Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Satellite

1.2. カスタムチャンネルの作成と管理

Red Hat Satellite には多くのチャンネルがあります。すべてのユーザーが利用できるチャンネル、特定の組織に所属するユーザーが利用できるチャンネル、および特定のチャンネルのアクセス用にサブスクリプションを購入した場合にのみ使用できるチャンネルなどがあります。チャンネルは次のようなカテゴリーに分かれます。
  • 有料サービスチャンネル - 有料サービスチャンネルへのアクセスを直接購入した場合、または特定の Red Hat ソリューションと合わせてアクセスを購入した場合に使用できるチャンネルです。Red Hat Enterprise Linux などが有料サービスチャンネルの一例です。
  • カスタムチャンネル - カスタムのパッケージを管理する目的で組織の管理者によって作成されるチャンネルです。プライベートのチャンネル とも呼ばれるこのチャンネルは、デフォルトでは作成側の企業または組織にしか表示されません。このため、それらの企業または組織以外からのアクセスは一切ありません。ただし、プライベートのチャンネルは、組織的な信頼を設定し、チャンネルを共有することで複数の組織間での共有が可能になります。
特定の組織によって構築され、保守が行われるパッケージの配備を管理者が Red Hat Satellite のインフラストラクチャーを利用して行えるようにするのがカスタムチャンネルです。チャンネルやパッケージの管理作業はすべて、Red Hat Satellite Web サイトの チャンネル タブで行います。

注記

実稼働環境向けのテストを行っていないパッケージを配備すると問題が発生する可能性があるため、ステージング用に選択したシステム群を対象とするベータチャンネルをまず作成することを推奨しています。
たとえば、複数の Web サーバーで構成され、カスタムパッケージのセットを受け取るシステムグループが 1 つある場合、最初に一時的なチャンネルを作成し、重要性の低い代表システム上にパッケージをインストールします。 このシステム群は 実際に稼働中のライブシステムではなく、 開発用またはステージング用のサーバーになります。 一時的なチャンネルは 「ソフトウェアチャンネルの削除」 の手順に従い、後で削除してください。

1.2.1. ツール、リポジトリー、および実践例について

チャンネルを作成し、管理する前に、ユーザーが使用できる各種ツールやリポジトリーの違いについて注意してください。特に Red Hat Satellite Server と Red Hat Satellite Proxy Server の両方を配備する場合は、使用できるユーティリティーや保存場所も増えるため重要となります。また、Proxy と Satellite の組み合わせは、最適なパフォーマンスを得るためのベストプラクティスを実現します。
次のパッケージ管理ツールは、Red Hat Satellite で使用されます。
  • Red Hat Network Package Manager - カスタムのパッケージを Red Hat Satellite Proxy Server 上のカスタムチャンネルにプッシュする際に使用します。
  • Red Hat Network Push - カスタムのパッケージを Red Hat Satellite Server 上のカスタムチャンネルにプッシュする際に使用します。
  • Red Hat Satellite Synchronization Tool - 指定の場所で、Red Hat Network Classic から Red Hat Satellite サーバーに標準パッケージをインポートしたり同期したりする際に使用します。インターネット経由または CD や DVD の ISO イメージを利用して行います。
各ツールにはそれぞれ対応するパッケージリポジトリーがあります。Red Hat Network Package Manager および Red Hat Network Push は、いずれの場合も Proxy または Satellite にアップロードするカスタムパッケージを配置する一時的なステージングディレクトリーを作成する必要があります。使用後はステージングディレクトリーを削除してください。

注記

カスタムのパッケージをアーカイブする際は、Red Hat Satellite とは別の場所にアーカイブすることを推奨しています。
Red Hat Satellite Proxy Server と Red Hat Satellite の両方を使用している場合は、Red Hat Network PushRed Hat Satellite Synchronization Tool 以外のツールは使用しないでください。Proxy とSatellite を組み合わせる場合、カスタムのパッケージやチャンネルのアップロード先は Satellite のみにしてください。そこから、Proxy はパッケージを取得し、それらをクライアントのシステム群に配信します。

1.2.2. ソフトウェアチャンネルの作成

パッケージをサーバーにアップロードする前に、パッケージを格納するカスタムチャンネルを作成することができます。詳細は 「カスタムパッケージのアップロードと保守」 を参照してください。パッケージをアップロードしたら、「パッケージのソフトウェアチャンネルへの割り当て」 に説明されているように Web サイトからパッケージを再び割り当てることができます。
チャンネルは次のように Red Hat Satellite Web サイト上で作成します。
  1. チャンネル管理者として Red Hat Satellite Web サイトにログインします。
  2. 上部のナビゲーションバーで チャンネル タブをクリックしてから左側のナビゲーションバーにある ソフトウェアチャンネルの管理 ボタンをクリックします。
  3. ソフトウェアチャンネル管理 ページで右上にある 新しいソフトウェアチャンネルの作成 をクリックします。Red Hat Satellite Server の管理者には チャンネルのクローン作成 のオプションが表示されます。詳細は 「ソフトウェアチャンネルのクローン作成」 を参照してください。
  4. 新規チャンネル ページ上でページの指示に従ってチャンネルの詳細を定義します。ほとんどのチャンネル管理作業でチャンネルを識別する際は チャンネルラベル が使用されるため、ラベルにはわかりやすいラベル名を付けてください。既存のチャンネルの詳細を参照するとよいでしょう。
    GPG キーの URL はサーバー上のキーの配置場所になります。この配置場所は、クライアント設定のプロセスで定義します。『Red Hat Satellilte クライアント設定ガイド』 を参照してください。GPG キー ID は「DB42A60E」などの固有の識別子となります。GPG キーのフィンガープリントは「CA20 8686 2BD6 9DFC 65F6 ECC4 2191 80CD DB42 A60E」などの文字列になります。キー ID はキーのフィンガープリント内の最後の 8 文字と同じである点に注意してください。
  5. 終了したら、ページ下部の チャンネルの作成 をクリックします。

