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第7章 Satellite Server および Capsule Server のバックアップと復元

本章では、災害発生時に Red Hat Satellite デプロイメントと関連データを維持するために必要な最小限なバックアップ手順と復元手順について説明します。デプロイメントでカスタム設定を使用する場合は、バックアップおよび災害復旧ポリシーを策定する際にこれらの手順を考慮する必要があります。

7.1. Satellite Server および Capsule Server のバックアップ

本セクションでは、Satellite Server または Capsule Server とすべての関連データのバックアップを satellite-backup スクリプトで作成する方法について説明します。バックアップは、異なる場所に作成することが推奨されます。また、別のシステムの別のストレージデバイスにバックアップすることが強く推奨されます。バックアップ中は Satellite サービスが利用できなくなります。バックアップは、cron を使用して稼働率が低い時間にスケジュールすることができます。例7.1「毎週の完全バックアップの後に毎日の増分バックアップが実行される場合」 を参照してください。

前提条件

  • スケジュールされたバックアップを計画する際には、同じ時間に他のタスクが他の管理者によってスケジュールされないようにしてください。これは、管理者が異なる場所とタイムゾーンで働いている場合に特に重要です。
  • バックアップを暗号化するか、安全な場所に移動し、ホストへの不正アクセスや損害のリスクを最小化します。
注記

Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』 にある システムバックアップおよびリカバリー セクションで説明されている従来のバックアップ方法を使用することもできます。スナップショットまたは従来のバックアップを作成する際には、すべてのサービスを停止してください (satellite-backup スクリプトの使用時を除く):

# katello-service stop

スナップショットまたは従来のバックアップを作成したら、サービスを起動します。

# katello-service start

7.1.1. バックアップサイズの予測

完全なバックアップは、MongoDB、PostgreSQL、および Pulp のデータベースファイルと Satellite 設定ファイルの非圧縮アーカイブを作成します。Satellite サービスが利用できない時間を短縮するため、圧縮はアーカイブの作成後に実行されます。その結果、完全なバックアップでは、以下のデータを保存するための領域が必要となります。

  • 非圧縮の Satellite データベースおよび設定ファイル。
  • 圧縮された Satellite データベースおよび設定ファイル。
  • バックアップを確実にするため、予測領域全体の 20% を追加。

バックアップサイズの予測

  1. du コマンドを入力して、Satellite データベースおよび設定ファイルを含む非圧縮ディレクトリーを保存するために必要な領域を予測します。以下に例を示します。

    # du -csh /var/lib/mongodb /var/lib/pgsql/data /var/lib/pulp \
    /etc /root/ssl-build /var/www/html/pub /opt/puppetlabs
    480G	/var/lib/mongodb
    100G    /var/lib/pgsql/data
    100G	/var/lib/pulp
    680G    total
    37M	/etc
    900K	/root/ssl-build
    100K	/var/www/html/pub
    2M	/opt/puppetlabs
    680GB   total

    この例では、非圧縮のバックアップデータは合計 680 GB を占有します。

    注記

    /opt/puppetlabs ディレクトリーは Puppet 4 に使用されます。Puppet 3 には /var/lib/puppet を使用します。

  2. 圧縮データを保存するために必要な領域を計算します。

    表7.1「バックアップデータ圧縮率」 は、バックアップで使用されるすべてのデータアイテムの圧縮率を提示します。

    表7.1 バックアップデータ圧縮率

    データ型ディレクトリー比率結果例

    MongoDB データベースファイル

    /var/lib/mongodb

    10 - 15%

    480 GB → 420 GB

    PostgreSQL データベースファイル

    /var/lib/pgsql/data

    15 - 20%

    100 GB → 80 GB

    Pulp RPM ファイル

    /var/lib/pulp

    -

    (非圧縮)

    設定ファイル

    /etc
    /root-ssl/build
    /var/www/html/pub
    /opt/puppetlabs

    5 - 10%

    50 MB → 45 MB

    この例では、圧縮されたバックアップデータは合計 500 GB を占有します。

  3. バックアップの保存に必要な領域を計算します。圧縮および非圧縮のバックアップデータの予測値を合計し、バックアップを確実にするために合計値の 20% をさらに追加します。

