第6章 Red Hat Virtualization 用ホストのインストール
Red Hat Virtualization は、Red Hat Virtualization Host (RHVH) と Red Hat Enterprise Linux ホスト の 2 つのタイプのホストをサポートしています。環境に応じて、1 タイプのみまたは両方のタイプを使用することができます。移行や高可用性などの機能を利用するには、少なくとも 2 台のホストが必要です。
ネットワーク設定に関する情報は、「ホストネットワーク設定の推奨プラクティス」を参照してください。
SELinux は インストール時に enforcing モードに設定されます。確認するには、getenforce
コマンドを実行してください。Red Hat Virtualization 環境を Red Hat がサポートするには、すべてのホストと Manager で SELinux を enforcing モードに設定する必要があります。
表6.1 ホストタイプ
ホストタイプ | 別名 | 説明 |
---|---|---|
Red Hat Virtualization Host |
RHVH、シンホスト |
Red Hat Enterprise Linux をベースとする最小限のオペレーティングシステム。カスタマーポータルから ISO ファイルとして配信されており、ホストとして機能するマシンに必要なパッケージのみが含まれます。 |
Red Hat Enterprise Linux ホスト |
RHEL ベースのハイパーバイザー、シックホスト |
適切なサブスクリプションがアタッチされた Red Hat Enterprise Linux システムは、ホストとして使用することができます。 |
ホストの互換性
新規データセンターの作成時に、互換バージョンを設定することができます。データセンター内の全ホストに適した互換バージョンを選択します。一旦設定されると、それよりも古いバージョンに変更することはできません。Red Hat Virtualization を新規インストールした場合には、最新の互換バージョンが Default データセンターと Default クラスターに設定されるので、それ以前の互換バージョンを使用するには、追加でデータセンターおよびクラスターを作成する必要があります。互換バージョンに関する詳細情報については、「Red Hat Virtualization のライフサイクル」の Red Hat Virtualization Manager の互換性 を参照してください。
6.1. Red Hat Virtualization Host
6.1.1. Red Hat Virtualization Host のインストール
Red Hat Virtualization Host (RHVH) は、Red Hat Virtualization 環境でハイパーバイザーとして機能する物理マシンの簡単な設定方法を提供するために設計された、Red Hat Enterprise Linux をベースとする最小構成のオペレーティングシステムです。この最小構成のオペレーティングシステムには、マシンがハイパーバイザーとして機能するのに必要なパッケージのみが含まれており、ホストの監視や管理タスクの実行用に Cockpit Web インターフェースが備えられています。最低限のブラウザー要件については、「Running Cockpit」を参照してください。
RHVH は NIST SP 800-53 パーティショニングの要件をサポートし、より強固なセキュリティーを提供します。RHVH は、デフォルトで NIST 800-53 パーティションレイアウトを使用します。
ホストは最低限の ホスト要件 を満たしている必要があります。
手順
カスタマーポータルから RHVH ISO イメージをダウンロードします。
- カスタマーポータル (https://access.redhat.com) にログインします。
- メニューバーの ダウンロード をクリックします。
- Red Hat Virtualization をクリックします。スクロールアップし、最新の Red Hat Virtualization 4.3 Host and Manager のダウンロード をクリックして製品のダウンロードページに移動します。
- Hypervisor Image for RHV 4.3 に移動し、今すぐダウンロードする をクリックします。
- ブート可能なメディアデバイスを作成します。詳しい情報については、『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』の「メディアの作成」を参照してください。
- RHVH のインストール先となるマシンを起動し、準備したインストールメディアから起動します。
起動メニューから Install RHVH 4.3 を選択して
Enter
キーを押します。注記または、
Tab
キーを押してカーネルパラメーターを編集することもできます。カーネルパラメーターはスペースで区切る必要があります。指定したカーネルパラメーターを使用してシステムを起動するには、Enter
キーを押します。カーネルパラメーターへの変更を消去し、起動メニューに戻るには、Esc
キーを押します。- 言語を選択し、続行 をクリックします。
- 日付と時刻 の画面からタイムゾーンを選択して 完了 をクリックします。
- キーボードレイアウト の画面からキーボードのレイアウトを選択して 完了 をクリックします。
インストール先 の画面から RHVH のインストール先のデバイスを選択します。オプションで暗号化を有効にします。完了 をクリックします。
重要Red Hat は パーティションを自動構成する オプションを使用することを強く推奨します。
- ネットワークとホスト名 の画面からネットワークを選択して、設定 をクリックして接続の詳細を設定します。ホスト名 フィールドにホスト名を入力して 完了 をクリックします。
