オンラインネットワーク環境での Satellite Server のインストール
インターネットに接続されたネットワーク内に Red Hat Satellite Server をインストールしてデプロイする
Red Hat Satellite Documentation Team
satellite-doc-list@redhat.com
概要
Red Hat ドキュメントへのフィードバック (英語のみ)
弊社ドキュメントに対するご意見をお聞かせください。ドキュメントの改善点があればお知らせください。
特定の部分について簡単なコメントをお寄せいただく場合は、以下をご確認ください。
ドキュメントの表示が Multi-page HTML 形式になっていていることを確認してください。
ドキュメントの右上隅に Feedback ボタンがあることを確認してください。
- マウスカーソルを使用して、コメントを追加するテキストの部分を強調表示します。
- 強調表示されたテキストの下に表示される Add Feedback ポップアップをクリックします。
- 表示される手順に従ってください。
Bugzilla を介してフィードバックを送信するには、新しいチケットを作成します。
- Bugzilla の Web サイトに移動します。
- Component (コンポーネント) として Documentation を使用します。
- Description フィールドに、ドキュメントの改善に向けたご提案を記入してください。ドキュメントの該当部分へのリンクも追加してください。
- Submit Bug をクリックします。
第1章 インストールのための環境準備
Satellite をインストールする前に、環境が以下の要件を満たしていることを確認する必要があります。
1.1. システム要件
ネットワーク接続されたベースのオペレーティングシステムには、以下の要件が適用されます。
- x86_64 アーキテクチャー
- 最低 4 コア 2.0 GHz CPU
- Satellite Server が機能するには、最低 20 GB のメモリーが必要です。また、最低 4 GB のスワップ領域が推奨されます。最低値よりも少ないメモリーで実行している Satellite は正常に動作しないことがあります。
- 利用可能なすべての更新が適用されてインストールされているサポートされているオペレーティングシステム
- 一意なホスト名 (小文字、数字、ドット (.)、ハイフン (-) を使用できます)
- 現在の Red Hat Satellite サブスクリプション
- 管理ユーザー (root) アクセス
- システム umask 0022
- 完全修飾ドメイン名を使用した完全な正引きおよび逆引きの DNS 解決
Satellite は UTF-8
エンコーディングのみをサポートします。地域が米国で言語が英語の場合、システム全体のロケール設定として en_US.utf-8
を設定します。Red Hat Enterprise Linux でのシステムロケールの設定に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 8 での基本的なシステム設定の構成 の システムロケールの設定 を参照してください。
Satellite Server および Capsule Server では、ホスト名の短縮名はサポートされません。カスタム証明書を使用する場合には、カスタム証明書の Common Name (CN) は短縮名ではなく完全修飾ドメイン名 (FQDN) である必要があります。これは Satellite のクライアントには適用されません。
Satellite Server をインストールする前に、環境がインストール要件を満たしていることを確認する必要があります。
Satellite Server は、新たにプロビジョニングしたシステムにインストールしておく。Satellite Server が作成するローカルのユーザーとの競合を回避するため、新たにプロビジョニングしたシステムには、以下のユーザーを外部アイデンティティープロバイダーで設定して使用しないようにしてください。
- apache
- foreman
- foreman-proxy
- postgres
- pulp
- puppet
- qdrouterd
- qpidd
- redis
- tomcat
認定ハイパーバイザー
Satellite Server は、Red Hat Enterprise Linux の実行をサポートするハイパーバイザーで稼働する物理システムおよび仮想マシン両方で完全にサポートされます。認定ハイパーバイザーに関する詳細は、Which hypervisors are certified to run Red Hat Enterprise Linux? を参照してください。
SELinux モード
SELinux は、Enforcing モードまたは Permissive モードのいずれかで有効化されている必要があります。無効化された SELinux でのインストールはサポートされません。
FIPS Mode
FIPS モードで稼働する Red Hat Enterprise Linux システムに、Satellite をインストールできます。Satellite のインストール後に FIPS モードを有効にすることはできません。詳細は、Red Hat Enterprise Linux セキュリティー強化 の FIPS モードが有効な RHEL 8 システムのインストール を参照してください。
Satellite は、DEFAULT および FIPS 暗号化ポリシーをサポートしています。FUTURE 暗号化ポリシーは、Satellite および Capsule のインストールではサポートされていません。
Inter-Satellite Synchronization (ISS)
エアギャップされた Satellite Server を使用するシナリオでは、ISS エクスポート同期が機能するために、すべての Satellite Server が同じSatellite バージョン上にある必要があります。ISS Network Sync は、それをサポートするすべての Satellite バージョンで動作します。詳細は、コンテンツ管理ガイド の Satellite Server 間でのコンテンツ同期 を参照してください。
1.2. ストレージ要件
以下の表には、特定のディレクトリーのストレージ要件が詳細に記載されています。これらの値は、想定のユースケースシナリオに基づいており、各環境ごとに異なることがあります。
ランタイムサイズは Red Hat Enterprise Linux 6、7、および 8 のリポジトリーと同期して測定されました。
表1.1 Satellite Server インストールのストレージ要件
ディレクトリー | インストールサイズ | ランタイムサイズ |
---|---|---|
/var/log | 10 MB | 10 GB |
/var/lib/pgsql | 100 MB | 20 GB |
/usr | 5 GB | 適用外 |
/opt/puppetlabs | 500 MB | 適用外 |
/var/lib/pulp | 1 MB | 300 GB |
/var/lib/qpidd | 25 MB |
外部データベースサーバーの場合: インストールサイズが 100 MB でランタイムサイズが 20 GB の /var/lib/pgsql
。
パーティショニングとサイズの詳細は、Red Hat Enterprise Linux 8 システム設計ガイド の パーティショニングのリファレンス を参照してください。
1.3. ストレージのガイドライン
Satellite Server をインストールして効率性を向上させる場合は、以下のガイドラインを考慮してください。
-
/tmp
ディレクトリーを別のファイルシステムとしてマウントする場合は、/etc/fstab
ファイルのexec
マウントオプションを使用する必要があります。/tmp
が、noexec
オプションを指定してすでにマウントされている場合は、オプションをexec
に変更して、ファイルシステムを再マウントする必要があります。これは、puppetserver
サービスが機能するために必要です。 -
Satellite Server データの多くは
/var
ディレクトリーに格納されるため、LVM ストレージに/var
をマウントして、システムがスケーリングできるようにしてください。 -
/var/lib/qpidd/
ディレクトリーでは、goferd
サービスが管理するコンテンツホスト 1 つに対して使用される容量は 2 MB を少し超えます。たとえば、コンテンツホストの数が 10,000 個の場合、/var/lib/qpidd/
に 20 GB のディスク容量が必要になります。 -
/var/lib/pulp
ディレクトリーには、帯域幅が高く、レイテンシーの低いストレージを使用してください。Red Hat Satellite には I/O を大量に使用する操作が多数あるため、高レイテンシーで低帯域幅のストレージを使用すると、パフォーマンス低下の問題が発生します。インストールに、毎秒 60 - 80 メガバイトのスピードがあることを確認してください。
storage-benchmark
スクリプトを使用して、このデータを取得できます。storage-benchmark
スクリプトの使用の詳細は、Impact of Disk Speed on Satellite Operations を参照してください。
ファイルシステムのガイドライン
- 入出力レイテンシーが高すぎるため、GFS2 ファイルシステムは使用しないでください。
ログファイルのストレージ
ログファイルは、/var/log/messages/
、/var/log/httpd/
、および /var/lib/foreman-proxy/openscap/content/
に書き込まれます。logrotate を使って、これらのファイルのサイズを管理できます。
詳細は、How to use logrotate utility to rotate log files を参照してください。
ログメッセージに必要なストレージの正確な容量は、インストール環境および設定により異なります。
NFS マウントを使用する場合の SELinux の考慮事項
NFS 共有を使用して /var/lib/pulp
ディレクトリーをマウントすると、SELinux は同期プロセスをブロックします。これを避けるには、以下の行を /etc/fstab
に追加して、ファイルシステムテーブル内の /var/lib/pulp
ディレクトリーの SELinux コンテキストを指定します。
nfs.example.com:/nfsshare /var/lib/pulp nfs context="system_u:object_r:var_lib_t:s0" 1 2
NFS 共有が既にマウントされている場合は、上記の方法を使用して再マウントし、以下のコマンドを入力します。
# restorecon -R /var/lib/pulp
重複パッケージ
同じパッケージが異なるリポジトリーで重複して存在する場合には、ディスク上に一度しか保存されません。そのため、重複するパッケージを別のリポジトリーに追加するときに必要な追加ストレージが少なくて済みます。ストレージの多くは、/var/lib/pulp/
ディレクトリーにあります。これらのエンドポイントは手動で設定できません。ストレージの問題を回避するために、ストレージが /var
ファイルシステムで利用可能であることを確認してください。
シンボリックリンク
/var/lib/pulp/
にはシンボリックリンクは使用できません。
同期された RHEL ISO
RHEL コンテンツの ISO を Satellite に同期する予定の場合には、Red Hat Enterprise Linux のすべてのマイナーバージョンも同期することに注意してください。これに対応するため、Satellite に適切なストレージを設定するようにプランニングする必要があります。
1.4. サポート対象オペレーティングシステム
Satellite Server は、Satellite Server のインストール時に利用可能な Red Hat Enterprise Linux 8 の最新バージョンでサポートされています。EUS または z-stream を含む以前の Red Hat Enterprise Linux バージョンはサポートされません。
オペレーティングシステムは、ディスク、ローカル ISO イメージ、キックスタート、または Red Hat がサポートする方法であれば他の方法でもインストールできます。
以下のオペレーティングシステムはインストーラーでサポートされ、パッケージがあり、Satellite のデプロイ用にテストされています。
表1.2 satellite-installer でサポートされるオペレーティングシステム
オペレーティングシステム | アーキテクチャー | 注記 |
Red Hat Enterprise Linux 8 | x86_64 のみ |
Satellite をインストールする前に、可能な場合はすべてのオペレーティングシステムの更新を適用してください。
Satellite Server には、@Base
パッケージグループを含む Red Hat Enterprise Linux インストールが必要です。他のパッケージセットの変更や、サーバーの運用に直接必要でないサードパーティーの設定やソフトウェアは含めないようにしてください。この制限は、ハード化や Red Hat 以外の他社のセキュリティーソフトウェアが該当します。インフラストラクチャーにこのようなソフトウェアが必要な場合は、Satellite Server が完全に機能することを最初に確認し、その後でシステムのバックアップを作成して、Red Hat 以外のソフトウェアを追加します。
新しくプロビジョニングされたシステムに Satellite Server をインストールします。
Red Hat では、このシステムを Satellite Server の実行以外に使用するサポートはしていません。
1.5. サポート対象ブラウザー
Satellite は、最新版の Firefox および Google Chrome ブラウザーをサポートします。
Satellite Web UI とコマンドラインインターフェイスは、英語、ポルトガル語、中国語 (簡体)、中国語 (繁体)、韓国語、日本語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、フランス語、ドイツ語に対応しています。
1.6. ポートとファイアウォールの要件
Satellite アーキテクチャーのコンポーネントで通信を行うには、ベースオペレーティングシステム上で、必要なネットワークポートが開放/解放されているようにしてください。また、ネットワークベースのファイアウォールでも、必要なネットワークポートを開放する必要があります。
この情報を使用して、ネットワークベースのファイアウォールを設定してください。クラウドソリューションによっては、ネットワークベースのファイアウォールと同様にマシンが分離されるので、特にマシン間の通信ができるように設定する必要があります。アプリケーションベースのファイアウォールを使用する場合には、アプリケーションベースのファイアウォールで、テーブルに記載のアプリケーションすべてを許可して、ファイアウォールに既知の状態にするようにしてください。可能であれば、アプリケーションのチェックを無効にして、プロトコルをベースにポートの通信を開放できるようにしてください。
統合 Capsule
Satellite Server には Capsule が統合されており、Satellite Server に直接接続されたホストは、以下のセクションのコンテキストでは Satellite のクライアントになります。これには、Capsule Server が実行されているベースオペレーティングシステムが含まれます。
Capsule のクライアント
Satellite と統合された Capsule ではない Capsule のクライアントであるホストには、Satellite Server へのアクセスは必要ありません。Satellite トポロジーとポート接続の図に関する詳細は、Satellite の概要、概念、およびデプロイメントの考慮事項 の Capsule のネットワーク を参照してください。
使用している設定に応じて、必要なポートは変わることがあります。
以下の表は、宛先ポートとネットワークトラフィックの方向を示しています。
表1.3 Satellite Server の受信トラフィック
送信先ポート | プロトコル | サービス | Source | 用途 | 説明 |
53 | TCP および UDP | DNS | DSN サーバーおよびクライアント | 名前解決 | DNS (オプション) |
67 | UDP | DHCP | クライアント | 動的 IP | DHCP (オプション) |
69 | UDP | TFTP | クライアント | TFTP サーバー (オプション) | |
443 | TCP | HTTPS | Capsule | Red Hat Satellite API | カプセルからの通信 |
443、80 | TCP | HTTPS, HTTP | クライアント | コンテンツの取得 | コンテンツ |
443、80 | TCP | HTTPS, HTTP | Capsule | コンテンツの取得 | コンテンツ |
443、80 | TCP | HTTPS, HTTP | クライアント | コンテンツホスト登録 | カプセル CA RPM のインストール |
443 | TCP | HTTPS | クライアント | コンテンツホスト登録 | 開始 ファクトのアップロード インストールされたパッケージとトレースの送信 |
443 | TCP | HTTPS | Red Hat Satellite | コンテンツミラーリング | 管理 |
443 | TCP | HTTPS | Red Hat Satellite | カプセル API | スマートプロキシー機能 |
1883 | TCP | MQTT | クライアント | プルベースの REX (オプション) | REX ジョブ通知用のコンテンツホスト (オプション) |
5646、5647 | TCP | AMQP | Capsule | Katello Agent | Satellite 上の Qpid ディスパッチルーターへのメッセージの転送 (オプション) |
5910 – 5930 | TCP | HTTPS | ブラウザー | コンピュートリソースの仮想コンソール | |
8000 | TCP | HTTP | クライアント | プロビジョニングテンプレート | クライアントインストーラー、iPXE または UEFI HTTP ブートのテンプレート取得 |
8000 | TCP | HTTPS | クライアント | PXE ブート | インストール |
8140 | TCP | HTTPS | クライアント | puppet-agent | クライアントの更新 (オプション) |
9090 | TCP | HTTPS | クライアント | OpenSCAP | クライアントの設定 |
9090 | TCP | HTTPS | 検出されたノード | 検出 | ホストの検出とプロビジョニング |
9090 | TCP | HTTPS | Red Hat Satellite | カプセル API | Capsule の機能 |
Satellite Server に直接接続された管理対象ホストは、統合された Capsule のクライアントとなるため、このコンテキストではクライアントになります。これには、Capsule Server が稼働しているベースオペレーティングシステムが含まれます。
DHCP Capsule は、DHCP IPAM が設定されたサブネット内のホストに対して ICMP ping または TCP Echo 接続の試行を実行し、使用が検討されている IP アドレスが空いているかどうかを確認します。この動作は、satellite-installer --foreman-proxy-dhcp-ping-free-ip=false
を使用してオフにできます。
表1.4 Satellite Server の発信トラフィック
送信先ポート | プロトコル | サービス | 宛先 | 用途 | 説明 |
---|---|---|---|---|---|
ICMP | ping | クライアント | DHCP | 解放されている IP チェック (オプション) | |
7 | TCP | echo | クライアント | DHCP | 解放されている IP チェック (オプション) |
22 | TCP | SSH | ターゲットホスト | リモート実行 | ジョブの実行 |
22, 16514 | TCP | SSH SSH/TLS | Compute Resource (コンピュートリソース) | libvirt のコンピュートリソースに対する Satellite による通信 | |
53 | TCP および UDP | DNS | インターネット上の DNS サーバー | DNS サーバー | DNS レコードの解決 (オプション) |
53 | TCP および UDP | DNS | DNS サーバー | --capsule-dns | DNS 競合の検証 (オプション) |
53 | TCP および UDP | DNS | DNS サーバー | オーケストレーション | DNS 競合の検証 |
68 | UDP | DHCP | クライアント | 動的 IP | DHCP (オプション) |
80 | TCP | HTTP | リモートリポジトリー | コンテンツ同期 | リモート YUM リポジトリー |
389、636 | TCP | LDAP、LDAPS | 外部 LDAP サーバー | LDAP |
LDAP 認証。外部認証が有効になっている場合にのみ必要です。 |
443 | TCP | HTTPS | Satellite | Capsule | Capsule 設定管理 テンプレートの取得 OpenSCAP リモート実行結果のアップロード |
443 | TCP | HTTPS | Amazon EC2, Azure, Google GCE | コンピュートリソース | 仮想マシンのインタラクション (クエリー/作成/破棄) (オプション) |
443 | TCP | HTTPS | console.redhat.com | Red Hat Cloud プラグイン API 呼び出し | |
443 | TCP | HTTPS | Red Hat ポータル | SOS レポート | サポートケースの支援 (オプション) |
443 | TCP | HTTPS | Red Hat CDN | コンテンツ同期 | Red Hat CDN |
443 | TCP | HTTPS | cert-api.access.redhat.com | Telemetry データのアップロードとレポート | |
443 | TCP | HTTPS | Capsule | コンテンツのミラーリング | 開始 |
443 | TCP | HTTPS | Infoblox DHCP サーバー | DHCP 管理 | DHCP に Infoblox を使用する場合、DHCP リースの管理 (オプション) |
623 | クライアント | 電源管理 | BMC のオン/オフ/サイクル/ステータス | ||
5000 | TCP | HTTPS | OpenStack Compute Resource | コンピュートリソース | 仮想マシンのインタラクション (クエリー/作成/破棄) (オプション) |
5646 | TCP | AMQP | Satellite Server | Katello Agent | Capsule の Qpid ディスパッチルーターへのメッセージの転送 (オプション) |
5671 | Qpid | リモートインストール | インストールコマンドのクライアントへの送信 | ||
5671 | ディスパッチルーター (ハブ) | リモートインストール | Satellite 上のディスパッチルーターへのメッセージの転送 | ||
5671 | Satellite Server | Katello エージェントのリモートインストール | インストールコマンドのクライアントへの送信 | ||
5671 | Satellite Server | Katello エージェントのリモートインストール | Satellite 上のディスパッチルーターへのメッセージの転送 | ||
5900 – 5930 | TCP | SSL/TLS | ハイパーバイザー | noVNC コンソール | noVNC コンソールの起動 |
7911 | TCP | DHCP、OMAPI | DHCP サーバー | DHCP |
DHCP ターゲットは、
ISC と |
8443 | TCP | HTTPS | クライアント | 検出 | Capsule は、検出されたホストに再起動コマンドを送信する (オプション) |
9090 | TCP | HTTPS | Capsule | カプセル API | Capsule の管理 |
1.7. クライアントから Satellite Server への接続の有効化
Satellite Server の内部 Capsule のクライアントである Capsule とコンテンツホストは、Satellite のホストベースのファイアウォールとすべてのネットワークベースのファイアウォールを介したアクセスを必要とします。
以下の手順を使用して、Satellite のインストール先のシステムでホストベースのファイアウォールを設定し、クライアントからの受信接続を有効にして、これらの設定をシステムの再起動後にも保持する方法について説明します。使用されるポートの詳細は、ポートおよびファイアウォール要件 を参照してください。
手順
クライアントから Satellite の通信用のポートを開放するには、Satellite をインストールするベースオペレーティングシステムで以下のコマンドを入力します。
# firewall-cmd \ --add-port="53/udp" --add-port="53/tcp" \ --add-port="67/udp" \ --add-port="69/udp" \ --add-port="80/tcp" --add-port="443/tcp" \ --add-port="5647/tcp" \ --add-port="8000/tcp" --add-port="9090/tcp" \ --add-port="8140/tcp"
変更を永続化します。
# firewall-cmd --runtime-to-permanent
1.8. ファイアウォール設定の確認
この手順を使用して、ファイアウォール設定への変更を検証します。
手順
以下のコマンドを入力します。
# firewall-cmd --list-all
詳細は、Red Hat Enterprise Linux 8 のネットワークの保護 の firewalld の使用および設定 を参照してください。
1.9. DNS 解決の検証
完全修飾ドメイン名を使用して完全な正引きおよび逆引き DNS 解決を検証すると、Satellite のインストール中の問題を回避できます。
手順
ホスト名とローカルホストが正しく解決されることを確認します。
# ping -c1 localhost # ping -c1 `hostname -f` # my_system.domain.com
名前解決に成功すると、以下のような出力が表示されます。
# ping -c1 localhost PING localhost (127.0.0.1) 56(84) bytes of data. 64 bytes from localhost (127.0.0.1): icmp_seq=1 ttl=64 time=0.043 ms --- localhost ping statistics --- 1 packets transmitted, 1 received, 0% packet loss, time 0ms rtt min/avg/max/mdev = 0.043/0.043/0.043/0.000 ms # ping -c1 `hostname -f` PING hostname.gateway (XX.XX.XX.XX) 56(84) bytes of data. 64 bytes from hostname.gateway (XX.XX.XX.XX): icmp_seq=1 ttl=64 time=0.019 ms --- localhost.gateway ping statistics --- 1 packets transmitted, 1 received, 0% packet loss, time 0ms rtt min/avg/max/mdev = 0.019/0.019/0.019/0.000 ms
静的および一時的なホスト名との不一致を避けるには、次のコマンドを入力して、システム上のすべてのホスト名を設定します。
# hostnamectl set-hostname name
詳細は、Red Hat Enterprise Linux 8 ネットワークの設定と管理 の hostnamectl を使用したホスト名の変更 を参照してください。
Satellite の運用には名前解決が非常に重要です。Satellite が完全修飾ドメイン名を適切に解決できない場合には、コンテンツ管理、サブスクリプション管理、プロビジョニングなどのタスクに失敗します。
第2章 IPv6 ネットワークでの Satellite インストール環境の準備
IPv6 ネットワークで Satellite をインストールして使用できます。IPv6 ネットワークで Satellite をインストールする前に、制限事項と、以下の要件を満たしていることを確認してください。
IPv6 ネットワークにホストをプロビジョニングするには、Satellite のインストール後に、UEFI HTTP ブートプロビジョニング用の Satellite も設定する必要があります。詳細は、「IPv6 ネットワークでの UEFI HTTP ブート向けの Satellite の設定」 を参照してください。
2.1. IPv6 ネットワークでの Satellite インストールの制限事項
IPv6 ネットワークでの Satellite のインストールには、次の制限があります。
- Satellite および Capsule は、IPv6 のみのシステムにインストールでき、デュアルスタックのインストールはサポートしていません。
- Satellite プロビジョニングテンプレートには、PXE と HTTP (iPXE) プロビジョニングでの IPv6 サポートがありますが、テスト済みかつ認定済みのプロビジョニングワークフローは UEFI HTTP ブートプロビジョニングです。この制約は、Satellite を使用してホストをプロビジョニングする場合にのみ適用されます。
2.2. IPv6 ネットワークでの Satellite インストールの要件
IPv6 ネットワークで Satellite をインストールする前に、以下の要件を満たしていることを確認してください。
- 外部の IPv6 サーバーを管理対象外のサービスとして別にデプロイして GURB2 にクライアントをブートストラップしてから、DHCPv6 を使用するか、IPv6 アドレスを割り当てて IPv 6 ネットワークを設定する必要があります。Red Hat Enterprise Linux (ISC DHCP) の DHCP サーバーには IPv6 レコード管理の統合 API が含まれていないので、DHCP 管理を行う Capsule DHCP プラグインは IPv4 サブネットだけに限定されます。
- 外部の IPv4 HTTP プロキシーサーバーをデプロイする必要があります。これは、Red Hat Content Delivery Network が IPv4 ネットワーク上でのみコンテンツを配信するため、IPv6 ネットワーク上の Satellite にコンテンツを取り込むにはこのプロキシーを使用する必要があるためです。
- この IPv4 HTTP プロキシーサーバーをデフォルトのプロキシーとして使用するように Satellite を設定する必要があります。詳細は、デフォルトの HTTP プロキシーの Satellite への追加 を参照してください。
第3章 Satellite Server のインストール
オンラインネットワークから Satellite Server をインストールする場合は、Red Hat コンテンツ配信ネットワークから直接パッケージと更新を取得できます。
Satellite Server に自己登録することはできません。
以下の手順を使用して、Satellite Server をインストールし、初期設定を実行して、サブスクリプションマニフェストをインポートします。サブスクリプションマニフェストに関する詳細は コンテンツの管理 の Red Hat Subscriptions の管理 を参照してください。
Satellite インストールスクリプトは Puppet をベースとするので、インストールスクリプトを複数回実行すると、手動での設定変更を上書きする可能性がある点に注意してください。これを回避し、今後どの変更を適用するか判断するには、インストールスクリプトの実行時に --noop
の引数を使用します。この引数では、実際の変更は加えられません。今後変更される可能性のある内容は /var/log/foreman-installer/satellite.log