    この例では、非圧縮および圧縮のバックアップデータに 680 GB と 500 GB の合計 1180 GB が必要です。240 GB の予備領域もあわせ、1420 GB がバックアップの場所に割り当てられる必要があります。

7.1.2. Satellite Server および Capsule Server の完全バックアップの実行

Red Hat Satellite 6.3 では、satellite-backup スクリプトを使用してバックアップを作成し、復元します。使用方法を表示するには、以下のコマンドを使用します。

# satellite-backup --help

Satellite 6.2.8 からは、satellite-backup を実行すると、指定したバックアップディレクトリーにタイムスタンプの付いたサブディレクトリーが作成されます。satellite-backup スクリプトではバックアップは上書きされないので、バックアップまたは増分バックアップから復元する際には、適切なディレクトリーまたはサブディレクトリーを選択する必要があります。このスクリプトは、必要に応じてサービスを停止したり、再開したりします。

Satellite Server または Capsule Server の完全オフラインバックアップの実行

以下の手順では、完全なオフラインバックアップが実行されます。このバックアッププロセス中は、Satellite サービスが利用できなくなります。

警告

Satellite Server および Capsule Server の他のユーザーに、すべての変更を保存するよう指示して、バックアップ中は Satellite サービスが利用できないことを警告してください。バックアップと同じ時間に他のタスクがスケジュールされていないことを確認してください。

  1. バックアップの場所に、バックアップを保存するための十分なディスク領域があることを確認します。詳細は 「バックアップサイズの予測」 を参照してください。
  2. バックアップスクリプトを実行します。

    # satellite-backup backup_directory

    satellite-backup スクリプトを実行すると、バックアップに影響を与える可能性があるすべてのサービスが停止し、バックアップが実行され、必要なサービスが再起動されます。スクリプトでは、バックアップファイルを作成する際にターゲットディレクトリーが存在しない場合、ターゲットディレクトリーが作成されます。

    コピーするデータのサイズが原因で、このプロセスが完了するには長い時間がかかることがあります。

7.1.3. Pulp コンテンツなしでのバックアップの実行

Pulp コンテンツなしでのバックアップの実行:

この手順では、オフラインバックアップが実行されますが、Pulp ディレクトリーの内容は除外されます。このバックアップは、デバッグに役に立ち、Pulp データベースのバックアップに時間を費やさずに設定ファイルへのアクセスを提供することを目的としています。Pulp コンテンツを含まないディレクトリーから復元することはできません。

警告

Satellite Server および Capsule Server の他のユーザーに、すべての変更を保存するよう指示して、バックアップ中は Satellite サービスが利用できないことを警告してください。バックアップと同じ時間に他のタスクがスケジュールされていないことを確認してください。

  1. バックアップの場所に、バックアップを保存するための十分なディスク領域があることを確認します。詳細は 「バックアップサイズの予測」 を参照してください。
  2. バックアップスクリプトを実行します。

    # satellite-backup --skip-pulp-content backup_directory

    satellite-backup スクリプトを実行すると、バックアップに影響を与える可能性があるすべてのサービスが停止し、バックアップが実行され、必要なサービスが再起動されます。スクリプトでは、バックアップファイルを作成する際にターゲットディレクトリーが存在しない場合、ターゲットディレクトリーが作成されます。

7.1.4. 増分バックアップの実行

増分バックアップの実行:

この手順では、前回のバックアップ以降のすべての変更のオフラインバックアップを実行します。完全バックアップを土台として使用して最初の増分バックアップを実行します。少なくとも最後に正常に完了した完全バックアップと復元する増分バックアップの完全なシーケンスを保持します。

警告

Satellite Server および Capsule Server の他のユーザーに、すべての変更を保存するよう指示して、バックアップ中は Satellite サービスが利用できないことを警告してください。バックアップと同じ時間に他のタスクがスケジュールされていないことを確認してください。

  1. バックアップの場所に、バックアップを保存するための十分なディスク領域があることを確認します。詳細は 「バックアップサイズの予測」 を参照してください。
  2. バックアップスクリプトを実行します。

