Red Hat Training

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10.6. ハイパーバイザーホストの要件

Red Hat Virtualization Host (RHVH) には、ハードウェア要件およびサポート制限が複数あります。Red Hat Enterprise Linux ホストのストレージ要件は、既存の設定で使用するディスク容量により異なりますが、RHVH よりも多くなるはずです。

表10.4 Red Hat Virtualization Host 要件およびサポート制限事項

項目サポート制限事項
CPU
物理 CPU は最小で 1 つ必要です。Red Hat Virtualization はホストで以下の CPU モデルの使用をサポートしています。
  • AMD Opteron G1
  • AMD Opteron G2
  • AMD Opteron G3
  • AMD Opteron G4
  • AMD Opteron G5
  • Intel Conroe
  • Intel Penryn
  • Intel Nehalem
  • Intel Westmere
  • Intel Haswell
  • Intel SandyBridge Family
  • IBM POWER 8
すべての CPUIntel® 64 または AMD64 CPU の拡張機能をサポートし、AMD-V™ または Intel VT® のハードウェア仮想化拡張機能が有効化されている必要があります。No eXecute フラグ (NX) のサポートも必要です。
RAM
各仮想マシンに必要な RAM の容量は以下の条件によって異なります。
  • ゲストオペレーティングシステムの要件
  • ゲストアプリケーションの要件
  • 仮想マシンのメモリーアクティビティーと使用率
また、KVM では、仮想マシンの物理 RAM のオーバーコミットが可能です。必要に応じてのみ仮想マシンに RAM を割り当て、使用率が低い仮想マシンの RAM を swap に移動することでオーバーコミットを行います。
最大/最小サポートメモリーについては https://access.redhat.com/ja/articles/1271503 を参照してください。
ストレージ
ホストの内部ストレージのサポート最小容量は、以下の一覧に示した容量の合計です。
  • root (/) パーティションには少なくとも 6 GB のストレージが必要です。
  • /boot パーティションには少なくとも 1 GB のストレージが必要です。
  • /var パーティションには少なくとも 15 GB のストレージが必要です。セルフホストエンジンのデプロイメントには、最低でも 60 GB 必要です。
  • swap パーティションには、最小で 8 MB のストレージが必要です。swap パーティションの推奨サイズは、ホストのインストール先のシステムや、その環境で予想されるオーバーコミットのレベルの両方により異なります。詳しい情報は、https://access.redhat.com/ja/solutions/108483を参照してください。
この計算は、ホストインストールの最小限のストレージ要件である点に注意してください。これよりも大きなストレージ容量を用いた、デフォルトの割り当てを使用することを推奨します。
PCI デバイス
ネットワークコントローラーが少なくとも 1 つ必要です。推奨される最小帯域幅は 1 Gbps です。

重要

Red Hat Virtualization Host の起動時に、次のようなメッセージが表示される場合があります。
Virtualization hardware is unavailable.
(No virtualization hardware was detected on this system)
この警告は、仮想化拡張機能が無効になっているか、ご使用のプロセッサーに拡張機能が搭載されていないことを示しています。CPU が上記の拡張機能をサポートし、システムの BIOS で有効になっていることを確認してください。
プロセッサーに仮想化拡張機能が搭載されているかどうか、またそれらの機能が有効化されているかどうかを確認するには、以下の手順で行います。
  • ホストの起動画面で任意のキーを押し、一覧から Boot または Boot with serial console のエントリを選択します。Tab を押して選択したオプションのカーネルパラメーターを編集します。最後のカーネルパラメーターの後ろに 空白 があることを確認した上で rescue パラメーターを追記します。
  • Enter を押して、レスキューモードで起動します。
  • プロンプトが表示されたら、次のコマンドを実行して、ご使用のプロセッサーに仮想化拡張があることと、仮想化拡張機能が有効化されていることを確認します。
    # grep -E 'svm|vmx' /proc/cpuinfo
    何らかの出力が表示されれば、プロセッサーはハードウェアの仮想化が可能です。出力が何も表示されない場合でも、ご使用のプロセッサーがハードウェア仮想化に対応している可能性があります。場合によっては、メーカーが BIOS で仮想化拡張機能を無効にしていることがあります。これに該当すると思われる場合には、メーカーが提供しているシステムの BIOS とマザーボードに関するマニュアルを参照してください。
  • 追加のチェック事項として、kvm モジュールがカーネルで読み込まれているかどうかを確認します。
    # lsmod | grep kvm
    出力に kvm_intel または kvm_amd が含まれている場合は、kvm ハードウェア仮想化モジュールが読み込まれており、システムが要件を満たしていることになります。