に書き込まれます。
ファイルは常にバックアップされるため、不要な変更を元に戻すことができます。たとえば、foreman-installer ログで Filebucket に関する以下のようなエントリーが確認できます。
/Stage[main]/Dhcp/File[/etc/dhcp/dhcpd.conf]: Filebucketed /etc/dhcp/dhcpd.conf to puppet with sum 622d9820b8e764ab124367c68f5fa3a1
以前のファイルは以下のように復元できます。
# puppet filebucket -l \ restore /etc/dhcp/dhcpd.conf 622d9820b8e764ab124367c68f5fa3a1
3.1. Red Hat CDN に接続するための HTTP プロキシーの設定
前提条件
ネットワークゲートウェイと HTTP プロキシーは、次のホストへのアクセスを許可する必要があります。
ホスト名 | ポート | プロトコル |
---|---|---|
subscription.rhsm.redhat.com | 443 | HTTPS |
cdn.redhat.com | 443 | HTTPS |
*.akamaiedge.net | 443 | HTTPS |
cert.console.redhat.com (Red Hat Insights を使用している場合) | 443 | HTTPS |
api.access.redhat.com (Red Hat Insights を使っている場合) | 443 | HTTPS |
cert-api.access.redhat.com (Red Hat Insights を使っている場合) | 443 | HTTPS |
Satellite Server は、SSL を使用して Red Hat CDN との通信のセキュリティーを確保します。SSL インターセプションプロキシーを使用すると、この通信を干渉します。これらのホストはプロキシーでホワイトリスト化する必要があります。
Red Hat CDN (cdn.redhat.com) で使用されている IP アドレスの一覧は、Red Hat カスタマーポータルのナレッジベース記事 Red Hat が公開している CIDR の一覧 を参照してください。
HTTP プロキシーを使用して subscription-manager を設定するには、次の手順に従います。
手順
Satellite Server の
/etc/rhsm/rhsm.conf
ファイルで、以下の詳細を記入します。# an http proxy server to use (enter server FQDN) proxy_hostname = myproxy.example.com # port for http proxy server proxy_port = 8080 # user name for authenticating to an http proxy, if needed proxy_user = # password for basic http proxy auth, if needed proxy_password =
3.2. Red Hat サブスクリプション管理への登録
Red Hat サブスクリプション管理にホストを登録すると、ユーザーが利用可能なサブスクリプションにホストを登録して、サブスクリプションのコンテンツを使用できるようになります。これには、Red Hat Enterprise Linux、Red Hat Satellite などのコンテンツが含まれます。
手順
Red Hat コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
# subscription-manager register
このコマンドを実行すると、以下のような出力が表示されます。
# subscription-manager register Username: user_name Password: The system has been registered with ID: 541084ff2-44cab-4eb1-9fa1-7683431bcf9a
3.3. Satellite Infrastructure サブスクリプションのアタッチ
Red Hat カスタマーポータルで SCA を有効にしている場合は、この手順をスキップしてください。subscription-manager を使用して Red Hat Satellite Infrastructure Subscription サブスクリプションを Satellite Server にアタッチする必要はありません。SCA の詳細は、シンプルコンテンツアクセス を参照してください。
Satellite Server の登録後に、サブスクリプションプール ID を特定して、利用可能なサブスクリプションを割り当てる必要があります。Red Hat Satellite Infrastructure サブスクリプションは、Red Hat Satellite および Red Hat Enterprise Linux コンテンツにアクセスできるようになります。Red Hat Enterprise Linux 7 では、Red Hat Software Collections (RHSCL) にアクセスできます。必要なサブスクリプションはこれだけです。
Red Hat Satellite Infrastructure は、Satellite (以前の Smart Management)を含むすべてのサブスクリプションに含まれています。詳細は、Red Hat ナレッジベース の Satellite Infrastructure サブスクリプション MCT3718 MCT3719 を参照してください。
サブスクリプションがシステムに割り当てられていない場合には、利用可能として分類されます。利用可能な Satellite サブスクリプションが見つからない場合は、Red Hat ナレッジベースソリューション Red Hat Subscription Manager に登録されているクライアントが使用したサブスクリプションを把握するにはどうすればよいですか? を参照してスクリプトを実行し、サブスクリプションが別のシステムで使用されているかどうかを確認します。
手順
Satellite Infrastructure サブスクリプションのプール ID を特定します。
# subscription-manager list --all --available --matches 'Red Hat Satellite Infrastructure Subscription'
このコマンドを実行すると、以下のような出力が表示されます。
Subscription Name: Red Hat Satellite Infrastructure Subscription Provides: Red Hat Satellite Red Hat Software Collections (for RHEL Server) Red Hat CodeReady Linux Builder for x86_64 Red Hat Satellite Capsule Red Hat Ansible Engine Red Hat Satellite with Embedded Oracle Red Hat Satellite 5 Managed DB Red Hat Enterprise Linux Load Balancer (for RHEL Server) Red Hat Beta Red Hat Software Collections Beta (for RHEL Server) Red Hat Enterprise Linux Server Red Hat Enterprise Linux for x86_64 Red Hat Satellite Proxy Red Hat Enterprise Linux High Availability for x86_64 Red Hat Discovery SKU: MCT3718 Contract: Pool ID: 8aca43dd771bf31101771c0231f906a5 Provides Management: Yes Available: 10 Suggested: 1 Service Type: L1-L3 Roles: Service Level: Premium Usage: Add-ons: Subscription Type: Standard Starts: 11/11/2020 Ends: 11/11/2023 Entitlement Type: Physical
- サブスクリプションプール ID を書き留めます。上記の例と、実際のサブスクリプションプール ID は異なります。
Satellite Server が実行されているベースオペレーティングシステムに、Satellite Infrastructure サブスクリプションを割り当てます。SCA が Satellite Server で有効になっている場合は、この手順をスキップできます。
# subscription-manager attach --pool=pool_id
このコマンドを実行すると、以下のような出力が表示されます。
Successfully attached a subscription for: Red Hat Satellite Infrastructure Subscription
オプション: Satellite Infrastructure サブスクリプションが割り当てられていることを確認します。
# subscription-manager list --consumed
3.4. リポジトリーの設定
この手順を使用して、Satellite Server のインストールに必要なリポジトリーを有効にします。
すべてのリポジトリーを無効にします。
# subscription-manager repos --disable "*"
以下のリポジトリーを有効にします。
# subscription-manager repos --enable=rhel-8-for-x86_64-baseos-rpms \ --enable=rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms \ --enable=satellite-6.12-for-rhel-8-x86_64-rpms \ --enable=satellite-maintenance-6.12-for-rhel-8-x86_64-rpms
モジュールを有効にします。
# dnf module enable satellite:el8
注記モジュール
satellite:el8
を有効にすると、postgresql:10
およびruby:2.5
との競合について警告が表示されます。これは、これらのモジュールが Red Hat Enterprise Linux 8 でデフォルトのモジュールバージョンに設定されているためです。モジュールsatellite:el8
には、モジュールpostgresql:12
およびruby:2.7
への依存関係があり、satellite:el8
モジュールで有効になります。これらの警告はインストールプロセスの失敗の原因にはならないため、安全に無視できます。Red Hat Enterprise Linux 8 のモジュールとライフサイクルストリームの詳細については、Red Hat Enterprise Linux Application Streams Life Cycle を参照してください。
3.5. Satellite Server パッケージのインストール
手順
すべてのパッケージを更新します。
# dnf update
Satellite Server パッケージをインストールします。
# dnf install satellite
3.6. chronyd とシステムクロックの同期
時間のずれを最小限に抑えるには、Satellite Server をインストールするベースオペレーティングシステムのシステムクロックを Network Time Protocol (NTP) サーバーと同期する必要があります。ベースオペレーティングシステムのクロックが正しく設定されていない場合には、証明書の検証に失敗する可能性があります。
chrony
スイートの詳細は、Red Hat Enterprise Linux 8 の基本的なシステム設定の構成 の Chrony スイートを使用して NTP を設定する を参照してください。
手順
chrony
パッケージをインストールします。# dnf install chrony
chronyd
サービスを起動して、有効にします。# systemctl enable --now chronyd
3.7. ベースオペレーティングシステムへの SOS パッケージのインストール
ベースオペレーティングシステムに sos パッケージをインストールし、Red Hat Enterprise Linux システムから設定および診断情報を取得できるようにします。このパッケージを使用すると、Red Hat テクニカルサポートへのサービスリクエストの起票時に必要な初期システム分析を提示できます。sos
の使用方法に関する詳細は、カスタマーポータルのナレッジベースソリューション What is a sosreport and how to create one in Red Hat Enterprise Linux 4.6 and later? を参照してください。
手順
sos パッケージをインストールします。
# dnf install sos
3.8. Satellite Server の設定
satellite-installer
インストールスクリプトを使用して Satellite Server をインストールします。
この手法では、1 つまたは複数のコマンドオプションを指定して、インストールスクリプトを実行します。コマンドオプションは、対応するデフォルトの初期設定オプションを上書きし、Satellite 応答ファイルに記録されます。必要なオプションの設定に、必要に応じてスクリプトは何回でも実行することができます。
Satellite インストーラーの実行時に使用するオプションによっては、設定が完了するのに数分かかることがあります。
3.8.1. Satellite インストールの設定
初期設定の手順では、組織、ロケーション、ユーザー名、およびパスワードが作成されます。初期設定後に、必要に応じて追加の組織とロケーションを作成できます。初期設定では、PostgreSQL データベースも同じサーバーにインストールします。
インストールプロセスの完了には、数十分かかることがあります。システムにリモートで接続する場合は、リモートシステムから切断された場合にインストールの進捗を確認できるよう、通信セッションの一時中断または再接続を許可できる tmux
などのユーティリティーを使用してください。インストールコマンドを実行しているシェルへの接続が切断された場合は、/var/log/foreman-installer/satellite.log
のログを参照してプロセスが正常に完了したかどうかを確認します。
留意事項
-
satellite-installer --scenario satellite --help
コマンドを使用して、利用可能なオプションとすべてのデフォルト値を表示します。値を指定しない場合は、デフォルト値が使用されます。 -
--foreman-initial-organization
オプションに、意味を持つ値を指定します。たとえば、会社名を指定できます。値に一致する内部ラベルが作成されますが、このラベルは後で変更できません。値を指定しない場合は、ラベルが Default_Organization の Default Organization という名前の組織が作成されます。組織名は変更できますが、ラベルは変更できません。 -
リモート実行は、コンテンツホスト上のパッケージを管理するための主要な方法です。リモート実行 SSH の代わりに非推奨の Katello Agent を使用する場合は、
-foreman-proxy-content-enable-katello-agent=true
オプションを使用して有効にします。Satellite Server と同様に、Capsule Server でも同じオプションが与えられるべきです。 -
デフォルトでは、インストーラーが設定するすべての設定ファイルが Puppet によって管理されます。
satellite-installer
を実行すると、Puppet が管理するファイルに手動で加えられた変更が初期値で上書きされます。Satellite Server は、デフォルトでは、サービスとして実行している Puppet エージェントを使用してインストールされます。必要に応じて、--puppet-runmode=none
オプションを使用して、Satellite Server で Puppet エージェントを無効にできます。 -
DNS ファイルと DHCP ファイルを手動で管理する場合には、
--foreman-proxy-dns-managed=false
オプションと--foreman-proxy-dhcp-managed=false
オプションを使用して、各サービスに関連するファイルが Puppet で管理されないようにします。他のサービスにカスタム設定を適用する方法は、Satellite へのカスタム設定の適用 を参照してください。
手順
使用する追加オプションを指定し、以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-initial-organization "My_Organization" \ --foreman-initial-location "My_Location" \ --foreman-initial-admin-username admin_user_name \ --foreman-initial-admin-password admin_password
このスクリプトは、進捗を表示し、
/var/log/foreman-installer/satellite.log
にログを記録します。
3.9. Red Hat サブスクリプションマニフェストの Satellite Server へのインポート
以下の手順を使用して、Red Hat サブスクリプションマニフェストを Satellite Server にインポートします。
前提条件
- Red Hat カスタマーポータル から Red Hat サブスクリプションマニフェストファイルをエクスポートしておく。詳細は、Red Hat Subscription Management の使用 の マニフェストの使用 を参照してください。
手順
- Satellite Web UI で、コンテキストが、使用する組織に設定されていることを確認します。
- Satellite Web UI で、Content > Subscriptions に移動し、Manage Manifest をクリックします。
- マニフェストの管理ウィンドウで、参照 をクリックします。
- Red Hat Subscription Manifest ファイルが含まれるディレクトリーに移動し、開く をクリックします。マニフェストの管理ウィンドウが自動的に終了しない場合は、終了 をクリックしてサブスクリプションウィンドウに戻ります。
CLI 手順
Red Hat Subscription Manifest ファイルをクライアントから Satellite Server にコピーします。
$ scp ~/manifest_file.zip root@satellite.example.com:~/.
Satellite Server に
root
ユーザーとしてログインし、Red Hat Subscription Manifest ファイルをインポートします。# hammer subscription upload \ --file ~/manifest_file.zip \ --organization "My_Organization"
リポジトリーを有効にし、Red Hat コンテンツをインポートすることができるようになりました。詳細は コンテンツの管理 のコンテンツのインポート を参照してください。
第4章 Satellite Server での追加設定の実行
4.1. Satellite Server での Red Hat Insights の使用
Red Hat Insights を使用すると、セキュリティー違反、パフォーマンスの低下、および安定性の消失に関連するシステムとダウンタイムを診断できます。ダッシュボードを使用して、安定性、セキュリティー、およびパフォーマンスの主要なリスクを素早く特定できます。また、カテゴリー別に分類したり、影響度および解決方法の詳細を表示したり、影響を受けたシステムを調べたりすることができます。
サブスクリプションマニフェストに Red Hat Insights のエンタイトルメントを追加する必要がない点に注意してください。Satellite および Red Hat Insights の詳細は、Red Hat Insights on Satellite Red Hat Enterprise Linux (RHEL) を参照してください。
Satellite Server を保守し、Satellite で発生する可能性のある問題を監視および診断する能力を向上させるには、Satellite Server に Red Hat Insights をインストールし、Satellite Server を Red Hat Insights に登録します。
insights-client のスケジューリング
Satellite に insights-client.timer
を設定することで、デフォルトの insights-client
実行スケジュールを変更できる点に留意してください。詳細は、Red Hat Insights のクライアント設定ガイド の insights-client スケジュールの変更 を参照してください。
手順
Satellite Server で Red Hat Insights をインストールするには、以下のコマンドを入力します。
# satellite-maintain packages install insights-client
Satellite Server を Red Hat Insights に登録するには、以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --register-with-insights
4.2. Red Hat Insights への登録の無効化
Satellite のインストールまたはアップグレード後に、必要に応じて Red Hat Insights の登録または登録解除を選択できます。たとえば、オフライン環境で Satellite を使用する必要がある場合は、Satellite Server から insights-client
の登録を解除できます。
前提条件
- Satellite を Red Hat カスタマーポータルに登録している。
手順
オプション: Satellite Server から Red Hat Insights の登録を解除するには、以下のコマンドを入力します。
# insights-client --unregister
オプション: Satellite Server を Red Hat Insights に登録するには、以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --register-with-insights
4.3. Satellite Client 6 リポジトリーの有効化
Satellite Client 6 のリポジトリーは、Satellite Server に登録されているクライアント向けの katello-agent
、katello-host-tools
および puppet
パッケージを提供します。ホストの管理に必要な各 Red Hat Enterprise Linux バージョンのリポジトリーを有効にする必要があります。Satellite Client 6 リポジトリーを有効にするオペレーティングシステムのバージョンに応じて、以下の手順に進んでください。
4.3.1. Red Hat Enterprise Linux 9 & Red Hat Enterprise Linux 8
Satellite Web UI の代わりに CLI を使用するには、Red Hat Enterprise Linux バージョンに関連する手順を参照してください。
手順
- Satellite Web UI で、コンテンツ > Red Hat リポジトリー に移動します。
- Available Repositories ペインで、Recommended Repositories を有効にして、リポジトリーのリストを取得します。
- Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 9 x86_64 (RPMs) または Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 8 x86_64 (RPMs) をクリックして、リポジトリーセットをデプロイします。
x86_64 アーキテクチャーの場合、+ アイコンをクリックしてリポジトリーを有効にします。
Satellite Client 6 の項目が表示されていない場合は、カスタマーポータルから取得した Red Hat サブスクリプションマニフェストにその項目が含まれないことが原因として考えられます。この問題を修正するには、カスタマーポータルにログインし、これらのリポジトリーを追加し、Red Hat サブスクリプションマニフェストをダウンロードして、Satellite にインポートします。詳細は、コンテンツの管理 の Red Hat サブスクリプションの管理 を参照してください。
ホストで実行している Red Hat Enterprise Linux の各サポート対象メジャーバージョンに対して Satellite Client 6 リポジトリーを有効にします。Red Hat リポジトリーの有効後に、このリポジトリーの製品が自動的に作成されます。
Red Hat Enterprise Linux 9 の CLI 手順
hammer repository-set enable
コマンドを使用して、Satellite Client 6 リポジトリーを有効化します。# hammer repository-set enable \ --basearch="x86_64" \ --name "Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 9 x86_64 (RPMs)" \ --organization "My_Organization" \ --product "Red Hat Enterprise Linux for x86_64"
Red Hat Enterprise Linux 8 の CLI 手順
hammer repository-set enable
コマンドを使用して、Satellite Client 6 リポジトリーを有効化します。# hammer repository-set enable \ --basearch="x86_64" \ --name "Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 8 x86_64 (RPMs)" \ --organization "My_Organization" \ --product "Red Hat Enterprise Linux for x86_64"
4.3.2. Red Hat Enterprise Linux 7 & Red Hat Enterprise Linux 6
Red Hat Enterprise Linux 6 のリポジトリーを有効にするには、Red Hat Enterprise Linux 延長ライフサイクルサポート (ELS) アドオン サブスクリプションが必要です。詳細については、Red Hat Enterprise Linux 延長ライフサイクルサポート (ELS) アドオン ガイドを参照してください。
Satellite Web UI の代わりに CLI を使用するには、Red Hat Enterprise Linux バージョンに関連する手順を参照してください。
手順
- Satellite Web UI で、コンテンツ > Red Hat リポジトリー に移動します。
- Available Repositories ペインで、Recommended Repositories を有効にして、リポジトリーのリストを取得します。
Available Repositories ペインで、Satellite Client 6 (for RHEL 7 Server) (RPMs) または Satellite Client 6 (for RHEL 6 Server - ELS) (RPMs) をクリックしてリポジトリーセットをデプロイします。
Satellite Client 6 の項目が表示されていない場合は、カスタマーポータルから取得した Red Hat サブスクリプションマニフェストにその項目が含まれないことが原因として考えられます。この問題を修正するには、カスタマーポータルにログインし、これらのリポジトリーを追加し、Red Hat サブスクリプションマニフェストをダウンロードして、Satellite にインポートします。詳細は、コンテンツの管理 の Red Hat サブスクリプションの管理 を参照してください。
- x86_64 アーキテクチャーの場合、+ アイコンをクリックしてリポジトリーを有効にします。ホストで実行している Red Hat Enterprise Linux の各サポート対象メジャーバージョンに対して Satellite Client 6 リポジトリーを有効にします。Red Hat リポジトリーの有効後に、このリポジトリーの製品が自動的に作成されます。
Red Hat Enterprise Linux 7 の CLI 手順
hammer repository-set enable
コマンドを使用して、Satellite Client 6 リポジトリーを有効化します。# hammer repository-set enable \ --basearch="x86_64" \ --name "Red Hat Satellite Client 6 (for RHEL 7 Server) (RPMs)" \ --organization "My_Organization" \ --product "Red Hat Enterprise Linux Server"
Red Hat Enterprise Linux 6 の CLI 手順
hammer repository-set enable
コマンドを使用して、Satellite Client 6 リポジトリーを有効化します。# hammer repository-set enable \ --basearch="x86_64" \ --name "Red Hat Satellite Client 6 (for RHEL 6 Server - ELS) (RPMs)" \ --organization "My_Organization" \ --product "Red Hat Enterprise Linux Server - Extended Life Cycle Support"
4.4. Satellite クライアント 6 のリポジトリーの同期
本セクションを使用して、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) から Satellite に Satellite Client 6 リポジトリーを同期します。このリポジトリーは、Satellite Server に登録したクライアントに katello-agent
、katello-host-tools
、および puppet
パッケージを提供します。Satellite Client 6 リポジトリーを同期するオペレーティングシステムのバージョンに応じて、以下の手順に進んでください。
4.4.1. Red Hat Enterprise Linux 9 & Red Hat Enterprise Linux 8
Satellite Web UI の代わりに CLI を使用するには、Red Hat Enterprise Linux バージョンに関連する手順を参照してください。
手順
- Satellite Web UI で、コンテンツ > 同期の状態 に移動します。
- Red Hat Enterprise Linux for x86_64 製品の横にある矢印をクリックして、利用可能なコンテンツを表示します。
- Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 9 x86_64 RPMs または Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 8 x86_64 RPMs (該当する方) を選択します。
- 今すぐ同期 をクリックします。
Red Hat Enterprise Linux 9 の CLI 手順
hammer repository synchronize
