Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Satellite

第11章 問題のログとレポート

本章では、関連するログファイルに関する情報、デバッグロギングを有効にする方法、サポートケースを開き、関連するログ tar ファイルを添付する方法、Satellite web UI 内でサポートケースにアクセスする方法など、Red Hat Satellite Server における問題のログおよびレポート方法について説明します。

11.1. ログとレポート機能

Red Hat Satellite は、システム情報を通知とログファイルの形式で提供します。

表11.1 報告およびトラブルシューティング向けのログファイル

ログファイルログファイルの内容の説明

/var/log/candlepin

サブスクリプションの管理

/var/log/foreman

Foreman

/var/log/foreman-proxy

Foreman プロキシー

/var/log/httpd

Apache HTTP サーバー

/var/log/foreman-installer/satellite

Satellite インストーラー

/var/log/foreman-installer/capsule

Capsule Server インストーラー

/var/log/libvirt

仮想化 API

/var/log/mongodb

Satellite データベース

/var/log/pulp

Celerybeat および Celery 起動要求メッセージ。起動が完了したら、メッセージは /var/log/messages に記録されます。

/var/log/puppet

設定管理

/var/log/rhsm

サブスクリプションの管理

/var/log/tomcat6 および /var/log/tomcat

それぞれ Red Hat Enterprise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 向けの Apache Web サーバーメッセージ

/var/log/messages

pulp、rhsm、および goferd に関連する他のさまざまなログメッセージ

foreman-tail コマンドを使用して、Satellite に関連する多くのログファイルを追跡することもできます。foreman-tail -l を実行すると、追跡するプロセスとサービスがリストされます。

Red Hat Enterprise Linux 7 の場合は、journal を使用してより広範なロギング情報を得ることができます。詳細については、Using the Journal[1] を参照してください。

11.2. デバッグロギングの有効化

本セクションでは、デバッグロギングを有効にして Satellite 6.4 の詳細なデバッグ情報を提供する方法について説明します。デバッグロギングにより、最も詳細なログ情報が提供され、Satellite 6.4 とそのコンポーネントで発生する可能性がある問題のトラブルシューティングが簡単になります。また、特定のロギングのために個別ロガーを有効または無効にすることもできます。

デバッグロギングを有効にするには、/etc/foreman/settings.yaml ファイルを変更します。

  1. ロギングレベルを "debug" に設定します。

    デフォルトでは、ロギングレベルは以下のように info に設定されます。

    :logging:
      :level: info

    これらの行を以下のように変更します。

    :logging:
      :level: debug
  2. 個別ロギングタイプを選択します。

    デフォルトでは、/etc/foreman/settings.yaml の最後は以下のようになります。

    # Individual logging types can be toggled on/off here
    :loggers:

    /etc/foreman/settings.yaml ファイルを以下のように変更します。

    :loggers:
      :ldap:
        :enabled: true
      :permissions:
        :enabled: true
      :sql:
        :enabled: true
  3. Satellite サービスを再起動します。

    # foreman-maintain service restart

ロガーとそのデフォルト値の完全なリスト

:app:
    :enabled: true
:ldap:
    :enabled: false
:permissions:
    :enabled: false
:sql:
    :enabled: false

11.3. ログファイルからの情報の収集

ログファイルから情報を収集するには以下の 2 つのユーティリティーがあります。

表11.2 ログ収集ユーティリティー

コマンド説明

foreman-debug

foreman-debug コマンドは、Red Hat Satellite とそのバックエンドサービスの設定およびログファイルデータとシステム情報を収集します。この情報は収集され、tar ファイルに書き込まれます。デフォルトでは、出力される tar ファイルは、/tmp/foreman-debug-xxx.tar.xz に格納されます。

また、foreman-debug コマンドは、過去 60 日間に実行されたタスクをエクスポートします。デフォルトでは、出力される tar ファイルは、/tmp/task-export-xxx.tar.xz に格納されます。このファイルが見当たらない場合は、/tmp/task-export.log ファイルで、タスクのエクスポートが失敗した理由を確認できます。

詳細情報については、foreman-debug --help を実行してください。

このコマンドの実行時にはタイムアウトがありません。

sosreport

sosreport コマンドは、Red Hat Enterprise Linux システムから設定および診断情報 (実行中のカーネルバージョン、ロードされたモジュール、システムおよびサービス設定ファイルなど) を収集するツールです。また、このコマンドは外部プログラムを実行して (たとえば、foreman-debug -g)、Satellite 固有の情報を収集し、この出力を tar ファイルに格納します。

