第2章 クイックスタートの例

2.1. CLI を使った基本的な仮想環境の構築

本章では、Red Hat Virtualization の基本環境内で仮想マシンを追加する CLI の機能を実例をあげて説明します。この例では以下の前提条件を使用します。
  • ハイパーバイザーとして使用するための Red Hat Enterprise Linux ホスト。このホストはネットワーク接続があり設定済みであること。
  • 以下の 2 つのシェアがある NFS ストレージサーバー。この NFS ストレージサーバーはネットワーク接続があり設定済みであること。
    • /exports/data - データストレージドメイン
    • /exports/iso - ISO ストレージドメイン
  • ネットワークに接続された、設定済みの Red Hat Virtualization Manager
  • Red Hat Virtualization Manager またはクライアントマシンのいずれかに CLI がインストールされていること
  • 仮想マシンにインストールする任意のオペレーティングシステムを格納した ISO ファイル。本章では、インストール ISO の例に Red Hat Enterprise Linux Server を使用しています。

注記

Red Hat Virtualization Manager は、各リソースのグローバル一意識別子 (GUID) を生成します。以下の例に記載の識別子コードは、お使いの Red Hat Virtualization 環境の識別子コードとは異なる場合があります。

手順2.1 クイックスタートの例

  1. CLI シェルをロードして、Red Hat Virtualization Manager に接続します。
    # ovirt-shell -c --url https://[rhevm-host]/api --username [user]@[domain] --ca-file certificate/authority/path/name
  2. 環境内の全データセンターを一覧表示します。以下の例では Default データセンターを使用しています。
    [RHEVM shell (connected)]# list datacenters 
    
    id         : 5e3b55d8-c585-11e1-a7df-001a4a400e0d
    name       : Default
    description: The default Data Center
  3. 全ホストクラスターを一覧表示し、対象のクラスター ID またはクラスター名を書き留めておきます。この情報は、ホストを追加して仮想マシンを作成する際に必要となります。以下の例では、Default クラスターを使用して Red Hat Virtualization 環境内のリソースをグループ化しています。
    [RHEVM shell (connected)]# list clusters
    
    id         : 99408929-82cf-4dc7-a532-9d998063fa95
    name       : Default
    description: The default server cluster
  4. 全 CPU プロファイルを一覧表示し、対象の CPU プロファイルを書き留めておきます。この情報は、仮想マシンの作成時に必要となります。以下の例では Default の CPU プロファイルを使用しています。
    [RHEVM shell (connected)]# list cpuprofiles 
    
    id         : 0000001a-001a-001a-001a-00000000035e
    name       : Default
    
  5. show-all オプションを使用して全論理ネットワークを一覧表示し、環境内の論理ネットワークの詳細情報を表示します。 Red Hat Virtualization Manager は管理トラフィック用に ovirtmgmt というデフォルトの論理ネットワークを作成します。以下の例では、Default データセンターの ovirtmgmt 論理ネットワークを使用しています。
    [RHEVM shell (connected)]# list networks --show-all
    
    id            : 00000000-0000-0000-0000-000000000009
    name          : ovirtmgmt
    description   : Management Network
    data_center-id: 5e3b55d8-c585-11e1-a7df-001a4a400e0d
    mtu           : 0
    required      : True
    status-state  : operational
    stp           : False
    usages-usage  : VM
    
    data_center-id の値は Default データセンターの id と一致する点に注意してください。
  6. Red Hat Enterprise Linux ホストを新規ハイパーバイザーとして仮想化環境に追加します。このホストは自動的にアクティブ化されます。
    [RHEVM shell (connected)]# add host --name MyHost --address host.example.com --cluster-name Default --root_password p@55w0rd!
  7. NFS 共有を作成、アタッチ、アクティブ化して、データストレージドメインとして追加します。NFS データストレージドメインとは、データセンターにアタッチされた、エクスポート済みの NFS 共有で、仮想マシン用のストレージを提供します。storage-address および storage-path は NFS サーバーの正しい値に置き換えてください。
    1. データストレージドメインを作成します。
      [RHEVM shell (connected)]# add storagedomain --host-name MyHost --type data --storage-type nfs --storage_format v3 --storage-address x.x.x.x --storage-path /exports/data --name DataStorage
    2. 作成したストレージドメインが使用可能であることを確認します。作成のプロセスには数分かかる場合があります。status-stateunattached に切り替わったら、次のステップに進むことができます。
      [RHEVM shell (connected)]# show storagedomain --name DataStorage
      id             : xxxx
      name           : DataStorage
      master         : False
      status-state   : unattached
      ...
      
