Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Satellite

リファレンスガイド

Red Hat Satellite 5.6

Red Hat Satellite 拡張機能ガイド

エディッション 1

John Ha

Red Hat Engineering Content Services

Lana Brindley

Red Hat Engineering Content Services

Daniel Macpherson

Red Hat Engineering Content Services

Athene Chan

Red Hat Engineering Content Services

David O'Brien

Red Hat Engineering Content Services

概要

Red Hat Satellite 5.6 リファレンスガイド』 へようこそ。『Red Hat Satellite リファレンスガイド』 は Satellite サーバーの拡張機能について説明しています。

前書き

1. 対象読者

本ガイドは、内部ネットワーク内で複数のシステムの更新を管理しようとしている システム管理者の方々 などを対象としています。

第1章 Red Hat Satellite 情報

本セクションでは、Red Hat Satellite の高度な設定についての各種のトピックを扱います。

1.1. コマンドライン設定管理ツール

Red Hat Satellite web サイトで提供されるオプションのほかに、Red Hat Network Configuration Client および Red Hat Network Configuration Manager の 2 種類のコマンドラインツールをシステムの設定ファイルの管理用に提供しています。クライアントシステム上で設定管理を有効にしたり、無効にしたりする補完ツールの Red Hat Network Actions Control もあります。これらのツールをインストールしていない場合は、使用しているオペレーティングシステムの子チャンネルとなる Red Hat Network ツール内で取得できます。

注記

Web サイトから設定ファイルを配備する際は常に、影響を受けるシステムの /var/lib/rhncfg/backups/ ディレクトリに完全パスを含む以前のファイルのバックアップを作成します。バックアップのファイル名は保持されますが、.rhn-cfg-backup という拡張子が付きます。

1.1.1. Red Hat Network Actions Control

Red Hat Network Actions Control (rhn-actions-control) アプリケーションは、システムの設定管理を有効にしたり、無効にしたりする際に使用します。デフォルトではこの方法でクライアントシステムを管理することができません。このツールにより、Satellite 管理者は設定ファイルをシステムに配備 したり、システムからファイルをアップロードしたり、現在システムで管理されているものと利用可能なものを判別するために差分を使用したり、任意のリモートコマンドの実行を許可したりするなど、許可できる動作の特定モードを有効または無効にすることができます。これらの各種モードは /etc/sysconfig/rhn/allowed-actions/ ディレクトリにファイルやディレクトリを配置/削除することによって有効または無効にできます。/etc/sysconfig/rhn/ ディレクトリのデフォルトの権限により、Red Hat Network Actions Control は root アクセス権を持つユーザーによって実行される必要があります。

1.1.1.1. 一般的なコマンドラインオプション

ほとんどのコマンドラインツールと同様に、man ページを使用できます。Red Hat Network でスケジュール済みのどの動作をシステム管理者が使用できるようにするかのみを確定します。次のオプションを使用して各種のスケジュール済み動作のモードを有効にすることができます。

表1.1 rhn-actions-control のオプション

オプション 説明
--enable-deploy rhncfg-client にファイルの配備を許可します
--enable-diff rhncfg-client にファイルの diff (差分取得) を許可します
--enable-upload rhncfg-client にファイルのアップロードを許可します
--enable-mtime-upload rhncfg-clien に mtime のアップロードを許可します
--enable-all rhncfg-client に全ての動作を許可します
--enable-run script.run を有効にします
--disable-deploy 配備を無効にします
--disable-diff diff (差分取得) を無効にします
--disable-upload アップロードを無効にします
--disable-mtime-upload mtime のアップロードを無効にします
--disable-all 全てのオプションを無効にします
--disable-run script.run を無効にします
--report モードが有効になっているか、または無効になっているのかをレポートします
-f, --force 確認なしに操作を強制実行します
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します
モードが設定されたら (rhn-actions-control --enable-all が一般的)、Red Hat Satellite でシステムの設定管理を行う準備ができます。

1.1.2. Red Hat Network Configuration Client

名前が示す通り、Red Hat Network Configuration Client (rhncfg-client) は各クライアントシステムから別々にインストールして実行されます。次にこれを使用して Red Hat Network が設定ファイルをクライアントにどのように導入するかに関する情報を得ることができます。
Red Hat Network Configuration Client は、「list」、「get」、「channels」、「diff」、「verify」などの基本モードを提供します。

1.1.2.1. 設定ファイルを表示させる

マシンの設定ファイルとそのファイルを含む設定チャンネルのラベルを表示させるには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-client list
出力は次のようになります。
Config Channel      File
config-channel-17   /etc/example-config.txt
config-channel-17   /var/spool/aalib.rpm
config-channel-14   /etc/rhn/rhn.conf
これらはシステムに適用されている設定ファイルです。ただし、他のチャンネルにも重複したファイルがあるかもしれません。例えば、次のコマンドを発行してみます。
rhncfg-manager list config-channel-14
次の出力を見てみます。
Files in config channel 'config-channel-14' /etc/example-config.txt /etc/rhn/rhn.conf
/etc/example-config.txt の 2 番目のバージョンがどこへ行ったか気になるかもしれません。 config-channel-17 にある /etc/example-config.txt ファイルは config-channel-14 にある同ファイルよりランクが高くなっていました。その結果、config-channel-14 の設定ファイルのバージョンはこのシステムには配備されていませんが、ファイルはまだそのチャンネルにあります。このシステムにこのファイルは配備されないため、rhncfg-client コマンドはこのファイルを表示しません。

1.1.2.2. 設定ファイルを取得する

マシンに最適な設定ファイルをダウンロードする場合は、次のコマンドを発行します。
rhncfg-client get /etc/example-config.txt
次のような出力が表示されるはずです。
Deploying /etc/example-config.txt
less または他のページャーを使用してこのファイルのコンテンツを表示します。このファイルを含む設定チャンネルのランクを基準にしてこのファイルが「最適」として選択されている点に注意してください。これは、システムの詳細 ページの 設定 タブ内で実行できます。

1.1.2.3. 設定チャンネルを表示する

システムに適用される設定チャンネルのラベルと名前を表示するには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-client channels
次のような出力が表示されるはずです。
Config channels: Label Name ----- ---- config-channel-17 config chan 2 config-channel-14 config chan 1
次の表は rhncfg-client get に使用できるオプションの一覧です。

表1.2 rhncfg-client get のオプション

オプション 説明
--topdir=TOPDIR 全てのファイル操作をこの文字列に対して相対的にします
--exclude=EXCLUDE 'get'/ を使用して配備されたファイルを除外します。複数回の使用が可能です。
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します

1.1.2.4. 設定ファイル間の違いを比較する

システムに配備した設定ファイルと Red Hat Network で保存している設定ファイル間の違いを表示するには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-client diff
出力は以下のようになります。
[root@testsatellite root]# rhncfg-client diff
--- /etc/test
+++ /etc/test	2013-08-28 00:14:49.405152824 +1000
@@ -1 +1,2 @@
 This is the first line
+This is the second line added
さらに、次のように --topdir オプションを組み込んで Red Hat Network 内の設定ファイルと、クライアントシステム上の任意 (さらに未使用) の場所にある設定ファイルを比較することができます。
[root@ root]# rhncfg-client diff --topdir /home/test/blah/ /usr/bin/diff: /home/test/blah/etc/example-config.txt: No such file or directory /usr/bin/diff: /home/test/blah/var/spool/aalib.rpm: No such file or directory

1.1.2.5. 設定ファイルを検証する

クライアントの設定ファイルが Red Hat Network で関連付けられた設定ファイルと異なるかどうかを簡単に確認するには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-client verify
出力は以下のようになります。
modified /etc/example-config.txt /var/spool/aalib.rpm
example-config.txt ファイルはローカルで修正されていますが、 aalib.rpm は修正されていません。
次の表は rhncfg-client verify に使用できるオプションの一覧です。

表1.3 rhncfg-clientt verify のオプション

オプション 説明
-v, --verbose 出力させる詳細レベルを増やします。指定した設定ファイルのモード、所有者、およびグループパーミッションの違いを表示します。
-o, --only 異なるファイルのみを表示します。
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します

1.1.3. Red Hat Network Configuration Manager

Red Hat Network Configuration Client とは異なり、Red Hat Network Configuration Manager (rhncfg-manager) は、クライアントシステムにある設定ファイルではなく Red Hat Network にある設定ファイルとチャンネルの中央レポジトリの保守を目的として設計されています。このツールでは Red Hat Network Web サイト内の設定管理機能の代替となるコマンドラインのほか、関連するメンテナンスの一部または全体を行うためにスクリプトを作成する機能も備えています。
これは、設定管理者による使用が意図されているため、適切な権限セットを持つ Red Hat Network ユーザー名とパスワードを必要とします。ユーザー名は /etc/sysconfig/rhn/rhncfg-manager.conf または ~/.rhncfgrc の [rhncfg-manager] セクションに指定することができます。
Red Hat Network Configuration Manager が root として実行されると、Red Hat Update Agent から必要な設定値を取得しようとします。root 以外のユーザーとして実行される場合は、~/.rhncfgrc ファイル内で設定の変更を行う必要があるかもしれません。セッションファイルは ~/.rhncfg-manager-session にキャッシュされ、すべてのコマンドごとにログインが行われないようにします。
Red Hat Network Configuration Manager のデフォルトのタイムアウトは 30 分です。タイムアウトを変更するには、server.session_lifetime オプションと新しい値を、このマネージャーを実行しているサーバー上の /etc/rhn/rhn.conf ファイルに追加します。次のようになります。
server.session_lifetime = 120
Red Hat Network Configuration Manager には、「add」、「create-channel」、「diff」、「diff-revisions」、「download-channel」、「get」、「list」、「list-channels」、「remove」、「remove-channel」、「revisions」、「update」、「upload-channel」などの基本モードが備わっています。
各モードにはそれぞれ独自のオプションセットがあります。 次のコマンドを発行するとオプションを表示することができます。
rhncfg-manager mode --help 
mode の部分にモード名を入れて調べます。
rhncfg-manager diff-revisions --help
「add」モードのオプション一覧は 表1.4「rhncfg-manager add のオプション」 でご覧頂けます。

1.1.3.1. 設定チャンネルを作成する

組織用の設定チャンネルを作成するには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager create-channel channel-label
Red Hat Satellite のユーザー名とパスワードの入力が求められたら入力します。次のような出力になります。
Red Hat Network username: rhn-user
Password:
Creating config channel channel-label Config channel channel-label created
設定チャンネルを作成したら、上記の残りのモードを使ってそのチャンネルの設定や管理を行います。

1.1.3.2. 設定チャンネルにファイルを追加する

設定チャンネルにファイルを追加するには、アップロードするローカルファイルとチャンネルのラベルを指定します。
rhncfg-manager add --channel=channel-label /path/to/file
必要なチャンネルラベルおよびファイルへのパスのほか、追加時にファイルに変更を加えるオプションを使用することもできます。例えば、以下のようにコマンドに --dest-file オプションを組み込んでパスとファイル名を変更することができます。
rhncfg-manager add --channel=channel-label --dest-file=/new/path/to/file.txt/path/to/file
出力は以下のようになります。
Pushing to channel example-channel
Local file >/path/to/file -> remote file /new/path/to/file.txt
次の表は rhncfg-manager add に使用できるオプションの一覧です。

表1.4 rhncfg-manager add のオプション

オプション 説明
-c CHANNEL --channel=CHANNEL この設定チャンネルにファイルをアップロードします
-d DEST_FILE --dest-file=DEST_FILE このパスにファイルをアップロードします
--delim-start=DELIM_START 変数挿入用の区切りの開始点です
--delim-end=DELIM_END 変数挿入用の区切りの終了点です
-i, --ignore-missing 足りないローカルファイルは無視します
--selinux-context=SELINUX_CONTEXT SELinux コンテキストを上書きします。
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します

注記

デフォルトでは設定ファイルの最大サイズは 128KB です。この値を変更する必要がある場合は、/etc/rhn/rhn.conf ファイル内で次の行を見つけるか、またはこの行を作成します。
web.maximum_config_file_size=128
さらに、/etc/rhn/rhn.conf ファイルで次の行を見つけるか、またはこの行を作成します。
maximum_config_file_size=128
両方のファイルで、この値を 128 から新たに設定する最大サイズにバイト単位で変更します。

1.1.3.3. 最新の設定ファイル間の違いを比較する

ディスク上の設定ファイルとチャンネル内の最新リビジョン間の違いを表示させるには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager diff --channel=channel-label --dest-file=/path/to/file.txt \ /local/path/to/file
次のような出力が表示されるはずです。
--- /tmp/dest_path/example-config.txt config_channel: example-channel revision: 1
+++ /home/test/blah/hello_world.txt 2003-12-14 19:08:59.000000000 -0500
@@ -1 +1 @@
-foo
+hello, world
次の表は rhncfg-manager diff に使用できるオプションの一覧です。

表1.5 rhncfg-manager diff のオプション

オプション 説明
-c CHANNEL, --channel=CHANNEL この設定チャンネルからファイルを取得します
-r REVISION, --revision=REVISION このリビジョンを使用します
-d DEST_FILE, --dest-file=DEST_FILE このパスにファイルをアップロードします
-t TOPDIR, --topdir=TOPDIR 全てのファイルをこの文字列に対して相対的にします
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します

1.1.3.4. 各種のバージョン間の違いを比較する

チャンネルおよびリビジョン全体で 1 つのファイルの異なるバージョンを比較する場合は、-r フラグを使用して比較するファイルのリビジョンを指定し、-n フラグでチェックする 2 つのチャンネルを特定します。これに関する説明は、「ファイルリビジョンの数を確認する」 を参照してください。ここでは 1 ファイルの異なるバージョンを比較しているため、指定するファイル名は 1 つだけです。例えば、以下のようになります。
rhncfg-manager diff-revisions -n=channel-label1 -r=1 -n=channel-label2 -r=1 /path/to/file.txt
出力は以下のようになります。
--- /tmp/dest_path/example-config.txt 2004-01-13 14:36:41 \ config channel: example-channel2 revision: 1
--- /tmp/dest_path/example-config.txt 2004-01-13 14:42:42 \ config channel: example-channel3 revision: 1
@@ -1 +1,20 @@
-foo
+blah
+-----BEGIN PGP SIGNATURE-----
+Version: GnuPG v1.0.6 (GNU/Linux)
+Comment: For info see http://www.gnupg.org
+
+iD8DBQA9ZY6vse4XmfJPGwgRAsHcAJ9ud9dabUcdscdcqB8AZP7e0Fua0NmKsdhQCeOWHX +VsDTfen2NWdwwPaTM+S+Cow=
+=Ltp2
+-----END PGP SIGNATURE-----
次の表は rhncfg-manager diff-revisions に使用できるオプションの一覧です。

表1.6 rhncfg-manager diff-revisions のオプション

オプション 説明
-c CHANNEL, --channel=CHANNEL この設定チャンネルを使用します
-r REVISION, --revision=REVISION このリビジョンを使用します
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します

1.1.3.5. 1 つのチャンネル内の全ファイルをダウンロードする

あるチャンネル内の全ファイルをディスクにダウンロードする場合は、ディレクトリを 1 つ作成してから次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager download-channel channel-label --topdir . 
出力は以下のようになります。
Copying /tmp/dest_path/example-config.txt -> \ blah2/tmp/dest_path/example-config.txt
次の表は rhncfg-manager download-channel に使用できるオプションの一覧です。

表1.7 rhncfg-manager download-channel のオプション

オプション 説明
-t TOPDIR, --topdir=TOPDIR 全てのファイルパスはこのディレクトリに対して相対的になります。このオプションは設定しなければなりません。
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します

1.1.3.6. ファイルの内容を取得する

特定ファイルの内容を標準出力にダイレクトするには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager get --channel=channel-label \ /tmp/dest_path/example-config.txt 
ファイルの内容は出力として表示されます。

1.1.3.7. チャンネル内の全ファイルを表示する

1 つのチャンネル内の全ファイルを表示させるには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager list channel-label
次のような出力が表示されるはずです。
Files in config channel `example-channel3': /tmp/dest_path/example-config.txt
次の表は rhncfg-manager get に使用できるオプションの一覧です。

表1.8 rhncfg-manager get のオプション

オプション 説明
-c CHANNEL, --channel=CHANNEL この設定チャンネルからファイルを取得します
-t TOPDIR, --topdir=TOPDIR 全てのファイルをこの文字列に対して相対的にします
-r REVISION, --revision=REVISION このファイルリビジョンを取得します
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します

1.1.3.8. 全ての設定チャンネルを表示させる

組織内の全ての設定チャンネルを表示させるには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager list-channels 
出力は以下のようになります。
Available config channels: example-channel example-channel2 example-channel3 config-channel-14 config-channel-17
local_override チャンネルや server_import チャンネルは表示しないので注意してください。

1.1.3.9. チャンネルからファイルを削除する

チャンネルからファイルを削除するには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager remove --channel=channel-label /tmp/dest_path/example-config.txt
Red Hat Network のユーザー名とパスワードの入力が求められたら入力します。次のような出力が表示されます。
Red Hat Network username: rhn-user Password: Removing from config channel example-channel3 /tmp/dest_path/example-config.txt removed
次の表は rhncfg-manager remove に使用できるオプションの一覧です。

表1.9 rhncfg-manager remove のオプション

オプション 説明
-c CHANNEL, --channel=CHANNEL この設定チャンネルからファイルを削除します
-t TOPDIR, --topdir=TOPDIR 全てのファイルをこの文字列に対して相対的にします
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します

1.1.3.10. 設定チャンネルを削除する

組織内の設定チャンネルを破棄する場合は、次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager remove-channel channel-label 
出力は以下のようになります。
Removing config channel example-channel Config channel example-channel removed

1.1.3.11. ファイルリビジョンの数を確認する

チャンネル内のファイルやパスのリビジョンの数を確認するには (リビジョンは 1 から開始して N までとし、N は 0 より大きい整数になる)、次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager revisions channel-label /tmp/dest_path/example-config.txt 
出力は以下のようになります。
Analyzing files in config channel example-channel \ /tmp/dest_path/example-config.txt: 1

1.1.3.12. チャンネル内のファイルを更新する

チャンネル内のファイルの新たなリビジョンを作成 (またはそのパスにリビジョンが存在していない場合はそのチャンネルに最初のリビジョンを追加) するには、次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager update \ --channel=channel-label --dest-file=/path/to/file.txt /local/path/to/file
出力は以下のようになります。
Pushing to channel example-channel: Local file example-channel/tmp/dest_path/example-config.txt -> \ remote file /tmp/dest_path/example-config.txt
次の表は rhncfg-manager update に使用できるオプションの一覧です。

表1.10 rhncfg-manager update のオプション

オプション 説明
-c CHANNEL, --channel=CHANNEL この設定チャンネルにファイルをアップロードします
-d DEST_FILE, --dest-file=DEST_FILE このパスにファイルをアップロードします
-t TOPDIR, --topdir=TOPDIR 全てのファイルをこの文字列に対して相対的にします
--delim-start=DELIM_START 変数挿入用の区切りの開始点です
--delim-end=DELIM_END 変数挿入用の区切りの終了点です
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します

1.1.3.13. 複数のファイルを一度にまとめてアップロードする

ローカルディスクから設定チャンネルへ一度にまとめて複数ファイルをアップロードする場合は、次のコマンドを発行します。
rhncfg-manager upload-channel --topdir=topdir channel-label
出力は以下のようになります。
Using config channel example-channel4 Uploading /tmp/ola_world.txt from blah4/tmp/ola_world.txt
次の表は rhncfg-manager upload-channel に使用できるオプションの一覧です。

表1.11 rhncfg-manager upload-channel のオプション

オプション 説明
-t TOPDIR, --topdir=TOPDIR 全てのファイルパスはこのディレクトリに対して相対的になります
-c CHANNEL, --channel=CHANNEL 設定情報をアップロードする複数のチャンネルをリストします。 チャンネルとチャンネルの間はコンマ「,」で区切ります。 例: --channel=foo,bar,baz
-h, --help ヘルプメッセージを表示して終了します

1.2. モニタリング

Red Hat Network Monitoring エンタイトルメントでは、システムの正常で効率的な稼働の維持を目的とした数多くの動作を行なうことができます。このエンタイトルメントにより、システムのリソース、ネットワークサービス、データベース、標準アプリケーションとカスタムアプリケーションの両方をしっかりと監視することができます。
Monitoring ではリアルタイムの状態変更情報と過去の状態変更情報の両方を提供するほか、特定の基準データも提供します。致命的な状態になる前にシステム障害やパフォーマンスの低下を警告するだけでなく、容量計画やイベント相関に必要となる情報も提供します。例えば、システム群全体の CPU 使用を記録するプローブの結果はシステム群の負荷を分散するのに役立ちます。
モニタリングシステムにはモニタリングシステム自体と モニタリングのスカウト の 2 種類のコンポーネントがあります。モニタリングシステムは Satellite にインストールされ、監視データを格納して動作を行うなどのバックエンドの機能を果たします。モニタリングのスカウトは全てのプローブを実行して監視データを収集します。モニタリングのスカウトを有効にして Satellite または Red Hat Satellite Proxy のシステムで実行することができます。Proxy でモニタリングのスカウトを使用すると Satellite の作業から開放され、プローブにスケーラビリティを持たせることができるようになります。
モニタリングを行うには、通知メソッドの設定やシステムへのプローブのインストール、全プローブの状態の定期的な点検、およびシステムまたはサービスの履歴データを表示するレポートの生成などが必要になります。本セクションでは、Monitoring エンタイトルメントに関連した一般的な作業を特定します。実質的には、モニタリングのインフラストラクチャに影響する変更はすべて スカウト設定のプッシュ (Scout Config Push) ページで設定の更新を行い最終決定する必要があります。

1.2.1. 前提条件

インフラストラクチャ内に Red Hat Network Monitoring を実装する前に、必要なツールがすべて揃っていることを確認してください。最低限必要となるツールは次の通りです。
  • Monitoring エンタイトルメント - 監視対象となるシステムにはすべてこのエンタイトルメントが必要になります。Monitoring に対応するのは Red Hat Enterprise Linux システムのみになります。
  • Monitoring を持つ Red Hat Satellite - 監視システムは Red Hat Enterprise Linux 5 以降のベースオペレーティングシステムの Satellite に接続しなければなりません。
  • Monitoring 管理者 - プローブのインストール、通知メソッドの作成、または監視インフラストラクチャの変更などを行なうユーザーにはこのロールを与える必要があります (Satellite 管理者は企業内のその他すべてのロールが有する機能を自動的に継承するため、これらの作業も行なうことができる点に留意してください)。このロールはユーザーの ユーザーの詳細 ページで割り当てます。
  • Red Hat Network モニタリングデーモン - このデーモンはスカウト用の SSH キーと共に、内部プロセスモニターを実行するため、監視対象のシステムで必要になります。ただし、これらのプローブはシステムの既存 SSH デーモン (sshd) を使って実行しても構いません。セキュアな接続を必要とするプローブの早見表およびインストールの詳細については 「Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) を設定する」 を参照してください。使用できるプローブの一覧は 付録A プローブ を参照してください。

モニタリングを有効にする

デフォルトではモニタリングは無効になっているため、使用前に有効にしておく必要があります。
  1. Satellite 管理者の権限を持つユーザーとしてログインして、管理Red Hat Satellite 設定 の順に進みます。モニタリングを有効にする (Enable Monitoring) チェックボックスをクリックしてから、更新 をクリックして保存します。
  2. 変更を反映するためサービスを再起動します。再起動 タブに行き Satellite を再起動します。 これにより Satellite は数分間オフラインになります。
  3. モニタリングが有効になっていることを確認するには、Red Hat Satellite 設定 の下に Monitoring タブが表示されているかどうかを確認します。
  4. 管理Red Hat Satellite 設定Monitoring の順に進みます。スカウトを有効にするには Monitoring スカウトを有効にする (Enable Monitoring Scout) チェックボックスをクリックしてから、スカウトを有効にします。設定を更新 (Update config) をクリックして保存します。

注記

モニタリングの設定値はデフォルト値を変更せずにそのまま使用することが推奨されます。通知を使用するには、Sendmail を設定する必要があります。

1.2.2. Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) を設定する

Monitoring エンタイトルメントを最大限に活用するために、Red Hat はクライアントシステムに Red Hat Network モニタリングデーモンをインストールすることを提案します。OpenSSH をベースとする rhnmd により Satellite がクライアントシステムと安全な通信を行ない、内部プロセスにアクセスしてプローブの状態を検索することができます。
Red Hat Network モニタリングデーモンは、監視対象のシステム側でポート 4545 の接続を許可しておく必要がある点に注意してください。代わりに sshd を使用すると、このポートを開いたり、デーモンをインストールしたりする必要がなくなります。詳しくは 「SSH の設定」 を参照してください。
一部のプローブにはデーモンが必要です。次のプローブを実行するには、クライアントシステム上に Red Hat Network モニタリングデーモンまたは sshd のいずれかによる暗号化された接続が必要になります。
  • Linux::CPU 使用
  • Linux::ディスク IO スループット
  • Linux::ディスク使用
  • Linux::Inode
  • Linux::インターフェーストラフィック
  • Linux::ロード
  • Linux::メモリ使用
  • Linux::状態別のプロセス数
  • Linux::プロセス数合計
  • Linux::プロセスの健全性
  • Linux::実行中プロセス
  • Linux::Swap 使用
  • Linux::状態別の TCP 接続
  • Linux::ユーザー
  • Linux::仮想メモリ
  • ログエージェント::ログパターン一致
  • ログエージェント::ログサイズ
  • ネットワークサービス::リモート Ping
  • Oracle::クライアントの接続性
  • 全般::リモートプログラム
  • 全般::データのあるリモートプログラム
Linux グループのプローブはすべてこの要件があるので注意してください。

1.2.2.1. Red Hat Network モニタリングデーモンをインストールする

Red Hat Network モニタリングデーモンをインストールして rhnmd によって特定されるプローブでで監視を行うシステムの準備を整えます。sshd を使って Red Hat Network 監視インフラストラクチャと監視対象のシステム間で安全な接続を行う場合は、本セクションにある手順はオプションとなります。説明については 「SSH の設定」 を参照してください。
rhnmd パッケージは、いずれの Red Hat Enterprise Linux のディストリビューションの Red Hat Network ツールチャンネルで入手することができます。以下の手順でインストールを行ないます。
  1. 監視するシステム群をシステムに関連する Red Hat Network ツールチャンネルにサブスクライブさせます。システムごとにサブスクライブさせる場合は システムの詳細チャンネルソフトウェア サブタブで行います。複数のシステムを一度にサブスクライブさせる場合は チャンネルの詳細目的のシステム タブで行います。
  2. サブスクライブさせた後は、チャンネルの詳細パッケージ タブを開き、rhnmd パッケージを見つけます ('R' の下)。
  3. パッケージ名をクリックして パッケージの詳細 ページを開きます。目的のシステム タブへ移動して目的のシステムを選択し、パッケージのインストール (Install Packages) をクリックします。
  4. 「SSH キーのインストール」 で説明されているように、監視対象のクライアントシステムにはすべて SSH パブリックキーをインストールします。
  5. 次のコマンドを使ってすべてのクライアントシステム上で Red Hat Network モニタリングデーモンを起動します。
    service rhnmd start
  6. デーモンを必要とするプローブを追加する際は、RHNMD ユーザー および RHNMD ポート はデフォルト値のままにします (nocpulse4545)。

1.2.2.2. SSH の設定

クライアントシステム上での Red Hat Network モニタリングデーモンのインストールとポート 4545 の開放を避けたい場合、sshd を設定してシステムと Red Hat Network 間に必要となる暗号化接続を提供することができます。すでに sshd を実行している場合には特にこれが必要になります。監視目的でデーモンを設定するには、以下の手順に従います。
  1. 監視するシステムに SSH パッケージがインストールされていることを確認します。
    rpm -qi openssh-server
  2. デーモンに関連付けるべきユーザーを識別します。システム上のユーザーなら、そのユーザーの ~/.ssh/authorized_keys ファイルに必要となる SSH キーを入れることができれば誰でも構いません。
  3. /etc/ssh/sshd_config 設定ファイルの指定通りにデーモンが使用するポートを指定します。デフォルトはポート 22 になります。
  4. 「SSH キーのインストール」 で説明されているように、監視対象のクライアントシステムにはすべて SSH パブリックキーをインストールします。
  5. 次のコマンドを使ってすべてのクライアントシステム上で sshd を起動します。
    service sshd start
  6. デーモンを必要とするプローブを追加する際は、RHNMD ユーザー および RHNMD ポート フィールドに手順 2 と 3 で派生する値を入れます。

1.2.2.3. SSH キーのインストール

rhnmd または sshd のいずれを使用する場合も、安全な接続を確立するには監視対象となるシステムに Red Hat Network モニタリングデーモンのパブリック SSH キーをインストールする必要があります。これをインストールするには、以下の手順にしたがいます。
  1. Satellite インターフェースで Monitoringスカウト設定のプッシュ (Scout Config Push) ページに移動して、クライアントシステムを監視するスカウト名をクリックします。結果ページで SSH の id_dsa.pub キーが表示されます。
  2. この文字列 (先頭が ssh-dss で始まり Satellite のホスト名が末尾にある) をコピーします。
  3. 左側のメニューから システム を選択し、この SSH キーの送信先となるシステムの横にあるチェックボックスをクリックします。上部にある 管理 ボタンをクリックして完了します。
  4. システムセットの管理リモートコマンドの実行 (Run remote commands) をクリックし、スクリプト テキストボックスに次の行を入力します。
    #!/bin/sh
    cat <<EOF >> ~nocpulse/.ssh/authorized_keys
    
    次に Enter を押してから SSH キーを貼り付けて EOF を追加します。結果は以下と同様になります。
    #!/bin/sh
    cat <<EOF>> ~nocpulse/.ssh/authorized_keys
    ssh-dss AABBAB3NzaC3kc3MABCCBAJ4cmyf5jt/ihdtFbNE1YHsT0np0SYJz7xk
    hzoKUUWnZmOUqJ7eXoTbGEcZjZLppOZgzAepw1vUHXfa/L9XiXvsV8K5Qmcu70h0
    1gohBIder/1I1QbHMCgfDVFPtfV5eedau4AAACAc99dHbWhk/dMPiWXgHxdI0vT2
    SnuozIox2klmfbTeO4Ajn/Ecfxqgs5diat/NIaeoItuGUYepXFoVv8DVL3wpp45E
    02hjmp4j2MYNpc6Pc3nPOVntu6YBv+whB0VrsVzeqX89u23FFjTLGbfYrmMQflNi
    j8yynGRePIMFhI= root@satellite.example.com
    EOF
    
  5. 動作が行われる日付と時刻をセットしてから リモートコマンドのスケジュール をクリックします。
キーを配置してアクセスできるようになったらキーが必要となるすべてのプローブがモニタリングのインフラストラクチャと監視対象となるシステム間で ssh 接続を許可するはずです。この後、モニタリングデーモンを必要とするプローブを新たに設定したシステム群に対し実行するようスケジュールできるようになります。

1.2.3. プローブ用に mysql パッケージを設定する

MySQL プローブを実行したいクライアントシステムが Monitoring エンタイトルメントを有していて、これをホストするのが Red Hat Satellite である場合、その Red Hat Satellite 上に mysql パッケージを設定する必要があります。利用可能なプローブの全一覧については 付録A プローブ を参照してください。
Satellite を Red Hat Enterprise Linux のベースチャンネルにサブスクライブさせてから、up2dateyum または Red Hat Network Hosted のいずれかで mysql パッケージをインストールします。
終了すると、ご使用の Satellite を使用して MySQL プローブをスケジュールできるようになります。

1.2.4. 通知を有効にする

Red Hat Network インターフェース内でプローブの状態は表示できますが、他にもプローブが状態を変更したら通知を受け取ることができます。特にミッションクリティカルな実稼働環境のシステムを監視する際には、これが重要になります。このため、Red Hat はこの機能の活用を推奨します。
Red Hat Network でプローブの通知を有効にするには、Red Hat Satellite のインストール中にメールエクスチェンジサーバーとメールドメインを決定して sendmail が正常に受信メールを処理するよう設定しておく必要があります。詳しくは、『Red Hat Satellite インストールガイド』 の 『インストール』 のセクションを参照してください。

1.2.4.1. 通知メソッドを作成する

通知は特定の Red Hat Network ユーザーに関連付けられた 通知メソッド、電子メール、またはポケベルのアドレスに送られます。このアドレスは特定の 1 ユーザーアカウントに結び付けられますが、エイリアスやメーリングリストを使って複数の管理者に送信することもできます。各ユーザーアカウントには複数の通知メソッドを含めることができます。通知メソッドを作成するには、以下のようにします。
  1. Satellite に Satellite 管理者または Monitoring 管理者としてログインします。
  2. ユーザー に移動してユーザー名を選択します。ユーザーの詳細 のページで、 通知メソッド新規のメソッドを作成 (create new method) をクリックします。
  3. メソッドの名前には、DBA day email などわかりやすいラベルを使用し、電子メールの正しいアドレスを入力します。すべての通知メソッドのラベルはプローブ作成時に単一の一覧で表示できるので、組織固有の名前にしてください。
  4. 電子メールに短縮メッセージを送信する場合はそのチェックボックスを選択します。この短縮形式にはプローブ状態、システムのホスト名、プローブ名、メッセージ時間、送信 ID しか表示されません。標準の形式では追加のメッセージヘッダ、システムとプローブの詳細、およびレスポンスの説明が表示されます。
  5. 完了したら メソッドの作成 (Create Method) をクリックします。新しいメソッドが上部の Monitoringカテゴリの 通知 ページと ユーザーの詳細通知メソッド タブに現れます。編集または削除を行なう場合はメソッド名をクリックします。
  6. プローブの追加をしている時に、プローブの通知 チェックボックスを選択し、表示されるドロップダウンメニューから新規の通知メソッドを選択します。プローブに割り当てられた通知メソッドはそのプローブとの関連付けを解除しないと削除できません。

1.2.4.2. 通知を受け取る

通知メソッドを作成してプローブに関連付ける場合、通知を受け取る準備をしなければならいので注意してください。これらの通知は指定された電子メールのアドレスに送信される要約テキストメッセージの形態を取ります。以下は、電子メール通知の例になります。
Subject: CRITICAL: [hostname]: Satellite: Users at 1
From: "Monitoring Satellite Notification" (rogerthat01@redhat.com)
Date: Mon, 26 Aug 2013 13:42:28 -0800
To: user@organization.com

This is Red Hat Monitoring Satellite notification 01dc8hqw.

