1.2. ネットワークブートのプロビジョニングワークフロー

PXE ブートは、物理または仮想ホストの起動デバイスの順序として、1 番目がネットワーク、2 番目がハードドライブに設定されていることが前提です。

プロビジョニングプロセスは、基本的な PXE のワークフローに従います。

  1. ホストを作成して、ドメインとサブネットを選択します。Satellite は、サブネットに関連付けられている DHCP Capsule Server、または Satellite の PostSQL データベースから、利用可能な IP アドレスを要求します。次に、Satellite は、この IP アドレスを Create Host ウィンドウの IP address フィールドに投入します。新しいホストのオプションをすべて入力したら、新しいホストリクエストを送信します。
  2. ホストとそのドメインおよびサブネットの設定仕様に応じて、Satellite は次の設定を作成します。

    • サブネットに関連付けられた Capsule Server の DHCP レコード
    • ドメインに関連付けられた Capsule Server の正引き DNS レコード
    • サブネットに関連付けられた DNS Capsule Server の逆引き DNS レコード
    • サブネットが関連付けられた TFTP Capsule Server にあるホストの PXELinux、Grub、Grub2、iPXE 設定ファイル
    • 関連する Puppet サーバーの Puppet 証明書
    • 関連付けられた ID サーバーのレルム
  3. 新規ホストが DHCP サーバーから DHCP 予約を要求します。
  4. DHCP サーバーは予約要求に応答し、TFTP の next-serverfilename オプションを返します。
  5. ホストは、PXELoader の設定をもとに、TFTP サーバーからブートローダーやメニューを要求します。
  6. ブートローダーは TFTP 経由で返されます。
  7. ブートローダーはプロビジョニングインターフェイスの MAC アドレスを介してホストの設定を取得します。
  8. ブートローダーはオペレーティングシステムのインストーラーカーネル、初期 RAM ディスク、およびブートパラメーターを取得します。
  9. インストーラーは Satellite からプロビジョニングテンプレートを要求します。
  10. Satellite はプロビジョニングテンプレートをレンダリングし、結果をホストに返します。
  11. インストーラーはオペレーティングシステムをインストールします。

    • インストーラーは Red Hat Subscription Manager を使用してホストを Satellite に登録します。
    • インストーラーは katello-agentpuppet などの管理ツールをインストールします。
    • インストーラーは Satellite に対し、postinstall スクリプトで正常なビルドについて通知します。
  12. PXE 設定ファイルはローカルブートテンプレートに戻ります。
  13. ホストは再起動します。
  14. 新規ホストが DHCP サーバーから DHCP 予約を要求します。
  15. DHCP サーバーは予約要求に応答し、TFTP の next-serverfilename オプションを返します。
  16. ホストは、PXELoader の設定をもとに、TFTP サーバーからブートローダーやメニューを要求します。
  17. ブートローダーは TFTP 経由で返されます。
  18. ブートローダーはプロビジョニングインターフェイスの MAC アドレスを介してホストの設定をフェッチします。
  19. ブートローダーはローカルドライブから起動を開始します。
  20. ホストで Puppet クラスを使用するように設定している場合は、ホストはモジュールを使用して設定を行います。

ワークフローはカスタムのオプションにより異なります。以下に例を示します。

検出
検出サービスを使用している場合は、Satellite は新規ホストの MAC アドレスを自動的に検出し、要求の送信後にホストを再起動します。Satellite でホストを再起動できるように、ホストのアタッチ先の Capusule から TCP ポート 8443 にアクセスできなければならないことに注意してください。
PXE なしのプロビジョニング
新規ホストの要求の送信後に、Satellite Server からダウンロードして、ホストの USB ポートを使用して転送したブートディスクで特定のホストを起動する必要があります。
コンピュートリソース

Satellite は仮想マシンを作成して、MAC アドレスを取得し、Satellite にその MAC アドレスを保存します。イメージベースのプロビジョニングを使用する場合は、ホストは、標準の PXE ブートやオペレーティングシステムのインストールを行うわけではありません。コンピュートリソースは、使用するホストのイメージのコピーを作成します。Satellite のイメージ設定に合わせて、cloud-init を使用するなど、シードデータを初期設定用に渡すことができます。Satellite は、SSH を使用してホストに接続し、テンプレートを実行してカスタマイズを完了できます。

注記

デフォルトでは、プロビジョニングされたプロファイルホストを Satellite から削除しても、外部コンピューティングリソース上の実際の仮想マシンは破棄されません。Satellite でホストエントリーを削除するときに仮想マシンを破棄するには、Administer > Settings > Provisioning に移動し、destroy_vm_on_host_delete 設定を使用してこの動作を設定します。関連付けられた仮想マシンを破棄せず、後で同じリソース名で新しい仮想マシンを作成しようとすると、その仮想マシン名が外部コンピューティングリソースにすでに存在するため、失敗します。すでにプロビジョニングされているホストに使用する標準のホスト登録ワークフローを使用して、既存の仮想マシンを Satellite に登録できます。