- オプションで 言語サポート、SECURITY POLICY、および KDUMP を設定します。インストールの概要 画面の各セクションの情報については、『Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイド』の「Anaconda を使用したインストール」を参照してください。
- インストールの開始 をクリックします。
RHVH のインストールの際に root パスワードを設定して、オプションで追加のユーザーを作成します。
警告ローカルのセキュリティー脆弱性が攻撃される可能性があるので、Red Hat は RHVH に信頼できないユーザーを作成することは推奨しません。
再起動 をクリックしてインストールを完了します。
注記RHVH の再起動時には、
nodectl check
がホストのヘルスチェックを実行して、コマンドラインへのログイン時に結果を表示します。メッセージnode status: OK
またはnode status: DEGRADED
により、ヘルスステータスを確認することができます。さらに詳しい情報を表示するには、nodectl check
を実行します。このサービスは、デフォルトで有効化されています。
6.1.2. Red Hat Virtualization Host のリポジトリーの有効化
更新を受け取るためにシステムを登録します。Red Hat Virtualization Host に必要なリポジトリーは 1 つだけです。本セクションでは、RHVH を コンテンツ配信ネットワーク または Red Hat Satellite 6 に登録する手順について説明します。
コンテンツ配信ネットワークへの RHVH の登録
-
https://HostFQDNorIP:9090
から Cockpit Web インターフェースにログインします。 - サブスクリプション に移動し、登録 をクリックしてカスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。Red Hat Virtualization Host のサブスクリプションが自動的にシステムにアタッチされます。
- 端末 をクリックします。
Red Hat Virtualization Host に対する今後の更新が得られるように、
Red Hat Virtualization Host 7
リポジトリーを有効にします。# subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rhvh-4-rpms
Red Hat Satellite 6 への RHVH の登録
-
https://HostFQDNorIP:9090
から Cockpit Web インターフェースにログインします。 - 端末 をクリックします。
RHVH を Red Hat Satellite 6 に登録します。
# rpm -Uvh http://satellite.example.com/pub/katello-ca-consumer-latest.noarch.rpm # subscription-manager register --org="org_id" # subscription-manager list --available # subscription-manager attach --pool=pool_id # subscription-manager repos \ --disable='*' \ --enable=rhel-7-server-rhvh-4-rpms
6.1.3. 高度なインストール
6.1.3.1. カスタムパーティション設定
Red Hat Virtualization Host (RHVH) でのカスタムパーティション設定は推奨されません。Red Hat は、インストール先 ウィンドウの パーティションを自動構成する オプションを使用することを強く推奨します。
インストールでカスタムのパーティション設定が必要な場合は、インストール時に パーティションを自分で構成する
オプションを選択します。ただし、以下の制限が適用される点に注意してください。
- 手動パーティション設定 ウィンドウで、デフォルトの LVM シンプロビジョニング オプションを選択する必要があります。
以下のディレクトリーが必要で、シンプロビジョニングされた論理ボリューム上になければなりません。
-
ルート (
/
) -
/home
-
/tmp
-
/var
-
/var/crash
-
/var/log
/var/log/audit
重要/usr
用に別のパーティションを作成しないでください。別のパーティションを作成すると、インストールに失敗します。/usr
は、RHVH と共にバージョンを変更することのできる論理ボリューム上になければなりません。したがって、ルート (/
) 上に残す必要があります。各パーティションに必要なストレージのサイズについては、「ストレージの要件」を参照してください。
-
ルート (
-
/boot
ディレクトリーは、標準パーティションとして定義する必要があります。 -
/var
ディレクトリーは、別のボリュームまたはディスク上になければなりません。 - XFS または Ext4 ファイルシステムのみがサポートされます。
キックスタートファイルでの手動パーティション設定の定義
以下の例で、キックスタートファイルで手動パーティション設定を定義する方法を説明します。
