Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat Satellite
第11章 RHN から RHSM への移行
Red Hat Network (RHN) の終了時期が近づいており、これは既存の Red Hat Satellite 5 インストールに影響を与えます。すべての Red Hat Enterprise Linux システムでは、それらの登録が Red Hat Subscription Management (RHSM) に移行している必要があります。Satellite 5 インストールの場合、これには Satellite 5 システムの登録が移行され、管理データベースシステムの登録も移行している必要があります。本章では、既存の Red Hat Satellite 5 インストールの RHSM への移行方法について説明します。
Red Hat Satellite 5 では現在、サブスクリプション登録とコンテンツホスティングのために Red Hat Network にアクセスする必要があります。システムが Red Hat Network に登録されている場合は、システム ID が作成されます。システムは Red Hat Network に対してシステム ID で認証され、アップデートとエラータを受け取ったり、コンテンツを同期したりすることができるようになります。有効なシステム ID がないと、システムはアップデートを受け取ったり、コンテンツを同期したりできません。
RHN が終了する前に、Satellite 5 システムの登録を RHSM に移行する必要があります。システムが RHN から RHSM に移行している場合、システム ID は削除され、サブスクリプション管理 UUID に置き換えられます。登録が RHSM に移行されている Satellite 5 システムは引き続き RHN とコンテンツを同期します。
Red Hat Satellite 5 は、複数の構成 (組み込みデータベース、管理データベース、および外部データベース) のいずれかでインストールできます。すべての構成では、Satellite 5 ホストの登録を移行する必要があります。管理データベース の構成では、管理データベースホストが RHN で登録されている場合、管理データベースホストの登録も移行する必要があります。管理データベースホストが Satellite サーバーに登録されている場合、サブスクリプションの移行は不要になります。Satellite 5 により管理されるホストは、引き続き Satellite サーバーからサブスクリプションとコンテンツを取得します。
警告
Red Hat Network から Red Hat サブスクリプションマネージャーへの登録の移行は一方向のプロセスです。Red Hat は、作業を続行する前に Satellite 5 システムの完全なバックアップを行うことをお勧めします。
Satellite 5 ホストの登録を移行するには、以下の手順を順番に実行します。
- Satellite 5 データベーススキーマをアップデートします (必要な場合)。
- Satellite 5 登録を Red Hat Network から削除します。
- Satellite 5 サブスクリプションを Red Hat Subscription Management に移行します。
管理データベースホストの登録を移行するには、以下の手順を順番に実行します。
注記
管理データベースホストが Satellite サーバーに登録されている場合、そのサブスクリプションを Red Hat サブスクリプションマネージャーに移行する必要は ありません。
- Satellite 5 登録を Red Hat Network から削除します。
- Satellite 5 サブスクリプションを Red Hat Subscription Management に移行します。
手順11.1 Satellite 5 データベーススキーマのアップグレード
移行を続行する前に、Satellite 5 データベーススキーマが最新の状態であることが重要です。
- Satellite 5 サーバーで、アップデートが適用可能なパッケージを一覧表示します。
# yum check-update
satellite-schema
パッケージのアップデートが保留中の場合は、『How do I upgrade the database schema of a Red Hat Satellite server?』 で詳述された手順を完了します。
手順11.2 Red Hat Network からの Satellite 5 ホストのサブスクリプションの削除
Satellite 5 サブスクリプションを Red Hat Network から削除して、サブスクリプションを Red Hat サブスクリプションマネージャーで適用できるようにする必要があります。
- Web ブラウザーを開き、Red Hat カスタマーポータルにログインします。Subscriptions をクリックし、サブスクリプション管理アプリケーションの一覧で Satellite をクリックした後で Satellite タブをクリックします。
- 一覧から必要な Satellite インスタンスを見つけ、ホスト名をクリックします。
図11.1 Satellite 5 サブスクリプションの詳細
- 移行する Red Hat Satellite サブスクリプションの横にあるチェックボックスをクリックし、Remove Selected をクリックした後で Remove をクリックして確定します。
警告
Red Hat Satellite サブスクリプションのみを削除してください。他のすべてのサブスクリプションは残す必要があります。Red Hat Satellite サブスクリプションが正常に削除された場合は、The subscription(s) you selected have been removed. というメッセージが表示されます。 - Version ドロップダウンリストで、 現在 実行中の Satellite 5 のバージョンを選択します。
- Download Satellite Certificate をクリックし、証明書ファイルをローカルに保存します。ダウンロードされたファイルに含まれる Satellite 5 エンタイトルメント証明書は 手順11.3「Satellite 5 ホストの登録の移行」 で必要です。
手順11.3 Satellite 5 ホストの登録の移行
前提条件
- Red Hat Network のユーザー名とパスワード。
- Satellite 5 サーバーで、すべてのパッケージが最新であることを確認します。
# yum update
spacewalk-backend
パッケージのバージョンが2.0.3-42
以上であることを確認します。注記
これが管理 DB ホストの場合は、この手順を省略します。# rpm -q spacewalk-backend spacewalk-backend-2.0.3-42.el6sat.noarch
警告
spacewalk-backend
パッケージのバージョン 2.0.3-42 (またはそれ以上) が利用可能でない場合、またはインストールできない場合は、移行を続行しないでください。Red Hat サポートにお問い合わせください。- パッケージ
subscription-manager
