Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat Satellite
4.2. Satellite を使ったシステムの管理
システムが Red Hat Satellite に登録されると、これらのシステムは システム タブの 概要 ページに表示されます。概要 ページには、システムの要約が記載されます。これには、システムの状態、関連するエラータとパッケージの数、システムが属するベースチャンネル、およびエンタイトルメントのレベルなどが含まれます。さらに、システムはいくつかの方法で管理することができます。
4.2.1. 個別システムの管理
Satellite 管理者は、システム タブの 概要 ページで、システム名をクリックすることにより、システムを個別に管理できます。ここから、システムの 詳細 タブに移動します。「詳細」ページには、特定のシステム情報や、システムに固有の他の識別子を記載する数多くのタブがあります。
4.2.1.1. システムのハードウェアプロファイルの表示
ハードウェア タブは、システムのハードウェアプロファイルを表示します。これには、DMI、ネットワーキングの詳細、およびマシンが使用しているドライバーの詳細などの情報が含まれます。これは、マシンを識別する際や、ベンダー情報が必要なときに役に立ちます。
システム上のハードウェアのいずれかが変更されるか、またはリストが未完成な場合に、ハードウェア更新のスケジュール をクリックして、このページのハードウェアリストを更新することもできます。
- システム → システム の順にクリックします。
- システムの名前をクリックします。
- ハードウェア をクリックします。
4.2.1.2. Satellite からのシステム再起動のスケジューリング
ここでは、システムのリモート再起動をスケジュールします。これは、システム管理者が Satellite の近くにおらず、トラブルシューティングの目的で再起動を必要とする場合に適しています。
- システム → システム の順にクリックします。
- システムの名前をクリックします。
- システムイベント 以下のページの右側にある、システムの再起動をスケジュール をクリックします。
4.2.1.3. システムのベースチャンネルのサブスクリプションの変更
ベースチャンネルのサブスクリプションは、登録時に Red Hat Satellite に送信されたハードウェアとシステムのプロファイルに基づいてデフォルトで選択されます。ただし、この設定は、問題が発生する場合には変更されることがあります。システムのベースチャンネルを変更するには、以下を実行します。
- システム → システム の順にクリックします。
- システムの名前をクリックします。
- ページの左側にある サブスクライブしているチャンネル の下で、チャンネルサブスクリプションの変更 をクリックします。
- ページの下部にある ベースソフトウェアチャンネル セクションにスクロールし、適用するベースチャンネルを選択します。
- 確認 をクリックします。
注記
システムのベースチャンネルサブスクリプションを変更する場合、Satellite は以前にサブスクライブしたチャンネルすべてからシステムのサブスクライブを中止し、選択した新規のベースソフトウェアチャンネルにシステムをサブスクライブさせます。また、追加の子チャンネルを再度追加する必要があります。
4.2.1.4. システムの子チャンネルのサブスクリプションの変更
追加のチャンネルは、Red Hat Network Tools チャンネルのオプションパッケージや仮想化支援機能などの、システムが持つ固有の要件に基づいて追加される場合があります。システムを追加のチャンネルにサブスクライブさせるには、以下の手順に従います。
- システム → システム の順にクリックします。
- システムの名前をクリックします。
- ページの左側にある サブスクライブしているチャンネル の下で、チャンネルサブスクリプションの変更 をクリックします。
- チェックボックスにチェックマークを付けることにより、システムが必要な子チャンネルを選択します。必要な数だけ選択することができます。一部のチャンネルは、選択されると追加のソフトウェアエンタイトルメントを使用する可能性があることに注意してください。
- サブスクリプションの変更 をクリックします。
4.2.1.5. Provisioning/Monitoring エンタイトルメントのシステムへの追加
Provisioning または Monitoring エンタイトルメントは、これらのエンタイトルメントが利用可能な場合は、Satellite 内のシステムに追加できます。これらのエンタイトルメントは、以下の要件を持つシステムと関連します。
- Provisioning- このエンタイトルメントは、キックスタートを使用する機能、パッケージのロールバックおよび設定ファイル管理などを必要とするシステムで要求されます。
- Monitoring- このエンタイトルメントにより、Monitoring のエンタイトルメントを付与されたクライアントを持つ Satellite が、管理者に対して、システムパフォーマンスの問題が重大になる前に通知できるようにします。
- システム → システム の順にクリックします。
- システムの名前をクリックします。
- 詳細 → プロパティ の順にクリックします。
- 付属エンタイトルメント セクションの必須のエンタイトルメントを選択します。
- プロパティの更新 をクリックします。
4.2.1.6. 新規パッケージのリモートインストール
