第7章 RHEL ベースのセルフホスト環境のバックアップと復元
セルフホストエンジンの特性およびセルフホストエンジンノードと Manager 用仮想マシンの関係により、セルフホストエンジン環境のバックアップと復元には、標準的な Red Hat Virtualization 環境の考慮事項以外にも追加で検討が必要な事項があります。特に、セルフホストエンジンノードは、バックアップ時に環境に残るため、環境が復元された後に新しいノードと Manager 用仮想マシンの間での同期が失敗する可能性があります。
この問題に対処するために、Red Hat では、バックアップを実行する前に 1 つのノードをメンテナンスモードに切り替えて、仮想化の負荷から解放することを推奨します。このフェイルオーバー用ホストは、新しいセルフホストエンジンのデプロイに使用することができます。
バックアップ時にセルフホストエンジンノードに仮想化の負荷がかかっている場合には、IP アドレス、完全修飾ドメイン名、名前などの識別子が一致しているホストは、復元したセルフホストエンジンのデプロイには使用できません。データベースで競合が発生すると、復元した Manager 用仮想マシンとの同期が妨げられます。ただし、フェイルオーバー用ホストは、同期の前に復元した Manager 用仮想マシンから削除することができます。
新規ホストを使用してセルフホストエンジンをデプロイする場合には、必ずしもバックアップ時にフェイルオーバー用ホストが必要なわけではありません。データベースのバックアップ内にあるいずれかのホストと競合しないようにするには、新規ホストに、一意の IP アドレス、完全修飾ドメイン名、および名前が必要です。
セルフホストエンジン環境のバックアップのワークフロー
以下の手順では、フェイルオーバー用ホストを使用してセルフホストエンジンをバックアップするワークフローの例を説明します。このホストは、後で復元したセルフホストエンジン環境をデプロイする際に使用することができます。セルフホストエンジンのバックアップに関する詳しい説明は、「セルフホストエンジンの Manager 用仮想マシンのバックアップ」を参照してください。
Manager 用仮想マシンは
Host 2上で実行され、環境内の通常の仮想マシン 6 台は 3 つのホストに分散されます。
Host 1をメンテナンスモードに切り替えます。これにより、Host 1上の仮想マシンは別のホストに移行され、仮想化の負荷から解放されて、バックアップ時のフェイルオーバー用ホストに使用することができるようになります。Host 1は、メンテナンスモードに入っています。このマシンがホストしていた 2 台の仮想マシンは、Host 3 に移行されます。
engine-backupを使用して環境のバックアップを作成します。バックアップを作成した後には、Host 1を再度アクティブ化して、Manager 用仮想マシンを含む仮想マシンをホストすることができます。
セルフホストエンジン環境の復元のワークフロー
以下の手順では、セルフホストエンジン環境をバックアップから復元するワークフローの例を説明します。フェイルオーバー用ホストは、新しい Manager 用仮想マシンをデプロイし、そのマシンにバックアップを復元します。フェイルオーバー用ホストはバックアップ作成時に環境内にあったので、バックアップの復元完了の直後には、まだ Red Hat Virtualization Manager に存在します。Manager から古いフェイルオーバー用ホストを削除すると、新しいホストは Manager 用仮想マシンと同期され、デプロイメントが終了します。セルフホストエンジンの復元に関する詳しい情報は、「セルフホストエンジン環境の復元」を参照してください。
Host 1は、新しいセルフホストエンジンのデプロイに使用され、前の手順例で作成したバックアップを復元しました。復元した環境のデプロイには、通常のセルフホストエンジンのデプロイに加えて、追加の手順が必要となります。-
Manager 用仮想マシンに Red Hat Virtualization Manager をインストールした後に、まず
engine-setupを実行する前に、engine-backupツールを使用してバックアップを復元します。 engine-setupにより Manager を設定して復元したら、管理ポータルにログインして、バックアップから存在しているHost 1を削除します。古いHost 1が削除されず、新しいHost 1でのデプロイメント完了時に Manager に依然として存在している場合には、Manager 用仮想マシンは、新しいHost 1とは同期されず、デプロイメントは失敗します。
Host 1と Manager 用仮想マシンが同期され、デプロイメントが終了した後には、環境は基本レベルで稼働状態にあると見なすことができます。セルフホストエンジンノードが 1 つの場合には、Manager 用仮想マシンは高可用性ではありません。ただし、必要な場合には、優先度の高い仮想マシンをHost 1で起動することができます。稼働状態にある標準の RHEL ベースホスト (環境内に存在しているが、セルフホストエンジンノードではないホスト) はアクティブになり、バックアップ時に稼働していた仮想マシンは、これらのホストで実行され、Manager 内で利用可能となります。
