付録A 用語集

以下は、本書全体で使用されている用語です。これらの用語を十分に理解しておくと、Red Hat Satellite 6 を理解するのに役立ちます。

Activation Key (アクティべーションキー)
登録時のアクションを制御するためにキックスタートファイルで使用される登録トークンです。これは Red Hat Satellite 5 のアクティベーションキーと似ていますが、登録後に Puppet でパッケージと設定管理を制御するのに必要な機能のサブセットを提供します。
Application Life Cycle Environment (アプリケーションのライフサイクル環境)
アプリケーションライフサイクル環境は、ソフトウェア開発ライフサイクル (SDLC) のプロモーションパスにおけるステップまたはステージを表します。プロモーションパスは開発パスとしても知られています。パッケージや Puppet モジュールなどのコンテンツは、コンテンツビューの公開およびプロモートにより、ライフサイクル環境間を移動します。すべてのコンテンツビューにはバージョンがあります。つまり、特定のバージョンを標準的なプロモーションパス上でプロモートできます。たとえば、「development (開発)」から「test (テスト)」に移行し、その後「production (本番)」に移行できます。Red Hat Satellite 5 では、チャンネルをクローン作成することで、この概念を実現していました。
Attach (アタッチ)
RPM コンテンツへのアクセスを提供するサブスクリプションをホストに割り当てるプロセスです。
Capsule
Capsule は、Red Hat Satellite 6 デプロイメントで使用できる追加サーバーであり、他のサービス (Puppet マスター、DHCPDNSTFTP など) をローカル化し、コンテンツのフェデレーションと配布を容易にします。
Catalog (カタログ)
カタログは、1 台のコンピューターのシステム状態について説明するドキュメントです。ここでは、管理が必要な全リソースと、そのリソース間の依存関係が一覧表示されます。
Compute Profile (コンピュートプロファイル)
コンピュートプロファイルは、コンピュートリソース上にある新規仮想マシンのデフォルト属性を指定します。
Compute Resource (コンピュートリソース)
コンピュートリソースは、Red Hat Satellite 6 がホストやシステムのデプロイに使用する仮想またはクラウドのインフラストラクチャーです。たとえば、Red Hat Enterprise Virtualization Manager、OpenStack、EC2、VMWare などが挙げられます。
Content (コンテンツ)
コンテンツには、ソフトウェアパッケージ (RPM ファイル) および Puppet モジュールが含まれます。コンテンツをライブラリーに同期した後、コンテンツビューを使用してライフサイクル環境にプロモートします。これにより、ホストがコンテンツを使用できるようになります。
Content Delivery Network (CDN) (コンテンツ配信ネットワーク: CDN)
コンテンツ配信ネットワーク (CDN) は、同じ地理的拠点にサーバーが設置されるコロケーション形態で、Red Hat コンテンツの配信に使用されるメカニズムです。たとえば、ヨーロッパの Satellite がコンテンツを同期する場合は、ヨーロッパにあるソースからコンテンツをプルします。
Content Host (コンテンツホスト)
コンテンツホストは、コンテンツとサブスクリプションに関連するタスクを管理するホストの一部です。
Content View (コンテンツビュー)
コンテンツビューは、製品、パッケージ、および Puppet モジュールを、インテリジェントなフィルタリングやスナップショット作成などの各種機能と組み合わせたコンテンツの定義です。コンテンツビューは、Red Hat Satellite 5 のチャンネルとクローン作成の機能を組み合わせて改良した概念です。
External Node Classifier (外部ノードの分類子)
外部ノードの分類子は、ホストの設定時に Puppet マスターが使用する追加データを提供する Puppet コンストラクトです。Red Hat Satellite 6 は、Satellite デプロイメントで Puppet マスターに対する外部ノードの分類子として機能します。
Facter
Facter は一種のプログラムであり、それを実行するシステムに関する情報 (ファクト) を提供します。たとえば、Facter は合計メモリー、オペレーティングシステムのバージョン、アーキテクチャーなどをレポートできます。Puppet モジュールは、Facter が収集したホストのデータに基づいて、特定の設定を有効にします。
Hammer
Hammer は、Red Hat Satellite 6 のコマンドラインツールです。標準 CLI、またはスクリプトやインタラクティブシェルで Hammer を使用して Red Hat Satellite 6 を管理します。
Hiera
Hiera は、設定データのキーと値のルックアップツールで、Puppet マニフェストからサイト固有のデータを排除できます。
ホスト
ホストは、Red Hat Satellite 6 が管理するすべてのシステム (物理または仮想システム) を指します。
Host Collection (ホストコレクション)
ホストコレクションは、Satellite 5 のシステムグループに相当するもので、1 つ以上のホストのユーザー定義グループを指します。
Host Group (ホストグループ)
ホストグループは、ホストをビルドするためのテンプレートです。これには、(利用可能な RPM ファイルと Puppet モジュールを定義する) コンテンツビューや、(ソフトウェアと設定を最終的に決定する) 適用対象の Puppet クラスが含まれます。
Location (ロケーション)
ロケーションは、物理的な場所を表すデフォルト設定のコレクションです。これらはネスト化できるため、ロケーションの階層的なコレクションを設定できます。たとえば、「中東」から始まり、「テルアビブ」、「データセンター東」、さらには「ラック 22」と詳細化してデフォルトをセットアップできます。
Library (ライブラリー)
ライブラリーには すべて のバージョンが含まれるため、ユーザーがデプロイしたソフトウェアの、最近同期したバージョンも含まれます。IT インフラストラクチャーライブラリー (ITIL) の組織 (organization) または部署 (department) のコンテキストでは、これは確定版メディアライブラリーに相当します (以前の名称は確定版ソフトウェアライブラリー)。
Manifest (マニフェスト)

