Red Hat Process Automation Manager 7.7 リリースノート

Red Hat Process Automation Manager 7.7

Red Hat Customer Content Services

概要

本書は、Red Hat Process Automation Manager 7.7 のリリースノートです。

前書き

本書では、Red Hat Process Automation Manager 7.7 の新機能、テクノロジープレビュー機能、既知の問題、および修正された問題について説明します。

第1章 製品の概要

Red Hat Process Automation Manager は、ビジネスプロセス管理 (BPM)、ケース管理、ビジネスルール管理、リソースプランニングを組み合わせたオープンソースのビジネス自動化プラットフォームで、ビジネスユーザーおよび IT ユーザーによるビジネスプロセス、ケース、ビジネスルールの作成、管理、検証、デプロイメントを実現します。

Red Hat Process Automation Manager は、すべてのリソースが保存される集中リポジトリーを使用します。これにより、ビジネス全体で一貫性や透明性を維持し、監査を行えます。ビジネスユーザーは、IT 担当者のサポートを受けることなくビジネスロジックおよびビジネスプロセスを編集できます。

Red Hat Process Automation Manager 7.7 では安定性が増し、問題がいくつか修正され、新機能が加わっています。

Red Hat Process Automation Manager は Red Hat OpenShift Container Platform で完全にサポートされており、各種プラットフォームにインストールできます。

注記

Red Hat Process Automation Manager は、Java 8 以降が必要になります。

Red Hat Process Automation Manager のサポートポリシーについての詳細は、「Release maintenance plan for Red Hat Decision Manager 7.x and Red Hat Process Automation Manager 7.x」を参照してください。

第2章 新機能

本セクションでは、Red Hat Process Automation Manager 7.7 の新機能について説明します。

2.1. 参照実装

高可用性イベント駆動型意思決定の参照実装が改善されました。

HA CEP サービスにはコンテナー内での root アクセスは必要ない

Red Hat Process Automation Manager で高可用性イベント駆動型意思決定を実装する場合に、HA CEP (高可用性複合イベント処理) サービスにはコンテナー内の root アクセスは必要ありません。

HA CEP サービスの KJAR の即時更新

Red Hat Process Automation Manager に高可用性のイベント駆動型意思決定を実装する場合には、HA CEP ソリューションを削除して再デプロイすることなく、KJAR HA CEP サービスを更新できます。また、作業メモリーの内容は保持されます。

2.2. Business Central

2.2.1. Business Central での Maven アーキタイプのサポート

Maven アーキタイプが Business Central でサポートされるようになりました。この機能にアクセスするには、画面の右上隅の Admin アイコンを選択して、Business Central Settings ページの Archetypes オプションを選択します。以下の一覧で、Maven アーキタイプの拡張機能についてまとめています。

  • アーキタイプの一覧表示、追加、検証、デフォルト設定、および削除を行うことができます。
  • Business Central での新規プロジェクトの作成時に、アーキタイプをテンプレートとして使用できます。
  • スペースで利用可能なアーキタイプすべてを管理するには、Business Central で Design<your_space>Settings に移動します。

2.2.2. テストシナリオ

Business Central のテストシナリオデザイナーには、Red Hat Process Automation Manager 7.7 のサポートがある新機能が追加されています。

  • DMN ベースとルールベースのテストシナリオでは、GIVEN および EXPECT の両コラムで式を使用してリストやマッピングのようなコレクションの値を定義できるようになりました。式を追加するには、コレクションエディターから Define list を選択できるようになりました。
  • KIE Server REST API を使用して、外部でテストシナリオを実行できるようになりました。API は、デプロイ済みのプロジェクトにテストシナリオを実行します。この機能はデフォルトで無効になっており、org.kie.scenariosimulation.server.ext.disabled のシステムプロパティーを使用して有効化します。

2.2.3. 空のリポジトリーからプロジェクトを作成する機能

GitHub または GitLab の外部リポジトリーを空の状態でインポートして、Business Central で新規プロジェクトを作成できるようになりました。