デフォルトでは、出力 tar ファイルは /var/tmp/sosreport-XXX-20171002230919.tar.xz にあります。詳細については、sosreport --help を実行するか、https://access.redhat.com/ja/solutions/78443: Red Hat Enterprise Linux 4.6 以降における sosreport の役割と取得方法 を参照してください。

sosreport コマンドは foreman-debug -g を呼び出し、500 秒後にタイムアウトします。Satellite Server のログファイルが大きい場合や多くの Satellite タスクがある場合、サポートエンジニアはサポートケース作成時に sosreportforeman-debug の出力を必要とすることがあります。

重要

foreman-debugsosreport では、情報を収集する間にパスワード、トークン、キーなどのセキュリティー情報が削除されます。ただし、tar ファイルには依然として Red Hat Satellite Server についての機密情報が含まれる可能性があります。Red Hat では、この情報をパブリックではなく特定の受信者に直接送信することを推奨します。

11.4. サポートケースでのログファイルの使用

本章で説明されたログファイルと他の情報を使用して独自にトラブルシューティングを行ったり、サポートが必要な場合は、これらの情報と他の多くのファイルとともに診断および設定情報を取得して Red Hat サポートに送信することができます。

Red Hat サポートでサポートケースを作成するには 2 つの方法があります。サポートケースは、Satellite Web UI またはカスタマーポータルから直接作成できます。

11.5. Red Hat Satellite からのカスタマーポータルサービスへのアクセス

Red Hat Access の事前インストール済みプラグインを使用すると、Satellite Web UI 内から複数の Red Hat カスタマーポータルサービスにアクセスできます。

Red Hat Access プラグインは以下のサービスを提供します。

  • Search: Satellite Web UI 内からカスタマーポータルのソリューションを検索します。
  • Logs: 問題解決に役に立つログファイルの特定の部分 (スニペット) を送信します。これらのログスニペットは Red Hat カスタマーポータルの診断ツールチェーンに送信します。
  • Support: Satellite Web UI 内で、作成されたサポートケースにアクセスしたり、作成されたサポートケースを変更したり、新しいサポートケースを作成したりします。
注記

Red Hat カスタマーポータルのリソースにアクセスするには、Red Hat カスタマーポータルのユーザー ID とパスワードを使ってログインする必要があります。

11.5.1. Red Hat Access プラグインでのソリューションの検索

Red Hat Access プラグインは、Red Hat カスタマーポータルで利用できるソリューションデータベースを参照する検索機能を提供します。

Red Hat Satellite Server からのソリューション検索:

  1. 画面右上で、Red Hat Access > 検索 をクリックします。
  2. 必要に応じて、Red Hat カスタマーポータルにログインします。右上のメインパネルで Log In (ログイン) をクリックします。

    注記

    Red Hat カスタマーポータルのリソースにアクセスするには、Red Hat カスタマーポータルのユーザー ID とパスワードを使ってログインする必要があります。

  3. Red Hat Search フィールドに検索クエリーを入力します。検索結果が左側の 推奨項目 リストに表示されます。
  4. 推奨項目 リストでソリューションをクリックします。ソリューションの記事がメインパネルに表示されます。

11.5.2. Red Hat Access プラグインでのログの使用

ログファイルビューアーを使用すると、ログファイルを表示し、ログの一部を分離できます。また、カスタマーポータルの診断ツールでログの一部を送信して、問題解決のサポートを受けることもできます。

Red Hat Satellite Server からのログ診断ツールの使用:

  1. 画面右上で、Red Hat Access > ログ をクリックします。
  2. 必要に応じて、Red Hat カスタマーポータルにログインします。右上のメインパネルで ログイン をクリックします。

    注記

    Red Hat カスタマーポータルのリソースにアクセスするには、Red Hat カスタマーポータルのユーザー ID とパスワードを使ってログインする必要があります。

  3. 左側にあるファイルツリーで、ログファイルを選択し、ファイル名をクリックします。
  4. ファイルの選択 をクリックします。ポップアップウィンドウに、ログファイルの内容が表示されます。
  5. ログファイルで、診断するテキストセクションを強調表示すると、Red Hat 診断 ボタンが有効になります。
  6. Red Hat 診断 をクリックします。これにより、強調表示された情報が Red Hat カスタマーポータルに送信され、提供されたログ情報に近似するソリューションが提供されます。
  7. ソリューションの結果によって、以下のいずれかに従います。

