第9章 バックアップからの Satellite Server または Capsule Server の復元

「Satellite のバックアップ」の手順で作成されたバックアップデータから Red Hat Satellite Server または Red Hat Capsule Server を復元できます。このプロセスでは、バックアップを生成したサーバーと同じサーバーでバックアップを復元する方法を概説します。バックアップに含まれる全データはターゲットシステムで削除されます。元のシステムが利用できない場合は、同じ設定およびホスト名でシステムをプロビジョニングしてください。

9.1. 完全バックアップからの復元

以下の手順を使用して、完全バックアップから Red Hat Satellite または Capsule Server を復元します。復元プロセスが完了するとすべてのプロセスがオンラインになり、すべてのデータベースおよびシステム設定がバックアップ時の状態に戻ります。

前提条件

  • 適切なインスタンスに復元していること。Red Hat Satellite インスタンスでホスト名、設定が同一であり、メジャーバージョンが元のシステムと同じである必要があります。
  • 既存のターゲットディレクトリーがあること。ターゲットディレクトリーは、アーカイブ内に含まれている設定ファイルから読み取られます。
  • Satellite Server または Capsule Server のベースシステムにこのデータを格納するのに十分な領域と、復元後にバックアップ内に含まれる /etc//var/ ディレクトリー内のすべてのデータを格納するのに十分な領域があることを確認する。

    ディレクトリーの使用量を確認するには、以下のコマンドを入力します。

    # du -sh /var/backup_directory

    空き領域のサイズを確認するには、以下のコマンドを入力します。

    # df -h /var/backup_directory

    --total オプションを追加すると複数ディレクトリーの合計結果が取得できます。

  • すべての SELinux コンテキストが適切であることを確認する。以下のコマンドを入力して、適切な SELinux コンテキストを復元します。

    # restorecon -Rnv /

手順

  1. Satellite または Capsule のインストールに適した方法を選択します。

  2. バックアップデータを Satellite Server のローカルファイルシステム (/var/ または /var/tmp/) にコピーします。
  3. 復元スクリプトを実行します。

    # satellite-maintain restore /var/backup_directory

    ここでの backup_directory は、バックアップされたデータを格納しているタイムスタンプ付きのディレクトリーまたはサブディレクトリーになります。

    コピーするデータサイズが原因で、復元プロセスの完了には時間がかかることがあります。

リンク

  • トラブルシューティングを行うには、/var/log/foreman/production.log および /var/log/messages にあるファイルを参照してください。

9.2. 増分バックアップからの復元

増分バックアップから Satellite または Capsule Server を復元するには、以下の手順を実行します。複数の増分バックアップのブランチがある場合は、完全バックアップと復元するブランチの各増分バックアップを時系列で選択します。

復元プロセスが完了するとすべてのプロセスがオンラインになり、すべてのデータベースおよびシステム設定がバックアップ時の状態に戻ります。

手順

  1. 「完全バックアップからの復元」の手順を使用して、最新の完全バックアップを復元します。
  2. /var//var/tmp/ などの Satellite Server のローカルファイルシステムから完全バックアップデータを削除します。
  3. /var//var/tmp/ などの Satellite Server のローカルファイルシステムに増分バックアップデータをコピーします。
  4. 増分バックアップが作成された順序で復元します。

    # satellite-maintain restore -i /var/backup_directory/FIRST_INCREMENTAL
    # satellite-maintain restore -i /var/backup_directory/SECOND_INCREMENTAL

    satellite-maintain backup コマンドを使用してバックアップを作成した場合は、このコマンドに -i オプションを使用する必要はありません。

リンク

  • トラブルシューティングを行うには、/var/log/foreman/production.log および /var/log/messages にあるファイルを参照してください。

9.3. 仮想マシンのスナップショットを使用した Capsule Server のバックアップと復元

Capsule Server が仮想マシンである場合、スナップショットから復元することができます。復元元となるスナップショットは、毎週作成することが推奨されます。失敗した場合は、新規 Capsule Server をインストールまたは設定し、Satellite Server からデータベースコンテンツを同期します。

必要な場合は、新規 Capsule Server をデプロイします。ホスト名が以前のものと同じであることを確認してください。その後に Capsule 証明書をインストールします。これは、-certs.tar で終わるパッケージ名で、Satellite Server にもまだ残っている可能性があります。もしくは、新規に作成します。『Capsule Server のインストール』にある手順に従い、Web UI で Capsule Server が Satellite Server に接続されたことを確認します。この後に、「外部 Capsule からの同期」の手順で Satellite から同期します。

9.3.1. 外部 Capsule からの同期

外部 Capsule と Satellite を同期します。

手順

  1. 外部 Capsule から同期 するには、Web UI で関連する組織とロケーションを選択するか、任意の組織任意のロケーション を選択します。
  2. インフラストラクチャー > Capsules (スマートプロキシー) に移動し、同期する Capsule 名をクリックします。
  3. 概要 タブで 同期 を選択します。