1.2.3. パッケージのソフトウェアチャンネルへの割り当て

初めてパッケージをアップロードする場合、パッケージを 1 つのカスタムチャンネルまたは複数のカスタムチャンネルに割り当てることができます。また、チャンネルに割り当てなくても構いません。詳細は 「カスタムパッケージのアップロードと保守」 を参照してください。アップロードが終了したら、カスタムチャンネル間で再割り当てを行ったり、割り当てチャンネルなしのリポジトリーに再度割り当てたりすることもできます。
以下の手順にしたがって、これらの機能を使用できるようにします。
  1. 上部ナビゲーションバーにある チャンネル タブ、 次に左側のナビゲーションバーの ソフトウェアチャンネルの管理 をクリックします。
  2. ソフトウェアチャンネル管理 ページで、 パッケージを受信するチャンネルのチャンネル名をクリックします。
  3. ベースチャンネルの詳細 ページで、パッケージ のタブ、次に 追加 のサブタブをクリックします。編集しているチャンネルにパッケージを関連付けるには、表示 のドロップダウンメニューからそのパッケージを含むオプションを選択し、表示 をクリックします。

    注記

    編集しているチャンネルにすでに割り当てられているパッケージは表示されません。特定のチャンネルに割り当てられていないパッケージは チャンネルに割り当てられていないパッケージ (Packages in no channels) のメニューアイテムで確認できます。管理している全パッケージ (All managed packages) を選択すると使用できる全パッケージが表示されます。
  4. 編集しているチャンネルに割り当てるパッケージのチェックボックスを選択して、ページ右下にある パッケージの追加 をクリックします。選択したパッケージが記載された確認ページが表示されます。
  5. 確認 をクリックするとパッケージがチャンネルに割り当てられます。 管理しているソフトウェアチャンネルの詳細 ページの 一覧表示/削除 のサブタブに新しいパッケージが表示されます。
パッケージがチャンネルに関連付けられると、エラータのキャッシュが更新されて変更が反映されます。ユーザーがチャンネルの編集を終了してからすべての変更が使用可能になるように更新のタイミングは若干遅れます。キャッシュヘの変更を手動で開始する場合は 一覧表示/削除 サブタブの上部にあるテキスト内の 直ちに変更をコミット をクリックします。

1.2.4. チャンネル管理の特権の管理

チャンネル管理の作業を行うには チャンネル管理者 として適切なパーミッションを取得している必要があります。パーミッションは Red Hat Satellite Web サイトで変更することができます。パーミッションは最上位レベルの管理者となる 組織の管理者 によってユーザーに割り当てられます。チャンネル管理者の特権は次のように割り当てます。
  1. 組織の管理者として Red Hat Satellite Web サイトにログインします。
  2. 上部ナビゲーションバーで ユーザー タブをクリックしてチャンネル管理の機能を使用するユーザー名をクリックします。
  3. ユーザーの詳細 ページで ロール セクションまでスクロールして チャンネル管理者 のラベルが付いたチェックボックスを選択します。ページ下部にある サブミット をクリックします。組織の管理者にはチャンネル管理者の特権が自動的に与えられます。
  4. このユーザーで Red Hat Satellite Web サイトにログインし、上部ナビゲーションバーの チャンネル タブをクリックして ソフトウェアチャンネルの管理 ボタンが左側のナビゲーションバーに表示されることを確認します。

1.2.5. カスタムチャンネルのパーミッションの変更

カスタムチャンネルは、特定の組織およびシステムに制限することができます。以下の場合にこの制限が役立ちます。
  • 本番稼働前にソフトウェアの各種設定をテストするなどの評価目的で、チャンネルのコンテンツを特定の組織とシステムに制限する
  • ライセンス化されているパッケージまたはサードパーティーのパッケージの制御された配信

1.2.5.1. カスタムチャンネルのユーザーパーミッションの変更

前提条件

パーミッションの変更を必要とする既存のチャンネルがあることを前提とします。

  1. チャンネルまたは組織の管理者として Satellite サーバーにログインします。
  2. チャンネルソフトウェアチャンネルの管理 をクリックします。
  3. パーミッションを変更する必要のあるチャンネルをクリックします。
  4. チャンネルアクセス制御ユーザー毎のサブスクリプション制限、および この組織内の指定されたユーザーのみがこのチャンネルにサブスクライブ (Only selected users within your organization may subscribe to this channel.) までスクロールします。
  5. チャンネルの更新をクリックして変更を保存します。
  6. サブスクライバー サブタブをクリックして、チャンネルにサブスクライブできるはずのユーザーを選択します。
  7. 更新 をクリックします。

1.2.5.2. カスタムの企業/組織のパーミッションの変更

前提条件

パーミッションの変更を必要とする既存のチャンネルがあることを前提とします。

  1. チャンネルまたは組織の管理者として Satellite サーバーにログインします。
  2. チャンネルソフトウェアチャンネルの管理 をクリックします。
  3. パーミッションを変更する必要のあるチャンネルをクリックします。
  4. チャンネルアクセス制御組織共有 までスクロールします。以下のいずれかを選択します。
    • このチャンネルはプライベートのため、他の組織はアクセスできません。
    • このチャンネルは保護されているため、特定の信頼された組織のみがアクセスできます。
    • このチャンネルは公開されているため、この組織が信頼するすべての信頼された組織がアクセスすることができます。
  5. 「チャンネルの更新」をクリックします。
  6. (オプション) 保護されたチャンネルを選択すると、Satellite サーバーは、チャンネル共有に対して行われた変更を確認するように指示します。チャンネルパーミッションの変更によって削除されるチャンネルにシステムがサブスクライブされている可能性があるためです。以下のいずれかを実行するように選択します。
    • アクセスを拒否して確認 をクリックして、信頼された組織から以前にサブスクライブされたすべてのシステムのサブスクライブを中止します。
    • アクセスを許可して確認 をクリックして、信頼された組織からサブスクライブされたシステムを保持します。
    • いずれかの操作を実行する前に、システムと信頼された組織を確認する場合は キャンセルをクリックします。