    Pulp コンテンツがある場合:

    # satellite-backup backup_directory --incremental backup_directory/previous_time-stamped_subdirectory

    Pulp コンテンツがない場合:

    # satellite-backup backup_directory --skip-pulp-content --incremental backup_directory/previous_time-stamped_subdirectory

    satellite-backup スクリプトを実行すると、バックアップに影響を与える可能性があるすべてのサービスが停止し、バックアップが実行され、必要なサービスが再起動されます。スクリプトでは、バックアップファイルを作成する際にターゲットディレクトリーが存在しない場合、ターゲットディレクトリーが作成されます。前回のバックアップよりも古いバックアップを土台として使用し、対応する増加分を使用して増分バックアップを実行できます。

7.1.5. 例 - 毎週の完全バックアップの後に毎日の増分バックアップが実行される場合

例7.1 毎週の完全バックアップの後に毎日の増分バックアップが実行される場合

以下のサンプルスクリプトでは、日曜日に完全バックアップを実行し、その他の曜日では増分バックアップを実行します。バックアップは $YEAR-$WEEK という名前のサブディレクトリーに保存されます。各サブディレクトリーには、前の週の日曜日からの完全バックアップと、それ以降の増分バックアップが含まれ、ます。このスクリプトでは、cron ジョブが毎日必要になります。

#!/bin/bash -e
export PATH=/sbin:/bin:/usr/sbin:/usr/bin
DESTINATION=/var/backup
YEAR=$(date +%Y)
WEEK=$(date +%-V)
if [[ $(date +%w) == 0 ]]; then
  satellite-backup $DESTINATION/$YEAR-$((WEEK + 1)) --assumeyes
else
  LAST=$(ls -td -- $DESTINATION/$YEAR-$WEEK/*/ | head -n 1)
  satellite-backup $DESTINATION/$YEAR-$WEEK --incremental "$LAST" --assumeyes
fi
exit 0

satellite-backup スクリプトでは、PATH 内に /sbin ディレクトリーおよび /usr/sbin ディレクトリーを置く必要があることに注意してください。

7.1.6. オンラインバックアップの実行

オンラインバックアップの実行

以下の手順では、Satellite Server または Capsule Server が稼働中に完全バックアップを実行します。Pulp データベースに影響を与える手順がある場合は、Pulp 部分のバックアップ手順は、変更がなくなるまで繰り返されます。Pulp データベースのバックアップが通常は Satellite バックアップの中で最も時間のかかる部分であるため、バックアップ中は Pulp データベースを変更しないことが 強く 推奨されます。変更が加えられると、Pulp の部分のバックアップがやり直しとなるため、バックアップ全体が長くなります。

重要

Satellite 6 では、PostgreSQL および MongoDB の 2 つのデータベースシステムを使用しています。PostgreSQL と MongoDB には、継続して同期しておく必要のあるレコードがあります。

--online-backup オプションはすべてのサービスを実行したままにするので、バックアップ実行中にデータが修正される可能性があります。バックアップ中には、データベースが変更されたかどうかを確認する基本的なチェックが行われます。変更がなされたことが確認されると、スクリプトはデータベース部分のバックアップを再度開始します。このチェックは基本的なものでしかなく、バックアップスクリプトの実行中にデータベースに変更がなされたことを確実に検証するものではありません。また、データベースに継続的に変更がなされる場合は、このチェックによりループが発生する可能性もあります。

「スナップショットバックアップの実行」 の説明にあるように、実稼働環境ではスナップショットのバックアップが推奨されます。実稼働環境でオンラインバックアップを使用する場合は、バックアップ中に変更がないようにしてください。

警告

Satellite Server および Capsule Server の他のユーザーに、すべての変更を保存するよう指示して、バックアップ中は Satellite サービスが利用できないことを警告してください。バックアップと同じ時間に他のタスクがスケジュールされていないことを確認してください。

  1. バックアップの場所に、バックアップを保存するための十分なディスク領域があることを確認します。詳細は 「バックアップサイズの予測」 を参照してください。
  2. バックアップスクリプトを実行します。

