Red Hat Training

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第5章 負荷分散、スケジューリング、移行

5.1. 負荷分散、スケジューリング、移行

個々のホストのハードウェアリソースには限りがあり、障害の影響を受けやすい状態です。このため、複数のホストをクラスターにグループ化して、実質的に共有リソースを 1 つにまとめ、障害の発生やリソース消費を軽減します。Red Hat Virtualization 環境では、負荷分散ポリシー、スケジューリング、移行などを使用して、ホストリソースの需要の変化に対応します。Manager により、クラスター内の全仮想マシンの負荷が 1 台のホストだけにかからないようにできます。また逆に、Manager が稼働率の低いホストを認識して、そのホストから仮想マシンを別のホストに移行して、管理者がそのホストをシャットダウンして節電できるようにすることも可能です。
使用可能なリソースは、以下の 3 つのイベントでチェックされます。
  • 仮想マシンの起動: リソースをチェックして、仮想マシンを起動するホストを決定します。
  • 仮想マシンの移行: リソースをチェックして、移行先となる適切なホストを決定します。
  • 経過時間: 一定の間隔でリソースをチェックし、各ホストの負荷が、クラスター負荷分散ポリシーに適合しているかどうかを確認します。
Manager は、クラスターを対象とする負荷分散ポリシーを使用して、クラスター内のホスト間における仮想マシン移行をスケジュールすることにより、使用可能なリソースの変化に対応します。負荷分散ポリシー、スケジューリング、仮想マシン移行の間の関係については、以下のセクションで説明します。