1.2.6. ソフトウェアチャンネルの管理

標準の Red Hat Satellite のユーザーが使用できるボタンやページのほかに、組織またはチャンネル管理者のロールを持つユーザーは チャンネル をクリックして、Red Hat Satellite Server と Red Hat Satellite Proxy Server のお客様の左側のナビゲーションバーにある ソフトウェアチャンネルの管理 へのアクセスを許可することができます。このボタンをクリックすると、ソフトウェアチャンネル管理のページが開きます。カスタムのソフトウェアチャンネル管理の作業はすべてここで行います。

警告

Red Hat Satellite Proxy Server と Red Hat Satellite Server の両方を使用している場合、Proxy サーバー群は Satellite から直接更新を受信するため、カスタムのチャンネルとパッケージの管理は Satellite 上でのみ行うようにしてください。これらの両方を使用する構成で任意の Proxy でパッケージやチャンネルの管理を手作業で行うとサーバー群が同期されない恐れがあります。
ソフトウェアチャンネル管理の一覧にある異なるサブタブを選択すると、ベースチャンネルの詳細ページの異なるタブに移動します。

1.2.7. ベースチャンネルの詳細

カスタムのチャンネル管理のほぼすべての作業は ベースチャンネルの詳細 ページ内で行われます。左側のナビゲーションバーにある ソフトウェアチャンネルの管理 をクリックして、変更するチャンネル名を選択するとこのページにアクセスすることができます。このページは次のようなタブで構成されています。
  • 詳細 - 親チャンネル、チャンネル名、要約および説明などのチャンネルに関する基本的な情報が表示されます。この情報の一部は変更が可能です。また、組織の管理者とチャンネル管理者からは ユーザー毎のサブスクリプション制限 のコンボボックスが見えるようになっています。すべてのチャンネルのデフォルトの動作により、すべてのユーザーがシステムをこのチャンネルにサブスクライブさせることができるようになっています。このボックスのチェックを外して チャンネルの更新 をクリックすると サブスクライバー タブが表示されます。このタブを使用して特定のユーザーにこのチャンネルへのサブスクリプションパーミッションを与えます。
  • 組織 - チャンネル内のコンテンツの表示および使用へのアクセスをチャンネルが付与した組織の一覧が表示されます。これらの組織は、組織の信頼が確立されているために表示されます。このチャンネルへの組織によるアクセスはここで修正できます。このチェックボックスを選択して アクセスの変更 をクリックし、組織のアクセスを削除できます。組織の管理者とチャンネル管理者は全チャンネルへのサブスクリプションのアクセスが自動的に与えられていることに注意してください。
  • マネージャー - カスタムチャンネルの管理パーミッションを有するユーザーを一覧表示します。組織の管理者およびチャンネル管理者に対してこのタブが表示されます。このチャンネルのすべての管理パーミッションを許可するユーザーのチェックボックスを選択して 更新 をクリックします。このステータスでは、ユーザーは新規のチャンネルを作成することはできません。組織の管理者とチャンネル管理者は全チャンネルへの管理アクセスが自動的に与えられていることに注意してください。
  • エラータ - 各カスタムチャンネルに関連付けられたエラータを表示します。Red Hat Network が Red Hat Enterprise Linux ソフトウェアに対してエラータ更新を生成し、配信するのと同様に、最新コードによるサーバー更新の一環として、カスタムチャンネルにエラータ更新を配信します。このタブには、エラータの表示や追加、削除、およびクローン作成などができる 一覧表示/削除追加、および クローン作成 などのサブタブが含まれています。エラータのクローン作成は Red Hat Satellite Server からしか行えませんので注意してください。
    • 一覧表示/削除 - カスタムチャンネルに現在関連付けられているすべてのエラータを表示し、その関連付けを取り消すことができます。チャンネルからエラータを削除するには、エラータのチェックボックスを選択してページ右下の エラータの削除 をクリックします。削除するエラータが一覧表示されている確認のページが表示されます。確認 をクリックして削除の作業を完了します。
    • 追加 - チャンネルにエラータを追加できます。チャンネルに適用できる可能性があるエラータがすべて表示されます。チャンネルにエラータを追加するには、該当のチェックボックを選択して エラータの追加 をクリックします。エラータの管理については、5章エラータ管理 を参照してください。
    • クローン作成 - Satellite を利用している場合、これを使用するとクローン作成したチャンネル用にエラータと関連のパッケージを複製することができます。このサブタブは、「オリジナルの状態」または「エラータ選択」のいずれかのオプションを使ってクローン作成したチャンネル用にフィールドが入力された状態ですぐに表示されます。ターゲットチャンネル (元となったチャンネル) に対してエラータが発行されると常に クローン タブもエラータを取得します。これは、現在の状態のオプションでチャンネルをクローン作成した場合に役立ちます。クローン作成オプションの詳細については 「ソフトウェアチャンネルのクローン作成」 を参照してください。
      クローン作成したチャンネルにターゲットチャンネルからのエラータを組み込むには、各アドバイザリのドロップダウンメニューから マージ または クローン作成 のいずれかを選択します。マージ オプションは、そのエラータのクローンが以前に作成されている場合にのみ表示されます。エラータをチャンネル全体に関連付ける際に重複エントリを避けるために使用します。以前のクローンからエラータに修正を加える場合など、新規のエントリを作成する場合は、クローン作成 オプションを使用します。
      デフォルトでは、クローン作成したエラータはオリジナルの Red Hat アドバイザリーのラベルを継承し、「RH?」のプレフィックス部分が「CL」になります。たとえば、RHSA-2003:324 は CLA-2003:324 になります。以降の同じアドバイザリーのクローンは「CM」や「CN」などのように 2 番目の文字がその順序を表します。ラベルは「エラータ管理」ページで変更することができます。詳細は 5章エラータ管理 を参照してください。
      以前にクローンされたエラータには、マージ オプションのほかに、所有しているエラータ の列内に値が含まれます。エラータラベルは詳細ページにリンクしています。そのクローンが作成されたエラータは発行済みなのか、またはオリジナルのアドバイザリーから変更が加えられたのかは、 括弧で囲まれた pubmod の各フラグで識別します。フラグの前にプラスの印 + があれば肯定を示し、そのクローンのエラータは発行されています。 フラグの前のマイナスの印 - は否定を意味します。たとえば、(-mod) はパッケージが削除されたという意味になる場合があります。カスタムのエラータの発行および編集については 5章エラータ管理 を参照してください。
      クローン作成したチャンネルからエラータを排除する場合は、ドロップダウンメニューで 何も行わない を選択します。変更を確認したら エラータのクローン作成 をクリックします。 確認のページで発生する変更を確認して エラータの更新 をクリックします。
    • 同期 - 最初にチャンネルのクローンを作成した時には含まれておらず、その後の更新で追加されたエラータパッケージを表示します。このページでは、必要なチェックボックスに印を付け エラータの同期 をクリックすることで、クローン作成されたチャンネルを現在のエラータに同期させることができます。
  • パッケージ - 各カスタムチャンネルに関連付けされたパッケージを表示します。このタブにはパッケージの表示、追加および削除を行うことができる 一覧表示/削除追加比較 などのサブタブが含まれています。
    • 一覧表示/削除 - 現在、カスタムチャンネルに関連付けられている全パッケージを表示します。また、その関連性を取り消すこともできます。チャンネルからパッケージを削除する場合は、そのパッケージのチェックボックスを選択してページ右下の パッケージの削除 をクリックします。削除対象のパッケージを一覧表示した確認のページが表示されます。確認 をクリックして削除作業を完了します。

