第33章 ケース管理
ケース管理は、Business Process Management (BPM) の拡張機能で、適用可能なビジネスプロセスを管理します。
BPM は、反復可能で共通のパターンを持つタスクの自動化に使用する管理プラクティスで、プロセスを完全化して最適化を図ることに焦点を当てます。ビジネスプロセスは通常、ビジネスの目標へのパスを明確に定義し、モデル化されています。これにより、通常は、量産原理に基づいた、多くの予測可能性が必要となります。ただし、実在する多くのアプリケーションでは、(可能なパス、脱線、例外など) 開始と終了を完全に説明することができません。特定のケースでプロセス指向のアプローチを使用すると、複雑なソリューションとなり、管理が困難になります。
ケース管理は、ルーティンで、予測可能なタスクを対象する BPM の効率指向アプローチとは対照的に、繰り返さず、予測できないプロセスに対する問題解決を提供します。ここでは、プロセスが前もって予測できない、一回限りの状況が管理されます。ケース定義は、通常、特定のマイルストーン、そして最終的には企業目標となるように、直接または間接的につながる結合が弱いプロセスの断片で設定されます。一方、プロセスは、ランタイム時に発生する変更に応えて動的に管理されます。
Red Hat Process Automation Manager のケース管理には、以下のコアプロセスエンジン機能が含まれます。
- ケースファイルのインスタンス
- ケースごとのランタイム戦略
- ケースコメント
- マイルストーン
- ステージ
- アドホックフラグメント
- 動的タスクおよびプロセス
- ケース識別子 (相関キー)
- ケースのライフサイクル (閉じる、再開、キャンセル、破棄)
ケース定義は常にアドホックのプロセス定義で、明示的な開始ノードは必要ありません。ケース定義は、ビジネスユースケースの主なエントリーポイントです。
プロセス定義は、ケースでサポートされる設定概念として導入され、ケース定義に指定された通り、または必要に応じて追加処理に動的に取り込むために呼び出すことができます。ケース定義は、以下の新しいオブジェクトを定義します。
- アクティビティー (必須)
- ケースファイル (必須)
- マイルストーン
- ロール
- ステージ