第40章 Case roles
ケー出力ルは、ユーザーがケース処理に参加する追加の抽象層を提供します。ロール、ユーザー、およびグループは、ケース管理の別の目的に使用されます。
- ロール
- ロールは、ケースインスタンスの認証や、ユーザーアクティビティーの割り当てを可能にします。ユーザー、または 1 つ以上のグループを所有者ロールに割り当てることができます。所有者は、ケースを所有するユーザーになります。ケースの定義では、ロールはユーザーまたはグループ 1 つだけに制限されません。特定のユーザーまたはグループにタスクを割り当てる代わりに、ロールを使用してタスクの割り当てを指定することで、ケースを動的に保ちます。
- Groups
- グループとは、特定のタスクを実行できるユーザー、または指定の責任が割り当てられたユーザーの集合です。グループには何人でも割り当てることができ、ロールにはどのグループでも割り当てることができます。グループのメンバーをいつでも追加または変更できます。特定のタスクにグループをハードコーディングしないでください。
- ユーザー
ユーザーとは、ロールに割り当てたり、グループに追加したりして、特定のタスクを割り当てることができる個人を指します。
注記プロセスエンジンまたは KIE Server で
unknown
という名前のユーザーは作成しないでください。unknown
ユーザーアカウントは、superuser のアクセス権限があるシステム名用に予約されています。unknown
ユーザーアカウントでは、ログインしているユーザーがない場合に、SLA 違反リスナーに関連するタスクを実行します。
以下の例では、以下の情報で、前述のケース管理の概念をホテル予約にどのように適用するかを説明します。
-
ロール:
Guest
-
グループ:
Receptionist
、Maid
-
ユーザー:
Marilyn
Guest
のロールを割り当てると、関連ケースの特定の作業に影響があり、ケースインスタンスごとに固有です。すべてのケースインスタンスには、独自のロール割り当てがあります。ロールに割り当てることができるユーザーまたはグループの数はケースの Cardinality
で制限されています。これは、プロセス設計者やケース定義でのロール作成時に設定されます。たとえば、ホテル予約ケースではゲストロールが 1 つ、IT_Orders サンプルプロジェクトでは IT ハードウェア業者ロールが 2 つです)。
ロールが定義されている場合は、ロールがケース定義の一部としてユーザー 1 人またはグループ 1 つにハードコードされておらず、ケースインスタンスごとに違うものを指定できるようにする必要があります。ケースのロール割り当てが重要なのは、このような理由からです。
ロールは、ケースの開始時や、ケースがアクテイブになった時点で割り当てまたは割り当ての解除ができます。ロールは任意ですが、ケース定義でロールを使用して、整理されたワークフローを維持します。
タスク割り当てに実際のユーザーまたはグループ名を使用する代わりに、ロールを使用します。これにより、必要に応じて、ケースと、ユーザーまたはグループを割り当てるタイミングを遅らせることができます。
ロールはユーザーまたはグループに割り当てられ、ケースインスタンスの起動時にタスクを実行する権限があります。
40.1. ケー出力ルの作成
プロセスデザイナーでケースの設計時に、ケース定義でケースのロールを作成して、定義できます。ケースのロールは、ケースの定義レベルで設定して、ケースインスタンスを処理するアクターと分離させることができます。また、ロールは、ユーザータスクに割り当てるか、ケースのライフサイクル全体で問い合わせの参照として使用することができますが。固有のユーザーまたはユーザーのグループとして、ケースには定義されていません。
ケースインスタンスには、ケースの作業を実際に処理する個人が含まれます。新規ケースインスタンスを開始する場合にはロールを割り当ててください。ケースのランタイム中にケースのロール割り当てを変更して、ケースの柔軟性を保つことができますが、以前のロール割り当てをもとにすでに作成されているタスクには効果がありません。ロールに割り当てられたアクターには柔軟性がありますが、ロール自体はどのケースも同じままです。
前提条件
- ケース定義が含まれるケースプロジェクトが Business Central に存在する。
- プロセスデザイナーでケース定義アセットが開いている。
手順
- ケースに関連するロールを定義するには、エディターのキャンバスの空のスペースをクリックし、 をクリックして Properties メニューを開きます。
Case Management を展開してケー出力ルを追加します。
ケースのロールには、ロールの名前とケースカーディナリティーが必要です。ケースカーディナリティーとは、ケースインスタンスでロールに割り当てられたアクターの数です。たとえば、IT_Orders サンプルのケース管理プロジェクトには、以下のロールが含まれます。
図40.1 ITOrders ケー出力ル
この例では、ケースの
owner
にアクター (ユーザーまたはグループ) 1 つのみを、manager
ロールには 1 つのアクターのみを割り当てることができます。supplier
ロールには、アクターを 2 つ割り当てることができます。ケースによっては、ロールに設定済みのケースカーディナリティーをもとに、特定のロールにいくつでもアクターを割り当てることができます。