Red Hat Training

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3.2. 組み込みデータベースのバックアップ

Red Hat Satellite は、組み込みデータベースの管理タスクを支援する特殊なコマンドラインユーティリティを提供します。db-control コマンドは、バックアップの作成、検証、復元をはじめデータベースの状態に関する情報の取得、必要な時の再起動に至るまでの様々な機能を提供します。利用可能な機能の完全な一覧については db-control man ページ (man db-control) を参照してください。
以下のセクションでは、Red Hat Satellite の組み込みデータベースおよび管理データベースの作成、検証、および復元の方法について説明します。

3.2.1. データベースのオンラインバックアップの実行

Red Hat Satellite Server 5.6 は、Satellite Server を停止させることなく、データベースのオンラインバックアップを可能にする機能を新たに導入しています。既存の db-control コマンドにオプションが加わることにより、この機能が可能になりました。
以下の 3 つの新規のオプションが db-control コマンドに追加されました。
  • online-backup FILENAME: Satellite データベースのオンラインバックアップを実行します (組み込み PostgreSQL のみ)。
  • reset-password: ユーザーパスワードをリセットし、アカウントのロックを解除します。
  • restore DIRECTORY | FILENAME: 以下のいずれかのバックアップによりデータベースを復元します。
    • db-control backup によって取得され、DIRECTORY ディレクトリに保存されるオフラインのバックアップ。backuprestore 操作がどちらも正常に実行されるため、データベースは停止している必要があります。
    • db-control online-backup によって取得され、FILENAME として保存されるオンラインのバックアップ。online-backuprestore 操作がどちらも正常に実行されるため、データベース自体は実行中である必要がありますが、それ以外のすべての Satellite サービスは停止している必要があります。

3.2.1.1. オンラインバックアップの実行

組み込み Red Hat Satellite 5.6 サーバーデータベースのオンラインバックアップを作成するには、root ユーザーに切り替えて、以下のコマンドを実行します。FILENAME オプションを、作成するバックアップファイルの完全パスに置き換えます。この場所は、PostgreSQL ユーザーが書き込める必要があります。
# db-control online-backup FILENAME

注記

オンラインバックアップを実行するには、データベースまたは Satellite サービスのいずれも停止する必要はありません。

3.2.1.2. オンラインバックアップからのデータベースの復元

db-control online-backup コマンドを使用して作成されたバックアップから組み込みデータベースを復元するには、db-control restore FILENAME コマンドを使用します。データベースを復元する前に、データベース自体を除く、すべての Satellite サービスをシャットダウンする必要があります。

手順3.1 オンラインバックアップからデータベースを復元するには:

  1. root ユーザーに切り替え、データベース以外のすべての Satellite サービスを停止するために以下のコマンドを実行します。
    # rhn-satellite stop --exclude=postgresql
  2. 以下のコマンドを実行してデータベースを復元します。FILENAME オプションを、db-control online-backup コマンドで作成したバックアップファイルの完全パスで置き換えます。
    # db-control restore FILENAME
  3. 復元が完了したら、以下のコマンドを実行して、データベースとすべての関連サービスを再起動します。
    # rhn-satellite start