      重要

      このページに表示される一覧は、ソフトウェアチャンネルの詳細 ページで使用できる標準的なパッケージの一覧とは異なり、パッケージの最新バージョンだけでなくデータベースにある全バージョンを表示します。最新バージョンを削除するとパッケージの旧バージョンに戻ることができます。
    • 追加 - チャンネルにパッケージを追加することができます。利用可能なパッケージを表示するには 表示 ドロップダウンメニューから 1 つのオプションを選択して 表示 をクリックします。編集中のチャンネルにパッケージを追加する場合は、該当するチェックボックスを選択して パッケージの追加 をクリックします。この手順に関する詳細は 「パッケージのソフトウェアチャンネルへの割り当て」 を参照してください。
    • 比較 - 異なるチャンネル間でパッケージ一覧の比較ができます。違いを見るには、「比較対照 (Compare to):」 ドロップダウンメニューからもう1つのチャンネルを選択して 比較 をクリックします。両方のチャンネルには含まれていないパッケージがすべて表示され、それぞれの既存チャンネルの場所が示されます。
  • リポジトリー - リポジトリーの管理 を選択して、チャンネルに yum リポジトリーを割り当てリポジトリーの内容を同期します。
    • 追加/削除 - 設定したリポジトリーの一覧を表示します。リポジトリー名の横にあるチェックボックスを選択してから リポジトリーの更新 をクリックするとリポジトリーの追加や削除を行うことができます。
    • 同期 - 設定したリポジトリーを一覧表示します。同期のスケジュールはドロップダウンボックスを使って設定できます。または、今すぐ同期 をクリックするとすぐに同期を開始することもできます。

1.2.8. ソフトウェアチャンネルのクローン作成

Red Hat Satellite Server のチャンネル管理者の場合、パッケージの関連付けを容易にするためソフトウェアチャンネルのクローンを作成することもできます。クローンを作成することにより、チャンネルの完全な複製が可能になるため、パッケージとエラータのカスタムソフトウェアチャンネルへの関連付けが迅速に行なえるようになります。
次のようにして行ないます。
  1. 上部ナビゲーションバーの チャンネル タブ、次に左側のナビゲーションバーの ソフトウェアチャンネル管理 をクリックすると、ソフトウェアチャンネル管理 のページに移動します。
  2. 右上の チャンネルのクローン をクリックします。
    クローン作成のオプションが 3 つ表示されます。チャンネルの現在の状態、チャンネルのオリジナルの状態、またはエラータ選択の 3 つです。詳細については Web ページに記載されていますが以下に要約します。
    • チャンネルの現在の状態 (Current state of the channel) - 現在、ターゲットチャンネルにある最新の全パッケージと全エラータです。
    • チャンネルのオリジナルの状態 (Original state of the channel) - ターゲットチャンネルからの全オリジナルパッケージを含みます。ただし、エラータや関連の更新パッケージは含まれません。
    • エラータ選択 (Select Errata) - ターゲットチャンネルからの全オリジナルパッケージが含まれます。このオプションでは特定のエラータや関連の更新パッケージを除外することができます。
  3. クローン フィールド内のラジオボタンを使用して該当オプションを選択します。 クローン作成元 (Clone From) ドロップダウンメニューを使ってターゲットチャンネルを特定し、チャンネルの作成 をクリックします。
  4. 「ソフトウェアチャンネルの作成」 で説明されているとおり、 新規のソフトウェアチャンネル (New Software Channel) ページのフィールドを入力します。 デフォルトの値のままでよいでしょう。
  5. チャンネルの作成 をクリックします。「オリジナルの状態」または「現在の状態」のいずれかを選択すると、管理しているソフトウェアチャンネルの詳細 ページの 詳細 タブが表示されます。新しいチャンネルの設定を変更します。詳しくは、「ベースチャンネルの詳細」 を参照してください。
    チャンネルのクローン作成に「エラータ選択」のオプションを選んだ場合は、管理しているソフトウェアチャンネルの詳細 ページの クローン サブタブにリダイレクトされます。クローンや新しいチャンネルへの組み込みを行うには、エラータやクローンに関連するパッケージを個別に選択する必要がある場合があります。手順は 「ベースチャンネルの詳細」 を参照してください。

注記

パッケージの整合性と再現性を維持するため、日付に基づいて指定チャンネル内に全エラータのクローンを作成するコマンドを使用できます。これは spacewalk-clone-by-date というコマンドです。

1.2.9. 特定の更新レベルからのカスタムチャンネルの作成

以下は、特定の更新レベルでのカスタムチャンネルが必要になる可能性がある場合です。
  • 最新の更新ではなくマイナーリリースの更新のみを必要とするシステムを含む制御された環境
  • 特定のパッケージセットを含むテスト環境
  • 特定のバージョンの機能を要求するアプリケーションを含むシステム
前提条件