    # satellite-backup --online-backup /tmp/backup_directory

7.1.7. スナップショットバックアップの実行

スナップショットバックアップでは、Pulp、MongoDB、および PostgreSQL ディレクトリーの論理ボリュームマネージャー (LVM) のスナップショットを使用します。実際のバックアップは、オンラインバックアップの場合と同様に、実行中の Satellite からではなく、LVM スナップショットから作成され、一貫性のないバックアップを作成するリスクを減らします。スナップショットバックアップは完全なオフラインバックアップよりも迅速なので、Satellite のダウンタウンを短縮することができます。このため、バックアップ時間が長くかかる、高度に設定された Satellite サーバーのバックアップに適しています。

スナップショットバックアップの実行

この手順では、スナップショットバックアップを実行します。これは、他の satellite-backup サブコマンドと合わせることが可能ですが、online-backup は除きます。

前提条件

  • システムがスナップショットするディレクトリーに LVM を使用していること (/var/lib/pulp//var/lib/mongodb/、および /var/lib/pgsql/)。
  • 関連ボリュームグループ (VG) の空きディスクスペースが、スナップショットのサイズの 3 倍あること。正確に言うと、VG には、新規スナップショットを受け入れるために十分な、メンバーの論理ボリューム (LV) に予約されていないスペースが必要になります。また、LV のいずれかには、バックアップディレクトリー用の十分な空きスペースが必要になります。
  • ターゲットのバックアップディレクトリーが、スナップショットを作成するディレクトリー以外の LV にあること。
警告

Satellite Server および Capsule Server の他のユーザーに、すべての変更を保存するよう指示して、バックアップ中は Satellite サービスが利用できないことを警告してください。バックアップと同じ時間に他のタスクがスケジュールされていないことを確認してください。

バックアップスクリプトを実行します。

# satellite-backup --snapshot backup_directory

satellite-backup スクリプトは、バックアップに影響を与える可能性があるすべてのサービスを停止します。バックアップが正常に実行されると、全サービスが再起動され、LVM スナップショットが削除されます。

7.2. バックアップからの Satellite Server または Capsule Server の復元

本セクションでは、「Satellite Server および Capsule Server のバックアップ」 の手順で作成されたバックアップデータから Red Hat Satellite Server または Red Hat Capsule Server を復元する方法について説明します。このプロセスでは、バックアップを生成したサーバーと同じサーバーでバックアップが復元されます。元のシステムが利用できない場合は、同じ設定でシステムのプロビジョニングを行なってください (特に、ホスト名は同じである必要があります)。

前提条件

  • 適切なインスタンスを復元していることを確認します。Red Hat Satellite インスタンスでホスト名、設定が同一であり、メジャーバージョンが元のシステムと同じである必要があります。
  • root で、satellite-restore スクリプトを実行することを確認します。
  • すべての SELinux コンテキストが適切であることを確認します。以下のコマンドを入力して、適切な SELinux コンテキストを復元します。

    # restorecon -Rnv /

完全バックアップからの Satellite Server または Capsule Server の復元

  1. Satellite 6 を『Installation Guide』の Installing Satellite Server に従ってインストールします。
  2. バックアップデータを Satellite のローカルファイルシステム (/tmp/ または /var/tmp/) にコピーします。Satellite Server または Capsule Server のベースシステムにこのデータを格納するのに十分な領域と、復元後にバックアップ内に含まれる /etc//var/ ディレクトリー内のすべてのデータを格納するのに十分な領域があることを確認します。

    du -sh directory_name コマンドを実行すると、ディレクトリーが使用している領域を確認することができます。df -h directory_name コマンドでは、空き容量が確認できます。--total オプションを追加すると、複数ディレクトリーの結果の合計を確認できます。

  3. 復元スクリプトを実行します。

    # satellite-restore backup_directory

    ここでの backup_directory は、バックアップデータを含むディレクトリーまたはサブディレクトリーになります。ターゲットディレクトリーは、アーカイブ内の設定ファイルから読み取られます。復元の試行時にターゲットディレクトリーが存在しない場合は、エラーが発生し、適切なディレクトリーを指定するよう求められます。コピーするデータのサイズが大きいと、復元プロセスには時間がかかることがあります。増分バックアップが存在する場合は、増分バックアップからの Satellite Server または Capsule Server の復元 を参照してください。