2.2.4. 変更リクエストの一括コミット

複数のコミットを 1 つのコミットにまとめて、ターゲットブランチにコミットを変更要求として追加できます。

2.2.6. Decision Model and Notation (DMN) デザイナーでの FEEL 式のコード補完入力

ボックスリテラル式エディターに FEEL 式を入力すると、提案として FEEL 関数が表示され、必要に応じて式を適用し、補完入力できるようになりました。

2.2.7. Decision Model and Notation (DMN) デザイナーの改良点

Business Central の Decision Model and Notation (DMN) デザイナーには、以下の主な機能強化が含まれています。

  • プロジェクトにデータ型のネストレベルを視覚的に新しく表示できるようになり、ユーザーがエディターから移動せずにネスト化の詳細を素早く参照できるようになりました。
  • 画面のスペースを無駄にしないように、Data Type constraints ウィザードでゼロ値が表示されなくなりました。
  • 検索コンポーネントのプレースホルダーの外観や機能に対するサポートが向上されました。
  • データ型を整理できるようにドラッグアンドドロップのサポートが追加されました。

2.2.8. CaseLogCleanupCommand コマンドの追加

Red Hat Process Automation Manager 7.7 から、各種パラメーターに基づいてケースをクリーンアップする CaseLogCleanupCommand コマンドのサポートが追加されました。

2.2.9. REST API を使用したブランチ管理サポートおよびブランチでの Maven アクションの実行サポート

REST API を使用してブランチを管理したり、ブランチで Maven アクションを実行できるようになりました。

指定のプロジェクトおよびスペースにあるブランチをすべて返します。

[GET] /spaces/{spaceName}/projects/{projectName}/branches::

特定のプロジェクトやスペースに、指定のブランチを追加します。

[POST] /spaces/{spaceName}/projects/{projectName}/branches::

特定のプロジェクトやスペースから指定のブランチを削除します。

[DELETE] /spaces/{spaceName}/projects/{projectName}/branches/{branchName}::

指定のプロジェクトおよびスペースで、指定したブランチをコンパイルします。branchName が指定されていない場合には、要求は Master ブランチを使用するようにデフォルト設定されます。

[POST] /spaces/{spaceName}/projects/{projectName}/branches/{branchName}/maven/compile::

指定のプロジェクトおよびスペースに、指定したブランチをインストールします。branchName が指定されていない場合には、要求は Master ブランチを使用するようにデフォルト設定されます。

[POST] /spaces/{spaceName}/projects/{projectName}/branches/{branchName}/maven/install::

指定のプロジェクトおよびスペースに、指定したブランチをテストします。branchName が指定されていない場合には、要求は Master ブランチを使用するようにデフォルト設定されます。

[POST] /spaces/{spaceName}/projects/{projectName}/branches/{branchName}/maven/test::

指定のプロジェクトおよびスペースに、指定したブランチをデプロイします。branchName が指定されていない場合には、要求は Master ブランチを使用するようにデフォルト設定されます。

[POST] /spaces/{spaceName}/projects/{projectName}/branches/{branchName}/maven/deploy::

2.2.10. DMN 1.3 のサポート

Red Hat Process Automation Manager 7.7 で DMN 1.3 のサポートが追加されました。

2.2.11. サポートされている言語

7.7 リリース以降、Red Hat Process Automation Manager ユーザーインターフェースは、英語と日本語に加え、スペイン語とフランス語にもローカライズされています。

2.3. デシジョンエンジン

2.3.1. kie-maven-plugin プラグインでの実行可能なルールモデルのデフォルトサポート

Red Hat Process Automation Manager のルールアセットは、標準の kie-maven-plugin を使用して、デフォルトで実行可能なルールモデルからビルドされます。実行可能ルールモデルは埋め込み可能なモデルで、ビルド時に実行するルールセットの Java ベースの表記を提供します。実行可能モデルは、以前の Red Hat Process Automation Manager バージョンの標準アセットパッケージングの代わるもので、より効率的です。KIE コンテナーと KIE ベースの作成をより迅速に実行でき、DRL (Drools Rule Language) ファイルや他の Red Hat Process Automation Manager アセットの一覧のサイズが大きい場合にとくに効果的です。このモデルは詳細レベルにわたり、インデックス評価の lambda 表記など、必要な実行情報すべてを提供します。