とsubscription-manager-migration
をインストールします。subscription-manager-migration
パッケージには Satellite 5 サブスクリプションスクリプトが含まれます。# yum install subscription-manager # yum install subscription-manager-migration
- Red Hat Enterprise Linux インスタンスを登録するために使用した Red Hat Network のユーザー名を記録します。このユーザー名とパスワードは次の手順で必要です。
# grep -A1 name\>username /etc/sysconfig/rhn/systemid
この例では、ユーザー名はadmin@example.com
です。<name>username</name> <value><string>admin@example.com</string></value>
- Satellite 5 Red Hat Network から Red Hat サブスクリプションマネージャーへの移行スクリプトを実行します。
# rhn-migrate-classic-to-rhsm Legacy username: Red Hat Network username Legacy password: Red Hat Network password
Legacy username
とLegacy password
は、サーバーを Red Hat Network に登録するために使用されたのと同じ認証情報です。ユーザー名は前の手順で取得されています。rhn-migrate-classic-to-rhsm
からの出力例は以下のとおりです。Retrieving existing legacy subscription information... +-----------------------------------------------------+ System is currently subscribed to these legacy channels: +-----------------------------------------------------+ rhel-x86_64-server-6 redhat-rhn-satellite-5.6-server-x86_64-6 +-----------------------------------------------------+ Installing product certificates for these legacy channels: +-----------------------------------------------------+ rhel-x86_64-server-6 redhat-rhn-satellite-5.6-server-x86_64-6 Product certificates installed successfully to /etc/pki/product. Preparing to unregister system from legacy server... System successfully unregistered from legacy server. Attempting to register system to destination server... Registering to: subscription.rhsm.redhat.com:443/subscription The system has been registered with ID: 284e025c-4a60-4084-b49c-4cb26fd7cf93 Installed Product Current Status: Product Name: Red Hat Enterprise Linux Server Status: Subscribed Product Name: Red Hat Satellite Status: Subscribed System 'satellite.example.com' successfully registered.
System 'satellite.example.com' successfully registered.
というメッセージは Satellite 5 システムから Red Hat サブスクリプションマネージャーへの移行が正常に行われたことを示します。この例では、Satellite 5 サーバーに Red Hat Subscription Management UUID284e025c-4a60-4084-b49c-4cb26fd7cf93
が割り当てられています。 - すべてのリポジトリーを無効にします。
# subscription-manager repos --disable '*'
- Satellite 5 で必要なリポジトリーのみを有効にします。Red Hat Enterprise Linux 6 の場合
# subscription-manager repos --enable rhel-6-server-rpms # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-satellite-5.8-rpms
- Satellite 5 インスタンスを再アクティベートします。
注記
これが管理 DB ホストの場合は、この手順を省略します。rhn-satellite-activate
コマンドを実行するには、手順11.2「Red Hat Network からの Satellite 5 ホストのサブスクリプションの削除」 でダウンロードされた証明書が必要です。この例では、証明書はファイルSatellite-5.cert
に保存されました。# rhn-satellite-activate -vvv --rhn-cert=Satellite-5.cert RHN_PARENT: satellite.rhn.redhat.com
Satellite Server が再アクティベートされると、以下のエラーメッセージが表示されることがあります。これは予測されたことであり、無視しても問題ありません。その理由はsystemid
ファイルは Red Hat Network システム ID であるためです。システム ID ファイルは、ホストの登録が Red Hat サブスクリプションマネージャーに移行されたときに削除されます。ERROR: Server not registered? No systemid: /etc/sysconfig/rhn/systemid
- オプションとして、Satellite が Red Hat Enterprise Linux 6 にインストールされている場合は、Red Hat Network と通信するために以前に使用したパッケージを削除します。
警告
Satellite が Red Hat Enterprise Linux 5 にインストールされている場合は、これらのパッケージを削除しないでください。これらのパッケージを Red Hat Enterprise Linux 5 から削除すると、Satellite が失敗します。# yum remove yum-rhn-plugin rhn-check rhn-setup rhnsd