第42章 マイルストーン

マイルストーンとは、プロセスデザイナーパレットにマイルストーンノードを追加して、ケース定義デザイナーで設定できる、特別なサービスタスクのことです。新規ケース定義の作成時に、AdHoc Autostart として設定されたマイルストーンは、デフォルトでデザインパレットに含まれます。新規作成したマイルストーンはデフォルトで AdHoc Autostart には設定されません。

ケース管理のマイルストーンは、ステージの最後に発生するのが通常ですが、他のマイルストーンを達成した結果として発生する場合もあります。マイルストーンには、進捗を追跡するために、条件を定義する必要があります。マイルストーンは、ケースにデータを追加すると、ケースファイルのデータに反応します。また、マイルストーンは、ケースインスタンス内の達成地点を表します。これは、重要業績評価指標 (KPI) の追跡や、完了前のタスクの特定に有用な場合があります。

マイルストーンには、ケース実行中の以下のいずれのか状態を指定できます。

  • Active: 条件はマイルストーンで定義されているが、条件がまだ満たされていない。
  • Completed: マイルストーンの条件が満たされ、達成されたため、このケースは次のタスクに進むことができる。
  • Terminated: マイルストーンがケースプロセスから除外され、必要なくなっている。

マイルストーンが使用可能または完了している間は、シグナルによって手動でトリガーすることも、ケースインスタンスの開始時に AdHoc Autostart が設定されている場合は自動的にトリガーすることもできます。マイルストーンは何回でもトリガーできますが、条件が満たされている場合には、直接マイルストーンが達成されます。

42.1. マイルストーンの設定およびトリガー

マイルストーンは、ケースインスタンスの開始時に自動的に開始するように設定できます。または、ケース設計時に手動で設定したシグナルを使用して発生させることもできます。

前提条件

  • Business Central でケースプロジェクトが作成されている。
  • ケース定義が作成されている。

手順

  1. ダイアグラムエディターの左側にある事前定義済みのノードパネルから、Milestone オブジェクトをパレットにドラッグアンドドロップします。

    Milestone
  2. マイルストーンを選択した状態で、 diagram properties をクリックし、デザイナーの右側にある Properties パネルを開きます。
  3. Data Assignments を展開して完了条件を追加します。マイルストーンには、デフォルトで Condition パラメーターが含まれます。
  4. マイルストーンに完了条件を定義するには、Source 一覧から Constant を選択します。条件は Drools 構文で定義する必要があります。
  5. Implementation/Execution を展開して、AdHoc Autostart プロパティーを設定します。

    • ケースインスタンスの開始時に自動的に開始する必要があるマイルストーンの場合は、チェックボックスを選択して、このプロパティーを true に設定します。
    • シグナルイベントで発生させるマイルストーンの場合は、チェックボックスを選択せずに、このプロパティーを false に設定します。
  6. 必要に応じて、ケースゴールが達成した場合にマイルストーンを発生させるシグナルイベントを設定します。

    1. ケース設計パレットでシグナルイベントを選択した状態で、右側に Properties パネルを開きます。
    2. Signal Scope プロパティーを Process Instance に設定します。
    3. SignalRef 式エディターを開いて、発生させるマイルストーンの名前を入力します。

      Milestone trigger expression
  7. Save をクリックします。