Time: Mon Aug 26, 21:42:25 PST
State: CRITICAL
System: [hostname] ([IP address])
Probe: Satellite: Users
Message: Users 6 (above critical threshold of 2)
Notification #116 for Users

Run from: Red Hat Monitoring Satellite
見てわかるとおり、長文の電子メール通知には関連付けられたプローブに関して知る必要があるすべての情報が実質的に含まれています。プローブコマンド、ランタイム、監視しているシステム、状態の他に、メッセージにはメッセージとプローブの正確性を表す固有の文字列、送信 ID が含まれます。上記のメッセージの送信 ID は 01dc8hqw です。

注記

1 プローブが状態を変更する際はいつでも通知が生成される可能性があるため、ネットワーク内の単純な変更でも大量の通知が生成されてしまうことがあります。通知によって優先度の高いメールに関連した問題を防ぐために、通知用の特定の受信箱に通知をリダイレクトできます。次のセクションでは、通知のリダイレクトについて説明します。

1.2.4.3. 通知をリダイレクトする

通知を受け取ったら、受領確認の電子メール内に高度な通知ルールを入れてその通知を転送することができます。 /etc/aliases を開き次の行を追加すると、電子メール返信の転送ができるようになります。
rogerthat01:    "| /etc/smrsh/ack_queuer.pl"
パラメータを設定したら、通知メールを返信して必要なオプションを含めます。可能な転送オプションまたは フィルタの種類 は以下の通りです。
  • ACK METOO - デフォルトの送信先に 加えて 通知をリダイレクトの送信先にも送信します。
  • ACK SUSPEND - 指定した期間中、通知メソッドを保留します。
  • ACK AUTOACK - 通知の送信先は変更しませんが、一致する警報が送信されるとすぐに自動的に受領確認をします。
  • ACK REDIR - 通知をデフォルトの送信先に 送信せずに リダイレクトの送信先に送信します。
ルールの形式は filter_type probe_type duration email_address になります。 filter_type は前述の高度なコマンドのいずれかになります。 probe_typecheckhost になります。 duration は転送の期間になります。 email_address はメールの受信者です。 例えば、以下のようになります。
 ACK METOO host 1h boss@domain.com 
大文字にする必要はありません。期間は分単位 (m)、時間単位 (h)、または日数単位 (d) で表記できます。電子メールアドレスを必要とするのはリダイレクト通知 (REDIR) および補足的な通知 (METOO) のみになります。
結果の電子メールに含まれる動作の説明は、デフォルトではユーザーにより入力されるコマンドに設定されます。表記される理由については email ack redirect by user@domain.com などのように動作の概要が表記されます。このユーザーとは電子メールの送信者になります。

注記

コマンド ack suspend host の変形を使って通知の電子メールに返信すると、ほとんどすべてのプローブ通知の停止やリダイレクトを行えます。ただし、ack suspend host または他のリダイレクト応答を使って応答しても Satellite のプローブ通知は停止できません。これらのプローブには Satellite の Web インターフェース内で通知の変更を行う必要があります。

1.2.4.4. 通知メソッドを削除する

メソッドとプローブの関連性があるために、通知メソッドの削除プロセスが複雑になることがあります。次に通知メソッドを削除するための手順について説明します。
  1. Satellite に Satellite 管理者または Monitoring 管理者としてログインします。
  2. Monitoring通知 ページに移動し、削除するメソッド名をクリックします。
  3. ユーザーユーザーの詳細通知メソッド タブで、メソッドの削除 をクリックします。メソッドがどのプローブにも関連付けられていない場合は、確認のページが表示されます。削除の確認 をクリックします。通知メソッドが削除されます。

    注記

    通知はメソッド名もアドレスも共に編集できるため、削除するのではなくメソッドの更新について検討してみてください。これにより、各プローブに対する編集を行ったり、新規の通知メソッドを作成したりすることなく全プローブの通知を変換することができます。
  4. メソッドが 1 つまたは複数のプローブと関連付けられている場合、確認ページの代わりにこのメソッドを使用しているプローブとプローブが設定されているシステムの一覧が表示されます。プローブ名をクリックして直接 システムの詳細プローブ タブに移動します。
  5. 別の通知メソッドを選択して プローブの更新 をクリックします。
  6. Monitoring通知 ページに戻って、通知メソッドを削除します。

1.2.5. プローブ

Red Hat Network モニタリングデーモンがインストールされ、通知メソッドが作成されると、Monitoring エンタイトルメントのあるシステムにプローブのインストールを開始することができます。システムに Monitoring のエンタイトルメントがある場合、プローブ タブが システムの詳細 ページ内に表示されます。プローブ関連のほとんどの作業はこのページで行ないます。

1.2.5.1. プローブを管理する

プローブは Red Hat Satellite サーバーで作成されます。プローブが作成されると、プローブは Satellite に登録された、Monitoring エンタイトルメントを有効にしている指定されたシステムに伝搬します。Satellite サーバーでプローブを追加するには以下の手順を実行します。
  1. Satellite にシステムの Satellite 管理者またはシステムグループ管理者のいずれかでログインします。
  2. システムの詳細プローブ タブに移動し、新規プローブの作成をクリックします。
  3. システムのプローブ作成 (System Probe Creation) ページですべての必須フィールドを入力します。まずプローブのコマンドグループを選択します。これにより利用できるプローブの一覧、その他のフィールドおよび要件が変更されます。コマンドグループごとのプローブ全一覧は 付録A プローブ を参照してください。クライアントシステムに Red Hat Network モニタリングデーモンをインストールする必要があるプローブがあるので注意してください。
  4. 目的のプローブコマンドとモニタリングスカウトを選択します。一般的には Red Hat Monitoring Satellite ですが Red Hat Satellite Proxy Server である場合もあります。プローブの簡潔で固有の説明を入力します。
  5. プローブが状態を変更したら通知を受信するよう プローブの通知 のチェックボックスを選択します。プローブチェックの間隔 のドロップダウンメニューを使って通知が送信される頻度を決定します。1 分 (および プローブの通知 チェックボックス) を選択すると、プローブが「重大 (CRITICAL)」または「警告 (WARNING)」のしきい値を超えた場合 1 分毎にツールを受け取ることになります。通知メソッドの作成方法およびメッセージの受領確認の方法については、「通知を有効にする」 を参照してください。
  6. RHNMD ユーザーRHNMD ポート フィールドが表示される場合は、これらを使ってプローブが Red Hat Network モニタリングデーモンではなく sshd で通信するよう強制します。詳しくは 「SSH の設定」 を参照してください。それ以外の場合は、デフォルト値の nocpulse4545 をそれぞれ使用してください。
  7. タイムアウト フィールドが表示されたら、デフォルト値を確認して必要に応じて調整します。すべてではありませんがほとんどの タイムアウトの結果は「UNKNOWN」 (不明) 状態になります。プローブの基準が時間ベースの場合、しきい値に割り当てている時間よりタイムアウトが短くならないよう確認します。タイムアウトが割り当て時間より短いと、しきい値を超える前にプローブがタイムアウトしてしまうので基準に意味がなくなります。
  8. 必要に応じ、残りのフィールドでプローブの警告しきい値を設けます。「重大 (CRITICAL)」と「警告 (WARNING)」の値では、 どの時点でプローブが状態を変更するかを指定します。しきい値の実践的な使い方については 「しきい値を設定する」 を参照してください。
  9. 終了したら プローブの作成 をクリックします。このプローブを反映させるには スカウト設定のプッシュ (Scout Config Push) ページで監視の設定変更をコミットする必要がありますので忘れないようにしてください。
プローブを削除するには、プローブの 現在の状態 ページに進み (システムの詳細プローブ タブでプローブ名をクリックします)、 プローブの削除 をクリックします。最後に削除の確認を行います。

1.2.5.2. しきい値を設定する

Red Hat Satellite で提供しているプローブの多くは警告のしきい値があり、しきい値を超えるとプローブの状態の変更を知らせます。例えば、Linux::CPU Usage (使用) プローブでは使用されている CPU の率に対して CRITICAL (重大) と WARNING (警告) のしきい値を設定できます。監視しているシステムがシステムの CPU 使用率 75 % を報告し、WARNING (警告) のしきい値が 70 % に設定されていると、プローブは WARNING (警告) 状態になります。プローブの中には多数のしきい値を提供するものもあります。
Monitoring エンタイトルメントを最大限に活用し、誤通知を防ぐには、しばらくの間は通知なしでプローブを実行して各システムのベースラインパフォーマンスを確立することをお勧めします。プローブに指定されているデフォルト値がご使用の環境に適している場合もありますが、組織によって環境はそれぞれ異なり、しきい値の変更を要する場合もあります。

1.2.5.3. Satellite サーバーを監視する

全クライアントシステムの監視に加え、Red Hat Network を使用して Satellite または Proxy を監視することもできます。Satellite または Proxy を監視するには、そのサーバーが監視するシステムを見つけて、そのシステムの システムの詳細プローブ タブに移動します。
新規プローブの作成 をクリックして Satellite プローブコマンドグループを選択します。次に、他のプローブと同様に残りのフィールドを入力します。詳細については 「プローブを管理する」 を参照してください。
Satellite または Proxy はクライアントシステムで監視されているように見えますが、プローブは実際にはサーバー自体から実行されます。しきい値と通知は通常通りに動作します。

注記

Red Hat Network モニタリングデーモンの接続を必要とするプローブは、いずれもモニタリングのソフトウェアが実行されている Red Hat Satellite または Red Hat Satellite Proxy Server に対しては使用することができません。これには、Linux コマンドグループ内のほとんどのプローブ、ログエージェントのプローブ、リモートプログラムのプローブが含まれます。Red Hat Satellite および Red Hat Satellite Proxy Server の監視には Satellite コマンドグループのプローブを使用してください。Proxy スカウトの場合、プローブはデータの報告先のシステムに一覧表示されます。

1.2.6. モニタリング

ナビゲーションバー上部にある モニタリング タブをクリックすると、モニタリング カテゴリとリンクが表示されます。Monitoring エンタイトルメントを必要とするこれらのページでは、Monitoring エンタイトルメントを持つシステムに対して実行を設定したプローブの結果を表示させたり、モニタリングインフラストラクチャの設定を管理することができます。
システムの詳細 ページの プローブ タブからシステムのモニタリングを開始します。利用できるプローブの全一覧は 付録A プローブ を参照してください。

1.2.6.1. プローブの状態

重要

このタブを表示するには、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
プローブの状態 ページは、上部のナビゲーションバーにある モニタリング をクリックするとデフォルトで表示されます。
プローブの状態 ページでは各状態にあるプローブ数の要約が表示され、疑わしいプローブを迅速に見つけることができるシンプルなインターフェースを提供します。ページ上部のタブ内にあるプローブの合計数は下の表に表示されるプローブ数と一致しない場合がある点に注意してください。上部のカウント数には組織内の全システムのプローブが含まれる一方、 表ではシステムグループ管理者のロールでアクセスできるシステムのプローブのみを表示しています。また、ここで表示されているプローブ数は最大で 1 分間の同期ずれがあります。
次に各状態についての説明とアイコンを示します。
  • - 重大 - プローブが「重大」のしきい値を超えました。
  • - 警告 - プローブが「警告」のしきい値を超えました。
  • - 不明 - プローブが測定基準または状態データを正確に報告できません。
  • - 待機中 - プローブはスケジュール済みですがまだ実行されていないか実行不能になっています。
  • - OK - プローブは正常に実行しています。
プローブの状態 ページには可能性のある状態についてのそれぞれのタブがあり、またすべてのプローブを一覧表示するタブがあります。いずれの表も同様に、プローブの状態、監視しているシステム、使用しているプローブ、最後に状態が更新された日付と時刻を表示する列があります。
これらの表でシステム名をクリックすると、システムの詳細 ページの モニタリング タブに移動します。プローブ名をクリックすると 現在の状態 ページに移動します。そこからは、プローブの編集、削除、および結果に応じたレポートの生成などを行なうことができます。
以前は Satellite の Web インターフェースでのみ使用可能だったモニタリングデータとプローブの状態情報が、CSV ファイルとして新たにエクスポートできるようになりました。該当する情報の CSV ファイルをダウンロードするには、モニタリングの各ページにある CSV のダウンロード リンクをクリックします。エクスポートされるデータには以下のものが含まれます (ただしこれらに限定されません)。
  • プローブの状態
  • 特定の状態の全プローブ (OK、 警告、 不明、 重大、 待機中)
  • プローブイベントの履歴
1.2.6.1.1. プローブの状態 ⇒ 重大

重要

このタブを表示するには、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
重大 (CRITICAL) のしきい値を越えたプローブ、または何らかの手段で重大な状態に達したプローブです。たとえば、タイムアウトの期間を超えると (不明ではなく) 重大な状態にあるプローブがいくつかあります。
1.2.6.1.2. プローブの状態 ⇒ 警告

重要

このタブを表示するには、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
警告 (WARNING) のしきい値を超えているプローブです。
1.2.6.1.3. プローブの状態 ⇒ 不明

重要

この機能には、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
プローブの状態を確定するために必要な測定基準を収集できないプローブです。すべてではありませんがほとんどのプローブはタイムアウトの時間を超えると不明になります。これは、タイムアウトの時間を増加させる必要があるか、または監視しているシステムに接続が確立できない可能性があるという意味になります。
プローブの設定パラメータに誤りがあるためデータを収集できない可能性もあります。最後に、この状態はソフトウェアのエラーが発生していることを示す場合があります。
1.2.6.1.4. プローブの状態 ⇒ 待機中

重要

このタブを表示するには、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
Red Hat Network でデータが受け取られていないプローブです。プローブがスケジュールされたばかりのためにまだ実行されていない場合にこの状態が表示されます。すべてのプローブが待機状態になる場合は、モニタリングインフラストラクチャが失敗している可能性があります。
1.2.6.1.5. プローブの状態 ⇒ OK

重要

このタブを表示するには、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
例外がなく正常に稼動しているプローブです。これは、全てのプローブの望ましい状態です。
1.2.6.1.6. プローブの状態 ⇒ すべて

重要

このタブを表示するには、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
アカウント内のシステム上でスケジュールされているすべてのプローブです。システム名ごとにアルファベット順で表示されます。
1.2.6.1.7. 現在の状態

重要

このタブを表示するには、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
選択したプローブの状態とそのプローブが最後に実行された時間を表示する一方、そのプローブに関するレポートの生成機能を提供しています。このページはモニタリングに必要不可欠なページですが、設定が監視しているシステムに固有であるため システムの詳細 ページ内の プローブ タブにあります。
プローブの結果レポートを表示するには、日付 フィールドを使って適切な期間を選択し、測定基準のデータを表示させたいのか、状態変更の履歴を表示させたいのか、あるいは両方とも表示させるのかを決定します。測定基準のデータを取得するには、レポートしたい基準を選択して、結果をグラフで表示するのか、イベントログで表示するのか、あるいは両方で表示するのかを選択します(チェックボックスを使用)。次に、ページ下部の レポートの生成 をクリックします。プローブの測定基準に対するデータが存在しない場合、NO DATA SELECTED TIME PERIOD AND METRIC というメッセージが表示されます。

1.2.6.2. 通知

重要

このタブを表示するには、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
組織用に確立されている連絡方法を表示します。これらのメソッドにはプローブからの通知警報を受け取るための電子メールアドレスまたはポケベルのアドレスが含まれます。
組織で利用できる各種通知メソッドはデフォルトの 通知 画面のここに表示されます。 メソッドは適用されるユーザーに応じて一覧表示されます。
新規の通知メソッドを作成する場合は、その通知を適用するユーザー名をクリックします。そのユーザーの「ユーザーの詳細」 ⇒ 「通知メソッド」ページが表示されます。そのメソッドのプロパティを編集する場合は通知メソッドのタイトルをクリックします。
1.2.6.2.1. 通知 ⇒ フィルタ
通知フィルタにより、標準的な通知を保留するか、転送するか、自動的に確認するか、または補足の通知を送信するなどの長期的なルールを作成することができます。冗長であったり頻度が多かったりするプローブ通信を管理する場合に便利です。
1.2.6.2.1.1. 通知 ⇒ 通知フィルタ ⇒ アクティブなフィルタ
通知フィルタのタブのデフォルト画面です。組織で利用できるアクティブな全フィルタを一覧表示します。フィルタ名をクリックしてフィルタのプロパティを編集します。
通知フィルタを作成するには、画面の右上にある 新規の通知フィルタを作成 リンクをクリックします。下記に示す各オプションを設定して フィルタの保存 ボタンをクリックしフィルタを作成します。
  1. 詳細: このフィルタと他を区別することができるような値を入力します。
  2. タイプ: 受信する通知の転送、承認、保留または補足などの、フィルタが行う動作を決定します。
  3. 送信先: ステップ 2 の通知の転送 (Redirect Notification) および 補足通知 オプションにはこの通知の送信先となる電子メールアドレスが必要になります。その他のオプションには電子メールアドレスは必要ありません。
  4. 範囲: フィルタの対象となる監視コンポーネントを指定します。
  5. 組織/スカウト/プローブ: このオプションを使用するとフィルタを適用する組織、スカウト、またはプローブを選択することができます。一覧から複数の項目を選択する場合は、Ctrl キーを押しながら項目名をクリックしていきます。ある範囲の項目を選択するには、Shift キーを押しながらその範囲の最初と最後の項目をクリックします。
  6. プローブの状態: フィルタに関連するプローブ状態を選択します。例えば、重大なプローブにのみ補足の通知を作成するよう選択することができます。フィルタに無視させる状態についての左側にあるボックスのチェックを外します。
  7. 通知送信先: フィルタが設定されていなかった場合に通知の送信先を指定する方法です。例えば、あるユーザーが休暇中の時、通常そのユーザーに送信すべき通知を転送できます。その場合、その他のプローブからの通知はすべて変更されないままになります。
  8. 合致出力: ここに正規表現を入力して正確な通知結果を選択します。通知の「Message:」の部分が正規表現に一致しないとフィルタは適用されません。
  9. 繰り返し: フィルタを継続的に実行させるのか、または繰り返して実行させるのかを選択します。繰り返しのフィルタはフィルタの期間より短い時間の間に複数回実行をくり返します。例えば、繰り返しフィルタはフィルタの開始時間と停止時間の間、1 時間ごとに 10分間実行させることができます。繰り返し以外のフィルタはフィルタの開始時間と停止時間の間、継続的に実行されます。
  10. 開始: フィルタが動作を開始する日付と時間を入力します。
  11. 終了: フィルタが終了する日付と時間を入力します。
  12. 繰り返しの期間: 繰り返しフィルタのインスタンスがアクティブとなっている期間です。繰り返しのフィルタにのみ適用できるこのフィールドは上記で指定された 開始 時間に始まります。指定期間外に生成された通知はフィルタされません。
  13. 繰り返しの頻度: フィルタをアクティブにする回数です。
通知フィルタは削除できません。ただし、終了日を過去の時間に設定することによりフィルタを取り消すことができます。(終了日は開始日と同じかまたはそれ以降にします。そうしないと変更は失敗します。) 別の方法として、アクティブ ページからフィルタのセットを選択して右下の 通知フィルタの終了日 (Expire Notification Filters) ボタンをクリックします。フィルタが取り消されて 期限切れのフィルタ タブに表示されます。
1.2.6.2.1.2. 通知 ⇒ 通知フィルタ ⇒ 期限切れのフィルタ
このタブは終了日が過去になる全ての通知フィルタを一覧表示します。期限切れのフィルタは無期限に保存されます。これにより、組織は必要に応じて役に立つフィルタをリサイクルすることができ、トラブルシュートの際にはその履歴となる記録が提供されます。

1.2.6.3. プローブセット

プローブセットにより、1 システムまたは複数のシステムに 1 プローブまたは複数のプローブを設定し適用することができるようになります。プローブセットは一度設定したらまとめて複数のシステムに適用することができます。これにより、時間を節約できると共に整合性を Monitoring のお客様に対して提供します。
プローブセットを作成し適用するには、まず空のプローブセットを作成してからメンバーとなるプローブを設定し、最後にそのセットを選択したシステムに適用します。
  1. Monitoring ⇒ プローブセット (Probe Suites) ページから、 プローブセットの作成 (create probe suite) リンクを選択します。プローブセットにわかりやすい名前をつけます。また、セットには簡単な説明を付加することもできます。プローブセットの作成 (Create Probe Suite) ボタンをクリックします。
  2. セットを構成するプローブの追加と設定を行います。右上の 新規プローブの作成 (create new probe) リンクをクリックします。
  3. プローブを設定して右下にある プローブの作成 (Create Probe) ボタンをクリックします。必要なプローブが全て追加されるまでこのプロセスをくり返します。

    注記

    Sendmail を Red Hat Satellite で正しく設定してください。また、プローブセットが適用される各クライアントシステムには rhnmd デーモンをインストールして実行させておく必要があります。詳細については 『Red Hat Satellite インストールガイド』 を参照してください。
  4. 「システム」タブで、プローブセットが適用されるシステム群を追加します。画面の右上にある システムをプローブセットに追加 リンクをクリックして継続します。
  5. 次のページでは、Monitoring エンタイトルメントを持つ全てのシステムの一覧が表示されます。プローブセットを適用したいシステムの左側のボックスにチェックを入れ、使用したいモニタリングスカウトを選択して、システムをプローブセットに追加 ボタンをクリックしてプローブセットの作成を完了します。
プローブセットからはプローブの削除または切り離しのいずれかを行えます。プローブを切り離すとプローブセットからそのプローブの関連性を断ち、特定のシステムに対するシステム固有のプローブに変換します。つまり、切り離したプローブへの変更はそのシステムにしか影響を与えなくなります。プローブを削除すると、全システムのプローブセットからそのプローブを取り除くことになります。
プローブセットからプローブを削除するには、
  1. Monitoring ⇒ プローブセットのページから変更したいプローブセットのタイトルをクリックします。
  2. プローブ サブタブを選択します。
  3. 削除したいプローブの隣にあるボックスにチェックを入れます。
  4. プローブセットからプローブを削除 (Delete probes from Probe Suites) ボタンをクリックします。
プローブセットからシステムを除外することもできます。これには、2 通りの方法があります。1 つ目の方法は、プローブセットからシステムを切り離す方法です。これを行ってもシステムには依然として割り当てられたものと同じプローブがあります。ただし、他のシステムに影響を与えることなくこれらのプローブを個別に設定することができるようになります。
プローブセットからシステムを切り離すには、
  1. Monitoringプローブセット ページから変更したいプローブセットのタイトルをクリックします。
  2. システム サブタブを選択します。
  3. プローブセットから削除したいシステム (群) の横のボックスにチェックを入れます。
  4. プローブセットからシステムを外す ボタンをクリックします。
2 番目の方法は、プローブセットからシステムを削除する方法です。これによりシステムをプローブセットから除外し、そのシステムから実行中のすべてのプローブを削除します。

注記

この動作により、システムから全プローブセットのプローブ群、および履歴となる全タイムシリーズとイベントログのデータを削除します。この動作は元に戻すことはできません。
プローブセットからシステムを削除して、そのシステムから関連のプローブ群を全て消去するには次のようにします。
  1. Monitoring ⇒ プローブセットのページから変更したいプローブセットのタイトルをクリックします。
  2. システム サブタブを選択します。
  3. プローブセットから削除したいシステム (群) の横のボックスにチェックを入れます。
  4. プローブセットからシステムを削除 ボタンをクリックします。
最後に、単独のプローブと同様、プローブセットに関する情報を含んだ CSV ファイルをダウンロードすることができます。 モニタリングプローブセット ページの下部にある CSV のダウンロード リンクをクリックしてファイルをダウンロードします。

1.2.6.4. スカウト設定のプッシュ (Scout Config Push)

重要

このタブを表示するには、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
モニタリングインフラストラクチャの状態を表示します。システムにプローブを追加するか、またはプローブのしきい値を変更するなどのモニタリング設定に変更を加えるときは必ず、モニタリングインフラストラクチャを再設定する必要があります。再設定は、Red Hat Network サーバーのチェックボックスを選択して スカウト設定のプッシュ (Push Scout Configs) をクリックして行ないます。このページの表でプッシュが要求された日時とプッシュが完了した日時を確認できます。
サーバー名をクリックすると、その Red Hat Network モニタリングデーモン SSH パブリックキーが開きます。これにより、スカウトで監視されているシステムへの SSH キーをコピーして貼り付けることができるようになります。この操作は Red Hat Network モニタリングデーモンを Satellite に接続させるために必要になります。

1.2.6.5. 全般的な Monitoring 設定

重要

このタブを表示するには、Monitoring エンタイトルメントが必要です。
全般的な Monitoring 設定ページは 管理Red Hat Satellite 設定Monitoring にあります。これは、Monitoring インフラストラクチャに全般的に適用可能な情報を収集します。このページで何らかの変更を行うと、Red Hat Satellite にあるモニタリングサービスがリセットされます。また、この Satellite に接続する Monitoring エンタイトルメントを有する全ての Red Hat Satellite Proxy Server 上のモニタリングサービスに対してもイベントの再起動をスケジュールします。これは、サーバー上にあるモニタリングサービスにその設定を直ちに再読み込みさせるために行われます。
一般的に、他のフィールドで与えられるデフォルト値は Satellite のインストールから得られるためそのまま使用できますが、 このページのフィールドを使用してモニタリング設定を変更することができます。たとえば、ここでメール Exchange Server の変更を行えます。このページでは Satellite からの管理の電子メールの宛先を変更することもできます。終了したら 設定を更新 (Update config) をクリックします。

1.3. 複数の Satellite

Inter-Satellite Synchronization (ISS) により、1 つの Satellite が別の Satellite インスタンスのコンテンツと権限を ピアツーピア の関係で同期することができます。ただし、以下のセクションでは、コンテンツを受け取る Satellite は「スレーブ Satellite」と呼ばれ、コンテンツのプルが行われるソースとして動作する Satellite は「マスター Satellite」と呼ばれます。ISS を使用してコンテンツを同期する際、ユーザーや組織などのコンテンツ以外のエンティティのセットアップが、スレーブ Satellite インスタンスとマスターのセットアップでは異なる場合があります。スレーブインスタンスの Satellite 管理者は、マスターインスタンスで行われていることと切り離して、エンティティーの追加、削除、変更を自由に行うことができます。

注記

マスターとスレーブは長年使用されてきた用語ですが、ISS プロトコルでは 実施されていない ニュアンスが含まれます。本セクションでは、上記のような限定された意味を念頭に置いて進めていきます。
ISS 機能は、組織のニーズに応じていくつか異なる方法で使用できます。2 つの Satellite が相互のマスターとスレーブとして動作する ISS 設定があります。本セクションには、ユースケースと各組織に適した ISS の最善の設定方法について説明します。

ISS の要件

ISS 使用の必要条件は以下のとおりです。
  • 2 台以上の Red Hat Satellite サーバー
  • 1 つ以上のチャンネルが設定された 1 つ以上の Red Hat Satellite
  • ISS を目的とするすべての Satellite システムでの Satellite 管理者の権限

1.3.1. Satellite 間の同期

ISS は、手動か、または spacewalk-sync-setup と呼ばれる新規ツールで設定できます。どちらの方法も効果的であり、方法はユーザーが決定できます。

1.3.1.1. 手動による設定

手順1.1 マスター Satellite サーバーを設定する

Satellite 5.6 では、ISS はスレーブ Satellite が、マスターで設定された設定内容に基づいて、組織の信頼階層とカスタムチャンネル権限を複製できるようにします。これは、マスター Satellite から受信側のスレーブ Satellite に特定の組織についての情報をエクスポートすることによって行われます。次に、スレーブ Satellite の Satellite 管理者は、マスター組織を特定のスレーブ組織にマップすることを選択できます。今後の satellite-sync 操作でこの情報を使用し、カスタムチャンネル所有権を特定のマスター組織にマップされたスレーブ組織に割り当てます。また、公開されるマスター組織と一致するスレーブ組織間の信頼関係をマップすることもでき、スレーブ上でも同等の関係を作成できます。
  1. Web インターフェース:
    1. Satellite 管理者としてログインします。
    2. 管理ISS 設定マスターセットアップ をクリックします。
    3. 右上にある、新規スレーブの追加 をクリックします。
    4. 以下の情報を入力してください。
      • スレーブの完全修飾ドメイン名 (FQDN)
      • スレーブの同期を許可しますか? - このフィールドを選択すると、スレーブ Satellite はこのマスター Satellite にアクセスできます。このフィールドを選択しないと、このスレーブへのアクセスは拒否されます。
      • すべての組織をスレーブに同期しますか? - このフィールドにチェックを入れると、すべての組織がスレーブ Satellite に同期します。

      注記

      マスターセットアップ ページで すべての組織をスレーブに同期しますか? オプションを選択すると、その下のローカル組織 表で選択されたすべての組織が上書きされます。
    5. 作成 をクリックします。
    6. (オプション) スレーブ Satellite にエクスポートされる任意のローカル組織をクリックします。
    7. 組織を許可 をクリックします。

      注記

      Satellite 5.5 では、マスター Satellite は、/etc/rhn/rhn.conf ファイルにある iss_slaves パラメータを使用して、どのスレーブがマスター Satellite にアクセスできるかを特定することができました。Satellite 5.6 は、マスターセットアップ ページの情報を使用してこの情報を判別することができます。
  2. コマンドライン:
    1. /etc/rhn/rhn.conf ファイルの inter-satellite synchronization (ISS) 機能を有効にします。
      disable_iss=0
      
    2. 設定ファイルを保存して、httpd サービスを再起動します。
      service httpd restart
      

手順1.2 スレーブサーバーの設定

スレーブ Satellite サーバーは、マスターサーバーから同期されたコンテンツを受け取るマシンです。
  1. コンテンツをスレーブサーバーに安全に転送するには、マスターサーバーからの ORG-SSL 証明書が必要となります。この証明書は HTTP を介して任意の Satellite の /pub/ ディレクトリからダウンロードできます。ファイル名は RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT ですが、その名前は変更することができ、スレーブのローカルファイルシステム内の任意の場所 (例:/usr/share/rhn/ ディレクトリなど) に置くことができます。
  2. Satellite 管理者としてスレーブ Satellite にログインします。
  3. 管理ISS 設定スレーブセットアップ をクリックします。
  4. 右上にある 新規マスターの追加 をクリックします。
  5. 以下の情報を入力してください。
    • マスターの完全修飾ドメイン名
    • デフォルトのマスターですか?
    • このマスターの CA 証明書のファイル名 - この手順の最初のステップでダウンロードされた CA 証明書の完全パスを使用します。
  6. 新規マスターの追加 をクリックします。

手順1.3 Inter-Satellite Synchronization の実行

マスターサーバーとスレーブサーバーの設定が完了したら、それらの間での同期が可能になります。
  • satellite-sync コマンドを以下のように実行して、同期を開始します。
    satellite-sync -c your-channel

    注記

    satellite-sync コマンドで手動で提供されるコマンドラインオプションは、/etc/rhn/rhn.conf ファイル内のカスタム設定を上書きします。

手順1.4 マスター Satellite の公開された組織からスレーブ Satellite の組織へのマッピング

前提条件

直前の手順に従った後に、マスター Satellite が 管理ISS 設定スレーブセットアップ の下のスレーブ Satellite のスレーブセットアップに現れます。表示されない場合は、上記のステップをもう一度確認してください。

マスター Satellite 上の組織名間のマッピングにより、マスター Satellite 上でチャンネルアクセス権限を設定することが可能になり、これらの権限がコンテンツがスレーブ Satellite に同期される際に伝搬します。すべての組織およびチャンネルの詳細が、すべてのスレーブ Satellite 用にマップされる必要はなく、Satellite 管理者は、マッピングの許可または省略によって、同期する権限および組織を選択することができます。
マッピングを完了するには、スレーブ Satellite の以下の手順に従います。
  1. Satellite 管理者としてログインします。
  2. 管理ISS 設定スレーブセットアップ をクリックします。
  3. マスター Satellite をその名前をクリックして選択します。
  4. ドロップダウンボックスを使用して、エクスポートされたマスター組織名をスレーブ Satellite 内の一致するローカル組織にマップします。
  5. マッピングを更新 をクリックします。
  6. コマンドライン上で、それぞれのカスタムチャンネルに対して satellite-sync を実行し、正しい信頼構造とチャンネル権限を取得します。
    satellite-sync -c your-channel
    

1.3.1.2. 自動化設定

spacewalk-sync-setup を使うと、ユーザーは、マスターとスレーブの Satellitet インスタンスを指定でき、マスターとスレーブセットアップの両方で記述される情報をセットアップするために設定ファイルを使用できます。必要な場合は、デフォルト設定ファイルのセットを作成できます。基本的には、マスターとスレーブの関係について事前にセットアップされ、マップされた設定を自動化します。
前提条件

自動化設定を成功させるには:

  • コマンド spacewalk-sync-setup を実行する spacewalk-util パッケージをシステムにインストールする必要があります。
  • カスタム権限を持つマスター Satellite 上の既存の組織が現れるはずです。
  • スレーブ Satellite 内の既存の組織が現れるはずです。

手順1.5 マスター Satellite サーバーを設定する

  1. /etc/rhn/rhn.conf ファイルの inter-satellite synchronization (ISS) 機能を有効にします。
    disable_iss=0
    
  2. 設定ファイルを保存して、httpd サービスを再起動します。
    service httpd restart
    

手順1.6 スレーブサーバーの設定

スレーブ Satellite サーバーとは、マスターサーバーにコンテンツが同期されるマシンです。
  1. コンテンツをスレーブサーバーに安全に転送するには、マスターサーバーからの ORG-SSL 証明書が必要となります。この証明書は HTTP を介して任意の Satellite の /pub/ ディレクトリからダウンロードできます。ファイル名は RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT ですが、その名前は変更することができ、スレーブのローカルファイルシステム内の任意の場所 (例:/usr/share/rhn/ ディレクトリなど) に置くことができます。
  2. Satellite 管理者としてスレーブ Satellite にログインします。
  3. 管理ISS 設定スレーブセットアップ をクリックします。
  4. 右上にある 新規マスターの追加 をクリックします。
  5. 以下の情報を入力してください。
    • マスターの完全修飾ドメイン名
    • デフォルトのマスターですか?
    • このマスターの CA 証明書のファイル名 - この手順の最初のステップでダウンロードされた CA 証明書の完全パスを使用します。
  6. 新規マスターの追加 をクリックします。

