Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat Satellite
8.3. エクスポートを使用した同期
Red Hat Satellite Exporter (
rhn-satellite-exporter
) ツールでは、コンテンツのリストを XML 形式でエクスポートでき、ユーザーはこれを別の Red Hat Satellite にインポートできます。-d
オプションを付けて、選択したディレクトリーにコンテンツをエクスポートし、このディレクトリーを別の Red Hat Satellite に転送してから Satellite Synchronization Tool を使ってコンテンツをインポートします。この結果、これら 2 つの Red Hat Satellite は同期され、同一のコンテンツを含むことになります。
Red Hat Satellite Exporter が提供するコンテンツは以下の通りです。
- チャンネルのファミリー
- アーキテクチャー
- チャンネルのメタデータ
- ブラックリスト
- RPM
- RPM のメタデータ
- エラータ
- キックスタート
Red Hat Satellite Exporter によるエクスポートを行う場合は、以下の前提条件を満たす必要があります。
- Red Hat Satellite が正常にインストールされていること。
--dir
オプションで指定したディレクトリーに十分なディスクスペースがあること。このディレクトリーにはエクスポートされたコンテンツが収納されます。
8.3.1. エクスポートの実行
現在の Red Hat Satellite 設定をバックアップまたはストレージソリューションにエクスポートするには、
root
で以下のコマンドを実行します。
# rhn-satellite-exporter -d /var/rhn-sat-export --no-errata --channel [channel_name]
エクスポートが終了したら、
rsync
または scp -r
を使ってそのエクスポートされたディレクトリーを別の Red Hat Satellite またはストレージソリューションに移動します。
Red Hat Satellite Exporter には複数のコマンドラインオプションがあります。これらを使用する場合は、
rhn-satellite-exporter
コマンドの後にオプションと適切な値を挿入します。すべての利用可能なオプションとその意味については、rhn-satellite-exporter
を参照してください。
RPM、エラータ、キックスタートなど、コマンドラインオプションを使ってエクスポートするコンテンツを選択します。
rhn-satellite-exporter
でデータをエクスポートする時間は、エクスポートするチャンネルの数とサイズによって異なります。--no-packages
、--no-kickstarts
、--no-errata
、--no-rpms
などのオプションを使用すると、rhn-satellite-exporter
の実行に必要な時間は短縮できますが、役に立つ可能性のある情報がエクスポートされないことがあります。このため、これらオプションの使用は、特定のコンテンツが必要なく、除外できることが明確に分かっている場合に限定してください。またデータをインポートする場合は、一致するオプションを cdn-sync
にも使用します。たとえば、rhn-satellite-exporter
に --no-kickstarts
を付けて使用した場合は、データをインポートする場合にも --no-kickstarts
オプションを指定します。
Red Hat Network ベースチャンネルをエクスポートする場合、そのベースチャンネルに関連付けられているツールチャンネルのエクスポートも必ず行ってください。ツールチャンネルには自動キックスタートのパッケージが含まれます。このパッケージにより Red Hat Satellite でマシンのキックスタートを行うパッケージがインストールされます。
8.3.2. エクスポートされたデータの移動
次の手順で Red Hat Satellite Exporter のデータがインポート用にローカルシステムにコピーされます。
手順8.3 Exporter コンテンツの移動
root
でマシンにログインします。- このファイル用のディレクトリーを作成します。
# mkdir /var/rhn-sat-import/
- 前のステップでローカルマシン上に作成したディレクトリー内でエクスポートデータが使用できるようにします。データをディレクトリーに直接コピーするか、NFS を使用して別のマシンからデータをマウントします。次のコマンドを使って新しいディレクトリーにデータをコピーします。
# scp -r root@storage.example.com:/var/rhn-sat-export/* /var/rhn-sat-import
これでデータが使用できるようになったので、インポートの実行に進みます。
8.3.3. インポートの実行
以下のプロセスは、ユーザーが 「エクスポートされたデータの移動」 を完了し、すべてのデータを
/var/rhn-sat-import
にコピーしていることを前提としています。
- 以下のコマンドを使用して、インポート可能なチャンネルを一覧表示します。
# satellite-sync --list-channels --mount-point /var/rhn-sat-import
- 上記で一覧表示されたチャンネルラベルを使って特定チャンネルのインポートを開始します。次のコマンドを実行します。
# satellite-sync --channel=[channel-label] --mount-point=/var/rhn-sat-import
注記
パッケージデータのインポートには 1 チャンネルにつき最長 2 時間ほどかかることがあります。Red Hat Satellite の Web インターフェースにチャンネル名が表示され次第、システムをそのチャンネルに登録していきます。登録を行う場合には実際のパッケージは必要ありません。ただし、チャンネルの取り込みが完全に終了するまでは Satellite から更新を取得できません。各チャンネルごとにこの手順を繰り返します。または、以下のように各チャンネルラベル名の先頭に--channel
フラグを付けて全チャンネルを 1 つのコマンドに一度に渡してしまうこともできます。# satellite-sync --channel=channel-label-1 -c channel-label-2 --mount-point=/var/rhn-sat-import
- チャンネルの取り込みが完了するまで続けられます。すべてのパッケージがリポジトリーから移動されていることを次のコマンドで確認します。
# cd /var/rhn-sat-import/; ls -alR | grep rpm
RPM のインストールがすべて完了し、永続的な場所に移動されると、上記のコマンドで返される数値がゼロになります。ゼロになっていれば、/var/rhn-sat-import/
の一時リポジトリーを削除します。# rm -rf /var/rhn-sat-import