-
Manager 用仮想マシンに Red Hat Virtualization Manager をインストールした後に、まず
Host 2とHost 3は、現在の状態ではリカバリーできません。これらのホストは環境から削除してから、hosted-engineデプロイメントスクリプトを使用して再度環境に追加する必要があります。この操作に関する詳しい説明は、「復元したセルフホストエンジン環境からの非稼働状態のホストの削除」および「セルフホスト環境への追加ホストのインストール」を参照してください。
復元した環境に、
Host 2およびHost 3を再デプロイしました。環境は最初の図に示す状態 (バックアップを作成する前の状態) になりましたが、Manager 用仮想マシンがHost 1でホストされている点が異なります。
7.1. セルフホストエンジンの Manager 用仮想マシンのバックアップ
Red Hat では、セルフホストエンジン環境を定期的にバックアップすることを推奨します。サポートされているバックアップの方法では、engine-backup ツールを使用し、ovirt-engine サービスを中断せずにバックアップを実行することができます。engine-backup ツールがバックアップできるのは、Red Hat Virtualization Manager 用仮想マシンのみで、Manager 用仮想マシンを実行するセルフホストエンジンノードまたはこの環境内でホストされる他の仮想マシンはバックアップされません。
既存の Red Hat Virtualization Manager のバックアップ
フェイルオーバー先のホストの準備
フェイルオーバー用ホスト (環境内にあるセルフホストエンジンノードの 1 つ) は、メンテナンスモードに設定して、バックアップ時に仮想化の負荷がない状態にします。このホストは、後で復元したセルフホストエンジン環境をデプロイする際に使用することができます。このバックアップシナリオでは、セルフホストエンジンノードはどれでもフェイルオーバー用ホストとして使用することができますが、
Host 1を使用すると、復元のプロセスがより簡単になります。Host 1ホストのデフォルト名はhosted_engine_1で、これは、hosted-engineデプロイメントスクリプトが最初に実行された際に設定されたものです。- セルフホストエンジンノードの 1 つにログインします。
hosted_engine_1ホストがHost 1であることを確認します。# hosted-engine --vm-status
- 管理ポータルにログインします。
- → をクリックします。
-
結果一覧から
hosted_engine_1ホストを選択し、 → をクリックします。 をクリックします。
ホストの仮想化の負荷によっては、全仮想マシンが移行されるまでしばらく時間がかかる場合があります。ホストのステータスが
Maintenanceに変わってから次のステップに進んでください。
Manager のバックアップ作成
Manager 用仮想マシン上で、仮想マシンの構成設定とデータベースの内容をバックアップします。[EngineBackupFile] はバックアップファイルのファイル名に、[LogFILE] はバックアップログのファイル名に置き換えます。
# engine-backup --mode=backup --file=[EngineBackupFile] --log=[LogFILE]
外部サーバーへのファイルのバックアップ
外部サーバーにファイルをバックアップします。以下の例では、[Storage.example.com] は、必要になるまでバックアップを格納するネットワークストレージサーバーの完全修飾ドメイン名に、/backup/ は希望するフォルダーまたはパスに置き換えます。仮想マシンの構成設定とデータベースの内容を復元するには、このバックアップファイルにアクセス可能である必要があります。
# scp -p [EngineBackupFiles] [Storage.example.com:/backup/EngineBackupFiles]
フェイルオーバー用ホストのアクティブ化
hosted_engine_1ホストをメンテナンスモードから切り替えます。- 管理ポータルにログインします。
- → をクリックします。
-
結果一覧から
hosted_engine_1を選択します。 - → をクリックします。
Red Hat Virtualization Manager 用仮想マシンの構成設定とデータベースの内容をバックアップしました。

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