コマンドを使用して、Satellite Client 6 リポジトリーを同期します。# hammer repository synchronize \ --name "Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 9 x86_64 RPMs" \ --organization "My_Organization" \ --product "Red Hat Enterprise Linux for x86_64"
Red Hat Enterprise Linux 8 の CLI 手順
hammer repository synchronize
コマンドを使用して、Satellite Client 6 リポジトリーを同期します。# hammer repository synchronize \ --name "Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 8 x86_64 RPMs" \ --organization "My_Organization" \ --product "Red Hat Enterprise Linux for x86_64"
4.4.2. Red Hat Enterprise Linux 7 & Red Hat Enterprise Linux 6
Red Hat Enterprise Linux 6 のリポジトリーを同期するには、Red Hat Enterprise Linux 延長ライフサイクルサポート (ELS) アドオン サブスクリプションが必要です。詳細については、Red Hat Enterprise Linux 延長ライフサイクルサポート (ELS) アドオン ガイドを参照してください。
Satellite Web UI の代わりに CLI を使用するには、Red Hat Enterprise Linux バージョンに関連する手順を参照してください。
手順
- Satellite Web UI で、コンテンツ > 同期の状態 に移動します。
- Red Hat Enterprise Linux Server または Red Hat Enterprise Linux Server - Extended Life Cycle Support 製品 (該当する方) の横にある矢印をクリックして、利用可能なコンテンツを表示します。
- お使いのオペレーティングシステムのバージョンに応じて、Red Hat Satellite Client 6 (for RHEL 7 Server) RPMs x86_64 または Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 6 Server - ELS RPMs x86_64 を選択します。
- 今すぐ同期 をクリックします。
Red Hat Enterprise Linux 7 の CLI 手順
hammer repository synchronize
コマンドを使用して、Satellite Client 6 リポジトリーを同期します。# hammer repository synchronize \ --async \ --name "Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 7 Server RPMs x86_64" \ --organization "My_Organization" \ --product "Red Hat Enterprise Linux Server"
Red Hat Enterprise Linux 6 の CLI 手順
hammer repository synchronize
コマンドを使用して、Satellite Client 6 リポジトリーを同期します。# hammer repository synchronize \ --async \ --name "Red Hat Satellite Client 6 for RHEL 6 Server - ELS RPMs x86_64" \ --organization "My_Organization" \ --product "Red Hat Enterprise Linux Server - Extended Life Cycle Support"
4.5. IPv6 ネットワークでの UEFI HTTP ブート向けの Satellite の設定
以下の手順を使用して、UEFI HTTP ブートプロビジョニングで IPv6 ネットワークのホストをプロビジョニングするように Satellite を設定します。
前提条件
- クライアントが DHCP および HTTP サーバーにアクセスできることを確認します。
- クライアントが DHCP の要求と応答を送受信できるように、クライアントが UDP ポート 67 および 68 にアクセス可能であることを確認します。
- Satellite および Capsule からファイルおよびキックスタートテンプレートをダウンロードできるように、クライアントに対して TCP ポート 8000 が解放してあることを確認します。
- ホストプロビジョニングインターフェイスサブネットに HTTP ブート Capsule、テンプレート Capsule セットがあることを確認します。詳細は、ホストのプロビジョニング の Satellite Server へのサブネットの追加 を参照してください。
- Satellite Web UI で、Administer > Settings > Provisioning に移動し、Token duration の設定が 0 に設定されていないことを確認します。Satellite は、DHCPv6 サービスが管理対象外であるため、リモートの IPv6 アドレスでネットワークから起動するクライアントを特定できないので、プロビジョニングトークンは有効化しておく必要があります。
手順
- インストーラーでの DHCP 管理を無効にするか、使用しないようにします。
- IPv6 サブネットが Satellite で作成されている場合にはすべて、DHCP Capsule を空白に設定します。
- オプション: ホストおよび DHCP サーバーがルーターで隔てられている場合は、DHCP リレーエージェントを設定し、DHCP サーバーを指定しておく。
プロビジョニング元の Satellite または Capsule で、
grub2-efi
パッケージを最新版に更新します。# satellite-maintain packages update grub2-efi
- Red Hat Enterprise Linux 8 キックスタートリポジトリーを同期します。
4.6. HTTP プロキシーを使用した Satellite Server の設定
以下の手順を使用して、HTTP プロキシーで Satellite を設定します。
4.6.1. デフォルトの HTTP プロキシーの Satellite への追加
ネットワークで HTTP プロキシーを使用している場合は、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) または別のコンテンツソースへの要求送信に HTTP プロキシーを使用するように Satellite Server を設定できます。ネットワークの変更が原因で接続が失われるのを回避するために、可能な限り IP の代わりに FQDN を使用します。
以下の手順では、Satellite のコンテンツダウンロード専用のプロキシーを設定します。Satellite Web UI の代わりに CLI を使用する場合は、CLI 手順 を参照してください。
手順
- Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > HTTP プロキシー に移動します。
- 新しい HTTP プロキシー をクリックします。
- 名前 フィールドで、HTTP プロキシーの名前を入力します。
-
Url フィールドで、
https://proxy.example.com:8080
の形式で HTTP プロキシーの URL を入力します。 - オプション: 認証が必要な場合には、Username フィールドに認証に使用するユーザー名を入力します。
- オプション: 認証が必要な場合には、Password フィールドに認証に使用するパスワードを入力します。
- プロキシーへの接続をテストするには、テスト接続 ボタンをクリックします。
- Submit をクリックします。
- Satellite Web UI で、Administer > Settings に移動して、Content タブをクリックします。
- 作成した HTTP プロキシーに Default HTTP Proxy 設定を指定します。
CLI 手順
http_proxy
、https_proxy
およびno_proxy
変数が設定されていないことを確認します。# unset http_proxy # unset https_proxy # unset no_proxy
HTTP プロキシーエントリーを Satellite に追加します。
# hammer http-proxy create --name=myproxy \ --url http://myproxy.example.com:8080 \ --username=proxy_username \ --password=proxy_password
Satellite がデフォルトでこの HTTP プロキシーを使用するように設定します。
# hammer settings set --name=content_default_http_proxy --value=myproxy
4.6.2. カスタムポートでの Satellite へのアクセスを確保するように SELinux を設定する手順
SELinux は、特定のポートへの Red Hat Satellite および Subscription Manager へのアクセスのみを保証します。HTTP キャッシュの場合には、TCP ポートは 8080、8118、8123、および 10001-10010 を使用できます。SELinux タイプが http_cache_port_t
のポートを使用する場合には、以下の手順を実行してください。
手順
Satellite で以下のコマンドを実行して、SELinux で HTTP キャッシュに許可されているポートを確認します。
# semanage port -l | grep http_cache http_cache_port_t tcp 8080, 8118, 8123, 10001-10010 [output truncated]
以下のコマンドを実行して、SELinux が HTTP キャッシュにポート (たとえば、8088) を許可するよう設定します。
# semanage port -a -t http_cache_port_t -p tcp 8088
4.6.3. 全 Satellite HTTP 要求での HTTP プロキシーの使用
Satellite Server は、HTTP および HTTPS をブロックするファイアウォールの内側に設定する必要がある場合に、コンピュートリソースなどの外部システムとの通信に使用するプロキシーを設定してください。
プロビジョニングにコンピュートリソースを使用し、コンピュートリソースと、異なる HTTP プロキシーを併用する場合には、コンピュートリソースに設定したプロキシーではなく、Satellite 通信すべてに設定したプロキシーが優先されます。
手順
- Satellite Web UI で、管理 > 設定に移動します。
- HTTP(S) プロキシー 行で、隣接する Value 列を選択し、プロキシー URL を入力します。
- チェックのアイコンをクリックして変更を保存します。
CLI 手順
以下のコマンドを入力します。
# hammer settings set --name=http_proxy --value=Proxy_URL
4.6.4. プロキシー化された要求を受信しないようにホストを除外する手順
Satellite HTTP または HTTPS 要求に HTTP プロキシーを使用する場合は、プロキシー経由で通信しないように、特定のホストを除外できます。
手順
- Satellite Web UI で、管理 > 設定に移動します。
- HTTP(S) proxy except hosts の行で、隣接する Value の列を選択して、プロキシー要求から除外する、1 つまたは複数のホストの名前を入力します。
- チェックのアイコンをクリックして変更を保存します。
CLI 手順
以下のコマンドを入力します。
# hammer settings set --name=http_proxy_except_list --value=[hostname1.hostname2...]
4.6.5. HTTP プロキシーのリセット
現在の HTTP プロキシーの設定をリセットする場合には、Default HTTP Proxy 設定を解除します。
手順
- Satellite Web UI で、Administer > Settings に移動して、Content タブをクリックします。
- Default HTTP Proxy の設定を no global default に指定します。
CLI 手順
content_default_http_proxy
の設定を空の文字列に設定します。# hammer settings set --name=content_default_http_proxy --value=""
4.7. 管理対象ホスト上での電源管理の有効化
Intelligent Platform Management Interface (IPMI) または類似するプロトコルを使用して管理対象ホストで電源管理タスクを実行するには、Satellite Server でベースボード管理コントローラー (BMC) モジュールを有効にする必要があります。
前提条件
- すべての管理対象ホストには、BMC タイプのネットワークインターフェイスが必要である。Satellite Server はこの NIC を使用して、適切な認証情報をホストに渡します。詳細は、ホストの管理 の ベースボード管理コントローラー (BMC) インターフェイスの追加 を参照してください。
手順
BMC を有効にするには、以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --foreman-proxy-bmc "true" \ --foreman-proxy-bmc-default-provider "freeipmi"
4.8. Satellite Server での DNS、DHCP および TFTP の設定
DNS、DHCP および TFTP サービスを Satellite Server で設定するには、お使いの環境に適したオプションを指定して satellite-installer
コマンドを使用します。設定可能なオプションの全リストを表示するには、satellite-installer --scenario satellite --help
コマンドを入力します。
設定を変更するには、satellite-installer
コマンドを再び実行する必要があります。コマンドは複数回実行でき、実行するたびにすべての設定ファイルが変更された値で更新されます。
代わりに外部の DNS、DHCP および TFTP サービスを使用するには、6章外部サービスでの Satellite Server の設定 を参照してください。
Multihomed DHCP の詳細の追加
マルチホーム DHCP を使用する場合は、インストーラーに通知する必要があります。
前提条件
以下の情報が利用可能であることを確認する。
- DHCP IP アドレス範囲
- DHCP ゲートウェイ IP アドレス
- DHCP ネームサーバー IP アドレス
- DNS 情報
- TFTP サーバー名
- ネットワークの変更の場合は、可能な限り、IP アドレスの代わりに FQDN を使用します。
- ネットワーク管理者に連絡して正しい設定が行われていることを確認する。
手順
お使いの環境に適したオプションで、
satellite-installer
コマンドを入力してください。以下の例では、完全なプロビジョニングサービスの設定を示しています。# satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-proxy-dns true \ --foreman-proxy-dns-managed true \ --foreman-proxy-dns-interface eth0 \ --foreman-proxy-dns-zone example.com \ --foreman-proxy-dns-reverse 2.0.192.in-addr.arpa \ --foreman-proxy-dhcp true \ --foreman-proxy-dhcp-managed true \ --foreman-proxy-dhcp-interface eth0 \ --foreman-proxy-dhcp-additional-interfaces eth1 \ --foreman-proxy-dhcp-additional-interfaces eth2 \ --foreman-proxy-dhcp-range "192.0.2.100 192.0.2.150" \ --foreman-proxy-dhcp-gateway 192.0.2.1 \ --foreman-proxy-dhcp-nameservers 192.0.2.2 \ --foreman-proxy-tftp true \ --foreman-proxy-tftp-managed true \ --foreman-proxy-tftp-servername 192.0.2.3
プロンプトに表示される satellite-installer
コマンドの進行状況を監視できます。/var/log/foreman-installer/satellite.log
でログを表示できます。/etc/foreman-installer/scenarios.d/satellite-answers.yaml
ファイルで、使用されている設定 (initial_admin_password
パラメーターなど) を表示できます。
DHCP、DNS および TFTP サービスの設定に関する情報は、ホストのプロビジョニング の ネットワークサービスの設定 セクションを参照してください。
4.9. 管理対象外ネットワークに対する DNS、DHCP、および TFTP の無効化
TFTP、DHCP および DNS サービスを手動で管理する場合には、Satellite がオペレーティングシステム上でこれらのサービスを管理しないようにし、オーケストレーションを無効にして、DHCP および DNS バリデーションエラーを回避する必要があります。ただし、Satellite ではオペレーティングシステムのバックエンドサービスは削除されません。
手順
Satellite Server で以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --foreman-proxy-dhcp false \ --foreman-proxy-dns false \ --foreman-proxy-tftp false
- Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > Capsule に移動し、サブネットを選択します。
- Capsules タブで、DHCP Capsule、TFTP Capsule、および 逆引き DNS Capsule を選択します。
- Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > ドメイン に移動し、ドメインを選択します。
- DNS Capsule フィールドの内容を消去します。
オプション: サードパーティーが提供する DHCP サービスを使用する場合は、以下のオプションを渡すように DHCP サーバーを設定します。
Option 66: IP address of Satellite or Capsule Option 67: /pxelinux.0
DHCP オプションの詳細は RFC 2132 を参照してください。
Satellite は、Capsule が該当するサブネットとドメインに設定されていない場合にオーケストレーションを実行しません。Capsule の関連付けを有効または無効にした場合に、想定のレコードと設定ファイルが存在しないと、既存のホストのオーケストレーションコマンドが失敗することがあります。オーケストレーションを有効にするために Capsule を関連付ける場合は、今後、ホストの削除に失敗しないように、既存の Satellite ホストに対して必要な DHCP レコード、DNS レコード、TFTP ファイルが所定の場所にあることを確認します。
4.10. Satellite Server での送信メールの設定
Satellite Server からメールメッセージを送信するには、SMTP サーバーまたは sendmail
コマンドのいずれかを使用できます。
前提条件
-
スパム対策保護またはグレイリスティング機能を備えた SMTP サーバーの一部で、問題が発生することが知られています。このようなサービスでの送信メールの設定には、リレー用に Satellite Server に vanilla SMTP サービスをインストールして設定するか、代わりに
sendmail
コマンドを使用します。
手順
- Satellite Web UI で、管理 > 設定に移動します。
Email タブをクリックして、希望する配信方法に一致する設定オプションを設定します。変更は即座に反映されます。
以下の例は、SMTP サーバーを使用する場合の設定オプションの例を示しています。
表4.1 配信方法に SMTP サーバーを使用する例
名前 値例 配信方法
SMTP
SMTP アドレス
smtp.example.com
SMTP 認証
ログイン
SMTP HELO/EHLO ドメイン
example.com
SMTP パスワード
パスワード
SMTP ポート
25
SMTP ユーザー名
user@example.com
SMTP ユーザー名
とSMTP パスワード
では、SMTP サーバーのログイン認証情報を指定します。以下の例では、gmail.com が SMTP サーバーとして使用されています。
表4.2 gmail.com を SMTP サーバーとして使用する例
名前 値例 配信方法
SMTP
SMTP アドレス
smtp.gmail.com
SMTP 認証
plain
SMTP HELO/EHLO ドメイン
smtp.gmail.com
SMTP enable StartTLS auto
あり
SMTP パスワード
パスワード
SMTP ポート
587
SMTP ユーザー名
user@gmail.com
以下の例では、
sendmail
コマンドが配信方法として使用されています。表4.3 配信方法に sendmail を使用する例
名前 値例 配信方法
Sendmail
Sendmail の場所
/usr/sbin/sendmail
Sendmail の引数
-i
セキュリティー上の理由から、Sendmail の場所と Sendmail 引数の設定はどちらも読み取り専用であり、
/etc/foreman/settings.yaml
でのみ設定できます。現在、両方の設定をsatellite-installer
で設定することはできません。詳細は、sendmail 1 の man ページを参照してください。
TLS 認証を使用する SMTP サーバーで電子メールを送信する場合は、以下のいずれかの手順を実行してください。
SMTP サーバーの CA 証明書を信頼済みとしてマークします。このようにマークするには、Satellite Server で以下のコマンドを実行します。
# cp mailca.crt /etc/pki/ca-trust/source/anchors/ # update-ca-trust enable # update-ca-trust
ここで、
mailca.crt
は SMTP サーバーの CA 証明書です。-
または、Satellite Web UI で、
SMTP enable StartTLS auto
オプションをNo
に設定します。
-
Test email をクリックしてユーザーのメールアドレスにテストメッセージを送信し、設定が機能していることを確認します。メッセージの送信に失敗した場合、Satellite Web UI はエラーを表示します。詳細については、
/var/log/foreman/production.log
のログを確認してください。
個別ユーザーまたはユーザーグループに対するメール通知の設定に関する詳細は、 Red Hat Satellite の管理 の メール通知の設定 を参照してください。
4.11. Satellite 向けの別の CNAME の設定
Satellite 向けに別の CNAME を設定できます。これは、Satellite に接続するクライアントシステムとは別のドメイン名で、Satellite Web インターフェイスをデプロイする場合に便利です。新規証明書をホストにもう一度デプロイしなくてもいいように、Capsule をインストールして Satellite にホストを登録する前に、別の CNAME 設定を事前に計画しておく必要があります。
4.11.1. 別の CNAME を使用した Satellite の設定
以下の手順を使用して、別の CNAME で Satellite を設定します。デフォルトの Satellite 証明書のユーザーとカスタム証明書のユーザーでは、手順が異なることに留意してください。
デフォルトの Satellite 証明書を使用する場合
デフォルトの Satellite 証明書で Satellite をインストールし、別の CNAME で Satellite を設定する場合には、Satellite で以下のコマンドを入力して、追加の CNAME で新たにデフォルトの Satellite SSL 証明書を生成します。
# satellite-installer --certs-cname alternate_fqdn --certs-update-server
-
Satellite をインストールしていない場合には、
satellite-installer
コマンドに--certs-cname alternate_fqdn
オプションを追加して Satellite を別の CNAME でインストールしてください。
カスタム証明書を使用する場合
カスタム証明書で Satellite を使用する場合は、カスタム証明書の作成時に、別の CNAME レコードをカスタム証明書に追加します。詳細は、Satellite Server 用のカスタム SSL 証明書を作成 を参照してください。
4.11.2. ホストが別の Satellite CNAME を使用してコンテンツを管理する設定
Satellite が別の CNAME で設定されている場合には、コンテンツ管理にもう 1 つの Satellite CNAME を使用するようにホストを設定できます。これには、ホストがもう 1 つの Satellite CNAME を参照するように設定してから、Satellite に登録する必要があります。この設定は、ブートストラップスクリプトを使用するか、手動で実行できます。
ブートストラップスクリプトを使用したホストの設定
ホストで --server alternate_fqdn.example.com
オプションを指定してブートストラップスクリプトを実行し、ホストを別の Satellite CNAME に登録します。
# ./bootstrap.py --server alternate_fqdn.example.com
ホストの手動設定
ホストで /etc/rhsm/rhsm.conf
ファイルを編集して、以下のように別のホスト名を参照するように hostname
および baseurl
設定を更新します。
[server] # Server hostname: hostname = alternate_fqdn.example.com content omitted [rhsm] # Content base URL: baseurl=https://alternate_fqdn.example.com/pulp/content/
これで、subscription-manager
でホストを登録できました。
4.12. カスタムの SSL 証明書を使用した Satellite Server の設定
デフォルトでは、Red Hat Satellite は自己署名の SSL 証明書を使用して、Satellite Server、外部の Capsule Server および全ホストの間で暗号化した通信ができるようにします。Satellite 自己署名の証明書を使用できない場合には、外部の証明局で署名した SSL 証明書を使用するように Satellite Server を設定できます。
カスタムの証明書で Satellite Server を設定するには、以下の手順を実行します。
- 「Satellite Server 向けのカスタム SSL 証明書の作成」
- 「カスタムの SSL 証明書の Satellite Server へのデプロイ」
- 「ホストへの カスタム SSL 証明書のデプロイ」
- Satellite Server に外部の Capsule Server を登録した場合には、カスタムの SSL 証明書を使用して設定する必要があります。同じ証明局を使用して Satellite Server と Capsule Server の証明書を署名する必要がある。詳細は、Capsule Server のインストールの カスタム SSL 証明書を使用した Capsule Server の設定 を参照してください。
4.12.1. Satellite Server 向けのカスタム SSL 証明書の作成
この手順を使用して、Satellite Server 用にカスタムの SSL 証明書を作成します。Satellite Server 用のカスタムの SSL 証明書がある場合にはこの手順は省略してください。
カスタム証明書を使用して Satellite Server を設定する場合には、次の点を考慮してください。
- SSL 証明書には、Privacy-Enhanced Mail (PEM) エンコードを使用する必要がある。
- Satellite Server と Capsule Server の両方に、同じ証明書を使用できない。
- 同じ証明局を使用して Satellite Server と Capsule Server の証明書を署名する必要がある。
手順
ソースの証明書ファイルすべてを保存するには、
root
ユーザーだけがアクセスできるディレクトリーを作成します。# mkdir /root/satellite_cert
Certificate Signing Request (CSR) を署名する秘密鍵を作成します。
秘密鍵は暗号化する必要がないことに注意してください。パスワードで保護された秘密鍵を使用する場合は、秘密鍵のパスワードを削除します。
この Satellite Server の秘密鍵がすでにある場合は、この手順を省略します。
# openssl genrsa -out
/root/satellite_cert/satellite_cert_key.pem
4096証明書署名要求 (CSR) 用の
/root/satellite_cert/openssl.cnf
設定ファイルを作成して、以下のコンテンツを追加します。[ req ] req_extensions = v3_req distinguished_name = req_distinguished_name x509_extensions = usr_cert prompt = no [ req_distinguished_name ] 1 C = Country Name (2 letter code) ST = State or Province Name (full name) L = Locality Name (eg, city) O = Organization Name (eg, company) OU = The division of your organization handling the certificate CN = satellite.example.com 2 [ v3_req ] basicConstraints = CA:FALSE keyUsage = digitalSignature, nonRepudiation, keyEncipherment, dataEncipherment extendedKeyUsage = serverAuth, clientAuth, codeSigning, emailProtection subjectAltName = @alt_names [ usr_cert ] basicConstraints=CA:FALSE nsCertType = client, server, email keyUsage = nonRepudiation, digitalSignature, keyEncipherment extendedKeyUsage = serverAuth, clientAuth, codeSigning, emailProtection nsComment = "OpenSSL Generated Certificate" subjectKeyIdentifier=hash authorityKeyIdentifier=keyid,issuer [ alt_names ] DNS.1 = satellite.example.com 3
- 1
[ req_distinguished_name ]
