Red Hat Training

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7.2. テンプレート

テンプレートを作成するには、仮想マシンを作成してカスタマイズします。任意のパッケージをインストールして、カスタマイズされた設定を適用し、使用目的に応じて準備をすることにより、デプロイ後に必要となる変更を最小限に抑えます。オプションとして、仮想マシンからテンプレートを作成する前には一般化することを推奨しています。一般化はシステムのユーザー名やパスワード、タイムゾーンなど、デプロイ時に変更される情報を削除するのに使用します。一般化はカスタマイズされた設定には影響を及ぼしません。Red Hat Virtualization 環境における Windows および Linux ゲストの一般化については、『仮想マシン管理ガイド』「テンプレート」で詳しく説明しています。Red Hat Enterprise Linux ゲストの一般化には sys-unconfig を、Windows ゲストの一般化には sys-prep を使用します。

テンプレートのベースとなる仮想マシンを適切に設定し、また必要に応じて一般化を行い、停止した後に、管理者はその仮想マシンからテンプレートを作成することができます。仮想マシンからテンプレートを作成すると、特別に設定された仮想ディスクの読み取り専用コピーが作成されます。読み取り専用イメージは、そのテンプレートをベースに以降作成される全仮想マシンの補助イメージを形成します。つまり、テンプレートは、基本的には、関連する仮想ハードウェアが設定された、カスタマイズ済みの読み取り専用仮想ディスクということになります。テンプレートから作成した仮想マシン内のハードウェアは変更可能です。たとえば、1 ギガバイトの RAM を搭載したテンプレートから作成した仮想マシンの RAM を 2 ギガバイトにすることが可能です。ただし、テンプレートの仮想ディスクを変更することはできません。そのテンプレートをベースにした全仮想マシンが変更されてしまうことになるためです。

作成されたテンプレートは、複数の仮想マシンのベースとして使用することができます。テンプレートから仮想マシンを作成する際には、シン プロビジョニングメソッドまたは クローン プロビジョニングメソッドのいずれかを使用します。テンプレートからクローン作成される仮想マシンは、テンプレートベースイメージの完全な書き込み可能コピーを取得します。この場合、シンプロビジョニング作成メソッドによるスペース節約は犠牲となりますが、仮想マシンはテンプレートの存在に依存しなくなります。シンプロビジョニングメソッドを使用してテンプレートから作成した仮想マシンは、テンプレートの読み取り専用イメージをベースイメージとして使用するので、そのテンプレートおよびそのテンプレートから作成された全仮想マシンを同じストレージドメインに保管する必要があります。データへの変更および新たに生成されたデータは、copy-on-write イメージに保管されます。テンプレートをベースとする各仮想マシンは、同じ読み取り専用ベースイメージと、その仮想マシン固有の copy-on-write イメージを使用します。これにより、全く同じデータがストレージに保管される回数が制限されるので、ストレージの節約となります。また、読み取り専用イメージを頻繁に使用すると、アクセスされるデータがキャッシュされ、ネットパフォーマンスが向上します。