clearpart --all part /boot --fstype xfs --size=1000 --ondisk=sda part pv.01 --size=42000 --grow volgroup HostVG pv.01 --reserved-percent=20 logvol swap --vgname=HostVG --name=swap --fstype=swap --recommended logvol none --vgname=HostVG --name=HostPool --thinpool --size=40000 --grow logvol / --vgname=HostVG --name=root --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=6000 --grow logvol /var --vgname=HostVG --name=var --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=15000 logvol /var/crash --vgname=HostVG --name=var_crash --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=10000 logvol /var/log --vgname=HostVG --name=var_log --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=8000 logvol /var/log/audit --vgname=HostVG --name=var_audit --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=2000 logvol /home --vgname=HostVG --name=home --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=1000 logvol /tmp --vgname=HostVG --name=tmp --thin --fstype=ext4 --poolname=HostPool --fsoptions="defaults,discard" --size=1000
logvol --thinpool --grow
を使用する場合は、volgroup --reserved-space
または volgroup --reserved-percent
も含め、シンプールの拡大用にボリュームグループの領域を確保する必要があります。
6.1.3.2. Red Hat Virtualization Host デプロイメントの自動化
物理メディアデバイスなしに Red Hat Virtualization Host (RHVH) をインストールすることができます。そのためには、インストールの質問に対する回答が含まれたキックスタートファイルを使用し、ネットワーク経由で PXE サーバーから起動します。
RHVH は Red Hat Enterprise Linux とほぼ同じ方法でインストールされるので、キックスタートファイルを使用し PXE サーバーからインストールする手順の概要については、『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』を参照してください。RHVH に固有の手順 (たとえば、Red Hat Satellite を使用した RHVH のデプロイメント) については、この後に説明します。
RHVH の自動デプロイメントは、以下の 3 つのステージで構成されます。
6.1.3.2.1. インストール環境の準備
- カスタマーポータル にログインします。
- メニューバーの ダウンロード をクリックします。
- Red Hat Virtualization をクリックします。スクロールアップし、最新の Red Hat Virtualization 4.3 Host and Manager のダウンロード をクリックして製品のダウンロードページに移動します。
- Hypervisor Image for RHV 4.3 に移動し、今すぐダウンロードする をクリックします。
- RHVH ISO イメージをネットワーク経由で提供できるようにします。『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』の「インストールソース - ネットワーク」を参照してください。
RHVH ISO から squashfs.img ハイパーバイザーイメージファイルを抽出します。
# mount -o loop /path/to/RHVH-ISO /mnt/rhvh # cp /mnt/rhvh/Packages/redhat-virtualization-host-image-update* /tmp # cd /tmp # rpm2cpio redhat-virtualization-host-image-update* | cpio -idmv
注記/tmp/usr/share/redhat-virtualization-host/image/
ディレクトリーに格納された squashfs.img ファイルの名前は、redhat-virtualization-host-version_number_version.squashfs.img です。物理マシンにインストールするためのハイパーバイザーイメージが含まれます。/LiveOS/squashfs.img ファイルとは混同しないでください。これは、Anacondainst.stage2
オプションに使用されます。
6.1.3.2.2. PXE サーバーおよびブートローダーの設定
- PXE サーバーを設定します。『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』の「ネットワークからのインストールの準備」を参照してください。
RHVH 起動イメージを
/tftpboot
ディレクトリーにコピーします。# cp mnt/rhvh/images/pxeboot/{vmlinuz,initrd.img} /var/lib/tftpboot/pxelinux/
rhvh
ラベルを作成し、ブートローダー設定で RHVH 起動イメージを指定します。LABEL rhvh MENU LABEL Install Red Hat Virtualization Host KERNEL /var/lib/tftpboot/pxelinux/vmlinuz APPEND initrd=/var/lib/tftpboot/pxelinux/initrd.img inst.stage2=URL/to/RHVH-ISO
RHVH Boot Loader Configuration Example for Red Hat Satellite
