5.2. 仮想マシンのチェーンブート

仮想化ハイパーバイザーの一部は、PXE ブートのプライマリーファームウェアとして iPXE を使用します。このため、TFTP および PXELinux なしでチェーンブートが可能です。

仮想マシンワークフローのチェーンブート

仮想化ハイパーバイザーを使用することで、 TFTP および PXELinux の必要性がなくなります。仮想化ハイパーバイザーのワークフローは、以下の通りです。

  1. 仮想マシンが起動します。
  2. iPXE が DHCP を使用してネットワークの認証情報を取得します。
  3. iPXE が DHCP を使用して HTTP アドレスを取得します。
  4. iPXE が テンプレート Capsule から iPXE テンプレートをチェーンロードします。
  5. iPXE が、インストーラーのカーネルおよび初期 RAM ディスクをロードします。

iPXE で検出サービスを使用する場合は、「iPXE の Discovery サービスの設定」 を参照してください。

使用するハイパーバイザーが iPXE をサポートしていることを確認します。以下の仮想化ハイパーバイザーは、iPXE をサポートします。

  • libvirt
  • Red Hat Virtualization
  • RHEV

iPXE を使うための Satellite Server の設定

デフォルトのテンプレートを使用して、ホストの iPXE ブーティングを設定できます。テンプレートのデフォルトの値を変更する場合は、テンプレートをクローンし、そのクローンを編集します。

手順

  1. Satellite Server の TFTP ディレクトリーにブートファイルをコピーします。

    • EFI システムの場合には、ipxe.efi ファイルをコピーします。

      # cp /usr/share/ipxe/ipxe.efi /var/lib/tftpboot/
    • BIOS システムの場合には、undionly.kpxe ファイルをコピーします。

      # cp /usr/share/ipxe/undionly.kpxe /var/lib/tftpboot/undionly.0
  2. Satellite Web UI で、ホスト > プロビジョニングテンプレート に移動し、Kickstart default iPXE を入力後、検索 をクリックします。
  3. オプション: テンプレートを変更する場合は、クローン をクリックして独自の名前を入力し、送信 をクリックします。
  4. 使用するテンプレートの名前をクリックします。
  5. テンプレートをクローンした場合、変更が必要な時は テンプレート タブで実施できます。
  6. 関連付け タブをクリックし、ホストが使用するオペレーティングシステムを選択します。
  7. ロケーション タブをクリックして、ホストの所在を追加します。
  8. 組織 タブをクリックして、ホストが属する組織を追加します。
  9. 送信 をクリックして変更を保存します。
  10. ホスト > オペレーティングシステム に移動し、ホストのオペレーティングシステムを選択します。
  11. テンプレート タブをクリックします。
  12. iPXE テンプレート リストから、使用するテンプレートを選択します。
  13. 送信 をクリックして変更を保存します。
  14. ホスト > すべてのホスト に移動します。
  15. ホスト のページで、使用するホストを選択します。
  16. テンプレート タブを選択します。
  17. iPXE テンプレート リストから、レビュー を選択し、Kickstart default iPXE テンプレートが正しいテンプレートであることを確認します。
  18. Satellite の iPXE ブートストラップ機能を使用するには、dhcpd.conf ファイルを次のように設定します。

    if exists user-class and option user-class = "iPXE" {
      filename "http://satellite.example.com/unattended/iPXE?bootstrap=1";
    } elsif option architecture = 00:06 {
      filename "ipxe.efi";
    } elsif option architecture = 00:07 {
      filename "ipxe.efi";
    } elsif option architecture = 00:09 {
      filename "ipxe.efi";
    } else {
      filename "undionly.0";
    }

    分離したネットワークを使用する場合には、Satellite Server の URL ではなく、TCP ポートが 8000 の Capsule Server URL を使用します。

    注記

    Capsule HTTP エンドポイントが無効の場合には、http://satellite.example.com/unattended/iPXE?bootstrap=1 を使用します (installer option --foreman-proxy-http false)。有効の場合には、テンプレートの Capsule プラグインにはデフォルト値 8000 が指定されており、これは --foreman-proxy-http-port installer オプションを使用して変更できます。このような場合には、http://capsule.example.com:8000 を使用します。アップグレード後は必ず、/etc/dhcp/dhcpd.conf ファイルを更新してください。