第13章 Red Hat Process Automation Manager インストーラーの使用

本セクションでは、インストーラー JAR ファイルを使用して Business Central および KIE Server をインストールする方法を説明します。JAR ファイルは、既存の Red Hat JBoss EAP 7.4 サーバーインストールに Red Hat Process Automation Manager をインストールする実行ファイルです。インストーラーは、インタラクティブモードまたはコマンドラインインターフェイス (CLI) モードで実行できます。

注記

Red Hat Process Automation Manager JAR ファイルインストーラーは、yum または RPM Package Manager を使用してインストールした Red Hat JBoss EAP ディストリビューションを サポートしません。このようにインストールされた Red Hat JBoss EAP に Red Hat Process Automation Manager をインストールするには、Red Hat Process Automation Manager 7.12 Deployable for Red Hat JBoss EAP 7.4 ファイルをダウンロードし、14章ZIP ファイルからの Red Hat Process Automation Manager のインストール の手順に従います。

注記

IBM JDK では、その他の JDK で生成したキーストアを使用できないため、別の JDK で生成したキーストアを使用して、IBM JDK で実行している既存の Red Hat JBoss EAP に Red Hat Process Automation Manager をインストールすることはできません。

次のステップ:

以下のセクションのいずれかに記載される手順を行います。

13.1. インタラクティブモードでのインストーラーの使用

Red Hat Process Automation Manager のインストーラーは、実行可能な JAR ファイルです。このインストーラーを使用して、既存の Red Hat JBoss EAP 7.4 サーバーインストールに Red Hat Process Automation Manager をインストールできます。

注記

セキュリティー上の理由で、root 以外のユーザーでインストーラーを実行する必要があります。

前提条件

  • Red Hat Process Automation Manager 7.12.0 インストーラー をダウンロードしている。手順は、12章Red Hat Process Automation Manager インストールファイルのダウンロードを参照してください。
  • サポート対象の JDK がインストールされている。サポート対象の JDK の一覧については、Red Hat Process Automation Manager 7 Supported Configurations を参照してください。
  • バックアップを作成してある Red Hat JBoss EAP 7.4 のサーバーインストールが利用できる。
  • インストールを完了するのに必要なユーザーパーミッションが付与されている。
  • $PATH 環境変数に含まれている JAR バイナリー。Red Hat Enterprise Linux では、java-$JAVA_VERSION-openjdk-devel パッケージに含まれています。

    注記

    Red Hat Process Automation Manager は、UTF-8 エンコーディングで機能するように設計されています。基礎となる JVM で別のエンコーディングシステムを使用すると、予期せぬエラーが発生する可能性があります。JVM で UTF-8 を使用するようにするには、-Dfile.encoding=UTF-8 のシステムプロパティーを使用します。システムプロパティーの一覧は、付録A Business Central システムプロパティー を参照してください。

手順

  1. 端末ウインドウで、インストーラー JAR ファイルをダウンロードしたディレクトリーに移動し、以下のコマンドを入力します。

    java -jar rhpam-installer-7.12.0.jar
    注記

    Windows でインストーラーを実行すると、インストール時に管理者の認証情報が求められる場合があります。この要求を回避するには、インストールコマンドに izpack.mode=privileged オプションを追加します。

    java -Dizpack.mode=privileged -jar
    rhpam-installer-7.12.0.jar

    また、32 ビットの Java 仮想マシンでインストーラーを実行している場合には、メモリー不足になる可能性があります。この問題を防ぐには、以下のコマンドを実行します。

    java -XX:MaxHeapSize=4g -jar
    rhpam-installer-7.12.0.jar

    グラフィカルインストーラーにスプラッシュ画面と使用許諾契約書のページが表示されます。

  2. I accept the terms of this license agreement (本使用許諾契約書の内容に同意します) をクリックし、Next をクリックします。
  3. Red Hat Process Automation Manager をインストールする Red Hat JBoss EAP 7.4 サーバーのホームを指定して、Next をクリックします。
  4. インストールするコンポーネントを選択し、Next をクリックします。

    注記

    Business Central と KIE Server は同じサーバーにインストールできます。ただし、実稼働環境では、Business Central と KIE Server は異なるサーバーにインストールすることが推奨されます。そのためには、インストーラーを 2 回実行します。