以前のバージョンから Red Hat Process Automation Manager 7.7 にアップグレードし、実行可能なルールモデルをまだ有効化していない場合には、ルールアセットが Red Hat Process Automation Manager 7.7 で実行可能なモデルからビルドされるように、既存の Red Hat Process Automation Manager プロジェクトに必要な依存関係を追加する必要があります。

Red Hat Process Automation Manager 7.7 にアップグレード時に実行可能なルールモデルを有効化する手順については、『Red Hat Process Automation Manager 7.7 の修正およびアップグレード』を参照してください。

実行可能なルールモデルに関する詳細は、『Red Hat Process Automation Manager プロジェクトのパッケージ化およびデプロイ』を参照してください。

2.4. 統合

2.4.1. Spring Boot アプリケーション

Spring Boot アプリケーションには、notificationlistener クラスの Spring bean サポートが追加されました。

2.5. Red Hat Business Optimizer

2.5.1. Spring Boot スターターの追加

Red Hat Business Optimizer に Spring Boot スターターが追加されました。Spring Boot スターターを使用してクラスローディングの一般的な問題を回避し、application.properties を使用してソルバー設定を上書きします。このスターターは自動的に @PlanningSolution@PlanningEntity のアノテーションを検出するので、solverConfig.xml ファイルは必要なくなりました。制約ストリーム API が改善され、groupBy() ビルディングブロックを使用してストリームを変更できるようになりました。

2.5.2. SolverManager

1 つまたは複数のソルバーインスタンスのラッパーとして SolverManager を使用し、REST API や他のエンタープライズサービスのプランニングを簡素化できます。solve(…​) メソッドは通常の Solver.solve(…​) メソッドとは異なります。

  • SolverManager.solve(…​) は、呼び出しスレッドをブロックせずに問題をスケジューリングして非同期的に解決します。こうすることで、HTTP や他のテクノロジーのタイムアウトの問題を回避し、即時に返すことができます。
  • SolverManager.solve(…​) は、同じドメインの複数の計画問題を並行して解決します。

SolverManager は、一括解決と、エンドユーザーに進捗を表示する解決をサポートします。

public class TimeTableService {
    private SolverManager<TimeTable, Long> solverManager;

    // Returns immediately, ok to expose as a REST service
    public void solve(Long timeTableId) {
        solverManager.solveAndListen(timeTableId,
            // Called once, when solving starts
            this::findById,
            // Called multiple times, for every best solution change
            this::save);
    }
    public TimeTable findById(Long timeTableId) {...}
    public void save(TimeTable timeTable) {...}
    public void stopSolving(Long timeTableId) {
        solverManager.terminateEarly(timeTableId);
    }
}

2.6. Red Hat OpenShift Container Platform

2.6.1. Red Hat OpenShift Container Platform での Operator デプロイメントにおける Git フックのサポート

Operator を使用して Red Hat Process Automation Manager を Red Hat OpenShift Container Platform にデプロイする場合に、Git フックを設定して、Business Central に統合されている Git リポジトリーと他のリポジトリとの間での操作ができます。

2.6.2. Red Hat OpenShift Container Platform での Operator デプロイメントにおけるロールマッピングのサポート

Operator と、RH-SSO または LDAP 認証を使用して Red Hat OpenShift Container Platform に Red Hat Process Automation Manager をデプロイする場合には、Red Hat Process Automation Manager に定義したロールを RH-SSO または LDAP で定義したロールとリンクするように、ロールマッピングを設定できます。

2.6.3. Red Hat OpenShift Container Platform での Operator デプロイメントにおける外部データベースドライバーのサポート

Operator を使用して Red Hat OpenShift Container Platform に Red Hat Process Automation Manager をデプロイして、KIE Server が外部データベースサーバーを使用するように設定する場合には、Oracle、Sybase、DB2 または MS SQL サーバーを使用するように設定できます。

2.6.4. Red Hat OpenShift Container Platform での Operator のデプロイメントにおける JVM 設定のサポート

Operator を使用して Red Hat Process Automation Manager を Red Hat OpenShift Container Platform にデプロイする場合に、Business Central および KIE Server Pod の JVM 構成をカスタムで設定できます。