セクションに、貴社の組織の情報を入力します。- 2
- 証明書のコモンネーム
CN
を、Satellite Server の完全修飾ドメイン名 (FQDN) と一致するように設定します。FQDN を確認するには、対象の Satellite Server でhostname -f
コマンドを入力します。これは、katello-certs-check
コマンドが証明書を正しく検証することを確認するために必要です。 - 3
- サブジェクトの別名 (SAN: Subject Alternative Name)
DNS.1
を、お使いのサーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) に一致する用に設定します。
証明書署名要求 (CSR) を作成します。
# openssl req -new \ -key /root/satellite_cert/satellite_cert_key.pem \ 1 -config /root/satellite_cert/openssl.cnf \ 2 -out /root/satellite_cert/satellite_cert_csr.pem 3
証明局に証明書署名要求を送信します。同じ証明局を使用して Satellite Server と Capsule Server の証明書を署名する必要がある。
要求を送信する場合は、証明書の有効期限を指定してください。証明書要求を送信する方法は異なるため、推奨の方法について認証局にお問い合わせください。要求への応答で、認証局バンドルと署名済み証明書を別々のファイルで受け取ることになります。
4.12.2. カスタムの SSL 証明書の Satellite Server へのデプロイ
この手順を使用して、Satellite Server が、認証局で署名されたカスタムの SSL 署名書を使用するように設定します。katello-certs-check
コマンドは、入力した証明書ファイルを検証して、Satellite Server にカスタムの SSL 証明書をデプロイするのに必要なコマンドを返します。
手順
カスタムの SSL 証明書入力ファイルを検証します。
katello-certs-check
コマンドが正しく実行されるには、証明書のコモンネーム (CN) が Satellite Server の FQDN と一致する必要があることに注意してください。# katello-certs-check \ -c /root/satellite_cert/satellite_cert.pem \ 1 -k /root/satellite_cert/satellite_cert_key.pem \ 2 -b /root/satellite_cert/ca_cert_bundle.pem 3
このコマンドに成功すると、2 つの
satellite-installer
コマンドが返されます。1 つは、Satellite Server に証明書をデプロイするのに使用する必要があります。katello-certs-check
の出力例Validation succeeded. To install the Red Hat Satellite Server with the custom certificates, run: satellite-installer --scenario satellite \ --certs-server-cert "/root/satellite_cert/satellite_cert.pem" \ --certs-server-key "/root/satellite_cert/satellite_cert_key.pem" \ --certs-server-ca-cert "/root/satellite_cert/ca_cert_bundle.pem" To update the certificates on a currently running Red Hat Satellite installation, run: satellite-installer --scenario satellite \ --certs-server-cert "/root/satellite_cert/satellite_cert.pem" \ --certs-server-key "/root/satellite_cert/satellite_cert_key.pem" \ --certs-server-ca-cert "/root/satellite_cert/ca_cert_bundle.pem" \ --certs-update-server --certs-update-server-ca
要件に合わせて
katello-certs-check
コマンドの出力から、satellite-installer
コマンドを入力し、カスタムの SSL 証明書で新しい Satellite をインストールするか、現在実行中の Satellite の証明書を更新します。実行するコマンドが不明な場合には、
/etc/foreman-installer/scenarios.d/.installed
が存在するかをチェックし、Satellite がインストールされていることが確認できます。ファイルが存在する場合には、2 番目のsatellite-installer
コマンドを実行すると証明書が更新されます。重要証明書のデプロイ後に、証明書のアーカイブファイルを削除しないでください。Satellite Server のアップグレード時などに必要です。
-
Satellite Server にネットワークでアクセスできるコンピューターで、この URL (
https://satellite.example.com
) に移動します。 - ブラウザーで、証明書の詳細を表示して、デプロイした証明書を確認します。
4.12.3. ホストへの カスタム SSL 証明書のデプロイ
Satellite Server がカスタムの SSL 証明書を使用する用に設定した後に、Satellite Server に登録されている全ホストに katello-ca-consumer
パッケージもインストールする必要があります。
手順
各ホストに
katello-ca-consumer
パッケージをインストールします。# dnf install http://satellite.example.com/pub/katello-ca-consumer-latest.noarch.rpm
4.13. Satellite での外部データベースの使用
Red Hat Satellite のインストールプロセスの一部として、satellite-installer コマンドは PostgreSQL のデータベースを Satellite と同じサーバー上にインストールします。Satellite のデプロイメントによっては、デフォルトのローカルにあるデータベースの代わりに外部データベースを使用すると、サーバーの負荷が軽減される場合があります。
Red Hat では、外部データベースのメンテナーンスのサポートやそのためのツールは提供していません。これにはバックアップ、アップグレード、データベースのチューニングが含まれます。外部データベースをサポートし、管理する自社のデータベース管理者が必要です。
Satellite 用に外部データベースを作成して使用するには、以下の手順を実行します。
- 「外部データベース用のホストの準備」。外部データベースをホストするように Red Hat Enterprise Linux 8 サーバーを準備します。
- 「PostgreSQL のインストール」。Satellite、Candlepin、Pulp のデータベースを使用して PostgreSQL を準備し、それらを所有する専用ユーザーを配置します。
-
「外部データベースを使用するための Satellite Server の設定」。新規データベースを参照するように
satellite-installer
のパラメーターを編集し、satellite-installer
を実行します。
4.13.1. 外部データベースとして PostgreSQL を使用する際の注意点
Foreman、Katello、および Candlepin は PostgreSQL データベースを使用します。PostgreSQL を外部データベースとして使用する場合は、以下の情報を参照してお使いの Satellite 設定にこのオプションが適しているかどうかを判別してください。Satellite は PostgreSQL バージョン 12 をサポートします。
外部 PostgreSQL の利点
- Satellite 上の空きメモリーと空き CPU が増えます。
-
PostgreSQL データベースで
shared_buffers
を高い値に設定しても、Satellite 上の他のサービスの妨げるリスクがありません。 - Satellite 操作にマイナスの影響をもたらすことなく PostgreSQL サーバーのシステムを調整する柔軟性が得られます。
外部 PostgreSQL のマイナス点
- デプロイメントの複雑性が増し、問題解決がより困難になります。
- 外部 PostgreSQL サーバーの場合は、パッチおよびメンテナーンス対象に新たなシステムが加わることになります。
- Satellite または PostgreSQL データベースサーバーのいずれかにハードウェアまたはストレージ障害が発生すると、Satellite が機能しなくなります。
- Satellite Server とデータベースサーバーの間でレイテンシーが発生すると、パフォーマンスに影響が出ます。
お使いの Satellite 上の PostgreSQL データベースが原因でパフォーマンスの低下が生じている可能性がある場合は、Satellite 6: How to enable postgres query logging to detect slow running queries を参照して時間のかかっているクエリーがあるかどうか判定します。1 秒以上かかるクエリーがある場合は、通常、大規模インストールのパフォーマンスが原因であることが多く、外部データベースに移行しても問題解決が期待できません。時間のかかっているクエリーがある場合は、Red Hat サポートチームまでお問い合わせください。
4.13.2. 外部データベース用のホストの準備
新しくプロビジョニングされたシステムに最新の Red Hat Enterprise Linux 8 をインストールして、外部データベースをホストします。
Red Hat Enterprise Linux のサブスクリプションでは、外部データベースと Satellite を併用する場合に、正しいサービスレベルアグリーメントが提供されません。外部データベースに使用するベースオペレーティングシステムにも、Satellite サブスクリプションをアタッチする必要があります。
前提条件
- 準備されたホストは、Satellite の ストレージ要件 を満たしている必要があります。
手順
- Satellite インフラストラクチャーサブスクリプションのアタッチ の手順に従い、サーバーに Satellite サブスクリプションをアタッチします。
すべてのリポジトリーを無効にし、以下のリポジトリーのみを有効にします。
# subscription-manager repos --disable '*' # subscription-manager repos \ --enable=satellite-6.12-for-rhel-8-x86_64-rpms \ --enable=rhel-8-for-x86_64-baseos-rpms \ --enable=rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms
次のモジュールを有効にします。
# dnf module enable satellite:el8
注記モジュール
satellite:el8
を有効にすると、postgresql:10
およびruby:2.5
との競合について警告が表示されます。これは、これらのモジュールが Red Hat Enterprise Linux 8 でデフォルトのモジュールバージョンに設定されているためです。モジュールsatellite:el8
には、モジュールpostgresql:12
およびruby:2.7
への依存関係があり、satellite:el8
モジュールで有効になります。これらの警告はインストールプロセスの失敗の原因にはならないため、安全に無視できます。Red Hat Enterprise Linux 8 のモジュールとライフサイクルストリームの詳細については、Red Hat Enterprise Linux Application Streams Life Cycle を参照してください。
4.13.3. PostgreSQL のインストール
インストール可能な PostgreSQL は、内部データベースのインストール中に satellite-installer
ツールでインストールされたものと同じバージョンの PostgreSQL のみになります。Satellite は PostgreSQL バージョン 12 をサポートします。
手順
PostgreSQL をインストールするには、以下のコマンドを入力します。
# dnf install postgresql-server postgresql-evr
PostgreSQL を初期化するには、以下のコマンドを入力します。
# postgresql-setup initdb
/var/lib/pgsql/data/postgresql.conf
ファイルで以下を行います。# vi /var/lib/pgsql/data/postgresql.conf
Satellite で機能するには、外部 PostgreSQL のデフォルト設定を調整する必要があることに注意してください。基本的に推奨される外部データベース設定の調整は次のとおりです。
- checkpoint_completion_target: 0.9
- max_connections: 500
- shared_buffers: 512MB
- work_mem: 4MB
#
を削除して、着信接続をリッスンするようにします。listen_addresses = '*'
/var/lib/pgsql/data/pg_hba.conf
ファイルを編集します。# vi /var/lib/pgsql/data/pg_hba.conf
以下の行をファイルに追加します。
host all all Satellite_ip/32 md5
PostgreSQL サービスを起動し、有効にするには、以下のコマンドを実行します。
# systemctl enable --now postgresql
外部 PostgreSQL サーバーで postgresql ポートを開きます。
# firewall-cmd --add-service=postgresql # firewall-cmd --runtime-to-permanent
postgres
ユーザーに切り替え、PostgreSQL クライアントを起動します。$ su - postgres -c psql
3 つのデータベースと専用のロールを作成します。1 つは Satellite 用、1 つは Candlepin 用、もう 1 つは Pulp 用です。
CREATE USER "foreman" WITH PASSWORD 'Foreman_Password'; CREATE USER "candlepin" WITH PASSWORD 'Candlepin_Password'; CREATE USER "pulp" WITH PASSWORD 'Pulpcore_Password'; CREATE DATABASE foreman OWNER foreman; CREATE DATABASE candlepin OWNER candlepin; CREATE DATABASE pulpcore OWNER pulp;
postgres
ユーザーをログアウトします。# \q
Satellite Server から、データベースにアクセスできることをテストします。接続に成功した場合には、コマンドは
1
を返します。# PGPASSWORD='Foreman_Password' psql -h postgres.example.com -p 5432 -U foreman -d foreman -c "SELECT 1 as ping" # PGPASSWORD='Candlepin_Password' psql -h postgres.example.com -p 5432 -U candlepin -d candlepin -c "SELECT 1 as ping" # PGPASSWORD='Pulpcore_Password' psql -h postgres.example.com -p 5432 -U pulp -d pulpcore -c "SELECT 1 as ping"
4.13.4. 外部データベースを使用するための Satellite Server の設定
satellite-installer
コマンドを使用して Satellite が外部の PostgreSQL データベースに接続するように設定します。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux サーバーに PostgreSQL データベースをインストールおよび設定していること。
手順
Satellite の外部データベースを設定するには以下のコマンドを入力します。
satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-db-host postgres.example.com \ --foreman-db-password Foreman_Password \ --foreman-db-database foreman \ --foreman-db-manage false \ --katello-candlepin-db-host postgres.example.com \ --katello-candlepin-db-name candlepin \ --katello-candlepin-db-password Candlepin_Password \ --katello-candlepin-manage-db false \ --foreman-proxy-content-pulpcore-manage-postgresql false \ --foreman-proxy-content-pulpcore-postgresql-host postgres.example.com \ --foreman-proxy-content-pulpcore-postgresql-db-name pulpcore \ --foreman-proxy-content-pulpcore-postgresql-password Pulpcore_Password --foreman-proxy-content-pulpcore-postgresql-user pulp
これらの外部データベースに対して Secure Sockets Layer (SSL) プロトコルを有効にするには、次のオプションを追加します。
--foreman-db-sslmode verify-full --foreman-db-root-cert <path_to_CA> --katello-candlepin-db-ssl true --katello-candlepin-db-ssl-verify true --katello-candlepin-db-ssl-ca <path_to_CA> --foreman-proxy-content-pulpcore-postgresql-ssl true --foreman-proxy-content-pulpcore-postgresql-ssl-root-ca <path_to_CA>
4.14. 事前定義済みプロファイルを使用した Satellite Server の調整
Satellite のデプロイメントに 5000 台を超えるホストが含まれる場合には、事前定義済みの tuning プロファイルを使用して Satellite のパフォーマンスを向上できます。
Capsule では tuning プロファイルを使用できない点に注意してください。
Satellite が管理するホストの数と利用可能なハードウェアリソースに応じて、プロファイルの 1 つを選択できます。
tuning プロファイルは、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/sizes
ディレクトリーにあります。
--tuning
オプションを指定して satellite-installer
コマンドを実行した場合には、デプロイメント設定が以下の順番で Satellite Server に適用されます。
-
/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/common.yaml
ファイルで定義したデフォルトの tuning プロファイル -
/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/sizes/
ディレクトリーで定義され、デプロイメントに適用する tuning プロファイル -
オプション:
/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルを設定した場合、Satellite はこれらの設定を適用します。
/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルで定義した設定は、tuning プロファイルで定義した設定を上書きすることに注意してください。
したがって、tuning プロファイルを適用する前に、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/common.yaml
のデフォルトの tuning プロファイルに定義されている設定、適用する tuning プロファイル、および /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルを比較して、重複する設定内容を /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルから削除する必要があります。
- default
管理対象ホスト数: 0 – 5000
RAM: 20G
CPU コア数: 4
- medium
管理対象ホスト数: 5001 – 10000
RAM: 32G
CPU コア数: 8
- large
管理対象ホスト数: 10001 – 20000
RAM: 64G
CPU コア数: 16
- extra-large
管理対象ホスト数: 20001 – 60000
RAM: 128G
CPU コア数: 32
- extra-extra-large
管理対象ホスト数: 60000+
RAM: 256G
CPU コア数: 48+
手順
オプション: Satellite Server で、
custom-hiera.yaml
ファイルを設定した場合、/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルをcustom-hiera.original
にバックアップします。/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルが破損した場合には、バックアップファイルを使用して、ファイルを元の状態に戻します。# cp /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml \ /etc/foreman-installer/custom-hiera.original
-
オプション: Satellite Server で
custom-hiera.yaml
ファイルを設定した場合、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/common.yaml
のデフォルト tuning プロファイルの定義と、/usr/share/foreman-installer/config/foreman.hiera/tuning/sizes/
に適用する tuning プロファイルを確認します。/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルの設定内容と比較して、/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルで重複設定を削除します。 適用するプロファイルに対して、
--tuning
オプションを指定してsatellite-installer
コマンドを入力します。たとえば、medium tuning プロファイル設定を適用するには、以下のコマンドを入力します。# satellite-installer --tuning medium
第5章 外部認証の設定
外部認証を使用して、外部 ID プロバイダーのユーザーグループメンバーシップからユーザーとユーザーグループのパーミッションを派生させることができます。外部認証を使用する場合には、このようなユーザーを作成したり、グループメンバーシップを Satellite Server で手動で保守したりする必要はありません。外部ソースでメールが提供されない場合は、Satellite Web UI で最初のログイン時に要求されます。
重要なユーザーおよびグループアカウント情報
ユーザーおよびグループアカウントはすべて、ローカルアカウントである必要があります。これにより、Satellite Server 上のローカルアカウントと Active Directory ドメイン内のアカウントによる認証競合が避けられます。
ユーザーおよびグループアカウントが /etc/passwd
と /etc/group
ファイルの両方に存在すれば、この競合によってシステムが影響を受けることはありません。たとえば、puppet
、apache
、foreman
および foreman-proxy
グループのエントリーが /etc/passwd
と /etc/group
の両ファイルに存在することを確認するには、以下のコマンドを実行します。
# cat /etc/passwd | grep 'puppet\|apache\|foreman\|foreman-proxy' # cat /etc/group | grep 'puppet\|apache\|foreman\|foreman-proxy'
外部認証の設定シナリオ
Red Hat Satellite では、外部認証の設定において以下の一般的なシナリオがサポートされます。
- Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) サーバーを外部 ID プロバイダーとして使用するシナリオ。LDAP は、一元的に保存された情報にネットワークを介してアクセスするために使用されるオープンプロトコルセットです。Satellite では、Satellite Web UI を介して LDAP 全体を管理できます。詳細は、「LDAP の使用」 を参照してください。LDAP を使用して Red Hat Identity Management または AD サーバーに接続できますが、セットアップでは、Satellite の Web UI でのサーバー検出、フォレスト間信頼、または Kerberos を使用したシングルサインオンはサポートされません。
- Red Hat Identity Management サーバーを外部 ID プロバイダーとして使用するシナリオ。Red Hat Identity Management は、ネットワーク環境で使用される個別 ID、認証情報、および権限を管理します。Red Hat Identity Management を使用した設定は、Satellite Web UI のみを使用して完了できず、CLI との対話が必要です。詳細は、「Red Hat Identity Management の使用」 を参照してください。
- フォレスト間 Kerberos 信頼を介して Red Hat Identity Management に統合された Active Directory (AD) を外部 ID プロバイダーとして使用するシナリオ。詳細は、「フォレスト間信頼を使用する Active Directory」 を参照してください。
- Red Hat Single Sign On を Satellite への外部認証用の OpenID プロバイダーとして使用するシナリオ。詳細は、「Red Hat Single Sign On 認証を使用した Satellite の設定」 を参照してください。
- TOTP を使用した Satellite への外部認証に Red Hat Single Sign-On を OpenID プロバイダーとして使用するシナリオ。詳細は、「TOTP での Red Hat Single Sign On 認証の設定」 を参照してください。
Satellite でプロビジョニングしたホストは、Satellite Server にアクセスできるだけでなく、Red Hat Identity Management レルムと統合することもできます。Red Hat Satellite には、レルムまたはドメインプロバイダーに登録されたシステムのライフサイクルを自動的に管理するレルム機能があります。詳細は、「プロビジョンされたホストの外部認証」 を参照してください。
表5.1 認証の概要
Type | 認証 | ユーザーグループ |
---|---|---|
Red Hat Identity Management | Kerberos または LDAP | あり |
Active Directory | Kerberos または LDAP | あり |
POSIX | LDAP | あり |
5.1. LDAP の使用
Satellite は、1 つまたは複数の LDAP ディレクトリーを使用した LDAP 認証をサポートします。
Red Hat Satellite で TLS
を使用してセキュアな LDAP 接続 (LDAPS) を確立する必要がある場合は、まず、接続先の LDAP サーバーで使用する証明書を取得して、以下の説明のように Satellite Server のベースオペレーティングシステムでこの証明書を信頼済みとしてマークします。LDAP サーバーで中間認証局との証明書チェーンを使用する場合は、すべての証明書が取得されるように、チェーン内のすべてのルートおよび中間証明書が信頼済みである必要があります。この時点でセキュアな LDAP を必要としない場合は、「Red Hat Satellite で LDAP を使用する設定」 に進みます。
ユーザーは、Red Hat Identity Management と LDAP の両方を認証方法として使用することはできません。ユーザーが 1 つの方法を使用して認証されると、他の方法を使用することはできません。
ユーザーの認証方法を変更するには、自動的に作成されたユーザーを Satellite から削除する必要があります。
Red Hat Identity Management を認証方法として使用する方法の詳細については、「Red Hat Identity Management の使用」 を参照してください。
5.1.1. セキュア LDAP 向けの TLS の設定
Satellite CLI を使用して、セキュア LDAP (LDAPS) 向けに TLS を設定します。
手順
LDAP サーバーから証明書を取得します。
-
Active Directory 証明書サービスを使用する場合は、ベース 64 エンコード X.509 形式を使用してエンタープライズ PKI CA 証明書をエクスポートします。Active Directory サーバーでの CA 証明書の作成およびエクスポートについては、How to configure Active Directory authentication with
TLS
on Satellite を参照してください。 LDAP サーバー証明書を一時的な場所の Satellite Server にダウンロードし、終了したら削除します。
たとえば、
/tmp/example.crt
です。ファイル名の拡張子を.cer
と.crt
にすることが唯一の規則であり、この拡張子は、DER バイナリーまたは PEM ASCII の形式の証明書を参照できます。
-
Active Directory 証明書サービスを使用する場合は、ベース 64 エンコード X.509 形式を使用してエンタープライズ PKI CA 証明書をエクスポートします。Active Directory サーバーでの CA 証明書の作成およびエクスポートについては、How to configure Active Directory authentication with
LDAP サーバーからの証明書を信頼します。
Satellite Server では、LDAP 認証用の CA 証明書は
/etc/pki/tls/certs/
ディレクトリー内の個別ファイルである必要があります。install
コマンドを使用して適切なパーミッションでインポート済みの証明書を/etc/pki/tls/certs/
ディレクトリーにインストールします。# install /tmp/example.crt /etc/pki/tls/certs/
root
