Red Hat Training

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第5章 リリースの情報

本リリースノートには主に、今回リリースされた Red Hat Satellite 6 のデプロイメント時に考慮すべきテクノロジープレビューの項目、推奨事項、既知の問題、非推奨となった機能について記載します。

Red Hat Satellite 6 の本リリースのサポートライフサイクル中にリリースされたアップデートについての注記は、各アップデートに付属のアドバイザリーテキストに表示されます。

5.1. 機能拡張

Red Hat Satellite 6 の本リリースには以下の拡張機能が含まれます。

BZ#1329051

以前のリリースでは、カスタムのリポジトリーを利用して Atomic Kickstart Tree コンテンツを手動で同期する必要がありました。今回のリリースでは、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク内から Atomic Kickstart Tree のコンテンツを同期できるようになりました。

5.2. テクノロジープレビュー

このセクションに記載する項目は、テクノロジープレビューとして提供しています。テクノロジープレビューの適用範囲のステータスに関する詳細情報およびそれに伴うサポートへの影響については、https://access.redhat.com/support/offerings/techpreview/ を参照してください。

Git リポジトリーを使用したテンプレートの同期
Satellite 6.3 では、外部の Git リポジトリーまたはファイルシステムへプッシュしたり、これらからプルしたりできるプラグインが導入されました。詳細は「Git を使用したテンプレートの同期」を参照してください。
VMWare 用に Bootdisk を自動アタッチ
Satellite 6.3 は、機能の 1 つとして VMWare 用の自動アタッチ bootdisk を導入しました。詳細は Satellite 6.3 Feature Overview: Auto-attach Bootdisk for VMWare [Tech Preview] を参照してください。
Tracer
Satellite 6.3 では、Tracer が導入されました。Tracer は、実行中のプロセスを監視し、パッケージのアップデートまたは同様のアクティビティーにより再起動が必要かどうかを特定するトレーサーツールを統合したものです。詳細は Satellite 6.3 Feature Overview: Tracer [Tech Preview] を参照してください。

BZ#1376191

以前のリリースでは、IBM POWER 上へのプロビジョニングは行うことはできませんでした。今回のリリースでは、テクノロジープレビューとして BOOTP 経由で IBM POWER 上にクライアントをプロビジョニングできるようになりました。

5.3. リリースノート

このセクションでは、Red Hat Satellite の注目すべき変更点や推奨プラクティスなどの今回のリリースに関する重要な情報を記載しています。お使いのデプロイメントに最大限の効果をもたらすために、以下の情報を考慮する必要があります。

BZ#1432285

以前のリリースでは、"/api/v2/hosts/1/subscriptions/product_content" に API の "enabled_override" と呼ばれる API JSON フィールドがありました。今回のリリースでは "enabled_override" が非推奨となり、整合性を高めるために "override" が使用されるようになりました。

BZ#1433458

自己署名証明書のあるレジストリーからコンテナーイメージを同期するには、証明書を手動で設定するか、SSL 検証オプションを無効化する必要があります。

BZ#1435007

今回のリリースでは、Red Hat Satellite に含まれるロールは読み取り専用になりました。これらのロールが過去にカスタマイズされている場合には、お使いの環境を今回のバージョンにアップグレードすると、"Cuztomized XXXX" という名前のロールが編集可能なバージョンとして作成されます。

BZ#1469599

今回の修正で導入されたセキュリティー修正により、Satellite 6.2 で Ruby の `to-proc` シンタックスを含むテンプレートをクローンした後に Satellite 6.3 にアップグレードした場合、テンプレートが使用できなくなります。

回避策として、以下のように Ruby ブロック全体と同じコードを記述します。
`(1..3).collect(&:to_s)` becomes `(1..3).collect {|num| num.to_s}`.

影響を受けたコードを見つけるには、テンプレートで `&:` を探します。`…(&:…)` を `…{|i| i.…}` と置き換えます。

以下の 2 つの例をガイドとして使用します。

6.2 の Ruby シンタックスのクローンしたテンプレート。

 <% host_param('ssh_authorized_keys').split(',').map(&:strip).each do |ssh_key| -%>

6.3 用にアップデートされた Ruby シンタックス。

 <% host_param('ssh_authorized_keys').split(',').map{ |item| item.strip }.each do |ssh_key| -%>


6.2 の Ruby シンタックスのクローンしたテンプレート。

 nameserver=#{[subnet.dns_primary, subnet.dns_secondary].select(&:present?).join(',')}

6.3 用にアップデートされた Ruby シンタックス。

 nameserver=#{[subnet.dns_primary, subnet.dns_secondary].select{ |item| item.present? }.join(',')}

BZ#1552093

テンプレートは以前、"<%= foreman_url %>" を使用して、ビルドの完了を Satellite に通知していました。6.3 では、テンプレートは "<%= foreman_url('built') %>" を使用して、ビルドテンプレートを明示的に呼び出します。

