1.3.4. MySQL の変更点
新しい rh-mysql80 Software Collection には MySQL 8.0.13 が含まれ、多くの新しいセキュリティーおよびアカウント管理機能および機能強化が追加されました。以下は、主な変更点です。
- MySQL に、データベースオブジェクトに関する情報を格納するtransactional data dictionaryが組み込まれました。
- MySQL がロールに対応するようになりました。ロールは特権のコレクションです。
- デフォルトの文字セットが、
latin1
からutf8mb4
に変更しました。 - 非再帰的および再帰的な common table expressions に対応するようになりました。
- MySQL が、クエリーで関連する行の集合に対して、行ごとに計算を実行する window functions に対応するようになりました。
- locking read ステートメントにより、
InnoDB
で、NOWAIT
およびSKIP LOCKED
オプションに対応するようになりました。 - GIS 関連の関数が改善しました。
- JSON 関数が強化されました。
詳細な変更は、アップストリームのドキュメント What Is New in MySQL 8.0 および Changes in MySQL 8.0 を参照してください。
移行手順については、「MySQL 8.0 への移行」 を参照してください。
アップストリームの MySQL 8.0 とrh-mysql80の主な違い。
- Red Hat Enterprise Linux 7 のクライアントツールおよびライブラリーは、アップストリームの MySQL 8.0 バージョンでデフォルトで使用されている
caching_sha2_password
メソッドと互換性がないため、rh-mysql80 Software Collection が提供する MySQL 8.0 サーバーは、mysql_native_password
をデフォルトの認証プラグインとして使用します。デフォルトの認証プラグインをcaching_sha2_password
に変更するには、/etc/opt/rh/rh-mysql80/my.cnf.d/mysql-default-authentication-plugin.cnf
ファイルを次のように変更します。[mysqld] default_authentication_plugin=caching_sha2_password
caching_sha2_password
認証プラグインの詳細は、アップストリームのドキュメント を参照してください。 - rh-mysql80 Software Collection には、rh-mysql80-mysql-config-syspaths パッケージ、rh-mysql80-mysql-server-syspaths パッケージ、および rh-mysql80-mysql-syspaths パッケージをインストールする rh-mysql80-syspaths パッケージが含まれます。これらのサブパッケージは、バイナリー、スクリプト、man ページなどのシステム全体のラッパーを提供します。rh-mysql80*-syspaths パッケージのインストール後には、rh-mysql80* パッケージが提供するバイナリーおよびスクリプトの正しい機能に scl enable コマンドを使用する必要はありません。*-syspaths パッケージは、ベースの Red Hat Enterprise Linux システムと rh-mariadb102 Software Collection から対応するパッケージと競合することに注意してください。