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リリースノート

Red Hat Satellite 6.2

Red Hat Satellite 6.2 向け製品情報、新機能、および既知のバグ

エディッション 1

Red Hat Satellite Documentation Team

概要

本書には、Red Hat Satellite 6.2 向けの製品情報と、新機能および既知のバグの短い説明が含まれます。

第1章 はじめに

Red Hat Satellite 6 は、Red Hat のライフサイクル管理プラットフォームをさらに進化させた製品であり、グローバルエンタープライズ用のシステムおよびコンテンツ管理の専用ツールとして、システム管理者の期待通りの機能を提供します。Satellite 6 は、Satellite 5 のお客様がリクエストされたユースケースに対応するだけでなく、はるかに規模の大きなコンテンツの連合 (フェデレーション)、プロビジョニング時の効果的なシステム管理、およびライフサイクル管理へのよりシンプルなアプローチを実現する機能を提供します。さらに Satellite 6 では、証明書ベースのエンタイトルメントや統合されたサブスクリプション管理への特有のアプローチをさらに進化させています。Satellite 6 は、何年もの間にお客様から寄せられてきたフィードバックを反映し、これまでのバージョンをさらに進化させています。

1.1. Satellite 6 コンポーネントバージョン

Red Hat Satellite は、複数のアップストリームプロジェクトの組み合わせです。含まれるメジャープロジェクトと、Red Hat Satellite の各メジャーおよびマイナーリリースに含まれるプロジェクトのバージョンの詳細については、Satellite 6 Component Versions を参照してください。

1.2. Red Hat Satellite および Proxy Server のライフサイクル

Red Hat Network Satellite と Red Hat Satellite のライフサイクルフェーズの概要および本製品のサポート状況については、Red Hat Satellite and Proxy Server Life Cycle を参照してください。

1.3. Red Hat Satellite FAQ

Red Hat Satellite 6 に関する FAQ のリストについては、Red Hat Satellite 6 FAQ を参照してください。

1.4. コンテンツ配信ネットワーク (CDN) チャンネル

本項では、Red Hat Satellite 6.2 のデプロイに必要なチャンネルおよびリポジトリーの設定について説明します。
コンテンツ配信ネットワーク (CDN) から Red Hat Satellite 6.2 をインストールすることができます。そのためには、正しいチャンネルを使用するように subscription-manager を設定します。
CDN チャンネルを有効にするには、以下のコマンドを実行します。
#subscription-manager repos --enable=[reponame]
CDN チャンネルを無効にするには、以下のコマンドを実行します。
#subscription-manager repos --disable=[reponame]

表1.1 Red Hat Enterprise Linux 6

チャンネル リポジトリー名
Red Hat Enterprise Linux 6 Server (RPMS) rhel-6-server-rpms
Red Hat Software Collections RPMs for Red Hat Enterprise Linux 6 Server rhel-server-rhscl-6-rpms
Red Hat Satellite 6.2 (RHEL 6 Server 用) (RPMS) rhel-6-server-satellite-6.2-rpms
Red Hat Satellite Capsule 6.2 (RHEL 6 Server 用) (RPMS) rhel-6-server-satellite-capsule-6.2-rpms

表1.2 Red Hat Enterprise Linux 7

チャンネル リポジトリー名
Red Hat Enterprise Linux 7 Server (RPMS) rhel-7-server-rpms
Red Hat Software Collections RPMs for Red Hat Enterprise Linux 7 Server rhel-server-rhscl-7-rpms
Red Hat Satellite 6.2 (RHEL 7 Server 用) (RPMS) rhel-7-server-satellite-6.2-rpms
Red Hat Satellite Capsule 6.2 (RHEL 7 Server 用) (RPMS) rhel-7-server-satellite-capsule-6.2-rpms

第2章 新機能および改良された機能

本章では、Red Hat Satellite 6.2 の新機能について説明し、詳細な情報へのリンクを提供します。
自動化ワークフローによる効率性の向上

Satellite 6.2 では、リモート実行が導入され、ワークフローを自動化したり、システムのグループに対してユーザーが複数のアクション (パッチインストール後のシステムの再起動や、数百のシステムを 1 つのシステムのように簡単にアップグレードするローリングアップグレードなど) を行ったりしたりできます。ユーザーはスクリプトライブラリーを簡単に構築したり、スクリプトと繰り返しワークフローを共有したりして、経験が少ない管理者が複雑なワークフローを実行できるようにします。また、ユーザーはタスクをスケジュールしたり、管理下のシステムとの高度な対話向けの新しいダッシュボードを使用したりできます。