2.6.5. ReadWriteMany をサポートしない Red Hat OpenShift Container Platform でのオーサリング環境のデプロイ

Red Hat OpenShift Container Platform に Red Hat Process Automation Manager のデプロイ時に、Red Hat OpenShift Container Platform インフラストラクチャーが ReadWriteMany モードをサポートする永続モジュールをプロビジョニングしない場合に、オーサリング環境をデプロイできます。

2.6.6. Business Central と KIE Server の間の通信に使用する単一の組み込みユーザーアカウント

Red Hat Process Automation Manager は、組み込みの管理ユーザーアカウント 1 つを使用して Business Central と KIE Server の通信を行うようになり、複数の組み込みユーザーアカウントを設定する必要がなくなりました。

2.6.7. Red Hat OpenShift Container Platform の Red Hat Process Automation Manager オーサリング環境における KIE Server への同時サービスデプロイメントのサポート

テンプレートを使用して Red Hat OpenShift Container Platform 3.x に Red Hat Process Automation Manager のオーサリング環境をデプロイする場合に、デプロイメントが完了するまで待ってから次のデプロイメントを開始する必要なく、同じ KIE Server に同時に複数のサービスをデプロイできます。この機能は、Business Central と KIE Server 間の通信に適用する ControllerBasedStartupStrategy 設定で行われます。このストラテジーは、Operator を使用して Red Hat OpenShift Container Platform 4.x をデプロイするときにも有効にできます。

2.6.8. Red Hat OpenShift Container Platform 4.3 への Red Hat Process Automation Manager のデプロイメントサポート

Operator を使用した Red Hat OpenShift Container Platform への Red Hat Process Automation Manager 環境のデプロイメントがサポートされるようになりました。

2.6.9. Red Hat JBoss EAP バージョンの 7.2.6 への更新

Red Hat OpenShift Container Platform の Red Hat Process Automation Manager イメージでは、Red Hat JBoss EAP のバージョンが7.2.6 に更新されています。

第3章 非推奨コンポーネントと削除されたコンポーネント

3.1. 非推奨コンポーネント

本セクションのコンポーネントは非推奨になります。

3.1.1. レガシーのテストシナリオツール

レガシーのテストシナリオツールは、Red Hat Process Automation Manager 7.3.0 で非推奨になりました。このツールは、今後の Red Hat Process Automation Manager リリースで削除予定です。代わりに、新しいテストシナリオデザイナーを使用してください。

3.1.2. Red Hat OpenShift Container Platform 3.x のサポート

Red Hat Process Automation Manager 7.5 のリリースから、Red Hat OpenShift Container Platform 3.x のサポートは非推奨になりました。これには、すべてのテンプレートを使用した Red Hat Process Automation Manager のインストールも含まれます。Red Hat OpenShift Container Platform 3.x のサポートは、今後の Red Hat Process Automation Manager リリースでは廃止される予定です。Operator を使用して Red Hat Process Automation Manager を Red Hat OpenShift Container Platform 4.x にデプロイすることを検討してください。

3.1.3. レガシーのプロセスデザイナー

Business Central のレガシーのプロセスデザイナーは、Red Hat Process Automation Manager 7.6.0 で非推奨になりました。そのため、レガシーのプロセスデザイナーには新しい機能拡張や機能は追加されません。新しいプロセスデザイナを使用予定の場合には、お使いのプロセスを新しいデザイナーに移行し始め、新しいプロセスデザイナーですべての新規プロセスを作成してください。 新規デザイナーへのプロジェクト移行に関する詳細は、「Business Central でのプロジェクトの管理」を参照してください。

3.2. 削除されたコンポーネント

このセクションに記載のコンポーネントは削除されます。

3.2.1. レガシーのビジネスプロセスアセット

レガシーのビジネスプロセスアセットは Red Hat Process Automation Manager 7.7 で削除されます。新しいビジネスプロセスアセットを使用してください。

3.2.2. サポート言語の削除

Red Hat Process Automation Manager ユーザーインターフェースで、中国語、ドイツ語、ポルトガル語のサポートがなくなりました。

第4章 テクノロジープレビュー

本セクションでは、Red Hat Process Automation Manager 7.7 のテクノロジープレビュー機能を説明します。Business Central には、デフォルトで無効になっている実験的機能管理ページが含まれています。このページを有効にするには、appformer.experimental.features プロパティーの値を true に設定します。