リモートでインストールするパッケージを選択する機能は、システム内の新規または変更された要件を管理するために使用できます。リモートインストールのスケジュール時にシステムの電源が切れている場合、この動作は、システムがバックアップされてから実行されます。
Red Hat Satellite からパッケージをインストールするには、以下の手順に従います。
- システム → システム の順にクリックします。
- システムの名前をクリックします。
- ソフトウエア → パッケージ → インストール の順にクリックします。
- システムにインストールするパッケージを選択します。
- 選択したパッケージをインストール をクリックします。
- 特定の時間か、またはできるだけ早くインストールするようスケジュールすることを選択します。
- 確認 をクリックします。
注記
パッケージをシステムにインストールするために追加のコマンドが必要な場合、パッケージインストールへのリモートコマンドの追加 をクリックします。これを起動するのに必要なスクリプトを追加し、リモートコマンドの確認とパッケージインストールのスケジュール をクリックします。この追加の手順は、特殊な設定要件を持つシステムには役に立つ場合があります。
4.2.1.7. パッケージのリモートでのアップグレード
Red Hat Satellite からパッケージをリモートでアップグレードするには:
- システム → システム の順にクリックします。
- システムの名前をクリックします。
- ソフトウェア → パッケージ → アップグレード の順にクリックします。
- アップグレードするパッケージを選択します。
- 特定の時間か、またはできるだけ早くインストールするようスケジュールすることを選択します。
- 確認 をクリックします。
注記
パッケージをシステムにインストールするために追加のコマンドが必要な場合、パッケージインストールへのリモートコマンドの追加 をクリックします。これを起動するのに必要なスクリプトを追加し、リモートコマンドの確認とパッケージインストールのスケジュール をクリックします。この追加の手順は、特殊な設定要件を持つシステムには役に立つ場合があります。
4.2.1.8. 変更からのシステムのロック
システムを変更しないまま維持することが要件となる場合、システムをロックすることができます。ロックされたシステムは、システムがシステムグループ内にある場合でも、パッケージのアップグレードやシステムで変更される動作のいずれも受信しません。
システムをロックするには:
- システム → システム の順にクリックします。
- システムの名前をクリックします。
- システム情報 セクションの ロックの状態 フィールドで、システムのロック をクリックします。
注記
保留中の動作を持つシステムはロックできません。スケジュールされた動作をキャンセルするには、イベント → イベントのキャンセル (Cancel Events) の順にクリックします。
4.2.1.9. システム状態のウェイト/乗数の設定
Satellite には、スコアによって順序付けられる登録システムを一覧表示するシステム状態レポートが含まれます。このスコアは、システムに関連するエラータの合計数によって定められます。カテゴリごと、またエラータごとに重み付けされた特定のスコアが合計スコアに加算されます。ここで、デフォルトの重み付けでは、重大なセキュリティエラータに最も大きな重み付けを加え、機能強化に関するエラータには最も小さな重み付けを行います。レポートは、Satellite に登録されたシステム上での維持管理動作を優先付けるために使用できます。以下のデフォルト値は、
/etc/rhn/rhn.conf
に存在します。
sc.crit = 32 sc.imp = 16 sc.mod = 8 sc.low = 4 sc.bug = 2 sc.enh = 1
ここで、パラメーターは以下のようになります。
sc.crit
- 重大なセキュリティエラータの乗数sc.imp
- 重要なセキュリティエラータの乗数sc-mod
- 重要性が中程度のセキュリティエラータの乗数sc-low
- 重要性の低いセキュリティエラータの乗数sc.bug
- バグ修正に関するエラータの乗数sc-enh
- 拡張機能に関するエラータの乗数
スコアが高くなるにつれ、レポート内でシステムに付与される重要性も高くなります。
各エラータタイプのデフォルトの重み/乗数を変更するには:
- Satellite サーバーに root としてログインします。
- 選択したテキストエディターで、
/etc/rhn/rhn.conf
を編集します。# vim /etc/rhn/rhn.conf
/etc/rhn/rhn.conf
の以下の値を変更します:sc.crit = 32 sc.imp = 16 sc.mod = 8 sc.low = 4 sc.bug = 2 sc.enh = 1
/etc/rhn/rhn.conf
ファイルを保存します。- Satellite のサービスを再起動します。
# rhn-satellite restart
注記
Red Hat Satellite 5.5 では、状態レポートと重み/乗数の値は Red Hat Network API 呼び出しを使用して取得することもできます。以下の呼び出しについてさらに詳しくは、『API の概要 (API Overview)』 を参照してください。
system.getSystemCurrencyMutipliers
- この API 呼び出しは、現在の重み/乗数の設定についての情報を提供します。system.getSystemCurrencyScores
- この API 呼び出しは、システムのリスト、スコアおよびそれぞれのタイプの適用されるエラータの数を返します。