手順1.7 spacewalk-sync-setup によるマスター Satellite 組織とスレーブ Satellite 組織のマッピング

  1. システムにログインします。システムがマスターおよびスレーブ Satellite のパブリック XMLRPC API にアクセスできる限り、マスター Satellite であるかスレーブ Satellite であるか、または別のシステムであるかどうかは問題ではありません。
  2. コマンドラインインターフェースで spacewalk-sync-setup を実行します。
    spacewalk-sync-setup --ms=[Master_FQDN] \
    --ml=[Master_Sat_Admin_login] \
    --mp=[Master_Sat_Admin_password] \
    --ss=[Slave FQDN]  --sl=[Slave_Sat_Admin_login] \
    --sp=[Slave_Sat_Admin_password> \
    --create-templates --apply
    
    ここで:
    • --ms=MASTER、--master-server=MASTER は、マスターが接続する FQDN です
    • --ml=MASTER_LOGIN、--master-login=MASTER_LOGIN は、マスター Satellite 用の Satellite 管理者のログインです
    • --mp=MASTER_PASSWORD、--master-password=MASTER_PASSWORD は、マスター Satellite 上の Satellite 管理者ログインのパスワードです
    • --ss=SLAVE、--slave-server=SLAVE は、スレーブ Satellite が接続する FQDN です。
    • --sl=SLAVE_LOGIN、--slave-login=SLAVE_LOGIN は、スレーブ Satellite 用の Satellite 管理者ログインです
    • --sp=SLAVE_PASSWORD、--slave-password=SLAVE_PASSWORD は、スレーブ Satellite 上の Satellite 管理者用のパスワードです。
    • --ct、--create-templates は、指摘したマスター/スレーブのペア用のマスターとスレーブのセットアップファイルを作成するオプションです。
    • --apply は、Satellite インスタンスに対し、セットアップファイルで指摘された変更を指定の Satellite インスタンスに対して行うように指示します。

    注記

    追加のセットアップオプション:
    spacewalk-sync-setup --help
    
    このコマンドの出力は以下のように表示されます。
    INFO: Connecting to [admin@master-fqdn]
    INFO: Connecting to [admin@slave-fqdn]
    INFO: Generating master-setup file $HOME/.spacewalk-sync-setup/master.txt
    INFO: Generating slave-setup file $HOME/.spacewalk-sync-setup/slave.txt
    INFO: Applying master-setup $HOME/.spacewalk-sync-setup/master.txt
    INFO: Applying slave-setup $HOME/.spacewalk-sync-setup/slave.txt
    
  3. コマンドライン上で、それぞれのカスタムチャンネルに対して satellite-sync を実行し、正しい信頼構造とチャンネル権限を取得します。
    satellite-sync -c your-channel
    

1.3.2. 組織別の同期

ISS (Inter-Satellite Synchronization) は、特定の組織にコンテンツをインポートするためにも使用できます。これはローカルで、またはリモート同期を使用して行うことができます。この機能は、チャンネルダンプを介して、または接続された Satellite からエクスポートして切断モードの Satellite にインポートする方法でコンテンツを取得している、複数の組織を伴う切断モードの Satellite に便利です。組織別の同期は、カスタムチャンネルを接続モードの Satellite からエクスポートするのに使用できます。また、組織の同期を使用すると、複数の組織間でのコンテンツの移行も効果的に行うことができます。
組織別の同期は、ソース組織の整合性を維持するために、一連の明確なルールに従っています。
  • ソースコンテンツが NULL 組織に属する場合は (すなわち Red Hat のコンテンツ)、同期先の組織が指定されている場合であってもデフォルトで NULL 組織に設定されます。これにより、指定されたコンテンツは、常に権限がある NULL 組織にあることになります。
  • コマンドラインで組織を指定した場合は、コンテンツがその組織からインポートされます。
  • 組織が指定されていない場合は、デフォルトで組織 1 に指定されます。
以下に 組織 ID (orgid) を使用した Satellite 間の同期の 3 つのシナリオ例を示します。

例1.1 マスター Satellite からスレーブ Satellite へのコンテンツのインポート

この例では、マスター Satellite からスレーブ Satellite にコンテンツをインポートします。
satellite-sync --parent-sat=master.satellite.example.com -c channel-name --orgid=2

例1.2 特定の組織のエクスポートされたダンプからのコンテンツのインポート

この例では、特定の組織のエクスポートされたダンプからコンテンツをインポートします。
$ satellite-sync -m /dump -c channel-name --orgid=2

例1.3 Red Hat Network Hosted からのコンテンツのインポート

この例では、Red Hat Network Hosted からコンテンツをインポートします (システムが登録および有効化されていることが前提)。
$ satellite-sync -c channel-name

1.3.3. ISS (Inter-Satellite Synchronization) のユースケース

Inter-Satellite Synchronization (ISS) は組織のニーズに応じていくつか異なる方法で使用することができます。本セクションでは、ISS の使用方法と、これらのケースを設定/操作する方法を説明します。

例1.4 ステージング Satellite

この例では、Satellite を ステージング Satellite として使用して、コンテンツの準備とパッケージの品質保証作業を行い、実稼働での使用に適していることを確認します。コンテンツの実稼働での使用が承認されると、実稼働 Satellite はステージング Satellite のコンテンツを同期します。
  1. satellite-sync コマンドを実行して、rhn_parent (通常は Red Hat Network Hosted) とデータを同期します。
    satellite-sync -c your-channel
    
  2. 以下のコマンドを実行して、ステージングサーバーからデータを同期します。
    satellite-sync --iss-parent=staging-satellite.example.com -c custom-channel

例1.5 同期されたスレーブ

この例では、マスター Satellite がスレーブに直接データを提供し、変更は定期的に同期されます。

例1.6 スレーブのカスタムコンテンツ

この例では、マスター Satellite を開発チャンネルとして使用します。コンテンツはこのチャンネルからすべての実稼働スレーブ Satellite に配布されます。一部のスレーブ Satellite には、マスター Satellite チャンネルには存在しない追加のコンテンツが含まれています。これらのパッケージは維持されますが、マスター Satellite からのすべての変更はスレーブに同期されます。

例1.7 双方向の同期

この環境では、2 つの Red Hat Satellite サーバーが相互に対してマスターとスレーブの両方として機能し、2 者間のコンテンツを同期することができます。コマンド satellite-sync が実行される Satellite サーバーは、コンテンツを他の Satellite サーバーからプルし、同期されるデータは、satellite-sync で実行されるオプションによって異なります。いずれのオプションも選択しないと、同期はそれまでに同期したものすべてを更新しようとします。
マスター Satellite の設定方法については、「手動による設定」 を参照してください。どちらの Satellite サーバーもマスターとして設定すると、双方向の同期が作成されます。

第2章 Red Hat Satellite と Solaris 固有の情報

本セクションでは、Red Hat Satellite を Solaris システムで使用する方法について説明します。

2.1. UNIX サポートガイド

2.1.1. はじめに

この章では、Red Hat Network 機能のインストール手順と、UNIX ベースのクライアント管理に使用する場合の差異について説明します。Red Hat Network はお客様が UNIX から Linux へ移行できるように UNIX サポートを提供しています。この作業の対象は限られるため、UNIX クライアント管理向けに提供される機能は Red Hat Enterprise Linux システムの管理で利用できる機能ほど包括的ではありません。
次のセクションでは、対応できる UNIX 互換種、UNIX 管理システムで対応できる Red Hat Network の機能、Red Hat Network を使用した UNIX システムの管理に求められる前提条件、また UNIX クライアントのインストール手順などについて説明します。

2.1.1.1. 対応できる UNIX 互換種

Red Hat Satellite では、次の UNIX 互換種、バージョンおよびアーキテクチャに対応しています。

表2.1 対応できる Solaris のアーキテクチャとバージョン

Solaris のバージョン sun4m sun4d sun4u sun4v sun4us x86
Solaris 8 はい いいえ はい 該当なし いいえ いいえ
Solaris 9 はい 該当なし はい 該当なし いいえ はい
Solaris 10 該当なし 該当なし はい はい いいえ はい

2.1.1.2. 前提条件

次の項目は UNIX のサポートを取得する場合に必要となります。
  • Red Hat Satellite 5.0 以降
  • Satellite 証明書と Management エンタイトルメント
  • 各 UNIX クライアント用の Management エンタイトルメント
  • python、pyOpenSSL、および Red Hat Network クライアントのパッケージ群など、UNIX 用の Red Hat Network パッケージ
  • サポートライブラリを提供する Sunfreeware パッケージ。

    注記

    一部のパッケージは Red Hat Satellite で入手できます。全一覧については 「追加パッケージのダウンロードとインストール」 を参照してください。

2.1.1.3. 含まれている機能

次の機能が UNIX サポートサービスレベルアグリーメントに含まれ、現在 Red Hat Network に存在している機能と同じものになります。
  • Red Hat Network Service Daemon (rhnsd)、設定可能な間隔に応じて rhn_check を起動します。
  • Red Hat Network Configuration Client (rhncfg-client)、Satellite からスケジュールした全ての設定動作を実行します。
  • Red Hat Network Configuration Manager (rhncfg-manager)、Red Hat Network 設定チャンネルをコマンドラインで管理することができます。
  • rhn_check プログラム、Satellite にチェックインしてサーバーからスケジュールした動作を実行します。
  • Management レベルの全機能、システムのグループ化、パッケージプロファイルの比較、システム設定マネージャを使用した複数システムの一括管理などが含まれます。
  • リモートコマンドと呼ばれる Provisioning の機能、Satellite の Web サイトを使って root レベルのコマンドを管理しているあらゆるクライアントでスケジュールすることができます (クライアントがこの動作を許可している場合)。

2.1.1.4. 機能の相異

次の Red Hat Network 機能は UNIX 環境下では異なる動作をします。
  • Red Hat Update Agent for UNIX のオプションは Linux 向け Red Hat Update Agent のオプション数よりかなり少なくなるため、パッケージのインストールについては rpm ではなくそのオペレーティングシステムのネイティブのツールセットに依存します。オプションの詳細一覧は 「コマンドラインから更新を行う」 を参照してください。
  • Red Hat Network Push アプリケーションも、パッケージ、パッチおよびパッチのクラスタなどのネイティブな UNIX ファイルタイプをアップロードするように同様に修正されています。
    Solaris パッケージ、パッチおよびパッチクラスタのファイルは RPM ファイルとは異なるため、チャンネルアップロードのメカニズムが少々異なります。Solaris 用の rhnpush パッケージには、次の 2 つのアプリケーションがあります。
    • 1 番目は solaris2mpm です。各 Solaris パッケージまたは パッチの MPM ファイルを作成する Red Hat Network ユーティリティです。MPM ファイルの中立的な形式により、Satellite がアップロードされたファイルを理解し管理できるようになります。
    • 2 番目は rhnpush です。RPM ファイルの他にも MPM を処理できるよう拡張されています。これ以外は Linux バージョンの rhnpush とまったく同じように動作します。
  • Red Hat Network Web サイトの チャンネル タブは、ネイティブの UNIX ファイルタイプのインストールや保存に対応できるよう拡張されています。

2.1.1.5. 除外された機能

次の Red Hat Network 機能は UNIX サポートシステムでは利用できません。
  • Provisioning レベルの機能、 設定ファイルの管理を除くキックスタート起動やパッケージのロールバック機能など
  • エラータ関連の全オプション、 エラータ更新の概念は UNIX では理解されないため
  • パッケージのソースファイル
Answer ファイルにはまだ対応していません。今後のリリースでの対応を計画しています。
Solaris システム向けの IPV6 もサポートされていません。
また、インストール中の RHAT*.pkg ファイルの移転にはまだ対応していません。

2.1.2. Satellite サーバーの準備と設定

クライアントシステムに対して必要となるファイルが配備可能となる前に、Satellite を設定して UNIX クライアントをサポートする必要があります。Satellite サーバーのインストールの有無によって、次の 2 つの方法のいずれかで行えます。
  1. Satellite のインストール中:
    以下に示すように、インストールのプロセス中に「Solaris サポートを有効にする」ボックスにチェックを入れて Satellite での UNIX サポートを有効にします。
    Satellite のインストール中に UNIX サポートを有効にする

    図2.1 Satellite のインストール中に UNIX サポートを有効にする

  2. Satellite のインストール後:
    インストール終了後に Satellite を設定して UNIX サポートを有効にします。これを実行するには、上部メニューバーの 管理 を選択してから左側のナビゲーションバーにある Satellite の設定 (Satellite Configuration) を選択します。その後に続く画面で、以下に示すように Solaris サポートを有効にする ボックスにチェックを入れます。
    Satellite のインストール後に UNIX サポートを有効にする

    図2.2 Satellite のインストール後に UNIX サポートを有効にする

    設定を更新 ボタンを押して変更を確認します。
  3. 最後に、クライアントシステムがサブスクライブできるベースチャンネルを作成します。Red Hat Netowrk は UNIX のコンテンツを提供しません。つまり、チャンネルの作成に satellite-sync を使用することはできません。
    Solaris チャンネルを作成するには、Satellite の Web インターフェースに Satellite 管理者または認証局としてログインします。チャンネル タブへ移動し、左側のナビゲーションバーから ソフトウェアチャンネルの管理 に移動します。表示される画面の右上にある 新しいチャンネルの作成 リンクをクリックします。新しいチャンネル用の名前とラベルを入力してから Sparc Solaris または i386 Solaris のいずれかをクライアントのアーキテクチャに応じて選択します。

2.1.3. Unix クライアントシステムの準備

UNIX ベースのクライアントシステムが Red Hat Network を利用する前に、接続の準備を行う必要があります。
  1. gzip と必要となるサードパーティーのライブラリをダウンロードしてインストールします。
  2. Red Hat Network アプリケーションの tarball を Satellite からクライアントにダウンロードしてそのコンテンツをインストールします。
  3. 次に、安全な接続に必要となる SSL 証明書を配備します。
  4. クライアントアプリケーションを設定して Red Hat Satellite に接続します。
完了すると、ご使用のシステムは Red Hat Network 更新を受信する準備が整ったことになります。次のセクションでこれらの手順についての詳細を説明していきます。

2.1.3.1. 追加パッケージのダウンロードとインストール

本セクションでは、サードパーティのアプリケーションおよび Red Hat Network アプリケーションを Satellite から UNIX クライアントにダウンロードしてインストールする手順について説明していきます。
主に重要となるアプリケーションは Red Hat Update Agent for UNIX (up2date) です。これは、クライアントシステムと Red Hat Network 間のリンクを提供します。Red Hat Update Agent の UNIX 固有バージョンは Linux バージョンに比べ機能上の制約はありますが、システムの登録を行ったりパッケージのインストールやパッチの更新はできます。ツールのオプションの詳細については、「Unix クライアントの登録と更新」 を参照してください。

注記

はじめての Solaris クライアントへのログインなら、コマンド bash を入力すると便利な場合があります。BASH シェルが使用できる場合は、システムがより Linux に近い動作になります。
2.1.3.1.1. サードパーティのパッケージをインストール
Red Hat Network アプリケーションのインストールは次のユーティリティおよびライブラリがないと続行できません。
  • gzip
  • libgcc
  • openssl
  • zlib
gzip ユーティリティは SUNW gzip パッケージにより提供され、http://www.sunfreeware.com からダウンロードすることができます。
Solaris の最近のバージョンでは、必要なライブラリは次のような元からインストールされているパッケージによって提供されます。
  • SUNWgccruntime
  • SUNWopenssl*
  • SUNWzlib
旧式の Solaris バージョンの場合、以下に示す必要なパッケージは http://www.sunfreeware.com からダウンロードすることができます。
  • SMClibgcc または SMCgcc
  • SMCossl
  • SMCzlib
クライアントにパッケージがインストールされているかどうか確認する場合は pkginfo コマンドを使用します。たとえば、パッケージ名に「zlib」が含まれているパッケージを確認するには次のコマンドを実行します。
# pkginfo | grep zlib

注記

Solaris パッケージのアーカイブ名はインストールされているパッケージ名とは異なります。たとえば、パッケージアーカイブの libgcc<version>-sol<solaris-version>-sparc-local.gz はインストール後には SMClibgcc になります。
2.1.3.1.2. ライブラリ検索パスの設定
Solaris クライアントが前述の手順でインストールされたライブラリを使用できるようにするには、ライブラリ検索パスにその場所を追加する必要があります。これを実行するには、まず現在のライブラリ検索パスを確認します。
# crle -c /var/ld/ld.config
現在のデフォルトのライブラリパスをメモしておきます。次にこのパスを修正して以下に示すコンポーネントも含めます。-l オプションはその値を追加するのではなくリセットするので注意してください。すでにシステムに設定された値がある場合は、その値を -l パラメータの前に追加します。
sparc:
 # crle -c /var/ld/ld.config -l /other/existing/path:/lib:/usr/lib:/usr/local/lib
x86:
# crle -c /var/ld/ld.config -l /other/existing/path:/lib:/usr/lib:/usr/local/lib:/usr/sfw/lib
2.1.3.1.3. Red Hat Network クライアントパッケージのダウンロード
Satellite の /var/www/html/pub/ ディレクトリから適切なパッケージの tarball をダウンロードします。Mozilla のような GUI Web ブラウザを使用できる場合は、Satellite の /pub ディレクトリまで行ってクライアントに対して適切な tarball を保存します。
http://your-satellite.example.com/pub/rhn-solaris-bootstrap-<version>-<solaris-arch>-<solaris-version>.tar.gz
コマンドラインで tarball をダウンロードしなければならない場合は、ftp を使ってそのファイルを Satellite からクライアントに転送できるはずです。
gzip を使って tarball を解凍します。 次のようなパッケージがあるはずです。
  • RHATpossl
  • RHATrhnrcfg
  • RHATrhnrcfga
  • RHATrhnrcfgc
  • RHATrhnrcfgm
  • RHATrhnc
  • RHATrhnl
  • RHATrpush
  • RHATsmart
SMClibgcc および SMCosslg もこの tarball に含まれていることがあります。
2.1.3.1.4. Red Hat Network パッケージのインストール
解凍したディレクトリに移動し、UNIX 系のネイティブインストールツールを使って各パッケージをインストールします。たとえば、Solaris なら pkgadd コマンドを使います。パッケージインストール中に表示されるプロンプトにはすべて「yes」と答えます。
以下に一般的なインストールの進行状況を示します。
# pkgadd -d RHATpossl-0.6-1.p24.6.pkg all
# pkgadd -d RHATpythn-2.4.1-2.rhn.4.sol9.pkg all
# pkgadd -d RHATrhnl-1.8-7.p23.pkg all
...

注記

pkgadd-n オプションを使用します。これはコマンドを非インテラクティブモードで実行します。ただし、Solaris 10 の場合、一部のパッケージのインストールがエラーを出力せずに失敗する原因となる場合があります。
Red Hat Network 固有のパスとなる /opt/redhat/rhn/solaris/ に各パッケージがインストールされるまで続行します。
2.1.3.1.5. PATH に Red Hat Network パッケージを含める
Red Hat Network パッケージを各ログインで使用できるようにするため、各自の PATH にパッケージを追加したい場合があります。これを実行するには、以下のコマンドをログインスクリプトに追加します。
# PATH=$PATH:/opt/redhat/rhn/solaris/bin
# PATH=$PATH:/opt/redhat/rhn/solaris/usr/bin
# PATH=$PATH:/opt/redhat/rhn/solaris/usr/sbin
# export PATH
Red Hat Network クライアントコマンドの man ページにアクセスできるようにするには、MANPATH にこれらを追加します。これを実行するには、次のコマンドをログインスクリプトに追加します。
# MANPATH=$MANPATH:/opt/redhat/rhn/solaris/man
# export MANPATH
または、次のコマンドを使ってコマンドラインから man ページにアクセスすることもできます。
# man -M /opt/redhat/rhn/solaris/man <man page>
最後に、Red Hat のライブラリを libgccopensslzlib で行ったのと同様に PATH に追加します。
crle -c /var/ld/ld.config -l <current library paths>:/opt/redhat/rhn/solaris/lib

2.1.3.2. クライアント SSL 証明書の配備

安全なデータ転送を確保するため、Red Hat は SSL の使用を強く推奨します。Red Hat Satellite は、そのインストール時に必要な証明書を生成することで SSL の実装作業を軽減しています。サーバー側の証明書は Satellite 自体に自動的にインストールされ、クライアント側の証明書は Satellite の Web サーバーの /pub/ ディレクトリに置かれます。
証明書をインストールするには、各クライアントごとに次の手順に従います。
  1. Red Hat Satellite の /var/www/html/pub/ ディレクトリからクライアントシステムに SSL 証明書をダウンロードします。この証明書には、RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT に類する名前を付けます。これは次の URL で Web 経由でのアクセスが可能です。https://your-satellite.example.com/pub/RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT
  2. クライアント SSL 証明書をご使用の UNIX の種類に応じて Red Hat Network 固有のディレクトリに移動します。Solaris の場合は、次のようなコマンドでこれを実行できます。
     mv /path/to/RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT /opt/redhat/rhn/solaris/usr/share/rhn/ 
完了すると、新しいクライアント証明書はご使用の UNIX システムの適切なディレクトリにインストールされます。Red Hat Network Management に関連した準備の必要なシステムが多数ある場合、このプロセス全体のスクリプトを作成することができます。
ここで、Red Hat Network クライアントアプリケーションが新たにインストールされた SSL 証明書を参照するよう再設定する必要があります。設定方法については、「クライアント群を設定する」 を参照してください。

2.1.3.3. クライアント群を設定する

Red Hat Network にクライアントシステムを登録する前に行う最後の手順は、Red Hat Network アプリケーションを再設定して新規の SSL 証明書を使用し、Red Hat Satellite から更新を取得できるようにすることです。これらの変更はいずれも、登録および更新の機能を提供している Red Hat Update Agent の設定ファイルを編集することで実行できます。
各クライアントシステムでこれらの手順を行って行きます。
  1. root として、システムの Red Hat Network 設定ディレクトリに移動します。Solaris の場合、完全パスは /opt/redhat/rhn/solaris/etc/sysconfig/rhn/ です。
  2. テキストエディタで up2date 設定ファイルを開きます。
  3. serverURL エントリを見つけ、その値を Red Hat Satellite の完全修飾ドメイン名 (FQDN) に設定します。
    serverURL[comment]=Remote server URL
    serverURL=https://your-satellite.example.com/XMLRPC
    
  4. Satellite に noSSLServerURL の値も設定して、SSL がオフの場合でも、アプリケーションが Red Hat Satellite を必ず参照するようにします。
    noSSLServerURL[comment]=Remote server URL without SSL
    noSSLServerURL=http://your-satellite.example.com/XMLRPC
    
  5. up2date 設定ファイルがまだ開いている状態で、sslCACert エントリを見つけ、「クライアント SSL 証明書の配備」 に説明されているように、その値として SSL 証明書の名前と場所に設定します。例えば、次のようになります。
    sslCACert[comment]=The CA cert used to verify the ssl server
    sslCACert=/opt/redhat/rhn/solaris/usr/share/rhn/RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT
    
これでクライアントシステムは、Red Hat Network で登録し、Satellite で管理する準備が整いました。

2.1.4. Unix クライアントの登録と更新

Red Hat Network 固有のパッケージのインストールと SSL の実装、および Red Hat Network Satellite に接続するためのクライアントシステムの再設定が完了したので、システムを登録して更新を取得する準備が整いました。

2.1.4.1. Unix システムを登録する

本セクションでは、UNIX システム用に Red Hat Network の登録手順を説明していきます。これを行う場合は rhnreg_ks を使用する必要があります。システムの登録にアクティベーションキーを使用するのはオプションになります。アクティベーションキーを使用すると、ベースチャンネルやシステムグループなどの Red Hat Network 内での設定をあらかじめ指定し、登録の時点でそれらをシステムに自動的に適用することができるようになります。
アクティベーションキーの生成および使用方法については他の章で詳述されているので、本セクションではアクティベーションキーを UNIX 系システムに適用する際の相異点にフォーカスします。
Red Hat Network Satellite に UNIX システムを登録するには、次の順番で次の作業を行います。
  1. Satellite の Web インターフェースにログインし、上部ナビゲーションバーの システム タブをクリックしてから、左側のナビゲーションバーの アクティベーションキー をクリックします。次に、ページ右上の 新規のキーを作成 をクリックします。
  2. 次のページで 「Satellite サーバーの準備と設定」 の最後に作成したベースチャンネルを選択します。
  3. キーを作成した後、アクティベーションキー 一覧でそのキーの名前をクリックし、ソフトウェア、設定チャンネルおよびシステムグループを関連付けることで Red Hat Network の設定を確定します。
  4. 登録するクライアントシステムでターミナルを開いてユーザーを root に切り替えます。
  5. コマンド rhnreg_ks--activationkey オプションと併用してクライアントを Satellite に登録します。キーを構成する文字列は Web サイトの アクティベーションキー 一覧から直接コピーしても構いません。コマンドは以下に似たようなものになります。
    rhnreg_ks --activationkey=b25fef0966659314ef9156786bd9f3af
    
  6. Web サイトに戻り、アクティベーションキーの名前をクリックして新しいシステムが アクティベートしたシステム タブ内にあることを確認します。

2.1.4.2. 更新を取得する

UNIX のパッケージ更新は、Linux の場合とはかなり異なります。例えば、Solaris は複数のパッケージを一度に更新する場合にパッチクラスタに依存しますが、Red Hat のオペレーティングシステムはエラータ更新を使用して更新を特定のパッケージに関連付けます。また、Solaris は回答ファイルを使用してインテラクティブなパッケージのインストールを自動化しますが、Linux はこれを理解せず、Red Hat はソースパッケージという概念を提供しています。このため、本セクションでは UNIX システム上で Red Hat Network ツールを使用する場合の相異点について明らかにしていきます。(注記: Red Hat Network は現在のリリースでは Solaris の回答ファイルには対応していません。今後のリリースで対応を計画しています。)
エラータが存在しないなどの固有の相異にもかかわらず、Satellite 上の Red Hat Network Web サイト内のチャンネルやパッケージの管理インターフェースは UNIX システムに対しても概して同様に動作します。UNIX 互換種で動作するよう設計されたソフトウェアはすべて 『Red Hat Satellite Getting Started Guide』 に記載されているカスタムチャンネルとほぼ同じように設定することができます。最も重要な相異点はアーキテクチャです。UNIX のソフトウェアチャンネルを作成する場合は、動作させるシステムに適したベースチャンネルのアーキテクチャを必ず選択するようにしてください。
その機能に応じてパッケージをベースチャンネルと子チャンネルに分けます。例えば、Solaris ではインストールパッケージは Solaris のベースチャンネルに入れ、パッチやパッチクラスタはその Solaris のベースチャンネルの子チャンネルに入れます。余分なインストールパッケージは別のエクストラ子チャンネルに入れることができます。
Red Hat Network はパッチをパッケージと同じように扱います。通常のパッケージと同様に同じインターフェースでの表示、およびインストールが行われます。パッチは Solaris で「番号付け」されるため「patch-solaris-108434」のような名前になります。Solaris パッチのバージョンは元の Solaris メタデータから抽出され、リリースは常に 1 になります。
パッチクラスタとはパッチを束ねたものであり、1 ユニットとしてインストールされます。Red Hat Network は前回パッチクラスタがシステムに正しくインストールされた時間を常に追跡しています。ただし、パッチクラスタはクライアント上では実態としてインストールされないため追跡は行われません。このため、インストール済みのパッケージまたはパッチ一覧には表示されません。パッチクラスタ名は「patch-cluster-solaris-7_Recommended」のようになります。バージョンは「20040206」などの日付で構成され、リリースは常に 1、エポックは常に 0 になります。
2.1.4.2.1. パッケージを Satellite にアップロードする
Red Hat Network では、UNIX コンテンツは提供しません。Solaris のパッケージ、パッチまたはパッチクラスタはいずれもクライアントシステムから理解できる形式で Satellite にアップロードする必要があります。これによりそのパッケージを管理して他のシステムに配信することができるようになります。Solaris のパッケージ、パッチおよびパッチクラスタを Satellite が理解できる形式に変換する solaris2mpm を Red Hat Network は作成しました。
2.1.4.2.1.1. solaris2mpm
「機能の相異」 で簡単に説明ているように、solaris2mpm は Solaris 用の Red Hat Network Push の一部になります。Satellite 上の Solaris チャンネルにプッシュされるコンテンツは、最初は .mpm 形式でなければなりません。
.mpm ファイルは、パッケージのデータとパッケージ自体またはパッチ自体に関する詳細を含むアーカイブになります。solaris2mpm コマンドは Satellite ではなく、必ずクライアント上で実行しなければなりません。

注記

solaris2mpm は、変換するパッケージ、パッチ、あるいはパッチクラスタのサイズの 3 倍に相当する空き領域を必要とします。通常、/tmp/ の領域が使用されますが、--tempdir オプションを使用すると必要に応じて別のディレクトリを指定することもできます。
solaris2mpm のコマンドラインでは、複数のファイルを指定することができます。以下に使用例を示します。
# solaris2mpm RHATrpush-3.1.5-21.pkg RHATrpush-3.1.5-23.pkg
Opening archive, this may take a while
Writing out RHATrpush-3.1.5-21.sparc-solaris.mpm
Opening archive, this may take a while
Writing out RHATrpush-3.1.5-23.sparc-solaris.mpm
別のディレクトリが指定されていないので、結果として作成される .mpm ファイルは /tmp/ ディレクトリに書き込まれます。.mpm ファイルの名前にはそのファイルが作成されたクライアントのアーキテクチャが含まれている点に注意してください。この例では SPARC Solaris です。以下に .mpm ファイル名の一般的な形式を示します。
name-version-release.arch.mpm
パッチクラスタは「展開」されています。.mpm ファイル郡は 1 クラスタ内の各パッチごとに生成され、またクラスタ全体に関する情報を含むトップレベルの「メタ」.mpm ファイルも生成されます。
以下は、solaris2mpm のオプションになります。

表2.2 solaris2mpm オプション

オプション 説明
--version
プログラムのバージョン番号を表示して終了します
-h, --help
この情報を表示して終了します
-?, --usage
プログラムの使い方に関する説明を表示して終了します
--tempdir=<tempdir>
作業用の一時ディレクトリを指定します
--select-arch=<arch>
複合アーキテクチャパッケージ用のアーキテクチャ (i386 または SPARC) を選択します
2.1.4.2.1.2. .mpm ファイルで rhnpush を行う
rhnpush の Solaris バージョンは標準ユーティリティと同じように動作しますが、.mpm ファイルが処理できる追加機能があります。以下にその使用例を示します。
% rhnpush -v --server testbox.example.com --username myuser -c solaris-8 \
RHATrpush-3.1.5-*.mpm
 Red Hat Network password:
 Connecting to http://testbox.example.com/APP
 Uploading package RHATrpush-3.1.5-21.sparc-solaris.mpm
 Uploading package RHATrpush-3.1.5-23.sparc-solaris.mpm

注記

パッチクラスタである .mpm ファイルは、そのクラスタに含まれるパッチ用の .mpm ファイルと同時にプッシュするか、またはその後にプッシュする必要があります。そのクラスタに含まれるパッチ用の .mpm ファイルより先には決してプッシュしないでください。
Satellite で管理するそれぞれのパッケージ、パッチ、またはパッチクラスタで solaris2mpm を使用し、次にこれらを Red Hat Network Push を使ってこれらを既に作成してあるチャンネルにアップロードします。
2.1.4.2.2. Web サイト経由で更新を行う
個別のシステムにパッケージやパッチをインストールする場合は、システム カテゴリ内のシステム名をクリックし、パッケージ タブまたは パッチ タブの「アップグレード」一覧または「インストール」一覧からパッケージを選択して 選択したパッケージのインストールまたはアップグレード(Install/Upgrade Selected Packages) をクリックします。
パッケージのインストール中にリモートコマンドを実行する場合は、確認 ではなく リモートコマンドの実行 をクリックします。詳細については 「リモートコマンド」 を参照してください。
複数のシステムに一度にパッケージやパッチをインストールする場合は、システムを選択して左側のナビゲーションバーにある システムセットの管理 をクリックします。次に、パッケージ タブで「アップグレード」一覧または「インストール」一覧からパッケージを選び パッケージのインストールまたはアップグレード (Install/Upgrade Packages) をクリックします。この動作を完了するには更新をスケジュールします。
2.1.4.2.3. rhnsd
Red Hat Enterprise Linux システム上では、Red Hat Network にチェックインするようにクライアントシステムに指示をする rhnsd デーモンは、起動時に自動的に開始します。Solaris システム上では、デフォルトでは rhnsd は起動時には 開始しません。次のようにしてコマンドラインから開始させることができます。
rhnsd --foreground --interval=240
rhnsd のデフォルトの場所は /opt/redhat/rhn/solaris/usr/sbin/rhnsd になります。以下に Solaris で利用できる rhnsd のオプションを示します。

表2.3 rhnsd のオプション

オプション 説明
-f, --foreground
前面で実行します
-i, --interval=MINS
MINS 分毎に Red Hat Network に接続します
-v, --verbose
syslog にすべての動作をログ記録します
-h, --help
このヘルプ一覧を表示します
-u, --usage
このヘルプ一覧を表示します
-V, --version
プログラムのバージョンを表示します
2.1.4.2.4. コマンドラインから更新を行う
Web サイトと同様に、Red Hat Update Agent のコマンドラインの使用も UNIX パッケージ管理の制約による影響を受けます。ただし、中核となるほとんどの機能は、依然として up2date コマンドで実行できます。最も大きな相異点は、ソースファイルに関するオプションがまったくないことです。UNIX システムで使用可能なオプションの詳細については 表2.4「Update Agent のコマンドライン引数」 を参照してください。
Red Hat Update Agent のコマンドラインバージョンは、以下の UNIX システムの引数を受け入れます。

