Red Hat Training

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2.2. ホストの更新

ホストのアップグレードマネージャーを使用して、Red Hat Virtualization Manager から直接個別のホストを更新します。更新マネージャーは、ホストの更新で利用できるものかあるかを確認して通知し、ホストをメンテナンスモードに切り替えて、パッケージを更新し、ホストを稼動状態に戻すプロセスを自動化することにより、ホストの更新の所要時間を短縮します。ホストが多くある大規模なデプロイメントでは、このようにプロセスを自動化すると大幅に時間を節約することができます。
Red Hat Enterprise Linux ホストでは、デフォルトでアップグレードマネージャーが Red Hat Virtualization パッケージに更新があるかどうかを確認します。システム設定の値「UserPackageNamesForCheckUpdate」で追加のパッケージを指定してアップグレードマネージャーにより更新の有無が監視されるようにすることができます。この値に、ワイルドカードを指定することができます。以下のように、Manager マシンで engine-config コマンドを実行します。
# engine-config -m UserPackageNamesForCheckUpdate=vdsm-hook-ethtool-options

警告

オペレーティングシステムのセキュリティー修正などのその他の更新については、「ホストの手動更新」で記載されているように yum update を使用して Red Hat Enterprise Linux ホストを手動で更新する必要があります。
Red Hat Virtualization Host (RHVH) の場合は、アップグレードマネージャーは RHVH イメージの更新があるかを確認します。個別のパッケージではなく RHVH イメージ自体が更新されるため、他のパッケージを更新するための yum update を手動で実行する必要はありません。更新時には /etc および /var のディレクトリーで変更された内容のみが保存されます。他のパスに含まれる変更データは更新時にすべて置き換えられます。
アップグレードマネージャーは、デフォルトでは 24 時間間隔で更新をチェックします。HostPackagesUpdateTimeInHours の設定値でこの設定を変更することが可能です。Manager マシンで engine-config コマンドを実行します。以下に例を示します。
# engine-config -s HostPackagesUpdateTimeInHours=48
クラスターレベルで移行が有効化されている場合には、仮想マシンはそのクラスター内の別のホストに自動的に移行されるので、ホストの更新は、ホストの使用率が比較的に低い時間帯に実行することを推奨します。
ホストが属するクラスターには、ホストがメンテナンスを実行するのに十分なメモリーが確保されていることを確認してください。クラスターに十分なメモリーがない場合には、仮想マシンの移行操作がハングして失敗してしまいます。ホストを更新する前に一部またはすべての仮想マシンをシャットダウンしておくと、この操作のメモリー使用量を低減することができます。

重要

更新の前に、クラスターに複数のホストが含まれていることを確認します。全ホストを同時に更新しないようにしてください。Storage Pool Manager (SPM) のタスクを実行するために、ホストが 1 台使用可能である必要があります。

手順2.2 Red Hat Enterprise Linux ホストおよび Red Hat Virtualization Host の更新

  1. 管理ポータルで ホスト タブをクリックして、更新するホストを選択します。
    • ホストに更新が必要な場合には、アクション項目 の欄に警告のメッセージとホスト名の横にアイコンが表示され、新しいバージョンが入手できることが通知されます。
    • ホストの更新が必要でない場合には、警告メッセージやアイコンは表示されず、これ以外の操作は必要ありません。
  2. アップグレード をクリックすると、ホストのアップグレード の確認のウィンドウが開きます。
  3. OK をクリックしてホストを更新します。ホスト タブにホストの情報が更新され、ステータスが以下の順序で変わります。
    • Maintenance
    • Installing
    • Up
更新が正常に完了すると、ホストは Up のステータスで表示されます。この時点で、このホストから別のホストに移行されていた仮想マシンは、元に戻すことができます。Red Hat Virtualization 環境内の各ホストで更新の手順を繰り返してください。

注記

更新が失敗すると、ホストのステータスは Install Failed に変わります。Install Failed の状態から アップグレード を再度クリックすることができます。