第7章 セキュリティーコンプライアンスの管理

セキュリティーコンプライアンス管理は、セキュリティーポリシーの定義、それらのポリシーへのコンプライアンスの監査、およびコンプライアンス違反のインスタンスの解決などを行う継続的なプロセスです。コンプライアンス違反は、組織の設定管理ポリシーに基づいて管理されます。セキュリティーポリシーは、ホスト固有のものから業界共通のものまでに及ぶため、ポリシー定義には柔軟性が必要になります。

7.1. セキュリティーコンテンツの自動化プロトコル

Satellite 6 では、Security Content Automation Protocol (SCAP) を使ってセキュリティー設定ポリシーを定義します。たとえば、セキュリティーポリシーは、Red Hat Enterprise Linux を実行するホストの場合に SSH 経由のログインを root アカウントに許可しないように指定することが可能です。Satellite 6 では、マネージドの全ホストについて、コンプライアンスの監査とレポーティングをスケジュールすることができます。SCAP についての詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 Security Guide を参照してください。

7.1.1. SCAP コンテンツ

SCAP コンテンツは、ホストのチェックに使用される設定およびセキュリティーベースラインが含まれるデータストリーム形式のコンテンツです。チェックリストは extensible checklist configuration description format (XCCDF) および open vulnerability and assessment language (OVAL) の脆弱性に記述されます。ルール とも呼ばれるチェックリスト項目は、システム項目の必要な設定を表します。たとえば、どのユーザーも root ユーザーアカウントを使用して SSH 経由でホストにログインできないように指定することができます。ルールは 1 つ以上のプロファイルに分類でき、複数のプロファイルで 1 つのルールを共有できるようにすることができます。SCAP コンテンツはルールとプロファイルの両方で設定されています。

SCAP コンテンツは、作成することも、ベンダーから取得することも可能です。サポート対象のプロファイルは、Red Hat Enterprise Linux の scap-security-guide パッケージで提供されます。SCAP コンテンツの作成については本ガイドで扱いませんが、独自のコンテンツをダウンロード、デプロイ、変更、作成する方法については、Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド を参照してください。

Satellite 6 の OpenSCAP コンポーネントとともに提供されるデフォルトの SCAP コンテンツは、Red Hat Enterprise Linux のバージョンによって異なります。Red Hat Enterprise Linux 7 には、Red Hat Enterprise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 の両方のコンテンツがインストールされます。

7.1.2. XCCDF プロファイル

XCCDF プロファイルは、ホストまたはホストグループの評価に使用されるチェックリストです。プロファイルは、業界標準またはカスタム標準への準拠を確認するために作成されます。

Satellite 6 で提供されるプロファイルは、OpenSCAP project から取得できます。

7.1.2.1. 利用可能な XCCDF プロファイルのリスト表示

Satellite UI で、利用可能な XCCD プロファイルをリスト表示します。

手順

  • ホスト > SCAP コンテンツ に移動します。