このプロセスが完了したら、すべてのサービスが実行され、Satellite Server または Capsule Server が使用できるようになります。

増分バックアップからの Satellite Server または Capsule Server の復元

  1. Satellite 6 を『Installation Guide』の Installing Satellite Server に従ってインストールします。
  2. 完全バックアップからの Satellite Server または Capsule Server の復元 の説明に従って、直近の完全バックアップを復元します。
  3. バックアップデータを Satellite のローカルファイルシステム (/var/tmp/satellite-backup/ など) にコピーします。Satellite Server または Capsule Server のベースシステムにこのデータを格納するのに十分な領域と、復元後にバックアップ内に含まれる /etc//var/ ディレクトリー内のすべてのデータを格納するのに十分な領域があることを確認します。
  4. 復元スクリプトを実行します。

    # satellite-restore backup_directory_X

    ここでの backup_directory_X は増分バックアップが含まれるタイムスタンプ付きのディレクトリーまたはサブディレクトリーになります。増分バックアップ作成時と同じ順序で増分バックアップを復元します (たとえば、backup_directory_1backup_directory_2)。ターゲットディレクトリーは、アーカイブ内の設定ファイルから読み取られます。復元の試行時にターゲットディレクトリーが存在しない場合は、エラーが発生し、適切なディレクトリーを指定するよう求められます。

このプロセスが完了したら、すべてのサービスが実行され、Satellite Server または Capsule Server が使用できるようになります。

7.3. 仮想マシンのスナップショットを使用した Capsule Server のバックアップと復元

Capsule Server のバックアップには、以下の 3 つの方法があります。

  • 「Satellite Server および Capsule Server のバックアップ」 にある satellite-backup スクリプトを使った方法。この satellite-backup スクリプトは、ご使用の Capsule Server が物理マシンである場合に便利です。Capsule Server が仮想マシンの場合でもこのスクリプトは使用できますが、作成されるのはマシン自体ではなく、データのバックアップのみになります。
  • Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』 にある システムバックアップおよびリカバリー セクションで説明されている従来のバックアップ方法。
  • 以下で説明する、Capsule Server のある仮想マシンのスナップショットをその仮想マシン上で使用する方法。 この方法は、「スナップショットバックアップの実行」 で説明されているスナップショットのバックアップとは別であることに注意してください。

Capsule Server が仮想マシンである場合、スナップショットから復元することができます。復元元となるスナップショットは、毎週作成することが推奨されます。失敗した場合は、新規 Capsule Server を再インストールまたは設定し、Satellite Server からデータベースコンテンツを同期します。

注記

スナップショットまたは従来のバックアップを作成する際には、すべてのサービスを停止してください (satellite-backup スクリプトの使用時を除く)。

# katello-service stop

スナップショットまたは従来のバックアップを作成したら、サービスを起動します。

# katello-service start

スナップショットまたは従来のバックアップがあり場合は、そこから復元を実行し、以下の説明に従って Satellite Server から同期します。

必要な場合は、新規 Capsule Server をデプロイします。ホスト名が以前のものと同じであることを確認してください。その後に Capsule 証明書をインストールします。これは Satellite Server にもある場合があり、パッケージ名が -certs.tar で終わるものです。もしくは、新規に作成します。『Installation Guide』の Installing Capsule Server にある手順に従い、web UI で Capsule Server が Satellite Server に接続されたことを確認します。この後に、以下の手順で Satellite Server から同期します。

外部 Capsule からの同期

  1. 外部 Capsule から同期 するには、web UI で関連する組織とロケーションを選択するか、任意の組織任意のロケーション を選択します。
  2. インフラストラクチャー > Capsules (スマートプロキシー) に移動し、同期する Capsule 名をクリックします。
  3. 概要 タブで 同期 を選択します。