    • ソリューションが問題に一致する場合は、ソリューションをクリックし、必要な手順を実行して問題のトラブルシューティングを行います。
    • ソリューションが問題に一致しない場合は、サポートケースを新規作成 をクリックします。サポートケースには、ログファイルの強調表示されたテキストが入力されます。「Red Hat Access プラグインを使用した既存サポートケースの作成」 を参照してください。

11.5.3. Red Hat Access プラグインを使用した既存サポートケースの表示

Red Hat Access プラグインを使用すると、Red Hat Satellite Server から既存のサポートケースを表示できます。

Red Hat Satellite Server から既存サポートケースを表示:

  1. 画面右上で、Red Hat Access > サポート > マイケース をクリックします。
  2. 必要に応じて、Red Hat カスタマーポータルにログインします。右上のメインパネルで ログイン をクリックします。

    注記

    Red Hat カスタマーポータルのリソースにアクセスするには、Red Hat カスタマーポータルのユーザー ID とパスワードを使ってログインする必要があります。

  3. 以下のいずれかを実行し、既存のケースの中から特定のサポートケースを検索します。

    • 検索 フィールドにキーワードまたはフレーズを入力します。
    • ドロップダウンリストから、特定の ケースグループ を選択します。ケースグループ は、ユーザーの組織により Red Hat カスタマーポータル内で定義されています。
    • ケースのステータスを選択します。
  4. 検索結果から特定のサポートケースを選択し、ケース ID をクリックすると、サポートケースが表示されます。

11.5.4. Red Hat Access プラグインを使用した既存サポートケースの編集

Red Hat Access プラグインを使用して、Red Hat Satellite Server から既存のサポートケースを編集することができます。

Red Hat Satellite Server Web UI からのサポートケースの更新:

  1. 「Red Hat Access プラグインを使用した既存サポートケースの表示」 の手順を完了します。
  2. サポートケースで、マークされたセクションにスクロールダウンし、以下のことを行います。

    • 添付ファイル: システムからローカルファイルを添付します。分かりやすくするために、ファイル名を追加してください。

      注記

      ファイル名は 80 文字未満にしてください。Web UI を使用してアップロードする添付ファイルの最大サイズは 250 MBです。ファイルのサイズがそれよりも大きい場合は、FTP を使用します。

    • ケースコメント: グローバルサポートサービスに相談するケースに関する更新情報を追加します。情報の追加後に コメントの追加 をクリックします。

11.5.5. Red Hat Access プラグインを使用した既存サポートケースの作成

Red Hat Access プラグインを使用して、Red Hat Satellite Server から新規サポートケースを作成できます。

Red Hat Satellite Server を使用した新規サポートケースの作成:

  1. 画面右上で、Red Hat Access > サポート > 新規ケース をクリックします。
  2. 必要に応じて、Red Hat カスタマーポータルにログインします。右上のメインパネルで Log In (ログイン) をクリックします。

    注記

    Red Hat カスタマーポータルのリソースにアクセスするには、Red Hat カスタマーポータルのユーザー ID とパスワードを使ってログインする必要があります。

  3. 製品 および 製品バージョン フィールドは、自動入力されます。以下のフィールドに入力します。

    • 概要 — 問題の簡単な概要を記載します。
    • 詳細 — 問題の詳細を記載します。

      提供した概要に基づいて、推奨されるソリューションがメインパネルに表示されます。

  4. 次へ をクリックします。
  5. 以下のように適切なオプションを選択します。

    • 重大度 — チケットの緊急度に応じて 4 (低)、3 (通常), 2 (高)、または 1 (緊急) を選択します。
    • ケースグループ — 通知する必要があるメンバーに応じて、サポートケースに関連付けられたケースグループを作成します。Red Hat Satellite でケースグループを選択します。カスタマーポータル内でケースグループを作成します。
  6. sosreport の出力と必要なファイルを添付します。ファイルの詳細を追加し、ローカルファイルの添付 をクリックします。

    注記
    • 大規模なログファイルまたは多くの Satellite タスクがある場合は、foreman-debug の出力も添付することが推奨されます。
    • ファイル名は 80 文字未満にしてください。Web UI を使用してアップロードする添付ファイルの最大サイズは 250 MBです。ファイルのサイズがそれよりも大きい場合は、FTP を使用します。
  7. 送信 をクリックします。システムによりケースがカスタマーポータルにアップロードされ、ケース番号が提供されます。

Red Hat ナレッジベースの https://access.redhat.com/articles/445443: Red Hat Access の Red Hat Support Tool の記事には、追加情報、例、および動画チュートリアルが含まれます。