Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Satellite

第5章 リリースの情報

本リリースノートには主に、今回リリースされた Red Hat Satellite 6 のデプロイメント時に考慮すべきテクノロジープレビューの項目、推奨事項、既知の問題、非推奨となった機能について記載します。

Red Hat Satellite 6 の本リリースのサポートライフサイクル中にリリースされたアップデートについての注記は、各アップデートに付属のアドバイザリーテキストに表示されます。

5.1. リリースノート

このセクションでは、Red Hat Satellite の注目すべき変更点や推奨プラクティスなどの今回のリリースに関する重要な情報を記載しています。お使いのデプロイメントに最大限の効果をもたらすために、以下の情報を考慮する必要があります。

BZ#1625263
Satellite 6.4 から、同一組織内の 2 つの検索ルールは同じ優先順位番号にすることができなくなっています。これまでは、これにより予期しない結果が発生していました。今回のアップグレードで、検索ルールは検索フレームワークに従って優先順位付けされます。
BZ#1615372
Satellite 6.4 から新たな postcreate および postupdate フックイベントが Satellite に追加されました。これまでの Satellite では、ホストおよび hostgroup パラメーターには、create および update フックイベントでフックオブジェクトファイルに渡されないものがありました。フックオブジェクトファイルの全ホストパラメーターフィールドを希望する場合は、フックディレクトリーを create から postcreate に、update から postupdate に変更します。フックスクリプトでは変更は必要ありません。
BZ#1610970

Puppet Enterprise は Satellite サーバーではサポートされません。これをインストールしている場合は、以下の操作を実行してアップグレード後の競合を回避してください。

  1. キャッシュを /var/lib/puppet/foreman_cache_data から /opt/puppetlabs/puppet/cache/ に移動します:

    # mkdir -p /opt/puppetlabs/puppet/cache/
    # cp -r /var/lib/puppet/foreman_cache_data /opt/puppetlabs/puppet/cache/
  2. satellite-installer --upgrade スクリプトを実行して変更を適用します。
BZ#1598001
Satellite 6.4 から、古いレポートを削除する cron job は、レポートをレコード 1000 件のバッチで削除するように再設定されました。これはタスク間でわずかな遅延を伴います。これにより、更新ワーカーがブロックされる可能性が低下します。アップグレード後は、データベース内のレポート数とレポートの期限切れタスクの出力をモニターしてください。並行処理の問題が発生した場合は、デフォルトが 30 分になっている Puppet クライアントと、デフォルトが 4 時間の RHSM の両方のチェックイン時間を更新します。こうすることで Satellite サーバーの負荷を減らすことできます。
BZ#1384035
Satellite 6.4 では、リソースフィルターの制限がより厳密になっています。これまでのバージョンの Satellite では、検索クエリが間違ったパーミッションをリソースに適用することで、ユーザーが本来は許可されていないタスクを実行できました。この問題が 6.4 では修正されています。
BZ#1347748

これまでのバージョンの Satellite では、Capsules から TFTP 機能でテンプレートを取得することが可能でした。テンプレート機能を使用するには、ユーザーは Capsules で TFTP とテンプレートモジュールを有効にすることが求められました。

Satellite 6.4 からは、テンプレート機能を使用して Capsules からテンプレートを取得します。アップグレード中に Satellite は自動的にテンプレート機能を Capsules に設定します。Capsules には TFTP 機能も備わっています。

アップグレード後は、本来テンプレート機能を持つことになる全 Capsules でテンプレート機能が有効になっていることを検証してください。有効になっていない場合は、インフラストラクチャー > Capsules に移動し、必要となる全 Capsules で 更新 をクリックします。その後にこれらの Capsules を必要なサブネットに手動で関連付けます。

BZ#1578290

Satellite 6.4 から、foreman discovery イメージへのパスはアップストリームと一致させるために以下に変更されました。

  • boot/fdi-image-rhel_7-vmlinuz > boot/fdi-image/vmlinuz0
  • initrd=boot/fdi-image-rhel_7-img > boot/fdi-image/initrd0.img