表2.4 Update Agent のコマンドライン引数

引数 説明
--version プログラムのバージョン情報を表示します。
-h--help このヘルプメッセージを表示して終了します。
-v--verbose 追加の出力を表示します。
-l--list インストール済みの全てのパッケージの最新バージョンを一覧表示します。
-p--packages このシステムプロファイルに関連したパッケージを更新します。
--hardware Red Hat Network にあるこのシステムのハードウェアプロファイルを更新します。
--showall ダウンロード可能なパッケージをすべて一覧表示します。
--show-available 現在利用可能なパッケージの中でまだインストールされていないパッケージをすべて一覧表示します。
--show-orphans 現在インストールされているパッケージの中でシステムがサブスクライブしているチャンネルには入っていないパッケージをすべて一覧表示します。
--show-channels チャンネル名とそれに該当するパッケージ名を表示します。
--installall 利用できるパッケージをすべてインストールします。--channel と共に使用します。
--channel=CHANNEL チャンネルラベルを使用して更新するチャンネルを指定します。
--get 依存関係を解決せずに指定のパッケージを取り込みます。

2.1.5. リモートコマンド

UNIX サポートにより、Red Hat Network は Satellite の Web サイトを使ってクライアントシステムでリモートコマンドを発行するなどの柔軟性を提供します。この機能により、ドメイン内のどのシステム上でもターミナルを開くことなく事実上あらゆる (互換性のある) アプリケーションやスクリプトを実行することができるようになります。

2.1.5.1. コマンドを有効にする

こうした柔軟性に伴いリスクも生じるため、それを軽減する必要性も生じてきます。実用的な目的のために、この機能では Web サイトでシステムに管理アクセスを持つユーザーにはすべて root BASH のプロンプトが与えられることになります。
ただし、これをコントロールすることは可能です。Red Hat Network がどのシステムの設定ファイルを管理するかを決定するメカニズムと同一の設定有効化メカニズムを使います。
つまり、そのマシン上でリモートコマンドの実行をしてもよいことを Red Hat Network に指示するディレクトリとファイルを UNIX システムで作成する必要があります。ディレクトリ名は script、ファイル名は run にして、どちらもご使用の UNIX 互換種に固有となる /etc/sysconfig/rhn/allowed-actions/ ディレクトリに配置してください。
例えば、Solaris では次のコマンドを使用してディレクトリを作成します。
 mkdir -p /opt/redhat/rhn/solaris/etc/sysconfig/rhn/allowed-actions/script 
Solaris で必要なファイルを作成するには、次のコマンドを使います。
 touch /opt/redhat/rhn/solaris/etc/sysconfig/rhn/allowed-actions/script/run 

2.1.5.2. コマンドを発行する

リモートコマンドのスケジュールは、システムごとに行う方法、複数のシステム上で一度に行う方法、およびパッケージ動作を併せて行う方法など、さまざまな方法で行えます。
個別のシステムが単独でリモートコマンドを実行するには、システムの詳細 ページを開いて リモートコマンド サブタブをクリックします (このサブタブは、システムに Provisioning エンタイトルメントがある場合にのみ表示されます)。このページでコマンドの設定を行います。特定のユーザー、グループ、タイムアウトの期間、およびスクリプト自体を指定することができます。コマンド試行を開始する日付と時間を選択し、リモートコマンドのスケジュール リンクをクリックします。
同様に、システムセットの管理 を使って複数のシステムで一度にリモートコマンドを発行することもできます。システムを選択して システムセットの管理 に移動し、 Provisioning タブをクリックして リモートコマンド のセクションまでスクロールしていきます。このセクションでリモートコマンドを選択した複数システムで一括して実行することができます。
パッケージ動作と一緒にリモートコマンドを実行する場合は、システムの詳細 ページの パッケージ タブで動作をスケジュールし、この動作の確認中に リモートコマンドの実行 をクリックします。上部にあるラジオボタンを使用して、コマンドの実行をパッケージ動作の前に行うのか後に行うのかを指定し、コマンドの設定を行い、パッケージのインストールまたはアップグレードをスケジュール (Schedule Package Install/Upgrade) をクリックします。
異なるリモートコマンドを持つ複数のパッケージをインストールするには、インストールを別々にスケジュールするか、または 1 つのスクリプトにコマンド群をまとめる必要がある点に注意してください。

第3章 Red Hat Satellite Proxy 情報

本セクションでは、Red Hat Satellite Proxy を Red Hat Network Package Manager と一緒に使用する方法について説明します。

3.1. Red Hat Network Package Manager の使用および Red Hat Network Proxy によるローカルパッケージの提供

Red Hat Network Package Manager はコマンドラインツールで、これを使用すると組織は Red Hat Network Proxy Server 経由でプライベートの Red Hat Network チャンネル関連のローカルパッケージを提供することができます。Red Hat Network Proxy Server 用の Red Hat 公式パッケージのみを更新する場合は、Red Hat Network Package Manager をインストールしないでください。
Red Hat Network Package Manager を使用するには、spacewalk-proxy-package-manager パッケージとそれに依存するパッケージをインストールします。
パッケージのヘッダー情報のみを Red Hat Network Server にアップロードします。Red Hat Network がクライアントシステムのパッケージ依存を解決するには、このヘッダーが必要になります。実際のパッケージファイル (*.rpm) は Red Hat Network Proxy Server に格納されます。
Red Hat Network Package Manager はプロキシと同じ設定である、/etc/rhn/rhn.conf 設定ファイルでの定義を使用します。
Red Hat Network Package Manager のコマンドライン rhn_package_manager の全オプションの概要は以下のとおりです。

表3.1 rhn_package_manager オプション

オプション 説明
-v--verbose 冗長性を高めます。
-dDIR--dir=DIR ディレクトリ DIR のパッケージを処理します。
-cCHANNEL--channel=CHANNEL 指定したチャンネルを管理します - 複数回の使用が可能です。
-nNUMBER--count=NUMBER コールごとに指定したヘッダー数を処理します - デフォルトは 32 です。
-l--list 指定したチャンネル内の各パッケージ名、バージョン番号、リリース番号、アーキテクチャを一覧表示します。
-s--sync ローカルディレクトリがサーバーと同期中であるかどうか確認します。
-p--printconf 現在の設定を表示して終了します。
-XPATTERN--exclude=PATTERN 指定した glob 表現と一致するファイルを除外します - 複数回の使用が可能です。
--newest 指定したチャンネル用にサーバーに対して既にプッシュされたパッケージより新しいパッケージのみプッシュします。
--stdin stdin からパッケージ名を読み取ります。
--nosig 署名がないパッケージをプッシュします。デフォルトでは Red Hat Network Package Manager は署名されたパッケージのみのプッシュを試行します。
--username=USERNAME Red Hat Network ユーザー名を指定します。このオプションでユーザー名を指定していない場合は、ユーザー名の入力が求められます。
--password=PASSWORD Red Hat Network パスワードを指定します。このオプションでパスワードを指定していない場合は、パスワードの入力が求められます。
--source ソースパッケージのヘッダーをアップロードします。
--dontcopy アップロード後の手順で、パッケージをパッケージツリー内の最終配置場所にコピーしません。
--test プッシュされるパッケージのみを表示します。
--no-ssl Not recommended - SSL をオフにします。
-?--usage オプションの簡潔な説明を表示します。
--copyonly 引数内に表示されているファイルを指定チャンネルにコピーします。プロキシのチャンネルの 1 つのパッケージが欠落している場合に、そのチャンネルのすべてのパッケージを必ずしも再びインポートする必要がない場合に便利です。例: rhn_package_manager-cCHANNEL--copyonly/PATH/TO/MISSING/FILE
-h--help オプション一覧のヘルプ画面を表示します。

注記

これらコマンドラインオプションは rhn_package_manager の man ページでも説明されています: man rhn_package_manager
Red Hat Network Package Manager によるローカルパッケージの提供を可能にするには、以下の手順が必要になります。
  1. プライベートチャンネルを作成する
  2. ローカルパッケージをそのチャンネルにアップロードする。
これらの手順は、次のセクションで説明します。

3.1.1. プライベートチャンネルの作成

Red Hat Network Proxy Server からローカルパッケージの提供を行う前に、ローカルパッケージを格納するプライベートチャンネルが必要になります。次の手順でプライベートチャンネルを作成します。
  1. https://rhn.redhat.com の Red Hat Network Web インターフェースか、またはネットワーク内のローカル Red Hat Satellite サーバーにログインします。
  2. 上部ナビゲーションバーのチャンネル (Channels) をクリックします。左にあるナビゲーションバーに チャンネルの管理 (Manage Channels) オプションが表示されない場合には、このユーザーがチャンネル編集に関する権限を有しているか確認してください。上部ナビゲーションバーから ユーザー (Users) カテゴリにアクセスすると確認できます。
  3. 左にあるナビゲーションバーで、ソフトウェアチャンネルの管理 (Manage Software Channels) をクリックしてからページの右上部にある新しいチャンネルの作成 (create new channel) ボタンをクリックします。
  4. 親チャンネルとベースチャンネルのアーキテクチャを選択して、新しいプライベートチャンネルの名前、ラベル、概要、説明を入力します。チャンネルラベルは少なくとも 6 文字以上の長さで英文字で始まらなければなりません。使用できるのは小文字、数字、ダッシュ(-)、ピリオド(.) のみになります。また、チャンネルの GPG キーの URL も入力します。ただし、このフィールドは必須ではありません。セキュリティ強化のために入力が推奨されるフィールドです。GPG キーの生成方法については、『Red Hat Network チャンネル管理ガイド (Red Hat Network Channel Management Guide)』 を参照してください。
  5. チャンネルの作成 (Create Channel) をクリックします。

3.1.2. パッケージをアップロードする

注記

プライベート Red Hat Network チャンネルにパッケージをアップロードするには、組織管理者である必要があります。スクリプトにより Red Hat Network ユーザー名とパスワードの入力が求められます。
プライベートチャンネルの作成後に、Red Hat Network サーバーにバイナリ RPM とソース RPM のパッケージヘッダーをアップロードして、パッケージを Red Hat Network Proxy Broker Server にコピーします。バイナリ RPM のパッケージヘッダーをアップロードするには、以下のコマンドを実行します。
 rhn_package_manager -c "label_of_private_channel" pkg-list
このコマンドはパッケージのヘッダーを指定されたチャンネル名に、パッケージそのものを /var/spool/rhn-proxy/rhn にアップロードします。
pkg-list はアップロードするパッケージ一覧です。代わりに、-d オプションを使ってチャンネルに追加するパッケージを含むローカルディレクトリを指定することもできます。このディレクトリには含まれるべきパッケージ以外のファイルがないことを確認してください。Red Hat Network Package Manager は標準入力からパッケージ一覧を読み取ることもできます (--stdin を使用)。
ソース RPM のパッケージヘッダーをアップロードするには、以下のようにします。
 rhn_package_manager -c "label_of_private_channel" --source pkg-list>
複数のチャンネルを指定している場合 (-c または --channel を使用)、アップロードしたパッケージヘッダーはリストしたチャンネルすべてにリンクされます。

注記

チャンネル名が指定されていない場合、パッケージはどのチャンネルにも追加されません。この場合、パッケージは Red Hat Network Web インターフェースを使ってチャンネルに追加することができます。インターフェースは既存のプライベートチャンネルの変更にも使用できます。
パッケージをアップロードしたら、すぐに Red Hat Network Web インターフェースを使ってパッケージがあることを確認することができます。上部ナビゲーションバーのチャンネル (Channels) をクリックして、左に表示されるナビゲーションバーのソフトウェアチャンネルの管理 (Manage Software Channels) をクリックし、カスタムチャンネルの名前をクリックします。パッケージ (Packages) サブタブをクリックすると、各 RPM が一覧表示されます。
以下のコマンドラインで、ローカルディレクトリがチャンネルの Red Hat Network サーバーのイメージと同期しているかどうかも確認してください。
 rhn_package_manager -s -c "label_of_private_channel" 
-s オプションは、欠けているパッケージすべてを一覧表示します (Red Hat Network Server にアップロードされたがローカルディレクトリーにないもの)。このコマンドを使用するには、組織管理者である必要があります。スクリプトにより Red Hat Network ユーザー名とパスワードの入力が求められます。
ローカルパッケージの更新に Red Hat Network Package Manager を使用している場合、そのシステムをプライベートチャンネルにサブスクライブさせるには Red Hat Network Web サイトに移動する必要があります。

第4章 カスタムパッケージの管理

本章では Red Hat Network 経由で正しく配信できるパッケージの構築方法の概要を記載しています。RPM を使用する理由、 Red Hat Network 用のパッケージの構築方法、およびパッケージの正しい署名法などについて説明します。

4.1. Red Hat Network のパッケージを構築する

Red Hat Network は RPM パッケージマネージャ (RPM) の技術を使用して、各クライアントシステムに適用できる追加ソフトウェアや更新などを確認します。Red Hat Network から取り込まれるパッケージは通常 RPM 形式になりますが、ISO 全体のイメージは Red Hat Network Web サイトの ソフトウェア タブで入手可能です。ただし、Red Hat Satellite インストールの場合には利用できません。Satellite サーバーで Solaris のサポートを有効にしている場合は、Red Hat Network Push を使用して Solaris のクライアント群で使用されるカスタムチャンネルに Solaris のパッケージ群をアップロードしてください。
RPM はソフトウェアパッケージのインストール、 アンインストール、 アップグレードおよび検証などをユーザーが簡単に行うことができるツールです。また、ソフトウェア開発者なら、このツールを使用してプログラムのコンパイル版とそのソースコードをエンドユーザーおよび開発者向けにパッケージ化することもできます。

4.1.1. RPM の利点

RPM には次のような利点があります。
簡単なアップグレード
RPM を使用すると、新たに再インストールを行わなくてもシステムの個別コンポーネントをアップグレードすることができます。 Red Hat から Red Hat Enterprise Linux の新しいバージョンがリリースされる際には、ユーザーによるアップグレードのための再インストールは必要ありません。RPM によって完全に自動制御されているシステムアップグレードが用意されています。パッケージ内の設定ファイルはアップグレード後も保持されているためカスタムの設定が失われることはありません。パッケージのインストールおよびアップグレードには同じ RPM ファイルが使用されるため、パッケージの更新に特別なアップグレードファイルは必要ありません。
パッケージのクエリ
RPM はクエリのオプションを用意していますので、全パッケージまたは特定のファイルの検索を RPM データベース全体に対して行うことができます。また、任意のファイルの所属先またはパッケージの所属先を簡単に見つけることもできます。パッケージに含まれているファイルは圧縮されたアーカイブに入っています。そのカスタムバイナリヘッダーには役に立つパッケージの情報やその内容が含まれています。RPM によりヘッダーのクエリを素早くかつ簡単に行うことができます。
システムの検証
パッケージを検証する機能も備わっています。パッケージに関連したファイルが削除されている可能性を懸念している場合、パッケージの検証を行い、パッケージが提供するファイルの状態を確認することができます。この検証ではすべての異常が報告されます。エラーが存在する場合はそのファイルを簡単に再インストールすることができます。修正した設定ファイルは再インストール時にも維持されます。
純粋なソース
RPM の重要な設計目標のひとつは、オリジナルのソフトウェア著者により配布された通りの 純粋な ソフトウェアソースを使用できるようにすることです。RPM を使用すると、純粋なソースに使用されたパッチや構築方法に関する詳細な解説を付けてパッケージ化することができます。これは複数の理由で重要な利点となります。例えば、プログラムの新しいバージョンがリリースされた場合、コンパイルを完全に最初から始める必要はなく、パッチを見て何が 必要そうなのか を判定することができます。ソフトウェアを正常に構築できるようコンパイルされている全てのデフォルト設定や変更を、この技術を使用して簡単に確認することができます。
ソースを純粋に保持することは開発者以外の人にとっては重要には見えないかもしれませんが、純粋なソースの維持は高品質なソフトウェアにつながるためエンドユーザーにとっても重要なものとなります。

4.1.2. Red Hat Network RPM ガイドライン

RPM の長所は、正確に依存関係を定義し、競合を識別する能力にあります。Red Hat Network は RPM のこうした側面に依存しています。Red Hat Network は自動化した環境を提供することでパッケージインストール中に手動による介入が必要ないようにしています。そのため、Red Hat Network による配信用 RPM を構築する場合には次のルールに従うことが重要となります。
  1. RPM についてよく理解しておいてください。パッケージを正しく構築するには、RPM の重要な機能について基本的に理解しておくことが大切になります。RPM に関する詳細については次のリソースをまずご覧ください。
  2. 子チャンネル用に RPM を構築する場合は、子チャンネルのベースチャンネルと同じバージョンの Red Hat Enterprise Linux の新規インストール上でそのパッケージを構築します。最初に Red Hat Network からのすべての更新を適用することを忘れないようにしてください。
  3. RPM パッケージは --force または --nodeps のオプションを使用しないでインストールしてください。ビルドシステムで RPM を正常にインストールできない場合、Red Hat Network でもその RPM をシステムに自動的にインストールすることはできません。
  4. RPM パッケージのファイル名は NVR (名前、 バージョン、 リリース) 形式にしてください。また、パッケージのアーキテクチャも含ませる必要があります。name-version-release.arch.rpm が正しい形式となります。例えば、有効な RPM パッケージのファイル名が pkgname-0.84-1.i386.rpm とすると、パッケージ名は pkgname、バージョンは 0.84、リリースは 1、アーキテクチャは i386 になります。
  5. RPM パッケージはパッケージのメンテナーにより署名が行われる必要があります。署名のないパッケージも Red Hat Network で配信することができますが、そのパッケージを受信するには yum アップデーターに強制的に受理させる必要があります。このため、パッケージへの署名を強く推奨します。パッケージに署名する方法については 「Red Hat Network パッケージ用のデジタル署名」 に記載されています。
  6. 署名が変更されたり再コンパイルが行われたなど、パッケージが何らかの形で変更された場合にはそのバージョンまたはリリースを増分させる必要があります。つまり、Red Hat Network から配信する各 RPM の NVRA (アーキテクチャを含む) は、混乱を避けるため固有のビルドにそれぞれ対応していなければなりません。
  7. RPM パッケージがそれ自体を廃止予定にすることはできません。
  8. 一つのパッケージを複数のパッケージに分割させる場合は、 依存関係に充分に注意してください。 どうしても必要な理由がない限り、 既存のパッケージを分割するのは避けるようにしてください。
  9. インタラクティブなプレインストール、ポストインストール、プレアンインストール、またはポストアンインストールなどのスクリプトにパッケージを依存させることはできません。インストール中にユーザーによる直接介入を必要とする場合は Red Hat Network で動作させることはできません。
  10. プレインストール、ポストインストール、プレアンインストールおよびポストアンインストールなどのいずれのスクリプトにも stderr や stdout に書き込みを絶対行わせないようにしてください。メッセージが必要なければ /dev/null にリダイレクトさせてください。これ以外はファイルに書き込みを行なわせてください。
  11. spec ファイルを作成する場合は /usr/share/doc/rpm-<version>/GROUPS のグループ定義を使用します。完全に一致するものがない場合は 2 番目に適合するものを選択します。
  12. RPM の依存性機能を利用して、プログラムの実行が必ずインストールの後に行われるようにします。

重要

ファイルをアーカイブしてからポストインストールのスクリプトで解凍する手順で RPM は作成しないでください。RPM の利点が失われます。
アーカイブ内のファイルがファイル一覧に含まれていないと、競合に関する検証や確認を行うことができません。大半の場合、RPM 自体が効率的にアーカイブを圧縮したり展開したりすることができます。たとえば、%postun セクションでクリーンアップを行わない %post の中にはファイルを作成しないでください。

4.2. Red Hat Network パッケージ用のデジタル署名

Red Hat Network から配信されるパッケージにはすべて デジタル署名 がなければなりません。デジタル署名は固有となるプライベートキーで作成され、対応するパブリックキーを使って検証することができます。パッケージを作成したら、SRPM (ソース RPM) と RPM は GnuPG キーでデジタルに署名することができます。パッケージのインストールが行われる前に、信頼できる機関によってパッケージが署名されているか、また署名後にパッケージに変更が行われていないことがパブリックキーを使用して検証されます。

4.2.1. GnuPG キーペアを生成する

GnuPG キーペアはプライベートキーとパブリックキーで構成されます。以下のようにしてキーペアを生成します。
  1. シェルプロンプトで root ユーザーになり次のコマンドを入力します。
    gpg --gen-key
    GPG キーペアは root ユーザー以外のユーザーが作成するべきではありません。root ユーザーは、root ユーザー以外のユーザーとは異なりメモリページをロックできるため、情報がディスクに書き込まれることはありません。
  2. キーペア生成のコマンドを実行すると、次のようなキーペア生成に関するオプション選択を求める画面が表示されます。
    gpg (GnuPG) 2.0.14; Copyright (C) 2009 Free Software Foundation, Inc.
    This is free software: you are free to change and redistribute it.
    There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law.
    
    Please select what kind of key you want:
       (1) RSA and RSA (default)
       (2) DSA and Elgamal
       (3) DSA (sign only)
       (4) RSA (sign only)
    Your selection?
    
  3. オプションを選択します。(2) DSA and ElGamal。このオプションにより、2 種類の技術を使ってデジタル署名の作成と暗号化/解読を行うことができるようになります。2 と入力して Enter を押します。
  4. 次にキーの長さを指定するキーサイズを選択します。キーが長いほどユーザーのメッセージに対する攻撃への対抗力が増します。 少なくとも 2048 ビットの長さのキーを作成することを推奨します。
  5. 次のオプションはキーの有効期間を指定するように求めます。有効期限の日付を選択する場合には、そのパブリックキーを使用するユーザーにも有効期限の日付を知らせ、新しいパブリックキーを渡さなければならないので注意してください。期限は設定しないことを推奨します。期限を選択しない場合、その選択についての確認することが求められます。
    Key does not expire at all Is this correct (y/n)?
    
  6. y を押して決定を確認します。
  7. 次にユーザー名、Email アドレス、オプションのコメントなどを含むユーザー ID を入力します。これらは別々に入力が求められます。終了すると入力した情報の要約が表示されます。
  8. 選択を承認したらパスフレーズを入力します。

    注記

    アカウントのパスワードと同様、GnuPG でも最善のセキュリティ対策には適切なパスフレーズが欠かせません。パスフレーズは大文字、小文字、数字を混ぜて句読点も入れると良いでしょう。
  9. パスフレーズの入力と確認を行うとキーが生成されます。次のようなメッセージが表示されます。
    We need to generate a lot of random bytes. It is a good idea to perform some
    other action (type on the keyboard, move the mouse, utilize the disks)
    during the prime generation; this gives the random number generator a
    better chance to gain enough entropy.
    
    +++++.+++++.++++++++....++++++++++..+++++.+++++.+++++++.+++++++ +++.
    ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++..........................++++
    
    画面上の生成動作が完了すると、root のホームディレクトリ内の .gnupg ディレクトリに新しいキーが配置されます。これは、root ユーザーでキーペアを生成した場合にキーが配置されるデフォルトの場所になります。
root のキーを表示させるには、次のコマンドを使用します。
gpg --list-keys
次のような出力になります。
gpg: key D97D1329 marked as ultimately trusted
public and secret key created and signed.

gpg: checking the trustdb
gpg: 3 marginal(s) needed, 1 complete(s) needed, PGP trust model
gpg: depth: 0  valid:   3  signed:   0  trust: 0-, 0q, 0n, 0m, 0f, 3u
gpg: next trustdb check due at 2013-08-28
pub   2048D/D97D1329 2013-08-27 [expires: 2013-08-28]
      Key fingerprint = 29C7 2D2A 5F9B 7FF7 6411  A9E7 DE3E 5D0F D97D 1329
uid                   Your Name<you@example.com>
sub   2048g/0BE0820D 2013-08-27 [expires: 2013-08-28]
パブリックキーを検索する場合は、次のコマンドを発行します。
gpg --export -a 'Your Name' > public_key.txt
パブリックキーが public_key.txt ファイル内に書き込まれます。
このパブリックキーは非常に重要となります。yum でカスタムのソフトウェアを受信する全クライアントシステムに配備しなければならないキーになります。このキーを組織全体に配備する手法については 『Red Hat Network クライアント設定ガイド』 で扱われます。

4.2.2. パッケージに署名する

パッケージに署名を行なう前に、 まず ~/.rpmmacros ファイルに次の行を含ませます。
%_signature gpg
%_gpg_name B7085C8A
_gpg_name キー ID 値の B7085C8A は、パッケージの署名に使用する GPG キーリングのキー ID に置き換えます。この値で RPM にどの署名を使用するのか指示します。
パッケージ package-name-1.0-1.noarch.rpm に署名を行なうには、次のコマンドを使用します。
rpm --resign package-name-1.0-1.noarch.rpm
パスフレーズを入力します。パッケージが署名されていることを確認するには次のコマンドを使用します。
rpm --checksig -v package-name-1.0-1.noarch.rpm

注記

rpm --checksig -v コマンドを実行する前に、GPG キーをインポートします。さらに詳しくは、次のセクションの 「カスタム GPG キーをインポートする」 を参照してください。
出力に Good signature from "Your Name" のフレーズが表示されるはずです。 Your Name は署名キーに関連付けした名前になります。

4.3. カスタム GPG キーをインポートする

独自の RPM を安全にビルドして配付する予定の場合、カスタムの RPM はすべて GNU Privacy Guard (GPG) を使用して署名することを強くお勧めします。GPG キーを生成して GPG 署名のパッケージをビルドする方法については、「GnuPG キーペアを生成する」 に記載されています。
パッケージに署名したら、これらの RPM をインポートする全システムにパブリックキーを配備する必要があります。この作業は 2 つのステップに分けられます。まず、各クライアントがキーを取り込めるようパブリックキーの中央となる場所を作成します。次に、各システムのローカルの GPG キーリングにキーを追加します。
最初のステップは一般的であり、Red Hat Network のクライアントアプリケーション導入で推奨している Web サイトを利用した方法を使って行うことができます。これを実行するには、Web サーバー上にパブリックディレクトリを作成して GPG のパブリック署名をその中に置きます。
cp /some/path/YOUR-RPM-GPG-KEY /var/www/html/pub/
次に Wget を使用してクライアントシステムからキーをダウンロードします。
wget -O- -q http://your_proxy_or_sat.your_domain.com/pub/YOUR-RPM-GPG-KEY
-O- オプションは結果を標準出力に送るのに対し、-q オプションを使用すると Wget を出力なしの quiet モードで実行します。YOUR-RPM-GPG-KEY 変数を、使用するキーのファイル名に必ず置き換えてください。
キーがクライアントのファイルシステムで使用できるようになったら、ローカルの GPG キーリングにインポートします。インポート方法については、オペレーティングシステムによって異なる場合があります。
Red Hat Enterprise Linux 3 以降の場合は、次のコマンドを使用します。
rpm --import /path/to/YOUR-RPM-GPG-KEY
GPG キーがクライアントに正常に追加されると、該当キーを使って署名したカスタム RPM の検証が可能になるはずです。

注記

カスタムの RPM とチャンネルを使用する場合は、それらのパッケージに対してカスタムの GPG キーを必ず作成してください。 GPG キーの配置場所についても、キックスタートプロファイルに追加する必要があります。
カスタムの GPG キーはクライアントシステムに追加する必要があり、これが行なわれないとキックスタートインストールに失敗する可能性があります。

第5章 トラブルシューティング

本章では、Red Hat Network Satellite に関連する一般的なエラーの要因を究明して解決するためのヒントを記載しています。さらに詳しいヘルプが必要な場合は、https://access.redhat.com/support/ から Red Hat Network サポートにご連絡ください。オプションの全一覧をご覧になる場合は、Satellite のエンタイトルメントを有するアカウントを使ってログインしてください。
一般的な問題からトラブルシューティングを開始する場合、障害が発生しているコンポーネントに関連するログファイルまたはファイルを調べます。すべてのログファイルに対して tail -f コマンドを発行してから yum list を実行するのが効果的です。解決の手がかりがあるかどうかについて、ログのエントリをすべて調べます。
5.1. ディスクの空き容量
問: ディスクの空き容量がすぐ一杯になります。ここでは何が起こり、どうしたらよいでしょうか?
5.2. インストールと更新
問: インストールしようとすると SELinux から何度もメッセージが表示されます。どうしてですか?
問: /var/satellite を NFS マウントに変更しました。このため SELinux が正常に動作しなくなってしまいました。どうしたらいいですか?
問: Satellite に障害が発生します。どうしてですか?
5.3. サービス
問: Apache Web serverが稼動していません。どうしてですか?
問: Red Hat Network Task Engine の状態はどうしたら取得できますか?
問: Satellite の組み込みデータベースの状態を確認したいのですがどうしたらいいですか?
問: Red Hat Satellite のプッシュ機能が停止してしまった場合はどうしたらいいですか?
5.4. 接続性
問: 接続できません。原因を調べるにはどうしたらよいでしょうか?
問: チャンネルのインポートまたは同期が失敗して修復できない場合にはどうしたらよいでしょうか?
問: 「SSL_CONNECT」のエラーがでます。どうしたらよいでしょうか?
5.5. ログとレポート
問: どのようなログファイルがありますか?
問: spacewalk-report の使い方を教えてください。
問: データベーススキーマのバージョンはどうしたら確認できますか?
問: 搭載されている文字セットのタイプはどうしたら確認できますか?
問: 管理者に電子メールが送信されないのはどうしてですか?
問: トレースバックメールの送信者はどうしたら変更できますか?
5.6. エラー
問: Red Hat Satellite のインストール中に「Error validating satellite certificate (Satellite 証明書の検証中にエラーが発生しました)」のエラーが表示されます。どうしたら修復できますか?
問: Red Hat Satellite のアクティベートや同期を行おうとすると「ERROR: server.mount_point not set in the configuration file (エラー: server.mount_point が設定ファイル内に設定されていません)」のエラーが表示されます。どうしたら修復できますか?
問: 別のバージョンの yum-utils が必要だというエラーメッセージが cobbler check で表示されるのはどうしてですか?
問: Red Hat Satellite 証明書をアクティベートしようとすると「unsupported version (バージョンがサポートされていません)」のエラーが表示されます。どうしたら修復できますか?
問: キックスタートプロファイルを編集しようとすると「Internal Server Error (内部サーバーのエラー)」が表示され ASCII についての問題が指摘されます。何が問題なのでしょうか?
問: 「Host Not Found (ホストが見つかりません)」または「Could Not Determine FQDN (完全修飾ドメイン名を確定できませんでした)」のエラーが表示されます。どうしたらよいでしょうか?
問: Red Hat Satellite サーバーを同期しようとすると「This server is not an entitled Satellite (このサーバーはエンタイトルメントを有する Satellite ではありません)」というメッセージが表示されます。どうしたら修復できますか?
5.7. Web インターフェース
問: Red Hat Satellite のユーザーインターフェースに不具合が生じました。どのログファイルをチェックしたらよいでしょうか。
5.8. Anaconda
問: Error downloading kickstart file (キックスタートファイルのダウンロードでエラーが発生しました) というエラーが表示されます。何が問題なのでしょうか。どのようにしたら修復できますか。
問: The file chkconfig-1.3.30.1-2.i386.rpm cannot be opened. (chkconfig-1.3.30.1-2.i386.rpm のファイルは開くことができません) というパッケージインストールエラーが表示されます。何が問題なのでしょうか。どのようにしたら修復できますか。
5.9. トレースバック
問: "WEB TRACEBACK" という表題の電子メールが送信されてきます。どう対処したらよいでしょうか。
5.10. 登録
問: rhnreg_ks コマンドを実行すると、ERROR: unable to read system id (エラー: システム ID を読み取ることができません) というエラーメッセージが表示されて、失敗してしまいます。何が問題なのでしょうか。
5.11. キックスタートとスニペット
問: キックスタートのディレクトリ構造はどのようになっていますか。
問: Cobbler スニペットのディレクトリ構造はどのようになっていますか。
5.12. モニタリング
問: 監視エラーの原因を判別するのに役立つ診断ツールはありますか?
問: rhn-runprobe の出力をどのように解釈すればよいですか?
5.13. 複数組織向けの Satellite と Satellite 証明書
問: Satellite 証明書に十分なエンタイトルメント群がない場合は、システムの登録を複数組織向けの環境でどのように行えますか?
問: Satellite 証明書には、使用されていない追加のエンタイトルメントがあります。これらのエンタイトルメントはどうなりますか?
5.14. プロキシのインストールと設定
問: Red Hat Network Package Manager の設定後に、ローカルパッケージがプライベート Red Hat Network チャンネルに正しく追加されたかどうかをどのように判別できますか?
問: クライアント群が Squid サーバーに接続しているかどうかは、どうしたら確認することができますか?
問: クライアントシステムの Red Hat Update Agent が Red Hat Satellite Proxy に接続されません。どうしたらこのエラーを解決できますか?
問: Red Hat Satellite Proxy 設定が動作しません。どこからトラブルシューティングを開始したらよいですか?
問: Red Hat Satellite Proxy の全般的な問題はどのように調査/解決できますか?
問: Red Hat Satellite Proxy に「Host Not Found (ホストが見つかりません)」または「Could Not Determine FQDN (完全修飾ドメイン名を確定できませんでした)」のエラーが発生しました。どうしたらよいでしょうか?
問: Red Hat Satellite Proxy の不具合とネットワーク接続のエラーが生じました。どうしたらよいでしょうか?
問: パッケージ配信のエラーとオブジェクトの破損が生じました。何をチェックしたらよいですか?