  5. ユーザーを作成して Next をクリックします。デフォルトでは、同じコンテナーに Business Central と KIE Server の両方をインストールする場合は、新しいユーザーに admin ロール、kie-server ロール、および rest-all ロールが割り当てられます。KIE Server のみをインストールした場合には、ユーザーには kie-server ロールが割り当てられます。別のロールを選択する場合は、admin ロールを外します。ロールの詳細は、11章Red Hat Process Automation Manager ロールおよびユーザー を参照してください。

    注記

    必ず、既存のユーザー、ロール、またはグループとは異なるユーザー名を指定してください。たとえば、admin という名前のユーザーは作成しないでください。

    パスワードは 8 文字以上で、数字と、英数字以外の文字をそれぞれ 1 文字以上使用する必要があります。ただし & の文字は使用できません。

    ユーザー名とパスワードを書き留めておきます。Business Central および KIE Server にアクセスする時に必要になります。

  6. Installation Overview ページで、インストールするコンポーネントを確認し、Next をクリックしてインストールを開始します。
  7. インストールが完了したら、Next をクリックします。
  8. KIE Server がインストールされている場合には、Component InstallationConfigure Runtime の手順が表示されます。Configure Runtime Environment ページで、デフォルトのインストールを実行するか、詳細設定を行うかを選択します。

    Perform advanced configuration を選択した場合は、データベース設定、または特定の KIE Server オプションのカスタマイズが選択できます。

  9. JDBC Drive Configuration ページで Customize database settings を選択した場合は、データソースの JDBC ドライバーのベンダーを選択し、ドライバーの JAR ファイルを 1 つ以上選択し、Next をクリックします。

    データソースは、アプリケーションサーバーなど、Java Database Connectivity (JDBC) クライアントを有効にするオブジェクトで、データベースへの接続を確立します。アプリケーションは、JNDI (Java Naming and Directory Interface) ツリーまたはローカルのアプリケーションコンテキストでデータソースを検索し、データベース接続を要求してデータを取得します。KIE Server にデータソースを設定して、サーバーと、指定したデータベースとの間で適切なデータ交換を行う必要があります。

  10. KIE Server Properties ConfigurationCustomize KIE Server properties を選択した場合は、以下のいずれかのプロパティーを変更します。

    • KIE Server ID の値を変更して、KIE Server プロパティーの名前を変更します。
    • Controller URL の値を変更して、ヘッドレス Process Automation Manager コントローラーの URL を変更します。
    • 無効にする KIE Server 機能の選択を解除します。
  11. Next をクリックして、ランタイム環境を設定します。
  12. 画面上部に Processing finished が表示されたら、Next をクリックしてインストールを完了します。
  13. 必要に応じて、Generate Installation Script and Properties File をクリックして、XML ファイルでインストールデータを保存し、Done をクリックします。

    インストーラーは、2 つのファイルを生成します。auto.xml ファイルは、今後のインストールを自動化し、auto.xml.variables ファイルは、ユーザーのパスワードと他の機密情報に関連する変数を保存します。auto.xml ファイルを使用して、元のインストールと同じタイプのサーバーおよび同じ設定の複数のシステムで Red Hat Process Automation Manager のインストールを繰り返します。必要に応じて、auto.xml ファイルの installpath パラメーターを更新します。XML ファイルを使用してインストールを実行するには、以下のコマンドを入力します。

    java -jar rhpam-installer-7.12.0.jar <path-to-auto.xml-file>

これで、インストーラーを使用して Red Hat Process Automation Manager がインストールできました。Business Central だけをインストールした場合は、この手順を繰り返して、別のサーバーに KIE Server をインストールします。

注記

Microsoft SQL Server を使用する場合は、データベースに適した正しいトランザクションの分離を設定していることを確認してください。設定されていない場合には、デッドロックが発生する可能性があります。推奨の設定は、以下のステートメントを入力して、ALLOW_SNAPSHOT_ISOLATIONREAD_COMMITTED_SNAPSHOT を ON にします。

ALTER DATABASE <DBNAME> SET ALLOW_SNAPSHOT_ISOLATION ON
ALTER DATABASE <DBNAME> SET READ_COMMITTED_SNAPSHOT ON