Red Hat Satellite からの情報を使用してホストをプロビジョニングする場合には、グローバルまたはホストグループレベルのパラメーターを作成し (ここでは
rhvh_image
)、ISO をマウントまたは抽出するディレクトリーの URL を定義する必要があります。<%# kind: PXELinux name: RHVH PXELinux %> # Created for booting new hosts # DEFAULT rhvh LABEL rhvh KERNEL <%= @kernel %> APPEND initrd=<%= @initrd %> inst.ks=<%= foreman_url("provision") %> inst.stage2=<%= @host.params["rhvh_image"] %> intel_iommu=on console=tty0 console=ttyS1,115200n8 ssh_pwauth=1 local_boot_trigger=<%= foreman_url("built") %> IPAPPEND 2
RHVH ISO の内容をローカルで利用可能な状態にし、たとえば HTTPD サーバーを使用してネットワークにエクスポートします。
# cp -a /mnt/rhvh/ /var/www/html/rhvh-install # curl URL/to/RHVH-ISO/rhvh-install
6.1.3.2.3. キックスタートファイルの作成と実行
- キックスタートファイルを作成し、ネットワーク経由で提供できるようにします。『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』の「キックスタートを使ったインストール」を参照してください。
キックスタートファイルは以下に示す RHV 固有の要件を満たす必要があります。
%packages
セクションは、RHVH には必要ありません。代わりに、liveimg
オプションを使用して、RHVH ISO イメージからの redhat-virtualization-host-version_number_version.squashfs.img ファイルを指定します。liveimg --url=example.com/tmp/usr/share/redhat-virtualization-host/image/redhat-virtualization-host-version_number_version.squashfs.img
自動パーティション設定を強く推奨します。
autopart --type=thinp
注記自動パーティション設定では、シンプロビジョニングを使用する必要があります。
/home
は必須のディレクトリーなので、RHVH では--no-home
オプションは機能しません。インストールで手動パーティション設定が必要な場合は、「カスタムパーティション設定」でパーティション設定に適用される制限およびキックスタートファイルでの手動パーティション設定の例を確認してください。
nodectl init
コマンドを呼び出す%post
セクションが必要です。%post nodectl init %end
Kickstart Example for Deploying RHVH on Its Own
このキックスタートの例は、RHVH のデプロイ方法を示したものです。必要に応じて、さらにコマンドとオプションを追加してください。
liveimg --url=http://FQDN/tmp/usr/share/redhat-virtualization-host/image/redhat-virtualization-host-version_number_version.squashfs.img clearpart --all autopart --type=thinp rootpw --plaintext ovirt timezone --utc America/Phoenix zerombr text reboot %post --erroronfail nodectl init %end
Kickstart Example for Deploying RHVH with Registration and Network Configuration from Satellite
このキックスタートの例では、Red Hat Satellite からの情報を使用してホストネットワークを設定し、ホストを Satellite サーバーに登録します。グローバルまたはホストグループレベルのパラメーターを作成し (ここでは
rhvh_image
)、squashfs.img ファイルを格納するディレクトリーの URL を定義する必要があります。ntp_server1
もグローバルまたはホストグループレベルの変数です。<%# kind: provision name: RHVH Kickstart default oses: - RHVH %> install liveimg --url=<%= @host.params['rhvh_image'] %>squashfs.img network --bootproto static --ip=<%= @host.ip %> --netmask=<%= @host.subnet.mask %> --gateway=<%= @host.subnet.gateway %> --nameserver=<%= @host.subnet.dns_primary %> --hostname <%= @host.name %> zerombr clearpart --all autopart --type=thinp rootpw --iscrypted <%= root_pass %> # installation answers lang en_US.UTF-8 timezone <%= @host.params['time-zone'] || 'UTC' %> keyboard us firewall --service=ssh services --enabled=sshd text reboot %post --log=/root/ks.post.log --erroronfail nodectl init <%= snippet 'subscription_manager_registration' %> <%= snippet 'kickstart_networking_setup' %> /usr/sbin/ntpdate -sub <%= @host.params['ntp_server1'] || '0.fedora.pool.ntp.org' %> /usr/sbin/hwclock --systohc /usr/bin/curl <%= foreman_url('built') %> sync systemctl reboot %end
