15.8. セルフホスト型エンジンの更新

セルフホストエンジンを現在お使いの 4.3 バージョンから最新の 4.3 バージョンに更新するには、環境をグローバルメンテナーンスモードに切り替え、続いてマイナーバージョン間の標準更新手順に従う必要があります。

グローバルメンテナーンスモードの有効化

Manager 用仮想マシンの設定またはアップグレード作業を実施する前に、セルフホスト型エンジン環境をグローバルメンテナンスモードに切り替える必要があります。

手順

  1. セルフホスト型エンジンノードのいずれかにログインして、グローバルメンテナンスモードを有効にします。

    # hosted-engine --set-maintenance --mode=global
  2. 作業を進める前に、環境がメンテナーンスモードにあることを確認します。

    # hosted-engine --vm-status

    クラスターがメンテナーンスモードにあることを示すメッセージが表示されるはずです。

Red Hat Virtualization Manager の更新

Red Hat Virtualization Manager の更新は、コンテンツ配信ネットワーク (CDN) 経由でリリースされます。

手順

  1. Manager 用仮想マシンにログインします。
  2. 更新されたパッケージが利用可能かどうかを確認します。

    # engine-upgrade-check
  3. setup のパッケージを更新します。

    # yum update ovirt\*setup\* rh\*vm-setup-plugins
  4. engine-setup スクリプトで Red Hat Virtualization Manager を更新します。engine-setup スクリプトにより、設定に関する質問への回答が求められます。その後、ovirt-engine サービスの停止、更新パッケージのダウンロード/インストール、データベースのバックアップ/更新、インストール後設定の実施を経てから、ovirt-engine サービスが起動します。

    # engine-setup

    スクリプトが正常に完了すると、以下のメッセージが表示されます。

    Execution of setup completed successfully
    注記

    engine-setup スクリプトは、Red Hat Virtualization Manager のインストールプロセス中にも使用され、指定した設定値が保存されます。更新時に、設定のプレビュー時に保存された値が表示され、engine-config がインストール後に設定の更新に使用される場合は最新ではない可能性があります。たとえば、インストール後に engine-config を使用して SANWipeAfterDeletetrue へと更新した場合、engine-setup は設定プレビューに Default SAN wipe after delete: False と出力します。ただし、更新された値は engine-setup によって上書きされることはありません。

    重要

    更新プロセスに時間がかかる場合があります。完了する前にプロセスを停止しないでください。

  5. Manager にインストールされているベースオペレーティングシステムと、オプションパッケージを更新します。

    # yum update
    重要

    カーネルパッケージが更新された場合は、以下を実行します。

    1. グローバルメンテナンスモードを無効にする
    2. マシンを再起動して更新を完了する

グローバルメンテナーンスモードの無効化

手順

  1. Manager 用仮想マシンにログインし、シャットダウンします。
  2. セルフホスト型エンジンノードのいずれかにログインして、グローバルメンテナンスモードを無効にします。

    # hosted-engine --set-maintenance --mode=none

    グローバルメンテナンスモードを終了すると、ovirt-ha-agent が Manager 用仮想マシンを起動し、続いて Manager が自動的に起動します。Manager が起動するまでに最大で 10 分程度かかる場合があります。

  3. 環境が動作していることを確認します。

    # hosted-engine --vm-status

    情報の一覧に、Engine status が含まれます。Engine status の値は、以下のようになるはずです。

    {"health": "good", "vm": "up", "detail": "Up"}
    注記

    仮想マシンが起動中で Manager がまだ動作していない場合、Engine status は以下のようになります。

    {"reason": "bad vm status", "health": "bad", "vm": "up", "detail": "Powering up"}

    このような場合には、数分間待ってからやり直してください。