6.16. 仮想マシンの高可用性による稼働時間の向上

6.16.1. 高可用性とは

重要なワークロードを実行する仮想マシンには、高可用性の使用が推奨されます。高可用性の仮想マシンは、以下のシナリオの場合など、プロセスが中断されると、元のホストまたはクラスター内の別のホストのいずれかで自動的に再起動されます。

  • ハードウェアの故障によりホストが稼働しなくなった。
  • ホストが、スケジュールされたダウンタイムとしてメンテナーンスモードに移行した。
  • 外部のストレージリソースとの通信が失われたため、ホストが利用できなくなった。

以下のシナリオの場合など、適切にシャットダウンした場合には、高可用性の仮想マシンは再起動されません。

  • 仮想マシンがゲスト内からシャットダウンされた。
  • 仮想マシンが Manager からシャットダウンされた。
  • まずメンテナーンスモードに移行することなく、管理者がホストをシャットダウンした。

ストレージドメイン V4 以降では、仮想マシンには、ストレージの特別なボリュームのリースを取得する追加機能があり、元のホストの電源がオフになった場合でも別のホストで仮想マシンを起動できます。この機能により、仮想マシンが 2 つの異なるホストで起動する (仮想マシンのディスクが破損する可能性がある) のを防ぐこともできます。

高可用性により、仮想マシンはユーザーの介入を必要とせずに数秒以内に再起動されるため、サービスの中断は最小限に抑えられます。高可用性は、現在のリソース使用率が低いホストでゲストを再起動するか、設定した負荷分散または省電力ポリシーに基づいてゲストを再起動して、リソースのバランスを維持します。これにより、常に仮想マシンを再起動するのに十分な容量が確保されます。

高可用性およびストレージ I/O エラー

ストレージ I/O エラーが発生すると、仮想マシンは一時停止されます。ストレージドメインとの接続が再確立された後に、ホストがどのように高可用性の仮想マシンを処理するかを定義できます。再開する、強制的にシャットダウンする、または一時停止を維持する、のいずれかです。これらのオプションの詳細は、「仮想マシンの高可用性設定の説明」 を参照してください。