7.4. Satellite Server および Capsule Server の名前変更

Satellite Server または Capsule Server の名前変更には、satellite-change-hostname スクリプトを使用します。Red Hat Satellite にはホスト名への参照が含まれており、それらの変更はこのスクリプトを使用して行います。Satellite Server の名前を変更すると、その Satellite Server 自体とすべての Capsule Server、さらに Satellite Server に登録されているすべてのホストに影響があります。Capsule Server の名前を変更すると、その Capsule Server 自体とそこに登録されている全ホストに影響があります。

警告

名前変更プロセスを実行すると、変更対象の Satellite Server 上の全サービスがシャットダウンされます。名前変更が完了すると、全サービスが再開されます。

7.4.1. Satellite Server の名前変更

Satellite Server のホスト名は、Satellite Server のコンポーネント、すべての Capsule Server、および Satellite Server に登録されている全ホストが通信用に使用しています。このため、Satellite Server の名前を変更すると、これらの参照を更新する必要があります。

外部認証を使用している場合は、satellite-change-hostname スクリプトの実行後に、外部認証向けに Satellite Server を再設定する必要があります。satellite-change-hostname スクリプトは、Satellite Server 用の外部認証を破棄してしまいます。外部認証の設定については、10章外部認証の設定 を参照してください。

前提条件

  • (オプション) Satellite Server にカスタムの X.509 証明書がインストールされている場合は、ホスト名で新規証明書を取得する必要があります。全ホストを Satellite Server に再登録すると、新規証明書がインストールされます。カスタム X.509 証明書の取得については、『Red Hat Satellite Installation Guide』の Configuring Satellite Server with a Custom Server Certificate を参照してください。
  • Satellite Server のバックアップ。satellite-change-hostname スクリプトを実行すると、Satellite Server に不可逆的な変更を行います。名前変更プロセスが失敗した場合は、バックアップから復元してください。詳細は、「 Identity Management の使用」 を参照してください。

Satellite Server の名前変更

  1. Satellite Server で satellite-change-hostname スクリプトを実行し、新しいホスト名と Satellite 認証情報を提供します。

    # satellite-change-hostname new_satellite --username admin \
    --password password

    名前変更が成功すると、***** Hostname change complete! ***** というメッセージが表示されます。

  2. (オプション) Satellite Server の新しいホスト名用に新規の X.509 証明書を取得している場合は、Satellite インストールスクリプトを実行して証明書をインストールします。カスタム X.509 証明書のインストールについては、『Red Hat Satellite Installation Guide』の Configuring Satellite Server with a Custom Server Certificate を参照してください。
  3. 全 Capsule Server と Satellite Server に登録済みのホストで、ブートストラップ RPM を再インストールし、ホストを Satellite Server に再登録します。以下の例では、組織と環境の値をご使用の環境のものに置き換えてください。

    1.  

      # yum remove -y katello-ca-consumer*
    2.  

      # rpm -Uvh http://new-satellite.example.com/pub/katello-ca-consumer-latest.noarch.rpm
    3.  

      # subscription-manager register --org="Default_Organization" \
      --environment="Library" \
      --force

    このステップでは、Red Hat Satellite のリモート実行機能の使用が推奨されます。詳細は、『Managing Hosts』の Configuring and Running Remote Commands を参照してください。

  4. すべての Capsule Server、および Satellite Server に登録されている全ホストに再度サブスクリプションをアタッチして、サブスクリプションをリフレッシュします。

    1.  

      # subscription-manager refresh
    2.  

      # yum repolist

    このステップでは、Red Hat Satellite のリモート実行機能の使用が推奨されます。詳細は、『Managing Hosts』の Configuring and Running Remote Commands を参照してください。

  5. 全 Capsule Server で、Satellite インストールスクリプトを再実行して、新規ホスト名への参照を更新します。

    # satellite-installer --foreman-proxy-content-parent-fqdn new-satellite.example.com \
    --foreman-proxy-foreman-base-url  https://new-satellite.example.com \
    --foreman-proxy-trusted-hosts new-satellite.example.com
  6. Satellite Server で、コンテンツを各 Capsule Server に同期します。