キックスタートファイルの場所を、PXE サーバーのブートローダー設定ファイルに追加します。
APPEND initrd=/var/tftpboot/pxelinux/initrd.img inst.stage2=URL/to/RHVH-ISO inst.ks=URL/to/RHVH-ks.cfg
- 『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』の「PXE を使ってネットワークからインストールプログラムを起動する」の手順に従って、RHVH をインストールします。
6.2. Red Hat Enterprise Linux ホスト
6.2.1. Red Hat Enterprise Linux ホストのインストール
Red Hat Enterprise Linux ホストは、Red Hat Enterprise Linux Server
および Red Hat Virtualization
のサブスクリプションがアタッチされた、物理サーバー上の Red Hat Enterprise Linux 7 の標準的な基本インストールをベースにしています。
詳細なインストール手順は、『Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイド』を参照してください。
ホストは最低限の ホスト要件 を満たしている必要があります。
ホストの BIOS 設定で仮想化が有効になっている必要があります。ホストの BIOS 設定の変更に関する情報については、そのホストのハードウェアのマニュアルを参照してください。
サードパーティー製のウォッチドッグは、VDSM によって提供される watchdog デーモンを妨げる可能性があるので、Red Hat Enterprise Linux ホストにはインストールすべきではありません。
6.2.2. Red Hat Enterprise Linux ホストのリポジトリーの有効化
Red Hat Enterprise Linux マシンをホストとして使用するには、システムをコンテンツ配信ネットワークに登録し、Red Hat Enterprise Linux Server
および Red Hat Virtualization
サブスクリプションをアタッチし、ホストのリポジトリーを有効にする必要があります。
手順
コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
# subscription-manager register
Red Hat Enterprise Linux Server
およびRed Hat Virtualization
のサブスクリプションプールを探し、プール ID を記録しておきます。# subscription-manager list --available
上記のプール ID を使用して、サブスクリプションをシステムにアタッチします。
# subscription-manager attach --pool=poolid
注記現在アタッチされているサブスクリプションを表示するには、以下のコマンドを実行します。
# subscription-manager list --consumed
有効なリポジトリーをすべて一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。
# yum repolist
リポジトリーを設定します。
# subscription-manager repos \ --disable='*' \ --enable=rhel-7-server-rpms \ --enable=rhel-7-server-rhv-4-mgmt-agent-rpms \ --enable=rhel-7-server-ansible-2-rpms
IBM POWER8 (リトルエンディアン) ハードウェアに Red Hat Enterprise Linux 7 ホストをインストールする場合:
# subscription-manager repos \ --disable='*' \ --enable=rhel-7-server-rhv-4-mgmt-agent-for-power-le-rpms \ --enable=rhel-7-for-power-le-rpms
IBM POWER9 (リトルエンディアン) ハードウェアに Red Hat Enterprise Linux 7 ホストをインストールする場合:
# subscription-manager repos \ --disable='*' \ --enable=rhel-7-server-rhv-4-mgmt-agent-for-power-9-rpms \ --enable=rhel-7-for-power-9-rpms
現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。
# yum update
- マシンを再起動します。
6.2.3. Red Hat Enterprise Linux ホストへの Cockpit のインストール
ホストのリソースの監視および管理タスクの実施のために、Cockpit をインストールすることができます。
手順
dashboard パッケージをインストールします。