5.1. ディスクの空き容量

問:
ディスクの空き容量がすぐ一杯になります。ここでは何が起こり、どうしたらよいでしょうか?
答:
ディスク領域が一杯というのはよくある問題です。ディスク領域が一杯であるという最も明らかな兆候はログファイルへの書き込みが停止される状況です。単語の途中など、書き込み中にログ記録が停止された場合は、ハードディスクが一杯である可能性があります。これを確認するには、次のコマンドを実行して Use% の欄にある割合を確認します。
# df -h
ログファイルの他にも、Red Hat Network Satellite および各種コンポーネントの状態を取得すると貴重な情報が見つかります。次のコマンドで行います。
# /usr/sbin/rhn-satellite status
また、Apache Web serverや Red Hat Network Task Engine などのコンポーネントの状態を個別に取得することもできます。例えば、Apache Web serverの状態を表示するには次のコマンドを実行します。
# service httpd status

5.2. インストールと更新

問:
インストールしようとすると SELinux から何度もメッセージが表示されます。どうしてですか?
答:
Red Hat Network Satellite のインストール時に SELinux メッセージ (AVC 拒否メッセージなど) が表示された場合は、Red Hat サポートチームが支援できるよう audit.log ファイルを用意してください。このファイルは /var/log/audit/audit.log にあります。サポートチームの担当が支援できるようサポートチケットにファイルを添付できます。
問:
/var/satellite を NFS マウントに変更しました。このため SELinux が正常に動作しなくなってしまいました。どうしたらいいですか?
答:
SELinux にトラフィックを許可させるために、SELinux パラメータを新規 NFS マウントに基づいて変更する必要があります。次のコマンドを実行します。
# /usr/sbin/setsebool -P spacewalk_nfs_mountpoint on
Red Hat Enterprise Linux 6 をご使用の場合は次のコマンドも必要になります。
# /usr/sbin/setsebool -P cobbler_use_nfs on
問:
Satellite に障害が発生します。どうしてですか?
答:
Red Hat Network Satellite には Red Hat Network の中央サーバーから取得可能な次の子チャンネルは一切サブスクライブさせないでください。
  • Red Hat Developer Suite
  • Red Hat Application Server
  • Red Hat Extras
  • JBoss 製品のチャンネル
これらのチャンネルをサブスクライブさせて Satellite の更新を行うと、互換性がなく新しい重大なソフトウェアコンポーネントのバージョンをインストールするため Satellite に障害が発生する恐れがあります。

5.3. サービス

問:
Apache Web serverが稼動していません。どうしてですか?
答:
Apache Web server が稼働していない場合は、 /etc/hosts ファイル内のエントリが正しくない可能性があります。
問:
Red Hat Network Task Engine の状態はどうしたら取得できますか?
答:
Red Hat Network Task Engine の状態を取得するには次のコマンドを実行します。
# service taskomatic status
問:
Satellite の組み込みデータベースの状態を確認したいのですがどうしたらいいですか?
答:
Satellite の組み込みデータベースの状態を表示させるには次のコマンドを実行します。
# db-control status
問:
Red Hat Satellite のプッシュ機能が停止してしまった場合はどうしたらいいですか?
答:
Red Hat Network Satellite のプッシュ機能が停止した場合、古いログファイルが障害となっている可能性があります。このファイルを削除する前に jabberd デーモンを停止してください。root で次のコマンドを発行します。
# service jabberd stop
# rm -f /var/lib/jabberd/db/_db*
# service jabberd start

5.4. 接続性

問:
接続できません。原因を調べるにはどうしたらよいでしょうか?
答:
全般的な接続エラーを調べて解決するには次のような手段が使用できます。
  • /etc/rhn/rhn.conf にある正しい接続文字列を使ってコマンドラインから Red Hat Satellite のデータベースへの接続を試行します。
    # sqlplus username/password@sid
  • Red Hat Satellite でネットワーク時刻プロトコル (NTP) が使用され、また適切なタイムゾーンに設定されていることを確認します。同様に、すべてのクライアントシステムおよびスタンドアローンのデータベースと動作する Red Hat Satellite の単独データベースマシンについても適切な設定になっていることを確認してください。
  • 適切なパッケージを確認します。
    rhn-org-httpd-ssl-key-pair-MACHINE_NAME-VER-REL.noarch.rpm 
    上記のパッケージが Red Hat Satellite にインストールされ、また対応する rhn-org-trusted-ssl-cert-*.noarch.rpm または Raw 形式の CA SSL パブリック (クライアント) 証明書がすべてのクライアントシステムにインストールされていることを確認します。
  • クライアントシステムが適切な証明書を使用するよう設定されていることを確認します。
  • また、1 つまたは複数の Red Hat Satellite Proxy Server を使用している場合は、各プロキシの SSL 証明書も正しく用意されていることを確認します。プロキシには、両方向に対応するためプロキシ独自のサーバー用 SSL キーペアと CA SSL パブリック (クライアント用) 証明書の両方がインストールされていなければなりません。詳しい説明については、『Red Hat Satellite クライアント設定ガイド』 の SSL 証明書の章を参照してください。
  • Red Hat Satellite インストールガイド』 の 『その他の要件』 のセクションにあるように、必要なポートをブロックするファイアウォールをクライアントシステム自体が使用していないか確認します。
問:
チャンネルのインポートまたは同期が失敗して修復できない場合にはどうしたらよいでしょうか?
答:
チャンネルのインポートまたは同期が失敗していずれの方法でも修復できない場合には、キャッシュを削除する次のコマンドを実行します。
# rm -rf temporary-directory

注記

ローカルメディアからのインポートの準備』 の 『Red Hat Satellite インストールガイド』 のセクションは、一時ディレクトリとして /var/rhn-sat-import/ を指定しています。
次に、インポートまたは同期を再スタートします。
問:
「SSL_CONNECT」のエラーがでます。どうしたらよいでしょうか?
答:
SSL_CONNECT のエラーで示される一般的な接続の問題は、時間が不適切に設定されているマシンに Satellite がインストールされていることが原因です。Satellite のインストール過程で SSL 証明書が誤った時間で作成され、その後に Satellite の時間が修正されると、証明書の開始日と時刻が未来に設定されることがあり、これにより証明書が無効になってしまいます。
これを解決するには、次のコマンドでクライアントと Satellite の日付と時刻を確認します。
# date
この結果は、すべてのマシンがほぼ同一で、証明書の「notBefore (これ以前は無効)」と「notAfter (これ以降は無効)」の有効期間枠内になるはずです。次のコマンドでクライアント証明書の日付と時刻を確認します。
# openssl x509 -dates -noout -in /usr/share/rhn/RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT
次のコマンドで Satellite サーバーの証明書の日付と時刻を確認します。
# openssl x509 -dates -noout -in /etc/httpd/conf/ssl.crt/server.crt
デフォルトでは、サーバーの証明書は 1 年間有効でクライアントの証明書は 10 年間有効になっています。証明書の誤りを見つけたら、できれば有効開始時間を待つか、または新しい証明書を作成してすべてのシステム時間は GMT に設定するのがよいでしょう。

5.5. ログとレポート

問:
どのようなログファイルがありますか?
答:
ほとんどすべてのトラブルシューティングの手順は、関連ログファイルを調べることから始めます。関連ログファイルは、デバイス上やアプリケーション内で発生したアクティビティに関する貴重な情報を提供します。この情報は、パフォーマンスをモニタリングしたり、正しい設定を確保するのに使用することができます。関連するすべてのログファイルへのパスは、表5.1「ログファイル」 をご覧ください。
/var/log/rhn/ ディレクトリ内には、番号付けされたログファイル (例: /var/log/rhn/rhn_satellite_install.log.1、/var/log/rhn/rhn_satellite_install.log.2など) が存在する場合があります。これらは、回転 ログで、現行の rhn_satellite_install.log ファイルが logrotate(8) デーモンにより指定されたサイズに達して一杯になった時に、コンテンツが回転ログファイルに書き込まれ、<NUMBER> の拡張子付きで作成されるログファイルです。例えば、rhn_satellite_install.log.1 には、最も古い回転ログファイルが含まれる一方、rhn_satellite_install.log.4 には最も新しい回転ログが含まれます。

表5.1 ログファイル

コンポーネント/タスク ログファイルの場所
Apache Web server /var/log/httpd/ ディレクトリ
Red Hat Satellite /var/log/rhn/ ディレクトリ
Red Hat Satellite Installation Program /var/log/rhn/rhn_satellite_install.log
データベースのインストール - 組み込みのデータベース /var/log/rhn/install_db.log
データベースへのデータ取り込み /var/log/rhn/populate_db.log
Red Hat Satellite Synchronization Tool /var/log/rhn/rhn_server_satellite.log
Monitoring のインフラストラクチャ /var/log/nocpulse/ ディレクトリ
Monitoring の通知 /var/log/notification/ ディレクトリ
Red Hat Network DB Control - 組み込みのデータベース /var/log/rhn/rhn_database.log
Red Hat Network Task Engine (taskomatic) /var/log/messages
yum /var/log/yum.log
XML-RPC のトランザクション /var/log/rhn/rhn_server_xmlrpc.log
問:
spacewalk-report の使い方を教えてください。
答:
エンタイトルメント、サブスクライブしているシステム、ユーザーおよび組織などのインベントリなどを作成する場合、管理者には書式化された簡潔な Red Hat Satellite リソースの要約が必要な場合があります。こうした情報を Satellite インターフェースで手作業で集めるのではなく、一度に重要な Satellilte 情報を収集し、表示してくれる spacewalk-report コマンドが Red Hat Satellite には同梱されています。

注記

spacewalk-report を使用する場合、spacewalk-reports パッケージを先にインストールしておく必要があります。
spacewalk-report では、管理者による Satellite 全体のコンテンツ、エラータ、システム群、システムイベント履歴、およびユーザーなどのリソースに関するレポートの生成と表示が可能です。以下のように spacewalk-report コマンドを使ってレポートを生成します。
  • システムインベントリ - Satellite に登録されているすべてのシステムを一覧表示します。
  • エンタイトルメント - Satellite 上のすべての組織をシステム別またはチャンネルエンタイトルメント別に表示します。
  • エラータ - 登録されているシステムに関連した全エラータを重度別、ならびに特定のエラータに適用されるシステム別に表示します。
  • ユーザー - Satellite に登録されている全ユーザーと、特定のユーザーに関連付けされているシステムを表示します。
  • システム履歴 - 発生した全システムイベントまたは一部のシステムイベントを表示します。
CSV 形式のレポートを取得する場合は、Satellite サーバーのコマンドプロンプトで次を実行します。
# spacewalk-report report_name
以下のような種類のレポートを生成することができます。

表5.2 spacewalk-report レポート

レポート 以下として呼び出し 説明
システムインベントリ inventory サーバーに登録されているシステムとそのハードウェアおよびソフトウェア情報を表示
エンタイトルメント entitlements Satellite 上の全組織とそのシステムまたはチャンネルのエンタイトルメントを表示
チャンネル内のエラータ errata-channels チャンネル内のエラータを表示
すべてのエラータ errata-list-all すべてのエラータの全一覧
システムのエラータ errata-systems 適用できるエラータと影響を受ける登録システムをすべて表示
システム内のユーザー users Satellite に登録されている全ユーザーを表示
管理対象システム users-systems 個別ユーザーで管理が可能なシステムを表示
キックスタートツリー kickstartable-trees キックスタート可能なツリーを表示
システム履歴 system-history システムのイベント履歴を表示
システム履歴チャンネル system-history-channels システムのイベント履歴を表示
システム履歴 (設定) system-history-configuration システムの設定に関連するイベントの履歴を表示
システム履歴 (エンタイトルメント) system-history-entitlements システムのエンタイトルメントに関連するイベントの履歴を表示
システム履歴 (エラータ) system-history-errata システムのエラータに関連するイベントの履歴を表示
システム履歴 (キックスタート) system-history-kickstart システムのキックスタートとプロビジョニングに関連するイベントの履歴を表示
システム履歴 (パッケージ) system-history-packages システムのパッケージに関連するイベントの履歴を表示
個別のレポートについての詳しい情報を取得するには、spacewalk-report--info または --list-fields-info のオプションとレポート名を指定して実行します。レポート内に使用可能なフィールドの説明と一覧が表示されます。
spacewalk-report(8) man ページおよび spacewalk-report プログラムの --help パラメータを使用すると、プログラムの起動とそのオプションについての追加情報を取得することができます。
問:
データベーススキーマのバージョンはどうしたら確認できますか?
答:
データベーススキーマのバージョンを確認するには次のコマンドを実行します。
# rhn-schema-version
問:
搭載されている文字セットのタイプはどうしたら確認できますか?
答:
Satellite のデータベースの文字セットタイプを得るには次のコマンドを実行します。
# rhn-charsets
問:
管理者に電子メールが送信されないのはどうしてですか?
答:
管理者側で Red Hat Satellite からのメールが受信できていない場合は、/etc/rhn/rhn.conf 内の traceback_mail に正しいアドレスが設定されているか確認してください。
問:
トレースバックメールの送信者はどうしたら変更できますか?
答:
トレースバックのメールが dev-null@rhn.redhat.com からの送信と記され、このアドレスが組織で有効となるようにしたい場合は、web.default_mail_from オプションと適切な値を /etc/rhn/rhn.conf に追加します。

5.6. エラー

問:
Red Hat Satellite のインストール中に「Error validating satellite certificate (Satellite 証明書の検証中にエラーが発生しました)」のエラーが表示されます。どうしたら修復できますか?
答:
Red Hat Satellite インストール中の「Error validating satellite certificate (Satellite 証明書の検証中にエラーが発生しました)」のエラーは、ご使用の環境内に HTTP Proxy を持たせると発生します。install.log ファイルに以下のようなエラーの記載がないか確認します。
ERROR: unhandled exception occurred:
Traceback (most recent call last):
  File "/usr/bin/rhn-satellite-activate", line 45, in ?
    sys.exit(abs(mod.main() or 0))
  File "/usr/share/rhn/satellite_tools/rhn_satellite_activate.py", line 585, in main
    activateSatellite_remote(options)
  File "/usr/share/rhn/satellite_tools/rhn_satellite_activate.py", line 291, in activateSatellite_remote
    ret = s.satellite.deactivate_satellite(systemid, rhn_cert)
  File "/usr/lib/python2.4/site-packages/rhn/rpclib.py", line 603, in __call__
    return self._send(self._name, args)
  File "/usr/lib/python2.4/site-packages/rhn/rpclib.py", line 326, in _request
    self._handler, request, verbose=self._verbose)
  File "/usr/lib/python2.4/site-packages/rhn/transports.py", line 171, in request
    headers, fd = req.send_http(host, handler)
  File "/usr/lib/python2.4/site-packages/rhn/transports.py", line 698, in send_http
    self._connection.connect()
  File "/usr/lib/python2.4/site-packages/rhn/connections.py", line 193, in connect
    sock.connect((self.host, self.port))
  File "<string>", line 1, in connect
socket.timeout: timed out
この問題の解決方法
  1. 分離モードでインストールスクリプトを実行し、すでに実行済みのデータベースのインストールは省略します。
    # ./install.pl --disconnected --skip-db-install
    
  2. テキストエディタで /etc/rhn/rhn.conf を開き、以下の行を追加または変更します。
    server.satellite.rhn_parent = satellite.rhn.redhat.com
    
    以下の行を削除します。
    disconnected=1
    
    Red Hat Network への接続にプロキシを使用している場合には、以下の行を追加または変更してプロキシの設定も反映させる必要があります。
    server.satellite.http_proxy = <hostname>:<port>
    server.satellite.http_proxy_username = <username>
    server.satellite.http_proxy_password = <password>
    
  3. Satellite を再度接続モードに切り替えるには、root ユーザーとして rhn-satellite-activate コマンド使用します。コマンドには Satellite 証明書のパスとファイル名を追加してください。
    # rhn-satellite-activate --rhn-cert=/path/to/file.cert
別の方法として、接続モードで install.pl スクリプトを実行します。この場合、--answer-file=answer file のオプションを使用します。以下に示したような HTTP プロキシの情報を回答ファイルに組み込みます。
rhn-http-proxy = <hostname>:<port>
rhn-http-proxy-username = <username>
rhn-http-proxy-password = <password>
問:
Red Hat Satellite のアクティベートや同期を行おうとすると「ERROR: server.mount_point not set in the configuration file (エラー: server.mount_point が設定ファイル内に設定されていません)」のエラーが表示されます。どうしたら修復できますか?
答:
Red Hat Satellite のアクティベートまたは同期中の「ERROR: server.mount_point not set in the configuration file (エラー: サーバーの mount_point が設定ファイル内で設定されていません)」のエラーは、/etc/rhn/rhn.conf 内の mount_point 設定パラメータがディレクトリパスをポイントしていない場合か、ポイントしているディレクトリパスが存在しない場合か、またはディレクトリにアクセスするパーミッションがない場合に発生する可能性があります。
この問題を解決するには、/etc/rhn/rhn.conf 内の mount_point 設定パラメータの値をチェックします。/var/satellite のデフォルト値に設定されている場合には、 /var/satellite/var/satellite/redhat のディレクトリが確かに存在していることを確認します。すべての値に対してファイルへのパスが正しく設定されていること、およびパーミッションが適切に設定されていることを確認します。
問:
別のバージョンの yum-utils が必要だというエラーメッセージが cobbler check で表示されるのはどうしてですか?
答:
cobbler check コマンドを実行すると以下のようなエラーが表示される場合があります。
# cobbler check
The following potential problems were detected:
#0: yum-utils need to be at least version 1.1.17 for reposync -l, current version is 1.1.16
これは、Cobbler の reposync パッケージでは既知の問題です。このエラーは擬似エラーのため無視して構いません。このエラーは、今後の Red Hat Satellite バージョンで解決される予定です。
問:
Red Hat Satellite 証明書をアクティベートしようとすると「unsupported version (バージョンがサポートされていません)」のエラーが表示されます。どうしたら修復できますか?
答:
Red Hat Satellite 証明書が破損していると、以下のいずれかのエラーが表示される可能性があります。
ERROR: <Fault -2: 'unhandled internal exception: unsupported version: 96'>
RHN_PARENT: satellite.rhn.redhat.com
     Error reported from RHN: <Fault -2: 'unhandled internal exception: unsupported version: 115'>
     ERROR: unhandled XMLRPC fault upon remote activation: <Fault -2: 'unhandled internal exception: unsupported version: 115'>
     ERROR: <Fault -2: 'unhandled internal exception: unsupported version: 115'>
Invalid satellite certificate
この問題を解決するには、Red Hat のサポートサービスに連絡して新しい証明書を取得してください。
問:
キックスタートプロファイルを編集しようとすると「Internal Server Error (内部サーバーのエラー)」が表示され ASCII についての問題が指摘されます。何が問題なのでしょうか?
答:
最近、キックスタートプロファイルにカーネルパラメータを追加した場合、キックスタートプロフィールの一覧を表示 を実行しようとすると以下のような内部サーバーのエラーが表示される場合があります。
'ascii' codec can't encode character u'\u2013'
このエラーは、プロファイル内の一部のテキストが適正に認識されていないために発生します。
この問題の解決方法
  1. root ユーザーとして Satellite サーバー に対して直接 ssh を実行します。
    # ssh root@satellite.fqdn.com
    
  2. 問題の原因となっているキックスタートプロファイルを特定するには、/var/lib/cobbler/config/profiles.d のファイルの日付を確認して、最近に編集されたファイルを見つけます。
    # ls -l /var/lib/cobbler/config/profiles.d/
    
  3. 希望のテキストエディタでプロファイルを開き、以下のようなテキストを探します。
    \u2013hostname
    
    エントリを以下のように変更します。
    --hostname
    
  4. プロファイルへの変更を保存して、ファイルを閉じます。
  5. Red Hat Satellite サービスを再起動し、更新されたプロファイルを取得します。
    # rhn-satellite restart
    Shutting down rhn-satellite...
    Stopping RHN Taskomatic...
    Stopped RHN Taskomatic.
    Stopping cobbler daemon:                                   [  OK  ]
    Stopping rhn-search...
    Stopped rhn-search.
    Stopping MonitoringScout ...                               [  OK  ]
    Stopping Monitoring ...                                    [  OK  ]
    Stopping httpd:                                            [  OK  ]
    Stopping tomcat5:                                          [  OK  ]
    Shutting down osa-dispatcher:                              [  OK  ]
    Shutting down Oracle Net Listener ...                      [  OK  ]
    Shutting down Oracle DB instance "rhnsat" ...              [  OK  ]
    Shutting down Jabber router:                               [  OK  ]
    Done.
    Starting rhn-satellite...
    Starting Jabber services                                   [  OK  ]
    Starting Oracle Net Listener ...                           [  OK  ]
    Starting Oracle DB instance "rhnsat" ...                   [  OK  ]
    Starting osa-dispatcher:                                   [  OK  ]
    Starting tomcat5:                                          [  OK  ]
    Starting httpd:                                            [  OK  ]
    Starting Monitoring ...                                    [  OK  ]
    Starting MonitoringScout ...                               [  OK  ]
    Starting rhn-search...
    Starting cobbler daemon:                                   [  OK  ]
    Starting RHN Taskomatic...
    Done.
    
  6. Web インターフェースに戻ります。インターフェースがサービスを解決するのにしばらく時間がかかる場合がありますが、しばらくすると通常の状態に戻るはずです。
問:
「Host Not Found (ホストが見つかりません)」または「Could Not Determine FQDN (完全修飾ドメイン名を確定できませんでした)」のエラーが表示されます。どうしたらよいでしょうか?
答:
Red Hat Network の設定ファイルは、完全修飾ドメイン名 (FQDN) のみに依存しているため、主要なアプリケーションは必ず Red Hat Satellite の名前を IP アドレスに解決できなければなりません。Red Hat Update AgentRed Hat Network Registration Client、Apache Web serverでは、特にこの問題が発生する傾向があり、起動に失敗すると Red Hat Network のアプリケーションは「host not found (ホストが見つかりません)」のエラーを発行し、Web サーバーは「Could not determine the server's fully qualified domain name (サーバーの完全修飾ドメイン名を確定できませんでした)」のメッセージを出力します。
この問題は一般的に /etc/hosts ファイルが原因で生じます。ドメイン名解決の順序と方法を定義する /etc/nsswitch.conf を調べると確認できます。通常、/etc/hosts ファイルが最初にチェックされた後、NIS (Neetwork Information Service) を使用している場合はこのサービス、次に DNS の順でチェックされて行きます。Apache Web server が起動して Red Hat Network クライアントのアプリケーション群が動作するには、これらのいずれかが成功しなければなりません。
この問題を解決するには、/etc/hosts ファイルの内容を確認します。次のようになっています。
127.0.0.1 this_machine.example.com this_machine localhost.localdomain \ localhost
まず、以下のようにテキストエディタで問題となるマシン情報を削除します。
127.0.0.1 localhost.localdomain.com localhost
次に、ファイルを保存してから Red Hat Network クライアントのアプリケーションまたは Apache Web serverを再起動してみます。依然として失敗する場合は、次のようにこのファイル内で Satellite の IP アドレスを明示的に指定します。
127.0.0.1 localhost.localdomain.com localhost
123.45.67.8 this_machine.example.com this_machine
上記の値は実際の Satellite の IP アドレスに置き換えてください。これで問題は解決されるはずです。特定の IP アドレスが規定される場合には、マシンが新しいアドレスを取得した際にファイルを更新する必要があります。
問:
Red Hat Satellite サーバーを同期しようとすると「This server is not an entitled Satellite (このサーバーはエンタイトルメントを有する Satellite ではありません)」というメッセージが表示されます。どうしたら修復できますか?
答:
satellite-sync でサーバーが Red Hat Satellite としてアクティベートされていないと報告される場合は、サーバーがそれぞれの Red Hat Satellite チャンネルにサブスクライブされていません。新規インストールしたシステムの場合は、Satellite の証明書がそのシステムでアクティベートされていることを確認します。以前に証明書をアクティベートしている場合には、それが停止されています。
システムの子チャンネルを表示させて Red Hat Network Red Hat Satellite チャンネルにサブスクライブさせているか確認してください。以下のコマンドでサブスクライブしているチャンネルを表示させます。
# yum repolist
このコマンドを root ユーザーとして使用して、Satellite で同じ Satellite 証明書をもう一度アクティベートします。
# rhn-satellite-activate -vvv --rhn-cert=/path/to/certificate

5.7. Web インターフェース

問:
Red Hat Satellite のユーザーインターフェースに不具合が生じました。どのログファイルをチェックしたらよいでしょうか。
答:
Red Hat Satellite のユーザーインターフェースのキックスタートで表示、スケジューリング、または操作のエラーが生じた場合には、/var/log/tomcat5/catalina.out ログファイルをチェックしてください。
その他すべてのインターフェースエラーの場合は、/var/log/httpd/error_log ログファイルをチェックします。

5.8. Anaconda

問:
Error downloading kickstart file (キックスタートファイルのダウンロードでエラーが発生しました) というエラーが表示されます。何が問題なのでしょうか。どのようにしたら修復できますか。
答:
このエラーは、通常ネットワークの問題が原因です。問題を究明するには、cobbler check のコマンドを実行して出力を確認します。以下のような出力が表示されるはずです。
# cobbler check
The following potential problems were detected:
#0: reposync is not installed, need for cobbler reposync, install/upgrade yum-utils?
#1: yumdownloader is not installed, needed for cobbler repo add with --rpm-list parameter, install/upgrade yum-utils?
#2: The default password used by the sample templates for newly installed machines (default_password_crypted in /etc/cobbler/settings) is still set to 'cobbler' and should be changed
#3: fencing tools were not found, and are required to use the (optional) power management features. install cman to use them
cobbler check で問題が究明できない場合には、以下の点を確認してください。
  • httpd が実行されているかを確認します。service httpd status
  • cobblerd が実行されているかを確認します。service cobblerd status
  • wget を使用して、異なるホストからキックスタートファイルを取得できることを確認します。
    wget http://satellite.example.com/cblr/svc/op/ks/profile/rhel5-i386-u3:1:Example-Org
問:
The file chkconfig-1.3.30.1-2.i386.rpm cannot be opened. (chkconfig-1.3.30.1-2.i386.rpm のファイルは開くことができません) というパッケージインストールエラーが表示されます。何が問題なのでしょうか。どのようにしたら修復できますか。
答:
クライアントは、キックスタート内の --url パラメータに基づいて Red Hat Satellite からコンテンツを取得します。例:
url --url http://satellite.example.com/ks/dist/ks-rhel-i386-server-5-u3
Anaconda から、イメージまたはパッケージが見つからないというエラーを受信した場合には、キックスタート内の URL が 200 OK の応答を生成することを確認します。これは、wget でその URL にあるファイルの取得を試みることによって行うことができます。
wget http://satellite.example.com/ks/dist/ks-rhel-i386-server-5-u3
--2011-08-19 15:06:55--  http://satellite.example.com/ks/dist/ks-rhel-i386-server-5-u3
Resolving satellite.example.com... 10.10.77.131
Connecting to satellite.example.com|10.10.77.131|:80... connected.
HTTP request sent, awaiting response... 200 OK
Length: 0 [text/plain]
Saving to: `ks-rhel-i386-server-5-u3.1'
2011-08-19 15:06:55 (0.00 B/s) - `ks-rhel-i386-server-5-u3.1' saved [0/0]
200 OK 以外の応答が返された場合は、エラーログを確認して問題を究明します。また、access_log ファイルを検索することによって、Anaconda がダウンロードを試みた実際のファイルをチェックすることもできます。
# grep chkconfig /var/log/httpd/access_log
10.10.77.131 - - [19/Aug/2011:15:12:36 -0400] "GET /rhn/common/DownloadFile.do?url=/ks/dist/ks-rhel-i386-server-
5-u3/Server  /chkconfig-1.3.30.1-2.i386.rpm HTTP/1.1" 206 24744 "-" "urlgrabber/3.1.0 yum/3.2.19"
10.10.76.143 - - [19/Aug/2011:15:12:36 -0400] "GET /ks/dist/ks-rhel-i386-server-5-u3/Server/chkconfig-
1.3.30.1-2.i386.rpm HTTP/1.1" 206 24744 "-" "urlgrabber/3.1.0 yum/3.2.19"
10.10.76.143 - - [19/Aug/2011:15:14:20 -0400] "GET /ks/dist/ks-rhel-i386-server-5-u3/Server/chkconfig-
1.3.30.1-2.i386.rpm HTTP/1.1" 200 162580 "-" "urlgrabber/3.1.0 yum/3.2.19"
10.10.77.131 - - [19/Aug/2011:15:14:20 -0400] "GET /rhn/common/DownloadFile.do?url=/ks/dist/ks-rhel-i386-server-
5-u3/Server/chkconfig-1.3.30.1-2.i386.rpm HTTP/1.1" 200 162580 "-" "urlgrabber/3.1.0 yum/3.2.19"
これらの要求が access_log ファイル内に記載されていない場合は、システムのネットワーク設定に問題がある可能性があります。要求が記載されていてもエラーが生成される場合には、エラーログを確認してください。
手動でのファイルダウンロードを試みて、パッケージが入手可能かどうかを確認することもできます。
wget http://satellite.example.com/ks/dist/ks-rhel-i386-server-5-u3/Server/chkconfig-1.3.30.1-2.i386.rpm

5.9. トレースバック

問:
"WEB TRACEBACK" という表題の電子メールが送信されてきます。どう対処したらよいでしょうか。
答:
標準的なトレースバック電子メールは、以下のような内容となっています。
Subject: WEB TRACEBACK from satellite.example.com
Date: Wed, 19 Aug 2011 20:28:01 -0400
From:Red Hat Satellite <dev-null@redhat.com>
To: admin@example.com

java.lang.RuntimeException: XmlRpcException calling cobbler.
	at com.redhat.rhn.manager.kickstart.cobbler.CobblerXMLRPCHelper.invokeMethod(CobblerXMLRPCHelper.java:72)
	at com.redhat.rhn.taskomatic.task.CobblerSyncTask.execute(CobblerSyncTask.java:76)
	at com.redhat.rhn.taskomatic.task.SingleThreadedTestableTask.execute(SingleThreadedTestableTask.java:54)
	at org.quartz.core.JobRunShell.run(JobRunShell.java:203)
	at org.quartz.simpl.SimpleThreadPool$WorkerThread.run(SimpleThreadPool.java:520)
Caused by: redstone.xmlrpc.XmlRpcException: The response could not be parsed.
	at redstone.xmlrpc.XmlRpcClient.handleResponse(XmlRpcClient.java:434)
	at redstone.xmlrpc.XmlRpcClient.endCall(XmlRpcClient.java:376)
	at redstone.xmlrpc.XmlRpcClient.invoke(XmlRpcClient.java:165)
	at com.redhat.rhn.manager.kickstart.cobbler.CobblerXMLRPCHelper.invokeMethod(CobblerXMLRPCHelper.java:69)
	... 4 more
Caused by: java.io.IOException: Server returned HTTP response code: 503 for URL: http://someserver.example.com:80/cobbler_api
	at sun.net.www.protocol.http.HttpURLConnection.getInputStream(HttpURLConnection.java:1236)
	at redstone.xmlrpc.XmlRpcClient.handleResponse(XmlRpcClient.java:420)
	... 7 more
これは、Cobbler とtaskomatic サービスとの通信において問題が生じたことを示しています。以下の点を確認してください。
  • httpd が実行されていることを確認します。# service httpd status
  • cobblerd が実行されていることを確認します。# service cobblerd status
  • localhost への接続を妨げるファイアウォールルールがないことを確認します。

5.10. 登録

問:
rhnreg_ks コマンドを実行すると、ERROR: unable to read system id (エラー: システム ID を読み取ることができません) というエラーメッセージが表示されて、失敗してしまいます。何が問題なのでしょうか。
答:
キックスタートファイルの末尾には、%post のセクションがあり、ここでマシンが Red Hat Satellite に登録されます。
# begin Red Hat management server registration
mkdir -p /usr/share/rhn/
wget http://satellite.example.com/pub/RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT -O /usr/share/rhn/RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT
perl -npe 's/RHNS-CA-CERT/RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT/g' -i /etc/sysconfig/rhn/*
rhnreg_ks --serverUrl=https://satellite.example.com/XMLRPC --sslCACert=/usr/share/rhn/RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT --activationkey=1-c8d01e2f23c6bbaedd0f6507e9ac079d
# end Red Hat management server registration
追加された順番でこれを解釈すると、以下が実行されます。
  • Red Hat Satellite が使用するカスタム SSL 証明書を格納するディレクトリを作成します。
  • 登録中に使用する SSL 証明書を取得します。
  • rhn-register 設定ファイルからの SSL 証明書のストリングの検索/置換が行われ、SSL 証明書とアクティベーションキーを使用して Red Hat Satellite に登録されます。各キックスタートプロファイルにはアクティベーションキーが含まれ、これによってシステムに正しいベースチャンネルと子チャンネルが確実に割り当てられ、正しいシステムのエンタイトルメントが取得されます。既存システムの再プロビジョニングの場合には、アクティベーションキーが以前のシステムプロファイルに確実に関連付けられます。
rhnreg_ks コマンドが失敗した場合には、ks-post.log ログファイル内に以下のようなエラーが表示される場合があります。
ERROR: unable to read system id.
このようなエラーは、rhn_check の実行を試行した際にシステムが Red Hat Satellite に登録されていなかった場合にも発生します。
この問題に対処する最善のトラブルシューティングは、キックスタートが完了した後に、キックスタートファイルを確認して、上記の 4 つのステップをコピーし、コマンドプロンプトに直接貼り付ける方法です。これによって、問題の究明に役立つより詳細なエラーメッセージが生成されます。

5.11. キックスタートとスニペット

問:
キックスタートのディレクトリ構造はどのようになっていますか。
答:
キックスタートファイルが保管されるベースパスは、/var/lib/rhn/kickstarts/ です。このディレクトリ内において、raw キックスタートは upload サブディレクトリ内に格納され、ウィザードによって生成されたキックスタートは wizard サブディレクトリ内に格納されます。
Raw Kickstarts: /var/lib/rhn/kickstarts/upload/$profile_name--$org_id.cfg
Wizard Kickstarts: /var/lib/rhn/kickstarts/wizard/$profile_name--$org_id.cfg
問:
Cobbler スニペットのディレクトリ構造はどのようになっていますか。
答:
Cobbler スニペットは /var/lib/rhn/kickstarts/snippets に格納されます。Cobbler は、/var/lib/cobbler/snippets/spacewalk のシンボリックリンクを使用して、スニペットにアクセスします。
Snippets:  /var/lib/rhn/kickstarts/snippets/$org_id/$snippet_name

重要

Red Hat Satellite RPM は、Cobbler のキックスタートとスニペットのディレクトリがデフォルトの場所にあることを想定しているので、これらの場所を変更しないでください。

