第3章 Red Hat Process Automation Manager を使用したプロジェクトストレージとビルドオプション

Red Hat Process Automation Manager プロジェクトの開発時には、バージョン管理されたリポジトリーを使用してプロジェクトのバージョンを追跡し、安定した環境でプロジェクトアセットを管理し、テストおよびデプロイメント用にプロジェクトをビルドできる必要があります。このようなタスクすべてに対して、Business Central を使用するか、Business Central と外部ツールおよびリポジトリーの組み合わせを使用できます。Red Hat Process Automation Manager は、Java ベースのビルドオプション、またはカスタムツールベースのビルドオプションに加え、プロジェクトバージョン管理に Git リポジトリー、プロジェクト管理に Apache Maven をサポートしています。

次のオプションは、Red Hat Process Automation Manager プロジェクトのバージョン管理、ストレージ、ビルドの主な方法です。

表3.1 プロジェクトのバージョン管理オプション (Git)

バージョン管理オプション説明ドキュメンテーション

Business Central の Git VFS

Business Central には、ビルトインの Git Virtual File System (VFS) が含まれており、ここにオーサリング環境で作成したプロセス、ルール、その他のアーティファクトをすべて保存します。Git は、リビジョンをコミットオブジェクトとして実装する分散バージョン管理システムです。変更をリポジトリーにコミットすると、Git リポジトリーに新規コミットオブジェクトが作成され、Business Central でプロジェクトを作成すると、Business Central に接続された Git リポジトリーにそのプロジェクトが追加されます。

NA

外部 Git リポジトリー

Business Central の外部の Git リポジトリーに Red Hat Process Automation Manager プロジェクトがある場合には、このプロジェクトを Red Hat Process Automation Manager スペースにインポートし、Git フックを使用して内部と外部の Git リポジトリーを同期できます。

Git リポジトリーからのプロジェクトのインポート

表3.2 プロジェクト管理オプション (Maven)

管理オプション説明ドキュメンテーション

Business Central Maven リポジトリー

Business Central には、オーサリング環境で作成したプロジェクトアセットを整理およびビルドする埋め込み型の Maven リポジトリーが含まれています。Maven は、リポジトリーを使用して Java ライブラリー、プラグイン、およびその他のビルドアーティファクトを格納する分散ビルド自動化ツールです。プロジェクトとアーキタイプをビルドする場合には、Maven はローカルまたはリモートリポジトリーから Java ライブラリーと Maven プラグインを動的に取得して、プロジェクト間の共有依存関係をプロモートします。

注記

実稼働環境では、Business Central で設定した外部 Maven リポジトリーの使用を検討してください。

NA

外部 Maven リポジトリー

Nexus や Artifactory などの外部 Maven リポジトリーに Red Hat Process Automation Manager プロジェクトがある場合は、接続情報を使用して settings.xml ファイル を作成し、そのファイルのパスをプロジェクト standalone-full.xml ファイルの kie.maven.settings.custom プロパティーに追加します。

Maven Settings Reference

Red Hat Process Automation Manager プロジェクトのパッケージ化およびデプロイ

表3.3 プロジェクトビルドオプション

ビルドオプション説明ドキュメンテーション

Business Central (KJAR)

Business Central は、ビルトイン Maven リポジトリーまたは設定した外部 Maven リポジトリーのいずれかに保存されている Red Hat Process Automation Manager プロジェクトをビルドします。Business Central のプロジェクトは、プロジェクトのビルド時に、デプロイメントに必要な全コンポーネントが含まれるナレッジ JAR (KJAR) ファイルとして自動的にパッケージ化されます。

Red Hat Process Automation Manager プロジェクトのパッケージ化およびデプロイ

スタンドアロン Maven プロジェクト (KJAR)

Business Central 外にスタンドアロンの Red Hat Process Automation Manager Maven プロジェクトがある場合には、プロジェクトの pom.xml ファイルを編集して、プロジェクトを KJAR ファイルとしてパッケージ化し、プロジェクトのビルドに必要となる KIE ベースおよび KIE セッションの設定が含まれる kmodule.xml ファイルを追加します。

Red Hat Process Automation Manager プロジェクトのパッケージ化およびデプロイ

埋め込み型 Java アプリケーション (KJAR)

埋め込み型 Java アプリケーションをもとに Red Hat Process Automation Manager プロジェクトをビルドする場合には、KieModuleModel インスタンスを使用して KIE ベースおよび KIE セッション設定を含む kmodule.xml ファイルをプログラムで作成し、プロジェクトの全リソースを、KIE 仮想ファイルシステム KieFileSystem に追加してプロジェクトをビルドします。

Red Hat Process Automation Manager プロジェクトのパッケージ化およびデプロイ

CI/CD ツール (KJAR)

継続的インテグレーションと継続的デリバリー (CI/CD) にツールを使用する場合には、Red Hat Process Automation Manager Git リポジトリーと統合して、指定されたプロジェクトをビルドするようにツールセットを設定できます。デプロイメントの最適化を図るため、プロジェクトが KJAR ファイルとしてパッケージ化およびビルドされていることを確認してください。

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OpenShift の S2I (コンテナーイメージ)

Red Hat OpenShift Container Platform で Red Hat Process Automation Manager を使用する場合には、Red Hat Process Automation Manager プロジェクトを通常の方法で KJAR ファイルとしてビルドするか、Source-to-Image (S2I) を使用してプロジェクトをコンテナーイメージとしてビルドできます。S2I は、アプリケーションのソースコードをインプットとして使用するイメージを記述して、アセンブルされたアプリケーションを実行する新規イメージをアウトプットとして作成できるフレームワークおよびツールです。開発者が簡単に再現可能なコンテナーイメージをビルドできるの点が、 S2I ツールを使用する主な利点です。

Creating Images in OpenShift