Red Hat Training

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9.2. 仮想マシンプールの作成

仮想マシンプールを作成し、共通のテンプレートをベースにした複数の仮想マシンを含めることができます。仮想マシンのシーリングおよびテンプレートの作成については、『仮想マシン管理ガイド』「テンプレート」を参照してください。

Windows 仮想マシンにおける Sysprep ファイルの設定オプション

必要に応じて、sysprep ファイルのさまざまな設定オプションを利用することができます。

プールをドメインにアタッチする必要がなければ、/usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ にあるデフォルトの sysprep ファイルを使用することができます。

プールをドメインにアタッチする必要がある場合は、それぞれの Windows オペレーティングシステム用のカスタム sysprep を作成することができます。

  1. それぞれのオペレーティングシステムの該当部分を /usr/share/ovirt-engine/conf/osinfo-defaults.properties から新しいファイルにコピーし、99-defaults.properties として保存します。
  2. 99-defaults.properties において、Windows アクティベーション用プロダクトキーおよび新しいカスタム sysprep ファイルのパスを指定します。

    os.operating_system.productKey.value=Windows_product_activation_key
    ...
    os.operating_system.sysprepPath.value = ${ENGINE_USR}/conf/sysprep/sysprep.operating_system
  3. 新しい sysprep ファイルを作成し、ドメイン、ドメインのパスワード、およびドメインの管理者を指定します。

        <Credentials>
            <Domain>AD_Domain</Domain>
            <Password>Domain_Password</Password>
            <Username>Domain_Administrator</Username>
        </Credentials>

Windows 仮想マシンのさまざまなプールに対応するために、さまざまな sysprep 設定を定義する必要がある場合には、管理ポータルでカスタム sysprep ファイルを作成することができます (以下に示す「仮想マシンプールの作成」を参照してください)。詳細については、『仮想マシン管理ガイド』「Sysprep を使用した仮想マシンの設定の自動化」を参照してください。

仮想マシンプールの作成

  1. コンピュートプール をクリックします。
  2. 新規作成 をクリックします。
  3. ドロップダウンリストから クラスター を選択します。
  4. ドロップダウンメニューから テンプレート およびバージョンを選択します。テンプレートはプール内の全仮想マシンの標準設定を提供します。
  5. ドロップダウンリストから オペレーティングシステム を選択します。
  6. 最適化オプション のドロップダウンリストを使用して、仮想マシンを デスクトップ 用または サーバー 用に最適化します。

    注記

    ハイパフォーマンス仮想マシンは単一のホストおよび特定のリソースに固定されるので、プールの最適化オプションに ハイパフォーマンス を設定することは推奨されません。そのような設定の仮想マシンが複数含まれるプールは、正しく機能しません。

  7. 名前 ならびにオプションとして 説明 および コメント を入力します。

    プール内の各仮想マシンには、数字の接尾辞と共にこのプールの 名前 が適用されます。? をプレースホルダーとして、仮想マシンの番号付けをカスタマイズすることができます。

    例9.1 プール名と仮想マシンの番号付けの例

    • プール: MyPool

      仮想マシン: MyPool-1MyPool-2、…​ MyPool-10

    • プール: MyPool-???

      仮想マシン: MyPool-001MyPool-002、…​ MyPool-010

  8. プール内の 仮想マシン数 を入力します。
  9. 事前起動済みの仮想マシン フィールドに事前起動する仮想マシンの数を入力します。
  10. 最大仮想マシン数/ユーザー で、1 ユーザーが 1 セッションで実行できる仮想マシンの最大数を指定します。最小値は 1 です。
  11. 削除防止 のチェックボックスを選択して、削除防止の設定を有効にします。
  12. Windows 以外の仮想マシンのプールを作成する場合、またはデフォルトの sysprep を使用する場合には、このステップを省略してください。Windows 仮想マシンのプール用にカスタム sysprep ファイルを作成する場合は、以下の手順を実施してください。

    1. 詳細オプションを表示 ボタンをクリックします。
    2. 初期起動 タブをクリックし、Cloud-Init/Sysprep を使用 のチェックボックスを選択します。
    3. 認証 の矢印をクリックし、ユーザー名パスワード を入力するか、設定済みのパスワードを使用 を選択します。

      注記

      この ユーザー名 は、ローカルの管理者名です。この 認証 セクションまたはカスタム sysprep ファイルで、その値をデフォルト値 (user) から変更することができます。

