Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Satellite

第4章 パフォーマンス改善を目的とした環境の設定

4.1. CPU

Satellite 6.3 で利用できる物理 CPU コアが多くなればなるほど、タスクのスループットはよくなります。ニーズを満たすようにスループットとタスクのレイテンシーのバランスを取ることが重要になります。CPU コアを増やせば Red Hat Satellite 6 のデプロイメントのスケールが向上するため、CPU コアを増やすことが、CPU ハードウェアを選択する際に最初に検討すべき項目となります。

4.2. メモリー

Red Hat Satellite インストールに適切なメモリーを提供します。必要なメモリー量は、Apache、Foreman、MongoDB、PostgreSQL、Pulp、Puppet、Tomcat、Qpid、およびファイルシステムキャッシュのプロセスにメモリーを提供する必要があることを考慮して決定してください。パフォーマンスが高いシステムでは、1 台のサーバーで Apache、Foreman、Puppet などのソフトウェアのスケールが最大になっても、スワップは行われません。

4.3. ディスク

使用するディスクの種類を決定する際は、1 秒あたりの I/O 処理回数 (IOPS: Input/Output Operations Per Second) とディスク容量を考慮する必要があります。もっとも頻繁にアクセスするディレクトリーの容量と IOPS を向上する必要がある場合は、ファイルシステムのパーティションを複数のディスクにわたって作成する必要があります。IOPS と監視に重要なディレクトリーは、/var/lib/pulp/var/lib/pgsql、および /var/lib/mongodb です。

4.4. ネットワーク

テスト中に、CPU または設定の制限に到達しなければ、ネットワークハードウェアが一貫してボトルネックにならないことが確認されています。これは、(1) Red Hat Satellite capsule サーバーおよび (2) エミュレートしたコンテンツ配信ネットワーク (CDN) に接続した 10Gb ネットワークで実現しています。CDN へのインターネット接続はおそらくボトルネックになりますが、インターネットへの接続は本書の範囲外になります。

4.5. サーバーの電源管理

お使いのサーバーは、おそらくデフォルトで節電するように設定されています。これによりパフォーマンスが低下することがしばしばあります。サーバーの BIOS で、OS がホストの電源制御ができるように設定し、Red Hat Enterprise Linux によるサーバーの電源消費制御を可能にし、Red Hat Satellite のパフォーマンスを向上させます。電源消費とパフォーマンスは、一方を向上すると他方が犠牲になります。状況に応じて最適なバランスを提供できるように、Red Hat Satellite 環境をチューニングします。