Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat Satellite
第3章 障害回復の計画
本章では、Red Hat Satellite と組み込みデータベースのバックアツプ、検証、および復元についての推奨される方法について説明します。外部データベースを使用している場合は、企業または組織のデータベース管理者いお問い合わせください。組み込みデータベースを使用している場合は、このプロセスの詳細と使用可能なオプションについて、「組み込みデータベースのバックアップ」 を参照してください。
格納しているデータの量やシステムの機能停止が発生した場合に想定されるデータの損失量などに応じ、バックアップの作成を毎晩または毎週実施してください。
オフライン、つまり「コールド」バックアップを実行することを計画する場合は、バックアップを行なっている間は Web サイトやクライアントからの接続サービスがすべて使用不可になるため、Red Hat
は、これらのバックアップを Satellite Server の定期保守時の機能停止期間にスケジュールすることを推奨します。Satellite 5.6 以降には、オンライン、つまり「ホット」バックアップ機能が搭載されていますが、これはオフラインバックアップには不要です。
3.1. Red Hat Satellite Server のバックアップ
Red Hat Satellite システムをバックアップする方法はいくつかあります。Red Hat は以下の方法を推奨しています。
最小限のバックアップ
Red Hat は、少なくとも以下のファイルおよびディレクトリをバックアップすることを推奨しています。
/var/lib/pgsql/
: 組み込みデータベースのみ。/etc/sysconfig/rhn/
/etc/rhn/
/etc/sudoers
/var/www/html/pub/
/var/satellite/redhat/[0-9]*/
(カスタムの RPM を格納する場所)/root/.gnupg/
/root/ssl-build/
/etc/dhcp.conf
/etc/httpd
/tftpboot/
/var/lib/cobbler/
/var/lib/rhn/kickstarts/
/var/www/cobbler
/var/lib/nocpulse/
可能な場合は、
/var/satellite/
もバックアップしてください。障害が発生した場合にダウンロード時間を短縮できます。/var/satellite/
ディレクトリ (特に /var/satellite/redhat/NULL/
) は主として Red Hat の RPM リポジトリの複製となるため、satellite-sync
コマンドで再生成することができます。Red Hat は /var/satellite/
ツリー全体のバックアップを推奨します。分離モードの Satellite の場合には、/var/satellite/
のバックアップは必須となります。
これらのファイルとディレクトリのみをバックアップすることにはいくつかの欠点があります。障害回復プロセスの一部として、以下を実行する必要があります。
- Red Hat Satellite ISO RPM を再インストールします。
- サーバーを再登録します。
satellite-sync
コマンドを使用して Red Hat パッケージを再同期します。/root/ssl-build/rhn-org-httpd-ssl-key-pair-MACHINE_NAME-VER-REL.noarch.rpm
ファイルを再インストールします。
再登録をしないバックアップ
別の方法として、前述のファイルとディレクトリのバックアップはすべて行い、Satellite サーバーは登録せずに再インストールする方法です。インストール時に、Red Hat Network の登録と SSL 証明書の生成の部分は取り消すか、または省略します。
マシンの完全バックアップ
最後に、最も包括的な方法としてマシン全体をバックアップする方法があります。この方法の場合、ダウンロードと再インストールの時間を節約することができます。ただし、余分なディスク領域とバックアップ時間が必要になります。
重要
使用されるバックアップの方法に関係なく、バックアップから Satellite サーバーを復元する際には、次回の
rhn-search
サービスの起動時に検索インデックスの再作成が行われるようにスケジュールする必要があります。
# service rhn-search cleanindex