で以下のコマンドを実行して、LDAP サーバーから取得した example.crt 証明書を信頼します。# ln -s example.crt /etc/pki/tls/certs/$(openssl \ x509 -noout -hash -in \ /etc/pki/tls/certs/example.crt).0
httpd
サービスを再起動します。# systemctl restart httpd
5.1.2. Red Hat Satellite で LDAP を使用する設定
Satellite Web UI で、LDAP を使用するように Satellite を設定します。
Satellite web UI で Kerberos を使用したシングルサインオン機能が必要な場合は、代わりに Red Hat Identity Management および AD 外部認証を使用する必要があることに注意してください。詳細は以下を参照してください。
手順
Network Information System (NIS) サービスのブール値を true に設定して SELinux により LDAP の送信接続がブロックされないようにします。
# setsebool -P nis_enabled on
- Satellite Web UI で、Administer > Authentication Sources に移動します。
- Create LDAP Authentication Source をクリックします。
-
LDAP サーバータブで LDAP サーバーの名前、ホスト名、ポート、およびサーバータイプを入力します。デフォルトポートは 389、デフォルトサーバータイプは POSIX です (認証サーバーのタイプに応じて FreeIPA または Active Directory を選択することもできます)。
TLS
暗号化接続に対しては、LDAPS チェックボックスを選択して暗号化を有効にします。ポートは LDAPS のデフォルト値である 636 に変更されるはずです。 - アカウント タブで、アカウント情報とドメイン名の詳細を入力します。説明と例については、「LDAP 設定の説明」 を参照してください。
- 属性マッピング タブで、LDAP 属性を Satellite 属性にマッピングします。ログイン名、名、姓、メールアドレス、および写真の属性をマッピングできます。サンプルについては、「LDAP 接続の設定例」 を参照してください。
- ロケーション タブで、左側の表からロケーションを選択します。選択したロケーションは、LDAP 認証ソースから作成されたユーザーに割り当てられ、初回ログイン以降、利用可能となります。
- 組織 タブで、左側の表から組織を選択します。選択した組織は、LDAP 認証ソースから作成されたユーザーに割り当てられ、初回ログイン以降、利用可能となります。
- Submit をクリックします。
LDAP ユーザーの新しいアカウントを設定します。
- Automatically Create Accounts In Satellite チェックボックスを選択しなかった場合は、Red Hat Satellite の管理 の ユーザーの作成 を参照して、ユーザーアカウントを手動で作成します。
- Satellite でアカウントを自動作成する のチェックボックスを選択した場合は、LDAP ユーザーは LDAP アカウントおよびパスワードを使用して Satellite にログインできます。初回ログイン後に、Satellite 管理者はロールを手動で割り当てる必要があります。Satellite でユーザーアカウントに適切なロールを割り当てる方法は、Red Hat Satellite の管理 の ユーザーへのロールの割り当て を参照してください。
5.1.3. LDAP 設定の説明
以下の表は、アカウント タブの各設定の説明を示しています。
表5.2 アカウントタブの設定
設定 | 説明 |
---|---|
アカウント | LDAP サーバーへの読み取りアクセス権のある LDAP アカウントのユーザー名。ユーザー名は、サーバーで匿名の読み取りが許可されている場合は必要ありません。以下に例を示します。 uid=$login,cn=users,cn=accounts,dc=example,dc=com
この変数は、LDAP ソースからの外部ユーザーグループとは使用できません。ユーザーがログインしていない場合、Satellite はグループリストを取得する必要があります。匿名または専用サービスユーザーを使用してください。 |
アカウントパスワード |
アカウント フィールドで定義されたユーザーの LDAP パスワード。アカウント が |
ベース DN | LDAP ディレクトリーの最上位のドメイン名。 |
グローバルベース DN | グループが含まれる LDAP ディレクトリーツリーの最上位のドメイン名。 |
LDAP フィルター | LDAP クエリーを制限するフィルター。 |
Satellite でアカウントを自動作成する | このチェックボックスを選択した場合には、LDAP ユーザーが Satellite に最初にログインしたときに、Satellite によりユーザーアカウントが作成されます。初回ログイン後に、Satellite 管理者はロールを手動で割り当てる必要があります。Satellite でユーザーアカウント に適切なロールを割り当てるには 、Red Hat Satellite の管理 の ユーザーへのロールの割り当て を参照してください。 |
ユーザーグループの同期 | このオプションが選択された場合は、ユーザーのログイン時にユーザーのユーザーグループメンバーシップが自動的に同期され、メンバーシップは常に最新の状態になります。このオプションが選択されていない場合は、Satellite で cron ジョブを使用してグループメンバーシップを定期的 (デフォルトでは 30 分ごと) に同期します。詳細は、「外部ユーザーグループの設定」 を参照してください。 |
5.1.4. LDAP 接続の設定例
以下の表は、異なる種類の LDAP 接続の設定例を示しています。以下の例では、ユーザーおよびグループのエントリーに対してバインド、読み取り、および検索のパーミッションを持つ redhat という名前の専用サービスアカウントを使用します。LDAP 属性名は、大文字と小文字が区別されることに注意してください。
表5.3 Active Directory、Free IPA または Red Hat Identity Management、POSIX LDAP 接続 の設定例
設定 | Active Directory | FreeIPA または Red Hat Identity Management | POSIX (OpenLDAP) |
---|---|---|---|
アカウント | DOMAIN\redhat | uid=redhat,cn=users, cn=accounts,dc=example, dc=com | uid=redhat,ou=users, dc=example,dc=com |
アカウントパスワード | P@ssword | - | - |
ベース DN | DC=example,DC=COM | dc=example,dc=com | dc=example,dc=com |
グループベース DN | CN=Users,DC=example,DC=com | cn=groups,cn=accounts, dc=example,dc=com | cn=employee,ou=userclass, dc=example,dc=com |
ログイン名属性 | userPrincipalName | uid | uid |
名属性 | givenName | givenName | givenName |
姓属性 | sn | sn | sn |
メールアドレス属性 | | | |
写真属性 | thumbnailPhoto | - | - |
userPrincipalName
では、ユーザー名に空白文字を使用できます。ログイン名属性 sAMAccountName
(上記の表にはリストされていない) は、レガシーの Microsoft システムとの後方互換性を提供します。sAMAccountName
では、ユーザー名に空白文字を使用できません。
5.1.5. LDAP フィルターの例
管理者は LDAP フィルターを作成することで、特定のユーザーの Satellite へのアクセスを制限することができます。
表5.4 特定ユーザーのログインを許可するフィルターの例
ユーザー | Filter |
---|---|
User1 | (distinguishedName=cn=User1,cn=Users,dc=domain,dc=example) |
User1、User3 | (memberOf=cn=Group1,cn=Users,dc=domain,dc=example) |
User2、User3 | (memberOf=cn=Group2,cn=Users,dc=domain,dc=example) |
User1、User2、User3 | (|(memberOf=cn=Group1,cn=Users,dc=domain,dc=example)(memberOf=cn=Group2,cn=Users,dc=domain,dc=example)) |
LDAP ディレクトリー構造
上記の例のフィルターで使用される LDAP ディレクトリー構造
DC=Domain,DC=Example | |----- CN=Users | |----- CN=Group1 |----- CN=Group2 |----- CN=User1 |----- CN=User2 |----- CN=User3
LDAP グループメンバーシップ
上記の例のフィルターで使用されるグループメンバーシップ
グループ | メンバー |
---|---|
Group1 | User1、User3 |
Group2 | User2、User3 |
5.2. Red Hat Identity Management の使用
本項では、Satellite Server と Red Hat Identity Management サーバーを統合する方法とホストベースアクセス制御を有効にする方法を示します。
Red Hat Identity Management は、外部認証ソースとして、シングルサインオンサポートなしで接続できます。詳細は、「LDAP の使用」 を参照してください。
ユーザーは、Red Hat Identity Management と LDAP の両方を認証方法として使用することはできません。ユーザーが 1 つの方法を使用して認証されると、他の方法を使用することはできません。
ユーザーの認証方法を変更するには、自動的に作成されたユーザーを Satellite から削除する必要があります。
前提条件
- Satellite Server のベースオペレーティングシステムが、組織の Red Hat Identity Management 管理者によって Red Hat Identity Management ドメインに登録されていること。
この章の例では、Red Hat Identity Management と Satellite の設定が分離されていることを前提としています。ただし、両方のサーバーの管理者権限を持っている場合は、Red Hat Enterprise Linux 8 Installing Identity Management Guide の説明に従って Red Hat Identity Management を設定できます。
5.2.1. Satellite Server での Red Hat Identity Management 認証の設定
Satellite CLI で、まず Red Hat Identity Management サーバーにホストエントリーを作成して、Red Hat Identity Management 認証を設定します。
手順
Red Hat Identity Management サーバーで、次のコマンドを入力し、プロンプトが表示されたら、パスワードを入力して、認証します。
# kinit admin
認証されたことを確認するには、次のコマンドを入力します。
# klist
以下のように、Red Hat Identity Management サーバー上で Satellite Server のホストエントリーを作成し、ワンタイムパスワードを生成します。
# ipa host-add --random hostname
注記Red Hat Identity Management 登録を完了するには、生成されたワンタイムパスワードをクライアントで使用する必要があります。
ホスト設定プロパティーの詳細は、Identity Management の設定と管理 の IdM LDAP のホストエントリー を参照してください。
以下のように、Satellite Server 向けの HTTP サービスを作成します。
# ipa service-add HTTP/hostname
サービスの管理に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 8 Identity Management サービスへのアクセス を参照してください。
Satellite Server で、IPA クライアントをインストールします。
警告このコマンドは、パッケージのインストール中に Satellite サービスを再起動する可能性があります。Satellite でのパッケージのインストールおよび更新に関する詳細は、Red Hat Satellite の管理 の Satellite Server または Capsule Server のベースオペレーティングシステムでのパッケージの管理 を参照してください。
# satellite-maintain packages install ipa-client
Satellite Server で、以下のコマンドを root として入力し、Red Hat Identity Management 登録を設定します。
# ipa-client-install --password OTP
OTP を、Red Hat Identity Management 管理者により提供されたワンタイムパスワードに置き換えます。
Satellite Server が Red Hat Enterprise Linux 7 で実行されている場合は、以下のコマンドを実行します。
# subscription-manager repos --enable rhel-7-server-optional-rpms
インストーラーは、オプションのリポジトリー
rhel-7-server-optional-rpms
(Red Hat Enterprise Linux 7 の場合) に含まれるパッケージに依存します。以下のコマンドを使用して、
foreman-ipa-authentication
を true に設定します。# satellite-installer --foreman-ipa-authentication=true
Satellite サービスを再起動します。
# satellite-maintain service restart
この時点で、外部ユーザーは Red Hat Identity Management 認証情報を使用して Satellite にログインできます。ユーザー名とパスワードを使用して直接 Satellite Server にログインするか、設定済みの Kerberos シングルサインオンを活用してクライアントマシンでチケットを取得し、自動的にログインするかを選択できます。また、ワンタイムパスワードを使用した二要素認証 (2FA OTP) もサポートされます。Red Hat Identity Management 内のユーザーが 2FA 向けに設定され、Satellite Server が Red Hat Enterprise Linux 7 で実行されている場合には、このユーザーは OTP を使用して Satellite に対して認証することもできます。
5.2.2. ホストベースの認証制御の設定
HBAC ルールでは、Red Hat Identity Management ユーザーがドメイン内のどのマシンにアクセスできるかを定義します。一部のユーザーが Satellite Server にアクセスできないように、Red Hat Identity Management サーバーで HBAC を設定できます。この方法では、ログインが許可されていないユーザーのデータベースエントリーを、Satellite で作成できないようにします。HBAC の詳細は、Managing IdM Users, Groups, Hosts, and Access Control Rules Guide を参照してください。
Red Hat Identity Management サーバーで、ホストベースの認証制御 (HBAC) を設定します。
手順
Red Hat Identity Management サーバーで、次のコマンドを入力し、プロンプトが表示されたら、パスワードを入力して、認証します。
# kinit admin
認証されたことを確認するには、次のコマンドを入力します。
# klist
HBAC サービスおよびルールを Red Hat Identity Management サーバーで作成し、リンクします。以下の例では、satellite-prod という PAM サービス名を使用しています。Red Hat Identity Management サーバー上で以下のコマンドを実行してください。
# ipa hbacsvc-add satellite-prod # ipa hbacrule-add allow_satellite_prod # ipa hbacrule-add-service allow_satellite_prod --hbacsvcs=satellite-prod
satellite-prod サービスへのアクセス権があるユーザーと Satellite Server のホスト名を追加します。
# ipa hbacrule-add-user allow_satellite_prod --user=username # ipa hbacrule-add-host allow_satellite_prod --hosts=satellite.example.com
または、allow_satellite_prod ルールにホストグループとユーザーグループを追加できます。
ルールのステータスを確認するために、以下のコマンドを実行します。
# ipa hbacrule-find satellite-prod # ipa hbactest --user=username --host=satellite.example.com --service=satellite-prod
- Red Hat Identity Management サーバーで allow_all ルールが無効であることを確認します。他のサービスに影響を与えずにこのルールを無効にする方法については、Red Hat カスタマーポータルのアーティクル How to configure HBAC rules in IdM to allow specific users to login to clients via ssh を参照してください。
「Satellite Server での Red Hat Identity Management 認証の設定」 で説明されているように、Satellite Server で Red Hat Identity Management 統合を設定します。Satellite Server で、root として PAM サービスを定義します。
# satellite-installer --foreman-pam-service=satellite-prod
5.3. Active Directory の使用
このセクションでは、Satellite Server 用の外部認証ソースとして直接 Active Directory (AD) を使用する方法を示します。
シングルサインオンサポートなしで、Active Directory を外部認証ソースとして接続できます。詳細は、「LDAP の使用」 を参照してください。設定例については、How to configure Active Directory authentication with TLS on Satellite を参照してください。
直接 AD 統合では、ID が保存されている AD ドメインに Satellite Server が直接参加します。推奨の設定には、以下の 2 つの手順が含まれます。
- 「Satellite Server の AD サーバーへの登録」 の説明に従って、Active Directory サーバーに Satellite Server を登録します。
- 「GSS-Proxy を使用した直接 AD 統合の設定」 の説明に従って、GSS-proxy との直接 Active Directory 統合を設定します。
5.3.1. GSS-Proxy
Apache での Kerberos 認証の従来のプロセスでは、Apache プロセスが keytab ファイルへの読み取りアクセスを持っている必要があります。GSS-Proxy を使用すると、Kerberos 認証機能を保持しつつ keytab ファイルへのアクセスを削除することにより Apache サーバーに対してより厳密な権限の分離を実行できます。AD を Satellite の外部認証ソースとして使用する場合は、keytab ファイルのキーがホストキーと同じであるため、GSS-proxy を実装することが推奨されます。
Satellite Server のベースオペレーティングシステムとして動作する Red Hat Enterprise Linux で以下の手順を実行します。本セクションの例では、EXAMPLE.ORG が AD ドメインの Kerberos レルムです。手順を完了すると、EXAMPLE.ORG レルムに属するユーザーは Satellite Server にログインできます。
5.3.2. Satellite Server の AD サーバーへの登録
Satellite CLI で、Active Directory サーバーに Satellite Server を登録します。
前提条件
GSS-proxy と nfs-utils がインストールされていること。
GSS-proxy と nfs-utils をインストールします。
# satellite-maintain packages install gssproxy nfs-utils
手順
必要なパッケージをインストールします。
# satellite-maintain packages install sssd adcli realmd ipa-python-compat krb5-workstation samba-common-tools
Satellite Server を AD サーバーに登録します。以下のコマンドを実行するには、管理者パーミッションが必要な場合があります。
# realm join -v EXAMPLE.ORG --membership-software=samba -U Administrator
5.3.3. GSS-Proxy を使用した直接 AD 統合の設定
Satellite CLI で、GSS-proxy を使用する直接 Active Directory 統合を設定します。
前提条件
- Satellite が、Active Directory サーバーに登録されていること。詳細は、「Satellite Server の AD サーバーへの登録」 を参照してください。
手順
/etc/ipa/
ディレクトリーとdefault.conf
ファイルを作成します。# mkdir /etc/ipa # touch /etc/ipa/default.conf
default.conf
ファイルに以下のコンテンツを追加します。[global] server = unused realm = EXAMPLE.ORG
以下の内容で
/etc/net-keytab.conf
ファイルを作成します。[global] workgroup = EXAMPLE realm = EXAMPLE.ORG kerberos method = system keytab security = ads
Apache ユーザーの有効なユーザー ID を特定します。
# id apache
Apache ユーザーには keytab ファイルへのアクセス権を割り当てないでください。
以下の内容で
/etc/gssproxy/00-http.conf
ファイルを作成します。[service/HTTP] mechs = krb5 cred_store = keytab:/etc/krb5.keytab cred_store = ccache:/var/lib/gssproxy/clients/krb5cc_%U euid = ID_of_Apache_User
keytab エントリーを作成します。
警告keytab エントリーを作成する前に、ホストをドメインに登録しないでください。
# KRB5_KTNAME=FILE:/etc/httpd/conf/http.keytab net ads keytab add HTTP -U administrator -d3 -s /etc/net-keytab.conf # chown root.apache /etc/httpd/conf/http.keytab # chmod 640 /etc/httpd/conf/http.keytab
Satellite の IPA 認証を有効にします。
# satellite-installer --foreman-ipa-authentication=true
gssproxy
サービスを起動して、有効にします。# systemctl restart gssproxy # systemctl enable --now gssproxy
Apache サーバーが
gssproxy
サービスを使用するように設定するには、systemd
ドロップインファイルを作成し、以下の内容を追加します。# mkdir -p /etc/systemd/system/httpd.service.d/ # vi /etc/systemd/system/httpd.service.d/gssproxy.conf [Service] Environment=GSS_USE_PROXY=1
変更をサービスに適用します。
# systemctl daemon-reload
httpd
サービスを起動して、有効にします。# systemctl restart httpd
SSO が想定どおりに動作していることを確認します。
Apache サーバーが実行中であり、クライアントに有効な Kerberos チケットがある場合、サーバーに対して HTTP 要求を行うユーザーは認証されます。
次のコマンドを使用して、LDAP ユーザーの Kerberos チケットを取得します。
# kinit ldapuser
以下のコマンドを使用して、Kerberos チケットを表示します。
# klist
以下のコマンドを使用して、SSO 認証に成功時の出力を表示します。
# curl -k -u : --negotiate https://satellite.example.com/users/extlogin
これにより、以下の応答が返されます。
<html><body>You are being <a href="https://satellite.example.com/users/4-ldapuserexample-com/edit">redirected</a>.</body></html>
5.3.4. Web ブラウザーでの Kerberos の設定
Firefox の設定は、Red Hat Enterprise Linux RHEL での認証および認可の設定 ガイドの Single Sign-On に Kerberos を使用するための Firefox の設定 を参照してください。
Internet Explorer ブラウザーを使用している場合は、Satellite Server をローカルイントラネットまたは信頼済みサイトのリストに追加し、統合 Windows 認証を使用する の設定にチェックを入れます。詳細については、Internet Explorer のマニュアルを参照してください。
直接 AD 統合では、Red Hat Identity Management を介した HBAC は利用できません。代わりに、管理者が AD 環境でポリシーを一元管理することを可能にする Group Policy Objects (GPO) を使用できます。GPO と PAM サービス間の適切なマッピングを行うには、以下の sssd 設定を使用します。
access_provider = ad ad_gpo_access_control = enforcing ad_gpo_map_service = +foreman
ここでは、foreman は PAM サービスの名前です。GPO の詳細は、RHEL システムと Windows Active Directory を直接統合 の SSSD が GPO アクセス制御ルールを解釈する方法 を参照してください。
5.3.5. フォレスト間信頼を使用する Active Directory
Kerberos では、cross-forest trust
を作成して、2 つの異なるドメインフォレスト間の関係を定義できます。ドメインフォレストとは、ドメインの階層構造のことで、AD と Red Hat Identity Management の両方でフォレストが形成されます。AD と Red Hat Identity Management との間での有効な信頼関係により、AD のユーザーは一連の認証情報を使用して Linux ホストおよびサービスにアクセスできます。フォレスト間の信頼の詳細については、Red Hat Enterprise Linux Identity Management の計画 の IdM と AD との間のフォレスト間の信頼の計画 を参照してください。
Satellite 側から見ると、設定プロセスは、フォレスト間の信頼を設定せずに Red Hat Identity Management サーバーと統合する場合と同じです。Satellite Server は IdM ドメインに登録し、「Red Hat Identity Management の使用」 で説明されているように統合する必要があります。
5.3.6. フォレスト間信頼を使用するための Red Hat Identity Management サーバーの設定
Red Hat Identity Management サーバーで、cross-forest trust
を使用するようにサーバーを設定します。
手順
HBAC を有効にします。
- 外部グループを作成して、この外部グループに AD グループを追加します。
- 新しい外部グループを POSIX グループに追加します。
- HBAC ルールで POSIX グループを使用します。
AD ユーザーの追加属性を転送するよう sssd を設定します。
この AD ユーザー属性を
/etc/sssd/sssd.conf
の nss セクションと domain セクションに追加します。以下はその例です。[nss] user_attributes=+mail, +sn, +givenname [domain/EXAMPLE.com] ... krb5_store_password_if_offline = True ldap_user_extra_attrs=email:mail, lastname:sn, firstname:givenname [ifp] allowed_uids = ipaapi, root user_attributes=+email, +firstname, +lastname
AD 属性値を確認します。
# dbus-send --print-reply --system --dest=org.freedesktop.sssd.infopipe /org/freedesktop/sssd/infopipe org.freedesktop.sssd.infopipe.GetUserAttr string:ad-user@ad-domain array:string:email,firstname,lastname
5.4. 外部ユーザーグループの設定
Satellite は、自動的に、外部ユーザーグループに外部ユーザーを関連付けることはありません。Satellite 上の外部ソースと同じ名前のユーザーグループを作成する必要があります。こうすることで、外部ユーザーグループのメンバーは、自動的に Satellite ユーザーグループのメンバーになり、関連するパーミッションが付与されます。
外部ユーザーグループの設定は、外部認証の種類によって異なります。
外部ユーザーに追加のパーミッションを割り当てるには、外部マッピングが指定されていない内部ユーザーグループに、このユーザーを追加します。次に、このグループに必要なロールを割り当てます。
前提条件
LDAP サーバーを使用する場合は、Satellite が LDAP 認証を使用するように設定する。詳細は、「LDAP の使用」 を参照してください。
LDAP ソースから外部ユーザーグループを使用する場合は、アカウントユーザー名の代わりとして
$login
変数を使用できず、匿名または専用サービスユーザーを使用する必要があります。- Red Hat Identity Management または AD サーバーを使用する場合は、Satellite が Red Hat Identity Management または AD 認証を使用するように設定する。詳細は、オンラインネットワーク環境での Satellite Server のインストール の 外部認証の設定 を参照してください。