5.12. モニタリング

問:
監視エラーの原因を判別するのに役立つ診断ツールはありますか?
答:
監視関連のすべてのアクティビティは Satellite インターフェースで行いますが、Red Hat はエラーの原因を判定するのに役立つコマンドライン診断ツールをいくつか提供しています。これらのツールを使用するには、監視を行なっている Satellite 上で nocpulse ユーザーになる必要があります。
まず Satellite に root でログインしてから、次のコマンドで nocpulse ユーザーに切り替えます。
su - nocpulse
徹底的なプローブのトラブルシューティングを行うには、そのプローブの ID をまず取得する必要があります。nocpulse ユーザーとして Red Hat Satellite サーバー で rhn-catalog を実行すると、この情報を取得できます。出力は次のようになります。
2 ServiceProbe on example1.redhat.com (199.168.36.245): test 2
3 ServiceProbe on example2.redhat.com (199.168.36.173): rhel2.1 test
4 ServiceProbe on example3.redhat.com (199.168.36.174): SSH
5 ServiceProbe on example4.redhat.com (199.168.36.175): HTTP
プローブ ID は先頭にある番号です。その行の末尾にあるのがプローブ名 (Satellite インターフェースで入力したもの) です。上記の例では、5 のプローブ ID は HTTP という名前のプローブに該当します。
さらに、プローブに関する追加情報を得るには rhn-catalog--commandline (-c) と --dump (-d) オプションを渡して、その後にプローブ ID を入れます。例えば、以下のようになります。
rhn-catalog --commandline --dump 5 
--commandline オプションはプローブに設定されているコマンドパラメータを与え、--dump オプションは警告のしきい値と通知の間隔やメソッドなどその他すべてを検索します。
上記のコマンドは概ね次のような出力結果になります。
5 ServiceProbe on example4.redhat.com (199.168.36.175  ):
linux:cpu usage
      Run as: Unix::CPU.pm --critical=90 --sshhost=199.168.36.175
--warn=70 --timeout=15 --sshuser=nocpulse
--shell=SSHRemoteCommandShell --sshport=4545
これで ID を取得できましたので、rhn-rhnprobe でこれを使ってプローブの出力を調べます。
問:
rhn-runprobe の出力をどのように解釈すればよいですか?
答:
これで rhn-catalog でプローブ ID を取得していますので、今度はこのプローブ ID を rhn-runprobe と一緒に使用してプローブの詳細な出力を調べます。デフォルトでは rhn-runprobe はテストモードで動作しますので注意してください。つまり、結果はデータベースに入力されません。次にオプションを示します。

表5.3 rhn-runprobe のオプション

オプション 説明
--help 使用できるオプションを一覧表示して終了します。
--probe=PROBE_ID この ID のプローブを実行します。
--prob_arg=PARAMETER データベースからのプローブパラメータを無効にします。
--module=PERL_MODULE 実行する代替コードのパッケージ名です。
--log=all=LEVEL パッケージまたはパッケージのプレフィックスのログレベルを設定します。
--debug=LEVEL 数値でデバッグレベルを設定します。
--live プローブを実行して、データをキューに入れ通知を送信します (必要な場合)。
最低でも --probe オプションと --log オプション、およびこれらのオプションの値を含める必要があります。--probe オプションにはプローブ ID を値として適用し、--log オプションには「all」の値 (すべてのランレベル用) と冗長レベルの数値を値として適用します。 次に例を示します。
rhn-runprobe --probe=5 --log=all=4 
上記のコマンドは、プローブ ID 5 のプローブ出力を全てのランレベルに対して高度な詳細で表示するよう要求します。
さらに具体的に、rhn-catalog から得られたコマンドパラメータを次のように与えることもできます。
rhn-runprobe 5 --log=all=4 --sshuser=nocpulse --sshport=4545 
これによりプローブの試行された実行を表す冗長な出力が得られます。エラーを明確に識別できます。

5.13. 複数組織向けの Satellite と Satellite 証明書

問:
Satellite 証明書に十分なエンタイトルメント群がない場合は、システムの登録を複数組織向けの環境でどのように行えますか?
答:
エンタイトルメント群を開放する必要があってもそれを実行する時間がなかったリ、これを自分で実行するための各組織へのアクセスがなかったりする場合があります。複数組織の Satellite には Satellite 管理者によりある組織のエンタイトルメント数をその使用数以下に減らすことができるオプションがあります。この方法は管理組織にログインして実行する必要があります。
例えば、管理組織にログインしたとします。Satellite 上の全ての登録システムを対象とするには証明書にシステム管理エンタイトルメントが 5 つ足りない場合、その組織に最近登録された 5 システムのエンタイトルメントが外されます。このプロセスを以下に示します。
  1. /etc/rhn/rhn.conf ファイルで、web.force_unentitlement=1 を設定します。
  2. Satellite を再起動します。
  3. 各組織の サブスクリプション タブまたは個別エンタイトルメントの 組織 タブのいずれかで目的の組織に割り当てられたエンタイトルメント数を減らします。
  4. 組織内のいくつかのシステムが エンタイトルメントなし の状態になるはずです。組織内のエンタイトルメントなしのシステム数は、組織から削除したエンタイトルメントの合計数とシステムに適用していないエンタイトルメント数の差と同じになります。
    例えば、ステップ 3 で組織から 10 エンタイトルメントを削除して、その組織がシステムで使用されていなかった 4 エンタイトルメントを持っている場合は、その組織の 6 システムがエンタイトルメントを持たないことになります。
必要なエンタイトルメントの数を確保したら、新しい Satellite 証明書をアクティブにすることができるはずです。web.force_unentitlement 変数の変更が必要となるのは、組織が使用しているエンタイトルメントの数より少ない数を割り当てる場合のみになります。組織の所有しているエンタイトルメントの数が現在使用しているエンタイトルメントの数より多い場合、エンタイトルメントの削除にこの変数を設定する必要はありません。
問:
Satellite 証明書には、使用されていない追加のエンタイトルメントがあります。これらのエンタイトルメントはどうなりますか?
答:
新規に発行された Satellite 証明書のエンタイトルメントの数が、現在 Satellite で使用されているエンタイトルメントの数より多い場合、差分のエンタイトルメントは管理組織に割り当てられます。Web インターフェース に Satellite 管理者としてログインすると、差分のエンタイトルメントを他の組織に割り当てることができます。以前に他の組織に割り当てられたエンタイトルメントには影響はありません。

5.14. プロキシのインストールと設定

問:
Red Hat Network Package Manager の設定後に、ローカルパッケージがプライベート Red Hat Network チャンネルに正しく追加されたかどうかをどのように判別できますか?
答:
コマンド rhn_package_manager -l -c "name_of_private_channel" を使用して Satellite に対して既知のプライベートチャンネルパッケージを一覧表示します。または、Satellite インターフェースで確認します。
登録システムをプライベートチャンネルにサブスクライブしたら、登録システムでコマンド yum --disablerepo="*" --enablerepo="your_repo_name" list available を実行してプライベート Satellite チャンネルからパッケージを検索することもできます。
問:
クライアント群が Squid サーバーに接続しているかどうかは、どうしたら確認することができますか?
答:
/var/log/squid/access.log ファイルが Squid サーバーに対する接続をすべてログに記録しています。
問:
クライアントシステムの Red Hat Update Agent が Red Hat Satellite Proxy に接続されません。どうしたらこのエラーを解決できますか?
答:
Red Hat Update Agent の最新バージョンがクライアントシステムにインストールされているか確認してください。最新バージョンには、Red Hat Satellite Proxy への接続に必要な機能が含まれています。最新バージョンはコマンド yum update yum を root として実行して Red Hat Network から取得するか、または http://www.redhat.com/support/errata/ から取得できます。
Red Hat Satellite Proxy は Apache の拡張です。ログファイルの場所については、『Red Hat Satellite Proxy インストールガイド』 の 『ログファイル』 のセクションを参照してください。
問:
Red Hat Satellite Proxy 設定が動作しません。どこからトラブルシューティングを開始したらよいですか?
答:
/etc/sysconfig/rhn/systemid がパーミッション 0640 で root.apache によって所有されていることを確認してください。
ログファイルを確認します。リストについては、『Red Hat Satellite Proxy インストールガイド』 の 『ログファイル』のセクションを参照してください。
問:
Red Hat Satellite Proxy の全般的な問題はどのように調査/解決できますか?
答:
全般的な問題の調査/解決を開始するには、支障が生じているコンポーネントに関連するログファイルを調べます。
よくある問題はディスク領域が一杯になることです。この問題の最も顕著な兆候はログファイルへの書き込みが停止される状況です。単語の途中など、書き込み中にログ作業が停止された場合は、ハードディスクが一杯である可能性があります。これを確認するには、次のコマンドを実行して 使用% (Use%) の欄にある割合を確認します。
df -h
ログファイルの他にも、各種コンポーネントのステータスを読み出して貴重な情報を取得することができます。これは Apache Web server と Squid に対して実行することができます。
Apache Web server のステータスを読み出すには、次のコマンドを実行します。
service httpd status
Squid のステータスを読み出すには、次のコマンドを実行します。
service squid status
管理者側で Red Hat Satellite Proxy からのメールが受信できていない場合は、/etc/rhn/rhn.conf 内の traceback_mail に正しいアドレスが設定されていることを確認してください。
問:
Red Hat Satellite Proxy に「Host Not Found (ホストが見つかりません)」または「Could Not Determine FQDN (完全修飾ドメイン名を確定できませんでした)」のエラーが発生しました。どうしたらよいでしょうか?
答:
Red Hat Network の設定ファイルは完全修飾ドメイン名 (FQDN) のみに依存しているため、主要なアプリケーションは必ず Red Hat Satellite Proxy の名前を IP アドレスに解決できなければなりません。Red Hat Update AgentRed Hat Network Registration Client、および Apache Web server では、特にこの問題が発生する傾向があり、起動に失敗すると Red Hat Network のアプリケーションは「host not found (ホストが見つかりません)」のエラーを発行し、Web サーバーは「Could not determine the server's fully qualified domain name (サーバーの完全修飾ドメイン名を確定できませんでした)」のメッセージを出力します。
この問題は一般的に /etc/hosts ファイルが原因で生じます。ドメイン名解決の順序と方法を定義する /etc/nsswitch.conf を調べると確認できます。通常、/etc/hosts ファイルが最初にチェックされた後に、NIS (Neetwork Information Service) を使用している場合はこのサービス、次に DNS の順でチェックされます。Apache Web server が起動して Red Hat Network クライアントのアプリケーション群が動作するには、これらのいずれかが成功しなければなりません。
この問題を解決するには、/etc/hosts ファイルの内容を確認します。次のようになっています。
127.0.0.1 this_machine.example.com this_machine localhost.localdomain \ localhost
テキストエディターで、ファイルからマシンのホスト情報を削除します。以下のようになります。
127.0.0.1 localhost.localdomain.com localhost
次に、ファイルを保存してから Red Hat Network クライアントのアプリケーションまたは Apache Web server を再起動してみます。依然として失敗する場合は、次のようにこのファイル内で Proxy の IP アドレスを明示的に指定します。
127.0.0.1 localhost.localdomain.com localhost
123.45.67.8 this_machine.example.com this_machine
上記の値を実際のプロキシの IP アドレスに置き換えてください。これで問題が解決されるはずです。特定の IP アドレスを規定する場合には、マシンが新しいアドレスを取得した時点でそのファイルを更新する必要があります。
問:
Red Hat Satellite Proxy の不具合とネットワーク接続のエラーが生じました。どうしたらよいでしょうか?
答:
接続エラー関連と思われる問題が発生している場合は、次の手順を実行します。
  • 適切なパッケージを確認します。
     rhn-org-httpd-ssl-key-pair-MACHINE_NAME-VER-REL.noarch.rpm 
    上記のパッケージが Red Hat Satellite Proxy にインストールされ、また対応する rhn-org-trusted-ssl-cert-*.noarch.rpm または Raw 形式の CA SSL パブリック (クライアント) 証明書がすべてのクライアントシステムにインストールされていることを確認します。
  • クライアントシステムが適切な証明書を使用するよう設定されていることを確認します。
  • 1 つまたは複数の Red Hat Satellite Proxy を使用している場合は、各プロキシの SSL 証明書が正しく用意されていることを確認します。Red Hat Satellite と併用して Red Hat Satellite Proxy を使用している場合は、プロキシはサーバーとクライアントの両方の役割を担うため、自身のサーバー SSL キーペアと CA SSL パブリック (クライアント) 証明書の両方がインストールされていなければなりません。詳しい説明については 『Red Hat Satellite クライアント設定ガイド』 の SSL 証明書の章を参照してください。
  • Red Hat Satellite Proxy が HTTP Proxy 経由で接続している場合、表示されている URL が有効であることを確認します。例えば、HTTP Proxy URL フィールドには、http:// や https:// などのプロトコルへの参照が含まれていてはいけません。your-gateway.example.com:8080 などのように、hostname:port の形式でホスト名とポートのみを記載します。
  • Red Hat Satellite Proxy インストールガイド』 の 『その他の要件』 に示されるように、クライアントシステムが必要なポートを自らブロックしてしまうファイアウォールを使用していないことを確認します。
問:
パッケージ配信のエラーとオブジェクトの破損が生じました。何をチェックしたらよいですか?
答:
パッケージ配信が失敗するか、またはオブジェクトが破損しているように見えるが接続エラー関連ではない場合は、キャッシュの消去を検討してください。Red Hat Satellite Proxy には検討が必要なキャッシュが 2 つあります。1 つは Squid 用で、もう 1 つは認証用です。
Squid キャッシュは /var/spool/squid/ にあり、以下の手順で消去します。
  1. Apache Web server を停止します: service httpd stop
  2. Squid server を停止します: service squid stop
  3. Delete the contents of that directory: rm -fv /var/spool/squid/*
  4. 両方のサービスを再起動します:
    service squid start
    service httpd start
    
ディレクトリをクリアにして squid を再起動するとこのタスクをより速く行えますが、この方法だと多数の Red Hat Network トレースバックメッセージが出される可能性が高くなります。
プロキシによって使用されている認証用の内部キャッシングのメカニズムにもキャッシュのクリアが必要になる場合があります。これを行うには、次のコマンドを発行します。
 rm -fv /var/cache/rhn/* 

注記

上記のトラブルシューティングの手順をすべて試しても問題が解決できないか、または Red Hat Network の技術者に問題の解決を任せたい場合には、Red Hat Satellite で提供されている信頼性の高いサポートをご利用いただくことをお勧めします。サポートをご利用頂く場合は、ご使用の Satellite の設定パラメータ、ログファイル、およびデータベース情報を集めてそのパッケージを Red Hat に直接送信して頂くのが最も効率的な方法になります。
この作業を行うためのコマンドラインツールも Red Hat Network で提供しています。これは、satellite-debug コマンドでよく知られている Satellite Diagnostic Info Gatherer (Satellite 診断情報収集ツール) です。このツールを使用する際は root としてこのコマンドを発行してください。次のように、収集された情報が表示され tarball が 1 つ作成されます。
# satellite-debug
Collecting and packaging relevant diagnostic information.
Warning: this may take some time...
    * copying configuration information
    * copying logs
    * querying RPM database (versioning of Red Hat Satellite, etc.)
    * querying schema version and database character sets
    * get diskspace available
    * timestamping
    * creating tarball (may take some time): /tmp/satellite-debug.tar.bz2
    * removing temporary debug tree

Debug dump created, stored in /tmp/satellite-debug.tar.bz2
Deliver the generated tarball to your Red Hat Network contact or support channel.
完了後は /tmp/ ディレクトリに生成された新しいファイルを Red Hat の担当者にメールで送信してください。迅速な診断が行われます。
また、Red Hat は SoS Report と呼ばれるコマンドラインツールを提供しており、これはそのコマンドである sosreport として知られています。このツールは Proxy の設定パラメータ、ログファイル、およびデータベース情報を収集し、Red Hat に直接送信します。
このツールを Red Hat Satellite の情報に使用する場合は、sos パッケージをインストールしておく必要があります。レポートを作成するには、Satellite サーバー上で root として sosreport -o rhn と入力します。例えば、以下のようになります。
[root@satserver ~]# sosreport -o rhn

sosreport (version 1.7)

This utility will collect some detailed  information about the
hardware and  setup of your  Red Hat Enterprise Linux  system.
The information is collected and an archive is  packaged under
/tmp, which you can send to a support representative.
Red Hat will use this information for diagnostic purposes ONLY
and it will be considered confidential information.

This process may take a while to complete.
No changes will be made to your system.

Press ENTER to continue, or CTRL-C to quit.
次に、名前のイニシャルとラストネーム (姓)、サポートケース番号の入力が求められます。
ファイルの生成および圧縮ファイルへのアーカイブには数分かかる場合があります。完了後は、迅速な診断を行うために /tmp/ ディレクトリーにできた新しいファイルを Red Hat 担当者にメール送信してください。

付録A プローブ

Monitoring のエンタイトルメントが付与されたシステムには健全性と完全な動作性を常に確認できるようにプローブを適用することができます。本セクションでは Apache などのコマンドグループごとに分けて使用できるプローブを一覧にしています。
システムの外部状況を監視するプローブではなく (ネットワークサービス::SSH プローブなど)、内部状況を監視するプローブ (Linux::ディスク使用のプローブなど) の多くは Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) のインストールが必要になります。この要件は各プローブの説明部分に記載されています。
本セクションでは、入力が必須となるフィールド (「*」印が付いている)、デフォルト値、および警報を発するよう設定できるしきい値などについての説明を各プローブごと記載しています。同様に、各コマンドグループセクションの冒頭にはそのグループ内の全プローブに該当する内容についての説明があります。「プローブのガイドライン」 で全般的なガイドラインについて説明し、以降の各セションでプローブごと詳細に見ていきます。

注記

ほぼすべてのプローブが TCP (Transmission Control Protocol) を転送プロトコルとして使用します。例外がある場合は、各プローブの説明部分に記載されています。

A.1. プローブのガイドライン

全般的なガイドラインでは各プローブの状態の意味について説明し、プローブにしきい値を設定する方法を見ていきます。
以下の一覧では各プローブの状態の意味を簡単に説明しています。
不明
プローブの状態の確定に必要な基準が収集できないプローブです。タイムアウトを過ぎるとほとんどのプローブがこの状態になります (ただし、すべてのプローブが必ずこの状態になるわけではありません)。また、この状態のプローブは正しく設定が行われていない可能性があります。
待機中 (Pending)
そのデータが Red Hat Satellite で受信されていないプローブです。新規のプローブがこの状態になるのは普通です。ただし、全てのプローブがこの状態に移行する場合はモニタリングのインフラストラクチャに障害が発生している可能性があります。
OK
エラーがなく正常に稼動しているプローブです。全てのプローブでこの状態が望ましい状態です。
警告
警告 (WARNING) のしきい値を超えているプローブです。
危険
重大 (CRITICAL) のしきい値を越えたプローブ、または何らかの手段で重大な状態に達したプローブです。(タイムアウトの期間を越えると重大な状態にあるプローブがいくつかあります)
プローブを追加する場合は有効なしきい値を設定するようにしてください。このしきい値を越えるとインフラストラクチャ内の問題に対処する管理者などに通知が送信されます。 タイムアウト期間は他に指示がない限り秒単位で入力します。例外がある場合は、各プローブの説明部分に記載されます。

重要

しきい値が時間に対応するプローブもあります。「重大」 (CRITICAL) および「警告」 (WARNING) のしきい値を意図した通りに機能させるには、これらの値がタイムアウト期間に割り当てられた時間を超えることはできません。タイムアウト期間を過ぎるとすべて待ち時間超過となり「不明」 (UNKNOWN) 状態が返されるため、しきい値を設定する意味がなくなります。この理由から、タイムアウト期間は時間を設定するすべてのしきい値より必ず大きい値となるようにすることを Red Hat は強く推奨します。
しばらくの間は通知なしでプローブを実行して各システムのベースラインパフォーマンスを確立します。プローブに指定されるデフォルト値がニーズに適している場合もありますが、組織によって環境はそれぞれ異なり、しきい値の変更が必要になる場合もあります。

A.2. Apache 1.3.x および 2.0.x

本セクション内のプローブは Apache Web server のインスタンスに適用することができます。デフォルト値は標準の HTTP を使用してプローブを適用することを想定していますが、アプリケーションのプロトコルとポートをそれぞれ https443 に変更して安全な接続でプローブを使用することもできます。

A.2.1. Apache::プロセス

「Apache::プロセス」プローブは Apache Web server で実行されるプロセスを監視して次のような指標を収集します。
  • 子プロセス毎に転送されたデータ - 子プロセスそれぞれでのデータ転送情報を記録します。子プロセスとは親プロセスまたは別のプロセスから生成されたプロセスのことです。
  • スロットごとに転送されたデータ - 再起動する子プロセスによって転送された累積データ量です。スロット数は MaxRequestsPerChild 設定を使って httpd.conf ファイルで設定されます。
このプローブが正常に作動するためには、Web サーバーの httpd.conf ファイル内 ExtendedStatus ディレクティブが On に設定されていなければなりません。

表A.1 「Apache::プロセス」の設定

フィールド
アプリケーションプロトコル* http
ポート* 80
パス名* /server-status
ユーザーエージェント* NOCpulse-ApacheUptime/1.0
ユーザー名
パスワード
タイムアウト* 15
子プロセスごとの重大レベル最大転送メガバイト数 (Critical Maximum Megabytes Transferred Per Child)
子プロセスごとの警告レベル最大転送メガバイト数 (Warning Maximum Megabytes Transferred Per Child)
スロットごとの重大レベル最大転送メガバイト数 (Critical Maximum Megabytes Transferred Per Slot)
スロットごとの警告レベル最大転送メガバイト数 (Warning Maximum Megabytes Transferred Per Slot)

A.2.2. Apache::トラフィック

「Apache::トラフィック」プローブは Apache Web server の要求を監視して次のような指標を収集します。
  • 現在の要求数 — プローブの実行時にサーバーによって処理される要求数です。
  • 要求レート - プローブが最後に実行されてからの 1 秒ごとのサーバーへのアクセス数です。
  • トラフィック - プローブが最後に実行されてからサーバーが処理した 1 秒ごとキロバイト単位による通信量です。
このプローブが正常に作動するためには、Web サーバーの httpd.conf ファイル内 ExtendedStatus ディレクティブが On に設定されていなければなりません。

表A.2 「Apache::トラフィック」の設定

フィールド
アプリケーションプロトコル* http
ポート* 80
パス名* /server-status
ユーザーエージェント* NOCpulse-ApacheUptime/1.0
ユーザー名
パスワード
タイムアウト* 15
重大レベルの現在の最大要求数 (Critical Maximum Current Requests - number)
警告レベルの現在の最大要求数 (Warning Maximum Current Requests - number)
重大レベルの最大要求レート - イベント数/秒 (Critical Maximum Request Rate - events per second)
警告レベルの最大要求レート - イベント数/秒 (Warning Maximum Request Rate - events per second)
重大レベルの最大通信量 - KB/秒 (Critical Maximum Traffic - kilobytes per second)
警告レベルの最大通信量 - KB/秒 (Warning Maximum Traffic - kilobytes per second)

A.2.3. Apache::アップタイム

Apache::アップタイムのプローブは Web サーバーが最後に起動してからの累積時間を記憶します。SLA (Service Level Agreements) の維持に役立つことを目的としたこのプローブでは指標は収集しません。

表A.3 「Apache::アップタイム」の設定

フィールド
アプリケーションプロトコル* http
ポート* 80
パス名* /server-status
ユーザーエージェント* NOCpulse-ApacheUptime/1.0
ユーザー名
パスワード
タイムアウト* 15

A.3. BEA WebLogic 6.x およびそれ以降

本セクション (JDBC 接続プールを除く) のプローブは、特定のホストで実行している BEA WebLogic 6.x およびそれ以降のサーバー (Administration または Managed) ならいずれのサーバーでもそのプロパティを監視するよう設定することができ、 クラスタ化された環境であっても行えます。クラスタのモニタリングはすべての SNMP クエリをそのドメインの Administration Server に送信してから個別データについてをその Managed Server に問い合わせすることで実行します。
このような高度なレベルの詳細設定を行なうために、SNMP クエリを受け取る Administration Server と指定プローブが行われる Managed Server を区別するために BEA Domain Admin Server パラメータを使用する必要があります。プローブが行なわれるホストが Administration Server なら、BEA Domain Admin Server パラメータは空白のままにしておくと SNMP クエリとプローブの両方が Administration Server にのみ送られます。
プローブが行なわれるホストが Managed Server の場合には、Administration Server の IP アドレスを BEA ドメイン管理サーバー パラメータに与え、 Managed Server 名を BEA サーバー名 パラメータに入れてから SNMP コミュニティ文字列 フィールドの末尾に加える必要があります。これにより SNMP クエリは Administration Server ホストに送信されますが、特定のプローブは Managed Server ホストにリダイレクトされるようになります。
また、SNMP クエリによって目的の Managed Server の結果が返されるようにするため、Managed Server のホストに対して実行するプローブに必要なコミュニティ文字列は community_prefix@managed_server_name の形式にする必要がある点に注意してください。最後に、SNMP が監視している各システムで有効になっていなければなりません。SNMP サポートは WebLogic Console で有効にして設定することができます。
BEA のコミュニティ文字列の命名規則について詳しくは、BEA のサーバーに同梱されているドキュメントまたは BEA Web サイトをご覧ください

A.3.1. BEA WebLogic::実行キュー

BEA WebLogic::実行キューのプローブは WebLogic の実行キューを監視して次のような指標を提供します。
  • アイドル状態の実行スレッド - アイドル状態にある実行スレッド数です。
  • キューの長さ - キューで待機中の要求数です。
  • 要求レート - 1 秒あたりの要求数です。
このプローブの転送プロトコルは UDP (User Datagram Protocol) になります。

表A.4 「BEA WebLogic::実行キュー」の設定

フィールド
SNMP コミュニティ文字列* public
SNMP ポート* 161
SNMP バージョン* 1
BEA ドメイン管理サーバー
BEA サーバー名* myserver
キュー名* デフォルト
重大レベルのアイドル状態の最大実行スレッド数 (Critical Maximum Idle Execute Threads)
警告レベルのアイドル状態の最大実行スレッド数 (Warning Maximum Idle Execute Threads)
重大レベルのキュー最大長 (Critical Maximum Queue Length)
警告レベルのキュー最大長 (Warning Maximum Queue Length)
重大レベルの最大要求レート (Critical Maximum Request Rate)
警告レベルの最大要求レート (Warning Maximum Request Rate)

A.3.2. BEA WebLogic::空きヒープ

BEA WebLogic::空きヒープのプローブは次の指標を収集します。
  • 空きヒープ - ヒープ空き領域の割合です。
このプローブの転送プロトコルは UDP (User Datagram Protocol) になります。

表A.5 「BEA WebLogic::空きヒープ」の設定

フィールド
SNMP コミュニティ文字列* public
SNMP ポート* 161
SNMP バージョン* 1
BEA ドメイン管理サーバー
BEA サーバー名* myserver
重大レベルの最大空きヒープ領域 (Critical Maximum Heap Free)
警告レベルの最大空きヒープ領域 (Warning Maximum Heap Free)
警告レベルの最小空きヒープ領域 (Warning Minimum Heap Free)
重大レベルの最小空きヒープ領域 (Critical Minimum Heap Free)

A.3.3. BEA WebLogic::JDBC 接続プール

BEA WebLogic::JDBC 接続プールのプローブはドメインの Admin Server 上でのみ Java データベース接続 (JDBC) プールを監視して次の指標を収集します (Managed Server 上では行ないません)。
  • 接続 - JDBC への接続数です。
  • 接続レート - JDBC に対して行なわれた接続速度を 1 秒あたりの接続数で測定します。
  • 待機数 - JDBC への接続を待機しているセッション数です。
このプローブの転送プロトコルは UDP (User Datagram Protocol) になります。

表A.6 「BEA WebLogic::JDBC 接続プール」の設定

フィールド
SNMP コミュニティ文字列* public
SNMP ポート* 161
SNMP バージョン* 1
BEA ドメイン管理サーバー
BEA サーバー名* myserver
JDBC プール名* MyJDBC 接続プール
重大レベルの最大接続数 (Critical Maximum Connections)
警告レベルの最大接続数 (Warning Maximum Connections)
重大レベルの最大接続レート (Critical Maximum Connection Rate)
警告レベルの最大接続レート (Warning Maximum Connection Rate)
重大レベルの最大待機数 (Critical Maximum Waiters)
警告レベルの最大待機数 (Warning Maximum Waiters)

A.3.4. BEA WebLogic::サーバーの状態

BEA WebLogic::サーバーの状態のプローブは BEA Weblogic Web サーバーの現在の状態を監視します。プローブがサーバーに接続できない場合は、「重大」 (CRITICAL) 状態になります。
このプローブの転送プロトコルは UDP (User Datagram Protocol) になります。

表A.7 「BEA WebLogic::サーバーの状態」の設定

フィールド
SNMP コミュニティ文字列* public
SNMP ポート* 161
SNMP バージョン* 1
BEA ドメイン管理サーバー
BEA サーバー名*

A.3.5. BEA WebLogic::Servlet

BEA WebLogic::Servlet のプローブは WebLogic サーバーに配備している特定の servlet のパフォーマンスを監視して次の指標を収集します。
  • 実行時間の最高値 - システムが起動してから servlet が実行に要した最高時間をミリ秒単位で示します。
  • 実行時間の最低値 - システムが起動してから servlet が実行に要した最低時間をミリ秒単位で示します。
  • 実行時間変移平均 - 実行時間の変移平均です。
  • 実行時間平均 - 実行時間の標準的な平均です。
  • 再ロードレート - 指定した servlet が 1 分あたりに再ロードされる回数です。
  • 呼出しレート - 指定した servlet が 1 分あたりに呼び出される回数です。
このプローブの転送プロトコルは UDP (User Datagram Protocol) になります。

表A.8 「BEA WebLogic::Servlet」の設定

フィールド
SNMP コミュニティ文字列* public
SNMP ポート* 161
SNMP バージョン* 1
BEA ドメイン管理サーバー
BEA サーバー名* myserver
Servlet 名*
重大レベル最大実行時間最高値 (Critical Maximum High Execution Time)
警告レベル最大実行時間最高値 (Warning Maximum High Execution Time)
重大レベルの最大実行時間変移平均 (Critical Maximum Execution Time Moving Average)
警告レベルの最大実行時間変移平均 (Warning Maximum Execution Time Moving Average)

A.4. 全般

本セクションのプローブはシステムの基本的な側面を監視することを目的としています。本セクションのプローブを適用する際は、時間設定のしきい値がタイムアウト期間に割り当てた時間を超えないように注意してください。タイムアウト期間を過ぎるとすべて待ち時間超過となり「不明」 (UNKNOWN) 状態が返されるため、しきい値を設定する意味がなくなります。

A.4.1. 全般::リモートプログラム

全般::リモートプログラムのプローブを使用すると、システム上であらゆるコマンドやスクリプトを実行して状態文字列を取得できるようになります。結果のメッセージは 1024 バイトまでに限られますので注意してください。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.9 「全般::リモートプログラム」の設定

フィールド
コマンド*
OK レベルの終了状態 (OK Exit Status)* 0
警告レベルの終了状態 (Warning Exit Status)* 1
重大レベルの終了状態 (Critical Exit Status)* 2
タイムアウト 15

A.4.2. 全般::データのあるリモートプログラム

全般::データのあるリモートプログラムのプローブではシステム上であらゆるコマンドやスクリプトを実行して値を取得できるほか、状態文字列を取得することもできます。このプローブ使用する場合は、スクリプトの本文内に XML コードを含める必要があります。このプローブは次の XML タグに対応しています。
  • <perldata> </perldata>
  • <hash> </hash>
  • <item key =" "> </item>
リモートプログラムは次のコードの反復を STDOUT に出力する必要があります。
<perldata> <hash> <item
key="data">10</item> <item
key="status_message">status message here</item>
</hash> </perldata>
data に必要な値は時系列のデータベースに挿入されるデータポイントになります。 status_message はオプションで、最長 1024 バイトの長さのテキスト文字列なら何でも構いません。 status_message がないリモートプログラムでも返された状態とその値を報告します。
要件 - このプローブを実行するには、監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されている必要があります。XML は大文字と小文字を区別します。 data アイテムのキー名は変更できず、またその値として数値を収集しなければなりません。

表A.10 「全般::データのあるリモートプログラム」の設定

フィールド
コマンド*
OK レベルの終了状態 (OK Exit Status)* 0
警告レベルの終了状態 (Warning Exit Status)* 1
重大レベルの終了状態 (Critical Exit Status)* 2
タイムアウト 15

A.4.3. 全般::SNMP チェック

全般::SNMP チェックのプローブはドット表記 (1.3.6.1.2.1.1.1.0 など) のオブジェクト識別子 (OID) と 1 つと返り値に関連付けされたしきい値を指定することで SNMP サーバーを検証します。次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - SNMP サーバーが接続要求の応答に要する秒数です。
要件 - このプローブを行なうには、監視しているシステム上で SNMP が実行されている必要があります。しきい値に使用できるのは整数のみです。
このプローブの転送プロトコルは UDP (User Datagram Protocol) になります。

表A.11 「全般::SNMP チェック」の設定

フィールド
SNMP のオブジェクト識別子 (SNMP OID)*
SNMP コミュニティ文字列* public
SNMP ポート* 161
SNMP バージョン* 2
タイムアウト* 15
重大レベルの最大値 (Critical Maximum Value)
警告レベルの最大値 (Warning Maximum Value)
警告レベルの最小値 (Warning Minimum Value)
重大レベルの最小値 (Critical Minimum Value)

A.4.4. 全般::TCP チェック

全般::TCP チェックのプローブは、指定ポート番号でシステムに接続できるかを確認することで TCP サーバーを検証します。 次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - TCP サーバーが接続要求の応答に要する秒数です。
このプローブは、接続時に 送信 フィールドに指定された文字列を渡します。プローブはシステムからの応答を予想し、この応答には 期待 フィールドに指定された部分文字列が含まれているはずです。期待文字列が見つからないとプローブは「重大」 (CRITICAL) 状態を返します。

表A.12 「全般::TCP チェック」の設定

フィールド
送信
期待
ポート* 1
タイムアウト* 10
重大レベルの最大待ち時間 (Critical Maximum Latency)
警告レベルの最大待ち時間 (Warning Maximum Latency)

A.4.5. 全般::UDP チェック

全般::UDP チェックのプローブは指定ポート番号でシステムに接続できるか確認することで UDP サーバーの検証を行います。 次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - UDP サーバーが接続要求の応答に要する秒数です。
このプローブは、接続時に 送信 フィールドに指定された文字列を渡します。プローブはシステムからの応答を予想し、この応答には 期待 フィールドに指定された部分文字列が含まれているはずです。期待文字列が見つからないとプローブは「重大」 (CRITICAL) 状態を返します。
このプローブの転送プロトコルは UDP (User Datagram Protocol) になります。

表A.13 「全般::UDP チェック」の設定

フィールド
ポート* 1
送信
期待
タイムアウト* 10
重大レベルの最大待ち時間 (Critical Maximum Latency)
警告レベルの最大待ち時間 (Warning Maximum Latency)

A.4.6. 全般::アップタイム (SNMP)