以下のソリューションを実装するには、Satellite Server が Red Hat Network Tools チャンネルにサブスクライブされており、spacewalk-remote-utils が Satellite Server 上にインストールされている必要があります。パッケージは Red Hat Network Tools チャンネルに含まれています。

  1. Satellite サーバーに root としてログインします。
  2. Red Hat Satellite の特定の更新レベルからカスタムチャンネルを作成します。
    # spacewalk-create-channel --user=admin --server=localhost --version=6 --update=GOLD --release=Server --arch=x86_64 --destChannel=gold-rhel6
     You have not specified a source channel, we will try to determine it from inputs
     Trying with source channel: rhel-x86_64-server-6
     Creating channel, gold-rhel6, with arch x86_64 2797 packages in source file to push.
     Pushing 2797 packages, please wait.
     Successfully pushed 2797 packages out of 2797
    
    # spacewalk-create-channel -l admin -s localhost -d update1-rhel6 -D /usr/share/rhn/channel-data/6-u1-server-x86_64
     Password:
     You have not specified a source channel, we will try to determine it from inputs
     Trying with source channel: rhel-x86_64-server-6
     Creating channel, update1-rhel6, with arch x86_64 2857 packages in source file to push.
     Pushing 2857 packages, please wait.
     Successfully pushed 2857 packages out of 2857
    上記の設定で、
    • -lUSER, --user=USER - サーバーへの接続に使用するユーザー名です。
    • -sSERVER, --server=SERVER - 接続先の Satellite または Spacewalk サーバーのホスト名または IP アドレスです。デフォルトは localhost です。
    • -vVERSION, --version=VERSION - 作成するチャンネルのバージョンです (例: 6、5、4)。
    • -rRELEASE, --release=RELEASE - 作成するチャンネルのリリースです (例: AS、ES、WS、Server、Client、Desktop)。
    • -uUPDATE_LEVEL, --update=UPDATE_LEVEL - 作成するチャンネルの更新レベルです (例: GOLD、U1、U2、U3、U4、U5、U6、U7、U8、U9)。ここで、GOLD は初期リリースを表します。
    • -aARCH, --arch=ARCH - 作成するチャンネルのアーキテクチャーです (例: i386、ia64、ppc、s390、s390x、x86_64)。
    • -dDEST_CHANNEL, --destChannel=DEST_CHANNEL - 宛先チャンネルのラベルです。これは、表示されていない場合に作成されます。
    • -DDATAFILE, --data=DATAFILE - 宛先チャンネルに移動させる RPM 一覧へのパスです。バージョン、リリース、更新、およびアーキテクチャーが指定されていない場合にのみ使用されます (オプション)。

注記

Red Hat Satellite 5.3 以降にのみ該当します。

1.2.10. ソフトウェアパッケージの削除

チャンネル内でパッケージを追加したり、削除したりするほかに、データベースおよびファイルシステムの両方からパッケージを完全に削除するオプションがあります。ファイルシステムからの削除には一時間ほどの遅れがあります。これは、パッケージ管理 ページで行うことができます。このページには左側のナビゲーションバーにある ソフトウェアパッケージの管理 をクリックしてアクセスします。

警告

データベースからパッケージを削除した場合、再びパッケージのアップロードを行えば元に戻すことはできますが、そうするとエラータとの関連付けは失われます。再ロードする際に手作業でエラータとの関連付けをやり直す必要があります。詳細は 5章エラータ管理 を参照してください。
データベースからパッケージを削除するには:
  1. パッケージ管理 ページに移動し、ドロップダウンメニューからパッケージを含むオプションを選択し、パッケージの表示 をクリックします。
  2. 該当するチェックボックスを選択して 削除の確認 をクリックします。パッケージの一覧が記載された確認ページが表示されます。パッケージを完全に削除するには、パッケージの削除 をクリックします。

注記

Red Hat Satellite Proxy Server へのパッケージのアップロードに Red Hat Network Package Manager を使用している場合、実際のパッケージは Proxy Server に格納されます。カスタムパッケージは一覧表示されていても Red Hat Satellite からダウンロードすることはできません。ローカルディスクからパッケージを削除するには、Satellite Proxy Server にログインする必要があります。パッケージの格納場所について詳しくは、『Red Hat Satellite Proxy インストールガイド』 を参照してください。

1.2.11. ソフトウェアチャンネルの削除

Red Hat Satellite Server や Red Hat Proxy Server の管理者の場合、未使用のチャンネルを削除することができます。この動作は チャンネルソフトウェアチャンネルの管理 ページで行ないます。このページの右上にある ソフトウェアチャンネルの削除 をクリックしてチャンネルを削除します。次のページで チャンネルの削除 をクリックして動作を完了します。

注記

チャンネルソフトウェアチャンネルの管理 ページについては、「ベースチャンネルの詳細」 で詳しく説明しています。

重要

チャンネルを削除しても一緒にパッケージが削除される訳ではありません。Red Hat Satellite からパッケージを削除する場合は、「ソフトウェアパッケージの削除」 を参照してください。
Web サイトでチャンネルの削除を行なう場合は、まずは次の点をよく検討してから行なうようにしてください。
  • チャンネルを削除してもそのチャンネルのパッケージはサーバー上に残ります。チャンネル削除後にパッケージも削除する方法があります。
  • チャンネルを削除すると、そのチャンネルに関連するエラータの行き所がなくなり孤立する可能性があります。
  • Satellite サーバーでは、子チャンネルがある場合には親チャンネルの削除は行なわれません。まず子チャンネルを削除してから親チャンネルを削除するようにしてください。
  • チャンネルを削除する前に、キックスタートディストリビューションの関連付けの解除、またはキックスタートディストリビューションの削除を行なってください。
  • Proxy で設定されたチャンネルが Satellite に接続されている場合は、Red Hat Satellite Proxy Server 上でチャンネルを削除してください。