- 少なくとも 1 人の外部ユーザーが初回認証されることを確認する。
使用する外部グループ名をメモする。外部ユーザーのグループメンバーシップを確認するには、以下のコマンドを入力します。
# id username
手順
- Satellite Web UI で、管理 > ユーザーグループ に移動して、ユーザーグループの作成 をクリックします。
- 新規ユーザーグループの名前を指定します。外部ユーザーグループのリフレッシュ時にユーザーが自動的に追加されるのを避けるため、ユーザーを選択しないでください。
- ロール タブをクリックし、ユーザーグループに割り当てるロールを選択します。または、管理者 のチェックボックスを選択して、利用可能なすべてのパーミッションを割り当てます。
外部グループ タブで、外部ユーザーグループの追加 をクリックして、認証ソース ドロップダウンメニューから認証ソースを選択します。
名前 フィールドに外部グループの名前を指定します。
- Submit をクリックします。
5.5. LDAP の外部ユーザーグループのリフレッシュ
ユーザーのログイン時にユーザーのグループメンバーシップを自動的に同期するように LDAP ソースを設定するには、認証ソース ページで、ユーザーグループの同期 オプションを選択します。このオプションが選択されていない場合、デフォルトで、LDAP ユーザーグループは、 30 分ごとに LDAP 認証ソースを同期するようにスケジュールされた cron ジョブで自動的にリフレッシュされます。
LDAP 認証ソースのユーザーグループが、次回のスケジュールタスクが実行されるまでの間に変更された場合に、ユーザーが不正な外部ユーザーグループに割り当てられることがあります。これはスケジュールされたタスクの実行時に、自動的に修正されます。
以下の手順を使用して、LDAP ソースを手動でリフレッシュします。
手順
- Satellite web UI で、Administer > Usergroups に移動し、ユーザーグループを選択します。
- External Groups タブで、必要なユーザーグループの右側にある Refresh をクリックします。
CLI 手順
以下のコマンドを入力します。
# foreman-rake ldap:refresh_usergroups
5.6. Red Hat Identity Management または AD の外部ユーザーグループの更新
Red Hat Identity Management または AD ベースの外部ユーザーグループは、グループメンバーが Satellite にログインしたときのみリフレッシュされます。Satellite Web UI で、外部ユーザーグループのユーザーメンバーシップを変更することはできず、このような変更がされた場合には、次のグループリフレッシュ時に上書きされます。
5.7. プロビジョンされたホストの外部認証
以下のセクションを使用して、Red Hat Identity Management レルムサポート用の Satellite Server または Capsule Server を設定します。続いて、Red Hat Identity Management レルムグループにホストを追加します。
前提条件
- Satellite Server をコンテンツ配信ネットワークに登録しておくか、外部の Capsule Server を Satellite Server に登録しておく。
- Red Hat Identity Management などのレルムまたはドメインプロバイダーがデプロイされていること。
Satellite Server または Capsule Server に Identity Management パッケージをインストールして設定するには:
プロビジョニングされたホストに Identity Management を使用するには、次の手順を実行して、Satellite Server または Capsule Server に Identity Management パッケージをインストールおよび設定します。
Satellite Server または Capsule Server に
ipa-client
パッケージをインストールします。# satellite-maintain packages install ipa-client
サーバーを Red Hat Identity Management クライアントとして設定します。
# ipa-client-install
Red Hat Identity Management でレルムプロキシーユーザー
realm-capsule
と、関連のロールを作成します。# foreman-prepare-realm admin realm-capsule
以下の手順で必要となるので、返されたプリンシパル名と、Red Hat Identity Management サーバーの設定情報をメモします。
Red Hat Identity Management レルムサポート用の Red Hat Satellite Server または Capsule Server の設定方法
使用する Satellite お よび全 Capsule で次の手順を実行します。
同じプリンシパルおよびレルムに追加する Capsule Server に、
/root/freeipa.keytab
ファイルをコピーします。# scp /root/freeipa.keytab root@capsule.example.com:/etc/foreman-proxy/freeipa.keytab
/root/freeipa.keytab
ファイルを/etc/foreman-proxy
ディレクトリーに移動して、所有者をforeman-proxy
ユーザーに設定します。# mv /root/freeipa.keytab /etc/foreman-proxy # chown foreman-proxy:foreman-proxy /etc/foreman-proxy/freeipa.keytab
レルムに追加する全 Capsule で、以下のコマンドを入力します。Satelllite に 統合された Capsule を使用する場合には、Satellite Server でこのコマンドを入力します。
# satellite-installer --foreman-proxy-realm true \ --foreman-proxy-realm-keytab /etc/foreman-proxy/freeipa.keytab \ --foreman-proxy-realm-principal realm-capsule@EXAMPLE.COM \ --foreman-proxy-realm-provider freeipa
これらのオプションは、Satellite Server を初めて設定する場合にも使用できます。
ca-certificates パッケージの最新バージョンがインストールされていることを確認し、Red Hat Identity Management 認証局を信頼します。
# cp /etc/ipa/ca.crt /etc/pki/ca-trust/source/anchors/ipa.crt # update-ca-trust enable # update-ca-trust
オプション: 既存の Satellite Server または Capsule Server で Red Hat Identity Management を設定する場合には、以下の手順を実行して、設定の変更が適用されていることを確認します。
foreman-proxy サービスを再起動します。
# systemctl restart foreman-proxy
- Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > Capsules に移動します。
- Red Hat Identity Management 用に設定した Capsule の場所を特定して、アクション コラムのリストから リフレッシュ を選択します。
Red Hat Identity Management 対応のカプセルのレルムの作成方法
統合型または外部の Capsule に Red Hat Identity Management を設定した後に、レルムを作成して、Red Hat Identity Management が設定された Capsule をレルムに追加する必要があります。
手順
- Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > レルム に移動して、レルムの作成 をクリックします。
- 名前 フィールドには、レルムの名前を入力します。
- レルムのタイプ 一覧から、レルムのタイプを選択します。
- Realm Capsule 一覧から、Red Hat Identity Management を設定した Capsule Server を選択します。
- ロケーション タブをクリックして、ロケーション 一覧から、新しいレレムを追加するロケーションを選択します。
- 組織 タブをクリックして、組織 一覧から、新規レルムを追加する組織を選択します。
- Submit をクリックします。
レルム情報でのホストグループの更新
使用するホストグループを、新しいレルム情報で更新する必要があります。
- Satellite web UI で、Configure > Host Groups に移動し、更新するホストグループを選択して、Network タブをクリックします。
- レルム 一覧から、この手順の一部で作成するレルムを選択して 送信 をクリックします。
Red Hat Identity Management ホストグループへのホストの追加
Red Hat Identity Management では、システムの属性に基づいて自動メンバーシップルールをセットアップできます。Red Hat Satellite のレルム機能は、管理者に対し、Red Hat Satellite ホストグループを Red Hat Identity Management パラメーター userclass
にマップする機能を提供します。これにより、管理者は automembership を設定することができます。
ネスト化されたホストグループが使用される場合、それらは Red Hat Satellite ユーザーインターフェイスに表示され、Red Hat Identity Management サーバーに送信されます。たとえば、"Parent/Child/Child" のように表示されます。
Satellite Server または Capsule Server は更新を Red Hat Identity Management サーバーに送信しますが、automembership のルールは、初回登録時にのみ適用されます。
Red Hat Identity Management ホストグループにホストを追加するには、以下を実行します。
Red Hat Identity Management サーバーで、ホストグループを作成します。
# ipa hostgroup-add hostgroup_name --desc=hostgroup_description
automembership
ルールを作成します。# ipa automember-add --type=hostgroup hostgroup_name automember_rule
以下のオプションを使用できる場所:
-
automember-add
は automember グループとしてグループにフラグを立てます。 -
--type=hostgroup
は、ターゲットグループがユーザーグループではなく、ホストグループであることを特定します。 -
automember_rule
は、automember ルールの識別に使用する名前を追加します。
-
userclass
属性に基づいて automembership の条件を定義します。# ipa automember-add-condition --key=userclass --type=hostgroup --inclusive-regex=^webserver hostgroup_name ---------------------------------- Added condition(s) to "hostgroup_name" ---------------------------------- Automember Rule: automember_rule Inclusive Regex: userclass=^webserver ---------------------------- Number of conditions added 1 ----------------------------
以下のオプションを使用できる場所:
-
automember-add-condition
では、グループメンバーを識別する正規表現の条件を追加します。 -
--key=userclass
はキー属性をuserclass
に指定します。 -
--type=hostgroup
は、ターゲットグループがユーザーグループではなく、ホストグループであることを特定します。 -
--inclusive-regex=
^webserver は、正規表現パターンで一致する値を識別します。 - hostgroup_name: ターゲットホストグループの名前を識別します。
-
システムが Satellite Server の hostgroup_name ホストグループに追加されると、そのシステムは、Red Hat Identity Management サーバーの "hostgroup_name" ホストグループに自動的に追加されます。Red Hat Identity Management ホストグループは、HBAC (ホストベースアクセス制御)、sudo ポリシー、およびその他の Red Hat Identity Management 機能を許可します。
5.8. Red Hat Single Sign On 認証を使用した Satellite の設定
Red Hat Single Sign On を外部認証用の OpenID プロバイダーとして使用するように Satellite を設定するには、以下のセクションを使用します。
5.8.1. Red Hat Single Sign On 認証を使用した Satellite の設定時の前提条件
Red Hat Single Sign-On 外部認証を使用して Satellite を設定する前に、以下の要件を満たすようにしてください。
- HTTP ではなく、HTTPS を使用する Red Hat Single Sign On サーバーを正常にインストールしている。
- 管理者権限を持つ Red Hat Single Sign-On アカウント。
- Red Hat Single Sign-On で作成した Satellite ユーザーアカウントのレルム。
- 証明書または CA が自己署名されている場合は、それらがエンドユーザー証明書トラストストアに追加されていることを確認する。
ユーザーが Red Hat Single Sign-On にインポートまたは追加されている。
LDAP や Kerberos などの既存のユーザーデータベースが設定されている場合は、ユーザーのフェデレーションを設定することでユーザーをインポートできます。詳細は、Red Hat Single Sign On サーバー管理ガイドの ユーザーストレージフェデレーション を参照してください。
既存のユーザーデータベースが設定されていない場合は、Red Hat Single Sign-On でユーザーを手作業で作成できます。詳細は、Red Hat Single Sign On サーバー管理ガイドの 新規ユーザーの作成 を参照してください。
5.8.2. Satellite の Red Hat Single Sign-On クライアントとして登録
以下の手順を使用して、Satellite をクライアントとして Red Hat Single Sign-On に登録し、認証ソースとして Red Hat Single Sign-On を使用するように Satellite を設定します。
Satellite と Red Hat Single Sign-On は、2 つの異なる認証方法で設定できます。
- Satellite Web UI を使用した Satellite への認証。
- Satellite CLI を使用した Satellite への認証。
どちらの方法でも、異なる Satellite クライアントを Red Hat Single Sign-On に登録して設定する必要があるため、ユーザーの認証方法を事前に決定する必要があります。この手順では、Red Hat Single Sign-On の Satellite クライアントの登録および設定方法が区別されています。
両認証方法を使用して、どちらのクライアントも適宜設定する場合には、Red Hat Single Sign-On に異なる Satellite クライアントを 2 つ登録することも可能です。
手順
Satellite Server で、以下のパッケージをインストールします。
# satellite-maintain packages install mod_auth_openidc keycloak-httpd-client-install
Satellite をクライアントとして Red Hat Single Sign-On に登録します。Web UI と CLI とでログインの登録プロセスが異なる点に注意してください。Red Hat Single Sign-On に 2 つの Satellite クライアントを登録すると、Web UI と CLI から Satellite にログインできます。
Web UI で Satellite への認証を行う場合は、以下のようにクライアントを作成します。
# keycloak-httpd-client-install --app-name foreman-openidc \ --keycloak-server-url "https://RHSSO.example.com" \ --keycloak-admin-username "admin" \ --keycloak-realm "Satellite_Realm" \ --keycloak-admin-realm master \ --keycloak-auth-role root-admin \ -t openidc -l /users/extlogin --force
プロンプトが表示されたら、管理アカウントのパスワードを入力します。このコマンドは、Red Hat Single Sign On で Satellite のクライアントを作成します。
次に、認証ソースとして Red Hat Single Sign On を使用するように Satellite を設定します。
# satellite-installer --foreman-keycloak true \ --foreman-keycloak-app-name "foreman-openidc" \ --foreman-keycloak-realm "Satellite_Realm"
CLI で Satellite への認証を行う場合は、以下のようにクライアントを作成します。
# keycloak-httpd-client-install --app-name hammer-openidc \ --keycloak-server-url "https://RHSSO.example.com" \ --keycloak-admin-username "admin" \ --keycloak-realm "Satellite_Realm" \ --keycloak-admin-realm master \ --keycloak-auth-role root-admin \ -t openidc -l /users/extlogin --force
プロンプトが表示されたら、管理アカウントのパスワードを入力します。このコマンドは、Red Hat Single Sign On で Satellite のクライアントを作成します。
httpd
サービスを再起動します。# systemctl restart httpd
5.8.3. Red Hat Single Sign-On での Satellite クライアントの設定
以下の手順を使用して、Red Hat Single Sign-On Web UI で Satellite クライアントを設定し、Satellite クライアントのグループおよびオーディエンスマッパーを作成します。
手順
- Red Hat Single Sign-On Web UI で、クライアント に移動し、Satellite クライアントをクリックします。
アクセスタイプを設定します。
- Satellite web UI を使用して Satellite への認証を行うには、アクセスタイプ 一覧から 機密 を選択します。
- CLI を使用して Satellite への認証を行うには、アクセスタイプ 一覧から 公開 を選択します。
有効なリダイレクト URI フィールドに有効なリダイレクト URI を追加します。
Satellite web UI を使用して Satellite への認証を行うには、
https://satellite.example.com/users/extlogin
の形式で URI を入力します。Satellite FQDN の後に/users/extlogin
の文字列を追加する必要があります。この手順の完了後に、Satellite クライアントが Satellite web UI を使用してログインするには以下の 有効なリダイレクト URI が必要です。
https://satellite.example.com/users/extlogin/redirect_uri https://satellite.example.com/users/extlogin
CLI を使用してユーザーが Satellite への認証を行うには、既存の URI の下の空白フィールドに urn:ietf:wg:wg:oauth:2.0:oob を入力します。
この手順の完了後に、Satellite クライアントが CLI を使用してログインするには以下の 有効なリダイレクト URI が必要です。
https://satellite.example.com/users/extlogin/redirect_uri urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob
- Save をクリックします。
- マッパー タブ、作成 の順にクリックし、オーディエンスマッパーを追加します。
- 名前 フィールドに、オーディエンスマッパーの名前を入力します。
- マッパータイプ リストから、オーディエンス を選択します。
- 組み込み済みクライアントオーディエンス リストから、Satellite クライアントを選択します。
- Save をクリックします。
- 作成 をクリックして、グループメンバーシップをもとに Satellite の認証を指定できるようにグループマッパーを追加します。
- 名前 フィールドにグループマッパーの名前を入力します。
- マッパータイプ リストから、グループメンバーシップ を選択します。
- トークンクレーム名 に groups と入力します。
- フルグループパス のトグルを OFF に設定します。
- Save をクリックします。
5.8.4. Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定
このセクションでは、Satellite Web UI または CLI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証用に Satellite を設定します。
5.8.4.1. Web UI を使用した Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定
以下の手順に従って、Satellite Web UI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証向けに Satellite を設定します。
レルム内の https://RHSSO.example.com/auth/realms/Satellite_Realm/.well-known/openid-configuration
の URL に移動し、値を取得して Satellite を設定できる点に留意してください。
前提条件
- Red Hat Single Sign-On Web UI の Satellite クライアントでの アクセスタイプ 設定が 機密 に設定されていることを確認します。
手順
- Satellite Web UI で、管理 > 設定 に移動して、認証 タブをクリックします。
- ログイン委任の認証 の行を見つけ、値 コラムで Yes に値を設定します。
- Authorize login delegation auth source user autocreate 行を見つけ、値 コラムで External に値を設定します。
- Login delegation logout URL の行を見つけ、Value 列で、値を https://satellite.example.com/users/extlogout に設定します。
- OIDC アルゴリズム の行を見つけ、値 コラムで、Red Hat Single Sign On のエンコーティングのアルゴリズムを設定します (例: RS256)。
- OIDC オーディエンス 行を見つけ、値 コラムで、値を Red Hat Single Sign On のクライアント ID に設定します。
- OIDC Issuer 行を見つけ、Value 列で、値を https://RHSSO.example.com/auth/realms/Satellite_Realm に設定します。
- OIDC JWKs URL 行を見つけ、Value 列で、値を https://RHSSO.example.com/auth/realms/Satellite_Realm/protocol/openid-connect/certs に設定します。
- Satellite web UI で、Administer > Authentication Sources に移動し、External をクリックします。
- LDAP 認証ソースの作成 をクリックし、Red Hat Single Sign-On サーバーを選択します。
- 場所 タブをクリックして、Red Hat Single Sign-On 認証ソースを使用できる場所を追加します。
- 組織 タブをクリックして、Red Hat Single Sign-On 認証ソースを使用できる組織を追加します。
- Submit をクリックします。
5.8.4.2. CLI を使用した Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定
以下の手順に従って、Satellite CLI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証向けに Satellite を設定します。
レルム内の https://RHSSO.example.com/auth/realms/Satellite_Realm/.well-known/openid-configuration
の URL に移動し、値を取得して Satellite を設定できる点に留意してください。
前提条件
- Red Hat Single Sign-On Web UI の Satellite クライアントでの アクセスタイプ 設定が 公開 に設定されていることを確認します。
手順
Satellite で、ログイン委任を
true
に設定し、ユーザーが Open IDC プロトコルを使用して認証できるようにします。# hammer settings set --name authorize_login_delegation --value true
ログイン委任のログアウト URL を以下のように設定します。
# hammer settings set --name login_delegation_logout_url \ --value https://satellite.example.com/users/extlogout
Red Hat Single Sign On のエンコーティングのアルゴリズムを設定します (例:
RS256
)。# hammer settings set --name oidc_algorithm --value 'RS256'
-
URL
RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_REALM/.well-known/openid-configuration
を開いて値をメモし、以下のステップのオプションに入力します。 Open IDC オーディエンスに Hammer クライアントの値を追加します。
# hammer settings set --name oidc_audience \ --value "['satellite.example.com-hammer-openidc']"
注記複数の Red Hat Single Sign-On クライアントを Satellite に登録する場合は、以下のように、アレイに全オーディエンスを必ず追加してください。以下に例を示します。
# hammer settings set --name oidc_audience \ --value "['satellite.example.com-foreman-openidc', 'satellite.example.com-hammer-openidc']"
Open IDC 発行者の値を設定します。
# hammer settings set --name oidc_issuer \ --value "RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_Realm"
Open IDC Java Web Token (JWT) の値を設定します。
# hammer settings set --name oidc_jwks_url \ --value "RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_Realm/protocol/openid-connect/certs"
Red Hat Single Sign-On 認証ソースの ID を取得します。
# hammer auth-source external list
ロケーションと組織を設定します。
# hammer auth-source external update --id Authentication Source ID \ --location-ids Location ID --organization-ids Organization ID
5.8.5. Red Hat Single Sign-On を使用した Satellite web UI へのログイン
以下の手順に従って、Red Hat Single Sign-On を使用して Satellite Web UI にログインします。
手順
- ブラウザーで Satellite にログインし、認証情報を入力します。
5.8.6. Red Hat Single Sign-On を使用した Satellite CLI へのログイン
以下の手順に従って、コード付与タイプを使用して Satellite CLI への認証を行います。
手順
コード付与タイプを使用して Satellite CLI への認証を行うには、以下のコマンドを入力します。
# hammer auth login oauth \ --two-factor \ --oidc-token-endpoint 'https://RHSSO.example.com/auth/realms/ssl-realm/protocol/openid-connect/token' \ --oidc-authorization-endpoint 'https://RHSSO.example.com/auth' \ --oidc-client-id 'satellite.example.com-foreman-openidc' \ --oidc-redirect-uri urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob
このコマンドは、サクセスコードの入力を要求します。
- サクセスコードを取得するには、コマンドが返す URL に移動し、必要な情報を提供します。
- Web UI が返すサクセスコードをコピーします。
-
hammer auth login oauth
のコマンドプロンプトに、サクセスコードを入力して Satellite CLI に対して認証を行います。
5.8.7. Red Hat シングルサインオン認証用のグループマッピングの設定
必要に応じて、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) を実装するには、Satellite でグループを作成し、このグループにロールを割り当ててから Active Directory グループを Satellite グループにマッピングします。これにより、Red Hat Single Sign-On の指定のグループに所属する場合には、該当する Satellite グループでログインします。この例では、Active Directory の Satellite-admin ユーザーグループのユーザーを設定し、Satellite で管理者権限を持つユーザーとして認証されるようにします。