全般::アップタイム (SNMP) プローブはデバイスが最後に起動してからの時間を記録します。SNMP オブジェクト識別子 (OID) を使用してこの値を取得します。返されるエラー状態は「不明」 (UNKNOWN) のみです。
要件 - このプローブを行なうには、監視しているシステム上で SNMP が実行されている必要があります。また、そのオブジェクト識別子 (OID) へのアクセスが有効になっている必要があります。
このプローブの転送プロトコルは UDP (User Datagram Protocol) になります。

表A.14 「全般::アップタイム (SNMP)」の設定

フィールド
SNMP コミュニティ文字列* public
SNMP ポート* 161
SNMP バージョン* 2
タイムアウト* 15

A.5. Linux

本セクションのプローブは、CPU 使用から仮想メモリまで Linux システムの最も重要な側面を監視します。ミッションクリティカルなシステムに適用して障害が発生する前に警告が得られるようにしてください。
Red Hat Network モニタリングデーモンが必要であったり不要であったりする他のプローブグループとは異なり、Linux のプローブはすべて、rhnmd デーモンが監視しているシステム上で実行されている必要があります。

A.5.1. Linux::CPU 使用

Linux::CPU 使用のプローブはシステムの CPU 使用を監視して次のような指標を収集します。
  • CPU 使用率 - プローブ実行時における CPU 使用率の 5 秒間の平均です。
要件 - このプローブを実行するには、監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.15 「Linux::CPU 使用」の設定

フィールド
タイムアウト* 15
重大レベルの最大 CPU 使用率 (Critical Maximum CPU Percent Used)
警告レベルの最大 CPU 使用率 (Warning Maximum CPU Percent Used)

A.5.2. Linux::ディスク IO スループット

Linux::ディスク IO スループットのプローブは、特定ディスクを監視して次のような指標を収集します。
  • 読み込みレート - 毎秒読み込まれる KB 単位のデータ量です。
  • 書き込みレート - 毎秒書き込まれる KB 単位のデータ量です。
入力が必要な ディスクの番号またはディスク名 フィールドの値を取得するには、監視するシステムで iostat を実行して目的のディスクに割り当てられている名前を確認します。デフォルト値の 0 の場合は通常、システムに直接接続された 1 番目のハードドライブからの統計値が得られます。
要件 - このプローブを実行するには Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が監視しているシステムで実行されていなければなりません。また、ディスクの番号またはディスク名 パラメータが iostat コマンドを実行すると表示される形式と一致していなければなりません。この形式が同一でないと設定されたプローブは「不明」(UNKNOWN) 状態になります。

表A.16 「Linux::ディスク IO スループット」の設定

フィールド
ディスクの番号またはディスク名* 0
タイムアウト* 15
重大レベルの最大読み込みデータ量 KB /秒 (Critical Maximum KB read/second)
警告レベルの最大読み込みデータ量 KB /秒 (Warning Maximum KB read/second)
警告レベルの最小読み込みデータ量 KB /秒 (Warning Minimum KB read/second)
重大レベルの最小読み込みデータ量 KB /秒 (Critical Minimum KB read/second)
重大レベルの最大書き込みデータ量 KB /秒 (Critical Maximum KB written/second)
警告レベルの最大書き込みデータ量 KB /秒 (Warning Maximum KB written/second)
警告レベルの最小書き込みデータ量 KB /秒 (Warning Minimum KB written/second)
重大レベルの最小書き込みデータ量 KB /秒 (Critical Minimum KB written/second)

A.5.3. Linux::ディスク使用

Linux::ディスク使用のプローブは特定のファイルシステムでディスク領域を監視して次のような指標を収集します。
  • ファイルシステムの使用率 - 現在使用中のファイルシステムの使用率です。
  • 使用領域 - 現在使用中のファイルシステム量をメガバイト単位で表示します。
  • 空き領域 - 現在使用できるファイルシステム量をメガバイト単位で表示します。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.17 「Linux::ディスク使用」の設定

フィールド
ファイルシステム* /dev/hda1
タイムアウト* 15
重大レベルの最大ファイルシステム使用率 (Critical Maximum File System Percent Used)
警告レベルの最大ファイルシステム使用率 (Warning Maximum File System Percent Used)
重大レベルの最大使用領域 (Critical Maximum Space Used)
警告レベルの最大使用領域 (Warning Maximum Space Used)
警告レベルの最小使用可能領域 (Warning Minimum Space Available)
重大レベルの最小使用可能領域 (Critical Minimum Space Available)

A.5.4. Linux::Inode

Linux::Inode のプローブは指定されたファイルシステムを監視して次のような指標を収集します。
  • Inodes - 現在使用中の inodes の割合を示します。
inode は Linux ファイルシステム内にあるファイルについての情報を格納している 1 つのデータ構造です。各ファイルごとに inode が 1 つあり、ファイルはそのファイルが存在するファイルシステムとそのシステムにある inode 番号によって固有に識別されます。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.18 「Linux::Inode」の設定

フィールド
ファイルシステム* /
タイムアウト* 15
重大レベルの最大 Inode 使用率 (Critical Maximum Inodes Percent Used)
警告レベルの最大 Inode 使用率 (Warning Maximum Inodes Percent Used)

A.5.5. Linux::インターフェーストラフィック

Linux::インターフェーストラフィックのプローブは、指定したインターフェース (eth0 など) における通信量を計量して次のような指標を収集します。
  • 入力レート - 指定したインターフェースへの 1 秒間の入力量をバイト単位で表します。
  • 出力レート - 指定したインターフェースからの 1 秒間の出力量をバイト単位で表します。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.19 「Linux::インターフェーストラフィック」の設定

フィールド
インターフェース*
タイムアウト* 30
重大レベルの最大入力レート (Critical Maximum Input Rate)
警告レベルの最大入力レート (Warning Maximum Input Rate)
警告レベルの最小入力レート (Warning Minimum Input Rate)
重大レベルの最小入力レート (Critical Minimum Input Rate)
重大レベルの最大出力レート (Critical Maximum Output Rate)
警告レベルの最大出力レート (Warning Maximum Output Rate)
警告レベルの最小出力レート (Warning Minimum Output Rate)
重大レベルの最小出力レート (Critical Minimum Output Rate)

A.5.6. Linux::ロード

Linux::ロードのプローブはシステムの CPU を監視して次のような指標を収集します。
  • 負荷 - さまざまな期間でのシステム CPU の平均負荷を表します。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.20 「Linux::ロード」の設定

フィールド
タイムアウト* 15
重大レベルの CPU 負荷 1 分間の平均 (Critical CPU Load 1-minute average)
警告レベルの CPU 負荷 1 分間の平均 (Warning CPU Load 1-minute average)
重大レベルの CPU 負荷 5 分間の平均 (Critical CPU Load 5-minute average)
警告レベルの CPU 負荷 5 分間の平均 (Warning CPU Load 5-minute average)
重大レベルの CPU 負荷 15 分間の平均 (Critical CPU Load 15-minute average)
警告レベルの CPU 負荷 15 分間の平均 (Warning CPU Load 15-minute average)

A.5.7. Linux::メモリ使用

Linux::メモリ使用のプローブはシステムのメモリを監視して次のような指標を収集します。
  • RAM の空き - システムの RAM (random access memory) の空き容量をメガバイト単位で表します。
また、再生可能メモリを含む フィールドに はい または いいえ と入力してこの指標に回復できるメモリを含めることもできます。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.21 「Linux::メモリ使用」の設定

フィールド
再生可能メモリを含む いいえ
タイムアウト* 15
警告レベルの最大 RAM 空き容量 (Warning Maximum RAM Free)
重大レベルの最大 RAM 空き容量 (Critical Maximum RAM Free)

A.5.8. Linux::状態別のプロセス数

Linux::状態別のプロセス数のプローブは次の状態のプロセス数を判別します。
  • ブロックされたプロセス - 待ちキューに切り替えられたため状態が waiting に切り替えられているプロセスです。
  • 消滅プロセス - 終了して (シグナルで kill されたまたは exit() を呼び出したため)、その親プロセスがまだ何らかの形による wait() システムコールの実行によりその終了通知を受け取っていないプロセスです。
  • 停止プロセス - 実行が完了する前に停止したプロセスです。
  • スリープ中のプロセス - 後でメモリに再導入でき、導入後に実行が再開する Interruptible のスリープ状態にあるプロセスです。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.22 「Linux::状態別のプロセス数」の設定

フィールド
タイムアウト* 15
重大レベルのブロックされたプロセスの最大数 (Critical Maximum Blocked Processes)
警告レベルのブロックされたプロセスの最大数 (Warning Maximum Blocked Processes)
重大レベルの消滅プロセスの最大数 (Critical Maximum Defunct Processes)
警告レベルの消滅プロセスの最大数 (Warning Maximum Defunct Processes)
重大レベルの停止プロセスの最大数 (Critical Maximum Stopped Processes)
警告レベルの停止プロセスの最大数 (Warning Maximum Stopped Processes)
重大レベルのスリープ中プロセスの最大数 (Critical Maximum Sleeping Processes)
警告レベルのスリープ中プロセスの最大数 (Warning Maximum Sleeping Processes)
重大レベルの子プロセスの最大数 (Critical Maximum Child Processes)
警告レベルの子プロセスの最大数 (Warning Maximum Child Processes)

A.5.9. Linux::プロセス数合計

Linux::プロセス数合計のプローブはシステムを監視して次のような指標を収集します。
  • プロセス数 - システムで現在実行中のプロセスの合計です。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.23 「Linux::プロセス数合計」の設定

フィールド
タイムアウト* 15
重大レベルの最大プロセス数 (Critical Maximum Process Count)
警告レベルの最大プロセス数 (Warning Maximum Process Count)

A.5.10. Linux::プロセスの健全性

Linux::プロセスの健全性のプローブはユーザー指定のプロセスを監視して次のような指標を収集します。
  • CPU 使用 - 1 秒あたりの特定プロセスの CPU 使用レートをミリ秒単位で表します。この指標は ps 出力の time の列を報告します。これはプロセスで使用された累積 CPU 時間です。これにより指標がプローブの間隔に影響されないようにし、健全なしきい値を設定できるようになるために有用なグラフを生成することができます (CPU 使用で突然スパイクが起こるとグラフにスパイクとして表示)。
  • 子プロセスのグループ - 指定した親プロセスから生まれた子プロセスの数です。子プロセスは親プロセスからファイルを開くなどその属性のほとんどを引き継ぎます。
  • スレッド - 特定プロセスの実行中スレッドの数です。スレッドとは CPU 使用の基本ユニットで、プログラムカウンタ、レジスタセットおよびスタックスペースで構成されます。また、スレッドは軽量プロセスとも呼ばれています。
  • 使用中の物理メモリ - 指定したプロセスが使用している物理メモリ (または RAM) 量をキロバイトで示します。
  • 使用中の仮想メモリ - 指定したプロセスが使用している仮想メモリ量をキロバイトで示します。または、実物メモリと swap にあるプロセスのサイズを示します。
コマンド名またはプロセスの ID (PID) でプロセスを指定します。PID を入力するとコマンド名の入力は無効になります。コマンド名ないしは PID が入力されていないと、エラーの Command not found が表示されプローブが 「重大」(CRITICAL) 状態に設定されます。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.24 「Linux::プロセスの健全性」の設定

フィールド
コマンド名
プロセス ID (PID) ファイル
タイムアウト* 15
重大レベルの最大 CPU 使用量 (Critical Maximum CPU Usage)
警告レベルの最大 CPU 使用量 (Warning Maximum CPU Usage)
重大レベルの最大子プロセスグループ数 (Critical Maximum Child Process Groups)
警告レベルの最大子プロセスグループ数 (Warning Maximum Child Process Groups)
重大レベルの最大スレッド数 (Critical Maximum Threads)
警告レベルの最大スレッド数 (Warning Maximum Threads)
重大レベルの最大物理メモリ使用量 (Critical Maximum Physical Memory Used)
警告レベルの最大物理メモリ使用量 (Warning Maximum Physical Memory Used)
重大レベルの最大仮想メモリ使用量 (Critical Maximum Virtual Memory Used)
警告レベルの最大仮想メモリ使用量 (Warning Maximum Virtual Memory Used)

A.5.11. Linux::実行中プロセス

Linux::実行中プロセスのプローブは指定されたプロセスが正常に機能しているかを検証します。プロセスグループの数 チェックボックスが選択されているかどうかにより、プロセス数またはプロセスグループ数のいずれかをカウントします。
デフォルトでチェックボックスが選択されているので、プローブは子プロセスの数とは関係なくプロセスグループリーダーの数をカウントすることを示しています。これにより、例えば、子プロセスの数 (動的) に関係なく Apache Web serverの 2 インスタンスが実行しているかを検証することができます。チェックボックスが選択されていない場合には、プローブは指定プロセスと一致するプロセス (子プロセスとリーダー) の数をそのままカウントします。
コマンド名またはプロセスの ID (PID) でプロセスを指定します。PID を入力するとコマンド名の入力は無効になります。コマンド名ないしは PID が入力されていないと、エラーの Command not found が表示されプローブが 「重大」(CRITICAL) 状態に設定されます。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.25 「Linux::実行中プロセス」の設定

フィールド
コマンド名
PID ファイル
プロセスグループの数 (チェックが入っている)
タイムアウト* 15
重大レベルの最大実行数 (Critical Maximum Number Running)
重大レベルの最小実行数 (Critical Minimum Number Running)

A.5.12. Linux::Swap 使用

Linux::Swap 使用のプローブはシステムで実行中の swap パーティションを監視して次のような指標を報告します。
  • Swap の空き領域 - 現在の swap メモリの空き領域をパーセンテージで示します。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.26 「Linux::Swap 使用」の設定

フィールド
タイムアウト* 15
警告レベルの最小 swap 空き領域 (Warning Minimum Swap Free)
重大レベルの最小 swap 空き領域 (Critical Minimum Swap Free)

A.5.13. Linux::状態別の TCP 接続

Linux::状態別の TCP 接続のプローブは TCP の接続数のほか、次の状態にある各 TCP 接続の数量を判別します。
  • TIME_WAIT - まだネットワーク内にあるパケットを処理できるようにリモートによるシャットダウン送信で閉じた後にソケットが待機している状態です。
  • CLOSE_WAIT - リモート側がシャットダウンしていてソケットが閉じるのを待機している状態です。
  • FIN_WAIT - ソケットが閉じられ、接続がシャットダウンしている状態です。
  • ESTABLISHED - ソケットに接続が確立されている状態です。
  • SYN_RCVD - 接続要求をネットワークから受け取った状態です。
このプローブは特定の IP アドレスに対するネットワーク通信を検索して隔離する、または監視しているシステムへのネットワーク接続を調べるのに役立ちます。
プローブのフィルタパラメータでプローブの範囲を狭めることができます。このプローブはデータの取得に netstat -ant のコマンドを使用します。ローカル IP アドレス パラメータと ローカルポート パラメータは出力の ローカルアドレス 列にある値を使用します。 リモート IP アドレス パラメータと リモートポート パラメータはレポート用出力の サーバー側アドレス (Foreign Address) 列にある値を使用します。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.27 「Linux::状態別の TCP 接続」の設定

フィールド
ローカル IP アドレスフィルタパターンの一覧
ローカルポート番号フィルタ
リモート IP アドレスフィルタパターンの一覧
リモートポート番号フィルタ
タイムアウト* 15
重大レベルの最大接続数合計 (Critical Maximum Total Connections)
警告レベルの最大接続数合計 (Warning Maximum Total Connections)
重大レベルの最大 TIME_WAIT 接続数 (Critical Maximum TIME_WAIT Connections)
警告レベルの最大 TIME_WAIT 接続数 (Warning Maximum TIME_WAIT Connections)
重大レベルの最大 CLOSE_WAIT 接続数 (Critical Maximum CLOSE_WAIT Connections)
警告レベルの最大 CLOSE_WAIT 接続数 (Warning Maximum CLOSE_WAIT Connections)
重大レベルの最大 FIN_WAIT 接続数 (Critical Maximum FIN_WAIT Connections)
警告レベルの最大 FIN_WAIT 接続数 (Warning Maximum FIN_WAIT Connections)
重大レベルの最大 ESTABLISHED 接続数 (Critical Maximum ESTABLISHED Connections)
警告レベルの最大 ESTABLISHED 接続数 (Warning Maximum ESTABLISHED Connections)
重大レベルの最大 SYN_RCVD 接続数 (Critical Maximum SYN_RCVD Connections)
警告レベルの最大 SYN_RCVD 接続数 (Warning Maximum SYN_RCVD Connections)

A.5.14. Linux::ユーザー

Linux::ユーザーのプローブはシステムのユーザーを監視して次のような指標を報告します。
  • ユーザー - 現在ログインしているユーザー数です。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.28 「Linux::ユーザー」の設定

フィールド
タイムアウト* 15
重大レベルの最大ユーザー数 (Critical Maximum Users)
警告レベルの最大ユーザー数 (Warning Maximum Users)

A.5.15. Linux::仮想メモリ

Linux::仮想メモリのプローブはシステムメモリの合計を監視して次のような指標を収集します。
  • 仮想メモリ - システムメモリの合計の割合です - RAM (random access memory) と swap - これが空き領域です。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.29 「Linux::仮想メモリ」の設定

フィールド
タイムアウト* 15
警告レベルの仮想メモリ最小空き領域 (Warning Minimum Virtual Memory Free)
重大レベルの仮想メモリ最小空き領域 (Critical Minimum Virtual Memory Free)

A.6. ログエージェント

本セクションのプローブはシステム群にあるログファイルを監視します。特定表現についてログのクエリを実行し、ファイルのサイズを追跡します。ログエージェントのプローブを実行するには、nocpulse ユーザーにログファイルの読み込みアクセスを許可する必要があります。
これらプローブの初回実行から得られるデータは、不完全な測定データによる誤通知を防止する目的でしきい値に対して測定されません。測定は 2 回目の実行から開始されます。

A.6.1. ログエージェント::ログパターン一致

ログエージェント::ログパターン一致のプローブは、監視システムのログファイル内にあるテキストに一致する正規表現を使用して次のような指標を収集します。
  • 正規表現の一致 - プローブが最後に実行されてから一致があった回数です。
  • 正規表現の一致レート - プローブが最後に実行されてから 1 分ごとに一致した回数です。
要件 - このプローブを実行するには、Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が監視しているシステム上で実行されていなければなりません。このプローブが実行されるには、nocpulse ユーザーにログファイルの読み込みアクセスが許可されていなければなりません。
監視するログファイル名および場所の他に、一致させる対象の正規表現を入力する必要があります。 正規表現は grep -E に相当する egrep に合うようフォーマットを行う必要があり、拡張正規表現に対応します。次に示すのが egrep の正規表現セットになります。
^ beginning of line
$ end of line
. match one char
* match zero or more chars
[] match one character set, e.g. '[Ff]oo'
[^] match not in set '[^A-F]oo'
+ match one or more of preceding chars
? match zero or one of preceding chars
| or, e.g. a|b
() groups chars, e.g., (foo|bar) or (foo)+

警告

表現の中に一重引用符 (') を含めないようにしてください。これを入れると egrep はエラーを出力することなく失敗するためプローブがタイムアウトしてしまう要因となります。

表A.30 「ログエージェント::ログパターン一致」の設定

フィールド
ログファイル* /var/log/messages
基本正規表現*
タイムアウト* 45
重大レベルの最大合致数 (Critical Maximum Matches)
警告レベルの最大合致数 (Warning Maximum Matches)
警告レベルの最小合致数 (Warning Minimum Matches)
重大レベルの最小合致数 (Critical Minimum Matches)
重大レベルの最大合致レート (Critical Maximum Match Rate)
警告レベルの最大合致レート (Warning Maximum Match Rate)
警告レベルの最小合致レート (Warning Minimum Match Rate)
重大レベルの最大合致レート (Critical Maximum Match Rate)

A.6.2. ログエージェント::ログサイズ

ログエージェント::ログサイズのプローブはログファイルの増加を監視して次のような指標を収集します。
  • サイズ - プローブが最後に実行されてからログファイルが増加したサイズをバイト単位で示します。
  • 出力レート - プローブが最後に実行されてからの 1 分間でログファイルが増加したサイズをバイト数で示します。
  • 行 - プローブが最後に実行されてからログファイルに書き込まれた行数を示します。
  • 行レート - プローブが最後に実行されてから 1 分間にログファイルに書き込まれた行数を示します。
要件 - このプローブを実行するには、Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が監視しているシステム上で実行されていなければなりません。このプローブが実行されるには、nocpulse ユーザーにログファイルの読み込みアクセスが許可されていなければなりません。

表A.31 「ログエージェント::ログサイズ」の設定

フィールド
ログファイル* /var/log/messages
タイムアウト* 20
重大レベルの最大サイズ (Critical Maximum Size)
警告レベルの最大サイズ (Warning Maximum Size)
警告レベルの最小サイズ (Warning Minimum Size)
重大レベルの最小サイズ (Critical Minimum Size)
重大レベルの最大出力レート (Critical Maximum Output Rate)
警告レベルの最大出力レート (Warning Maximum Output Rate)
警告レベルの最小出力レート (Warning Minimum Output Rate)
重大レベルの最小出力レート (Critical Minimum Output Rate)
重大レベルの最大行数 (Critical Maximum Lines)
警告レベルの最大行数 (Warning Maximum Lines)
警告レベルの最小行数 (Warning Minimum Lines)
重大レベルの最小行数 (Critical Minimum Lines)
重大レベルの最大行数レート (Critical Maximum Line Rate)
警告レベルの最大行数レート (Warning Maximum Line Rate)
警告レベルの最小行数レート (Warning Minimum Line Rate)
重大レベルの最小行数レート (Critical Minimum Line Rate)

A.7. MySQL 3.23 - 3.33

本セクションのプローブは mysqladmin バイナリを使った MySQL データベースの複数の側面について監視します。これらのプローブには特定のユーザー特権は必要ありません。
これらのプローブを完了するには、モニタリングを実施しているシステムに mysql-server パッケージがインストールされていなければならないことに注意してください。手順については 『Red Hat Satellite インストールガイド』 の MySQL インストールのセクションを参照してください。

A.7.1. MySQL::データベースアクセス度

MySQL::データベースアクセス度のプローブは、データベース特権のないデータベースアカウントからの接続性を検証します。接続がないと「重大」(CRITICAL)状態になります。

表A.32 「MySQL::データベースアクセス度」の設定

フィールド
ユーザー名*
パスワード
MySQL ポート 3306
データベース* mysql
タイムアウト 15

A.7.2. MySQL::開放した表

MySQL::開放した表のプローブは MySQL サーバーを監視して次のような指標を収集します。
  • 開放した表 - サーバーが起動してから開かれている表を示します。

表A.33 「MySQL::開放した表」の設定

フィールド
ユーザー名
パスワード
MySQL ポート* 3306
タイムアウト 15
重大レベルの開かれたオブジェクト最大数 (Critical Maximum Opened Objects)
警告レベルの開かれたオブジェクト最大数 (Warning Maximum Opened Objects)
警告レベルの開かれたオブジェクト最小数 (Warning Minimum Opened Objects)
重大レベルの開かれたオブジェクト最小数 (Critical Minimum Opened Objects)

A.7.3. MySQL::開放表

MySQL::開放表のプローブは MySQL サーバーを監視して次のような指標を収集します。
  • 開放表 - プローブが実行するときに開くテーブルの数です。

表A.34 「MySQL::開放表」の設定

フィールド
ユーザー名
パスワード
MySQL ポート* 3306
タイムアウト 15
重大レベルの開くオブジェクト最大数 (Critical Maximum Open Objects)
警告レベルの開くオブジェクト最大数 (Warning Maximum Open Objects)
警告レベルの開くオブジェクト最小数 (Warning Minimum Open Objects)
重大レベルの開くオブジェクト最小数 (Critical Minimum Open Objects)

A.7.4. MySQL::クエリレート

MySQL::クエリレートのプローブは MySQL サーバーを監視して次のような指標を収集します。
  • クエリレート - データベースサーバー毎の 1 秒あたりの平均クエリ数です。

表A.35 「MySQL::クエリレート」の設定

フィールド
ユーザー名
パスワード
MySQL ポート* 3306
タイムアウト 15
重大レベルの最大クエリレート (Critical Maximum Query Rate)
警告レベルの最大クエリレート (Warning Maximum Query Rate)
警告レベルの最小クエリレート (Warning Minimum Query Rate)
重大レベル最小クエリレート (Critical Minimum Query Rate)

A.7.5. MySQL::実行中スレッド

MySQL::実行中スレッドのプローブは MySQL サーバーを監視して次のような指標を収集します。
  • 実行中のスレッド - データベース内で実行中のスレッド数の合計です。

表A.36 「MySQL::実行中スレッド」の設定

フィールド
ユーザー名
パスワード
MySQL ポート* 3306
タイムアウト 15
重大レベルのスレッド最大実行数 (Critical Maximum Threads Running)
警告レベルのスレッド最大実行数 (Warning Maximum Threads Running)
警告レベルのスレッド実行最小数 (Warning Minimum Threads Running)
重大レベルのスレッド実行最小数 (Critical Minimum Threads Running)

A.8. ネットワークサービス

本セクションのプローブは、ネットワークが機能するのに欠かせない各種サービスを監視します。これらのプローブを適用する際は、時間設定したしきい値がタイムアウト期間に割り当てている時間を超えないようにしてください。タイムアウト期間を過ぎるとすべて待ち時間超過となり「不明」 (UNKNOWN) 状態が返されるため、しきい値を設定する意味がなくなります。

A.8.1. ネットワークサービス::DNS ルックアップ

ネットワークサービス::DNS ルックアップのプローブは dig コマンドを使って 検索するホストまたはアドレス フィールドに指定したシステムまたはドメイン名を解決できるかどうか確認します。このプローブは次のような指標を収集します。
  • クエリ時間 - dig 要求の実行に要するミリ秒単位の時間です。
DNS サーバーの状態を監視する場合に役立ちます。ご使用の DNS サーバーのひとつを監視するには、大規模な検索エンジンや企業の Web サイトなどよく知られているホストまたはドメイン名を入力してください。

表A.37 「ネットワークサービス::DNS ルックアップ」の設定

フィールド
検索するホストまたはアドレス
タイムアウト* 10
重大レベルの最大クエリ時間 (Critical Maximum Query Time)
警告レベルの最大クエリ時間 (Warning Maximum Query Time)

A.8.2. ネットワークサービス::FTP

ネットワークサービス::FTP のプローブはネットワークソケットを使って FTP ポートが使用できるかどうかをテストします。このプローブは次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - FTP サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
このプローブは認証に対応しています。この機能を使用する場合は該当のフィールドにユーザー名とパスワードを入力します。オプションの 期待 値は FTP サーバーに接続が成功した後に合致させる文字列です。期待される文字列が見つからない場合、プローブは「重大」(CRITICAL) 状態を返します。

表A.38 「ネットワークサービス::FTP」の設定

フィールド
期待 FTP
ユーザー名
パスワード
FTP ポート* 21
タイムアウト* 10
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

A.8.3. ネットワークサービス::IMAP メール

ネットワークサービス::IMAP メールのプローブはシステム上の IMAP 4 サービスに接続できるかを確認します。オプションのポートを指定するとデフォルトのポート 143 は無視されます。このプローブは次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - IMAP サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
必須の 期待 値は IMAP サーバーに正常に接続された後に合致させる文字列です。期待される文字列が見つからない場合、プローブは「重大」(CRITICAL) 状態を返します。

表A.39 「ネットワークサービス::IMAP メール」の設定

フィールド
IMAP ポート* 143
期待* OK
タイムアウト* 5
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

A.8.4. ネットワークサービス::メール転送 (SMTP)

ネットワークサービス::メール転送 (SMTP) のプローブはシステム上の SMTP ポートに接続できるかを確認します。オプションのポート番号を指定するとデフォルトのポート番号 25 は無視されます。このプローブは次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - SMTP サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。

表A.40 「ネットワークサービス::メール転送 (SMTP)」の設定

フィールド
SMTP ポート* 25
タイムアウト* 10
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

A.8.5. ネットワークサービス::Ping

ネットワークサービス::Ping のプローブは Red Hat Network サーバーが監視しているシステムまたは指定 IP アドレスに ping できるかどうかを確認します。また、パケットの紛失をチェックして「警告」または「重大」のしきい値レベルに対する往復の平均を比較します。必須の 送信するパケット 値により、システムに送信する ICMP ECHO パケットの数を制御できます。このプローブは次のような指標を収集します。
  • 往復平均時間 - ICMP ECHO パケットが監視しているシステムを往復する時間をミリ秒単位で示します。
  • パケットの紛失 - 通信中に紛失したデータの割合です。
オプションですが、IP アドレス フィールドは複数の IP アドレスを持つシステム群の指標を収集するのに役立ちます。例えば、システムが複数の仮想 IP アドレスで設定されているか、または内部 IP アドレスと外部 IP アドレスに対応するよう NAT (Network Address Translation) を使用している場合、このオプションを使用するとホスト名に関連付けられた第 1 アドレスではなく第 2 アドレスをチェックすることができます。
このプローブは Red Hat Satellite サーバーからの ping を行ないます。監視しているシステムからの ping ではないため注意してください。IP アドレスのフィールドを入力すると、システムと指定 IP アドレス間の接続性ではなく Red Hat Satellite サーバーと IP アドレス間の接続性を検証します。したがって、別々のシステムで Ping プローブに同じ IP アドレスを入力してもまったく同じ作業を行なっていることになります。監視しているシステムから個別の IP アドレスに ping を行なうには、リモート Ping プローブを使用します。「ネットワークサービス::リモート Ping」 を参照してください。

表A.41 「ネットワークサービス::Ping」の設定

フィールド
IP アドレス (デフォルト設定はシステムの IP)
送信するパケット* 20
タイムアウト* 10
重大レベルの最大往復平均 (Critical Maximum Round-Trip Average)
警告レベルの最大往復平均 (Warning Maximum Round-Trip Average)
重大レベルの最大パケット紛失 (Critical Maximum Packet Loss)
警告レベルの最大パケット紛失 (Warning Maximum Packet Loss)

A.8.6. ネットワークサービス::POP メール

ネットワークサービス::POP メールのプローブはシステム上の POP3 ポートに接続できるかを確認します。ポート番号を指定する必要があります。別のポート番号を指定するとデフォルトのポート 110 は無視されます。このプローブは次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - POP サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
必要となる 期待 値は POP サーバーに正常に接続された後に合致させる文字列です。このプローブはシステムからの応答の冒頭行で文字列を検索します。デフォルトは +OK です。期待される文字列が見つからない場合、プローブは「重大」(CRITICAL) 状態を返します。

表A.42 「ネットワークサービス::POP メール」の設定

フィールド
ポート* 110
期待* +OK
タイムアウト* 10
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

A.8.7. ネットワークサービス::リモート Ping

ネットワークサービス::リモート Ping プローブは、監視しているシステムが指定 IP アドレスに ping できるかを確認します。また、パケットの紛失を監視して「警告」または「重大」レベルのしきい値に対して往復平均を比較します。必要となる 送信するパケット によりこのアドレスに送信する ICMP ECHO パケットの数を制御できます。このプローブは次のような指標を収集します。
  • 往復平均時間 - ICMP ECHO パケットが IP アドレスを往復する時間をミリ秒単位で示します。
  • パケットの紛失 - 通信中に紛失したデータの割合です。
IP アドレス フィールドには ping を行う正確なアドレスを指定します。標準の Ping プローブにある良く似たオプションのフィールドとは異なり、このフィールドは必須になります。監視しているシステムが Red Hat Satellite サーバーではなく 3 番目のアドレスに Ping を行います。リモート Ping のプローブは監視しているシステムからの接続性を検証するため、別の IP アドレスを指定する必要があります。Red Hat Satellite サーバーからシステムまたは IP アドレスに ping を行なう場合は標準の Ping プローブを代わりに使用します。「ネットワークサービス::Ping」 を参照してください。
要件 - このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が実行されていなければなりません。

表A.43 「ネットワークサービス::リモート Ping」の設定

フィールド
IP アドレス*
送信するパケット* 20
タイムアウト* 10
重大レベルの最大往復平均 (Critical Maximum Round-Trip Average)
警告レベルの最大往復平均 (Warning Maximum Round-Trip Average)
重大レベルの最大パケット紛失 (Critical Maximum Packet Loss)
警告レベルの最大パケット紛失 (Warning Maximum Packet Loss)

A.8.8. ネットワークサービス::RPC サービス

ネットワークサービス::RPC サービス のプローブは特定の IP アドレスで RPC プログラム (リモートプロシージャコール) が使用できるかをテストします。このプローブは次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - RPC サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
RPC ネットワーク経由で関数呼び出しを提供する RPC サーバープログラムは、プログラム ID とプログラム名を示して RPC ネットワーク内のそのプログラム自体を登録します。RPC のメカニズムで機能するサービスの一例として NFS があります。
RPC サーバープログラムのリソースを使用しようとしているクライアントプログラムは、サーバープログラムがあるマシンにその RPC プログラム番号またはプログラム名内の RPC 関数へのアクセスを提供するよう求めることでこれを行ないます。この交信は TCP または UDP 経由で行なわれます (ただし、ほとんどの場合 UDP)。
このプローブでは単純なプログラムの可用性を検証することができます。プログラム名またはプログラム番号、交信が行なわれるプロトコル、および通常のタイムアウト期間を指定する必要があります。

表A.44 「ネットワークサービス::RPC サービス」の設定

フィールド
プロトコル (TCP/UDP) udp
サービス名* nfs
タイムアウト* 10
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

A.8.9. ネットワークサービス::セキュア Web サーバー (HTTPS)

ネットワークサービス::セキュア Web サーバー (HTTPS) のプローブはセキュア Web サーバーが使用できるかどうかを確認して次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - HTTPS サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
このプローブは、指定したホストで HTTPS ポートに接続できることを確認し、指定された URL を読み出します。URL が指定されていない場合、プローブは root ドキュメントを取り込みます。値を変更しない限り、プローブはシステムから HTTP/1. メッセージを検索します。別のポート番号を指定するとデフォルトのポート 443 は無視されます。
このプローブは認証に対応しています。この機能を使用するには、該当のフィールドにユーザー名とパスワードを入力します。 他のほとんどのプローブとは異なり、このプローブはタイムアウト期間内にシステムにコンタクトできないと「重大」(CRITICAL) 状態を返します。

