリング」 を参照してください。
- Windows 仮想マシンに基づいてテンプレートを作成します。「テンプレートの作成」 を参照してください。
-
追加の変更が必要な場合は、テキストエディターで
Sysprep
ファイルを更新します。
このテンプレートを使用して新規仮想マシンをプロビジョニングできるようになりました。