手順
- Satellite Web UI で、管理 > ユーザーグループ に移動して、ユーザーグループの作成 ボタンをクリックします。
- 名前 フィールドにユーザーグループの名前を入力します。名前は Active Directory と同じにしないでください。
- 右側の列には、ユーザーおよびユーザーグループを追加しないでください。ロール タブをクリックします。
- 管理 チェックボックスを選択します。
- 外部グループ タブをクリックします。
- 外部ユーザーグループの追加 をクリックします。
- 名前 フィールドに、Active Directory の名前を入力します。
- 一覧から 外部 を選択します。
5.9. TOTP での Red Hat Single Sign On 認証の設定
TOTP カードを使用した外部認証用の OpenID プロバイダーとして Red Hat Single Sign-On を使用するように Satellite を設定するには、以下のセクションを使用します。
5.9.1. Red Hat Single Sign On 認証を使用した Satellite の設定時の前提条件
Red Hat Single Sign-On 外部認証を使用して Satellite を設定する前に、以下の要件を満たすようにしてください。
- HTTP ではなく、HTTPS を使用する Red Hat Single Sign On サーバーを正常にインストールしている。
- 管理者権限を持つ Red Hat Single Sign-On アカウント。
- Red Hat Single Sign-On で作成した Satellite ユーザーアカウントのレルム。
- 証明書または CA が自己署名されている場合は、それらがエンドユーザー証明書トラストストアに追加されていることを確認する。
ユーザーが Red Hat Single Sign-On にインポートまたは追加されている。
LDAP や Kerberos などの既存のユーザーデータベースが設定されている場合は、ユーザーのフェデレーションを設定することでユーザーをインポートできます。詳細は、Red Hat Single Sign On サーバー管理ガイドの ユーザーストレージフェデレーション を参照してください。
既存のユーザーデータベースが設定されていない場合は、Red Hat Single Sign-On でユーザーを手作業で作成できます。詳細は、Red Hat Single Sign On サーバー管理ガイドの 新規ユーザーの作成 を参照してください。
5.9.2. Satellite の Red Hat Single Sign-On クライアントとして登録
以下の手順を使用して、Satellite をクライアントとして Red Hat Single Sign-On に登録し、認証ソースとして Red Hat Single Sign-On を使用するように Satellite を設定します。
Satellite と Red Hat Single Sign-On は、2 つの異なる認証方法で設定できます。
- Satellite Web UI を使用した Satellite への認証。
- Satellite CLI を使用した Satellite への認証。
どちらの方法でも、異なる Satellite クライアントを Red Hat Single Sign-On に登録して設定する必要があるため、ユーザーの認証方法を事前に決定する必要があります。この手順では、Red Hat Single Sign-On の Satellite クライアントの登録および設定方法が区別されています。
両認証方法を使用して、どちらのクライアントも適宜設定する場合には、Red Hat Single Sign-On に異なる Satellite クライアントを 2 つ登録することも可能です。
手順
Satellite Server で、以下のパッケージをインストールします。
# satellite-maintain packages install mod_auth_openidc keycloak-httpd-client-install
Satellite をクライアントとして Red Hat Single Sign-On に登録します。Web UI と CLI とでログインの登録プロセスが異なる点に注意してください。Red Hat Single Sign-On に 2 つの Satellite クライアントを登録すると、Web UI と CLI から Satellite にログインできます。
Web UI で Satellite への認証を行う場合は、以下のようにクライアントを作成します。
# keycloak-httpd-client-install --app-name foreman-openidc \ --keycloak-server-url "https://RHSSO.example.com" \ --keycloak-admin-username "admin" \ --keycloak-realm "Satellite_Realm" \ --keycloak-admin-realm master \ --keycloak-auth-role root-admin \ -t openidc -l /users/extlogin --force
プロンプトが表示されたら、管理アカウントのパスワードを入力します。このコマンドは、Red Hat Single Sign On で Satellite のクライアントを作成します。
次に、認証ソースとして Red Hat Single Sign On を使用するように Satellite を設定します。
# satellite-installer --foreman-keycloak true \ --foreman-keycloak-app-name "foreman-openidc" \ --foreman-keycloak-realm "Satellite_Realm"
CLI で Satellite への認証を行う場合は、以下のようにクライアントを作成します。
# keycloak-httpd-client-install --app-name hammer-openidc \ --keycloak-server-url "https://RHSSO.example.com" \ --keycloak-admin-username "admin" \ --keycloak-realm "Satellite_Realm" \ --keycloak-admin-realm master \ --keycloak-auth-role root-admin \ -t openidc -l /users/extlogin --force
プロンプトが表示されたら、管理アカウントのパスワードを入力します。このコマンドは、Red Hat Single Sign On で Satellite のクライアントを作成します。
httpd
サービスを再起動します。# systemctl restart httpd
5.9.3. Red Hat Single Sign-On での Satellite クライアントの設定
以下の手順を使用して、Red Hat Single Sign-On Web UI で Satellite クライアントを設定し、Satellite クライアントのグループおよびオーディエンスマッパーを作成します。
手順
- Red Hat Single Sign-On Web UI で、クライアント に移動し、Satellite クライアントをクリックします。
アクセスタイプを設定します。
- Satellite web UI を使用して Satellite への認証を行うには、アクセスタイプ 一覧から 機密 を選択します。
- CLI を使用して Satellite への認証を行うには、アクセスタイプ 一覧から 公開 を選択します。
有効なリダイレクト URI フィールドに有効なリダイレクト URI を追加します。
Satellite web UI を使用して Satellite への認証を行うには、
https://satellite.example.com/users/extlogin
の形式で URI を入力します。Satellite FQDN の後に/users/extlogin
の文字列を追加する必要があります。この手順の完了後に、Satellite クライアントが Satellite web UI を使用してログインするには以下の 有効なリダイレクト URI が必要です。
https://satellite.example.com/users/extlogin/redirect_uri https://satellite.example.com/users/extlogin
CLI を使用してユーザーが Satellite への認証を行うには、既存の URI の下の空白フィールドに urn:ietf:wg:wg:oauth:2.0:oob を入力します。
この手順の完了後に、Satellite クライアントが CLI を使用してログインするには以下の 有効なリダイレクト URI が必要です。
https://satellite.example.com/users/extlogin/redirect_uri urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob
- Save をクリックします。
- マッパー タブ、作成 の順にクリックし、オーディエンスマッパーを追加します。
- 名前 フィールドに、オーディエンスマッパーの名前を入力します。
- マッパータイプ リストから、オーディエンス を選択します。
- 組み込み済みクライアントオーディエンス リストから、Satellite クライアントを選択します。
- Save をクリックします。
- 作成 をクリックして、グループメンバーシップをもとに Satellite の認証を指定できるようにグループマッパーを追加します。
- 名前 フィールドにグループマッパーの名前を入力します。
- マッパータイプ リストから、グループメンバーシップ を選択します。
- トークンクレーム名 に groups と入力します。
- フルグループパス のトグルを OFF に設定します。
- Save をクリックします。
5.9.4. Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定
このセクションでは、Satellite Web UI または CLI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証用に Satellite を設定します。
5.9.4.1. Web UI を使用した Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定
以下の手順に従って、Satellite Web UI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証向けに Satellite を設定します。
レルム内の https://RHSSO.example.com/auth/realms/Satellite_Realm/.well-known/openid-configuration
の URL に移動し、値を取得して Satellite を設定できる点に留意してください。
前提条件
- Red Hat Single Sign-On Web UI の Satellite クライアントでの アクセスタイプ 設定が 機密 に設定されていることを確認します。
手順
- Satellite Web UI で、管理 > 設定 に移動して、認証 タブをクリックします。
- ログイン委任の認証 の行を見つけ、値 コラムで Yes に値を設定します。
- Authorize login delegation auth source user autocreate 行を見つけ、値 コラムで External に値を設定します。
- Login delegation logout URL の行を見つけ、Value 列で、値を https://satellite.example.com/users/extlogout に設定します。
- OIDC アルゴリズム の行を見つけ、値 コラムで、Red Hat Single Sign On のエンコーティングのアルゴリズムを設定します (例: RS256)。
- OIDC オーディエンス 行を見つけ、値 コラムで、値を Red Hat Single Sign On のクライアント ID に設定します。
- OIDC Issuer 行を見つけ、Value 列で、値を https://RHSSO.example.com/auth/realms/Satellite_Realm に設定します。
- OIDC JWKs URL 行を見つけ、Value 列で、値を https://RHSSO.example.com/auth/realms/Satellite_Realm/protocol/openid-connect/certs に設定します。
- Satellite web UI で、Administer > Authentication Sources に移動し、External をクリックします。
- LDAP 認証ソースの作成 をクリックし、Red Hat Single Sign-On サーバーを選択します。
- 場所 タブをクリックして、Red Hat Single Sign-On 認証ソースを使用できる場所を追加します。
- 組織 タブをクリックして、Red Hat Single Sign-On 認証ソースを使用できる組織を追加します。
- Submit をクリックします。
5.9.4.2. CLI を使用した Red Hat Single Sign-On 認証用の Satellite オプションの設定
以下の手順に従って、Satellite CLI を使用して Red Hat Single Sign-On 認証向けに Satellite を設定します。
レルム内の https://RHSSO.example.com/auth/realms/Satellite_Realm/.well-known/openid-configuration
の URL に移動し、値を取得して Satellite を設定できる点に留意してください。
前提条件
- Red Hat Single Sign-On Web UI の Satellite クライアントでの アクセスタイプ 設定が 公開 に設定されていることを確認します。
手順
Satellite で、ログイン委任を
true
に設定し、ユーザーが Open IDC プロトコルを使用して認証できるようにします。# hammer settings set --name authorize_login_delegation --value true
ログイン委任のログアウト URL を以下のように設定します。
# hammer settings set --name login_delegation_logout_url \ --value https://satellite.example.com/users/extlogout
Red Hat Single Sign On のエンコーティングのアルゴリズムを設定します (例:
RS256
)。# hammer settings set --name oidc_algorithm --value 'RS256'
-
URL
RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_REALM/.well-known/openid-configuration
を開いて値をメモし、以下のステップのオプションに入力します。 Open IDC オーディエンスに Hammer クライアントの値を追加します。
# hammer settings set --name oidc_audience \ --value "['satellite.example.com-hammer-openidc']"
注記複数の Red Hat Single Sign-On クライアントを Satellite に登録する場合は、以下のように、アレイに全オーディエンスを必ず追加してください。以下に例を示します。
# hammer settings set --name oidc_audience \ --value "['satellite.example.com-foreman-openidc', 'satellite.example.com-hammer-openidc']"
Open IDC 発行者の値を設定します。
# hammer settings set --name oidc_issuer \ --value "RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_Realm"
Open IDC Java Web Token (JWT) の値を設定します。
# hammer settings set --name oidc_jwks_url \ --value "RHSSO.example.com/auth/realms/RHSSO_Realm/protocol/openid-connect/certs"
Red Hat Single Sign-On 認証ソースの ID を取得します。
# hammer auth-source external list
ロケーションと組織を設定します。
# hammer auth-source external update --id Authentication Source ID \ --location-ids Location ID --organization-ids Organization ID
5.9.5. TOTP での Red Hat Single Sign On 認証を使用した Satellite の設定
Time-based One-time Password (TOTP) を使用した外部認証用の OpenID プロバイダーとして Red Hat Single Sign-On を使用するように Satellite を設定するには、以下のセクションを使用します。
手順
- Red Hat Single Sign-On Web UI で、Satellite レルムに移動します。
- Authentication に移動し、OTP Policy タブをクリックします。
- サポートされるアプリケーション フィールドに FreeOTP または Google Authenticator が含まれていることを確認します。
- 要件に合わせて OTP を設定します。
- 必要に応じて、すべてのユーザーのデフォルト認証方法として TOTP 認証を使用する場合は、Flows タブをクリックして OTP Form 設定の右側にある REQUIRED を選択します。
- Required Actions タブをクリックします。
- Configure OTP 行の右側にある Default Action チェックボックスを選択します。
5.9.6. Red Hat Single Sign-On TOTP 認証を使用した Satellite web UI へのログイン
以下の手順に従って、Red Hat Single Sign-On TOTP 認証で Satellite Web UI にログインします。
手順
- Satellite にログインすると、Satellite は Red Hat Single Sign-On のログイン画面にリダイレクトします。
- ユーザー名とパスワードを入力し、ログイン をクリックします。
- 初回ログインの場合には、Red Hat Single Sign-On により、バーコードをスキャンし、表示された暗証番号を入力してクライアントを設定するように求められます。
- クライアントを設定して有効な暗証番号を入力すると、Red Hat Single Sign-On で Satellite にリダイレクト後にログインされます。
5.9.7. Red Hat Single Sign-On を使用した Satellite CLI へのログイン
以下の手順に従って、コード付与タイプを使用して Satellite CLI への認証を行います。
手順
コード付与タイプを使用して Satellite CLI への認証を行うには、以下のコマンドを入力します。
# hammer auth login oauth \ --two-factor \ --oidc-token-endpoint 'https://RHSSO.example.com/auth/realms/ssl-realm/protocol/openid-connect/token' \ --oidc-authorization-endpoint 'https://RHSSO.example.com/auth' \ --oidc-client-id 'satellite.example.com-foreman-openidc' \ --oidc-redirect-uri urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob
このコマンドは、サクセスコードの入力を要求します。
- サクセスコードを取得するには、コマンドが返す URL に移動し、必要な情報を提供します。
- Web UI が返すサクセスコードをコピーします。
-
hammer auth login oauth
のコマンドプロンプトに、サクセスコードを入力して Satellite CLI に対して認証を行います。
5.9.8. Red Hat シングルサインオン認証用のグループマッピングの設定
必要に応じて、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) を実装するには、Satellite でグループを作成し、このグループにロールを割り当ててから Active Directory グループを Satellite グループにマッピングします。これにより、Red Hat Single Sign-On の指定のグループに所属する場合には、該当する Satellite グループでログインします。この例では、Active Directory の Satellite-admin ユーザーグループのユーザーを設定し、Satellite で管理者権限を持つユーザーとして認証されるようにします。
手順
- Satellite Web UI で、管理 > ユーザーグループ に移動して、ユーザーグループの作成 ボタンをクリックします。
- 名前 フィールドにユーザーグループの名前を入力します。名前は Active Directory と同じにしないでください。
- 右側の列には、ユーザーおよびユーザーグループを追加しないでください。ロール タブをクリックします。
- 管理 チェックボックスを選択します。
- 外部グループ タブをクリックします。
- 外部ユーザーグループの追加 をクリックします。
- 名前 フィールドに、Active Directory の名前を入力します。
- 一覧から 外部 を選択します。
5.10. Red Hat Single Sign On 認証の無効化
Satellite で Red Hat Single Sign On 認証を無効化するには、以下の手順を実行します。
手順
Red Hat Single Sign On 認証を無効化するには、以下のコマンドを入力します。
# satellite-installer --reset-foreman-keycloak
第6章 外部サービスでの Satellite Server の設定
Satellite Server で DNS、DHCP、および TFTP サービスを設定しない場合は、外部 DNS、DHCP、および TFTP サービスと連携させる Satellite Server の設定のセクションを使用します。
6.1. 外部 DNS を使用した Satellite Server の設定
外部 DNS を使用して Satellite Server を設定できます。Satellite Server は nsupdate
ユーティリティー−を使用して、リモートサーバーで DNS レコードを更新します。
変更を永続的に保存するには、お使いの環境に適したオプションを指定して、satellite-installer
コマンドを入力する必要があります。
前提条件
- 外部 DNS サーバーが設定されている必要がある。
- このガイドは、既存のインストールがあることを前提としています。
手順
外部 DNS サーバーの
/etc/rndc.key
ファイルを Satellite Server にコピーします。# scp root@dns.example.com:/etc/rndc.key /etc/foreman-proxy/rndc.key
所有者、パーミッション、SELinux コンテキストを設定します。
# restorecon -v /etc/foreman-proxy/rndc.key # chown -v root:foreman-proxy /etc/foreman-proxy/rndc.key # chmod -v 640 /etc/foreman-proxy/rndc.key
nsupdate
ユーティリティーをテストするには、ホストをリモートで追加します。# echo -e "server DNS_IP_Address\n \ update add aaa.example.com 3600 IN A Host_IP_Address\n \ send\n" | nsupdate -k /etc/foreman-proxy/rndc.key # nslookup aaa.example.com DNS_IP_Address # echo -e "server DNS_IP_Address\n \ update delete aaa.example.com 3600 IN A Host_IP_Address\n \ send\n" | nsupdate -k /etc/foreman-proxy/rndc.key
satellite-installer
コマンドを入力して、以下の永続的な変更を/etc/foreman-proxy/settings.d/dns.yml
ファイルに加えます。# satellite-installer --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=false \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate \ --foreman-proxy-dns-server="DNS_IP_Address" \ --foreman-proxy-keyfile=/etc/foreman-proxy/rndc.key
- Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > Capsules に移動します。
- Satellite Server を見つけて、Actions 列のリストから Refresh を選択します。
- DNS サービスに適切なサブネットとドメインを関連付けます。
6.2. 外部 DHCP を使用した Satellite Server の設定
外部の DHCP で Satellite Server を設定するには、以下の手順を実行します。
6.2.1. Satellite Server を使用するための外部 DHCP サーバーの設定
外部の DHCP サーバーを Red Hat Enterprise Linux サーバーの Satellite Server で使用できるように設定するには、ISC DHCP Service と Berkeley Internet Name Domain (BIND) パッケージをインストールする必要があります。また、DHCP 設定とリースフィアルを Satellite Server と共有する必要があります。この手順の例では、分散型の Network File System (NFS) プロトコルを使用して DHCP 設定とリースファイルを共有します。
外部の DHCP サーバーとして dnsmasq を使用する場合には、dhcp-no-override
の設定を有効にします。Satellite は grub2/
サブディレクトリーの配下にある TFTP サーバーに設定ファイルを作成するので、この設定を必ず有効にしてください。dhcp-no-override
設定が無効な場合には、クライアントは root ディからブートローダーと設定をフェッチするのでエラーが発生する可能性があります。
手順
Red Hat Enterprise Linux ホストに、ISC DHCP サービスと Berkeley Internet Name Domain (BIND) パッケージをインストールします。
# dnf install dhcp bind
セキュリティートークンを生成します。
# dnssec-keygen -a HMAC-MD5 -b 512 -n HOST omapi_key
上記のコマンドを実行すると、2 つのファイルで設定されるキーペアが現在のディレクトリーに作成されます。
キーからシークレットハッシュをコピーします。
# cat Komapi_key.+*.private |grep ^Key|cut -d ' ' -f2
すべてのサブネットに対して
dhcpd
設定ファイルを編集し、キーを追加します。以下に例を示します。# cat /etc/dhcp/dhcpd.conf default-lease-time 604800; max-lease-time 2592000; log-facility local7; subnet 192.168.38.0 netmask 255.255.255.0 { range 192.168.38.10 192.168.38.100; option routers 192.168.38.1; option subnet-mask 255.255.255.0; option domain-search "virtual.lan"; option domain-name "virtual.lan"; option domain-name-servers 8.8.8.8; } omapi-port 7911; key omapi_key { algorithm HMAC-MD5; secret "jNSE5YI3H1A8Oj/tkV4...A2ZOHb6zv315CkNAY7DMYYCj48Umw=="; }; omapi-key omapi_key;
option routers
の値は、外部の DHCP サービスと使用する Satellite または Capsule IP アドレスに置き換える点に注意してください。- キーファイルが作成されたディレクトリーから、2 つのキーファイルを削除します。
Satellite Server で各サブネットを定義します。定義済みのサブネットに DHCP Capsule は設定しないでください。
競合を回避するには、リースと予約範囲を別に設定します。たとえば、リース範囲を 192.168.38.10 から 192.168.38.100 に設定した場合には、Satellite Web UI で予約範囲を 192.168.38.101 から 192.168.38.250 に設定します。
DHCP サーバーに外部アクセスできるように、ファイアウォールを設定します。
# firewall-cmd --add-service dhcp \ && firewall-cmd --runtime-to-permanent
Satellite Server で
foreman
ユーザーの UID と GID を指定します。# id -u foreman 993 # id -g foreman 990
DHCP サーバーで、1 つ前の手順で定義した ID と同じ
foreman
ユーザーとグループを作成します。# groupadd -g 990 foreman # useradd -u 993 -g 990 -s /sbin/nologin foreman
設定ファイルにアクセスできるように、読み取りおよび実行フラグを復元します。
# chmod o+rx /etc/dhcp/ # chmod o+r /etc/dhcp/dhcpd.conf # chattr +i /etc/dhcp/ /etc/dhcp/dhcpd.conf
DHCP サービスを有効にして開始します。
# systemctl enable --now dhcpd
NFS を使用して DHCP 設定ファイルおよびリースファイルをエクスポートします。
# dnf install nfs-utils # systemctl enable --now nfs-server
NFS を使用してエクスポートする DHCP 設定ファイルとリースファイルのディレクトリーを作成します。
# mkdir -p /exports/var/lib/dhcpd /exports/etc/dhcp
作成したディレクトリーにマウントポイントを作成するには、以下の行を
/etc/fstab
ファイルに追加します。/var/lib/dhcpd /exports/var/lib/dhcpd none bind,auto 0 0 /etc/dhcp /exports/etc/dhcp none bind,auto 0 0
/etc/fstab
のファイルシステムをマウントします。# mount -a
/etc/exports
