4.5. KIE Server のカスタムイメージの作成
カスタムイメージを作成して、KIE Server のデプロイメントにファイルを追加できます。次に、イメージを独自のコンテナーレジストリーにプッシュする必要があります。Red Hat Process Automation Manager をデプロイする場合は、カスタムイメージを使用するように Operator を設定できます。
カスタムイメージを使用する場合は、自動のバージョンアップグレードを無効にする必要があります。新規バージョンをインストールする場合は、以前と同じ名前と、新規バージョンタグを指定してイメージをビルドし、レジストリーにそのイメージをプッシュします。その後にバージョンを変更すると、Operator が自動的に新規イメージをプルします。Operator での製品バージョンの変更に関する説明は、「Operator を使用してデプロイした環境の変更」 を参照してください。
特に、次のタイプのカスタムイメージを作成できます。
- 追加の RPM パッケージを含めた KIE Server のカスタムイメージ
- 追加の JAR ライブラリーを含めた KIE Server のカスタムイメージ
4.5.1. 追加の RPM パッケージを含めたカスタムの KIE Server イメージの作成
追加の RPM パッケージのインストール先のカスタム KIE Server イメージを作成できます。このイメージをカスタムレジストリーにプッシュして、KIE Server のデプロイに使用できます。
Red Hat Enterprise Linux 8 リポジトリーから任意のパッケージをインストールできます。以下の例では、ps
ユーティリティーが含まれる procps-ng
パッケージをインストールしていますが、変更して他のパッケージをインストールすることができます。
手順
-
podman login
コマンドを使用してregistry.redhat.io
レジストリーの認証を行います。レジストリーの認証に関する詳細は、「Red Hat コンテナーレジストリーの認証」を参照してください。 サポートされている KIE Server のベースイメージをダウンロードするには、次のコマンドを入力します。
podman pull registry.redhat.io/rhpam-7/rhpam-kieserver-rhel8:7.8.0
ベースイメージをもとにカスタムイメージを定義する
Dockerfile
を作成します。このファイルで、現在のユーザーをroot
に変更して、yum
コマンドで RPM パッケージをインストールしてからUSER 185
(Red Hat JBoss EAP ユーザー) に戻します。以下の例では、Dockerfile
ファイルの内容を示します。FROM registry.redhat.io/rhpam-7/rhpam-kieserver-rhel8:7.8.0 USER root RUN yum -y install procps-ng USER 185
必要に応じて RPM ファイルの名前を置き換えます。
yum
コマンドは自動的に Red Hat Enterprise Linux 8 リポジトリーからの全依存関係を自動的にインストールします。複数の RMP ファイルをインストールする必要がある場合があります。今回は、RUN
コマンドを複数回使用します。Dockerfile
を使用してカスタムイメージをビルドします。レジストリー名など、イメージの完全修飾名を指定します。ベースイメージと同じバージョンタグを使用する必要があります。イメージをビルドするには、以下のコマンドを入力します。podman build . --tag registry_address/image_name:7.8.0
以下に例を示します。
podman build . --tag registry.example.com/custom/rhpam-kieserver-rhel8:7.8.0
ビルドが完了したら、イメージを実行してログインし、カスタマイズが成功したことを確認します。ターミナルで以下のコマンドを入力します。
podman run -it --rm registry_address/image_name:7.8.0 /bin/bash
以下に例を示します。
podman run -it --rm registry.example.com/custom/rhpam-kieserver-rhel8:7.8.0 /bin/bash
イメージのシェルプロンプトで、コマンドを入力して RPM がインストールされていることをテストし、
exit
と入力します。たとえば、procps-ng
の場合はps
コマンドを実行します。[jboss@c2fab36b778e ~]$ ps PID TTY TIME CMD 1 pts/0 00:00:00 bash 13 pts/0 00:00:00 ps [jboss@c2fab36b778e ~]$ exit
カスタムイメージをレジストリーにプッシュするには、次のコマンドを入力します。
podman push registry_address/image_name:7.8.0 docker://registry_address/image_name:7.8.0
以下に例を示します。
podman push registry.example.com/custom/rhpam-kieserver-rhel8:7.8.0 docker://registry.example.com/custom/rhpam-kieserver-rhel8:7.8.0
次のステップ
KIE Server をデプロイする場合は、イメージ名と namespace を設定してレジストリーにカスタムイメージを指定します。Set KIE Server image をクリックして、Kind の値を DockerImage に変更してから、バージョンタグがないレジストリー名など、イメージ名を指定します。以下に例を示します。
registry.example.com/custom/rhpam-kieserver-rhel8
Operator を使用した KIE Server のデプロイに関する詳細は、「環境のカスタム KIE Server 設定の構成」 を参照してください。