# yum install cockpit-ovirt-dashboard
cockpit.socket
サービスを有効にし、さらにサービスを起動します。# systemctl enable cockpit.socket # systemctl start cockpit.socket
ファイアウォールで Cockpit がアクティブなサービスかどうかを確認します。
# firewall-cmd --list-services
一覧に
cockpit
が表示されているはずです。表示されていない場合には、root 権限で以下のコマンドを入力し、cockpit
をサービスとしてファイアウォールに追加します。# firewall-cmd --permanent --add-service=cockpit
--permanent
オプションにより、cockpit
サービスは再起動後もアクティブな状態を維持します。
https://HostFQDNorIP:9090
から Cockpit Web インターフェースにログインすることができます。
6.3. ホストネットワーク設定の推奨プラクティス
お使いのネットワーク環境が複雑な場合には、ホストを Red Hat Virtualization Manager に追加する前に、ホストネットワークを手動で設定しなければならない場合があります。
Red Hat では、以下に示すホストネットワーク設定のプラクティスを推奨します。
-
Cockpit を使用してネットワークを設定する。あるいは、
nmtui
またはnmcli
を使用することもできます。 - セルフホストエンジンのデプロイメントまたは Manager へのホスト追加にネットワークが必要ない場合には、ホストを Manager に追加した後に、管理ポータルでネットワークを設定する。『Administration Guide』の「Creating a New Logical Network in a Data Center or Cluster」を参照してください。
以下の命名規則を使用する。
-
VLAN デバイス:
VLAN_NAME_TYPE_RAW_PLUS_VID_NO_PAD
-
VLAN インターフェース:
physical_device.VLAN_ID
(例:eth0.23
、eth1.128
、enp3s0.50
) -
ボンドインターフェース:
bondnumber
(例:bond0
、bond1
) -
ボンドインターフェース上の VLAN:
bondnumber.VLAN_ID
(例:bond0.50
、bond1.128
)
-
VLAN デバイス:
- ネットワークボンディング を使用する。Red Hat Virtualization ではネットワークチーミングはサポートされておらず、セルフホストエンジンのデプロイメントにホストが使用されたりホストが Manager に追加されたりすると、エラーが発生する場合があります。
推奨されるボンディングモードを使用する。
-
仮想マシンが
ovirtmgmt
ネットワークを使用しない場合には、ネットワークではサポートされるいずれかのボンディングモードが使用されます。 -
仮想マシンが
ovirtmgmt
ネットワークを使用する場合には、「Which bonding modes work when used with a bridge that virtual machine guests or containers connect to?」を参照してください。 -
Red Hat Virtualization のデフォルトボンディングモードは
(モード 4) 動的リンクアグリゲーション
です。お使いのスイッチがリンクアグリゲーション制御プロトコル (LACP) に対応していない場合には、(モード 1) アクティブバックアップ
を使用してください。詳細は『Administration Guide』の「Bonding Modes」を参照してください。
-
仮想マシンが
以下の例に示すように、物理 NIC 上に VLAN を設定する (以下の例では
nmcli
を使用していますが、任意のツールを使用することができます)。# nmcli connection add type vlan con-name vlan50 ifname eth0.50 dev eth0 id 50 # nmcli con mod vlan50 +ipv4.dns 8.8.8.8 +ipv4.addresses 123.123.0.1/24 +ivp4.gateway 123.123.0.254
以下の例に示すように、ボンディング上に VLAN を設定する (以下の例では
nmcli
を使用していますが、任意のツールを使用することができます)。# nmcli connection add type bond con-name bond0 ifname bond0 bond.options "mode=active-backup,miimon=100" ipv4.method disabled ipv6.method ignore # nmcli connection add type ethernet con-name eth0 ifname eth0 master bond0 slave-type bond # nmcli connection add type ethernet con-name eth1 ifname eth1 master bond0 slave-type bond # nmcli connection add type vlan con-name vlan50 ifname bond0.50 dev bond0 id 50 # nmcli con mod vlan50 +ipv4.dns 8.8.8.8 +ipv4.addresses 123.123.0.1/24 +ivp4.gateway 123.123.0.254
-
firewalld
を無効にしない。 - ホストを Manager に追加した後に、管理ポータルでファイアウォールルールをカスタマイズする。『Administration Guide』の「Configuring Host Firewall Rules」を参照してください。