切断された環境でのセキュリティーの強化

Satellite 6.2 では、コンテンツを同期してある Satellite から別の Satellite にコンテンツをエクスポートできます。これは、特にセキュリティーのためにインターネットから切断された状態でシステム管理ソリューションを実行する必要がある組織に役に立ちます。

より柔軟なプロビジョニング

Satellite の検出拡張機能により、システムを構築するプロセスは単純化され、エンドユーザーは DHCP と PXE が利用できない安全な環境でシステムをより効率的にプロビジョニングできるようになります。

信頼性、可用性、およびサービス性の向上

Satellite 6.2 には、以下のような複数のパフォーマンス拡張機能が含まれます。

コンテンツ同期中のシステムの構築
簡素化されたコンテンツ同期により、ユーザーはインストール後すぐにシステムを構築できます (コンテンツはバックグラウンドでダウンロードされます)。
バックアップの高速化
Satellite コンテンツの同期により、ソフトウェアパッケージをバックアップする必要がなくなるため、バックアップおよび復元プロセスは高速化されます。これにより、バックアップのために Satellite がオフラインになる時間が大幅に短縮されます。
Capsule の健全性情報
Red Hat Satellite Capsule のユーザーインターフェースでは、中央 Satellite コンソールから、実行されているサービスやそのステータスなどの Capsule の健全性についてより深く理解できます。
Lighter-Weight Capsule
Red Hat Satellite リポジトリーは、クライアントにより要求されたコンテンツのみ格納するよう設定できます。これにより、必要なストレージは削減されます。この機能は、Satellite 6.2 ではテクノロジープレビューとして利用できます。Red Hat テクノロジープレビュー機能のサポート範囲については、Technology Preview Features Support Scope を参照してください。この機能は 6.2.3 以降完全にサポートされていることに注意してください。
既存のホストのインポート機能

Satellite 6.2 では、Red Hat Satellite 5.x を含む任意の Red Hat システム管理に配置できる既存の Red Hat インフラストラクチャーホストをインポートする新しいスクリプトと自動化機能が提供されます。このブートストラップスクリプトを使用すると、Satellite へのシステムの登録プロセスが自動化され、既存のシステムを Red Hat Satellite により管理するのに必要なステップ数が大幅に削減されます。

コンテナーおよびコンテナーホストインフラストラクチャー

Red Hat Satellite の最新バージョンには、RHEL Atomic Hosts サポートが含まれるため、ユーザーは RHEL Atomic Hosts (定評のある Red Hat のコンテナーワークロード向けプラットフォーム) をプロビジョニングおよび管理できます。また、Red Hat Satellite では RHEL Atomic Hosts がコンピュートリソースとしてサポートされ、RHEL Atomic Hosts へのコンテナーデプロイメントが可能になります。さらに、Red Hat Satellite では Docker v2 API とレジストリーがサポートされるようになりました。

第3章 リリースの情報

本リリースノートには主に、今回リリースされた Red Hat Satellite 6 のデプロイメント時に考慮すべきテクノロジープレビューの項目、推奨事項、既知の問題、非推奨となった機能について記載します。
Red Hat Satellite 6 の本リリースのサポートライフサイクル中にリリースされたアップデートについての注記は、各アップデートに付属のアドバイザリーテキストに表示されます。

