第10章 Satellite Server および Capsule Server のバックアップ

災害発生時に、Red Hat Satellite デプロイメントと関連データの継続性を確保するために、Satellite デプロイメントをバックアップすることができます。デプロイメントでカスタム設定を使用する場合は、バックアップおよび災害復旧ポリシーを策定する際にカスタム設定をどのように扱うかについて考慮する必要があります。

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注記

Satellite Server の新規インスタンスを作成する場合は、バックアップを復元した後に以前のインスタンスを廃止します。クローン作成されたインスタンスは、実稼働環境で並行して実行することは想定されていません。

Satellite Server と Capsule Server のどちらか、およびすべての関連データのバックアップを作成するには、satellite-maintain backup コマンドを使用します。別のシステム上の別のストレージデバイスにバックアップすることを強く推奨します。

バックアップ中は Satellite サービスは利用できません。したがって、他の管理者が他のタスクをスケジュールしていないか確認する必要があります。cron を使用して、バックアップをスケジュールできます。詳細は、「週次の完全バックアップ後の日次増分バックアップ例」 を参照してください。

オフラインバックアップまたはスナップショットバックアップ中はサービスが非アクティブになり、Satellite はメンテナンスモードに入ります。ポート 443 上での外部からのトラフィックはすべてファイアウォールで拒否され、修正がトリガーされないようになります。

バックアップには、/root/ssl-build ディレクトリーの機密情報が含まれます。たとえば、ホスト名、SSH キー、要求ファイル、SSL 証明書が含まれる場合があります。バックアップを暗号化するか、安全なロケーションに移動し、破損のリスクやホストへの不正アクセスを最小限に抑えます。

従来のバックアップ方法

従来のバックアップ方法を使用することもできます。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 8 の基本的なシステム設定の設定システムの回復と復元 を参照してください。

注記

satellite-maintain backup コマンドを使用してバックアップを作成する場合は、Satellite サービスを停止しないでください。

  • スナップショットまたは従来のバックアップを作成するときは、以下のようにすべてのサービスを停止する必要があります。

    # satellite-maintain service stop
  • スナップショットまたは従来のバックアップを作成したら、サービスを起動します。

    # satellite-maintain service start

10.1. バックアップサイズの予測

完全バックアップでは、PostgreSQL および Pulp のデータベースファイルと Satellite 設定ファイルの非圧縮アーカイブを作成します。Satellite サービスが利用できない時間を短縮するため、圧縮はアーカイブの作成後に実行されます。

完全バックアップには、以下のデータを格納するための領域が必要です。

  • 非圧縮の Satellite データベースおよび設定ファイル。
  • 圧縮された Satellite データベースおよび設定ファイル。
  • バックアップを確実にするため、予測領域全体の 20% を追加。

手順

  1. du コマンドを入力して、Satellite データベースおよび設定ファイルを含む非圧縮ディレクトリーのサイズを予測します。

    # du -sh /var/lib/pgsql/data /var/lib/pulp
    100G    /var/lib/pgsql/data
    100G	/var/lib/pulp
    
    # du -csh /var/lib/qpidd /var/lib/tftpboot /etc /root/ssl-build \
    /var/www/html/pub /opt/puppetlabs
    886M  /var/lib/qpidd
    16M   /var/lib/tftpboot
    37M   /etc
    900K  /root/ssl-build
    100K  /var/www/html/pub
    2M    /opt/puppetlabs
    942M  total
  2. 圧縮データを保存するために必要な領域を計算します。

    以下の表は、バックアップに含まれるすべてのデータ項目の圧縮率を示しています。

    表10.1 バックアップデータ圧縮率

    データ型ディレクトリー比率圧縮結果の例

    PostgreSQL データベースファイル

    /var/lib/pgsql/data

    80 – 85%

    100 GB → 20 GB

    Pulp RPM ファイル

    /var/lib/pulp

    (非圧縮)

    100 GB

    設定ファイル

    /var/lib/qpidd
    /var/lib/tftpboot
    /etc
    /root/ssl-build
    /var/www/html/pub
    /opt/puppetlabs

    85%

    942 MB → 141 MB

    この例では、圧縮されたバックアップデータは合計 120 GB を占有します。

  3. バックアップの保存に必要な利用可能な領域を計算するには、圧縮および非圧縮のバックアップデータの予測値を合計し、合計値の 20% をさらに追加してバックアップの信頼性を高めます。

    この例では、非圧縮および圧縮のバックアップデータに 201 GB と 120 GB の合計 321 GB が必要です。64 GB の予備領域もあわせ、385-21-2 GB をバックアップのロケーションに割り当てる必要があります。