Red Hat Training

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9.3. 新規プールおよびプールの編集ウィンドウの設定とコントロール

9.3.1. 新規プールおよびプールの編集における全般の設定

以下の表には、新規プール および プールの編集 ウィンドウの 全般 タブに必要な、仮想マシンプール固有の情報をまとめています。その他の設定は、新規仮想マシン ウィンドウと全く同じです。

表9.1 全般 の設定

フィールド名説明

テンプレート

仮想マシンプールのベースとなっているテンプレートおよびテンプレートのサブバージョン。テンプレートの 最新 サブバージョンをベースに仮想マシンプールを作成する場合、そのプール内の全仮想マシンはリブート時に最新のテンプレートバージョンを自動的に受け取ります。仮想マシンのテンプレートの設定に関する詳しい情報は、『仮想マシン管理ガイド』「仮想マシンの全般の設定」および「新規テンプレートウィンドウの設定」を参照してください。

説明

仮想マシンプールのわかりやすい説明

コメント

仮想マシンプールに関する、人間が判読できるプレーンテキスト形式のコメントを追加するためのフィールド

事前起動済みの仮想マシン

ユーザーが取得する前に起動され、取得するまでその状態で維持される、仮想マシンプール内の仮想マシンの数を指定することができます。このフィールドの値は、0 以上で、仮想マシンプール内の仮想マシンの合計数以下とする必要があります。

仮想マシン数/プールに追加する仮想マシンの数

仮想マシンプール内に作成され、使用可能となる仮想マシンの数を指定することができます。編集のウィンドウでは、数を指定して仮想マシンプール内の仮想マシン数を増やすことができます。デフォルトでは、1 プール内に作成できる仮想マシンの最大数は 1000 です。この値は、engine-config コマンドの MaxVmsInPool キーで設定することができます。

最大仮想マシン数/ユーザー

1 ユーザーが仮想マシンプールから 1 回に取得できる仮想マシンの最大数を指定することができます。このフィールドの値は、1 から 32,767 までの範囲内とする必要があります。

削除防止

プール内の仮想マシンが削除されるのを防ぐことができます。

9.3.2. 新規プールおよびプールの編集におけるタイプの設定

以下の表には、新規プール および プールの編集 ウィンドウの タイプ タブに必要な情報をまとめています。

表9.2 タイプ の設定

フィールド名説明

プールタイプ

このドロップダウンメニューで、仮想マシンプールのタイプを指定することができます。以下のオプションが利用可能です。

  • 自動: 仮想マシンプールから取得した仮想マシンをユーザーが使い終わった後に、その仮想マシンは自動的に仮想マシンプールに返却されます。
  • 手動: 仮想マシンプールから取得した仮想マシンをユーザーが使い終わった後に、管理者が手動で仮想マシンを返却した場合にのみ、その仮想マシンは仮想マシンプールに返却されます。

ステートフルプール

プール内の仮想マシンが別のユーザーに渡された時に、仮想マシンの状態が維持されるかどうかを指定します。選択すると、前のユーザーが仮想マシンに加えた変更が維持されます。

9.3.3. 新規プールおよびプールの編集におけるコンソールの設定

以下の表には、新規プール または プールの編集 ウィンドウの コンソール タブに必要な、仮想マシンプール固有の情報をまとめています。その他の設定は、新規仮想マシン および 仮想マシンの編集 ウィンドウと全く同じです。

表9.3 コンソール の設定

フィールド名説明

SPICE プロキシーを上書きする

グローバル設定で定義されている SPICE プロキシーの上書きを有効にするには、このチェックボックスを選択します。この機能は、ホストが属するネットワークの外部からユーザーが接続する場合 (例: VM ユーザーポータルからの接続) に有用です。

SPICE プロキシーアドレスの上書き

SPICE クライアントが仮想マシンに接続するのに使用するプロキシー。このプロキシーは、Red Hat Virtualization 環境で定義されているグローバル SPICE プロキシーと、仮想マシンプールが属する (該当する場合) クラスターの SPICE プロキシーの両方を上書きします。アドレスは以下の形式にする必要があります。

protocol://host:port

9.3.4. 仮想マシンプールのホストの設定

以下の表には、新規プール および プールの編集 ウィンドウの ホスト タブで使用可能なオプションについての説明をまとめています。

表9.4 仮想マシンプールのホストの設定

フィールド名サブ要素説明

実行を開始するホスト

 

仮想マシンを実行する優先ホストを定義します。以下のいずれかを選択してください。

  • クラスター内の任意のホスト: 仮想マシンはクラスター内の使用可能な任意のホストで起動、実行できます。
  • 特定のホスト: 仮想マシンは、クラスター内の特定のホストで起動します。ただし、Manager または管理者は、仮想マシンの移行/高可用性の設定に応じて、クラスター内の別のホストに仮想マシンを移行することが可能です。使用可能なホストの一覧から、特定のホストまたはホストのグループを選択します。

移行のオプション

移行モード

仮想マシンの実行/移行オプションを定義します。このオプションを使用しない場合には、仮想マシンはクラスターのポリシーに従って実行/移行されます。

  • 手動および自動の移行を許可する: 仮想マシンは、環境のステータスに応じてホスト間で自動移行されるか、管理者が手動で移行することができます。
  • 手動の移行のみを許可する: 仮想マシンは、管理者による手動のホスト間移行のみが可能です。
  • 移行を許可しない: 仮想マシンは、自動または手動のいずれでも移行することはできません。
 

