第6章 キーストアを使用したパスワードセキュリティーの確保

キーストアを使用して、Business Central と KIE Server の間の通信に使用するパスワードを暗号化できます。コントローラーと KIE Server のパスワードを暗号化する必要があります。Business Central と KIE Server を別のアプリケーションサーバーにデプロイする場合には、いずれのアプリケーションサーバーもキーストアを使用する必要があります。

Java Cryptography Extension KeyStore (JCEKS) は、対称鍵をサポートするので、キーストアには JCEKS を使用してください。JDK インストールに含まれる KeyTool を使用して、新しい JCEKS を作成します。

注記

KIE Server が JCEKS で設定されていない場合には、KIE Server のパスワードはシステムプロパティーにプレーンテキスト形式で保存されます。

前提条件

  • Red Hat JBoss EAP に KIE Server がインストールされている。
  • Java 8 以降がインストールされている。

手順

  1. Red Hat JBoss EAP のホームディレクトリーで、以下のコマンドを入力して、kie-server ロールを割り当てた KIE Server ユーザーを作成し、パスワードを指定します。以下の例では、<USER_NAME><PASSWORD> は任意のユーザー名とパスワードに置き換えます。

    $<EAP_HOME>/add-user.sh -a -e -u <USER_NAME> -p <PASSWORD> -g kie-server
  2. keytool を使用して JCEKS を作成するには、Java 8 のホームディレクトリーで以下のコマンドを実行します。

    $<JAVA_HOME>/bin/keytool -importpassword -keystore <KEYSTORE_PATH> -keypass <ALIAS_KEY_PASSWORD> -alias <PASSWORD_ALIAS> -storepass <KEYSTORE_PASSWORD> -storetype JCEKS

    上記の例では、以下の変数を置き換えてください。

    • <KEYSTORE_PATH>: キーストアの保存先のパス
    • <KEYSTORE_PASSWORD>: キーストアのパスワード
    • <ALIAS_KEY_PASSWORD>: エイリアスで保存した値にアクセスする時に使用するパスワード
    • <PASSWORD_ALIAS>: プロセスへのエントリーに使用するエイリアス
  3. プロンプトが表示されたら、作成した KIE Server ユーザーのパスワードを入力します。
  4. EAP_HOME/standalone/configuration/standalone-full.xml ファイルに以下のシステムプロパティーを設定して、以下の表に記載のプレースホルダーを置き換えます。

        <system-properties>
            <property name="kie.keystore.keyStoreURL" value="<KEYSTORE_URL>"/>
            <property name="kie.keystore.keyStorePwd" value="<KEYSTORE_PWD>"/>
            <property name="kie.keystore.key.server.alias" value="<KEY_SERVER_ALIAS>"/>
            <property name="kie.keystore.key.server.pwd" value="<KEY_SERVER_PWD>"/>
            <property name="kie.keystore.key.ctrl.alias" value="<KEY_CONTROL_ALIAS>"/>
            <property name="kie.keystore.key.ctrl.pwd" value="<KEY_CONTROL_PWD>"/>
        </system-properties>

    表6.1 KIE Server JCEKS を読み込む時に使用するシステムプロパティー

    システムプロパティープレースホルダー説明

    kie.keystore.keyStoreURL

    <KEYSTORE_URL>

    使用する JCEKS の URL。例: file:///home/kie/keystores/keystore.jceks

    kie.keystore.keyStorePwd

    <KEYSTORE_PWD>

    JCEKS のパスワード

    kie.keystore.key.server.alias

    <KEY_SERVER_ALIAS>

    パスワードの保存先となる REST サービスのキーのエイリアス

    kie.keystore.key.server.pwd

    <KEY_SERVER_PWD>

    保存したパスワードを使用する REST サービスのエイリアスのパスワード

    kie.keystore.key.ctrl.alias

    <KEY_CONTROL_ALIAS>

    パスワードの保存先のデフォルトの REST Process Automation Controller のキーのエイリアス

    kie.keystore.key.ctrl.key.ctrl.pwd

    <KEY_CONTROL_PWD>

    保存したパスワードを使用する、デフォルトの REST Process Automation Controller のエイリアスのパスワード

  5. KIE Server を起動して、設定を検証します。