に以下の行があることを確認します。/exports 192.168.38.1(rw,async,no_root_squash,fsid=0,no_subtree_check) /exports/etc/dhcp 192.168.38.1(ro,async,no_root_squash,no_subtree_check,nohide) /exports/var/lib/dhcpd 192.168.38.1(ro,async,no_root_squash,no_subtree_check,nohide)
入力する IP アドレスは、外部 DHCP サービスで使用する Satellite または Capsule IP アドレスを指定する点に注意してください。
NFS サーバーをリロードします。
# exportfs -rva
ファイアウォールで DHCP omapi ポート 7911 を設定します。
# firewall-cmd --add-port="7911/tcp" \ && firewall-cmd --runtime-to-permanent
オプション: NFS に外部からアクセスできるようにファイアウォールを設定します。クライアントは NFSv3 を使用して設定します。
# firewall-cmd --zone public --add-service mountd \ && firewall-cmd --zone public --add-service rpc-bind \ && firewall-cmd --zone public --add-service nfs \ && firewall-cmd --runtime-to-permanent
6.2.2. 外部 DHCP サーバーを使用した Satellite Server の設定
外部 DHCP サーバーを使用した Satellite Server を設定できます。
前提条件
- 外部の DHCP サーバーを設定し、Satellite Server と DHCP 設定ファイルとリースファイルを共有していることを確認する。詳細は、「Satellite Server を使用するための外部 DHCP サーバーの設定」 を参照してください。
手順
nfs-utils
パッケージをインストールします。# dnf install nfs-utils
NFS 用の DHCP ディレクトリーを作成します。
# mkdir -p /mnt/nfs/etc/dhcp /mnt/nfs/var/lib/dhcpd
ファイルの所有者を変更します。
# chown -R foreman-proxy /mnt/nfs
NFS サーバーとの通信とリモートプロシージャコール (RPC: Remote Procedure Call) 通信パスを検証します。
# showmount -e DHCP_Server_FQDN # rpcinfo -p DHCP_Server_FQDN
/etc/fstab
ファイルに以下の行を追加します。DHCP_Server_FQDN:/exports/etc/dhcp /mnt/nfs/etc/dhcp nfs ro,vers=3,auto,nosharecache,context="system_u:object_r:dhcp_etc_t:s0" 0 0 DHCP_Server_FQDN:/exports/var/lib/dhcpd /mnt/nfs/var/lib/dhcpd nfs ro,vers=3,auto,nosharecache,context="system_u:object_r:dhcpd_state_t:s0" 0 0
/etc/fstab
でファイルシステムをマウントします。# mount -a
foreman-proxy
ユーザーがネットワークで共有したファイルにアクセスできることを確認するには、DHCP 設定ファイルとリースファイルを表示します。# su foreman-proxy -s /bin/bash bash-4.2$ cat /mnt/nfs/etc/dhcp/dhcpd.conf bash-4.2$ cat /mnt/nfs/var/lib/dhcpd/dhcpd.leases bash-4.2$ exit
satellite-installer
コマンドを入力して、以下の永続的な変更を/etc/foreman-proxy/settings.d/dhcp.yml
ファイルに加えます。# satellite-installer --foreman-proxy-dhcp=true \ --foreman-proxy-dhcp-provider=remote_isc \ --foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc-dhcp-config /mnt/nfs/etc/dhcp/dhcpd.conf \ --foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc-dhcp-leases /mnt/nfs/var/lib/dhcpd/dhcpd.leases \ --foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc-key-name=omapi_key \ --foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc-key-secret=jNSE5YI3H1A8Oj/tkV4...A2ZOHb6zv315CkNAY7DMYYCj48Umw== \ --foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc-omapi-port=7911 \ --enable-foreman-proxy-plugin-dhcp-remote-isc \ --foreman-proxy-dhcp-server=DHCP_Server_FQDN
- DHCP サービスに適切なサブネットとドメインを関連付けます。
6.3. 外部 TFTP での Satellite Server の設定
外部 TFTP サービスを使用して Satellite Server を設定できます。
手順
NFS 用に TFTP ディレクトリーを作成します。
# mkdir -p /mnt/nfs/var/lib/tftpboot
/etc/fstab
ファイルで以下の行を追加します。TFTP_Server_IP_Address:/exports/var/lib/tftpboot /mnt/nfs/var/lib/tftpboot nfs rw,vers=3,auto,nosharecache,context="system_u:object_r:tftpdir_rw_t:s0" 0 0
/etc/fstab
のファイルシステムをマウントします。# mount -a
satellite-installer
コマンドを入力して、以下の永続的な変更を/etc/foreman-proxy/settings.d/tffp.yml
ファイルに加えます。# satellite-installer --foreman-proxy-tftp=true \ --foreman-proxy-tftp-root /mnt/nfs/var/lib/tftpboot
DHCP サービスとは異なるサーバーで TFTP サービスを実行している場合は、TFTP サービスを実行するサーバーの FQDN または IP アドレスに、
tftp_servername
設定を更新します。# satellite-installer --foreman-proxy-tftp-servername=TFTP_Server_FQDN
- Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > Capsules に移動します。
- Satellite Server を見つけて、Actions 列のリストから Refresh を選択します。
- TFTP サービスに適切なサブネットとドメインを関連付けます。
6.4. 外部 IdM DNS を使用した Satellite Server の設定
Satellite Server がホストの DNS レコードを追加する時には、まずどの Capsule が対象のドメインに DNS を提供しているかを判断します。次に、デプロイメントに使用する DNS サービスを提供するように設定された Capsule と通信し、レコードを追加します。ホストはこのプロセスには関与しません。そのため、IdM サーバーを使用して管理するドメインに DNS サービスを提供するように設定された Satellite または Capsule に IdM クライアントをインストールし、設定する必要があります。
Satellite Server は、 Red Hat Identity Management (IdM) サーバーを使って DNS サービスを提供するように設定できます。Red Hat Identity Management の詳細は、Linux Domain Identity, Authentication, and Policy Guide を参照してください。
Red Hat Identity Management (IdM) サーバーを使用して DNS サービスを提供するように Satellite Server を設定するには、以下の手順のいずれかを使用します。
内部 DNS サービスに戻すには、次の手順を使用します。
DNS の管理に、Satellite Server を使用する必要はありません。Satellite のレルム登録機能を使用しており、プロビジョニングされたホストが自動的に IdM に登録されている場合は、ipa-client-install
スクリプトでクライアント用に DNS レコードが作成されます。外部の IdM DNS とレルム登録を同時に使用して、Satellite Server を設定することはできません。レルム登録の設定に関する詳細は、「プロビジョンされたホストの外部認証」 を参照してください。
6.4.1. GSS-TSIG 認証を使用した動的 DNS 更新の設定
RFC3645 で定義されている秘密鍵トランザクション (GSS-TSIG) 技術の一般的なセキュリティーサービスアルゴリズムを使用するように IdM サーバーを設定できます。IdM サーバーが GSS-TSIG 技術を使用するように設定するには、Satellite Server のベースオペレーティングシステムに IdM クライアントをインストールする必要があります。
前提条件
- IdM サーバーがデプロイされ、ホストベースのファイアウォールが正確に設定されている。詳細は、Identity Management のインストールガイド の IdM のポート要件 を参照してください。
- IdM サーバーの管理者に問い合わせて、IdM サーバーでゾーンを作成するパーミッションが割り当てられた、IdM サーバーのアカウントを取得する。
- 応答ファイルのバックアップを作成する必要があります。応答ファイルが破損した場合に、元の状態に戻せるように、バックアップを使用できます。詳細は、Satellite Server の設定 を参照してください。
手順
GSS-TSIG 認証で動的 DNS 更新を設定するには、以下の手順を実行します。
IdM サーバーでの Kerberos プリンシパルの作成
IdM 管理者から取得したアカウントの Kerberos チケットを取得します。
# kinit idm_user
IdM サーバーでの認証に使用する Satellite Server の新規 Kerberos プリンシパルを作成します。
# ipa service-add capsule/satellite.example.com
IdM クライアントのインストールおよび設定
デプロイメントの DNS サービスを管理する Satellite または Capsule のベースオペレーティングシステムで
ipa-client
パッケージをインストールします。# satellite-maintain packages install ipa-client
インストールスクリプトとそれに続くプロンプトを実行して、IdM クライアントを設定します。
# ipa-client-install
Kerberos チケットを取得します。
# kinit admin
既存の
keytab
を削除します。# rm /etc/foreman-proxy/dns.keytab
このシステムの
keytab
を取得します。# ipa-getkeytab -p capsule/satellite.example.com@EXAMPLE.COM \ -s idm1.example.com -k /etc/foreman-proxy/dns.keytab
注記サービス中の元のシステムと同じホスト名を持つスタンバイシステムに keytab を追加する際には、
r
オプションを追加します。これにより、新規の認証情報が生成されることを防ぎ、元のシステムの認証情報が無効になります。dns.keytab
ファイルのグループと所有者をforeman-proxy
に設定します。# chown foreman-proxy:foreman-proxy /etc/foreman-proxy/dns.keytab
オプション:
keytab
ファイルが有効であることを確認するには、以下のコマンドを入力します。# kinit -kt /etc/foreman-proxy/dns.keytab \ capsule/satellite.example.com@EXAMPLE.COM
IdM Web UI での DNS ゾーンの設定
管理するゾーンを作成して、設定します。
- Network Services (ネットワークサービス) > DNS > DNS Zones (DNS ゾーン) に移動します。
-
追加 を選択し、ゾーン名を入力します。(例:
example.com
) - Add and Edit をクリックします。
設定タブをクリックして BIND 更新ポリシー ボックスで、以下のようにセミコロン区切りのエントリーを追加します。
grant capsule/047satellite.example.com@EXAMPLE.COM wildcard * ANY;
- Dynamic update を True に設定します。
- Allow PTR sync を有効にします。
- 送信 をクリックして、変更を保存します。
逆引きゾーンを作成して設定します。
- Network Services (ネットワークサービス) > DNS > DNS Zones (DNS ゾーン) に移動します。
- Add をクリックします。
- Reverse zone IP network を選択して、CIDR 形式でネットワークアドレスを追加し、逆引き参照を有効にします。
- Add and Edit をクリックします。
設定 タブの BIND 更新ポリシー ボックスで、以下のようにセミコロン区切りのエントリーを追加します。
grant capsule\047satellite.example.com@EXAMPLE.COM wildcard * ANY;
- Dynamic update を True に設定します。
- 送信 をクリックして、変更を保存します。
ドメインの DNS サービスを管理する Satellite または Capsule Server の設定
satellite-installer
コマンドを使用して、ドメインの DNS サービスを管理するように Satellite または Capsule を設定します。Satellite で以下のコマンドを入力します。
satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=false \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate_gss \ --foreman-proxy-dns-server="idm1.example.com" \ --foreman-proxy-dns-tsig-principal="capsule/satellite.example.com@EXAMPLE.COM" \ --foreman-proxy-dns-tsig-keytab=/etc/foreman-proxy/dns.keytab
Capsule で、以下のコマンドを実行します。
satellite-installer --scenario capsule \ --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=false \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate_gss \ --foreman-proxy-dns-server="idm1.example.com" \ --foreman-proxy-dns-tsig-principal="capsule/satellite.example.com@EXAMPLE.COM" \ --foreman-proxy-dns-tsig-keytab=/etc/foreman-proxy/dns.keytab
satellite-installer
コマンドを実行して Capsule 設定に変更を加えた後に、Satellite Web UI で変更のある Capsule ごとに設定を更新する必要があります。
Satellite Web UI での設定更新
- Satellite Web UI で、Infrastructure > Capsules に移動し、Satellite Server を見つけて、Actions 列のリストから Refresh を選択します。
ドメインを設定します。
- Satellite Web UI で、Infrastructure > Domains に移動し、ドメイン名を選択します。
- ドメイン タブで、DNS Capsule が、サブネットが接続されている Capsule に設定されていることを確認します。
サブネットを設定します。
- Satellite Web UI で、Infrastructure > Subnets に移動し、サブネット名を選択します。
- サブネット タブで、IPAM を None に設定します。
- ドメイン タブで、IdM サーバーを使用して管理するドメインを選択します。
- Capsules タブで、Reverse DNS Capsule が、サブネットが接続されている Capsule に設定されていることを確認します。
- 送信 をクリックして変更を保存します。
6.4.2. TSIG 認証を使用した動的 DNS 更新の設定
IdM サーバーが DNS (TSIG) テクノロジーの秘密鍵トランザクション認証を使用するように設定できます。このテクノロジーは、認証に rndc.key
キーファイルを使用します。TSIG プロトコルについては RFC2845 に定義されています。
前提条件
- IdM サーバーがデプロイされ、ホストベースのファイアウォールが正確に設定されている。詳細は Linux Domain Identity, Authentication, and Policy Guide の Port Requirements を参照してください。
-
IdM サーバーで
root
権限を取得する必要があります。 - デプロイメントに DNS サービスを提供するように Satellite Server または Capsule Server が設定されていることを確認する。
- デプロイメントの DNS サービスを管理する Satellite または Capsule のいずれかのベースオペレーティングシステムで DNS 、DHCP および TFTP サービスを設定する必要がある。
- 応答ファイルのバックアップを作成しておく。応答ファイルが破損した場合に、元の状態に戻せるように、バックアップを使用できます。詳細は、Satellite Server の設定 を参照してください。
手順
TSIG 認証で動的 DNS 更新を設定するには、以下の手順を実行します。
IdM サーバーの DNS ゾーンに対する外部更新の有効化
IdM サーバーで、以下の内容を
/etc/named.conf
ファイルの先頭に追加します。######################################################################## include "/etc/rndc.key"; controls { inet _IdM_Server_IP_Address_ port 953 allow { _Satellite_IP_Address_; } keys { "rndc-key"; }; }; ########################################################################
named
サービスをリロードして、変更を有効にします。# systemctl reload named
IdM Web UI で、ネットワークサービス > DNS > DNS ゾーン に移動して、ゾーンの名前をクリックします。設定 タブで、以下の変更を適用します。
BIND update policy (BIND 更新ポリシー)
ボックスで以下の内容を追加します。grant "rndc-key" zonesub ANY;
- Dynamic update を True に設定します。
- 更新 をクリックして変更を保存します。
IdM サーバーから Satellite Server のベースオペレーティングシステムに
/etc/rndc.key
ファイルをコピーします。以下のコマンドを入力します。# scp /etc/rndc.key root@satellite.example.com:/etc/rndc.key
rndc.key
ファイルに適切な所有者、パーミッション、SELinux コンテキストを設定するには、以下のコマンドを入力します。# restorecon -v /etc/rndc.key # chown -v root:named /etc/rndc.key # chmod -v 640 /etc/rndc.key
foreman-proxy
ユーザーは、手動でnamed
グループに割り当てます。通常、satellite-installer はforeman-proxy
ユーザーがnamed
UNIX グループに所属させますが、今回のシナリオでは、Satellite でユーザーとグループを管理していないので、foreman-proxy
ユーザーをnamed
グループに手作業で割り当てる必要があります。# usermod -a -G named foreman-proxy
Satellite Server で以下の
satellite-installer
コマンドを入力して、Satellite が外部の DNS サーバーを使用するように設定します。# satellite-installer --scenario satellite \ --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=false \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate \ --foreman-proxy-dns-server="IdM_Server_IP_Address" \ --foreman-proxy-keyfile=/etc/rndc.key \ --foreman-proxy-dns-ttl=86400
IdM サーバーの DNS ゾーンに対する外部更新のテスト
Satellite Server 上の
/etc/rndc.key
ファイルのキーが IdM サーバーで使用されているキーファイルと同じであることを確認します。key "rndc-key" { algorithm hmac-md5; secret "secret-key=="; };
Satellite Server で、ホストのテスト DNS エントリーを作成します。(例:
192.168.25.1
の IdM サーバーに、192.168.25.20
の A レコードを指定したtest.example.com
ホストなど)# echo -e "server 192.168.25.1\n \ update add test.example.com 3600 IN A 192.168.25.20\n \ send\n" | nsupdate -k /etc/rndc.key
Satellite Server で、DNS エントリーをテストします。
# nslookup test.example.com 192.168.25.1 Server: 192.168.25.1 Address: 192.168.25.1#53 Name: test.example.com Address: 192.168.25.20
- IdM Web UI でエントリーを参照するために、Network Services (ネットワークサービス) > DNS > DNS Zones (DNS ゾーン) に移動します。ゾーンの名前をクリックし、名前でホストを検索します。
正常に解決されたら、テスト DNS エントリーを削除します。
# echo -e "server 192.168.25.1\n \ update delete test.example.com 3600 IN A 192.168.25.20\n \ send\n" | nsupdate -k /etc/rndc.key
DNS エントリーが削除されたことを確認します。
# nslookup test.example.com 192.168.25.1
レコードが正常に削除されている場合は、上記の
nslookup
コマンドが失敗し、SERVFAIL
エラーメッセージを返します。
6.4.3. 内部 DNS サービス使用への復元
Satellite Server および Capsule Server を DNS プロバイダーとして使用するように戻すことができます。外部の DNS を設定する前に作成した応答ファイルのバックアップを使用するか、応答ファイルのバックアップを作成します。アンサーファイルに関する詳細は、Satellite Server の設定 を参照してください。
手順
ドメインの DNS サーバーを管理するように設定する Satellite または Capsule Server で、以下の手順を実行します。
DNS サーバーとしての Satellite または Capsule の設定
外部の DNS を設定する前に応答ファイルのバックアップを作成済みの場合には、応答ファイルを復元して、
satellite-installer
コマンドを入力します。# satellite-installer
応答ファイルの適切なバックアップがない場合には、ここで応答ファイルのバックアップを作成します。応答ファイルを使用せずに Satellite または Capsule を DNS サーバーとして設定するには、Satellite と Capsule で、以下の
satellite-installer
コマンドを入力します。# satellite-installer \ --foreman-proxy-dns=true \ --foreman-proxy-dns-managed=true \ --foreman-proxy-dns-provider=nsupdate \ --foreman-proxy-dns-server="127.0.0.1"
詳細は、Capsule Server での DNS、DHCP、および TFTP の設定 を参照してください。
satellite-installer
コマンドを実行して Capsule 設定に変更を加えた後に、Satellite Web UI で変更のある Capsule ごとに設定を更新する必要があります。
Satellite Web UI での設定更新
- Satellite Web UI で、インフラストラクチャー > Capsules に移動します。
- 更新する各 Capsule で、アクション リストから リフレッシュ を選択します。
ドメインを設定します。
- Satellite Web UI で、Infrastructure > Domains に移動し、設定するドメイン名をクリックします。
- ドメイン タブで、DNS Capsule を、サブネットの接続先の Capsule に設定します。
サブネットを設定します。
- Satellite Web UI で、Infrastructure > Subnets に移動し、サブネット名を選択します。
- サブネット タブで、IPAM を DHCP または Internal DB に設定します。
- ドメイン タブで、Satellite または Capsule で管理するドメインを選択します。
- Capsules タブで、Reverse DNS Capsule を、サブネットの接続先の Capsule に設定します。
- 送信 をクリックして変更を保存します。
付録A Red Hat Satellite へのカスタム設定の適用
satellite-installer
を使用して初めて Satellite をインストールし、設定する場合には、--foreman-proxy-dns-managed=false
と --foreman-proxy-dhcp-managed=false
のインストーラーフラグを使用して、DNS および DHCP 設定ファイルが Puppet で管理されないように指定してください。これらのフラグがインストーラーの初回実行時に指定されていない場合には、アップグレードの目的で再実行する場合など、インストーラーを再実行すると、手動で変更した内容がすべて上書きされます。変更が上書きされた場合には、復元の手順を実行して手動の変更を復元する必要があります。詳細は、Puppet 実行で上書きされた手動変更の復元 を参照してください。
カスタム設定に利用可能なすべてのインストーラーフラグを表示するには、satellite-installer --scenario satellite --full-help
を実行します。Puppet クラスには、Satellite インストーラーに公開されていないものもあります。これらのクラスを手動で管理して、インストーラーが値を上書きしないようにするには、設定ファイル /etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
にエントリーを追加して設定値を指定します。この設定ファイルは YAML 形式で、<puppet class>::<parameter name>: <value>
という形式を 1 行あたり 1 エントリーで記入します。このファイルで指定した設定値は、インストーラーを再起動しても維持されます。
一般的な例を示します。
Apache で ServerTokens ディレクティブが製品名のみを返すように設定するには、以下のようにします。
apache::server_tokens: Prod
Apache サーバー署名をオフにするには、以下のようにします。
apache::server_signature: Off
Satellite インストーラー用の Puppet モジュールは、/usr/share/foreman-installer/modules
に保存されています。クラス、パラメーター、および値を調べるには、.pp
ファイル (例: moduleName/manifests/example.pp) を確認してください。別の方法では、grep
コマンドでキーワード検索を実行します。
値の設定によっては、Red Hat Satellite のパフォーマンスや機能に影響が出る意図しない結果がもたらされる場合があります。設定を適用する前に変更の影響を考慮して、実稼働以外の環境で最初に変更をテストしてください。実稼働以外の Satellite 環境がない場合は、Satellite インストーラーを --noop
と --verbose
のオプションを追加して実行します。変更によって問題が発生する場合は、該当箇所を custom-hiera.yaml
から削除し、Satellite インストーラーを再実行します。特定の値を変更することが安全かどうかを確認する場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。
付録B Puppet 実行で上書きされた手動変更の復元
Puppet 実行で手動による設定が上書きされた場合でも、ファイルを元の状態に戻すことができます。以下の例では、Puppet 実行で上書きされた DHCP 設定ファイルを復元します。
手順
復元するファイルをコピーします。こうすることで、アップグレードに必要な変更があるか、ファイル間で比較できます。これは DNS や DHCP サービスでは一般的ではありません。
# cp /etc/dhcp/dhcpd.conf /etc/dhcp/dhcpd.backup
ログファイルを確認して、上書きされたファイルの md5sum をメモします。以下に例を示します。
# journalctl -xe ... /Stage[main]/Dhcp/File[/etc/dhcp/dhcpd.conf]: Filebucketed /etc/dhcp/dhcpd.conf to puppet with sum 622d9820b8e764ab124367c68f5fa3a1 ...
上書きされたファイルを復元します。
# puppet filebucket restore --local --bucket \ /var/lib/puppet/clientbucket /etc/dhcp/dhcpd.conf \ 622d9820b8e764ab124367c68f5fa3a1
- バックアップしたファイルと復元されたファイルを比べます。復元されたファイルに、アップグレードに必要な変更を追加します。