    4. カスタムスクリプト の矢印をクリックし、テキストボックスに /usr/share/ovirt-engine/conf/sysprep/ にあるデフォルトの sysprep ファイルの内容を貼り付けます。
    5. sysprep ファイルの以下の値を変更することができます。

      • Key。事前定義の Windows アクティベーション用プロダクトキーを使用しない場合は、<![CDATA[$ProductKey$]]> を有効なプロダクトキーに置き換えます。

            <ProductKey>
                <Key><![CDATA[$ProductKey$]]></Key>
            </ProductKey>

        例9.2 Windows プロダクトキーの例

        <ProductKey>
            <Key>0000-000-000-000</Key>
        </ProductKey>
      • Windows 仮想マシンをアタッチする Domain、ドメインの Password、およびドメイン管理者の Username:

            <Credentials>
                <Domain>AD_Domain</Domain>
                <Password>Domain_Password</Password>
                <Username>Domain_Administrator</Username>
            </Credentials>

        例9.3 ドメイン認証情報の例

        <Credentials>
            <Domain>addomain.local</Domain>
            <Password>12345678</Password>
            <Username>Sarah_Smith</Username>
        </Credentials>
        注記

        DomainPassword、および Username はドメインへのアタッチに必要です。Key はアクティベーション用です。両方は必要ありません。

        ドメインおよび認証情報を 初期起動 タブで変更することはできません。

      • ローカルの管理者の FullName:

            <UserData>
            ...
                <FullName>Local_Administrator</FullName>
            ...
            </UserData>
      • ローカルの管理者の DisplayName および Name:

            <LocalAccounts>
                <LocalAccount wcm:action="add">
                    <Password>
                        <Value><![CDATA[$AdminPassword$]]></Value>
                        <PlainText>true</PlainText>
                    </Password>
                    <DisplayName>Local_Administrator</DisplayName>
                    <Group>administrators</Group>
                    <Name>Local_Administrator</Name>
                </LocalAccount>
            </LocalAccounts>

        sysprepファイルの残りの変数は、初期起動 タブで入力することができます。

  13. オプションとして、プールタイプ を設定します。

    1. タイプ タブをクリックして プールタイプ を選択します。

      • 手動: 管理者は、仮想マシンをプールに明示的に返却する責任があります。
      • 自動: 仮想マシンは自動的に仮想マシンプールに返却されます。
    2. 仮想マシンを必ずステートフルモードで起動するには、ステートフルプール のチェックボックスを選択します。これにより、前のユーザーが仮想マシンに加えた変更が維持されます。
    3. OK をクリックします。
  14. オプションとして、SPICE プロキシーを上書きします。

    1. コンソール タブで SPICE プロキシーを上書きする のチェックボックスを選択します。
    2. SPICE プロキシーアドレスの上書き のテキストフィールドで、グローバルの SPICE プロキシーを上書きする SPICE プロキシーのアドレスを指定します。
    3. OK をクリックします。
  15. Windows 仮想マシンのプールの場合は、コンピュート仮想マシン をクリックし、プールからそれぞれの仮想マシンを選択して 実行1 回実行 をクリックします。

    注記

    仮想マシンが起動せず、%WINDIR%\panther\UnattendGC\setupact.log に「Info [windeploy.exe] Found no unattend file」と表示される場合は、プールのテンプレートを作成するために使用した Windows 仮想マシンのレジストリーに、UnattendFile キーを追加します。

    1. Windows 仮想マシンに unattend ファイルが入ったフロッピーデバイスがアタッチされていることを確認します (例: A:\Unattend.xml)。
    2. スタート をクリックして 実行 をクリックし、開く テキストボックスに regedit と入力して OK をクリックします。
    3. 左側のペインで HKEY_LOCAL_MACHINESYSTEMSetup の順に移動します。
    4. 右側のペインで右クリックし、新規文字列値 を選択します。
    5. キー名に UnattendFile と入力します。
    6. 新しいキーをダブルクリックし、キーの値として unattend ファイルの名前およびパスを入力します (例: A:\Unattend.xml)。
    7. レジストリーを保存し、Windows 仮想マシンをシーリングして新規テンプレートを作成します。詳細については、『仮想マシン管理ガイド』「テンプレート」を参照してください。

指定した数の同一の仮想マシンが入った仮想マシンプールの作成と設定が完了しました。これらの仮想マシンは、コンピュート仮想マシン で、またはプールの名前をクリックして表示される詳細ビューで確認することができます。仮想マシンプール内の仮想マシンと独立した仮想マシンは、アイコンで見分けることができます。