    これまでは、これが PXE テンプレートの問題につながっていました。アップグレードにより、新規のグローバルテンプレートにこれらの新規パスが含まれています。

BZ#1537078
Satellite 6.4 のテレメンタリーは、pcp パッケージのバージョン 4.1 以降を Red Hat Enterprise Linux Server 7 に追加すると機能するようになります。これは Red Hat Enterprise Linux 7.6 リリースで予定されています。
BZ#1288420
これまでの Satellite では、ボンドインターフェイスの上に VLAN インターフェイスでホストをプロビジョニングすると、ボンドモジュールの設定が間違ったものになっていました。Satellite 6.4 ではこの問題が修正されています。

5.2. 非推奨の機能

Docker プラグイン

今回のリリースでは Foreman Docker プラグインが非推奨となり、今後のリリースでは削除される予定です。これはコンテナーの機能に影響します。コンテナーは Satellite web UI のコンテナー セクションにあります。

Hammer Docker Command

今回のリリースでは、hammer docker コマンドが非推奨となり、Satellite 6.5 では削除される予定です。

Satellite Kickstart Default

今回のリリースでは、Satellite Kickstart Default プロビジョニングテンプレートが非推奨になりました。この非推奨となったテンプレートを消費しているホストはすべて、自動的に移行されます。Satellite Kickstart Default をベースとしているカスタムテンプレートはこの自動移行の対象にはならず、手動で移行する必要があります。

表5.1 非推奨の Kickstart Default テンプレート

テンプレート代替テンプレート

Satellite Kickstart Default

Kickstart Default

Satellite Kickstart Default User Data

Kickstart Default User Data

Satellite Kickstart Default Finish

Kickstart Default Finish

Satellite Atomic Kickstart Default

Atomic Kickstart Default

Satellite idm_register

freeipa_register

subscription_manager_registration

redhat_register

Katello サービス、バックアップおよび復元コマンド

今回のリリースでは、以下のコマンドが非推奨となりました。スクリプトを適時更新してください。

表5.2 非推奨の Katello コマンド

オプション代替オプション

katello-service

foreman-maintain service

katello-backup

foreman-maintain backup

katello-restore

foreman-maintain restore

インストーラーオプション

今回のリリースでは、以下のインストーラーオプションが非推奨となり、Satellite 6.5 では削除される予定です。

表5.3 非推奨となったインストーラーオプション

オプション説明

--foreman-plugin-discovery-image-name
--foreman-plugin-discovery-install-images
--foreman-plugin-discovery-source-url
--foreman-plugin-discovery-tftp-root

--foreman-proxy-plugin-discovery
で代替

--foreman-plugin-tasks-service

dynflowd のハードコード化された値

--foreman-proxy-content-pulp-oauth-effective-user
--foreman-proxy-content-pulp-oauth-key
--foreman-proxy-content-pulp-oauth-secret

非推奨。認証用の証明書で代替

--foreman-proxy-plugin-openscap-configure-openscap-repo

EL6 用 copr から yum リポジトリーを設定するため、パラメーターが非推奨。

--foreman-proxy-realm-split-config-files

古い環境の互換性のためにパラメーターが非推奨

--katello-config-dir
--katello-log-dir

foreman オプションで代替

--katello-oauth-key
--katello-oauth-secret

--katello-candlepin-oauth-{key,secret} に名前変更

--puppet-agent-template
--puppet-main-template
--puppet-server-enable-ruby-profiler
--puppet-server-main-template
--puppet-server-template

使用されません。

--upgrade-puppet

Puppet 5 の導入のため非推奨。

5.3. 既知の問題

現時点で Red Hat Satellite 6 の既知の問題は以下のとおりです。

BZ#1638263

既知の問題

ナビゲーションの変更により、Red Hat Access メニューが表示されません。この問題は次回のリリースで修正される予定です。