1.2.12. カスタムパッケージのアップロードと保守

プライベートチャンネルへのパッケージのアップロードには 2 通りの仕組みがあり、使用している Red Hat Network サービスによって異なります。
Red Hat Satellite Proxy Server をご利用のお客様は Red Hat Network Package Manager アプリケーションを使用して頂くことになります。パッケージヘッダー情報を中央の Satellite Server に送り、Red Hat Network Package Manager を起動した Proxy のローカルリポジトリーにそのパッケージ自体を格納します。
Red Hat Satellite Server をご利用のお客様は Red Hat Network Push アプリケーションを使用して頂くことになります。これは、パッケージのヘッダー情報をローカルの Red Hat Satellite Server に送り、 Red Hat Network Push を起動した Satellite のローカルリポジトリーにそのパッケージを格納します。
本セクションでは、これら両方のツールについて詳しく見ていくことにします。

警告

Red Hat Satellite Proxy Server と Red Hat Satellite Server の両方を使用している場合は、Red Hat Network Push のみを使用するようにしてください。Proxy と Satellite を組み合わせて使用している場合には、カスタムのパッケージおよびチャンネルのアップロードは Satellite に対してのみ行います。Proxy サーバーはここからパッケージを取得してクライアントシステム群に配信することになります。

1.2.12.1. Red Hat Satellite Proxy Server へのパッケージのアップロード

Red Hat Network Package Manager を使用すると、Red Hat Satellite Proxy Server 経由でプライベートの Satellite チャンネルに割り当てられたカスタムのパッケージを提供することができます。Proxy 経由で Satellite に通信するクライアントシステムは、それらがチャンネルにサブスクライブされている場合はパッケージをダウンロードできます。Proxy 経由で Satellite に通信していないシステムは、チャンネルにサブスクライブされている場合は、yum パッケージのメタデータのみを受信し、パッケージを取得しようとすると、Satellite はローカルリポジトリーにパッケージコピーを持たないため、エラーが生じます。Red Hat Satellite Proxy Server で提供するパッケージを Red Hat Enterprise Linux の公式パッケージと組織が所有するパッケージのみにする場合は、Red Hat Network Package Manager をインストールしないようにしてください。
Red Hat Network Package Manager を使用する場合は、spacewalk-proxy-package-manager RPM パッケージとその依存パッケージをインストールします。このパッケージは登録している Red Hat Satellite Proxy Server のシステム群で使用することができます。yum install spacewalk-proxy-package-manager を実行してインストールを行います。

注記

Red Hat Satellite Server にアップロードされるのはパッケージのヘッダー情報のみです。Red Hat Network にクライアントシステム群のパッケージ依存関係を解決させるためにこのヘッダー情報が必要となります。実際のパッケージファイル (*.rpm) は Red Hat Satellite Proxy Server に収納されます。このため、カスタムのパッケージは Red Hat Satellite Web サイトに表示されていてもダウンロードすることはできません。クライアントシステムにカスタムのパッケージを取得させる場合は yum install を使用してください。
1.2.12.1.1. Red Hat Network Package Manager の設定と使用
Red Hat Network Package Manager を使ってパッケージを Red Hat Satellite にアップロードする前に、そのパッケージを手作業で Proxy サーバー自体にコピーする必要があります。例えば、開発ホストから scp を使用します。
# scp foo.rpm root@rhnproxy.example.com:/tmp
Red Hat Network Package Manager を使用して Red Hat Satellite にパッケージをアップロードする場合、前のステップでサーバーにコピーしたファイルをポイントします。

注記

クライアントシステムにパッケージを取得させるにはチャンネルが必要になります。このため、Red Hat Satellite にカスタムのパッケージをアップロードする前に、まず、そのカスタムパッケージを割り当てるプライベートチャンネルを少なくとも 1 つ作成しておきます。
次のコマンドを Satellite Proxy Server で実行し、パッケージヘッダーを Red Hat Satellite Server にアップロードし、パッケージを Satellite Proxy Server リポジトリーにコピーします。
# rhn_package_manager -c label_of_private_channel pkg-list
label_of_private_channel は、これらのパッケージの受信用に作成されたカスタムチャンネルです。作成時に指定した正確なチャンネルラベルを必ず使用してください。1 つまたは複数のチャンネルを指定すると (-c または --channel を使用)、アップロードしたパッケージのヘッダーは指定した全チャンネルにリンクされます。チャンネルを指定しないと、そのパッケージは パッケージの管理 ページの チャンネルがありません のセクションに置かれます。パッケージを再割り当てする方法については 「パッケージのソフトウェアチャンネルへの割り当て」 を参照してください。
pkg-list はアップロードするパッケージの一覧を表示します。これらのパッケージはすでに Proxy ホストに物理的にコピーされていなければなりません。別の方法として、-d オプションを使用してチャンネルに追加するパッケージを含んだローカルのディレクトリーを指定することもできます。 Red Hat Network Package Manager は標準入力からパッケージの一覧を読み取ることもできます (--stdin を使用)。
Red Hat Satellite Server の URL、HTTP プロキシのユーザー名とパスワード (HTTP プロキシに認証を必要とする場合)、およびパッケージが存在する上部ディレクトリーなど、その他のオプションは設定ファイルに指定されています。この特殊な設定は 編集しないでください。またこの設定は /etc/rhn/default/rhn_proxy_package_manager.conf に格納されています。このデフォルト設定ファイル内に指定されているオプションの値は、メインの設定ファイル /etc/rhn/rhn.conf の設定値や Red Hat Network Package Manager に渡すコマンドラインオプションなどで上書きすることができます。
このファイルに設定されていないパラメーターについては、現在ログインしているユーザーのホームディレクトリーにある .rhn_package_manager から読み込まれます。また、ここにもない場合は最終的には /etc/rhn/rhn_package_manager.conf から読み込まれます。これらのファイルが他の人から読み取られないよう必ず適切なパーミッションを持たせるようにしてください。
パッケージをアップロードしたらローカルディレクトリーが Red Hat Satellite Server のチャンネルイメージと同期しているかどうか確認します。
# rhn_package_manager -s -c name_of_private_channel
この -s オプションを使用することで、不足している全パッケージが一覧表示されます。このパッケージは、Red Hat Satellite Server にはアップロードされているものの、ローカルのディレクトリーにはないパッケージになります。このオプションを使用する場合は組織の管理者になる必要があります。アプリケーションにより Red Hat Satellite のユーザー名とパスワードの入力が求められます。
--copyonly オプションは引数に記載されているファイルを Satellite にはアップロードせずに指定のチャンネルにコピーします。Red Hat Satellite Proxy Server 上のチャンネルにパッケージが1つ不足しているものの、このチャンネル内の全パッケージ群の再インポートを行ないたくない場合に便利です。
# rhn_package_manager -c channel-name --copyonly /path/to/missing/file
パッケージ一覧は Red Hat Satellite Server に保存してあるため Red Hat Network Package Manager を使用してもチャンネル内のパッケージ一覧を検索することができます。
# rhn_package_manager -l -c name_of_private_channel
-l オプションを使用すると指定したチャンネル内にある各パッケージのパッケージ名、バージョン番号、リリース番号、アーキテクチャー、およびチャンネル名が表示されます。他のオプションについては 「Red Hat Network Package Manager の設定と使用」 を参照してください。
Red Hat Network Package Manager (rhn_package_manager) の全コマンドラインオプションの要約については、「Red Hat Network Package Manager の設定と使用」 をご覧ください。