表A.45 「ネットワークサービス::セキュア Web サーバー (HTTPS)」の設定

フィールド
URLのパス /
期待ヘッダ HTTP/1
期待内容
ユーザーエージェント* NOCpulse-check_http/1.0
ユーザー名
パスワード
タイムアウト* 10
HTTPS ポート* 443
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

A.8.10. ネットワークサービス::SSH

ネットワークサービス::SSH のプローブは指定したポート上で SSH が使用できるかを確認して次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - SSH サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
正常に SSH サーバーにコンタクトして有効な応答を受け取ると、プローブはそのプロトコルとサーバーのバージョン情報を表示します。プローブが無効な応答を受け取ると、サーバーから返されたメッセージを表示して、「警告」(WARNING) 状態を生成します。

表A.46 「ネットワークサービス::SSH」の設定

フィールド
SSH ポート* 22
タイムアウト* 5
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

A.8.11. ネットワークサービス::Web サーバー (HTTP)

ネットワークサービス::Web サーバー (HTTP) のプローブは Web サーバーが使用できるかを確認して次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - HTTP サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
このプローブは、指定されたホストで HTTP ポートに接続できることを確認して指定された URL を読み出します。URL が指定されていないと、プローブは root ドキュメントを取り込みます。値を変更しない限りプローブはシステムから HTTP/1. メッセージを検索します。別のポート番号を指定するとデフォルトのポート 80 は無視されます。他のほとんどのプローブと異なり、このプローブはタイムアウト期間内にシステムにコンタクトできないと「重大」(CRITICAL) 状態を返します。
このプローブは認証に対応しています。この機能を使用するには、適切なフィールドにユーザー名とパスワードを入力します。また、オプションの仮想ホストフィールドはスタンドアローンのサーバーとして表示される物理的に同じマシンにある別のドキュメントセットを監視する場合に使用できます。Web サーバーが仮想ホストを使用するよう設定されていない場合 (一般的なケース) はこのフィールドは空白のままにしておいてください。仮想ホストを設定している場合は、ここに第 1 ホストのドメイン名を入力します。マシン上の仮想ホストをすべて監視するのに必要なだけプローブを追加します。

表A.47 「ネットワークサービス::Web サーバー (HTTP)」の設定

フィールド
URLのパス /
仮想ホスト
期待ヘッダ HTTP/1
期待内容
ユーザーエージェント* NOCpulse-check_http/1.0
ユーザー名
パスワード
タイムアウト* 10
HTTP ポート* 80
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

A.9. Oracle 8i、 9i、 10g、および 11g

本セクションのプローブは対応しているバージョンに一致する Oracle データベースのインスタンスに対して適用することができます。 Oracle のプローブには次のコマンドを実行してデータベースの設定と関連付けが必要になります。
$ORACLE_HOME/rdbms/admin/catalog.sql
また、これらのプローブを正しく動作させるには、プローブで設定する Oracle ユーザーに少なくとも CONNECT と SELECT_CATALOG_ROLE の権限を持たせる必要があります。
Oracle プローブの中には機能停止を回避するより、長期的なパフォーマンスの向上のためデバイスを調整することを特に目的としたものがあります。したがって、Red Hat はこれらのプローブが頻繁には起こらないよう、1 時間おきから 2 日間おき程度にスケジュールすることをお勧めします。これにより短い間隔で起こる可能性のある変則性を強調せずより適切な統計を得ることができます。これにはバッファキャッシュのプローブ、データディクショナリキャッシュのプローブ、ディスク分配比率のプローブ、ライブラリキャッシュのプローブ、および再試行ログのプローブが当てはまります。
時間を基本とした「重大」(CRITICAL) および「警告」(WARNING) のしきい値を意図した通り機能させるには、その値がタイムアウト期間に割り当てている時間を超えないようにしてください。これを超えてしまうと、待ち時間超過となりすべて「不明」(UNKNOWN) 状態が返されるため、しきい値を設定する意味がなくなります。この理由から、Red Hat はタイムアウト期間は時間を設定するすべてのしきい値より必ず大きい値となることを確認して頂くよう強く推奨します。本セクションでは、特に TNS Ping がこれに該当します。
最後に、Oracle のマルチスレッド化サーバー (MTS) を使用しているデーターベースに対してこれらの Oracle プローブを使用しているお客様は、DNS 名が正しく解決されるように Red Hat サポートに連絡して Red Hat Network サーバーの /etc/hosts ファイルにエントリを追加するよう手配して頂く必要があります。

A.9.1. Oracle::アクティブセッション

Oracle::アクティブセッションのプローブは Oracle インスタンスを監視して次のような指標を収集します。
  • アクティブなセッション - V$PARAMETER.PROCESSES の値を基にしたアクティブなセッション数です。
  • 使用可能なセッション - V$PARAMETER.PROCESSES の値を基にした使用可能なアクティブセッションの割合です。

表A.48 「Oracle::アクティブセッション」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
タイムアウト* 30
重大レベルのアクティブなセッション最大数 (Critical Maximum Active Sessions)
警告レベルのアクティブなセッション最大数 (Warning Maximum Active Sessions)
重大レベルのアクティブなセッションの最大使用率 (Critical Maximum Available Sessions Used)
警告レベルのアクティブなセッションの最大使用率 (Warning Maximum Available Sessions Used)

A.9.2. Oracle::アベイラビリティ (可用性)

Oracle::アベイラビリティ (可用性)のプローブは Red Hat Satellite からのデータベースが使用できるかを判別します。

表A.49 「Oracle::アベイラビリティ (可用性)」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
タイムアウト* 30

A.9.3. Oracle::ブロック中セッション

Oracle::ブロック中セッションのプローブは Oracle インスタンスを監視して次のような指標を収集します。
  • ブロック中のセッション - 他のセッションが Oracle データベースに変更をコミットするのを妨げているセッション数です。入力が必要とされる タイムブロッキング の値によって判定されます。この期間にブロックしているセッションのみが秒単位で測定されブロックしているセッションとして数えられます。

表A.50 「Oracle::ブロック中セッション」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
タイムブロッキング (秒)* 20
タイムアウト* 30
重大レベルのブロックしているセッション最大数 (Critical Maximum Blocking Sessions)
警告レベルのブロックしているセッション最大数 (Warning Maximum Blocking Sessions)

A.9.4. Oracle::バッファキャッシュ

Oracle::バッファキャッシュのプローブはシステムグローバルエリア (SGA) のデータベースバッファキャッシュのサイズを最適化するためにバッファキャッシュヒット率を計算します。 このプローブは次のような指標を収集します。
  • Db Block Gets (DB ブロツクゲット率) - 単一の block gets でアクセスされたブロック数です (consistent get メカニズムではない)。
  • Consistent Gets (安定したゲット率) - consistent モードでデータを読み出すためにブロックバッファに対して行なわれたアクセス数です。
  • 物理的な読み込み - ディスクから読み込まれた累積ブロック数です。
  • バッファキャッシュヒット率 - データベースがデータの読み出しにハードディスクの代わりにバッファに行く比率です。比率が低い場合はシステムに RAM を追加する必要があるということです。

表A.51 「Oracle::バッファキャッシュ」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート 1521
タイムアウト* 30
警告レベルの最小バッファキャッシュヒット率 (Warning Minimum Buffer Cache Hit Ratio)
重大レベルの最小バッファキャッシュヒット率 (Critical Minimum Buffer Cache Hit Ratio)

A.9.5. Oracle::クライアントの接続性

Oracle::クライアントの接続性のプローブはデータベースが正しく稼働していて、監視しているシステムから接続を受け取ることができるかを測定します。 このプローブはシステムに対して rhnmd 接続を開き、 監視しているシステム上で sqlplus connect コマンドを発行します。
期待するデータベース名 (Expected DB name) パラメータは V$DATABASE.NAME の期待値になります。 この値は大文字と小文字を区別します。この値が見つからないと「重大」(CRITICAL) 状態が返されます。
要件 - このプローブを実行するには、Red Hat Network モニタリングデーモン (rhnmd) が監視しているシステム上で実行されていなければなりません。このプローブが実行されるには、nocpulse ユーザーにログファイルの読み込みアクセスが許可されていなければなりません。

表A.52 「Oracle::クライアントの接続性」の設定

フィールド
Oracle ホスト名または IP アドレス*
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
ORACLE_HOME* /opt/oracle
期待するデータベース名 (Expected DB Name)*
タイムアウト* 30

A.9.6. Oracle::データディクショナリキャッシュ

Oracle::データディクショナリキャッシュのプローブは init.ora の SHARED_POOL_SIZE を最適化するためにデータディクショナリキャッシュヒット率を計算します。このプローブは次のような指標を収集します。
  • データディクショナリヒット率 - データディクショナリキャッシュ内で検索試行をキャッシュするキャッシュヒットの比率です。つまり、データベースがデータを読み出すためにハードディスクへ行く代わりにこのディクショナリへ行く比率のことです。比率が低い場合はシステムに RAM を追加する必要があるということです。
  • Gets (ゲット数) - 単一の block Gets (ゲット数) でアクセスされたブロック数です (consistent get メカニズムではない)。
  • キャッシュミス - consistent モードでデータを読み出すためにブロックバッファに対して行なわれたアクセス数です。

表A.53 「Oracle::データディクショナリキャッシュ」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
タイムアウト* 30
警告レベルの最小データディクショナリヒット率 (Warning Minimum Data Dictionary Hit Ratio)
重大レベルの最小データディクショナリヒット率 (Critical Minimum Data Dictionary Hit Ratio)

A.9.7. Oracle::ディスクソート率

Oracle::ディスクソート率のプローブは Oracle データベースのインスタンスを監視して次のような指標を収集します。
  • ディスクソート率 - メモリ内で完了するには大きすぎたため一時的なセグメントを使用してソートされた Oracle ソートの割合です。

表A.54 「Oracle::ディスクソート率」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
タイムアウト* 30
重大レベルの最大ディスクソート率 (Critical Maximum Disk Sort Ratio)
警告レベルの最大ディスクソート率 (Warning Maximum Disk Sort Ratio)

A.9.8. Oracle::アイドルセッション

Oracle::アイドルセッションのプローブは Oracle インスタンスを監視して次のような指標を収集します。
  • アイドルセッション - 入力が必要な タイムアイドル に入力した値により決定した時間にアイドル状態にある Oracle セッション数を示します。この間にアイドル状態だったセッションのみが秒単位で測定され、アイドルセッションとしてカウントされます。

表A.55 「Oracle::アイドルセッション」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
タイムアイドル (秒)* 20
タイムアウト* 30
重大レベルの最大アイドルセッション数 (Critical Maximum Idle Sessions)
警告レベルの最大アイドルセッション数 (Warning Maximum Idle Sessions)

A.9.9. Oracle::インデックスのエクステント数

Oracle::インデックスのエクステント数のプローブは Oracle インスタンスを監視して次のような指標を収集します。
  • 割り当てられたエクステント数 - インデックスに割り当てられたエクステント数です。
  • 使用可能なエクステント数 - インデックスの使用可能なエクステント数の割合です。
入力が必要な インデックス名 フィールドにはいずれのインデックス名にも一致するデフォルト値 % が含まれています。

表A.56 「Oracle::インデックスのエクステント数」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
インデックスの所有者* %
インデックス名* %
タイムアウト* 30
重大レベルの割り当てエクステントの最大数
警告レベルの割り当てエクステントの最大数
重大レベルの使用可能なエクステント最大数
警告レベルの使用可能なエクステントの最大数

A.9.10. Oracle::ライブラリキャッシュ

Oracle::ライブラリキャッシュのプローブは init.ora のSHARED_POOL_SIZE を最適化するためにライブラリキャッシュのミス率を計算します。このプローブは次のような指標を収集します。
  • ライブラリキャッシュのミス率 - ライブラリキャッシュの pin ミスが起こる割合です。セッションがすでに構文解析されているステートメントを実行したが、そのステートメントが共有プールにはすでにない場合に起こります。
  • 実行 - このネームスペースのオブジェクトに対して pin が要求された回数です。
  • キャッシュミス - オブジェクトをディスクから読み出さなければならない pin の数です。これらの pin はオブジェクトハンドルが作成される前の pin を持つオブジェクトから構成されています。

表A.57 「Oracle::ライブラリキャッシュ」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
タイムアウト* 30
重大レベルのライブラリキャッシュの最大ミス率 (Critical Maximum Library Cache Miss Ratio)
警告レベルのライブラリキャッシュの最大ミス率 (Warning Maximum Library Cache Miss Ratio)

A.9.11. Oracle::ロック

Oracle::ロックのプローブは Oracle データベースのインスタンスを監視して次のような指標を収集します。
  • アクティブなロック - v$locks テーブルの値で確定される現在アクティブなロックの数です。データベース管理者は 1 つのデータベースインスタンスに存在するロック数について知っておく必要があります。
データベース内の同じデータを複数のユーザーまたはプロセスが更新しても競合しないようロックを使用します。このプローブは、特定のインスタンスで高レベルのロック数が存在する場合にデータベース管理者に通知するのに役立ちます。

表A.58 「Oracle::ロック」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
タイムアウト* 30
重大レベルのアクティブなロック最大数 (Critical Maximum Active Locks)
警告レベルのアクティブなロック最大数 (Warning Maximum Active Locks)

A.9.12. Oracle::再試行ログ

Oracle::再試行ログのプローブは Oracle データベースのインスタンスを監視して次のような指標を収集します。
  • Redo Log Space Request Rate - サーバーが起動してからの毎分の redo log space request の平均です。
  • Redo Buffer Allocation Retry Rate - サーバーが起動してからの毎分の buffer allocation retry の数の平均です。
返される指標と測定されるしきい値は毎分のイベントでの変更レートを表す数値になります。急な増大は調査を必要とする問題を示すことがあるため、これら指標の変更レートを監視する必要があります。

表A.59 「Oracle::再試行ログ」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
タイムアウト* 30
重大レベルの最大 Redo Log Space Request Rate (Critical Maximum Redo Log Space Request Rate)
警告レベルの最大 Redo Log Space Request Rate (Warning Maximum Redo Log Space Request Rate)
重大レベルの最大 Redo Buffer Allocation Retry Rate (Critical Maximum Redo Buffer Allocation Retry Rate)
警告レベルの最大 Redo Buffer Allocation Retry Rate (Warning Maximum Redo Buffer Allocation Retry Rate)

A.9.13. Oracle::テーブルのエクステント数

Oracle::テーブルのエクステント数のプローブは Oracle データベースのインスタンスを監視して次のような指標を収集します。
  • 割り当てられたエクステント数 - すべてのテーブル - テーブルのエクステント合計数です。
  • 使用可能なエクステント数 - すべてのテーブル - テーブルに使用できるエクステント数の割合です。
Oracle では、 テーブルのエクステント数でテーブルを拡張することができます。 ーブルが満杯になると、テーブルを作成した時に設定した領域分だけ 拡張されます。エクステント数はエクステントサイズとエクステントの最大数を使ってテーブル単位で設定されます。
例えば、10 MB の領域で開始してエクステントサイズを 1 MB、 最大エクステント数を 10 に設定しているテーブルは最大 20 MB まで増大することができます (1 MB x 10 回ごと増大)。 このプローブは (1) 割り当てられたエクステント数 (例、「テーブルが 5 回以上拡張されたら重大レベルになる」) または (2) テーブルが最大エクステント数の一定の比率を超えて拡張されること (例、「テーブルが最大エクステント数の 80% を超過して消耗されると重大レベルになる」) によって警報を発するよう設定できます。
入力が必要な テーブルの所有者テーブル名 のフィールドにはいずれのテーブル所有者やテーブル名にも一致するデフォルト値の % が含まれています。

表A.60 「Oracle::テーブルのエクステント数」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
テーブルの所有者* %
テーブル名* %
タイムアウト* 30
重大レベルの割り当てエクステントの最大数
警告レベルの割り当てエクステントの最大数
重大レベルの使用可能なエクステントの最大数
警告レベルの使用可能なエクステントの最大数

A.9.14. Oracle::テーブル領域の使用

Oracle::テーブル領域の使用のプローブは Oracle データベースのインスタンスを監視して次のような指標を収集します。
  • 使用中の使用可能領域 - 使用されている各テーブル領域内で使用可能な領域の割合です。
テーブル領域とは複数のテーブルがある領域の共有プールのことです。このプローブは使用可能領域の総量がしきい値を下回るとユーザーに警報を発します。 テーブル領域はバイト単位で測定されるため、 エクステント数は直接要素として取り入れられません (ただし、拡張するごとに使用可能な領域が共有プールから削除されます)。
入力が必要な テーブル領域名 フィールドは大文字と小文字を区別し、またいずれのテーブル名にも一致するデフォルト値の % を含んでいます。

表A.61 「Oracle::テーブル領域の使用」の設定

フィールド
Oracle SID*
Oracle ユーザー名*
Oracle パスワード*
Oracle ポート* 1521
テーブル領域名* %
タイムアウト* 30
重大レベルの使用中テーブル領域内の最大使用可能領域
警告レベルの使用中テーブル領域内の最大使用可能領域

A.9.15. Oracle::TNS Ping

Oracle::TNS Ping のプローブは Oracle リスナーが有効になっているかを判定し 次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 - Oracle サーバーが接続要求の応答に要する秒単位の時間です。

表A.62 「Oracle::TNS Ping」の設定

フィールド
TNS リスナーポート* 1521
タイムアウト* 15
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

A.10. Red Hat Satellite

本セクションのプローブは Red Hat Satellite 自体に適用してその健全性とパフォーマンスを監視することができます。これらのプローブはローカルに実行されるため、特定のアプリケーションや転送プロトコルは必要ありません。

A.10.1. Red Hat Satellite:: ディスク領域

Red Hat Satellite::ディスク領域のプローブは Satellite 上の空きディスク領域を監視して次のような指標を収集します。
  • 使用中のファイルシステム - 現在使用中のカレントファイルシステムのパーセントです。
  • 使用中の領域 - カレントファイルシステムが使用しているファイルサイズです。
  • 使用可能な領域 - カレントファイルシステムに対して使用可能なファイルサイズです。

表A.63 Red Hat Satellite::ディスク領域の設定

フィールド
デバイスのパス名* /dev/hda1
重大レベルのファイルシステム最大使用率 (Critical Maximum File System Used)
警告レベルのファイルシステム最大使用率 (Warning Maximum File System Used)
重大レベルの最大使用領域 (Critical Maximum Space Used)
警告レベルの最大使用領域 (Warning Maximum Space Used)
重大レベルの最大使用可能領域 (Critical Maximum Space Available)
警告レベルの最大使用可能領域 (Warning Maximum Space Available)

A.10.2. Red Hat Satellite::実行時間

Red Hat Satellite::実行時間のプローブは Satellite から実行されたプローブの実行時間を監視して次のような指標を収集します。
  • プローブの平均実行時間 - 1 プローブを完全に実行するのに必要な秒数です。

表A.64 Red Hat Satellite::実行時間の設定

フィールド
重大レベルのプローブ実行最大平均時間 (Critical Maximum Probe Execution Time Average)
警告レベルのプローブ実行最大平均時間 (Warning Maximum Probe Execution Time Average)

A.10.3. Red Hat Satellite::インターフェーストラフィック

The Red Hat Satellite::インターフェーストラフィックのプローブは Satellite 上のインターフェースのトラフィックを監視して次のような指標を収集します。
  • 入力レート - デバイスが受信する毎秒の通信量をバイト単位で示します。
  • 出力レート - デバイスが送信する毎秒の通信量をバイト単位で示します。

表A.65 Red Hat Satellite::インターフェーストラフィックの設定

フィールド
インターフェース* eth0
タイムアウト (秒)* 30
重大レベルの最大入力レート (Critical Maximum Input Rate)
重大レベルの最大出力レート (Critical Maximum Output Rate)

A.10.4. Red Hat Satellite::待ち時間

The Red Hat Satellite::待ち時間のプローブは Satellite 上のプローブの待ち時間を監視して次のような指標を収集します。
  • プローブの待ち時間平均 - プローブの実行準備が整う時間と実際に実行する時間の時間差を秒単位で示します。通常の状態では、この時間差は一般的に 1 秒以内になります。Satellite が過負荷になると (プローブ平均実行時間に対してプローブが多すぎるため) この数値は上昇します。

表A.66 Red Hat Satellite::待ち時間の設定

フィールド
重大レベルのプローブ最大待ち時間 (Critical Maximum Probe Latency Average)
警告レベルのプローブ最大待ち時間 (Warning Maximum Probe Latency Average)

A.10.5. Red Hat Satellite::ロード

Red Hat Satellite::ロードのプローブは Satellite 上の CPU 負荷を監視して次のような指標を収集します。
  • 負荷 - 1 分、 5 分、 15 分間隔の CPU の平均負荷です。

表A.67 Red Hat Satellite::負荷の設定

フィールド
重大レベルの 1 分間隔の最大平均 (Critical Maximum 1-minute Average)
警告レベルの 1 分間隔の最大平均 (Warning Maximum 1-minute Average)
重大レベルの 5 分間隔の最大平均 (Critical Maximum 5-minute Average)
警告レベルの 5 分間隔の最大平均 (Warning Maximum 5-minute Average)
重大レベルの 15 分間隔の最大平均 (Critical Maximum 15-minute Average)
警告レベルの 15 分間隔の最大平均 (Warning Maximum 15-minute Average)

A.10.6. Red Hat Satellite::プローブ数

Red Hat Satellite::プローブ数のプローブは Satellite 上のプローブの数を監視して次のような指標を収集します。
  • プローブ数 - Satellite 上で実行される個々のプローブの数です。

表A.68 Red Hat Satellite::プローブ数の設定

フィールド
重大レベルの最大プローブ数 (Critical Maximum Probe Count)
警告レベルの最大プローブ数 (Warning Maximum Probe Count)

A.10.7. Red Hat Satellite::プロセス数

Red Hat Satellite::プロセス数のプローブは Satellite 上のプロセス数を監視して次のような指標を収集します。
  • ブロックされたプロセス数 - 待機キューに切り替えられて待ち状態になっているプロセスの数です。
  • 子プロセス数 - マシン上ですでに実行中の別のプロセスから生成されたプロセスの数です。
  • 消滅プロセス数 - 終了して (シグナルで kill されたか exit() をコールしたため)、その親プロセスがまだ何らかの形による wait() システムコールの実行によりその終了通知を受け取っていないプロセスの数です。
  • 停止プロセス数 - 実行が完了する前に停止されたプロセスの数です。
  • スリープ中のプロセス - 後でメモリに再導入でき、導入後に実行が再開する Interruptible のスリープ状態にあるプロセスです。

表A.69 Red Hat Satellite::プロセス数の設定

フィールド
重大レベルのブロックされたプロセスの最大数 (Critical Maximum Blocked Processes)
警告レベルのブロックされたプロセスの最大数 (Warning Maximum Blocked Processes)
重大レベルの子プロセスの最大数 (Critical Maximum Child Processes)
警告レベルの子プロセスの最大数 (Warning Maximum Child Processes)
重大レベルの消滅プロセスの最大数 (Critical Maximum Defunct Processes)
警告レベルの消滅プロセスの最大数 (Warning Maximum Defunct Processes)
重大レベルの停止プロセスの最大数 (Critical Maximum Stopped Processes)
警告レベルの停止プロセスの最大数 (Warning Maximum Stopped Processes)
重大レベルのスリープ中プロセスの最大数 (Critical Maximum Sleeping Processes)
警告レベルのスリープ中プロセスの最大数 (Warning Maximum Sleeping Processes)

A.10.8. Red Hat Satellite::プロセス

Red Hat Satellite::プロセスのプローブは Satellite 上のプロセス数を監視して次のような指標を収集します。
  • プロセス数 - マシン上で同時に実行しているプロセスの数です。

表A.70 Red Hat Satellite::プロセス数の設定

フィールド
重大レベルの最大プロセス数 (Critical Maximum Processes)
警告レベルの最大プロセス数 (Warning Maximum Processes)

A.10.9. Red Hat Satellite::プロセスの健全性

Red Hat Satellite::プロセスの健全性のプローブはお客様によって指定されたプロセスを監視して次のような指標を収集します。
  • CPU 使用率 - 特定プロセスの CPU 使用率を示します。
  • 子プロセスのグループ - 指定した親プロセスから生まれた子プロセスの数です。子プロセスは親プロセスからファイルを開くなどその属性のほとんどを引き継ぎます。
  • スレッド - 特定プロセスの実行中スレッドの数です。スレッドとは CPU 使用の基本ユニットで、プログラムカウンタ、レジスタセットおよびスタックスペースで構成されます。また、スレッドは軽量プロセスとも呼ばれています。
  • 使用中の物理メモリ - 指定プロセスによって使用されている物理メモリ量をキロバイトで示します。
  • 使用中の仮想メモリ - 指定したプロセスが使用している仮想メモリ量をキロバイトで示します。または、実物メモリと swap にあるプロセスのサイズを示します。
コマンド名またはプロセスの ID (PID) でプロセスを指定します。PID を入力するとコマンド名の入力は無効になります。コマンド名ないしは PID が入力されていないと、エラーの Command not found が表示されプローブが 「重大」(CRITICAL) 状態に設定されます。

表A.71 Red Hat Satellite::プロセスの健全性の設定

フィールド
コマンド名
プロセス ID (PID) ファイル
タイムアウト* 15
重大レベルの最大 CPU 使用量 (Critical Maximum CPU Usage)
警告レベルの最大 CPU 使用量 (Warning Maximum CPU Usage)
重大レベルの最大子プロセスグループ数 (Critical Maximum Child Process Groups)
警告レベルの最大子プロセスグループ数 (Warning Maximum Child Process Groups)
重大レベルの最大スレッド数 (Critical Maximum Threads)
警告レベルの最大スレッド数 (Warning Maximum Threads)
重大レベルの最大物理メモリ使用量 (Critical Maximum Physical Memory Used)
警告レベルの最大物理メモリ使用量 (Warning Maximum Physical Memory Used)
重大レベルの最大仮想メモリ使用量 (Critical Maximum Virtual Memory Used)
警告レベルの最大仮想メモリ使用量 (Warning Maximum Virtual Memory Used)

A.10.10. Red Hat Satellite::プロセスの実行

Red Hat Satellite::実行中プロセスのプローブは指定されたプロセスが実行中であることを確認します。プロセスをそのコマンド名またはプロセス ID (PID) で指定します。PID を入力するとコマンド名の入力は無視されます。プローブがコマンドまたは PID を確認できないと「重大」状態を表示します。

表A.72 Red Hat Satellite::実行中のプロセスの設定

フィールド
コマンド名
プロセス ID (PID) ファイル
重大レベルの最大実行数 (Critical Number Running Maximum)
重大レベルの最小実行数 (Critical Number Running Minimum)

A.10.11. Red Hat Satellite::Swap

Red Hat Satellite::Swap のプローブは Satellite 上で使用可能な空き swap 領域の割合を監視します。その値が「重大」のしきい値を下回ると「重大」(CRITICAL) 状態を返します。その値が「警告」のしきい値を下回ると「警告」(WARNING) 状態を返します。

表A.73 Red Hat Satellite::Swap の設定

フィールド
重大レベルの swap 最小空き領域 (Critical Minimum Swap Percent Free)
警告レベルの swap 最小空き領域 (Warning Minimum Swap Percent Free)

A.10.12. Red Hat Satellite::ユーザー

Red Hat Satellite::ユーザーのプローブは Satellite に現在ログインしているユーザー数を監視します。その値が「重大」のしきい値を超えると「重大」(CRITICAL) 状態を返します。その値が「警告」のしきい値を超えると「警告」(WARNING) 状態を返します。

表A.74 Red Hat Satellite::ユーザーの設定

フィールド
重大レベルの最大ユーザー数 (Critical Maximum Users)
警告レベルの最大ユーザー数 (Warning Maximum Users)

付録B 改訂履歴

改訂履歴
改訂 4-34.1.4002013-10-31Rüdiger Landmann
Rebuild with publican 4.0.0
改訂 4-34.1Tue Oct 29 2013Credit Translator's
翻訳完了
改訂 4-34Fri Oct 25 2013Dan Macpherson
BZ#929221 の修正
改訂 4-32.1Fri Aug 30 2013Terry Chuang
翻訳ファイルを XML ソースバージョン 4-32 と同期
改訂 4-32Thu Aug 29 2013Dan Macpherson
QE レビューのフィードバックの 1 回目の実装
改訂 4-31Tue Aug 27 2013Dan Macpherson
マイナーチェンジ
改訂 4-30Tue Aug 27 2013Dan Macpherson
QE の最終的な反映
改訂 4-29Tue Aug 27 2013Dan Macpherson
画面テキストの修正
改訂 4-28Tue Aug 27 2013Dan Macpherson
computeroutput タグの削除
改訂 4-27Tue Aug 27 2013Dan Macpherson
BZ#1001385 のフィードバックの反映
改訂 4-26Tue Aug 27 2013Dan Macpherson
BZ#1001385 の QE フィードバックの反映
改訂 4-25Tue Aug 27 2013Dan Macpherson
BZ#1001378 の若干の誤字修正
改訂 4-24Tue Aug 27 2013Dan Macpherson
BZ#1001378 および BZ#1001379 に基づく QE フィードバックの反映
改訂 4-23Tue Aug 27 2013Dan Macpherson
BZ#1001376 の QE フィードバックの反映
改訂 4-22Thu Aug 15 2013Dan Macpherson
QE レビューからの誤字の修正
改訂 4-21Sun Jul 28 2013Dan Macpherson
テクニカルレビューのフィードバックの 2 回目の実装
改訂 4-20Wed Jul 24 2013Dan Macpherson
修正 (BZ#987245)
改訂 4-19Tue Jul 23 2013Dan Macpherson
テクニカルレビューのフィードバックの 1回目の実装
改訂 4-18Thu Jul 12 2013Dan Macpherson
最新のベータ更新
改訂 4-17Thu Jul 12 2013Dan Macpherson
ベータ更新
改訂 4-16Thu Jul 11 2013Athene Chan
Splice セクションを編集。
追加 ISS コンテンツを記載。
改訂 4-15Fri Jul 5 2013Athene Chan
BZ#906577 開発レビューによる ISS の編集。
改訂 4-14Fri Jul 5 2013Athene Chan
BZ#906577 ISS の新規機能に関する追加情報を記載。
改訂 4-13Fri June 28 2013Athene Chan
更新済みの UI 変更に基づき全セクションの更新。
ブランディング名の変更に基づきすべての "Red Hat Proxy" を "Red Hat Satellite Proxy" に変更。
BZ#906577 Intersatellite-sync 情報を本書に追加。
改訂 4-12Tue June 4 2013Athene Chan
BZ#969091 古くなったファイル名を /etc/rhn/rhn_web.conf から /etc/rhn/rhn.conf に変更。
改訂 4-11Fri May 17 2013Athene Chan
ユーザーインターフェースに基づき本書の手順を編集。
レビューのためステージングにプッシュ
改訂 4-10Thu Apr 25 2013Athene Chan
BZ#908911 すべての最新の参照を現在のバージョンに変更。
BZ#927113, 950295 本書の概要を更新
BZ#927546, 924221 標準化された用語に対する若干の編集
次回のバージョンリリースに向けたコンテンツの編集。
改訂 4-9Thu Feb 28 2013Athene Chan
次回のバージョンリリースを準備するため目次の編集。
改訂 4-8Wed Jan 2 2013Athene Chan
BZ#862950 "(pup)" と "that" の間の空白を含める。
改訂 4-7Wed Sept 19 2012Dan Macpherson
5.5 向け最終パッケージ
改訂 4-6Thu Aug 16 2012Athene Chan
BZ#847993 セクション 5.2.4 の例でファイル名を変更
改訂 4-5Thu Aug 16 2012Athene Chan
BZ#773647 「新しいアカウントを作成」のスクリーンショットに関連する段落を更新
BZ#846691 セクション 1.1 の「購入」リンクを更新
改訂 4-4Wed Aug 15 2012Athene Chan
BZ#773647 「新しいアカウントを作成」のスクリーンショットを更新
改訂 4-3Thu Aug 9 2012Athene Chan
レビュー用にドキュメントをステージング
改訂 3-2Fri Aug 3 2012Athene Chan
BZ#844849 段落を再構成
改訂 3-1Tue Jun 17 2012Athene Chan
廃止予定のコンテンツを削除。5.5 リリース用に準備
BZ#837703 カスタムの GPG キーに関する記載を追記
改訂 3-0Thurs May 24 2012Athene Chan
BZ#783340 - 「s390x」 を 「IBM System z」に更新
改訂 2-6Mon Jan 9 2012Lana Brindley
BZ#707591 - 「仮想化」の章で指示を更新
BZ#746640 - 「仮想化」の章でキックスタート情報を追加
改訂 2-5Wed Jan 4 2012Lana Brindley
BZ#707568 & BZ#707570 - 「仮想化」の章 - チャンネル名
BZ#744653 - 「仮想化」の章 - 誤字の修正
BZ#744656 - 「仮想化」の章 - RHEL6 の指示を更新
BZ#750481 - ファイルの最大サイズの変更方法を更新
BZ#766424 - 「キックスタート」の章でテキストを更新
改訂 2-4Fri Sep 23 2011Lana Brindley
BZ#702516 - Unix ハンドブック
BZ#703605 - Monitoring の章
BZ#706868 & BZ#707169 - Cobbler の章
BZ#707591 - 仮想化の章
BZ#707602 - 仮想化の章
BZ#715267 - 誤字の修正
改訂 2-3Mon Aug 15 2011Lana Brindley
z-stream リリースの変更を y-stream に適用
改訂 2-2Wed Jun 15 2011Lana Brindley
翻訳に関する準備
改訂 2-1Fri May 27 2011Lana Brindley
翻訳者からのフィードバックに基づく更新
改訂 2-0Fri May 6 2011Lana Brindley
翻訳の準備
改訂 1-29Fri March 25 2011Lana Brindley
翻訳用にエンティティを修正
BZ#683466 - モニタリング
改訂 1-28Thu March 24 2011Lana Brindley
BZ#679621 - 翻訳用にエンティティを修正
BZ#681788 - 通知
改訂 1-27Mon Feb 14 2011Lana Brindley
BZ#658127 - API アクセス
改訂 1-26Wed Feb 9 2011Lana Brindley
BZ#658120 - RHEL 2.1 に関する記載を削除
BZ#658131 - API アクセス
BZ#669166 - 仮想化
改訂 1-25Mon Jan 31 2011Lana Brindley
BZ#443630 - キックスタート
BZ#559515 - Cobbler

法律上の通知

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