Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat Virtualization
5.4. RHEV-H ベースのセルフホストエンジン環境のアップグレード
RHEV-H ベースのセルフホストエンジン環境を RHEV 3.6 から RHV 4.0 にアップグレードするには、最新の Red Hat Virtualization Host (RHVH) 4.0 をインストールし、Red Hat Virtualization Manager (RHV-M) 4.0 にアップグレードする必要があります。Red Hat Virtualization 4.0 で提供されるアップグレードユーティリティーは、Manager 仮想マシンに Red Hat Enterprise Linux 7 をインストールし、新しい Manager に 3.6 Manager データベースのバックアップを復元します。
重要
upgrade ユーティリティーは、テンプレートに基づいて新しい Manager を構築します。カスタムユーザー、SSH キー、監視などの元の Manager への手動の変更またはカスタム設定は、新規 Manager で手動で再適用する必要があります。
重要
手順を試みる前に、環境内のすべてのデータセンターおよびクラスターにおいて、クラスターの互換性レベルがバージョン 3.6 に設定されている必要があります。
アップグレードプロセスには、以下の主要なステップが含まれます。
- Manager 用仮想マシンを管理する高可用性エージェントをグローバルメンテナンスモードにします。
- 新しい RHVH 4.0 ホストを環境に追加します。
- Manager 仮想マシンを新しいホストに移行し、SPM として設定します。
- upgrade ユーティリティーを実行して Manager をアップグレードします。アップグレード手順の実行中に、3.6 Manager のバックアップを作成し、アップグレードが実行されるホストマシンにコピーするように求められます。
- ホストを更新します。
- Manager 用仮想マシンおよびクラスター内のすべてのホストが更新されたら、クラスターの互換バージョンを 4.0 に変更します。
アップグレード手順で作成したバックアップは自動的に削除されません。アップグレードが成功したことを確認したら、手動で削除する必要があります。バックアップディスクには
hosted-engine-backup-*
のラベルが付けられます。
前提条件
/var/tmp
ディレクトリーには、アプライアンスファイルを抽出するために 5 GB 以上の空き領域が必要です。そうでない場合は、別のディレクトリーを指定したり、必要なスペースを持つ代替ストレージをマウントしたりできます。VDSM ユーザーおよび KVM グループには、ディレクトリーに対する読み取り、書き込み、および実行権限が必要です。- セルフホストエンジン用ストレージドメインには、デプロイされる新しいアプライアンス用の追加の空き領域が必要です(デフォルトでは 50 GB)。iSCSI またはファイバーチャネルストレージのストレージを増やすには、ストレージの LUN サイズを手動で拡張し、Manager を使用してストレージドメインを拡張する必要があります。LUN のサイズ変更に関する詳細は、『Administration Guide』 の Increasing iSCSI or FCP Storage を参照してください。
手順5.5 セルフホストエンジンのアップグレード
- 新しい RHVH 4.0 ホストをインストールします。RHVH の 『インストール手順については、インストールガイド』 を参照してください。
- 新しいホストを環境に追加します。新しいホストでデプロイメントスクリプトを実行します。
# hosted-engine --deploy
プロンプトが表示されたら、既存の共有ストレージドメインを指定します。スクリプトは、これが追加のホスト設定であることを検出します。追加のホストデプロイメント時にスクリプトによって尋ねられる質問の詳細は、『Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 Self-Hosted Engine Guide』 の Installing additional Hosts to a Self-Hosted Environment を参照してください。 - すべてのセルフホストエンジンノードで高可用性エージェントを無効にします。これを行うには、クラスター内の任意のホストで以下のコマンドを実行します。
# hosted-engine --set-maintenance --mode=global
注記hosted-engine --vm-status を実行して、環境がメンテナーンスモードにあることを確認します。 - カスタマーポータルから RHV-M Virtual Appliance をダウンロードし、新しいホストにコピーします。
- カスタマーポータル https://access.redhat.com にログインします。
- メニューバー の ダウンロード をクリックします。
- Red Hat Virtualization > Download Latest をクリックして、製品のダウンロードページにアクセスします。
- Red Hat Virtualization 4.0 向けのアプライアンスを選択し、今すぐダウンロード をクリックします。
OVA ファイルを Red Hat Virtualization Host に安全にコピーします。scp rhvm-appliance.ova root@host.example.com:/usr/share
- Manager 用仮想マシンを RHVH 4.0 ホストに移行し、ホストを Storage Pool Manager (SPM)として設定します。
- アップグレードスクリプトを実行して、Manager 仮想マシンをアップグレードします。インストールされていない場合は、screen パッケージをインストールします。
# yum install screen
# screen
# hosted-engine --upgrade-appliance
注記スクリプトにより、ホストにコピーした RHV-M Virtual Appliance の場所の入力が求められます。また、Manager データベースのバックアップを作成し、その完全な場所を指定するように促します。 - アップグレードが完了したら、グローバルメンテナーンスを無効にします。
# hosted-engine --set-maintenance --mode=none
アップグレード中に問題が発生した場合は、hosted-engine --vm-poweroff コマンドを使用して Manager の電源をオフにし、hosted-engine --rollback-upgrade を実行してアップグレードをロールバックします。
セルフホストエンジン環境内のホストをアップグレードするには、「セルフホストエンジン環境でのホストのアップグレード」 を参照してください。