35.2. ケース ID 式の設定
以下の手順は、IT_Orders サンプルプロジェクトを使用して、設定したメタデータ属性キーで caseId
を生成する式をカスタマイズする方法を説明します。
前提条件
- Business Central で IT_Orders サンプルプロジェクトを開いている。
手順
- Business Central で、Menu → Design → Projects に移動します。既存のプロジェクトがある場合は、MySpace のデフォルトのスペースをクリックして、Add Project ドロップダウンメニューから Try Samples を選択して、サンプルにアクセスできます。既存のプロジェクトがない場合には、Try samples をクリックします。
- IT_Orders を選択し、OK をクリックします。
- Assets ウィンドウで orderhardware ビジネスプロセスをクリックしてデザイナーを開きます。
- キャンバスの空きスペースをクリックし、右上隅の Properties アイコンをクリックします。
- Advanced メニューを展開して Metadata Attributes フィールドにアクセスします。
customCaseIdPrefix
メタデータ属性に以下の関数を 1 つ指定します。- LPAD: 左パディング
- RPAD: 右パディング
- TRUNCATE: 省略
- UPPER: 大文字
図35.2 customCaseIdPrefix メタデータ属性の UPPER 関数の設定
この例では、
type
は、Case File Variables フィールドに設定された変数です。この変数は、ランタイム時にtype1
の値に変更できます。UPPER
は事前に組み込まれた関数で変数を大文字に変換します。ただし、IT-
は静的な接頭辞となっています。そのため、動的なケース ID はIT-TYPE1-0000000001
、IT-TYPE1-0000000002
、およびIT-TYPE1-0000000003
のようになります。図35.3 ケースファイル変数
customCaseIdPrefixIsSequence
ケースメタデータ属性がfalse
(デフォルト値true
) に設定されている場合は、ケースインスタンスでシーケンスが作成されず、caseIdPrefix
式がケース ID になります。たとえば、社会保障番号をもとにケース ID を生成した場合、特定のシーケンスまたはインスタンス ID は必要ありません。customCaseIdPrefixIsSequence
メタデータ属性は必要に応じて追加し、false
(デフォルト値true
) に設定してケース ID の番号順を無効にします。カスタムのケース ID に使用する式にケースファイル変数が含まれており、一般的なシーケンス値ではなく、一意のビジネス ID で表現されている場合に便利です。たとえば、社会保障番号をもとにケース ID を生成した場合、特定のシーケンスまたはインスタンス ID は必要ありません。以下の例では、SOCIAL_SECURITY_NUMBER
は、ケースファイル変数として宣言された変数でもあります。図35.4 customCaseIdPrefixIsSequence metadata attribute
IS_PREFIX_SEQUENCE
ケースファイル変数は必要に応じてランタイム時にフラグとして追加され、ケース ID をシーケンスで生成するのを無効または有効にします。たとえば、個人医療保険の補償範囲にシーケンスの接頭辞を作成する必要はありません。複数家族の保険契約の場合、企業はIS_PREFIX_SEQUENCE
のケース変数をtrue
に設定し、家族の一人ずつ、順番に番号を付与します。customCaseIdPrefixIsSequence
メタデータ属性を静的にfalse
として使用します。IS_PREFIX_SEQUENCE
ケースファイル変数を使用して、ランタイム時に値をfalse
に設定しても同じ結果が得られます。図35.5 IS_PREFIX_SEQUENCE ケース変数