    1. すべての Capsule Server を ID 番号で一覧表示します。

      # hammer capsule list
    2. 各 Capsule Server に以下のコマンドを入力します。

      # hammer capsule content synchronize --id capsule_id_number

7.4.2. Capsule Server の名前変更

Capsule Server のホスト名は、Satellite Server のコンポーネント、すべての Capsule Server、および Capsule Server に登録されている全ホストが参照しています。このため、Capsule Server の名前を変更すると、これらの参照を更新する必要があります。

前提条件

  • オプション: Capsule Server 用の新規の X.509 カスタム証明書ファイル。カスタム X.509 証明書の取得については、『Red Hat Satellite Installation Guide』の Configuring Capsule Server with a Custom Server Certificate を参照してください。
  • Capsule Server のバックアップ。satellite-change-hostname スクリプトを実行すると、Capsule Server に不可逆的な変更を行います。名前変更プロセスが失敗した場合は、バックアップから復元してください。

    Red Hat Satellite では、Capsule Server 用のネイティブのバックアップ方法が提供されていません。詳細は、7章Satellite Server および Capsule Server のバックアップと復元 を参照してください。

Capsule Server の名前変更

  1. Satellite Server で、新規証明書アーカイブファイルを作成します。

    1. デフォルトの Satellite Server 証明書を使用している場合は、以下を実行します。

      # capsule-certs-generate --capsule-fqdn new-capsule.example.com \
      --certs-tar /root/new-capsule.example.com-certs.tar

      .tar ファイルへの完全パスを必ず入力するようにしてください。

    2. Capsule Server でカスタムの X.509 証明書を使用している場合は、『Red Hat Satellite Installation Guide』の Create the Capsule Server’s Certificate Archive File を参照してください。
  2. Satellite Server 上で、証明書アーカイブファイルを Capsule Server にコピーし、プロンプトが出たら、root ユーザーのパスワードを提供します。この例では、アーカイブファイルは root ユーザーのホームディレクトリーにコピーされますが、別の場所にコピーすることもできます。

    # scp /root/new-capsule.example.com-certs.tar root@capsule.example.com:
  3. Capsule Server で satellite-change-hostname スクリプトを実行し、新しいホスト名と Satellite 認証情報、および証明書アーカイブファイル名を提供します。

    # satellite-change-hostname new_capsule --username admin \
    --password password \
    --certs-tar /root/new-capsule.example.com-certs.tar

    .tar ファイルへの完全パスを必ず入力するようにしてください。

    名前変更が成功すると、***** Hostname change complete! ***** というメッセージが表示されます。

  4. (オプション) Capsule Server の新しいホスト名で新規の X.509 証明書を取得している場合は、Satellite インストールスクリプトを実行して証明書をインストールします。カスタム X.509 証明書のインストールについては、『Red Hat Satellite Installation Guide』の Configuring Satellite Server with a Custom Server Certificate を参照してください。
  5. Capsule  Server に登録済みのホストで、ブートストラップ RPM を再インストールし、ホストを Capsule Server に再登録します。以下の例では、組織と環境の値をご使用の環境のものに置き換えてください。

    # yum remove -y katello-ca-consumer*
    # rpm -Uvh http://new-capsule.example.com/pub/katello-ca-consumer-latest.noarch.rpm
    # subscription-manager register --org="Default_Organization" \
    --environment="Library" \
    --force

    このステップでは、Red Hat Satellite のリモート実行機能の使用が推奨されます。詳細は、『Managing Hosts』の Running Jobs on Hosts を参照してください。

  6. Capsule Server に登録されている全ホストに再度サブスクリプションをアタッチして、サブスクリプションをリフレッシュします。

    # subscription-manager refresh
    # yum repolist
  7. Capsule Server の名前を変更します。

    1. Satellite web UI で、インフラストラクチャー > Capsules (スマートプロキシー) に移動します。
    2. リストで Capsule Server を見つけ、その行の 編集 をクリックします。
    3. 名前URL フィールドが Capsule Server の新規ホスト名に一致するように変更して、送信 をクリックします。
  8. DNS サーバーで、Capsule Server の新規ホスト名用のレコードを追加し、古いホスト名のレコードを削除します。