3.1. 機能強化

Red Hat Satellite 6 の本リリースには以下の拡張機能が含まれます。
BZ#1217527
Red Hat Satellite 6.2 は puppet の 3.8 ストリームにアップグレードされます。
BZ#1127456
本リリースでは、ある Satellite Server からコンテンツをエクスポートし、別のサーバーにインポートできます。コンテンツは、ライブラリーからのものであったり、コンテンツビューからのものであったりします。この機能は、エアーギャップサーバーを別のサーバーのコンテンツで満たすために使用できます。
BZ#1209467
本リリースでは、主要な Satellite Server がホストされているのと同じマシンに virt-who エージェントをインストールできるようになりました。
BZ#1052257
本リリースでは、デフォルトの root パスワードハッシュが MD5 ではなく SHA256 で作成されました。これにより、プロビジョニングされたすべてのホストのデフォルトのセキュリティーが向上します。
BZ#1131296
本リリースでは、リモート実行機能が追加され、ユーザーはインベントリー化されたマシンに対してリモート実行できるようになります。コマンドはジョブとして保存したり、将来または定期的に実行するようスケジュールしたりできます。
BZ#1144232
本リリースでは、LDAP 接続情報を確認するために "Test Connection" ボタンが追加されました。
BZ#1154373
Red Hat Satellite 6.2 にはブートストラップスクリプトが含まれます。このスクリプトを使用すると、Red Hat Satellite 6.2 の外部でプロビジョニングされたマシンの取得、ホストの登録、適切な証明書のインストール、および puppet の設定が行われます。ホストが以前に Red Ht Satellite 5 で登録された場合は、スクリプトにより、ホストに割り当てられたチャンネルに基づいて適切なサブスクリプションが選択されます。
BZ#1154383
hammer コマンドがデフォルト値をサポートするようになりました。このデフォルト値をファイルシステムで格納することにより、1 つのセッションで複数の hammer コマンドを簡単に実行できます。
BZ#1146874
本リリースでは、Red Hat Satellite 6.1 のコンテンツダッシュボードがメインダッシュボードに統合され、ユーザーに概要情報を一元的に提供できるようになりました。
BZ#1174948
本リリースでは、Red Hat Satellite 6.2 のユーザーは、リポジトリー文字列でユーザー名とパスワードを提供することにより、基本的な認証により保護されたリポジトリーを同期できます。
BZ#1241975
本リリースでは、Red Hat Satellite 6.2 のコンテンツビューバージョンが改善され、含まれる puppet モジュールのバージョンが表示されるようになりました。
BZ#1254413
本リリースでは、バックアップスクリプトが更新され、生パッケージの増分バックアップを実行できます。これにより、以降のすべてのバックアップが高速化されます。
BZ#1268896
本リリースでは、バックアップスクリプトが更新され、データベース情報をバックアップできます。このオプションにより、バックアップされたファイルシステムにパッケージが格納されたユーザーに対してバックアップパフォーマンスが向上します。
BZ#1297834
最新の Puppet 3.x バージョンへのアップグレードの一部として、hiera パッケージが 1.3 に更新されました。
BZ#1315043
本リリースでは、Red Hat Atomic Host と標準的な Red Hat Enterprise Linux をプロビジョニングできます。これには、Atomic Content の同期も含まれ、そのコンテンツはライフサイクル環境からプロモートされ、Atomic Hosts がプロビジョニングされます。

3.2. リリースノート

この項では、Red Hat Satellite の注目すべき変更点や推奨プラクティスなどの今回のリリースに関する重要な情報を記載しています。お使いのデプロイメントに最大限の効果をもたらすために、以下の情報を考慮する必要があります。
BZ#1348135
Satellite 6.2 のアップグレード中に、ホストユニフィケーション機能の一部として、同じ名前のホストとコンテンツホストが異なる組織内で見つかった場合に、コンテンツホストは登録解除されます。これにより、コンテンツは Satellite から削除されます。結果的に、コンテンツホストがアップグレードプロセスで登録解除されると、コンテンツホストは Red Hat Subscription Manager (RHSM) 経由で Satellite と引き続き対話しようとすることがあるため、エラーが /var/log/foreman/production.log に記録されることがあります。

エラーには、以下のようなものがあります。

2016-06-20 04:02:30 [app] [E] RestClient::Unauthorized: Katello::Resources::Candlepin::Consumer: 401 Unauthorized {"displayMessage":"Invalid oauth unit or secret","requestUuid":"56562131-15b1-482b-86c3-a74da4b19491"} (GET /candlepin/consumers/c1d5c956-b9c5-4088-914b-fd5e0e828c32)

2016-06-20 04:22:23 [app] [E] RestClient::Gone: Katello::Resources::Candlepin::Consumer: 410 Gone {"displayMessage":"Unit c1d5c956-b9c5-4088-914b-fd5e0e828c32 has been deleted","requestUuid":"4d433cb8-e94a-49dc-9d2f-eebdc7066e55","deletedId":"c1d5c956-b9c5-4088-914b-fd5e0e828c32"} 