重要

これらの機能はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は Red Hat の実稼働環境でのサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、機能的に不十分である可能性があり、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。これらの機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けて提供するので、お客様は機能性をテストし、開発プロセス中にフィードバックを寄せることができます。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能についての詳細は、テクノロジプレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

4.1. 制限付きネットワークでの Red Hat OpenShift Container Platform 4.x のデプロイメント

Operator Lifecycle Management を使用して、公開インターネットに接続されていない制約付きのネットワークで Red Hat OpenShift Container Platform 4.x に Red Hat Process Automation Manager をデプロイできます。

4.2. Red Hat OpenShift Container Platform 4.x への Red Hat Decision Manager 高可用性のオーサリング環境のデプロイ

Operator を使用して Red Hat OpenShift Container Platform 4.x に高可用性の Red Hat Process Automation Manager オーサリング環境にデプロイできます。

4.3. ケースモデラー

Business Central のケースモデラーに、新しいプロセスデザイナーが追加されました。このモデラーでは、ケースをステージのシーケンスとしてモデル化するオプションが追加され、ハイレベルでのケースモデルの定義が簡素化されました。ケースモデルは、ヒューマンタスク、サブプロセス、サブクラスの 3 種類のタスクをサポートします。

注記

Red Hat Process Automation Manager 7.7 のケースモデラーはテクノロジープレビュー機能で、デフォルトでは Business Central で無効になっています。Business Central でケースモデラープレビューを有効にするには、ウィンドウの右上隅で SettingsRoles とクリックし、左側のパネルからロールを選択して、Editors(New) Case ModelerRead とクリックしてから Save をクリックして変更を保存します。

4.4. スタンドアロンサービスとしてのプロセスインスタンスの移行

プロセスインスタンスの移行は、ユーザーインターフェースとバックエンドを含むスタンドアロンのサービスとして利用できるようになりました。このサービスは、Thorntail uber JAR としてパッケージ化されています。プロセスインスタンスの移行サービスを使用することで、2 つの異なるプロセス定義間の移行を定義できます (これを移行プランと呼ぶ)。特定の KIE Server で実行中のプロセスインスタンスに対して、この移行プランを適用できます。

プロセスインスタンスの移行におけるスタンドアロンサービスに関する詳細は、GitHub の Process Instance Migration Service ページを参照してください。

4.5. Prediction Service API

Prediction Service API を使用して、ヒューマンタスクを支援する予測サービスを提供できます。予測サービスは AI を使用できます。たとえば、予測モデルマークアップ言語 (PMML: Predictive Model Markup Language) モデルまたは統計的機械知能と学習エンジン (SMILE: Statistical Machine Intelligence and Learning Engine) を使用してサービスを実装できます。

4.6. Constraint Streams API

Drools Rules Language (DRL) の代替として Constraint Streams API を使用し、プレーンな Java 8+ でのインクリメンタルスコアの計算をプログラミングできます。Constraint Streams API は迅速かつスケーラブルでデバッグ可能です。Constraint Streams API を使用するソルバーの開発やデバッグには、どの IDE でも使用できます。この API ではデルタを使用して、エンジンが必要な計算だけを再実行できます。また、正当化をサポートするので、ソルバーをデバッグするためにソリューションに達した理由を確認できます。Contraint Streams API は NQueens、タスクの割り当て、航空機乗組員のスケジューリングのユースケースを完全にサポートしている点に注意してください。

4.7. OpenShift Operator インストーラーウィザード

Red Hat Process Automation Manager 向けの OpenShift Operator には、インストーラーウィザードが提供されます。このウィザードを使用して、Operator が含まれる Red Hat OpenShift Container Platform に Red Hat Process Automation Manager 環境をデプロイできます。

第5章 既知の問題

本セクションでは、Red Hat Process Automation Manager 7.7 の既知の問題を紹介します。

5.1. Business Central

Business Central からログアウトして、再ログインすると、言語が選択した言語ではなく英語に切り替わる [RHPAM-2779]

問題: Business Central で Languages ドロップダウンメニューから言語を選択して Business Central からログアウトし、ログインし直すと、言語が選択した言語ではなく英語に切り替わります。

問題再現のステップ:

  1. Business Central で、画面の右上隅にある Admin アイコンを選択して、Lauguages を選びます。
  2. Languages ドロップダウンメニューから French を選択します。
  3. OK をクリックします。
  4. Business Central からログアウトします。
  5. Business Central にログインします。
  6. Business Central で、画面の右上隅にある Admin アイコンを選択して、Lauguages を選びます。

想定される結果: 言語のリストのダイアログボックスが表示されます。

実際の結果: Business Central が再読み込みされて、言語が選択した言語ではなく、英語に切り替わります。

回避策: 画面の右上隅にある Admin アイコンを選択して、Languages、任意の言語の順に選択します。

Business Central で無効な jandex インデックスファイルを使用して WAR ファイルをデプロイするとエラーが発生する [RHPAM-2742]

問題: Business Central または KIE Server WAR ファイルを Red Hat JBoss EAP または Thorntail をデプロイすると、以下のメッセージで、無効な jandex インデックスファイルエラーが発生します。

WFLYSRV0002: Could not read provided index: /content/kie-server.war/WEB-INF/lib/kubernetes-client-4.6.0.jar/META-INF/jandex.idx

警告パネルは、表示中のプロジェクトにだけ関連するメッセージを表示するのではなく、複数のプロジェクトからのメッセージと混同する [RHDM-1243]

問題: Alerts パネルで、表示中のプロジェクトに関連するメッセージのみだけでなく、複数のプロジェクトからの警告メッセージが表示される可能性があります。

問題再現のステップ:

  1. Business Central を起動します。
  2. MySpace を開きます。
  3. a-project という名前のプロジェクトを追加します。
  4. a-model という名前のプロジェクトを追加します。
  5. 式を指定せずに、A-Decision という名前のデシジョンノードを追加します。
  6. Save をクリックして a-model を保存します。
  7. MySpace に戻ります。
  8. b-project という名前のプロジェクトを追加します。
  9. b-model という名前の DMN アセットを追加します。
  10. 式を指定せずに B-Decision という名前のデシジョンノードを追加します。
  11. Save をクリックして b-model を保存します。

想定される結果: Alerts パネルで、複数プロジェクトのメッセージが混同されません。

実際の結果: Alerts が複数プロジェクトのメッセージと混同します。

回避策: なし

Dashbuilder データ転送機能が Windows で機能しない [RHPAM-2751]

問題: Dashbuilder データ転送機能が Windows で機能せず、Business Central に対して Dashbuilder 関連のデータをエクスポートしたり、インポートできません。

問題再現のステップ:

  1. Windows で Business Central を起動します。
  2. 画面の右上隅にある Admin アイコンを選択して、Dashbuilder Data Transfer を選びます。
  3. 一部のデータをエクスポートまたはインポートしてみてください。

想定される結果: Windows でダッシュボードのデータをエクスポートまたはインポートできます。

実際の結果: Windowsではダッシュボードデータをエクスポートまたはインポートできません。

回避策: なし

5.2. プロセスデザイナー

< > 文字を含むカスタムのデータ型のプロセスを移行しようとすると、警告メッセージが表示される [RHPAM-2772]

問題: < > 文字を含むカスタムデータ型のプロセスを移行できません。Migrate Diagram ウィンドウで空のエラーメッセージが表示されます。

問題再現のステップ:

  1. レガシーのプロセスデザイナーでプロセスを作成します。
  2. < > 文字を含むカスタムのデータ型と名前でプロセス変数を定義します。
  3. プロセスを新しいプロセスデザイナーに移行します。

想定される結果: 新規プロセスデザイナーにプロセスを移行できます。プロセスが破損している場合には、プロセスの移行ができない旨を通知するエラーメッセージが表示されます。

実際の結果: プロセスの移行ができないと警告が表示されます。

回避策: 全プロセス変数定義のカスタム型から <> 文字を削除してから、移行を開始してください。

ユーザータスクの通知の件名に '^' 文字を使用する場合にエラーが発生する [RHPAM-2763]

問題: プロセスデザイナーで ユーザータスクの Notifications の件名で ^ 文字を使用すると、プロセスが破損してしまいます。

問題再現のステップ:

  1. ユーザータスクを作成します。
  2. Notifications をクリックして、ユーザータスクに関連付けられた通知を指定します。
  3. Notifications の 件名に ^ と入力します。
  4. Save をクリックします。
  5. プロセスを保存して再開します。

想定される結果: プロセスは壊れず、プロセスデザイナーが開きます。

実際の結果: プロセスが壊れて、システムエラーメッセージが表示されます。

回避策: 通知の件名に ^ 文字を使用しないでください。

再利用可能なサブプロセスに呼び出した要素が生成されない [RHPAM-2760]

問題: プロセスデザイナーで、再利用可能なサブプロセスが Called element ドロップダウンリストに生成されません。

問題再現のステップ:

  1. プロセス A を作成します。
  2. プロセス B を作成します。
  3. プロセス B で再利用可能なサブプロセスを作成します。
  4. 呼び出された要素 のプロパティーをクリックします。

想定される結果: 呼び出された要素のプロパティーが生成されます。

実際の結果: 呼び出された要素のプロパティーが生成されません。

回避策: 再利用可能なサブプロセスを無効にして、有効にしなおします。

他のプロセスの復元中にプロセスを編集するとエラーが発生する [RHPAM-2757]

問題: プロセスデザイナーで、他のプロセスを復元しようとすると、プロセスの編集中にエラーメッセージが表示されます。

問題再現のステップ:

  1. プロセス A を作成して、このプロセスは終了しないでください。
  2. プロセス B を作成します。
  3. プロセス B に変更を加え、Save をクリックします。
  4. Latest version メニューから Version 1 を選択します。Restore はクリックしないようにしてください。
  5. プロセス A を開きます。
  6. プロセス A に変更を加え、Save をクリックします。

想定される結果: エラーメッセージは表示されません。

実際の結果: エラーメッセージが表示されます。

回避策: 他のプロセスの編集を開始する前に、Restore をクリックして、以前のバージョンの復元を完了してください。

ケースファイルとグローバル変数を削除できない [RHPAM-2643]

問題: プロセスデザイナーでケースを編集時に、Case Management セクションでケースファイル変数を追加できますが、削除できません。また、グローバル変数も削除できません。

問題再現のステップ:

  1. ケースプロジェクトを作成します。
  2. ケース定義を作成します。
  3. Properties パネルの Case Management セクションで、ケースファイル変数を追加します。
  4. Properties パネルでグローバル変数を追加します。
  5. ケースファイル変数とグローバル変数を削除してみてください。

想定される結果: 各変数の横にゴミ箱アイコンが表示されます。アイコンをクリックすると、変数が削除されます。

実際の結果: 変数を削除することはできず、ごみ箱アイコンも表示されません。

回避策:

  1. プロセスまたはケースをダウンロードします。
  2. ダウンロードした .bpmn ファイルでケースファイル変数とグローバル変数の場所を特定し、削除します。
  3. Business Central からプロセスまたはケースを削除します。
  4. 先ほどダウンロードして編集した .bpmn ファイルを Business Central にインポートします。

ルールフローグループが生成されない [RHPAM-2740]

問題: ルールフローグループがプロジェクトで定義されている場合には、プロジェクトにプロセスデザイナーでルールフローグループメニューが生成されません。

問題再現のステップ:

  1. ルールフローグループを含む新しい DRL ファイルを作成します。
  2. 新規ページを作成します。
  3. ビジネスルールタスクを有効にします。
  4. Business Rule タスクの Rule Flow Group プロパティーをクリックします。

想定される結果: プロジェクトのルールフローグループすべてが Rule Flow Group ドロップダウンメニューに表示されます。

実際の結果: Rule flow Group ドロップダウンメニューに何も表示されません。

回避策:

  1. キャンバスをクリックします。
  2. Rule flow Group ドロップダウンメニューをもう一度クリックします。

5.3. インストーラー

Red Hat Process Automation Manager インストーラーで Red Hat JBoss Web Server 5.1 がインストールのパスの手順で参照される [RHPAM-2745]

問題: Red Hat Process Automation Manager インストーラーの実行時に、インストールパスの手順で Red Hat JBoss Web Server 5.2 ではなく Red Hat JBoss Web Server 5.1 が参照されてしまいます。