表1.1 rhn_package_manager オプション

オプション説明
-v, --verbose標準の出力メッセージの詳細レベルが冗長になります。
-d, --dir DIRECTORY_NAMEこのディレクトリーからのパッケージを処理します。
-c, --channel CHANNEL_NAMEパッケージを検索するチャンネルを指定します。 -c を複数回使用すると複数のチャンネルを指定することができます (例、 -c channel_one -c channel_two)。
-n, --count NUMBER呼び出しごとに指定したヘッダー数を処理します - デフォルトは 32 です。
-l, --list指定したチャンネルのパッケージを一覧表示します。
-s, --syncローカルのディレクトリーがサーバーと同期しているかどうか確認します。
-p, --printconf現在の設定を表示して終了します。
--newestサーバーにあるパッケージより新しいパッケージのみをプッシュします。ソースパッケージはバージョン同士の比較が行われないという点で特殊となります。新しいかどうかの定義は関連するバイナリパッケージに依存します。このオプションを Red Hat Network Package Manager とソースパッケージだけで使用すると、パッケージのアップロードは行なわれますが、関連バイナリパッケージがアップロードされるまでソースパッケージは Red Hat Satellite Web インターフェースに表示されません。 --source と比較して見てください。--source --newest を一緒に使用すると、単独ソースパッケージが新しいパッケージで 更新される ので、関連バイナリパッケージを先にアップロードしておく必要はありません。
--source指示されたソースパッケージをアップロードします。この場合、ソースパッケージはプレーンで単独のパッケージとして扱われ、別途すでに存在するバイナリパッケージと関連する特殊なソースパッケージとしては 扱われません。例えば、通常のソース制御管理とは別に、開発者やテスターに向けてアプリケーションソースを配布したい場合などに使用できます。
--stdin標準出力からパッケージ名を読み込みます。
--nosigパッケージに署名がない場合も失敗しません。
--no-sslSSL をオフにします (推奨できません)。
--stdin標準出力からパッケージ名を読み込みます。
--username USERNAMERed Hat Satellite のユーザー名を指定します。指定しないと有効なチャンネル管理者のユーザー名の入力が求められます。
--password PASSWORDRed Hat Satellite のパスワードを指定します。指定しないと有効なチャンネル管理者のパスワードの入力が求められます。
--dontcopyアップロード後の手順で、パッケージをパッケージツリー内の最終配置場所にコピーしません。
--copyonlyパッケージのコピーのみを行い再インポートは行いません。
--testプッシュするパッケージの一覧を出力するだけです。
-?, --helpオプション一覧のヘルプ画面を表示します。
--usage使用可能なオプションの簡単な説明を表示します。
--copyonlyパッケージのコピーのみを行います。

注記

これらのコマンドラインオプションは rhn_package_manager の man ページ (man rhn_package_manager) でも説明されています。

1.2.12.2. Red Hat Satellite Server へのパッケージのアップロード

Red Hat Network Push アプリケーションを使用すると、Red Hat Satellite Server 経由でプライベートの Red Hat Network チャンネルに関連付けられたカスタムのパッケージを提供することができます。Red Hat Satellite Server で提供するパッケージを Red Hat Enterprise Linux の公式パッケージのみにする場合は、 Red Hat Network Push をインストールしないようにしてください。
Red Hat Network Push を使用する場合は、rhnpush パッケージとその依存パッケージをインストールします。このパッケージは登録している Red Hat Satellite Server のシステム群で使用することができます。yum install rhnpush を実行してインストールを行います。
Red Hat Network Push により RPM ヘッダー情報が Red Hat Satellite Server のデータベースにアップロードされ、その RPM は Red Hat Satellite Server のパッケージリポジトリーに格納されます。Red Hat Satellite Proxy Server の Red Hat Network Package Manager とは異なり、 Red Hat Network Push はパッケージ情報だけでなくヘッダーであっても Red Hat Satellite Server のデータベースから外部に配布することはありません。

注記

Satellite のインストールで Solaris OS のシステムのサポートを有効にしている場合は、Solaris クライアントから Red Hat Network Push を使用して Solaris パッケージのコンテンツを Solaris のカスタムチャンネルにアップロードすることができます。
1.2.12.2.1. Red Hat Network Push アプリケーションの設定
Red Hat Network Push のインストール時に中央設定ファイルが /etc/sysconfig/rhn/rhnpushrc にインストールされます。このファイルには 「Red Hat Network Push アプリケーションの設定」 に記載されているすべてのオプションの値が含まれています。
rhnpush コマンドを発行するディレクトリーに応じて設定を変更する場合、複数の異なる設定ファイルがあると便利です。現在のディレクトリー内の設定値 (./.rhnpushrc) は、ユーザーのホームディレクトリー内の設定値 (~/.rhnpushrc) より優先され、中央設定ファイル (/etc/sysconfig/rhn/rhnpushrc) 内の設定値より先に使用されます。
例えば、現在のディレクトリーの設定ファイルは、以下を指定する場合に使用します。
  • 移植するソフトウェアチャンネル
  • 呼び出すユーザー名を組み込むためのホームディレクトリーの設定ファイル
  • パッケージを受け取るサーバーを識別するための中央設定ファイル
「Red Hat Network Push アプリケーションの設定」 には rhnpush コマンドのすべてのコマンドラインオプションが記載されています。