回避策

Satellite 6.2 のアップグレードを実行する前に、ユーザーは Satellite 6.1 Server でアップグレード前スクリプトを実行して、登録解除されるコンテンツホストの概要を取得します。スクリプトは以下のように実行できます。

foreman-rake katello:upgrade_check

アップグレードの前に、ユーザーはホストとコンテンツホストを更新して、それらが正しい組織に属するようにします。これがアップグレード前に行われない場合、ユーザーはアップグレードの完了後に Red Hat サブスクリプションマネージャーのコマンドラインツールを使用してこれらの各コンテンツホストを登録解除する必要があります。
BZ#1357158
Satellite 6.2 では、Docker のサポートが Docker v1 から v2 にアップグレードされました。この変更により、Docker のデータモデルは大幅に変更され、Docker イメージのサポートから Docker Manifests のサポートに移行しました。この重大な変更のため、すべての既存の Docker v1 リポジトリーは、アップグレード中に Satellite から削除されます。
BZ#1344215
Satellite 6.2 のアップグレード中に、ホストユニフィケーション機能の一部として、同じ名前のホストとコンテンツホストが異なる組織内で見つかった場合に、コンテンツホストは登録解除されます。これにより、コンテンツは Satellite から削除されます。結果的に、コンテンツホストがアップグレードプロセスで登録解除されると、コンテンツホストはエージェント経由で Satellite と引き続き対話しようとすることがあるため、エラーが /var/log/messages に記録されることがあります。

エラーには、以下のようなものがあります。

[Protocol] error Error on attach: Node not found: pulp.agent.737d5dde-2ec8-4b21-9933-3e7fa45cbf77 

回避策

Satellite 6.2 のアップグレードを実行する前に、ユーザーは Satellite 6.1 Server でアップグレード前スクリプトを実行して、登録解除されるコンテンツホストの概要を取得します。スクリプトは以下のように実行できます。

foreman-rake katello:upgrade_check

アップグレードの前に、ユーザーはホストとコンテンツホストを更新して、それらが正しい組織に属するようにします。これがアップグレード前に行われない場合、ユーザーはアップグレードの完了後に Red Hat サブスクリプションマネージャーのコマンドラインツールを使用してこれらの各コンテンツホストを登録解除する必要があります。

3.3. 既知の問題

現時点で Red Hat Satellite 6 の既知の問題は以下のとおりです。
BZ#1305591
command katello-disconnected が削除されました。完全な satellite インストールを実行し、Inter Satellite Sync を使用してエアーギャップネットワークでコンテンツを移動します。
BZ#1187774
問題: 複数のコンテンツビュー (2 以上のパラレル) が公開されたときに、Puppet 環境または Puppet クラスのスマートプロキシーのリストが失敗しました。この問題が発生した場合は、コンテンツビューの公開プロセスが失敗し、??? までその他のビルドができなくなります。

回避策: 不明
BZ#1365820
Rails イベントは /hooks/report でフックをトリガーしなくなりました。

Satellite 6.2 では、Report クラスが ConfigReport に変更され、フックが /hooks/report/ ディレクトリーに格納されたスクリプトを探さなくなりました。

ディレクトリー /usr/share/foreman/config/hooks/config_report/ を作成し、`after_create` や `before_create` などのフックを新しいディレクトリーに移動します。
BZ#1351464
Puppet 環境に移行するときに、HTTP 404 エラーが表示されることがあります。ページをリロードし、正しい場所に移動します。
BZ#1346654
現時点では、Red Hat Enterprise Linux 6.4 AUS と 6.2 AUS はサポートされません。これらの AUS バージョンを使用してマシンを管理するには、それ以降のリリースからのパッケージを使用する必要があります。

3.4. 非推奨の機能

本項には、サポートされなくなった機能、または今後のリリースでサポートされなくなる予定の機能について記載します。
BZ#1390042
'has_primary_interface?' メソッドが非推奨になったため、このメソッドを使用しようとすると、エラー "undefined method" がスローされます。Red Hat Satellite 6.2 では、各ホストは作成時にプライマリーインターフェースを自動的に取得するため、このメソッドは必要ありません。代わりに、以下のメソッドにより、インターフェースが ID を持っているかどうかをテストします。

host.primary_interface.identifier.empty?

ネットワークインターフェースオブジェクト全体は、メソッド host.primary_interface を介して利用可能です。
BZ#1315286
gutterball エンジンは Red Hat Satellite 6.2 から削除されました。gutterball に格納されたデータはまったく使用されませんでした。
BZ#1259374
Elastic Search は Red Hat Satellite から削除されました。データベースで提供される標準的な検索に置き換えられました。

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