付録E 接続済み Satellite Server へのコンテンツ ISO のインポート

Satellite Server が Red Hat カスタマーポータルに直接接続できる場合でも、初回同期はローカルにマウントされたコンテンツ ISO から実行することができます。この同期が完了すると、ネットワーク接続でのコンテンツのダウンロードに切り替えることができます。これを実行するには、Red Hat Satellite 向けのコンテンツ ISO を Red Hat カスタマーポータルからダウンロードし、Satellite Server にこれをインポートします。帯域幅に制限がある場合は、オンデマンド または 背景 ダウンロードポリシーを使用する方が、上記の方法よりも効率的な場合があります。

重要

Red Hat Enterprise Linux 8 のコンテンツ ISO イメージのみをインポートできます。これは、CDN のリポジトリーデータのチェックサムと、Red Hat Enterprise Linux 7 以前のコンテンツ ISO イメージからのリポジトリーデータのチェックサムが一致しないためです。

Red Hat Enterprise Linux ISO を同期する場合には、Red Hat Enterprise Linux のすべてのマイナーバージョンも同期される点に注意します。このため、Satellite に十分なストレージが必要です。

重要

お使いの Satellite Server がインターネットに接続している場合は、本セクションは必要ありません。

この例の手順では、コンテンツ ISO から Red Hat Enterprise Linux 8 リポジトリーを初めて同期する方法を説明します。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータル https://access.redhat.com へ移動し、ログインします。
  2. 画面の左上で、ダウンロード をクリックし、Red Hat Satellite を選択します。
  3. コンテンツ ISOタブをクリックします。このページには、サブスクリプションで利用できるすべての製品が一覧表示されます。
  4. RHEL 8 (x86_64) などの製品名のリンクをクリックして、ISO イメージのダウンロードリンクを表示します。
  5. ISO イメージをダウンロードします。
  6. Satellite Server で、必要な Satellite コンテンツ ISO イメージすべてを一時的に保存するディレクトリーを作成します。この例では、/tmp/isos/rhel8 を使用します。

    # mkdir -p /tmp/isos/rhel8
  7. ワークステーションで、ISO ファイルを Satellite Server にコピーします。

    $ scp ~/Downloads/iso_file root@satellite.example.com:/tmp/isos/rhel8
  8. Satellite Server で、ISO のマウントポイントとなるディレクトリーを作成します。

    # mkdir /mnt/iso
  9. ISO イメージを格納する作業ディレクトリーを作成します。

    # mkdir /mnt/rhel8
  10. 最初の ISO イメージを一時的にマウントします。

    # mount -o loop /tmp/isos/iso_file /mnt/iso
  11. 最初の ISO のコンテンツを作業ディレクトリーに再帰的にコピーします。

    # cp -ruv /mnt/iso/* /mnt/rhel8/
  12. ISO イメージをアンマウントします。

    # umount /mnt/iso
  13. 各 ISO で上記の作業を繰り返して、コンテンツ ISO イメージから全データを /mnt/rhel8 にコピーします。
  14. 必要に応じて、マウントポイントに使用した空のディレクトリーを削除します。

    # rmdir /mnt/iso
  15. 必要に応じて、一時的な作業ディレクトリーとそのコンテンツを削除して、スペースを確保します。

    # rm -rf /tmp/isos/
  16. ディレクトリーの所有者、SELinux コンテキスト、そのコンテンツを /var/lib/pulp と同じものにします。

    # chcon -R --reference /var/lib/pulp  /mnt/rhel8/
    # chown -R apache:apache /mnt/rhel8/
  17. /etc/pulp/content/sources/conf.d/local.conf ファイルを作成または編集し、以下のテキストを追加します。

    [rhel-8-server]
    enabled: 1
    priority: 0
    expires: 3d
    name: Red Hat Enterprise Linux 8
    type: yum
    base_url: file:///mnt/rhel8/content/dist/rhel/server/8/x86_64/os/

    base_url のパスはコンテンツ ISO によって異なる場合があります。base_url で指定するディレクトリー内に repodata ディレクトリーが必要です。これがないと、同期は失敗します。複数のリポジトリーを同期するには、/etc/pulp/content/sources/conf.d/local.conf 設定ファイルで各リポジトリー向けの個別エントリーを作成します。

  18. Satellite Web UI で、コンテンツ > Red Hat リポジトリーに移動し、以下のリポジトリーを有効にします。

    • Red Hat Enterprise Linux 8 for x86_64 - BaseOS RPMs 8
    • Red Hat Enterprise Linux 8 for x86_64 - AppStream RPMs 8
  19. コンテンツ > 同期の状態 に移動して、同期するリポジトリーを選択し、今すぐ同期 をクリックします。

Satellite Web UI では、使用されているソースが表示されないことに留意してください。ローカルのソースに問題がある場合は、Satellite はネットワーク経由でコンテンツをプルします。このプロセスを監視するには、Satellite で以下のコマンドを入力します。

# journalctl -f -l SYSLOG_IDENTIFIER=pulp | grep -v worker[\-,\.]heartbeat

上記のコマンドを実行すると対話的なログが表示されます。まず Satellite Server が Red Hat カスタマーポータルに接続してリポジトリーのメタデータをダウンロードして処理します。次に、ローカルリポジトリーが読み込まれます。エラーが発生したら Satellite Web UI で同期をキャンセルして、設定を確認してください。

同期が成功したら、/etc/pulp/content/sources/conf.d/local.conf からローカルソースのエントリーを削除して、このソースの接続を解除します。