表1.2 rhnpush オプション

オプション説明
-v --verbose詳細レベルが冗長になります。-vv-vvv などのようにオプションは複数回使用することができます。
-d, --dir DIRECTORYこのディレクトリーからのパッケージを処理します。
-c, --channel=CHANNEL_LABELパッケージを受け取るチャンネルを指定します。チャンネルラベルの指定は必須となります。チャンネルラベルはチャンネル名とは異なります。-c を複数回使用することで複数のチャンネルを指定することができます (例、 -c=CHANNEL_ONE -c=CHANNEL_TWO)。
-n, --count N_HEADERS_PER_CALL呼び出しごとに処理するヘッダー数です。整数にしてください。デフォルトは 25 です。
-l, --list指定したチャンネルのみを表示します。
-r, --reldirRELATIVE_DIRECTORY各ファイルにこの相対ディレクトリーを関連付けます。
-o, --orgidORGANIZATION_ID組織や企業の ID 番号を組み込みます。整数にしてください。
-u , --username USERNAME指定したチャンネルに管理アクセス権を持つユーザーの Red Hat Satellite ユーザー名を組み込みます。ユーザー名を指定しないと rhnpush により有効なチャンネル管理者のユーザー名の入力が求められます。ユーザー名とパスワードは一定期間 ~/.rhnpushcache にキャッシュされます。デフォルトは 5 分です。新しいユーザー名とパスワードを強制する場合は --new-cache を使用します。
-p , --password PASSWORD指定したチャンネルに管理アクセス権を持つユーザーの Red Hat Satellite パスワードを組み込みます。パスワードを指定しないと rhnpush により有効なチャンネル管理者のパスワードの入力が求められます。ユーザー名とパスワードは一定期間 ~/.rhnpushcache にキャッシュされます。デフォルト値は 5 分です。新しいユーザー名とパスワードを強制する場合は --new-cache を使用します。
-s, --stdin標準入力からパッケージ一覧を読み込みます。例えば、パイプされた ls コマンドなど。
-X, --exclude GLOBこの glob 式と一致するパッケージを除きます。
--force現在、チャンネル内にその名前とバージョンのパッケージが存在する場合でもパッケージのアップロードを強制します。このオプションを指定しないと既存のパッケージのアップロードはエラーを返すことになります。
--nosigパッケージに署名がない場合も失敗しません。
--new-cacheRed Hat Network Push にキャッシュされているユーザー名とパスワードを破棄させ、新しいユーザー名とパスワードを受け取るか、またはその入力を求めるよう強制します。これは、最初にユーザー名とパスワードを間違って入力した場合に便利です。
--newestサーバーにあるパッケージより新しいパッケージのみをプッシュします。ソースパッケージはバージョン同士の比較が行われないという点で特殊となります。新しいかどうかの定義は関連するバイナリパッケージに依存します。このオプションを Red Hat Network Push とソースパッケージだけで使用すると、パッケージのアップロードは行なわれますが、関連バイナリパッケージがアップロードされるまでソースパッケージは Red Hat Satellite Web インターフェースに表示されません。 --source と比較してみてください。--source --newest を一緒に使用すると、単独ソースパッケージが新しいパッケージで 更新される ので、関連バイナリパッケージを先にアップロードしておく必要はありません。
--headerヘッダーのみをアップロードします。
--source指示されたソースパッケージをアップロードします。この場合、ソースパッケージはプレーンで単独のパッケージとして扱われ、別の既存のバイナリパッケージと関連する特殊なソースパッケージとしては 扱われません。例えば、通常のソース制御管理とは別に、開発者やテスターに向けてアプリケーションソースを配布したい場合などに使用できます。
--server SERVERパッケージのアップロード先となるサーバーを指定します。現在、http://localhost/APP の値が必要です。このパラメータは必須です。
--testプッシュするパッケージの一覧のみを表示し、実際のプッシュは行いません。
-h, --helpオプションの簡潔な説明を表示します。
-?, --usage使用法の要約を表示します。

注記

これらのコマンドラインオプションについては rhnpush の man ページ (man rhnpush) でも説明されています。
1.2.12.2.2. Red Hat Network Push アプリケーションの使用

注記

クライアントシステムにパッケージを取得させるにはチャンネルが必要になります。このため、カスタムのパッケージをアップロードする前に、そのカスタムパッケージを受け取るプライベートチャンネルを少なくとも 1 つ作成しておきます。
次のコマンドでパッケージヘッダーを Red Hat Satellite Server にアップロードし、パッケージを Red Hat Satellite Server のパッケージリポジトリーにコピーします。
# rhnpush -c label_of_private_channel pkg-list
Red Hat Network Push 設定ファイルの設定値は、コマンドライン上でオプションと値を指定すると上書きすることができます。
# rhnpush -c label_of_private_channel --server=localhost pkg-list
label_of_private_channel は、これらのパッケージの受信用に作成されたカスタムチャンネルです。作成時に指定した正確なチャンネルラベルを必ず使用してください。1 つまたは複数のチャンネルを指定すると (-c または --channel を使用)、アップロードしたパッケージのヘッダーは指定した全チャンネルにリンクされます。チャンネルを指定しないと、そのパッケージは パッケージの管理 ページの チャンネルがありません のセクションに置かれます。パッケージを再割り当てする方法については 「パッケージのソフトウェアチャンネルへの割り当て」 を参照してください。
--server オプションはパッケージのインストール先となるサーバーを指定するため必須となります。 Red Hat Network Push は外部のシステムにインストールしても構いませんが、 Red Hat Network Push の実行は Red Hat Satellite Server 上でローカルに行なうことをお勧めします。
pkg-list 参照はアップロードするパッケージの一覧を表示します。別の方法として、-d オプションを使用してチャンネルに追加するパッケージを含むローカルのディレクトリーを指定することもできます。Red Hat Network Push は標準入力からパッケージ一覧を読み込むこともできます (--stdin を使用)。