カスタム移行ポリシーを使用する

移行収束のポリシーを定義します。チェックボックスにチェックが入っていない場合は、ホストがポリシーを決定します。

  • Legacy: バージョン 3.6 のレガシーの動作。デフォルトの動作に優先する vdsm.conf への設定変更が、そのまま適用されます。ゲストエージェントのフックメカニズムは無効になります。
  • Minimal downtime: 一般的な状況での仮想マシンの移行が可能です。仮想マシンのダウンタイムは長時間にならないはずです。長時間経過した後に仮想マシンの移行が収束しない場合は、移行が中断されます (QEMU の繰り返し回数によりますが、最大でも 500 ミリ秒)。ゲストエージェントのフックメカニズムは有効になります。
  • Suspend workload if needed: 仮想マシンが大きなワークロードを実行している場合を含め、多くの状況で仮想マシンを移行できます。仮想マシンのダウンタイムはさらに長時間にわたる可能性があります。極端に大きなワークロードの場合には、移行が中断されてしまう可能性があります。ゲストエージェントのフックメカニズムは有効になります。
 

カスタム移行ダウンタイムを使用

このチェックボックスにより、ライブマイグレーション中の仮想マシンの最長ダウンタイムをミリ秒単位で指定することができます。各仮想マシンのワークロードと SLA の要件に応じて、異なる最長ダウンタイムを設定してください。VDSM のデフォルト値を使用するには 0 を入力します。

 

移行の自動収束

移行ポリシーが Legacy の場合にのみ有効です。このオプションでは、仮想マシンのライブマイグレーション中に自動収束を使用するかどうかを設定することができます。ワークロードが大きくサイズの大きい仮想マシンは、ライブマイグレーション中に到達する転送速度よりも早くメモリーをダーティーな状態にして、移行を収束できないようにする可能性があります。QEMU の自動収束機能は、仮想マシンの移行を強制的に収束することができます。移行が収束されていない場合には、QEMU が自動的に検出して、仮想マシンの vCPU の使用率を制限します。デフォルトでは、自動収束はグローバルレベルで無効化されています。

  • クラスター設定から継承する を選択して、クラスターレベルで設定されている自動収束設定を使用します。このオプションは、デフォルトで選択されています。
  • クラスター設定またはグローバル設定を無効にして仮想マシンの自動収束を可能にするには、自動収束 を選択します。
  • クラスター設定またはグローバル設定を無効にして仮想マシンの自動収束を避けるには、自動収束しない を選択します。
 

移行時の圧縮の有効化

移行ポリシーが Legacy の場合にのみ有効です。このオプションでは、仮想マシンのライブマイグレーション中に移行の圧縮を使用するかどうかを設定することができます。この機能は、Xor Binary Zero Run-Length-Encoding を使用して、仮想マシンのダウンタイム、およびメモリーの書き込みの多いワークロードを実行する仮想マシンやメモリー更新パターンがスパースなアプリケーションの合計ライブマイグレーション時間を減らします。デフォルトでは、移行の圧縮はグローバルレベルで無効化されています。

  • クラスター設定から継承する を選択して、クラスターレベルで設定されている圧縮設定を使用します。このオプションは、デフォルトで選択されています。
  • クラスター設定またはグローバル設定を無効にして仮想マシンの圧縮を可能にするには、圧縮 を選択します。
  • クラスター設定またはグローバル設定を無効にして仮想マシンの圧縮を避けるには、圧縮しない を選択します。
 

ホストの CPU をパススルーする

このチェックボックスにより、仮想マシンはその仮想マシンが配置されているホストの物理 CPU の機能を活用することができます。このオプションは、移行を許可しない が選択されている場合のみ有効にすることができます。

NUMA の設定

NUMA ノード数

仮想マシンに割り当てる仮想 NUMA ノードの数。チューニングモード優先 に指定されている場合には、この値は 1 に設定する必要があります。

 

チューニングモード

メモリーの割り当てに使用する方法

  • 厳格: ターゲットノードでメモリーを割り当てることができない場合にはメモリーの割り当ては失敗します。
  • 優先: 単一の優先ノードからのみメモリーの割り当てが行われます。十分なメモリーが使用できない場合には、他のノードからメモリーを割り当てることができます。
  • インターリーブ: メモリーはラウンドロビンアルゴリズムでノード全体に割り当てられます。
 

NUMA 固定

NUMA トポロジー ウィンドウが開きます。このウィンドウでは、ホストの合計 CPU、メモリー、NUMA ノード、仮想マシンの仮想 NUMA ノードが表示されます。右側のボックスから各仮想 NUMA をクリックし、左側の NUMA ノードにドラッグして、仮想 NUMA ノードをホストの NUMA ノードに固定します。

9.3.5. 新規プールおよびプールの編集におけるリソースの割り当ての設定

以下の表には、新規プール および プールの編集 ウィンドウの リソースの割り当て タブに必要な、仮想マシンプール固有の情報をまとめています。その他の設定は、新規仮想マシン ウィンドウと全く同じです。詳細については、『仮想マシン管理ガイド』「仮想マシンにおけるリソースの割り当ての設定」を参照してください。

表9.5 リソースの割り当て の設定

フィールド名サブ要素説明

ディスクの割り当て

ターゲットを自動選択

空き容量が最も大きいストレージドメインを自動的に選択するには、このチェックボックスを選択します。ターゲット および ディスクプロファイル フィールドは無効になります。

 

形式

このフィールドは読み取り専用で、ストレージドメインのタイプに OpenStack Volume (Cinder) を設定しない限り常に QCOW2 と表示されます。OpenStack Volume の場合、形式は Raw となります。