BZ#1512959

Satellite 6.2 から Satellite 6.3 へ手動でアップグレードする予定で、python-pulp-agent-lib パッケージを事前にインストールしている場合、アップデートを正常に行うには、Satellite Tools リポジトリーを有効にする必要があります。このパッケージは、Satellite 6.3 の Satellite Tools リポジトリーに移動しました。

BZ#1560607

capsule-certs-generate コマンドのパラメーターには、変更されたものがいくつかあるほか、追加されたものもあります。--capsule のプレフィックスが付いたものは、--foreman-proxy プレフィックスへと変更されました。--reset のプレフィックスが付いた新規のパラメーターは、よく使用されるパラメーターがデフォルト値にリセットできるように追加されました。カスタム証明書をリセットし、代わりに自己署名 CA を使用できるように、--certs-reset パラメーターが追加されました。

5.4. 非推奨の機能

今回のリリースでは、テンプレートで subscription_manager_registration スニペットを使用して、Satellite Tools リポジトリーを有効にすることはできません。アクティベーションキーを使用して、有効になるようにリポジトリーを設定する必要があります。

5.5. 既知の問題

現時点で Red Hat Satellite 6 の既知の問題は以下のとおりです。

BZ#1321041

既知の問題
Satellite がプロビジョニングしているにもかかわらず、登録されていないホストに、サブスクリプション契約があることを示す緑のアイコンが表示されます。これらのホストには、サブスクリプション契約がないことを示す赤のアイコンが表示されるべきです。

BZ#1382090

既知の問題
ユーザーインターフェースの Red Hat サブスクリプションタブでは、サブスクリプションタイプに使用されるハイパーリンク "Guests of hypervisor-name" が不正で破損しています。これは、ハイパーリンクがホスト ID ではなく candlepin uuid を使用することが原因です。

BZ#1445625

既知の問題

Puppet Forge で、Puppet モジュールの一部が無効になり、Satellite と同期できません。

これらの無効な Puppet モジュールが原因で Invalid properties または MissingModulePile などのエラーメッセージが表示されます。

同期失敗の報告を受信したにもかかわらず、有効な Puppet モジュールにより、Puppet Forge から Satellite に同期されます。

BZ#1507848

既知の問題
Satellite インストーラーには絶対パスが必要です。--certs-tar には、必ず /root/new.name-certs.tar などの絶対パスを指定してください。相対パスでインストーラーを実行した場合には、絶対パスと --scenario パラメーターを指定してインストーラーを実行し、last_scenario.yml を作成してください。

BZ#1518848

既知の問題
katello-change-hostname コマンドは、移行やアップグレード時に Satellite 6.2 で実行すると、エラーの状況が発生します。6.2 リリースバージョンの katello-change-hostname コマンドにエラーがあるために発生します。この問題を回避するには、Satellite 6.3 へのアップグレードを完了してから katello-change-hostname コマンドを実行するようにしてください。

BZ#1523392

既知の問題
切断されている Satellite Server の設定を試行中に ./install_packages コマンドを実行すると失敗し、NOKEY エラーが返されます。
回避策
詳しい情報は、https://access.redhat.com/solutions/3275791 の KCS ソリューションを参照してください。

BZ#1538597

既知の問題
VMWare に対してイメージベースのプロビジョニングを使用する場合に、新規ホストにストレージを追加しようとするとエラーが返されます。

BZ#1541002

既知の問題

マシンのプロビジョニングに使用するサブネットを削除しようとすると、分かりやすいエラーメッセージではなく、紛らわしいエラーメッセージが表示されます。

 | NoMethodError: undefined method `klass' for nil:NilClass
 | Did you mean?  class

BZ#1541481

既知の問題
SELinx を有効にすると、RSA 鍵の代わりにケルベロス (KRB) 鍵が使用されるので、リモートのジョブが失敗する可能性があります。

BZ#1541885

ISO ベースで、ネットワークに接続されていない Satellite をご利用の場合

既知の問題
RPM スクリプトで "--local" が抜けており、"oauth" gem をインストールするためにインターネットを検索します。Satellites がネットワークに接続されていない場合は、これは問題となります。
回避策

Puppet 4 がインストールされている場合には、yum でデフォルトの Puppet 4 リポジトリーを使用してパッケージをインストールする時に、以下のコマンドを実行してから、satellite-installer を実行します。

/opt/puppetlabs/puppet/bin/gem install --local /usr/share/foreman-installer/gems/oauth-0.5.1.gem

回避策

Puppet 4 にアップグレードする場合には、--upgrade-puppet コマンドを入力する前に以下のコマンドを実行します。

# yum remove -y puppet-server
# yum install puppetserver puppet-agent puppet-agent-oauth
/opt/puppetlabs/puppet/bin/gem install --local /usr/share/foreman-installer/gems/oauth-0.5.1.gem

BZ#1544401

既知の問題
`katello-backup .' など、宛先の相対パスを指定して katello-backup を実行します。
回避策
'katello-backup /backup-destination' など、完全なパスを指定して katello-backup を実行します。