5.4. DMN デザイナー

ノードのデータ型が、データ型エディターでドラッグアンドドロップした後に失われる [RHDM-1269]

問題: DMN ダイアグラムで、ノードがカスタムの DMN データ型を参照しており、このカスタムのデータ型を編集すると、ノードのダイアグラムの参照が失われ、ノードが <Undefined> のデータ型を参照してしまいます。

問題再現のステップ:

  1. 新しい DMN ダイアグラムを作成します。
  2. カスタムのデータ型を 2 つ追加します。
  3. DMN ダイアグラムにノードを 1 つ追加します。
  4. ノードの出力型を、作成したカスタムデータ型の 1 つに設定します。
  5. ドラッグアンドドロップして、カスタム定義のデータ型を並べ替えます。
  6. ノード定義に戻ります。

想定される結果: カスタムデータ型の 1 つになります。

実際の結果: ノードが <Undefined> のデータ型を参照します。

回避策: カスタムのデータ型を並べ替えた後にノードのデータ型を設定してください。

DMN デザイナーで、無効な DMN 識別子が含まれる Java クラスを変換できない [RHDM-1231]

問題: Java クラスにフィールド名が含まれている場合に Java クラスを DMN データ型に変換しようとすると、エラーが発生します。

回避策: なし

第6章 Red Hat Process Automation Manager 7.7.0 で修正された問題

Red Hat Process Automation Manager 7.7.0 の安定性が増し、本セクションに挙げる問題が修正されました。

注記

Red Hat Decision Manager で修正された問題は Red Hat Process Automation Manager にも適用されます。Red Hat Decision Manager 7.7.0 の修正された問題の一覧については、『Red Hat Decision Manager 7.7 リリースノート』を参照してください。

6.1. Business Central

  • デプロイメントユニットを追加して手動で GAV 値を入力するときに、ランタイムストラテジーが指定したデフォルト値に設定されない [RHPAM-2623]
  • フィルターを保存してからアクティブにすると、エラーメッセージが表示される [RHPAM-2545]
  • ガイド付きルールエディターで、複雑な値の組み合わせを使用できない [RHPAM-2457]
  • サーバーが切断されて、Business Central に再接続されたあとに、KIE Server の状態がサーバーテンプレートで更新されない [RHPAM-2544]
  • ガイド付きルールエディターが原因で、ルールファイルから matches 演算子が削除される [RHPAM-2631]

6.2. プロセスデザイナー

  • プロセスデザイナーの Properties パネルが開かれている状態で、Maximize ボタンをクリックすると、パネルが閉じて復元される [RHPAM-2613]
  • 名前にスペース、コロン (:)、またはその他の特殊文字が含まれていると、シグナル名の検証に失敗する [RHPAM-2557]
  • ゲートウェイを作成するときに、Properties パネルの Default Route ドロップダウンリストにオプションがない [RHPAM-2536]

6.3. プロセスインスタンスの移行

  • プロセスインスタンスの移行サービスが Oracle データベースで動作しない [RHPAM-2558]

6.4. プロセスエンジン

  • Smart Router で複数の KIE Server を設定する場合に Business Central でプロセスの詳細を表示できない [RHPAM-2568]
  • 終了したケースを再度開こうとすると、終了した時点から再開されるのではなく、新規プロセスインスタンス作成するように開かれる [RHPAM-2556]

6.5. Red Hat OpenShift Container Platform

  • 依存関係のバージョンが異なるため、Optaweb Vehicle Routing テストに失敗する [RHDM-1129]

6.6. オフライン Maven リポジトリー

  • offliner ツールは、オフラインの Maven リポジトリーのアーティファクトをダウンロードするとエラーを報告する [RHPAM-2234]

6.7. DMN デザイナー

  • Properties パネルのデシジョンテーブルヘッダーを変更しても、その変更が保存されない [RHDM-1181]
  • Java クラスからデータオブジェクトをインポートする場合に、Java Date 型を含むフィールドが DMN の date 型に変換されない [RHDM-1145]
  • Java クラスから Date オブジェクトをインポートする場合に、Java List 型が DMN collection 型に変換されない [RHDM-1144]

付録A バージョン情報

本ドキュメントの最終更新日: 2020 年 3 月 18 日 (水)

法律上の通知

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