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2.2. Manager の 3.6 から 4.0 へのアップグレード

Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 では、Manager は Red Hat Enterprise Linux 6 上で動作します。Manager マシンの Red Hat Enterprise Linux 7 へのインプレースアップグレードはサポートされません。3.6 から 4.0 にアップグレードするには、Red Hat Enterprise Linux 7 に新たな 4.0 Manager をインストールし、新たな Manager で 3.6 Manager データベースのバックアップを復元する必要があります。

ovirt-engine-extension-aaa-ldapovirt-engine-extension-aaa-misc、または ovirt-engine-extension-logger-log4j などのオプションの拡張パッケージが Red Hat Enterprise Virtualization Manager 3.6 マシンにインストールされている場合には、engine-setup を実行する前に、アップグレードした Manager マシンにこれらのパッケージをインストールする必要があります。これらのパッケージの拡張機能の設定は、アップグレードの際には移行されません。3.6 Manager のバックアップファイルと同じデバイスまたはマシンに、設定ファイルをコピーすることができます。

注記

Manager のアップグレード中も、接続されているホストおよび仮想マシンは稼働し続けることが可能です。

前提条件

  • 手順を開始する前に、環境内のデータセンターおよびクラスターのクラスター互換性レベルがすべてバージョン 3.6 に設定されている必要があります。
  • ドメイン管理ツールを使用して設定したディレクトリーサーバーは、Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 以降ではサポートされなくなりました。お使いのディレクトリーサーバーがドメイン管理ツールを使用して設定されている場合には、環境のバックアップを作成する前に新規拡張機能ベースのプロバイダーに移行してください。詳細については、『Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 管理ガイド』「レガシープロバイダーから新規拡張機能ベースのプロバイダーへの移行」を参照してください。

手順

  1. 3.6 Manager で、環境をバックアップします。

    # engine-backup --scope=all --mode=backup --file=backup.bck --log=backuplog.log
  2. バックアップファイルを適切なデバイスまたはマシンにコピーします。
  3. ISO ストレージドメインが Manager マシンにホストされている場合には、/var/lib/exports/iso の内容のバックアップを作成します。

    # cd /var/lib/exports/iso
    # tar zcf iso_domain.tar.gz UUID

    ISO ストレージのバックアップファイルは、アップグレード後に復元します。

  4. Red Hat Enterprise Linux 7 をインストールします。『Red Hat Enterprise Linux インストールガイド』を参照してください。

    新規マシンに RHEL 7 をインストールする場合は、3.6 Manager マシンと同じ完全修飾ドメイン名を持つように設定し、FQDN が新規マシンの IP アドレスに対応するように DNS を更新する必要があります。

  5. Red Hat Virtualization 4.0 パッケージをインストールします。

    1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。

      # subscription-manager register
    2. Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Virtualization のサブスクリプションプールを探し、プール ID を書き留めておきます。

      # subscription-manager list --available
    3. 上記のプール ID を使用して、エンタイトルメントをシステムにアタッチします。

      # subscription-manager attach --pool=pool_id
    4. 必要なリポジトリーを有効にします。

      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rpms
      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-supplementary-rpms
      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rhv-4.0-rpms
      # subscription-manager repos --enable=jb-eap-7-for-rhel-7-server-rpms
    5. 全パッケージを最新の状態にします。

      # yum update
    6. rhevm パッケージと依存関係をインストールします。

      # yum install rhevm
  6. バックアップファイルを 4.0 Manager マシンにコピーして、バックアップを復元します。

    # engine-backup --mode=restore --file=backup.bck --log=restore.log --provision-db --provision-dwh-db --restore-permissions
    注記

    追加のデータベースユーザーのアクセス許可がバックアップに含まれている場合には、このコマンドにより追加のユーザーが作成され、無作為なパスワードが設定されます。復元したシステムに追加のユーザーがアクセスする必要がある場合には、これらのパスワードを手動で変更する必要があります。「How to grant access to an extra database user after restoring Red Hat Virtualization from a backup」の記事を参照してください。

    注記

    バックアップに Data Warehouse データが含まれる場合には、--provision-dwh-db オプションを使用します。

    Red Hat Enterprise Virtualization Reports は Red Hat Virtualization 4.0 では非推奨となっているので、復元されません。詳しい情報は BZ#1340810 を参照してください。

  7. オプションの拡張パッケージが 3.6 Manager マシンにインストールされていた場合には、それらをインストールします。

    # yum install ovirt-engine-extension-aaa-ldap ovirt-engine-extension-aaa-misc ovirt-engine-extension-logger-log4j
    注記

    これらのパッケージの拡張機能の設定は、バックアップと復元のプロセス中に移行されないため、手動で再度適用する必要があります。

  8. 4.0 Manager 用に別のマシンを使用する場合には、3.6 Manager マシンの使用を停止してください。
  9. engine-setup を実行して Manager の設定を行います。

    # engine-setup
注記

HTTPS 証明書の署名に外部の CA を使用する場合には、『管理ガイド』「Red Hat Virtualization Manager の SSL 証明書の変更」の手順に従い、アップグレード後に管理ポータルにログインしてください。virt-viewer の外部メニューが機能するように、全クライアントで CA 証明書がシステム全体のトラストストアに追加されるようにしてください。