第8章 Red Hat Virtualization 4.0 から 4.3 へのセルフホストエンジンのアップグレード
4.0 の互換バージョンは Red Hat Virtualization 4.2 以降サポートされていません。したがって、Red Hat Virtualization 4.0 からアップグレードする場合には、クラスターおよびデータセンターの互換バージョンを最低でも 4.1 に更新してから、Manager を 4.2 から 4.3 にアップグレードする必要があります。その後、Manager のアップグレードを完了してから、再び互換バージョンを更新します。
互換バージョンを更新する前にホストも更新する必要がありますが、更新は一度だけで十分です。ホストのリポジトリーはどの Red Hat Virtualization バージョンでも同じなので、一度更新すればホストは最新のバージョンにアップグレードされます。
お使いの環境を 4.0 から 4.3 にアップグレードするステップは、以下のとおりです。
- 環境をグローバルメンテナンスモードに切り替える
- 4.0 Manager を最新バージョンの 4.0 に更新する
- Manager を 4.0 から 4.1 にアップグレードする
- Manager を 4.1 から 4.2 にアップグレードする
- グローバルメンテナンスモードを無効にする
- ホストを更新する
- クラスターの互換バージョンを 4.2 に更新する
- 実行中またはサスペンド中の仮想マシンをすべて再起動して、設定を 4.2 に更新する
- データセンターの互換バージョンを 4.2 に更新する
- 環境をグローバルメンテナンスモードに切り替える
- Manager を 4.2 から 4.3 にアップグレードする
- グローバルメンテナンスモードを無効にする
- クラスターの互換バージョンを更新する
- 実行中またはサスペンド中の仮想マシンをすべて再起動して、設定を最新バージョンに更新する
- データセンターの互換バージョンを更新する
- SHA-1 証明書を SHA-256 証明書に置き換える
前提条件
- 仮想マシンで必要となるダウンタイムについて計画されていること。アップグレードプロセスでクラスターの互換バージョンを更新した後、それぞれの仮想マシンを再起動すると新しいハードウェア設定が自動的に適用されます。すべての実行中またはサスペンド中の仮想マシンを直ちに再起動して、設定変更を適用する必要があります。
- お使いの環境が Red Hat Virtualization 4.3 の要件を満たしていること。すべての前提条件の一覧は、『Planning and Prerequisites Guide』を参照してください。
- ホストで正しいリポジトリーが有効になっていること。RHVH に必要なリポジトリーの一覧は『Cockpit Web インターフェースを使用したセルフホストエンジンの Red Hat Virtualization のインストール』の「Red Hat Virtualization Host のリポジトリーの有効化」を、RHEL ホストに必要なリポジトリーの一覧は「Red Hat Enterprise Linux ホストのリポジトリーの有効化」を、それぞれ参照してください。
- Manager マシンで正しいリポジトリーが有効になっていること。Red Hat Virtualization 4.0 に必要なリポジトリーの一覧は、『インストールガイド』の「必要なエンタイトルメントのサブスクライブ」を参照してください。
8.1. グローバルメンテナンスモードの有効化
Manager 用仮想マシンに関する設定またはアップグレード作業を実施する前に、セルフホストエンジン環境をグローバルメンテナンスモードに切り替える必要があります。
手順
セルフホストエンジンノードのいずれかにログインして、グローバルメンテナンスモードを有効にします。
# hosted-engine --set-maintenance --mode=global
作業を進める前に、環境がメンテナンスモードにあることを確認します。
# hosted-engine --vm-status
クラスターがメンテナンスモードにあることを示すメッセージが表示されるはずです。