静的 IPv6 アドレスを使用する管理ブリッジを作成する場合には、ホストを追加する前にネットワークマネージャーの制御をそのインターフェース設定 (ifcfg) ファイルで無効にします。詳しい情報は、「[RHV 4.3] Static IPv6 Address is lost on host deploy if NM manages the interface」を参照してください。
6.4. Red Hat Virtualization Manager へのセルフホストエンジンノードの追加
セルフホストエンジンノードは、通常のホストと同じ方法で追加することができますが、セルフホストエンジンノードとしてホストをデプロイするという追加のステップが必要です。共有ストレージドメインは自動的に検出され、ノードは必要に応じて Manager 用仮想マシンをホストするフェイルオーバー用ホストとして使用することができます。セルフホストエンジン環境に通常のホストをアタッチすることもできますが、Manager 用仮想マシンをホストすることはできません。Red Hat では、Manager 用仮想マシンの高可用性を確保するために、セルフホストエンジンノードを最低でも 2 つ用意することを強く推奨します。追加ホストは、REST API を使用して追加することもできます。『REST API Guide』の「Hosts」を参照してください。
前提条件
- セルフホストエンジンノードを再利用する場合は、既存のセルフホストエンジン設定を削除してください。『Administration Guide』の「Removing a Host from a Self-Hosted Engine Environment」を参照してください。
静的 IPv6 アドレスを使用する管理ブリッジを作成する場合には、ホストを追加する前にネットワークマネージャーの制御をそのインターフェース設定 (ifcfg) ファイルで無効にします。詳しい情報は、「[RHV 4.3] Static IPv6 Address is lost on host deploy if NM manages the interface」を参照してください。
手順
- 管理ポータルで → をクリックします。
ホスト設定に関する追加情報は『Administration Guide』の「Explanation of Settings and Controls in the New Host and Edit Host Windows」を参照してください。
- ドロップダウンリストを使用して、新規ホスト用の データセンター および ホストクラスター を選択します。
- 新規ホストの 名前 と ホスト名 を入力します。SSH ポート フィールドには、標準の SSH ポートであるポート 22 が自動入力されます。
Manager がホストにアクセスするために使用する認証メソッドを選択します。
- パスワード認証を使用するには、root ユーザーのパスワードを入力します。
- または、SSH 公開鍵 フィールドに表示される鍵をホスト上の /root/.ssh/authorized_keys にコピーして、公開鍵認証を使用します。
- ホストにサポート対象の電源管理カードが搭載されている場合には、オプションとして電源管理を設定することができます。電源管理の設定に関する情報については、『Administration Guide』の「Host Power Management Settings Explained」を参照してください。
- ホストエンジン タブをクリックします。
- デプロイ を選択します。
- をクリックします。
6.5. Red Hat Virtualization Manager への通常ホストの追加
Red Hat Virtualization 環境にホストを追加するには、仮想化のチェック、パッケージのインストール、およびブリッジの作成の各ステップをプラットフォームで完了する必要があるため、多少時間がかかります。
静的 IPv6 アドレスを使用する管理ブリッジを作成する場合には、ホストを追加する前にネットワークマネージャーの制御をそのインターフェース設定 (ifcfg) ファイルで無効にします。詳しい情報は、「[RHV 4.3] Static IPv6 Address is lost on host deploy if NM manages the interface」を参照してください。
手順
- 管理ポータルから → をクリックします。
- をクリックします。
- ドロップダウンリストを使用して、新規ホスト用の データセンター および ホストクラスター を選択します。
- 新規ホストの 名前 と ホスト名 を入力します。SSH ポート フィールドには、標準の SSH ポートであるポート 22 が自動入力されます。
Manager がホストにアクセスするために使用する認証メソッドを選択します。
- パスワード認証を使用するには、root ユーザーのパスワードを入力します。
- または、SSH 公開鍵 フィールドに表示される鍵をホスト上の /root/.ssh/authorized_keys にコピーして、公開鍵認証を使用します。
オプションとして、詳細パラメーター ボタンをクリックして、以下に示すホストの詳細設定を変更します。
- ファイアウォールの自動設定を無効にする。
- ホストの SSH フィンガープリントを追加し、セキュリティーを強化する。手動での追加または自動取得が可能です。
- ホストにサポート対象の電源管理カードが搭載されている場合には、オプションとして電源管理を設定することができます。電源管理の設定に関する情報については、『Administration Guide』の「Host Power Management Settings Explained」を参照してください。
- をクリックします。
新規ホストが Installing
のステータスでホスト一覧に表示され、通知ドロワー (
) の イベント セクションでインストールの進捗状況を確認することができます。しばらくすると、ホストのステータスが Up に変わります。