第5章 Red Hat Virtualization 4.0 から 4.3 へのリモートデータベース環境のアップグレード
4.0 の互換バージョンは Red Hat Virtualization 4.2 以降サポートされていません。したがって、Red Hat Virtualization 4.0 からアップグレードする場合には、クラスターおよびデータセンターの互換バージョンを最低でも 4.1 に更新してから、Manager を 4.2 から 4.3 にアップグレードする必要があります。その後、Manager のアップグレードを完了してから、再び互換バージョンを更新します。
互換バージョンを更新する前にホストも更新する必要がありますが、更新は一度だけで十分です。ホストのリポジトリーはどの Red Hat Virtualization バージョンでも同じなので、一度更新すればホストは最新のバージョンにアップグレードされます。
お使いの環境を 4.0 から 4.3 にアップグレードするステップは、以下のとおりです。
- 4.0 Manager を最新バージョンの 4.0 に更新する
- Manager を 4.0 から 4.1 にアップグレードする
- データベースを PostgreSQL 9.2 から 9.5 にアップグレードする
- Manager を 4.1 から 4.2 にアップグレードする
- ホストを更新する
- クラスターの互換バージョンを 4.2 に更新する
- 実行中またはサスペンド中の仮想マシンをすべて再起動して、設定を 4.2 に更新する
- データセンターの互換バージョンを 4.2 に更新する
- データベースを PostgreSQL 9.5 から 10.0 にアップグレードする
- Manager を 4.2 から 4.3 にアップグレードする
- クラスターの互換バージョンを最新バージョンに更新する
- 実行中またはサスペンド中の仮想マシンをすべて再起動して、設定を最新バージョンに更新する
- データセンターの互換バージョンを最新バージョンに更新する
- SHA-1 証明書を SHA-256 証明書に置き換える
前提条件
- 仮想マシンで必要となるダウンタイムについて計画されていること。アップグレードプロセスでクラスターの互換バージョンを更新した後、それぞれの仮想マシンを再起動すると新しいハードウェア設定が自動的に適用されます。すべての実行中またはサスペンド中の仮想マシンを直ちに再起動して、設定変更を適用する必要があります。
- お使いの環境が Red Hat Virtualization 4.3 の要件を満たしていること。すべての前提条件の一覧は、『Planning and Prerequisites Guide』を参照してください。
- ホストで正しいリポジトリーが有効になっていること。RHVH に必要なリポジトリーの一覧は『Cockpit Web インターフェースを使用したセルフホストエンジンの Red Hat Virtualization のインストール』の「Red Hat Virtualization Host のリポジトリーの有効化」を、RHEL ホストに必要なリポジトリーの一覧は「Red Hat Enterprise Linux ホストのリポジトリーの有効化」を、それぞれ参照してください。
- Manager マシンで正しいリポジトリーが有効になっていること。Red Hat Virtualization 4.0 に必要なリポジトリーの一覧は、『インストールガイド』の「必要なエンタイトルメントのサブスクライブ」を参照してください。
5.1. Red Hat Virtualization Manager の更新
Red Hat Virtualization Manager の更新はコンテンツ配信ネットワーク (CDN) 経由でリリースされます。
手順
- Manager マシンにログインします。
更新パッケージが利用可能かどうかを確認します。
# engine-upgrade-check
setup のパッケージを更新します。
# yum update ovirt\*setup\*
engine-setup
スクリプトを使用して Red Hat Virtualization Manager を更新します。engine-setup
スクリプトにより、設定に関する質問への回答が求められます。その後、ovirt-engine
サービスの停止、更新パッケージのダウンロード/インストール、データベースのバックアップ/更新、インストール後設定の実施を経てから、ovirt-engine
サービスが起動します。# engine-setup
スクリプトが正常に完了すると、以下のメッセージが表示されます。
Execution of setup completed successfully
注記engine-setup
スクリプトは Red Hat Virtualization Manager のインストールプロセス中にも使用され、指定した設定値が保存されます。更新時には、設定のプレビューの際に保存された値が表示されますが、インストール後の設定変更にengine-config
を使用している場合には、表示される値が最新のものではない可能性があります。たとえば、インストール後にengine-config
を使用してSANWipeAfterDelete
をtrue
に変更している場合、engine-setup
による設定プレビューでは「Default SAN wipe after delete: False」と出力されますが、変更した値がengine-setup
により上書きされるわけではありません。重要更新プロセスには時間がかかる場合があるため、更新プロセスが完了するまでの時間を計算に入れて、一旦更新を開始したらプロセスを停止しないようにしてください。
Manager にインストールされているベースオペレーティングシステムと、オプションパッケージを更新します。
# yum update
重要いずれかのカーネルパッケージが更新された場合には、マシンを再起動して更新を完了してください。