    3. データストレージドメインをデータセンターにアタッチします。ストレージドメインは、自動的にアクティブ化されます。
      [RHEVM shell (connected)] # add storagedomain --datacenter-identifier Default --name DataStorage

      注記

      ストレージドメインがアクティブ化されない場合には、以下のコマンドを使用して手動でアクティブ化してください。
      [RHEVM shell (connected)]# action storagedomain DataStorage --datacenter-identifier Default activate
      
  8. NFS 共有を作成、アタッチ、アクティブ化して、ISO ストレージドメインとして追加します。NFS ISO ストレージドメインとは、データセンターにアタッチされた、エクスポート済みの NFS 共有で、DVD/CD-ROM ISO および仮想フロッピーディスク (VFD) のイメージファイル用のストレージを提供します。storage-address および storage-path は NFS サーバーの正しい値に置き換えてください。
    1. ISO ストレージドメインを作成します。
      [RHEVM shell (connected)]# add storagedomain --host-name MyHost --type iso --storage-type nfs --storage_format v3 --storage-address x.x.x.x --storage-path /exports/iso --name ISOStorage
    2. 作成したストレージドメインが使用可能であることを確認します。作成のプロセスにはしばらく時間がかかる場合があります。status-stateunattached に切り替わったら、次のステップに進むことができます。
      [RHEVM shell (connected)]# show storagedomain --name ISOStorage
      id             : xxxx
      name           : ISOStorage
      master         : False
      status-state   : unattached
      ...
      
    3. ISO ストレージドメインをデータセンターにアタッチします。ストレージドメインは、自動的にアクティブ化されます。
      [RHEVM shell (connected)] # add storagedomain --datacenter-identifier Default --name ISOStorage
  9. 新規仮想マシンを作成します。
    [RHEVM shell (connected)]# add vm --name MyVM --cluster-name Default --template-name Blank --memory 536870912 --os-boot boot.dev=hd --cpu_profile-id 0000001a-001a-001a-001a-00000000035e
  10. add nic コマンドを使用して新しいネットワークインターフェースを追加します。vm-identifier オプションを追加して、インターフェースを MyVM のサブリソースとしてアタッチします。また、network-name オプションを追加し、ovirtmgmt ネットワークへ接続します。
    [RHEVM shell (connected)]# add nic --vm-identifier MyVM --name nic1 --network-name ovirtmgmt --bootable true
  11. add disk コマンドを使用して新しい仮想ハードディスクを追加します。vm-identifier オプションを追加して、ディスクを MyVM のサブリソースとしてアタッチします。
    [RHEVM shell (connected)]# add disk --vm-identifier MyVM --provisioned_size 8589934592 --interface virtio --format cow --storage_domains-storage_domain storage_domain.name=DataStorage
  12. Manager 上で、ISO イメージを ISOStorage ドメインにアップロードして、仮想マシンが使用できるようにします。Red Hat Virtualization Manager では、正しいユーザーパーミッションを使用して正しい場所にイメージをアップロードするために、ISO アップローダーツールが提供されています。
    # engine-iso-uploader --iso-domain=ISOStorage upload rhel-server-6.6-x86_64-dvd.iso
    Please provide the REST API password for the admin@internal oVirt Engine user (CTRL+D to abort):
  13. CLI シェルで、list files コマンドを使用して、ストレージドメイン内の利用可能な ISO ファイルを一覧表示します。
    [RHEVM shell (connected)]# list files --storagedomain-identifier ISOStorage
  14. インストールメディア用の仮想 CD-ROM ドライブを追加します。vm-identifier オプションを追加して、CD-ROM を MyVM のサブリソースとしてアタッチします。
    [RHEVM shell (connected)]# add cdrom --vm-identifier MyVM --file-id rhel-server-6.6-x86_64-dvd.iso
  15. 仮想マシンを起動します。仮想環境が完成し、仮想マシンが機能するために必要なコンポーネントがすべて実装されました。
    [RHEVM shell (connected)]# action vm MyVM start --vm-os-boot boot.dev=cdrom
    vm-os-boot オプションを使用している点に注意してください。これにより、今回の起動セッションの起動デバイスが cdrom に変更されます。インストール後に、仮想マシンを再起動し、起動デバイスを hd に戻します。
  16. 特定のイベントタイプを表示するには、list events コマンドに追加の query オプションを使用して実行します。仮想マシンの start アクションにより、events コレクションに複数のエントリーが追加されます。
    [RHEVM shell (connected)]# list events --query "type=153"
    
    id         : 105
    description: MyVM was started by admin (Host: MyHost).
    "type=153" クエリーは、ユーザーが仮想マシンを起動したイベントを指します。
  17. イベントの包括的な情報を表示するには、show event コマンドを使用します。このコマンドで、typenameid 別にイベントを表示することができます。
    [RHEVM shell (connected)]# show event --id '60'
    
    id            : 60
    description   : New Tag foo was created by admin@internal.
    code          : 432
    correlation_id: 3e4d4350
    custom_id     : -1
    flood_rate    : 30
    origin        : oVirt
    severity      : normal
    time          : 2013-07-03 10:57:43.257000+03:00
    user-id       : fdfc627c-d875-11e0-90f0-83df133b58cc
  18. console コマンドを使って仮想マシンにアクセスします。
    [RHEVM shell (connected)]# console MyVM

    重要

    仮想マシンの display-type と一致するように、コンソールアプリケーションがクライアントマシンにインストールされていることを確認してください。使用可能なプロトコルには、SPICE (デフォルト) や VNC などがあります。