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4.5. ホストのソフトフェンシング

ホストは、予期しない問題が原因となって応答なしの状態になる場合があります。VDSM は要求に応答できませんが、VDSM に依存している仮想マシンは稼働を続け、アクセス可能な状態のままとなります。このような状況が発生した場合には、VDSM を再起動すると、VDSM が応答可能な状態に戻り、問題は解決します。
「SSH を介したソフトフェンシング」は、Manager が SSH を使用して、応答しない状態のホストで VDSM の再起動を試みるプロセスです。Manager が SSH を使用した VDSM の再起動に失敗した場合には、フェンシングは外部のフェンスエージェントの責任となります (外部のフェンスエージェントが設定されている場合)。
SSH ソフトフェンシングが機能するためには、ホストでフェンシングが設定および有効化されており、かつ有効なプロキシーホスト (同じデータセンター内にある、ステータスが Up の第 2 のホスト) が存在している必要があります。Manager とホスト間の接続がタイムアウトになると、次のような状態となります
  1. 初回のネットワーク障害発生時には、ホストのステータスが「connecting」に変わります。
  2. Manager は次に VDSM に対してステータス確認を 3 回試みるか、ホストの負荷によって決定される時間が経過するのを待ちます。この時間は、[TimeoutToResetVdsInSeconds (デフォルトは 60 秒)] + [DelayResetPerVmInSeconds (デフォルトは 0.5 秒)] * [ホスト上で実行中の仮想マシン数] + [DelayResetForSpmInSeconds (デフォルトは 20 秒)] * [1 (ホストが SPM として稼働している場合) または 0 (ホストが SPM としては稼働していない場合)] の計算式で決定されます。VDSM が応答する時間を最大限にするために、Manager は上記のオプション (VDSM のステータス確認を 3 回試みる、または上記の計算式で決定される時間の経過を待つ) でいずれか長い方を選択します。
  3. この時間が経過してもホストが応答しない場合には、SSH を介して vdsm restart が実行されます。
  4. vdsm restart を実行しても、ホストと Manager 間の接続が再度確立されない場合には、ホストのステータスが Non Responsive に変わります。電源管理が設定されている場合には、フェンシングは外部のフェンスエージェントによって引き継がれます。

注記

SSH を介したソフトフェンシングは、電源管理を設定していないホストに対しても実行することが可能です。これは、「フェンシング」とは異なります。フェンシングは、電源管理が設定されたホストでしか実行することはできません。