Red Hat カスタマーポータルから Red Hat Satellite 6 にサブスクリプションを送信するメカニズム。これは Red Hat Satellite 5 で使用される証明書と機能的に似ています。

証明書およびサブスクリプションのタイプの詳細は、以下を参照してください。

Organization (組織)
組織は、Satellite 6 デプロイメント内の複数のシステム、コンテンツ、その他の機能からなる単独のコレクションです。
Product (製品)
コンテンツリポジトリーのコレクションです。「製品」には Red Hat 製品、またはソフトウェアと設定コンテンツで構成される、新規に作成される製品が含まれます。
Promote (プロモート)
ソフトウェアと設定コンテンツで構成されるコンテンツビューを 1 つのアプリケーションライフサイクル環境から別のアプリケーションライフサイクル環境に移行する動作を指します。たとえば、「Development (開発)」から「QA」、そして「Production (本番)」への移行などが含まれます。
Provisioning Template (プロビジョニングテンプレート)
プロビジョニングテンプレートは、キックスタートファイル、スニペット、その他のプロビジョニング操作のためのユーザー定義テンプレートです。Satellite 6 では、このテンプレートで、Red Hat Satellite 5 のキックスタートプロファイルと Cobbler スニペットと同様の機能を提供します。
Pulp Node (Pulp ノード)
Pulp ノードは、コンテンツをミラーリングする Capsule Server のコンポーネントです。これは Red Hat Satellite 5 Proxy に似ています。主な違いは、Pulp ノードの場合には、ホストがコンテンツを使用する前に、そのノード上でコンテンツをステージングできる点にあります。
Puppet Agent (Puppet エージェント)
Puppet エージェントは、ホスト上で実行するエージェントで、設定の変更をホストに適用します。
Puppet Master (Puppet マスター)
Puppet マスターは、Puppet エージェントが実行する Puppet マニフェストをホストに提供する Capsule Server のコンポーネントです。
Puppet Module (Puppet モジュール)
Puppet モジュールは、ユーザー、ファイル、サービスなどのリソースを管理するのに使用できるコードとデータの自己完結型のバンドルです。
Repository (リポジトリー)
リポジトリーは、コンテンツのコレクション用にストレージを提供します。たとえば、YUM リポジトリーまたは Puppet リポジトリーなどがあります。
Role (ロール)
ロールは、ホストなどの一連のリソースに適用されるパーミッションのコレクションを指定します。
Smart Proxy (スマートプロキシー)
スマートプロキシーは、DNSDHCP などの外部サービスと統合できる Capsule Server のコンポーネントです。
Smart Variable (Smart 変数)
スマート変数は Puppet クラスの動作を制御する設定値です。この値は、ホスト、ホストグループ、組織、またはロケーションに設定できます。
Standard Operating Environment (SOE) (標準運用環境 (SOE))
標準運用環境 (SOE) は、アプリケーションがデプロイされるオペレーティングシステムの制御されたバージョンです。
Subscription (サブスクリプション)
サブスクリプションは、Red Hat からコンテンツとサービスを受け取る手段です。
Synchronizing (同期)
同期は、外部リソースのコンテンツを Red Hat Satellite 6 ライブラリーにミラーリングすることを指します。
Synchronization Plans (同期プラン)
同期プランは、コンテンツ同期のスケジュールに基づく実行を可能にします。
User Group (ユーザーグループ)
ユーザーグループは、ユーザーのコレクションに割り当てるロールのコレクションです。これは、Red Hat Satellite 5 のロールに似ています。
User (ユーザー)
ユーザーは、Red Hat Satellite を使用できるように登録されたすべてのユーザーを指します。認証および認可は、組み込みロジック、外部 LDAP リソース、または Kerberos を使用して実行できます。