第11章 Convert2RHEL を使用した Red Hat Enterprise Linux へのホストの変換

Convert2RHEL は、既存のアプリケーションおよび設定を保持しつつ、Red Hat Enterprise Linux 系ディストリビューションを、サポート可能な Red Hat Enterprise Linux 状態に変換できるようにします。

この変換プロセスは、システム上のすべての RPM パッケージが置き換えられる Red Hat Enterprise Linux のマイナーリリースアップグレードと似ています。サードパーティーパッケージおよび Red Hat 以外のパッケージは、Red Hat Enterprise Linux では利用できません。

以下を変換することができます。

  • CentOS 7 から Red Hat Enterprise Linux 7 へ
  • Oracle 7 から Red Hat Enterprise Linux 7 へ
  • CentOS 8 から Red Hat Enterprise Linux 8 へ
  • Oracle 8 から Red Hat Enterprise Linux 8 へ

バージョン 7 パッケージを Red Hat Enterprise Linux 8 に変換したり、バージョン 8 パッケージを Red Hat Enterprise Linux 7 に変換したりすることはできません。

Convert2RHEL は、ロゴなどの不要なパッケージや変換中に問題を引き起こすパッケージを削除し、CentOS-release パッケージまたは Oracle-release パッケージを rhel-release パッケージに置き換えます。こうすることで、システムを Red Hat Satellite にサブスクライブして、CentOS または Oracle で署名されている全パッケージが置き換えられます。Satellite の場合は、システムを Red Hat Subscription Management にも登録します。

この作業にかかる時間は、置き換えが必要なパッケージの数、ネットワークの速度、ストレージの速度などの変数によって異なります。

グローバル登録テンプレートを使用して、変換前にシステムを登録し、サブスクライブします。詳細は、Managing Hosts ガイドの Registering a Host to Red Hat Satellite Using the Global Registration Template を参照してください。

プロセスの一部は、ホストまたはホストグループに割り当てられた redhat.satellite.convert2rhel ロールを使用して実行できます。Ansible ロールは、データ (つまり、ホスト変換に必要なリポジトリー、証明書、アクティベーションキー、およびホストグループを準備します。このロールにより、7Server リリースと x86_64 アーキテクチャーを備えた rhel-7-server-rpms リポジトリー、および rhel-8-for-x86_64-baseos-rpmsrhel-8-for-x86_64-appstream-rpms が有効になります。

Ansible ロールを使用して Convert2RHEL プロセスを自動化すると、アクティベーションキーが生成されます。

convert2RHEL でホストを Red Hat Enterprise Linux に変換するには、以下の手順を実行する必要があります。

前提条件

  • RHEL 変換の準備に記載されている手順を完了している。
  • 組織 ID とアクティベーションキーを指定してシステムを登録してサブスクライブする場合: Red Hat Satellite にアクティベーションキーを作成している。Satellite では、Subscription Manager でアクティベーションキーを作成することもできます。詳細は、本書のアクティベーションキーの管理および Subscription Manager ドキュメントのアクティベーションキーについてを参照してください。
  • サブスクリプションマニフェストを Satellite にアップロードし、変換用の Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションが十分にあることを確認します。
  • 組織 ID とアクティベーションキーを指定してシステムを登録してサブスクライブする場合: Satellite にアクティベーションキーを作成している。詳細は、本書のアクティベーションキーの管理および Subscription Manager ドキュメントのアクティベーションキーについてを参照してください。
  • サブスクリプションマニフェストを Satellite にアップロードし、変換用の Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションが十分にあることを確認します。

    マニフェストは、ロールが正しく機能するために有効なすべてのコンテンツへのアクセスを提供します。マニフェストをダウンロードして、正しいフォルダーに配置できます。サブスクリプションマニフェストは、Ansible ターゲットホスト上の指定されたパスから取得されます。オプションで、提供されたログイン認証情報とマニフェスト UUID を使用して、RHSM ポータルから最初にフェッチできます。指定した組織にアップロードされます。

  • Satellite Server で Red Hat Enterprise Linux パッケージにアクセスする場合は、組織 ID とアクティベーションキーを使用して convert2rhel コマンドを実行する必要があります。

11.1. Convert2RHEL Ansible ロールと変数のインポート

使用するには、Ansible ロールをインポートしておく必要があります。まだ行っていない場合は、次の手順で Ansible ロールをインポートして割り当てます。

手順

  1. Satellite Web UI で、設定 > ロール に移動します。
  2. Ansible ロールをインポートしていない場合は、インポート元ボタンをクリックします。
  3. ロールページには、Ansible のロールが表示されます。
  4. すべて選択 チェックボックスをオンにします。
  5. 送信 をクリックして、ロールをインポートします。